学生街のメインストリート。
学生・教員居住区から続いており、常世学園校舎までまっすぐ続いている大きな道。
学生達の通学路であり、学園行きの路面電車なども走っている。
道に併設されるようにして様々なカフェや飲食店など、商店が並んでいる。
居住するためのマンションや家もあるが、学園も近いこともあり家賃は高く、高級住宅街である。
参加者(0):ROM(1)
Time:04:46:53 更新
ご案内:「学生通り」から八坂 命さんが去りました。
■八坂 命 >
「んー……あっ、ここ結構ええかも」
掲示板の求人の内の一つに目を付け、電話番号をメモ。
そうしてうきうきで歩きながら電話を掛けつつその場を去るのであった。
■八坂 命 >
「うんむむむ……」
商店街の掲示板。
もうじきクリスマスシーズンと言うこともあるのか、臨時バイト募集の張り紙がいくつか張り出されている。
それにへばりつくような近さで眺めているミニスカ和服女子高生の姿。
あっちを眺め、こっちを眺め。
どのアルバイトが一番稼げるかを探している。
「どうせならサンタ服支給してくれるとこがええなぁ……」
クリスマスと言えばコスプレサンタ。
自分で買ってもいいのだが、どうせならタダが良い。
バイトが終われば貰えるならなお良い。
バイト終わったら部活のみんなとクリパもしたいし。
むんむん唸りながら掲示板に張り付く。
ご案内:「学生通り」に八坂 命さんが現れました。
ご案内:「学生通り」から都姫うずめさんが去りました。
■都姫うずめ > 遠くから元気のよい音楽が迫ってくる。
台の縁をしっかりと握りしめ、身を乗り出すようにして
そっちの方向を睨みつけた。
「なんだありゃ……。」
ぐねぐねと動く冷蔵庫に洗濯機、郵便ポストにまねきねこ。
付喪神の百鬼夜行とでも言うべきそのパレードは、
朗々と音楽を響かせながら道を通っていく。
自然に道を開ける群衆たちもいれば、それに紛れる人々も見受けられた。
パレードに紛れ込んだ人はぐにゃりと形を変え、ある者は歩く携帯端末、
ある者はなにかのカリカチュアたる人形、またあるものは巨大な神輿のてっぺんに登り
鯱へとその姿を変えていく。
「バッドトリップでもしてんじゃないの、これ。」
うずめは冷静だったが、かといってこの事態を理解できるわけでも、
解決できるわけでもなかった。
ぺちぺちと自分の頬を叩く。少なくても飲酒もドラッグもシーシャもやってない。
端末が動かないかを確認し、再度パレードの方を見やる。
眼前に列が迫っていた。
「うわ…!」
すわ巻き込まれるか、倒れるか。 そう思っていたけれど、
パレードは真っ二つに割れ、うずめを避けるようにして通過していく。
「…なんで?」
自分が冷静だからか、あるいはなにかアミュレットたるものがあったか。
あるいはこのパレードの先導者がバニーが嫌いだったのかも。
いずれにせよ、呆然としている間にパレードは遠く通り過ぎていた。
自分の端末を取り出し、本部に連絡を取る。
『生安08、都姫から本部。なんかとんでもないパレードが、
テンペスト通りを抜けていきましたよ。 え、通信?
できなかったから今言ってるんです!』
わけのわからないパレードも困るが、理不尽な本部も困る。
端末に言い返してから台を飛び降りて、パレードの後を追跡するために走り出すのであった。
■都姫うずめ > サイレンが鳴り響く。 あたりにスピーカーからの音声が響いた。
<パレードが通過します。皆様におかれましてはご自由にご参加いただき、
存分にパレードをお楽しみください。パレードが通過します。 皆様におかれましては…>
手元の時計を見る。 想定よりも早い。
まだルートの閉鎖も終わっていないのだ。
手元の端末を使い、本部に音声通信を試みる。
『生安08、都姫から本部。 テンペスト通りにパレードが差し掛かるのは15分後じゃないの?
放送で今からって言ってるけど、今からじゃ封鎖が間に合わない。 指示頂戴。』
返事がない。
『生安08、都姫から本部。 応答してってば。生活安全課だからって
武力を保持してない人がいないとでも思ってるの? 2,3発入れていいってんならいますぐ…』
『おかけになった電話ですが、対象の神様が不在であるため応答できませんでした。
大変申し訳ございませんお客様。この度デパート・パンテオンでは警備事業を停止することとなりました。
無間の地獄の沙汰も金次第と申しますから、いくらでも金を振り出せる
恵比寿様の小槌は幸福への最短ルート。
八百万の神々がお乗り遊ばす新幹線はサンライズ出雲・黎明号にご連絡をお願いいたします。』
貫高い女の声で滔々と告げられる謎のメッセージにぎゅっと眉をしかめる。
ふざけているわけでも、混線しているわけでもない。
端末をじっと眺めていると、まるで粘土かなにかのようにぐにゃりと蠢き、
手足が生えて自分の手を抜け出し、駆け出していった。
端末を視線で追う。 その先には大喜びの大群衆。
それらの一部がぐねぐねとゆらぎ歪んで、何等かの形を取ろうとしていた。
「まともな状況じゃないね、これ。」
ふん、と鼻を鳴らす。状況が気に入らない。
■都姫うずめ > 「この辺、もうしばらくするとパレードが通るらしいから通行には気を付けてくださーい。」
通りを行き交う人々に、台に立ってメガホンごしに呼びかける。
普段なら制服を身に着けて活動しないといけないはずなのだが、今日は特別だ。
『ハロウィンだからこそ何が起こるかもわからないため、
メンバーは各自最善の自衛装備をせよ』というお達しが出たためである。
とはいえ、生活安全課のやることと言ったら穏やかだ。
人々を啓蒙し、ルートを維持してつつがなくハロウィンを進行させる…ただそれだけである。
『…バニーのコスプレ?』『鼠径部際どいな~。』
声の主の方を見た人々が自分を見てちょっと驚くも、平然とした表情で軽く手を振った
人が自由を楽しむための、我々の…生活安全課の活動なのだ。
「もうすぐパレードがこの通りを通過します。通行には気を付けてくださーい。
パレード通貨完了までここは封鎖されますから、
お友達などと合流する際は早めにお願いしまーす。
はいそこー、逆走しないでくださーい、一通になってるんでよろしくでーす。」
眼の前をぞろぞろと通る人々は、皆様々な姿をしているが、表情は一様だ。
楽しそうで、嬉しそう。 見ているこっちの心が和む。
ご案内:「学生通り」に都姫うずめさんが現れました。
ご案内:「学生通り」から橘壱さんが去りました。
ご案内:「学生通り」からクロメさんが去りました。
■クロメ >
「……………」
嗚呼、本当に
これは
「……度し難い、な」
消えゆく怪異は、どこへともなく呟いた
■橘壱 >
自分の命の価値は然程高くはない。
それ以上に自分を押し上げるもの、縁。
自らを繋ぐもの。脳裏に過る友人たちの中で、
特に色濃く映ってしまった。表情も強張るというもの。
「…………言われるまでもない。僕の価値は…………」
違う、そんなことはない。
証明してやる。それこそ、己の存在を。
消えゆく少女に今はその先を言えることもなく、
その瞬間を見送ることになって、は、とする。
「……いや量!やっぱり僕に押し付ける気だろ!?おい!」
止める間もなかったろう。
完全に消えた時にクソ、と悪態を吐くハメになった。
「しょうがない。戻ったらイヴと一緒に食べるか」
踵を返し、群像の中へと消えていく。
差し出す価値。己の中で、最も価値があるもの。
「おいそれとは、言えないよな」
自分だけのモノというには、傲慢すぎる。
そんなぼやきさえ、宵闇の中に消えていった。
■クロメ >
「……」
男の様子を見る
思い悩む様。庇うように首筋を覆う、手
「考えておけ。価値がどこにあるか」
ばさり、と宙に飛ぶ
「甲斐性、といったか?
発揮してみたらどうだ?」
怪異は、少しずつ掻き消えていく
■橘壱 >
「遠回しに、僕には価値がないって?
言ってくれるよ、ホントに……言い損じゃないか?」
言わせておいてそれかよ。
やれやれ、と思ったが、まぁそんなものか。
彼女にとって、たかが人間の命だとしれている、と。
他に差し出せるもの……、……脳裏に過るものは、数多くある。
そのうちの一つは──────……。
「…………なくはない……けど……」
首筋を手で覆った。まるで、庇うように。
「……そ、そうだけど、キミが貰ったやつだろうに。
どんな形であっても、キミが食べるべきだと思うけどな」
若干声が上ずった。
思ったより脳裏に過った動揺を引きずっている。