2024/11/23 のログ
ご案内:「Free5 未開拓地区 汚染区画-東側区域-」に霞流 周さんが現れました。
霞流 周 > 未開拓地域で発生したという生物災害(バイオハザード)
風紀委員会を始めとした委員会の合同で緊急封鎖が成されたその一帯。
人員が不足しているらしく、有志の調査員、戦闘員、補助スタッフも広く募集していた…ので。

(…私みたいな…二級学生でも…一先ず…頭数には…入れて貰えたけれど…。)

この度、この汚染区画の調査に参加を決めた理由は3つある。
一つ――危険なので単純に賃金が高い。二級学生としては危険を承知の上でここは外せない。
二つ――単純な好奇心だ。不謹慎かもしれないが、汚染された動植物がどういうものかも気になる。
そして三つ――取るに足らない理由なのでこれは割愛する。

汚染区域に入る前の、検査や身分証明やら、同意書の記入やらは地味に大変だったが…。

それも何とかクリアして、現在は汚染区域の東側の一帯を調査、探索している真っ最中。
相変わらずのラフな服装に、右手には鞘に納めた数打ちの刀が一振りだけ。

「……さて……と…。」

少女は己に向けられる敵意や殺意、悪意には非常に敏感である。
まだ姿は見えないが、それを感じ取ったのか緩やかな歩調を更にゆっくりと。

霞流 周 > やがて、遠目に姿を現したのは…異形の『狼』の群れだ。
どの個体も、一部…あるいはほぼ全身、黒い液状の何かに覆われている。

(…あれが…説明にあった…【汚染物質】…かな…?)

主に接触感染――つまり触れただけで感染するという事。
一振りの刀だけで相手するには、ただの獣の群れと違って少々厳しい。
下手なやり方だと、連中を倒したとしても飛び散った汚染物質を貰う可能性も高い。

「…やり方…考えないと…いけない…ね。」

呟きながら、左手をそっと右手に提げた刀の柄に添える。
自身の回復魔術では、汚染物質に通用するかどうかも分からない。
――極論、一撃も掠りもせずに無傷でこの群れを制さなければならないという事。

(…狼だから…『動物系』…かな…?あと、『植物系』とかも…居るみたい…だし。)

数は少ないらしいが、『幻想種』の類も居る…らしい。そちらはあまり相手にしたくはない。
と、唸りを挙げていた汚染された狼の群れが一斉にこちら目掛けて襲い掛かってくる。

ひぃ、ふぅ、みぃ――途中から数えるのをやめたが、多分10体以上は目視。
目に光や覇気が無い銀瞳が、襲い掛かるそれらを茫洋と見据えて一歩、無造作に踏み込むのが合図。

霞流 周 > 抜く手は見せず、白刃すら見せぬ速度で無造作に抜刀――距離は先頭集団とこちらで目測5メートルと少し。

最初の3体を瞬時にバラバラに刻んでからバックステップ。既に刀は鞘に収まっている。
…その際、バラバラになった個体から飛び散る黒い汚染物質が…無色透明になるのを確認。
あくまで見た感じの判断だが、どうやら飛沫程度になると無色透明化して…おそらく無害?化すると見た。

(…まぁ…やっぱり飛び道具とか…そういうのが…安全策…ではある…かな…。)

生憎と単独で参加していて、誰かと組んでいる訳でもないので一人で対処するしかない。
そもそも、現状知人が二人しか居ないので誘う相手すら居なかったというのが正しい。

「…攻撃魔術…とか…銃火器も…扱えた方が…やっぱり…いいのかなぁ…。」

小さくぼやきながら、続けて左右から回り込んで襲い掛かってきた2体。
再び少女の左手が霞んで、左右から挟み撃ちにしてきた狼を切り刻む。
同時に、更に後ろに低く跳んで飛沫すら当たらないように距離を取る。

(…これで5体…あと…5体…以上…。)

霞流 周 > ――背後から奇襲。何時の間にか1体回り込んでいたらしい。
狼は元来、『群れ』で狩りをする生き物だ…群れの仲間を犠牲に、その隙を逃さず。

「――――。」

至近距離。ここで切り刻んだら流石に感染は免れない。
無意識に身を低く鎮めて、狼の顎を靴で蹴り上げる。
どんな力が働いたのか、真上に派手に吹っ飛んだ狼…すかさず抜刀、空中でバラバラに斬り刻んだ。

「……次…は…。」

身を翻しながら、残り…7体。既に迫り来るのが6体。

真正面、左右、異常な跳躍で空中から、そして斜め後ろから…一斉攻撃だ。
この『群れ』のボスであろう最後の1体は様子見なのか襲い掛かって来てはいない。

「…スゥ~……ハァ…。」

一息、呼吸を整えてから身を低く沈めて。ギリギリと刀の柄を握る左手に力が篭る。
次の瞬間、地面へと抜刀――衝撃で地面が破壊され、少女を基点に全方位に砕かれた土塊や細かい石や砂が飛び散った。
それぞれ、6体の狼をそれで迎撃しつつ…怯ませる。その隙は見逃さない。次の一息で…土塊ごと6体全てを斬り刻む。

「…今のは…ちょっと…危なかった…かも…。」

そんな呟きを漏らすが、声に感情が無くぽつぽつした語り口だ。
本当にそう思っているかどうかは分からない…そして、自然と少女の視線が最後の1体に向けられる。

ご案内:「Free5 未開拓地区 汚染区画-東側区域-」に紫陽花 剱菊さんが現れました。
紫陽花 剱菊 >  
刹那、周の背を紫紺が稲光。
轟音過ぎさしり後にはおどろと灰ばかりが残る。
草木一つ残しはせぬ。唯虚しく虚空を舞う灰吹雪。
跳梁跋扈。狼の群れより他の物怪が一層されたのだ。
統率の取れた(つわもの)非ずんば、陰に獣が潜むもまた定常。

「…………」

空気を淀ます紫紺を纏わし、艶やかな黒をざんばらと揺れる。
隠れし者々の露払いを済ませた雷神、剱菊が音もなく灰に降り立つ。
(うろ)が見据えるは、見知った少女の背なと群れの頭領。

「……手助けは?」

男は一言のみ、言問う。
其の手に携えたるは、漆塗りの長弓也。

霞流 周 > 「……私が…始末を付けます…と、言いたい所ですが…。」

この人は、唐突にまた現れるなぁ…と、そんな事を思いながら、視線を僅かにそちらへと向ける。
その間も、狼の統領から意識は逸らさない。明らかに体格も、汚染物質の量も違う。
一撃で仕留められなければ、カウンターだけでなく汚染物質を喰らう結果になりかねない。

(…伏兵は…いや、この人が…見落す筈もない…か。)

つまり、狼の統領と少女のタイマン…と、言いたいが少女はそこに拘らない。
強力な助っ人が居るなら素直にそちらを頼るべきだろう。

「――牽制と、もし逃亡を図ったなら…仕留めて下さって構いません…。」

ゆっくりと、左手で改めて刀の柄を握りながら最低限の助力を彼に頼みつつ。
――狼の統領が身を低く鎮めるのと、少女がゆっくりと一歩踏み出すのが同時。

…刹那、彼我の距離を一気に縮めてジグザグの軌道で狼の統領が迫り来る――!

紫陽花 剱菊 >  
此度の生物災害、戦事と成れば剱菊に呼び出しがかかるのも必然。
隠密機構成れど、本質は戦人。斯様不条理な戰場と相違無し。
視線は一つに見えれども、張り巡らせる気の糸、一つの気配も逃すこと無し。

「……露払いは済ませたが、何時増援が来るか……」

心底を見透かしたかのように一言。
獣とも成れば、喧騒一つで訪れよう。
然るに戦と非ず、私闘と成れば見守る腹積もりであった。

「ご随意に……」

頼まれるのであれば、吝かに非ず。
獣の脚力。韋駄天の如し速さを(うろ)は捉えている。
刹那、音もなく後退。瞬く間に弦が撓る。
早駆けである。宛ら音を奏でるように無数の矢が飛び交う。
周の背を抜けるそれは、一つとして周に当たる事無くすり抜け、
然れど狼の進路全てを遮るように放たれた。足止め也。
蛮勇と踏み込めば、瞬く間に矢に貫かれよう。

霞流 周 > 「…私は…気配の察知は…そこまで得意では無いですし…露払いは…助かります。」

己に向けられる敵意や悪意には非常に敏感だが、能動的に気配を探るのは…可能だが範囲があまり広くない。
そういう意味では受動的な気配感知に長けていると言えるだろうか。

増援が来る可能性は勿論あって、彼の言葉に小さく頷きながら…これだけ騒げば十分に有り得る。

「…ありがとう…ございます…紫陽花さん…。」

淡々とした口調ながら、きちんと礼は述べてから。
狼の統領とは対照的に、少女は歩く程度の速度で間を詰める。
背から後押しするは早駆けの矢。一つとして少女には掠りもせず、されど狼の統領の進路を巧妙に塞いでいく。

(…やっぱり…援護してくれる人が居ると…ありがたいなぁ…。)

普段、一人で荒事もこなしているから尚更にそう感じる。
そして、正確無比に進路も退路も塞ぐ矢の雨に狼の統領の動きが一瞬――鈍る。

――刹那、霞む左手が一閃…狼の統領を斬り刻む…否、仕留め切れていない。
汚染が進んでいるからなのか、生命力が強い個体だからか…悪あがき、とばかりに。
爪を、牙を突き立てんと迫ろうとするその黒い獣を淡々と見据えて。

「……では…。」

さようなら。既に鞘に納めていた刀を再び一閃――今度こそ、確実に斬滅する。
飛び散る黒い飛沫…それも、やがて透明になり霧散していくのを見届けて。

ゆっくりと、息を吐き出しながら意識的にゆっくりと刀を鞘に納めた。
確実に息絶えているのをじっと数秒、検分してから後ろへと振り向いて。

「…終わりました…改めて、ありがとうございます…。」

あの俊敏な動きを制限してくれたのは有難かった。軽く一礼をして彼にお礼の言葉を述べる。

紫陽花 剱菊 >  
居合一閃。刹那の間に鞘走る刃が斬滅せしめた。
あとに残るはどす黒い血飛沫。否、肉塊か。
灰とともに風に運ばれ、後に残すものはなく、
唯、静寂ばかりが訪れる。

「…………」

然れど警戒を解く理由も無し。
行住坐臥は戰場。即ち此れは日常と変わり無し。

「……今は物怪も気配も無い。然れど、油断召されるな」

如何なる場所に息を潜めていようと可笑しくはない。
小言めいているが、忠言こそ口に出さねば意味も無し。
静寂の足音が、ゆるりと周により、其の顔を見下ろす。

「其方:そなたが荒事をこなしているのは存じていたが……。
 ……よもや、斯様な地で相まみえようとはな。身体に支障は?」

怪我のみ成らず、毒も呪言もあり得よう。
全てを加味した心配だ。じ、と見据える視線。
ある種の無遠慮。下心無くも、年頃の女子(おなご)の爪先まで(うろ)はなぞる。

霞流 周 > 「…えぇ…ここに入る前に…検査の合間に説明とか…受けましたけど…実際対峙すると…やり難いですね…。」

油断すると、あっという間にこちらがやられる。そうでなくても感染は免れまい。
事前説明はきちんと聞いていたので、汚染物質…黒い液体状の”何か”の危険性も最低限理解している。
基本的に刀一本で戦う少女としては、対処は出来るが少々相性が悪いと言えなくもない。
彼の忠言に素直に頷いてから、出来る限り気配の察知を怠らないようにする。

「…汚染区域が…どの程度の広さか…あまりピンと来てないですけど…これは長丁場に…なりそうですね。」

自分以外も、勿論続々と調査や戦闘、生存者救出に汚染区域に入っている人たちも居るだろう。
それでも、短期間で終息する…と、考えるのは流石に楽観的に過ぎるか。

「…大丈夫です…かすり傷一つでも…致命的になりかねないので…。」

軽く、その場で緩やかに身を回してみせる。土埃の汚れなどはあれど、傷は無い事が彼にも確認できるか。
彼の方は…まぁ、当然ながら全然平気そうだ。とはいえ油断大敵、ではあろう。

「…怪我もですが…毒や…呪い?の類もおそらく…平気だと思います…不調の感覚は…意識できる範囲では…無いので…。」

ある種無遠慮とも言える視線も気にせず、彼の問い掛けに軽く調子を確かめる仕草をしながら答える。
とはいえ、最初に遭遇した狼の群れでこのレベル…と、なると。

「…ここは…植物や…場合によっては…幻想種も…汚染されていると思われるので…本当…油断なりません…ね…。」