2026/02/23 のログ
セツリ > 「……あはは、分かるんだ」

そう。
消えたほうがいい。

消えた方が良いんだ、こんなもの。


こんな、


終わらせるためだけの力なんて。

「う、ぐぉおおお…ッ」

突き出された尻尾は、
勿論それを避ける事など出来ない。
しようがない。
この少女にあらゆる戦闘能力というものは存在しないのだから。

貫かれる。

ざっくりと腹に突き刺さった尻尾は、
しかし、
少女の手に掴まれる。

「がふ、ふぐぉ…ッぐぎぃいいい……ッぁぁぁぁ…!」

接触点が、消失点となる。
接触する事で彼女に触れたものが、枯れ果てる。

腹部にうち開けた確かな大穴が、
彼の尾を喰い尽くして終わらせんとして、
それを飲み込み消し果てんとしていく。

傷ついた代償は世界に支払わせる。
彼女の意思とは無関係に。


それは、
コンクリートであり、
電柱であり、
花であり、
小鳥であり、

「自分のしていることを、…ッ、少し、分かった方が良いんじゃない、かなっ」

彼も、そう。

彼女が「そうされた」ように
彼の腹部を穿ち抜かんとする終焉が返る。


終焉は形すらない摂理の如く。

カタストロア >  
殺った。
再生できるものならしてみろ。
オレの尻尾が抜けるものならしてみろ。


その時。
空から小鳥が落ちてきた。
死んでいる。

彼女が触れた尻尾もまた。
死んでいる。
ヤツは苦しみながら、殺している──

「ぐぶえ」

尻尾を切り落とそうとした時。
自分のくぐもった声を聞いた。
疑問を浮かべる余地もなく、痛みが。
喪失感が。

腹に大穴が空いている──

「な」

一歩下がる。
それでも異能は止まらない。

──終焉は終わらない。

「ん、だと」

セツリ > 「は、は…ァ…ッ」

腹部に空いていたはずの大穴は、なく。
埋め込まれていた尻尾は、抹消され、彼女の後ろ側に貫通した先が崩れ落ち、溶ける。

息を整える。
立ち上がる。

制服には真っ赤な血の跡を残しているのに、
それでも傷口はまるでない。

その損傷は、カタストロアの存在を以って支払わせる。

「どう、かな。」
「君のしている事がどれだけ酷い事か、…分かったかな」
「は、はっ…」

指をさし、構える。
周囲の「現実」が、薄氷のようにパリン、パリンと剥がれ落ちていく。
やがて、剥がれ落ちたものさえも消えて。

消えたって事さえよく分からなくなっていく。

彼女という情報は、毒だ。
次々に大穴を開けた後、彼に指をさした。



「………」

だが、迷っている。
どこまでも善意的で、どこまでも理想主義で、逆に言えば、どこまでも甘く、どこまでも緩い。

「――!」

通信が、入る。
無数の警報音と人の声が聞こえる。
向けた指を下ろす。

「そろそろ、時間切れだね。」
「ボクの出番はこれで終わり…かな。」
「君も、もうこんなところには来ないで。二度と。」

まるで人目を避けるような足取りで、陰に隠れるように。
風紀委員会の到達する前に、逃げるように去ろうとして

カタストロア >  
「お前のそれは押し付けだッ!!」

腹を強引に細胞で繋ぐ。
片っ端から朽ちていく生命をねじ伏せるように再生を続ける。

「ぐ……」

風紀たちの足音。
このままでは弱ったところを釣瓶撃ちッ!

「お前は厄介だ、それ以上に不快だ」

背を向けて去っていく。
腹を手で抑えたまま、その言葉と。


藁が陽に当たったような。
どこか牧歌的な香りを残して。

ご案内:「夕暮れの学生通り」からセツリさんが去りました。
ご案内:「夕暮れの学生通り」からカタストロアさんが去りました。