2024/08/11 のログ
ご案内:「落第街大通り」に蒼い影さんが現れました。
ご案内:「落第街大通り」にナナさんが現れました。
蒼い影 > ―――"結局、私仕事してんじゃん"?

この間あった少女に手伝ってもらうって約束したは良いが、
自分で現地に出向いて、
自分で超常犯罪者(ゴミ)探す事になって、
お片づけまでやることになった。

落第街に、小奇麗な蒼い影がだるそうに歩く。
少し前、ナナって少女のスマホに、
"ココへおいで。お楽しみの時間だよ。"とだけの簡潔なメッセージと位置情報が飛んだだろう。

(ま、でも―――)

でも、実際ちょっとしたお楽しみも、ある。

(あの子頭良いからね。)

(さ、どうやって掃除しよっか。)

悪だくみをする蒼色が、人を寄せ付けぬ雰囲気を纏って待っている事だろう。

ナナ > スマホを眺めながらやってきた少女
お楽しみの時間、そう連絡を受けてやってきたがそれが本当にお楽しみなのかどうか

遠目に見知った顔を見つければ小走りでやってくる

「こんにちは、蒼さん。」

以前超魔術を見せられた掃除機さんに声をかける
パット見近づきがたい、というか話しかけるのを躊躇する空気を纏った彼女に話しかけたナナの腕には
黒字に白で掃除人と書かれたハチマキがまかれている

蒼い影 > 「やっほ。こんにちはナナ。」

遠巻きから見れば、近寄りがたい雰囲気の蒼色は、
しかして声をかければその印象は覆る程、というか少し馴れ馴れしい程の態度で声をかけるだろう。

「良く来てくれたね。」
「本音を言えば、面倒ごとはあんまりする気はなかったんだけど―――」

「キミと行ったら面白い事が出来ると思って。」

その顔は、とてもにこやかだ。

「…お?ゴキゲンな改造をしてきたね!」

清掃中のハチマキが掃除人になっている。
私は今も清掃中。
お掃除コンビの出来上がりだね!

ナナ > 「そりゃ、こっちから手伝うって言ったし、それに色々事情もあるんで。」

やりたがっていなかった面倒事だが、彼女の機嫌は良さげ
ハチマキの改造はお眼鏡にかなったらしい
色んな意味で助かった

「面白い事って言っても私なにしたらいいか分かってないですからね?」

具体的なゴミ処理については事前情報も何もない
一応役立たずで終わる気は無いけれど

「先に細かい内容とか聞いといた方がいいですか?注意事項とか禁止事項とか。」

蒼い影 > 「あっはは、良い子だね。」

この間刺すような毒舌ぶつけてきたわりに、
やっぱり呑み込みが早い。

「分かってない事分かってるし、先回りしてそういう事聞いてきてくれるのは、良いね。」
「今回掃除するのは、推定危険度B~Aランクの空間系異能力者…だってさ?」

この間言ってたやつだね。
ぶっちゃけ私にとっちゃゴミの詳細はどうでも良いんだけど、
聞かれたらもうちょっと応えよう。

「注意事項は事前処置する前に射程距離内に入らない事。異能力を検知したら飛びのけ。」
「普通の生物は"空間ごと体を持っていかれる"かもしれないから。」
「あと、射程距離外への物理攻撃が急に飛んでくる可能性がある。こっちは全く気にしないで良いけどね。」

「まぶっちゃけあとはそんなに気にしないで良いよ。」

一応、最低限注意は答えておこう。

「キミにはね。」
「どうやったら最も絶対的で恐怖的に連中を完全敗北させられるかを考えてもらたらな~って!」

重要なのはこっち。

ナナ > 「良い子かはともかく、真面目ではあります。」

続けて言われる注意事項を自分なりに噛み砕く
空間系異能、それは何ともややこしい

「射程距離…了解です。
持っていかれるって事は転移みたいに体の一部だけ飛ばされるかもしれないけどそれはあんまり射程距離が遠くない。
遠くだとサイコキネシスみたいな事してくるって事ですかね?」

面倒臭いしややこしい
そんなのがここらをうろついていたのかと少し頭が痛くなる

多少の怪我なら問題ないのが唯一の救いどころか

「絶対的で恐怖的……完全敗北って殺さずにって事ですか?」

少し嫌な予感がしながら尋ねる

蒼い影 > 「その通り。」
「遠くからの場合、一定の射程を空間切って短縮してくる。」
「例えば銃弾なら5m分の射程を飛ばして速射できるだろうし、投擲でも同じかな。」

「んでも一番厄介なのは逃げる事と隠れる事。転移と結界…」
「多分、そのせいでろくに捕まえられずにほったらかしよ。」

「ま、ここまで語って来た全部、叩き壊すから大丈夫だけど、念の為ね。」
「想定外って何事にもつきものだから。」

理解についてうんうんと頷く。
何故にそんなややっこしいのがうろついていても知り得ないのか?
理由は一つ。
空間を歪めて隠匿しているからに他ならない。

「殺してもいいんだけど。演出としては映えないから。」
「"私らに成すすべなく掃除された"」
「と、理解させてあげるんだ。その為に」

「キミの賢い頭でなんか、アイデアちょーだいっ」

そう、演出なんだ。
それを彩ってほしいな、って、少し意地悪く笑った。

ナナ > 「空間を切って…無茶苦茶な…」

聞いてる限り無茶苦茶である
異能とはそこまで理不尽な力なのかと改めて思い知る
今までそんな能力を持った相手なんてした事は無い

「叩き壊す…?」

うん?と首傾げ
そう言えばこの人も割とそっち側だったかと安心材料が増えた
人…かどうかも怪しいのだし

「殺しても良いならそんな演出居るんですかね…でもまぁいいです。
割と簡単な所ならそれこそ正面から叩き潰すってシンプルなやり方ですかね?
そういう強い能力持ってる人ってそれが通用しないと物凄くショックだろうし、騙し討ちとか奇策とか使うよりいいかなって。

後は…もう心が折れるまで付き合うとかですかね。」

蒼い影 > 「…あ…なら、気を付けたほうが良いかも」
「何かあったら私盾にして置いて逃げてくれたらいいから。」

反応を見ると、ちょっと恐れているようだから。
なんだかんだ言ってそういうところはマトモ。

「もし……殺すことが最大目的なら、
場所を特定して頭を魔法で狙撃すればいいし、
寝てる間に毒でも盛ればいいからね。」

非道ながら、本気で殺す気ではないらしいのが言葉から伺えよう。

「わざわざ顔出して潰すのは、演出の為。
ふふ、意外と荒事は…真っ直ぐなんだね?
真正面から叩き潰す、心が折れるまで付き合う。
結局それが一番掃除されたってわかりやすいし…。」

ナナ > 「いえ、そこは大丈夫です。
私の方が手足飛んでもどうにかなるんで。」

一呼吸、落ち着いて冷静に判断する
少なくとも逃げるのはあまり考えていない
そういう相手にもなんとかできる様になりたいから、こうして手伝いを申し出た所もある

「……割と荒事とかそういうのは手早く済んだ方が良いって思ってるので。
それこそ今言った狙撃とか毒とかの方が私向きだと思います。

でも蒼さんの言う演出って事を意識したら、多分私には向いてると思いますよ。」

強力な暴力を相手にどうすれば恐怖と絶望を与えられるか
答えは割とシンプルだと思う

「化け物が正面から向かってきて殺される、これ以上に絶望するシチュエーションも無いですよね?」

蒼い影 > 「……え、キミも大概滅茶苦茶だね。」

ああ、やっぱりそういう滅茶苦茶さあるよね。
ココうろついて綺麗でいられる時点で何かしら規格外だろうなとは思ってたから。

「意外とさっさと殴り倒すみたいなのがお口に合うらしいね。私もどっちかっていうと、
頭脳でやるよりさっさと掃除するタイプ―――」

「化け物か、うんいいね。私ら化け物同士かな。
絶対に勝てない相手に襲われて朽ちるのは、きっと恐ろしく絶望的―――
そうしよう。
ああ、出来れば殺さないで生かしといて欲しい。」

前に化け物って言われたけど、きっと彼女もそうじゃないのか。

「一生分、忘れない恐怖を抱き続けて生きていてもらって、
見て、聞いて、語ってもらえる方が、私はうれしいんだ。」

意地悪で、優しそうな笑顔で付け足して。

「さてと。ゴミとのかくれんぼの前に、"逃走経路"を"破壊"しておこうか。」
「ふふふ」
「これからやるのは戦いじゃなくて、掃除だからね。」

さ、おいでと手招きすると、
指を鳴らす。
辺り一帯が蒼色の結界に閉じていく……

ナナ > 「そうでもないですよ、体が有る程度好きにできるだけで魔法みたいな事は全然。
最近基礎覚えた位でまだまだ実戦には不向きですね。」

なので怪我なり欠損はあまり不安ではない
問題は即死級のダメージを与えられることだが、そこは上手くやるしかないか

「自分が化け物なのは認めるんですけど、蒼さんと一緒にされるのはちょっと…」

明らかな格上である彼女と同じに扱われると荷が重い
こっちは一応生物の範疇で頑張っているのだから
推定人外の彼女と同じには至れていないと思う

「何ですかそれ……もしかして、恐怖を感じられてる方が嬉しいとか強くなるとかそういう事ですか?」

恐怖を抱きそれを流布する
昔の戦争でよくあったやり口にそういうのがあった気がする
恐怖を長く抱かせるメリットなんて自分には分からない
だがそれで彼女は嬉しいと言う
どういうことなのだろう?

「逃げ道を破壊?」

指が鳴り、辺りの空気が変わる
妙な感じはするがタイミング的に彼女が何かしたと思うので一応警戒にとどまる
まだ敵からの攻撃は来ていないと信じて

蒼い影 > 「そう。身体系の変化能力みたいな…?
……魔法覚えたんだ。流石じゃん。」

頭良いから、出来る事はあるだろうって思ってたけど。
あの短期間で基礎だけでもやるってのは凄いもんだ。

「そうだね……」

化け物とか、質問とか、大体答えになりそうな言葉といえば…

「もうこの際だし言っとくよ、私、破壊神なんだ。」
「破壊を統べる邪神。」
「他者からの評価、崇拝、尊敬、承認と、何より私への恐怖を喰って生きてる。」
「恐れられる存在であることが、私にとっての食べ物だって思ってくれたらいいから。」
「……これだけ言えば、キミならすぐ理解できるんじゃないかな。」

そして、誰からも認知されず忘れられたら、消える。
どうして恐怖を感じられると嬉しいとかいうと、
邪神にとっての神性を維持するために他ならない。
恐れられる存在でなければならない。
だから、演出する。
この私を恐れさせるために。

「大丈夫、事前処置だよ。今のは……」
「森に入る時に虫よけスプレーをかけたもんだと思って?」

「この中にいるやつは、ここから外に出られなくなっただけ。」

逃げられたら、興醒めも良いところだろうし。

なにより、窮地に陥って、転移なんかで逃げようとして。
先回りされて封殺されてたら。



どれくらい怖いだろうね!

ナナ > 「変身…と言うかまぁ変化と言うか。キメラみたいな物と思われた方が早いと思います。
魔法は基礎を理解しただけで他は全然、でもこの前食べたのと相性がいいんでちょっとした身体強化位はいけるかなってくらいです。」

超自然現象を起こすにはまだ何もかも足りない
コツさえつかめばどうにかなりそうだが、以前見せられた物と比べたらお話にならない

「……理解したくない…何なのこの島……」

ちょっと泣きそうになってきた
この島は何なんだ
ファンタジーの生き物は居るわ超能力がそこかしこに転がってるわ
挙句の果てに邪神と来た

前にあの魔法を見せられてなかったらただの馬鹿だと思えるのに

「概ね、理解しました…これがゴミ掃除じゃなくて食事なんだとか。
何で態々人の下なんかにつくようなことしてるのかとか。」

涙は出ないが心の中で無理やり納得し頭の中で整理する
そうなれば今自分にできるのは調理のお手伝い

「一先ず、殺すのは無しって理解しました。
後はどこにいるかですけど…隠蔽とかもさくっと破壊できるんですか?」

いっそ便利に使われてもらおうとそんな事を言いだした

蒼い影 > 「…何でもありの身体キメラってわけなんだ。…手足生やせるレベルのなんでもありか。
身体強化魔法、手っ取り早いし属性乗らないからね。…なんか喰ったんだ。」

基礎っていうのも納得だ。
まず一番わかりやすくて効果発動させやすいから。なんか喰ったって聞いたけどそれはおいとこう。

「あ、いいね、その反応。」
「ふふ、やっぱり?」
「邪神として悪いことするより、」
「長いものに巻かれて良い事してる方が都合がいいんだ。居心地もね。」
「腑抜けと思われるかもしれないけど。」

何か泣きかけてる、理解不能の感情、
そういったものも、邪神の性としてはちょっとは察知できるし。
そういう反応も好み。

「うん」
「隠れている場所はもう分かってる。」
「それがここ。わざわざキミをここに呼び出したのもそれが理由だよ。」

指をさす。
虚空に空間のひずみの結界がある。
何も知らなければ、
敢えてこじ開けようとしなければ、
この異能を知らなければ、
一切気付きようもない、
見過ごしていた景色となる、隠匿と立ち入り禁止の結界。

「確かゴミ処理係では」
禁域(ノーエントリー)っていう通称がついてる超常能力者(ゴミ)だよ。」
「罪状は犯罪の幇助、空間異能による人さらい、首狩り、そして、違法危険物の運び屋―――
上げだしたらきりがないね。」

けらけら笑っている。

「キミがGOサイン出したらこの結界を割って突入。」
「体あっためて準備しな?」
「大丈夫、これからやるのはすべて演出」



「思い切って掃除しよう――!」

ナナ > 「食べました、ドラゴン。おかげで硬さと鋭さが増しました。」

さらっと答える
1人で倒したわけではないが、一応その時は怪獣大決戦ではあった

「邪神に腑抜けも何もないでしょ…それに考えだって…」

人の身で理解できるかもわからないのに
神と称される連中の思考回路なんて理解できない
理解しようとする事もおこがましいのかも

「は?」

ここ、何もない場所
今の今まで何もないと思っていた場所
禁域、二つ名を与えられるくらいには危険な相手
実際首狩りなんて物騒な名前がついている

「………はい、わかりました。」

色々考えるのはもう終わり、両腕が鱗に覆われ爪先はドラゴンのそれ
後で質問はさせてもらうが今は目の前に集中する

ゴミ処理の時間だ

蒼い影 > 「ドラゴン……まじで?ひゅー、やるね……
今度龍肉のステーキでも食いに行きたくなったよ。」

小さい体だってのにああいうの倒しちゃうんだもんな。
食べたってことはやっぱ美味しかったのかな。

「破壊神のクセに、治安維持ごっこなんて腑抜けだと嘲笑わないんだなってだけさ。」
「さってと。」

向き直る。
結界に。

非日常の中に紛れ込む、非日常の中ですら見つからない非日常。

「今からやることは」
「犯罪組織の玄関の門を蹴破る事だ。」
「何が起こるかなんて、わかるね?」

―――しっかりドラゴンみたいな体になってる。
ん、よし。準備完了かな。

「行くよ。」

虚空に、でこぴん。

パリン。
ぱりん、ぱりんぱりんぱりんぱりん―――ッッ

幾多の空間が割れて砕ける音がする。

奥に、空間の歪んだ中に立派な大広間が見え―――

それと同時に起動するのが、用意された数多ある量産型の銃撃と火炎放射。
特筆すべきは、虚空から湧くように飛ぶ事。
故に、

「……まだ発生源に寄らないほうが良いよ。最悪、零距離で頭とか撃ち抜かれるから。」

「怖かったら私の背中に隠れな。」

さりとてこの蒼色の女には、まるで物理攻撃が届かない。
そこだけ絵に描かれた消失点になっているように薄れて壊れていく。

(余計な世話だろうと思ってはいるけど、ね。)

ナナ > 「物凄い硬くて食べづらかったです。それこそ顎が破壊されますよ?」

人の形でも顎は強靭なのだろうか、なんて
味としては悪くはないがいかんせん硬すぎて美味しいとはいかなかった

「神のみぞ知る、神の戯れってとこですかね?

えぇまぁ、インターホンを鳴らして優雅にお邪魔しますとはちがいますよね。」

準備は出来た、後はもう入るだけ
シャボン玉でも割る様に空間が裂ける
見た事もない立派な広間、そこかしこに並ぶ銃撃と炎

「正直、これ位なら怖くもなんともないです。」

横に太くなった両腕を盾に弾丸と炎を耐える
この程度なら恐れるまでもない、実際ドラゴンの鱗にを貫ける攻撃ではない

異能による空間の消失、今の所怖いのはこれだけ

「これ弾切れガス切れ有るんですよね?無いとか無いですよね?」

蒼い影 > 「なんか勘違いしてるみたいだけど、私は邪神。
尊大に私は万物創造をした全知全能だなんて騙る神とは違うんだ。
…あ、余計戯れしてるっぽいねこれ。」

自分で言っておいて何だけどと笑う。

「……逆に聞くんだけど。
空間操れるヤツが、どれだけ倉庫にブツ溜めてると思う?」

弾切れ、ガス欠。あったとしてそれがどれだけ先になるかは呆れる程。
だけど。

"本当の目的は攻撃じゃない"

みたいだった。

「来るよッ。」

そういうと―――

禁域 > 「折角気持ちよう寝とったのに」
「昼間っから騒ぎ腐って」
「ぶっ殺したるぞお前ら」

灰色髪のガラの悪い女は
弾丸と炎に入り混じって
気付けばすぐそこに、居た。

空間転移。

この領域において、自分の居場所は全て好きに決められる。

そして、この領域において、
相手の空間上の存在の可否すらも、だ。

「死んどけや、な?」

空間を崩し、切り裂く交差攻撃
結界を割った二人組に襲う首狩り空間断絶――

ナナ > 「生きとし生けるタンパク質からしたらあんまり変わりませんよ。
でも、やっぱ邪神の方が色々戯れたり悪さしてる気がします。」

何となく、そんな気がする

「ですよねぇ…無理やり突破も危ないし……っ!」

女だったんだ、ふと思うのはそんな事
こんな鉄火場に余裕で現れるなんて自信と自分の異能への信頼か

「すぐ避けろ、でしたよね!」

最初に言われた通り、何かされると思えばすぐに飛び退く
銃撃や炎と違い空間への攻撃なんて防ぎ様がない
首狩りと言われる位なのだから首を狙うだろうと姿勢を低くする

蒼い影 > 「あっはは、さっすが。」

言った事ちゃんとわかってるじゃん、
なんて笑っている蒼色は、
さっきとは違う位置に立っていた。
首狩りの断裂は綺麗に外れた。

好き勝手にあちこちいけるのは、何もコイツだけじゃないんだよっ?

「ごめんねー、掃除するからさっさと捕まってねー」

禁域 > 「ナメとんかお前らァ」
「人ん家上がる時に扉壊すヴォケがよ」

「……てめーら売って金にしたるか」
「物珍しいしどこぞの違反部活でたんまり金だされるやろ」

「弁償せぇやカスが」

憤怒と共に放たれるのは、
空間転移の穴
そこから飛び出すのは先の銃弾と比にならない威力の水圧弾
物理的な破壊力が絶大の鋼鉄の球

どんな武器も数多にこっちに持ってこれるようだ

ナナ > 「勝手に居座ったホームレスの段ボールハウスにこんにちはしただけじゃん。
カスに遊ばれてるのはいったい何になるんだろうね?」

分かりやすく煽る
フリかは分からないが熱しやすい性格なら好都合
空間系の異能なんて使うのならそれなりに集中力がかかるはず

「蒼さん、ヤバイのだけ合図お願いします。」

ナナの瞳が細かく割れる
複眼、 節足動物にみられる特殊な眼球構造
撃ちだされる鋼鉄を見て、そこから躱す

「曲芸はそれだけ?物を飛ばすなんて猿でもできるけど?」

低くしゃがみこみ、足に力を籠める
偶蹄目に近い形に歪む姿は間違いなく合成中(キメラ)

蒼い影 > (うわ、言うなあ……)
(めっちゃ良いじゃん。)

煽る彼女を見てにやつく蒼色。

「はーい。後は任せていい?」
「私は逮捕と、最高の恐怖演出を用意してるからさ。」

能力は非常に厄介だが、攻略法は既に見つけたみたいだ。
こっちでするのはヤバいのの合図だけ、楽でいいや。

禁域 > 「あんまナメんほうがえぇぞお前」
「……猿と煽りながらそれ未満の下等な動物みたいになんのは新手のギャグか何か?」

その姿の変貌を見ながら煽り立て

「なぜ私が禁域と呼ばれているか教えてやろう」

空間を破り捨てる
ナナのあたりの空間が崩れる

切るわけではない

物理的に干渉できないエリア

即ち

"禁域"に閉じ込めて行こうとする

そして―――次の一手への集中をする。
動けなくなったらそれで終わり。そのはずだ。



「踏み入れた者は死ぬからや」

ナナ > 「え、まさかそれぐらいしか分かんないんだ?
動物図鑑に詳しい小学生ならもっと素敵な表現してくれるよ、手品師さん?」

周囲の空間が無作為に崩れる
何が起きているのかは分かる、これは詰将棋の様な物
こちらのエリアを狭めて囲い殺す
ただ、1つ運が良かったことが有る

「物を素早く見れればいいって思ったけど、この目意外と悪くないね。」

空間が崩れる、つまりそこには何も無い
空気も光も熱も何もかも

ナナの目には景色が虫食いにあったように見えている

「なら、今度からそのたいそうなお名前名乗らない方が良いよ。ホームレスとかがお似合いだから。」

力を込めた足で跳ぶ
食い破られた場所を避け、建物の壁を足場にまた次の場所へ
明らかに人間の、まして動物の動きでもない
生物の欲しい所だけを繋ぎ合わせた怪物の動き

そして相手に近付けば口元から液体を飛ばす
濃硫酸にも近い胃酸、かかればただでは済まないが防ぐなら容易だろう

禁域 > 崩れた空間はすなわち、
存在そのものがない踏み込めない黒。
そこだけ世界から抜け落ちた穴のように成る。
こうやって逃げ場を潰すのだが、

禁域にとって想定外だたことが2つある。
1つは、少女が遥かに素早く逃げ回った事、
次に、近づいてきたこと。

「蛾」
「蚊なんてのもえぇか。あぁ?」

「ハッ、そんな攻撃がこの禁域に通じるかァ…!」

不可侵の結界を張り、
降り注いだ酸液を空間の遮蔽によって塞ぎ―――

蒼い影 > 「だーめ、これで手品ショーはおしまい」

横槍を飛ばした。
パリン、と、結界がガラスみたいに指先で弾かれて割れて。

酸液が禁域の周囲と、本人の指だけを融解した。

「…流石に顔は勘弁してやって。ね?」

禁域 > 「……ナ、メんなや……」

苛立った声をあげて呟くが、
先の一撃の被弾の恐怖に起き上がれず―――

ナナ > 「っ…!」

防がれると思っていた
だが、最強の防御もまた飴細工の様に砕かれる
指先を溶かす酸液、あの一瞬でそこと関係ない場所以外は諸共消された

(やっぱ一番のバケモンは蒼さんだ…)

心の中でそう感じながら禁域を見る
こちらを見る目に恐怖が滲んでいる
当然だ、何物をも防ぐ最強の盾が息をするように壊されたのだから

「…舐めてないよ、これが実力。
あんたの能力は今日欲だけど所詮人間が使ってるんだ。あんたの頭と神経には不相応な能力だね。」

異形の姿のまま禁域を見下ろす

「あんたを無力化するのは簡単だ。
目を潰す、それも簡単には治せない位に念入りに。
耳も潰して喉も潰せばあんたに恨みのある連中はここら辺には色々居るだろうね。」

異形の複眼からは感情なんて読み取れない

蒼い影 > 「あーやっぱいいね。」
「…どっちかっていうと、キミへの恐怖みたいだけど」

そりゃま、あの一撃ぶち込んだのは彼女だから。
所詮人間、だから酸液喰らったら融けるってことをその身に染みさせてくれたわけだ。

「あーあーあー…」
「……そういうやり方で煽るのも良いのか。目ね、目。耳と喉。」

「……ん」

気付く。
こいつまだやる気だと。

「やばいの来るよ。」

横槍入れた蒼色が囁いた。
……助け舟なんて、要らないだろうか?

禁域 > 「―――ハッ!!」
「それが、舐めてるってんやッッッ!!!!」
「―――不相応かどうか思い知れや」

巨大な一撃

先ほどの空間を裂くわけではない
空間そのものを穿ち潰す大穴

仮に当たれば体が切れるなんてものではない
その部分がごっそりとなくなるようなもの

禁域そのものが、開く―――

ナナ > 「さっすが、簡単には折れないよね。」

後ろに跳ぶ
合図の声のお陰か無傷で即死をま逃れた

そう言えば、ただ恐怖を刻むだけではだめだった
どちらかと言えば蒼さんに向けさせた方が良いのか

空間を切り裂く攻撃も今の目なら遺物としてみる事が出来る
目の前の禁域は未知の恐怖から警戒するべき敵に変わっていた

「とまぁ、こんな感じでこっちの怖い人は貴女が何をしたって分かっちゃうんだよ。
それで、どうする?レアな異能を持ってるだけの貴女にこれ以上何ができる?」

と、顔を蒼さんに向ける
今の目だと視線も何もないので

ここら辺りで大きい一発を出してもらいたい

蒼い影 > 「あっうん。私がなんかする方が良いのコレ」

期待?っていうかお前も働け、みたいなやつ…?
いやもしかしてこっちに恐怖向けさせてくれるのか。

「…さっきので、もう異能使い切ったろ?」
「観念しな、終わり終わりー。」

指を鳴らす、
そのたびに、
禁域の手足が爆ぜ―――

「そういや」
「キミは空間事首飛ばすんだっけ」
「同じことされたらどれくらい怖いか味わってみる?」

禁域 > 「え…ッ」
「お、おい……ふ……ざけ……?!」

手足が、消えて転がり落ち―――

蒼い影 > 「次私が指を鳴らしたら、首が飛ぶ!」

指、ビシッ!



「あっはっはっは!!」
「うそうそ、」

「演出だから安心して?」

「―――ちょっと手足の存在感を壊して透明にしただけーっ」
「はい、理解したね。ゴミには、抗いようがないって。」

まるで、嘘のように禁域の手足は元通り。

「……驚いた?」

ドヤ。

ナナ > (うわぁ……)

目が異形でなければ表情に出てしまっていた
ノーモーションで手足をピンポイントで吹き飛ばす
やってる事は相手と同じでもその後がえぐい

「とまぁ、しょせんこんなもんだよ。
暴力なんてもっと上の暴力の前では無力なんだから。

で、どうしますこれ?この後の処理とか」

分かりやすく問いかける
禁域にも分かりやすいように

この人の目的と禁域の今の状況を交えて考えればここで逃がすのが丁度いいくらいだろうか
蒼さんという化け物がうろつくこんな場所で二度とたいそうな真似はしないだろう
自分ならできない

「今後の事を考えたら殺す方が色々と楽だと思いますよ。
目を潰すって言ったけど、空間異能持ってるなら意味ないかもだし…あ、脳を弄るとか!」

右手の先が触手めいた動きを見せる
やろうと思えばできない事は無いかもしれない

蒼い影 > 恐怖してくれたおかげで、随分ゴキゲンな演出が出来たね!

「ああ、これね。こういうの送る先があるの。
超常犯罪者収容所―――って肩書は大層だけど、ようはゴミ箱だね。
風紀委員会のゴミ箱入れ。」

わざとらしくゴミの行き場を教えつつも。

「ぶっちゃけ脳を弄って破壊神の信者にしても良いけど…
変な悪評つきそうだしやめとく。」

なんか脳を弄るってさらっと言ってるけど、この子も大概やばいなあ。

「牢屋で正式な手順で更生或いは刑罰を受けてもらって、」
「あとは一生私に恐怖してもらうだけー」

「仮に出所したとしてもー?」
「今日あった事はもう忘れられないでしょ。」

「ね~?」
「そうだよね。」

「破壊神様こわーいって言ってみな。」

禁域 > 返事がない、気絶しているようだ。
蒼い影 > 「あららー、こりゃもうダメだね。」

けらけらけら。

「とにかく、キミの気が済んだならこいつはこっちで引き取っとくよ。」

「ありがとねー、私の代わりに言いたいこと言ってくれたし」
「頭良いからさっさと事も運んだ」

「何より私一人だとすぐサボるかーってなるから、ナナみたいな子といると捗るんだ。」

ナナ > 「そんなのまで有るんだ…風紀委員。」

そんな収容所の存在は知らなかった
余り公けにしていないだけかもしれないが

「そうですか、まぁ私も慣れてないんでその方が良いかと。」

ハッタリ交じりで言ってみただけ
脳なんて繊細なものを適当にいじくるなんて無理だったりする
薬漬けにはできるかもしれないけれど

「指とかされて自慢の能力はゴミみたいに壊されて、そりゃストレスで倒れますよ。」

禁域が倒れているのを見れば変身を解く
その後についても、自分は何かされたわけでもないので順当に処理されるならその方が良い

「お手伝いになったなら何よりです。」

この人は隣でお尻を叩く相手が居れば恐ろしく有能だろう
普段やる気がないだけで能力は比べるまでもない

だから…これは単純な質問

「あの、蒼さん……蒼さんの力って呪いとか形が無い物も破壊できるんですか?」

蒼い影 > 「凄いよね~。金払い悪くないんだよね、風紀委員。
お菓子もジュースも冷房も無料。
部屋でのんびりさせてもらってまーす。
牢屋も適当にぶちこんどいたら、後は治安維持のために頑張る皆が何とかしてくれる。」

聞かれてもないけれど、雑談がてらにお話しをしてみる。
この手の犯罪者は多いから、捕えておくための場所も随分あるみたい。

「いやぁーー……しかしだ。」
「キミがばーっと攻撃してくれたからちょっと便乗しただけで、楽に倒せたわけだし」
「手順を示してくれたおかげもあるー、ふふー」

今もこうして、この後の手順が決まって来たものだし。

「うん、多分何でも壊せるよ。呪縛でも、幽霊でも、魔法でも、異能でも。概念でも。」

最近一個壊したな。…やけに頑丈なやつ。

「あ…結局使わなかったなコレ。これは"外に出られる"可能性を壊したエリアなんだ。」

最初に張った結界。
空間系はまず間違いなく逃げるだろうからと予防線貼ってたんだけど。

ナナ > 「そこだけ聞いたら、ほんと快適ですね。」

そんな待遇、恐らく彼女の能力故なのだろう
現にこうして一級の危険人物を捕まえている

「私にはそれしかできないですしね、どうせなら蒼さんがとどめの方がそっちに感情が向くかなって。
多分うまくいったとは思いますけど。」

何でも、そう言われれば思わず手に力がこもる

空気がまた変わった
逃走防止用の結界が消えたのだろう

「あの、私の友人が呪いにかけられたんです。
直接壊すのが面倒なら壊し方を教えて下さい、お願いします。」

そう、頭を下げる

蒼い影 > 「そ、居心地が良い。だから長いものに巻かれてるんだ。」

「そりゃどうも、ありがとね!おかげで…随分恐怖してくれたよ。やりすぎて気絶しちゃったけど。」
「今度ご飯でも奢ろうか、なんてね。」

本当に、おかげでというところはある。超常犯罪者は捕まえられたし、恐怖も十分得られた。
認知だってされただろう。後はこれをもっと語ってくれれば…なんてのはおこがましいか。

(あ、そうなんだ…最近似たような事を頼まれたんだけど。…それ関連…?)

「いや別にそんなそんな。頭をあげて。」
(…お前も頭を下げたら相対的に上げたことになるとか言わないよねこの子。)

普段キツい態度してた印象だけにこうして真摯に頼まれるとちょっと驚く。

「呪いってのも、状況次第モノ次第なんだけどさ。」
「詳しく聞かせてもらわないと分からないのが本音かな…」

ナナ > 「気絶するくらい怖がられたなら本望ですよね。
……普通の食事居るんですか?蒼さん。」

神はタンパク質を必要とするのだろうか
因みに、ナナ自身は彼女の話を大々的に広める気は一切ない
なぜか?何が気に障って破壊されるか分からないので

「紅き屍骸、とかいう変な化け物に友達が呪われました。
訳の分かんない呪い、それも力に変えるとか言ってるけどそんなの無い方が良いに決まってる。」

顔をあげる、その表情には忌々しさ憎らしさが滲む

「私、何もできないんです。
そいつが襲ってきたときもそこに居なかった、襲われて受けた呪いだって私には何もできない。
だから、悔しいけど…できる人に頼るしかできないんです。」

蒼い影 > 「ああいや。あのね。最悪なくても良いんだけど、人間の体で居る以上、
人間らしい感覚はあるのよ。おやつも食べるし、ジュースも飲む。」

直に食ってるのは、存在の維持に必要なのは恐怖だけど、
味わうって事も出来なくもない。

「そして。その質問が出来るってことは、私がどういう存在か本質を得ているね。」

機嫌良さそうだ。

「ん?ああ、紅き……アレね。アンデッド。」

落第街で喚いてるよね…。
私みたいなのには一切寄ってこないんだけど……。
……凄く深刻そうだし…

「そっかそっか…良いよ。手伝ってくれたお礼くらいするさ。」
「あのー、その…」

「勘違いだったら申し訳ないんだけど…」

「…Dr.イーリスとかいう子だったりする…?」

変なバケモノ
襲ってきたヤツ
すぐに解呪できないような強烈な呪い
…いやいやまさか。

ナナ > 「あ、そうなんですね…じゃぁご飯奢ってもらうのは良いかも。

だって、破壊神ですし?一応それ信じてますから。」

必要なんだ、と少し意外
嗜好品ぐらいの扱いでも楽しめるならそれも良いか、と

「…イーリスの呪いに関係してたんですか。」

あぁ…と頭を抱える
既に関わっていたらしい

「一応、そのイーリスの恋人のエルピスって男の子が新たに呪いに。
偶然って怖いですよね…因みに私は2人の家に居候しています。」

落第街、意外と皆狭い範囲で暮らしているらしい
偶然の一致とは恐ろしいものである

蒼い影 > 「一応って何一応って。」
「もっともらしい"奇跡"でも起こしたら取れるかそれ?」

ほっぺつんつん。やいやい。
ちょっと不満げな顔。


「ああうん、呪いを壊してくれってお願いされてさ…」
「って」
「なんだそれ。」
「なんだそれ。」
「いやなんだそれ。どうなってんだそれ。」

「……ちょっと理解が追い付かない。」
「え、またあの呪いされた人でたの?しかも恋人?」
「しかも同居人?」

「あちゃー……」

顔を抑えた。

ナナ > 「オーケーです、破壊神の奇跡とか良いです。」

ほっぺをつんつんされるのも止められない
ほっぺを破壊されないんだしまぁいいかと
こんな感じで彼女のやる事はかなり許容されることになる

「まじかぁ……まじかぁ…」

頭を抱える
イーリスの呪いは弱まったと聞いていた
そう、目の前の破壊神をもってして弱まったのだ

「となると、ストーカーアンデッドは神様に近いって事?」

探し出してぶん殴る、当初思っていたことをやらなくてよかったと冷や汗が出る
想像以上の化け物だった事、そして呪いを解呪は出来ないという事に頭を抱えた

蒼い影 > 「えーっ」
「今ならタダで破壊神の奇跡が見られるのに。」
「こんなの滅多にないのにー」

半笑いなあたり、本気でやる気はなさそう。

「ストーカーアンデッドってなにそれ。
強力なアンデッドとは聞いてたけど…ストーカーなの?」

なんか、ろくでもない話になって来た。

「即席で壊せない程度には強力だって事。」
「それに、想いの強いものは破壊にそれなりのコストがいるんだ。」
「あの呪い……相当な想いが込められてるんじゃないのかなー?」

「兎角、相当な使い手なのは間違いないね。」

ストーカーなんか、間違っても神同等とは言いたくないけど。
なんてもん相手にしてるんだか。

ナナ > 「見たくないですね、破壊神の奇跡とか。
そういうのは病院とかで腫瘍の破壊とか尿管結石の破壊でやってあげてください。」

感謝と尊敬は稼げそうである
悪意は…病院の医者から思われるかも?

「イーリスのストーカーらしいですよ。」

事細かに聞いたわけではないので素直に答える
危害を加えてくるタイプのストーカー、そんな認識

「愛とか色んな感情乗ってるんですかね…」

となると、彼女に呪いを弱めてもらうのは対処療法でしかない
もっと根本的な、何かでないと…

「蒼さん、アンデッドの壊し方とか知ってます?もしくは幻想の月とか。」

エルピスに言われてから調べた例の動画を思い出す
イーリスとアンデッドが戦う動画
自分が役に立てるかなんてわからないが、破壊神の目線で何かイーリスの役に立つヒントでもあればいいなと

蒼い影 > 「あっはは…今日もキミの言葉はキレが良いな。」
「破壊神じゃなくてそりゃもう治療の神だろ…」

それやったら多分逆に破壊神としての神格落とすわ…。

「そ、そう…」

最近のアンデッドはストーカーしてくるのか…?
愛とか聞こえたけど最近のアンデッドは愛を乗せてくるのか…?
なんだそれ。
なんだそれ。

「アンデッドねぇ…、一回壊しても生き返ってくるような奴は」
「不滅すら滅ぼす魔術で二度と元に戻らず因果律ごと消し果てる」
「…ってのはあれだけど、神聖魔法とか効きそうだね?」
「邪神の対極だからそっちは力になれないかも。」

「ごめん、幻想の月ってなに。良く分かんない。」

良く分からないことだらけだ…

ナナ > 「破壊っていい事にも悪い事にも使える便利なものだと思いますよ。」

破壊神としてはどうなのだろうと考えれば、無いだろう
医療の神ならいざ知らず

「神聖魔法…やっぱそうなりますよね。
もっと魔法使いみたいな異能が良かった…」

禁域みたいな異能ならどれだけ楽だったかと思ってしまう
魔法をかじりたてのひよっこに申請魔法はかなり荷が重い

「私も分かんないですけど、あいつ月光で強化されるみたいなんです。
それで、一度は防いだのに月光がまた降り注いだり…だから月だけでも壊せたらいいなって。」

本物の月を物理的に干渉するとは思えない
なら、月という現象を魔法か何かで再現しているのではと考えたらしい

ナナだって、よく分からないことだらけなのだ

「でも、脅威度を再認識で来たんでそれは良かったです。
私も変に馬鹿なことする前に知れたから。」

蒼い影 > 「…そりゃぁ、ダイナマイトや包丁も同じよ。そんなもん私が一番よく分かっとるわっ!」

ジト目。

「月を壊す―――発想自体は良いかもね。」
「要は魔法で作った偽りの月光っていうのかな、それをどうにかできたらいいのかも。」
「こんな風に?」

パリンッ!
一瞬だけ
落第街を照らすあたりの月の淡光を消し果てた。
暗闇―――そして、すぐに元に戻る。

「んー…ともあれ。」
「何かあったら呼んでくれても良い」
「呪いに関しては、正直想いが強いとすぐ壊せるとは言えないけど。」

「…良い?」

それじゃあ、行くから、
…用があったらメッセージとばしてね…?って、声をかけて。


その姿が、蒼い影が、消えるだろう。

ご案内:「落第街大通り」から蒼い影さんが去りました。
ナナ > 「じょ、冗談ですって冗談!」

笑って誤魔化す
誤魔化させていただく


「えっ……」

空を見上げれば暗闇
月の光だけが破壊され、元に戻る

やはりこの人は化け物だ

「えぇ、またこうして相談に乗ってもらえたらなって。
食事の約束も有りますしね?」

ふわりと陽炎の様に禁域ごと消える
残されたのは自分ただ1人

「偽りの月光を壊す……良いヒント貰ったかも。」

小さく笑い、自分も家路につく
希望と不安を新たに胸に抱きながら

ご案内:「落第街大通り」からナナさんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」に廿楽 紫音さんが現れました。
廿楽 紫音 > タバコの煙を吐きながら、目的もなく治安の悪いと噂の落第街を散策する。

厄介ごとは、勘弁。
とはいえ事なかれ主義でも平和主義でもない。
自分に利益がある事は可能な限り享受して、都合が悪い事からは手を退く。
リスクリターンでリターンだけを取れるような出来事を望んでいるもので。

「はぁー気楽だ気楽」

そういう意味では、この辺りは男にとって都合がいい。
風紀委員という名の警察ごっこはここまで手が回らない事が多い。
ヤバい匂いは自分で避ければいい。
それでもリスクを無くす事はできないが…

”イベント”は転がり込んできやすい場所だから。

廿楽 紫音 > 教師という立場は生徒の手前の体裁を当たり前のように求められる。
それはここにいても変わりないものの、自分を『知らない』者が多いのは都合がいい。

だって知らないのだから。
自分も相手を知らない。からこそ、適当に扱える度合いは上がる。

「おっ、どーも。
 それ美味そうだね、一つちょーだい」

この辺りで売ってるものの大半は、正規の手順を踏んだ品ではない。
なので何が入っているか、などの保証はないが…そんなこと関係ないとばかりに何かを挟んで揚げられたパンのようなものを一つ購入する。
ある程度この辺りを知ってるだろうとみられる客が買っていった事と…”体質”の関係で菌やウィルス等の類で自身に有害なものは、判別がつくから。

さくっ、とした感触。食べた事のない餡、中華?台湾?そっちの方の感じ。

「ん、まぁまぁ」

外れではなかったな、といった感想と共に大通りを歩きながら、今度は酒場を。
また今度は、共興…まぁ、所謂地下格の観戦を。

適当にぶらつきながら、街をまずは楽しもうか。

ご案内:「落第街大通り」から廿楽 紫音さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」に廿楽 紫音さんが現れました。
廿楽 紫音 > 目的なんて大層なものがあるわけではない。
強いて言うなら、ぶらつくのが目的。

ここに何があって、何処だと何が出来るか。
どこまでなら見逃されて、どこからは悪目立ちするか。

そういったものを探る為の、ただの観光のようなもの。

「ん」

大通りはアングラな落第街の中でも、人の多い方。
だから歩いていれば人が横を通る事は普通。
歩いている位置が近くて、ぶつかりそうになるのも、人が多かったりすればよくある事。

今しがたぶつかりそうになったのは、多分この辺りに馴染んでいる…ということは二級学生という、つまるところ不法住居者だとか、そんな感じの男。
学生、というほど若くもなさそうだけど。

それが『すいやせん』とぶつかりかけたのを謝ってきて、こちらもそれに会釈を返して…そしてお互い離れていく、直前で。

「なるほど、こういうところね」

その男の腕をつかむ。
手には、廿楽の財布が握られていて…隠そうにも掴まれているせいで言い逃れできそうにない。

「返してくれる? そんな給料も多くなくてさ」

あくまで笑顔で。
穏便にいくなら、そのように、というような顔で。

廿楽 紫音 > 勿論。
この街にいる人間が、そんな簡単に盗んだものを返すわけがなく。

『!』

掴まれたと気づくや否や、廿楽の掴んでいた腕を大きく振るわれる。

「うわっ、あぶねっ!」

腕を払われ、そのまま男が逃げてゆく。
追いかけようと駆け出そうとすれば、しゅっ…っと顔の傍を何かが掠って。
頬に一本傷が出来て、追いかける足が一瞬送れる。

「痛っ……ナイフとかナシ…じゃないんだよなここだと」

そうして距離を放されてしまえば、後はこの土地に慣れている方が勝つのはあたりまえ。
人込みの中をすい、すいと抜けられ…路地の方まで逃げ込まれそうになるのは時間の問題だった。

「くっそ足速えの…!」

生憎と、廿楽には並外れた身体能力だとか、遠距離から何かを攻撃するだとか。
そういったわかりやすい”武器”はなかった。

廿楽 紫音 > 「あーダル…!」

本気で走らないといけないというのは結構体力を使うもので。
路地に逃げられたら何が待ってるかもわかったもんじゃない。

「サイフおいてってくれたら何も言わないから、今からでも気が変わったりしない…?」

当然、そんな負け犬の遠吠えにしか聞こえない説得に落第街に住む男が応じる筈もなく。
幅1mもない建物の間を通り抜けて…『ざまぁみろお上り!』なんて声が聞こえたきり。
もう廿楽の視界からは、めっきり見えなくなって。

「……っはぁ~」

少しかいた汗を脱ぐいって、深くため息。
これ以上追う気はない。だってどうせ、仲間たちが待ち構えてたりするんだもの。

「ま、いいや。
 もう少し後で取り戻せばいいでしょ」

廿楽 紫音 > 「(…ま)」

肩を落としながら、胸ポケットから数枚の紙幣を確認する。

「(こんな所に身分証やらは持ってくるわけないし、金だけならまだね)」

身分証も入った財布をわざわざ持ち歩くなんて盗んでくださいというような真似をする訳もなく。
盗まれていい分と、あとは盗まれた時用の”保険”を入れた財布なのでそう痛くはない。

とはいえ自分が嘗められたってワケで、むかっ腹は立つ者で。

「人のモン盗んだ方が悪いって事で。
 南無南無」

そう言って手を合わせて…今日はまた別の所で気晴らしでもしていこうかな。

”財布の回収”は後でいいだろう。

廿楽 紫音 > それからもう少し時間が経った頃。
落第街の裏路地の一角から、いくつかの悲鳴が上がった。

普段と違ったのは……その悲鳴の元に向かった者たちが見たのは。
まるでゾンビのように急速に”腐敗”して悲鳴を上げ続ける、この辺りのスリグループの無残な姿、だったとか。

ご案内:「落第街大通り」から廿楽 紫音さんが去りました。