2015/06/11 のログ
ご案内:「屋上」に相楽 満さんが現れました。
■相楽 満 > 「んーんー……
夜風が気持ちいい」
屋上でハンバーガーを片手に、ぼーっと空を仰いでいる。
横にいくつかハンバーガーストックがあり、飲み物も完備。
がつがつ食べながら、物思いにふけっている。
ご案内:「屋上」に焔誼玖杜さんが現れました。
■焔誼玖杜 > 【今日の空は晴れている。
まだ疲れが取れきっていないのか、最近は少し睡眠が不規則になっていた。
そのため少女は夜中に目を覚ましてしまい……窓の外を見れば、星が綺麗だった。
だからふと、また屋上に行ってみようと思いついたのだ。
初めての友達が出来た、教室棟の屋上に】
「……うう、やっぱり夜は寒いなぁ」
【そんなふうにぼやきながら、屋上の扉を開いてみる。
……空を見上げながら屋上を歩けば、以前と同じ綺麗な星空が広がっていた。
そして、また結弦さんはいないかな、とわずかに期待しつつ視線を屋上に滑らせて――】
「……あ」
【友人は居なかったものの、先客の姿を見つけて足を止めた】
■相楽 満 > 「んんー?
お、こんばんわ。いい風吹いてんぞー」
空を仰いだ首をそのままさらにもたげ、髪を逆立てながらそちらを見る。
にへら、とゆるく笑い、小さく手招きした。
「やー、いいとこに来てくれた。
ちょっと心細かったんだよな」
■焔誼玖杜 > 「あ、その……こんばんは……」
【先客の挨拶と様子に、なにか邪魔をした……という事は無さそうだと、少しほっとして。
おそるおそると言った様子だが、近づいていく】
「心細い、ですか……?」
【なにがだろう。一人で居るのが、なのか、真夜中の屋上に居るからなのか……両方なのか。
まるで真冬の装いである少女は、少年の姿を夜目で観察できる距離まで近づくと、わずか首を傾げてたずねた】
■相楽 満 > 「おう、なんてーの?
こう、静かに夜風に当たるつもりだったけど、あんまりにも静かすぎてさー。
ほら、ハンバーガーとジュースあるから、一緒にどーだ?」
ぐいん、と体を起こして正面を向いた後、振り向いてもう一度手招き。
ゆるい笑顔のまま、近くの袋を持ち上げて見せる。
中にハンバーガーが入っているのだろう。
■焔誼玖杜 > 【静か過ぎて心細い、という感覚は……少しわかる気がした。
人が多く騒がしいのも苦手だが、本を読むとき以外、あまり静か過ぎるのも苦手だ。
まるで、世界に一人っきりになってしまったような、寂しさと怖さがあるから】
「……ハンバーガー、ですか」
【知らない人に何かを貰うのは……とも思ったけれど、実のところお腹は減っている。
夜中に目を覚ましてから、なにも食べていないのだ。
とても空腹、というほどでもないけれど、その誘いが魅力的に思える程度には空腹感はあった】
「い、いただき、ます……」
【どこか弱弱しい声で、途切れがちに答えると、少年の座ったベンチ……その一番端っこに腰を下ろした】
■相楽 満 > 「はいよ、どーぞ。
チキンのやつと、ふつーのやつと、ついでにホットドッグもあるぜ」
袋を離れたところにいる少女のもとにずいっと押し出した。
けらけら笑い、彼自身もがつがつと食べている。
「俺、相楽。相楽満。
あんた名前はー? 一年だろ?」
■焔誼玖杜 > 「は、はい。
そ、それじゃ、えっと……ホットドッグ、を」
【おそるおそる袋を受け取り、中からホットドッグを取り出して押し返す。
手にしてみると、流石に冷めて来ているのか温かさは大部減っていた】
「相楽、さん。私は、その、焔誼、です。焔誼、玖杜。一年です」
【名前を聞いても、まだどうにも緊張がほぐれない。
なんとか名乗れはしたものの、途切れ途切れになってしまう。
……というか、だ。
なぜか一昨日と今日と、男の子に縁があるなあ、と少女は思う。
これを喜んでいいのか、嘆くべきなのか……いや、思春期の少女としては喜ぶべきなのかもしれないが、ただでさえ人見知りがある少女に、男の子と二人きりはやはりどうしたって緊張しすぎてしまう。
一昨日は、お礼をしたい、喜んでもらいたいという気持ちが強くてなんとかなった、けれども。
……ああ、他に誰か来てくれないだろうか、と星に願ってみる。
二人っきりよりは三人や、四人のほうが多少、気が楽だろう。
いやまあそれも、人見知りには疲れる状況なのだが】
■相楽 満 > 「おっけー、ホットドッグな。
飲み物どーする?
あったかいコーヒーか、冷たいオレンジジュースかウーロン茶。どれがいい?」
缶ジュースを二つと、ハンバーガーと一緒に買ったらしいカップに入ったコーヒーをずいっと差し出す。
「ほむ……ホムラギ? なかなか聞かない苗字だな……
おっけー、よろしく。
まさか夜風に当たりに来て友達が新しく出来るとは思わなかったなー」
けらけら笑い、袋からチキンのハンバーガーを取り出し、紙をほどいて食べ始める。
がつがつと、結構な勢いで。
■焔誼玖杜 > 「あ、それなら……温かいのが、いい、です」
【ただでさえ少女にとっては寒さを感じる夜中だ。
流石に冷たい飲み物は飲みたくない。
コーヒーだけを受け取り、片手に持つ……が、やはり冷めてきているようだ。思ったよりも温かくない】
「その、田舎、ですから……」
【よろしくという言葉には、小さく頭を下げて応える。
が、続く『友達』という言葉に、目を丸くした】
「え、と……友達、ですか……?」
【それが自分の事を指しているのは間違いない。
けれど、イマイチ飲みこめなかった。言葉の意味を】
■相楽 満 > 「……コート着てるし、もしかして寒い?
ひとっ走りあったかいもん買ってきたほうがいい?」
目をぱちくり、少し心配そうに。
今にも駆け出しそうな様子。
「んぇ、だってメシ食って話したんだし、友達じゃん?
あれ、違う? 俺でしゃばった?」
目に見えて焦り始めた。
調子に乗ってしまったか、と気まずそうに目線をそらして頭をがりがりかき始めた。
■焔誼玖杜 > 「……その、ちょっと、だけ。
でも、だいじょうぶ、です」
【別に冷めてしまったなら温めればいいだけなのだ。
少年の様子には首を振りつつ答え】
「……ふふっ、そんなこと、ないです。
私も……友達になれたら、嬉しい、です」
【そんな急に焦り始めた少年に、思わず笑みがこぼれる。
もしかしたら、彼も緊張していたのかも知れない。
そう思うと、幾分か気持ちが楽になって、すんなりと言葉を紡げた】
■相楽 満 > 「そんならいいけど……
別にいいんだけどね、ちょっと往復するくらい」
まっすぐ行けば近いし、と呟く。
どういう意味でまっすぐなのかはわからない。
「お、おう、よかった……
まぁそのホットドッグとコーヒーはお近づきのしるしってことで」
安心したようににへら、と笑い、最後のハンバーガーに手を出した。
食べるのが恐ろしく早い。
■焔誼玖杜 > 「……ありがとう、ございます」
【微笑んで、快くその『お近づきのしるし』を受け取る事にする。
少年の食べる速度にはちょっと驚くものの、それをみるうちにますます食欲を刺激された。
とはいえ、いきなりホットドッグを口にするには、少し喉が渇いている。まずはコーヒーからだろうか。
ホットドッグを膝に置き、両手でコーヒーを持つ】
「…………」
【そして目を閉じ、少しだけ集中。
必要な温度はそれほど高くない。沸騰させるほどではなく、短時間で温められる程度の熱量。
念のため、一呼吸置いてコップの強度を上げる魔術を使う。
対象と効果をイメージするだけで発動するその魔術は、少々の疲労感と引き換えに効果を発揮した。
そして、改めて集中。
両手で持ったコップを炎が包む。時間にすれば数秒といったところだろう。
手の平からは淹れたてのような温かさが伝わってきた】
■相楽 満 > 「ん、ん?
おぉ、おぉぉ!?」
炎が発生し、コーヒーのコップを包み込み、さらにまるで燃えない。
少女の手にやけどの跡すらない。
相楽の目が輝き、その様子をじっと見ていた。
「……すっげーな!
何、ホムラギって炎使えんの!?」
いきなり食いついた。
■焔誼玖杜 > 「は、はいっ、ちょ、ちょっとだけ……」
【その食いつきように驚いて身を引く。
そういえば一昨日も結構驚かれてしまったけれど……もしかして炎を使う人はあまり多くない……はずが無い。
炎の気配は学校に居るとそこかしこから感じられるのだ。
……だとすると、きっと彼や東雲さんが見慣れていないだけなのかもしれない】
■相楽 満 > 「すげぇ……
俺魔術も使えねーし、異能もそんな派手じゃねーしさ……
そーゆー力、うらやましくてさ」
いいものを見た、という顔でほふぅと息を吐いた。
ポピュラーな能力かもしれないが、彼にとっては憧れすら感じる力なのだ。
嬉しそうに笑い、ジュースの缶を開けて飲み始めた。
■焔誼玖杜 > 「そう、なんですか……?」
【すっかり、この学校では異能や魔術があるのが当たり前だと思い込んでいた。
元は普通の生活をしていた玖杜だが、ここに来てから授業にも含まれていたため、感覚が変わっていたのだろう】
「でも、私も……これくらいしか、できないし。
あとは、魔術を少しくらい、だけで」
【それも、制御がまだまだおぼつかないものだ。
集中して、今みたいなちょっとした事なら問題ないが……動揺すればすぐに暴発してしまう】
■相楽 満 > 「いやいや、少し出来るだけですげーし。
俺なんてパワーあるだけだしなー、全然派手さがねーんだよなー……
ほれ、見ててみ」
ジュースを飲み干した缶をぷらぷら見せる。スチール缶だ。
「……俺の一手は抜山蓋世の一撃……」
ぽつり、呟く。まるで呪文のように一言。
次の瞬間くしゃっと、まるで紙の筒でも潰すように片手で握り潰した。
その上、上の面と底を両手で挟み、くしゃっと平らに潰した。
「……なんかこう、力は強いけど地味なんだよなーこれ」
■焔誼玖杜 > 「……そう、でしょうか」
【正直、この力でいい思いをしたことはあまりない。
というよりも、この学園に来るまでは嫌な思い出がほとんどだ。
時折役に立つ事もあったけれど、大抵は嫌な結果になってしまう。
と、あまり愉快ではない事を思い出しつつ、彼の異能を目にして】
「……すごい」
【と、短いが素直な感嘆の声をあげた】
「すごい、です。確かに派手じゃ、無いかもですけど……」
【きっと自分の力よりも、ずっと色んな事に役立てる事が出来るだろう。
そして、誰かを助けたり、自分を守ったり……そういう事もちゃんと出来るはずだ。
自分の力は、確かに派手で強い部分もあるかもしれないが……全てが自分の安全と引き換えなのだ】
■相楽 満 > 「んー、すげーか?
うーん……あんまりすげーと思って使ったことねーんだけどな。
それに使うとすげー腹減るし」
追加で持ってきていたらしい、ピーナッツの袋を取り出し、ばりっと口をあける。
それを口いっぱいに詰め込み、もりもり食べてウーロン茶で流し込む。
「っぷぅ。
まーアレだな、結局お互いが持ってない力がすげーように見えるんだろーな。
ほら、隣の芝生は緑……じゃなくて青いってやつ。
ホムラギの力もすげーし、俺の力もなんだかんだすげーってことだろうな」
けらけら笑い飛ばす。
彼の中ではそこまで深刻な話ではないのだろう。
■焔誼玖杜 > 「お腹、減るんだ……」
【その食べっぷりにやっぱり影響されて、自分もホットドッグを口にする。
……あ、コーヒーを飲むのを忘れていた】
「……、うん。そうですね、私のも、相楽さんの力も、きっとそれぞれ、すごいところ、あるんです」
【ホットドッグを温めたコーヒーで流し込みつつ、喉を潤し頷く。
まさに彼の言うとおりなんだろう。……だとすれば、自分もまた、もう少し力を好きになってもいいのかもしれない。
ただ使うだけじゃなく、これが自分の能力なのだ、と、胸を張れるように。
……まあ、そうなるにはまだまだ、先は長そうだったが。
少年の笑い声につられ、玖杜もまた微笑みを浮かべた】
■相楽 満 > 「だってお互いがお互いをすごいとしか言ってないもんな。
つまりやっぱお互いすげーってことだ」
ピーナッツの袋の中身をどんどん減らしながら、そう言い切った。
「ふぃー……夜食もがっつり食べたし。
どうすっかなー俺……ホムラギはどうする?
寮暮らしだったら、もう帰るんなら送るぜ?」
■焔誼玖杜 > 「あはは、そうですね……。ちょっと、嫌なところとか、あっても……やっぱりきっと、すごいんです」
【そう、なにせ自分達にしかない力なのだ。
誰もが持っているわけじゃないのだから、凄いことに変わりはない。
そんな事を思いながら、ホットドッグを咥えた】
「わふぁひ……、私も、帰ろうかな。
星を見に、来たけど……もっと素敵な事があった、から」
【そう答えると、ちょっとだけ恥ずかしそうに俯き、少年を上目遣いに見やる】
「……その、寮、だから。送ってもらっても、いい、ですか?」
【たずねられたこととは言え、そう頼むのはちょっと恥ずかしかった。
俯いた顔が、マフラーに埋まる】
■相楽 満 > 「そーゆーこと。
どこでどんな風に役立つかもわかんねーしな」
けたけた笑い、立ち上がって伸びをした。
「ん、素敵なこと? 夜食美味かった?
この時間に食うものはなんかこう、特別美味いしな」
その視線に気付いているのかどうか。
気付いていたとしても、それに向けた笑顔は変わらなかった。
「おっけー、じゃあ寮までな。
なんだかんだ夜は冷えるし、さっさと帰るか。
ホムラギも寒そうな格好してるしな」
さっさと扉まで歩いていき、振り向いて手招き。
■焔誼玖杜 > 「あ、うんっ」
【短く返事だけして。
ベンチから立ち上がると、少年を追いかける。
……まだホットドッグを食べ終えてないのを思い出し、残りを口の中に押し込んだ。
もごもごうごく口元は、まあマフラーをちょっと上げて隠し】
■相楽 満 > 「足元気をつけろよー、転んだら大変だからな」
けらけら笑って、二歩前の斜め前方を歩いていく。
そのまま寮までしっかり送り届けることでしょう。
■焔誼玖杜 > 【そんな少年の背中にちょっと頼もしさを感じつつ。
後ろをつかず離れず着いていく。
……そこでまた、ふと気付く。
そういえば途中から、あまり寒さを感じなかったような。
一昨日もそうだったなあ、と少し不思議に思いつつ。
時折他愛も無い話をしながら、送り届けられたのでしょう】
ご案内:「屋上」から相楽 満さんが去りました。
ご案内:「屋上」から焔誼玖杜さんが去りました。
ご案内:「教室」に志葉恭介さんが現れました。
■志葉恭介 > 【昨日文字通り命懸けの激戦を繰り広げたからと言って今日の授業をサボる訳にはいかない】
【違反部活に精を出そうが退魔師の使命を掲げようが、志葉恭介の本分は学生なのであり、学生である以上講義に出席し単位を取得せねばならないのだ】
【それが現状の自身の目論見と重なる部分の多い上に苦手な講義となれば尚更であった】
【故に包帯だらけの身体の上に学生服を着こみ、代替品の外套を羽織ってこの情報基礎の講義に勤しんでいたのであるが……】
……やっぱり全く分からん……。
【右手には分かりやすい事で著名な『サルでも分かる! インターネットのしくみ』という中学生向けの情報通信基礎解説書】
【カバーに書かれた『大丈夫! ウェブ通の解説書だよ』という謳い文句も最早虚しい】
ご案内:「教室」に橿原眞人さんが現れました。
■志葉恭介 > 【大体今日日小学生でも使いこなすインターネットという便利なツールに触れる機会のほぼ無かった原人並の志葉が何故このような講義を受ける事になったのか】
【それは必須とされる一般教養科目の枠にたまさか滑り込んだというそれだけの理由なのであった】
【講師の「皆さんご存知の通り~」から始まるお決まりの解説を、この男全くご存知でない】
【耳から煙を吹きつつも板書だけは丁寧にノートに取るという行いだけは怠らないのは最早愚かであるのか勤勉であるのか判別が付かないのであった】
【やがて講義終了のベルが鳴り。脳の理解力がキャパシティオーバーを起こした志葉は机にがっくりと項垂れる】
■橿原眞人 > 【今のところ眞人の生活は平和であった。否、平和というには少し違うだろうか。】
【禁書庫で謎の教師に襲われ死にかけたりはしたものの、毎日そんなことになっているわけではない。】
【眞人の主戦場はサイバースペース。電脳世界だからである。】
【故に特に問題もなくこうして授業に出席に来ていた。昨日も学園内では色々あったらしいが、眞人が直接関わったものはない。故に、彼の友人が昨日何をしていたのかもよく知らなかった。】
よう、大正時代の先輩。いいかげん携帯にはなれたか? ……その調子じゃまだまだらしいな。
【がくっと項垂れる恭介に後ろから話しかける眞人。それはからかい交じりだ。】
【彼の持つ書籍を見ればなおさらだ。どうやら全くダメな様子。】
しかし、こんな授業取ってるとはな。意外だ。自爆でもしに来たのかって感じだな。
……なんかあったのか?
【服の隙間から見れる包帯に少し怪訝な顔をしつつ隣に座る】
■志葉恭介 > 誰が時間旅行者だ。
……やぁ、橿原後輩。困ったことにさっぱりである。
【恨みがましい視線を眼鏡越しに送る。包帯へと向く視線に頭を振り】
大したことではない。
それより自爆ってなんだよ。履修自体は、まぁ、その。あれだ。
一般教養科目の単位埋めの積りだったのだが。
【盛大にため息を吐き出し、身体を眞人へと向き直らせる。解説書は雑に鞄へと突っ込まれた】
こういうのを術式に転用するというアイデアが浮かんだ故にいい機会だから本当に学ぼうと思っては居るんだ。
だが矢張りさっぱり分からん。電網とは……通信とは一体……うごご。
■橿原眞人 > だろうな。たぶん諦めたほうがいいぜ。
【酷いことを言った。だが今の恭介の様子ではそう言うほかなかった。】
……そうか。
せめてもっと選べよ。なんでわざわざよくわからない分野のを選んでんだ。
しかもそんな中学生向けの本読んでよ……。
【雑に突っ込まれていく参考書を見ながらそう言った。】
【そして、次の恭介の言葉にぴくりと眉を動かす。】
驚いたな。志葉みたいな現代に残された秘境みたいなやつが、俺と同じ発想をするなんてな。
それはあれか、魔術とそういう電子機器とかネットワークを両立させるってやつか?
【それで勉強しようというのは立派だが、この様子では一生かかってもそのアイデアは実行されそうにないだろうと眞人は思った。】
俺も今それをやってるところだ。魔導書、術式の電子化。面白そうだろ?
だけど何で急にそんな考えもち始めたんだ。退魔師だったらわざわざそんなことしなくたっていいだろ。
■志葉恭介 > 俺もそんな気がする。
【最早皮肉で返す気力もない。続く言い訳もなんだか侘しい】
……時間割の問題とか、色々あるだろう……。
【と、食いついてきた眞人の様子に少々驚いたような表情を向け、眼鏡を直す。目の前の少年が電子機器に強いのは何となく察せられたが、その手の技法に興味を持つ手合であるとは正直意外と感ぜられたのである】
【それは、橿原眞人が少なくとも日常においては極普通の生徒であるという証左なのであろうが】
まぁ……そうだな。正確に言うならば、携帯電話……ええと、スマートフォン、と言うのだったか。
そいつを神殿の形代と出来ないものか、と考えて居る所で。
【そして、問われた内容には仏頂面でため息を吐く】
……約束しちまったんだよ。記憶も権能も無くした神様に外の世界を見せてやるって。
■橿原眞人 > 【恭介の話に耳を傾ける。そして素っ頓狂な声を上げた。】
神殿の形代だあ……!?
【いくら魔術を電子化しようと試みている眞人にとっても、それは斜め上の返答だった。】
【しばらく驚いたような顔をしていたものの、すぐに真面目な顔になって考え始める。】
ふむ……事情はまったくよくわからんが、そんな神様がいるとはな。
だがスマホを神殿代わりにしようとする奴は初めて見たぜ。
折口信夫も仰天してるだろうな。いくら未来になったとはいえ、ついに神殿も電子化しようとするやつが出るとは俺も思わなかった。
【依代というような概念は折口信夫の「髯籠の話」で提唱された概念の一つだ。もっとも、21世紀初頭まで隠されていた魔術の世界では当然のことだったかもしれないが。】
……俺も魔術を電子化することには一応成功してる。タブレットの中に魔術の術式を仕込んで解放するわけだ。
神殿となるとそうだな……移動式の神籬って言ったところか。
その神様にもよるが、魔術と同じ原理なら、できるかもしれないな。
【そして恭介に魔術の電子化について話し始める。魔術を機械語で書くとか、魔力の問題であるとか……魔術はともかく、電子関係はおそらく彼にはよくわからないことだろう。】
そのスマホの中に疑似的な斎場を設けるわけだ。神籬でも神殿でもなんでもいい。
そこに降神させることができれば、志葉がいってることは多分可能だ。
ご案内:「教室」に安室 冥路さんが現れました。
■志葉恭介 > 簡易的な神殿形成の術式であれば洋の東西を問わずに存在しているものだからね。
電子媒体と魔術の融合が可能であればそれもまた、と考えたのだが。
【聖域、神域というものは祀る対象と場を区切る事が肝要である、と志葉は理解している】
【故に、発想としては無いではない話であった。問題は実装が全く此の男では追いつかないであろうという事だが】
成程、神籬とはね。それは、確かに……
【機械語ってなんだ食えるのか、プロトコルとは、みたいな疑問が頭のなかを乱舞するが、熱心に可能性について探求する眞人を見て思いがけず緒を得られそうな予感に我知らず、笑みを浮かべていた】
いや、君を見くびっていたぞ橿原後輩。大した奴だ。
……たぶ、何だったか。ええとその板に術式を仕込む技術にしても、恐らく此の学園の教授が食いつくんじゃないか?
■安室 冥路 > 教室の片隅から音楽が鳴り響く。誰でも、何処かしらで耳にした事のあるような流行り歌。
「ほわったー!?」
そうすれば窓際の席に突っ伏していた男が奇声を上げながらガバッと起き上がり、キョロキョロと周りを見回して
ポケットからスマートフォンを取り出せば内容を確認する…
「…あー、なんだスーパーの安売りチラシメールか……ってか、今日非番だから呼び出しな訳ねーよなー……焦ったー………」
額の寝汗を制服の袖で拭えば、落ち着いた様子で…教室に残る二人に気付いて、苦笑いを浮かべた
「あーごめんごめん、お騒がせしました。…って、珍しい顔が珍しい授業に出てたんだな」
同学年の志葉は特別関わり合いがあるではないが、顔と名前くらいは知っている。2世紀は時代に取り残された男…と一部では有名人だ
もう一人には見覚えは無いが、彼の知り合いだろうか
「なになに、なんの話してんの。折角だし混ぜてよ」
■志葉恭介 > 【鳴り響いた着信音におもいっきりびっくぅ!と肩を震わせた拍子に全身の傷が悲鳴を上げた。めっちゃ痛い】
おぁだだ。
……ああ、生活委員の。安室同級生であったか……
文明に取り残された哀れな原人に最先端を往く若人がその可能性を説いている所だ。電子機器ってスバラシイ。
■橿原眞人 > その神様がどんな神様なのか知らないが、多分神様側でもなんか、できたりはするだろう。
宗教も科学と一緒に発展してきたんだ。別にもともと相反するものでもない。
魔術と電子機器が一緒になったってなにもおかしくはないはずだぜ。
【ぺらぺらと魔術の電子化、電脳世界と神の去来について話していた。電子機器だけに詳しいわけでもないようだ。】
化石みたいなやつに見くびられてたとは俺も驚きだぜ!
タブレットだよタブレット。別に俺が使いやすいからやってるだけだしな。別に広めるつもりもねえよ。どのみち誰かが思いつく方法だしな。
まあ、プログラムとか、サイバー祝詞なら俺が組んで――うおっ!? 誰だお前。
【そんな話をしていると、突如奇声を発して窓際の男が叫んだかと思えば、起きてこちらのほうへとやってきた。】
【どうにも変人くさいやつだと眞人は思った。】
ああ、どうも。俺は橿原眞人、一年だ。今この化石人に電子魔術について教えてたんだよ。
■安室 冥路 > 「下級生にめちゃくちゃ原始人扱いされてるうえにそれを自分でも認めちゃってるんだ…いやまぁ向上心を持って苦手を克服しよう、っていうのはいい事だと思うよ」
「俺は電子魔術とかさっぱりだから普通に機械扱えりゃいいや、くらいにしか思ってないんだけどね」
二人の近くの席に腰掛ければ、スマホでメールチェックなどしつつ
「橿原くんね、俺は今言われた通り生活委員の二年、安室冥路。宜しくー。」
「わざわざ志葉くんにそんな事教えてるって事は橿原くんは詳しい人か。同じメガネ同志でも随分と方向性が違うもんだね」
二人の顔を見比べて…系統的には近い筈なのに。趣向は間逆なのが何かツボに入ったのかけらけらと笑う
■志葉恭介 > 【名づけた通り蜜柑色の髪の童女を脳裏に思い浮かべ、「なんか、できたりはするだろう」という言葉を考慮する】
【記憶も権能も殆ど無い神ではあるが――適応力は意外に高い。きっと、なんとかするだろう、多分】
【そう結論づける】
その思想には賛同する所だね。多様に進歩する技術と継承される伝統は相反するものではない。
というか、その手の事に取り残されていたらこの時代やっていけないのだが……
【何となく。自分に刺さった。自虐的な笑みを浮かべる】
俺が言うのも何だなこれ。
扠置き。済まないがそういう事なら、頼まれては呉れないものか、橿原後輩。
報酬は……うまい飯でも奢ろう。今は少しばかり懐に余裕もある。
【そうして、自然と間合いの内側に入ってくる気安さを持った少年の言葉には重々しく頷く】
反駁する材料を失って久しいのだ。認める他在るまい……
というか本当に皆がスマホを持っているものなのだな……
■橿原眞人 > なるほど、安室か。よろしくな。
【学年はあちらのほうが上なのだが、ほとんど気にしていない様子の眞人である。】
別にそんな詳しいわけじゃない……趣味程度さ、趣味。
この志葉がうんうん悩んでたからな。見てられなかったんだよ。
中学生向けの参考書見てもわからねえらしいしな。
【何やら急に笑い出した冥路を見て怪訝な顔をする。】
こいつ、変なやつなのか……?
【そう恭介に耳打ちした。】
ハハ、そうだな。どこかの誰かみたいに取り残されてたらやっていけないぜ。
……ああ、わかったぜ。なら少し試してみるぜ。神様を電子の世界に呼び出せたらそれこそ魔術なんて、すぐだ。
いい研究、実験になるかもしれねえな。オッケー、飯は楽しみにしておくぜ。
【電脳世界に神を呼び出す。そんなことができたなら、電子魔術もかなり進歩したことになる。師匠が使っていたそれにも近づけるだろう。】
■安室 冥路 > 神がどうの、技術がどうの、難しい話をしている…のか。なんなのか。
途中から加わったものでさっぱり筋が見えない。
何かと面倒事に首を突っ込んでいる、という噂は良く聞く同級生だ。また何かしらの厄介事を抱えているのだろう
「形態普及率が100%を越えてる時代に何を言ってるんだか。それで良く今まで不自由無く生きてこれてるよなー…」
「俺の場合仕事柄持ってないと不便で仕方ないからね、呼び出しだ仕事の指示だ全部これに来るしさ」
「しかし今まで使ってこなかったのに、今更習おうっていうのはどういう心境の変化?なんかこれ絡みの厄介事でも抱えた?」
手先で弄ぶスマホを顎で示して、軽く首を傾げて見せる
かくいうこちらも気安く呼び捨てる橿原を気にした様子もなく、人懐こい笑みを浮かべた
「そう?なんか如何にもこっちに詳しそうな口ぶりと態度に見えたんだけどな」
「まぁそうやって謙遜する奴は大体本当はかなり詳しいものなんだけど、俺の経験上」
「僕なんて全然ですよ~~~って言って画面も見ずに入力をカタカタしてる事務の子とかすげえ多いし」
「っていうかさ、それならもう…ご老人向けか、異邦人向けのでも見繕ってやったらどうかな。ホラ、あるじゃん。ラクラクホンとかそういうやつ」
「取っ掛かりとしてはそっちの方が分かりやすいと思うよ、俺もたまに仕事で機械サッパリな異邦人に説明したりするけど。子供向けよりもそっちの方が理解が早いんだ」
■志葉恭介 > 【耳打ちには少し首を捻り】
気にするな。単に人が好きなお人好しなだけであろう。
【なんだか最早異邦人クラスの文明から取り残されっぷりと言われている気もするが現に知り合いの異邦人の方がスマホに適応しているのだ】
悔しいものじゃないか、ついこの間まで何も知らなかった奴が流暢にスマホを使いこなしている様を見せつけられるのは。
ということで、俺もこの長年の相棒である所の二つ折りモノクロ携帯電話と別れを告げスマートフォンユーザーへと進化を果たす決意をしたという訳だ。
【懐から外装の塗装が擦り切れたぶ厚い二つ折り携帯電話を取り出し、何処か得意げに笑う】
……で、スマホって何が出来るんだ。電話とメールとインターネットが出来るのは知ってるが。
■橿原眞人 > ……言っただろ、趣味だよ趣味。昔からこういうのが好きだっただけさ。
親父もそういう会社の務めだったからな。
【少し遠くを見るようにしていう。やけに詳しそうだという話を逸らすように。】
まあ、こいつが私用で使うのなら異邦人用でも老人用でもいいんだけどな。志葉のプライドが……機械に関してはないか、そんなもの。
改造しづらいのが問題だが俺が使うわけでもない……ただ、今志葉がやろうとしてる、神様をスマホに依りつかせるってのは最新のやつのほうがいいと思うんだよな。
まあ、そこらへんは頼まれたから俺がなんとかしてみるが……。
【耳打ちに静かにうなづく】
ふむ、なるほどお人好しで調子者ってだけか。
あの棗の婆ちゃんもスマホ買いに行ってたからな。志葉はだいぶ取り残されてるぜ。
まあそのモノクロ携帯も貴重といえば貴重化も知れねえけどな……。
【自慢げに二つ折りの携帯を見せるのを見てため息をつく。】
……てめえ、俺の前の話何も聞いてなかったのかよ!
【スマホで何ができるのかという問いに、ついていた肘を滑らせずっこける。】
■安室 冥路 > 志葉の携帯を見て思わず閉口する。マジマジとそれを見て…
「…凄いな、年代物どころかもはや骨董品レベルのものを未だに持って、使ってるとは。っていうかそれまだ使えるんだ…?携帯会社凄いな…」
ものすごく珍しいものを見る目である。言ってしまえば、美術館の展示品を見ているような目に近い
スマホを操作すれば、先程流れたのと同じ音楽を流してみせる
「まぁ例えばこんな風に音楽聞く事だって出来るし、ゲームで遊んだりも出来るし、小さいパソコンみたいなものだよスマホは」
「なんでも出来るけど、目的を持って使わないとただの電話と変わりないもの。ってところかなぁ。」
「好きこそものの上手なれって言うじゃん。今度俺も何か分かんない事あったら橿原くんに聞こっかな、アドレス教えてよ橿原くん」
通信機能をオンにしてさ、はよ。とでもいうようにアドレスの送信を待つ。さも当然のように
神様を依りつかせる…という言葉を聞いて、ようやく先程からの二人の会話が多少つながったように思えた
「…んー、でもさ。神様ってどういう神様か知らないけど。日本的な八百万の神様みたいなものだったら」
「むしろ志葉くんのこのふっるいケータイとかの方がいいんじゃないの?」
「結局神様の依代にするって言ったって、電子の世界に入り込むとかそんな事する訳じゃないだろ…?」
「それなら志葉くんがながーーーーーく大事に使ってきたこのケータイの方が、依代にしやすいんじゃない?」
「あるいはガワはそのままで中身だけ今風のに改造するとか。そんなこと出来る技術力が橿原くんにあるのかは知らないけどさ」
橿原と、志葉のケータイを交互に見比べて尋ねる
■志葉恭介 > 聞いていなかったのではない。理解が追いつかなかったのだ、橿原。
【ふん、と鼻白むがどう考えても偉そうに言う内容ではない】
俺も凄いと思う、携帯会社。
目的を持って使わないと……か。ただ持つだけでは無用の長物、とな。
成程なあ……
【安室のスマホを覗き込み、音楽が流れる様に唸る。道具の多用途化は技術の進歩の最も端的な表現であろう】
【己が扱う”仕事道具”に照らし合わせれば、それは分からない話ではない。電子機器に対する苦手意識が、若干薄らいできた……ような気がする】
あぁ、いや。
神様もうスマホ持っているんだ。普及品のやつだが。
……というか、掲示板にスレッド?を立てたとか言っていたような。
【画面を見せてもらったのは覚えているが、詳しい内容まで覚えている訳ではない】
■橿原眞人 > あ、ああ。まあ別にいいけどな。わかんなかったら適当に聞いてくれよ。
【であったすぐに慣れなれしい奴だなと思いつつ、タブレットを取出し、アドレスを送信する。】
別に古いものがいいってわけじゃない。付喪神なんていうやつなら別かもしれないけどな。
古い新しいは関係ないぜ。日本の地鎮祭とかを見てみろよ、あれは大体榊を依代とするわけだが、別に榊は古いものじゃないだろ。新しく若々しい木だ。
俺がやっているのは魔術の電子化だから、その通り電子の世界を経由して魔術を呼び出すわけだ。
だから別に、携帯電話とかそのものが大事というわけじゃない。電脳世界に神の御霊を転送し、依りつかせる。
つまり、今の場合は電脳世界に疑似神殿、神籬、斎場を設けるわけだ。……まあ、ここら辺はやってみないとわからねえ。電脳世界で、神を呼び出す儀式を行うわけだ。
そして俺は、電子の魔導書で魔術を現実に呼び出すことに成功してるんだ。なら、できるはずさ。
神様もスマホ時代かよ……遅れてるな志葉。
スレッド立てるとか、志葉じゃ永久に無理そうだぜ……まあ、神様がそれを持ってるなら話が早い。今買ったのなら最新式だろう。
それを俺が少し組み替えてやればいいんだ。
【神様が持っていると聞くと感心したように言う。】
■安室 冥路 > 「まぁでも、取り敢えず持ってみてから何が出来るのかを探ってくってもの悪くないと思うけどね。志葉くんの場合は、取り敢えず先に手に入れてみるのも手かもしれんね」
「ご年配やらに比べれば物覚えは悪いって訳じゃないだろうし。習うより慣れろとも言うし」
「骨董品レベルとは言え元々ケータイ自体は触ってたんだから。苦手意識さえどうにかすりゃすぐだと思うよ」
頑張れー、とばかりに軽く肩を叩…こうとして、先程何か痛がっていたのを思い出して、やめる
「しかし神様に遅れを取るって凄いな…いや神様だから知ろう、と思えば早いのかもしれないけども」
何がそんなに嬉しいのか、しかし楽しげにアドレス交換を行えば、早速とばかりに橿原のスマホへ
『(・ω<)ヨロー』
という内容のメールを送った。
「うん、じちんさい?っていうのを見たことが無いから分からないんだが古けりゃいいってものじゃないっていうのは分かった」
ニュアンスだけは伝わった、といういまいち理解はしきれてない奴の表情である
というか、やっぱり詳しいんじゃん。とでもいうようににまにまと笑みを浮かべている
「結局神様っていうのは信仰ってのが大事なんだろうし、それを行う形自体にはこだわらない…って事なのかな」
「いっそそういうサイトでも立ち上げた方が早かったりしてね。」
「うっさんくさいけど」
■志葉恭介 > 二人して遅れているとか、……いや遅れているんだが。
【肩を叩こうとする動きを止められ、軽く嘆息。こういう気が回るからきっとこの同級生は生活委員という割と面倒な職務も苦にならないのであろう】
そうだね。信仰、もっと平たく言えば周知自体がされていないから、権能も記憶も取り戻せていない。
力が弱いから、自身の神体である祠からも離れられないでいる。
……せめて出歩ければ、少しはその辺りの悪循環もマシになるのではないか、とね。
【さて、と言葉を区切り、席を立つ。気付けば次の講義に向けて生徒が集まり始めていた】
【外套を肩に引っ掛け、眼鏡を押し上げ二人を振り仰ぎ】
という訳だ。特に予定が無ければそろそろ飯としよう。先の言葉通り、俺の奢りでいい。
序に携帯屋も付き合って呉れるととても助かる。
■橿原眞人 > ……。
【よろしくお願いいたします。という絵文字も何もない文面を返す眞人であった。】
神様が古いモノ好きなわけじゃないしな。まあそれは宗教にもよるな。日本なんかは、神社なんかは作り変えるわけで、常に新しいものにするわけだ。逆に、西洋だと……。
チッ、ニヤニヤわらってんじゃねーよ! まあ、そうだな。信仰されることが多分大事なんだろう。後はその神様次第というわけだ。
自称破壊神みたいなやつがこの島にいたからな、俺ももうよくわからん……。
【自称破壊神にスマホを使う鬼や神様。既に世の中はなんでもありなのだ。】
こういう時代だからな。20世紀の時は笑い話ですんだ話が笑い話ですまなくなってきてる。
といっても、俺は生まれた時からこの時代だから、実感はわかねえんだけどな……。怪しいサイトも確かにあるな。だがそういうのはまだ難しいだろうな。サイバー神社みたいなのも、受け入れられるには遠いだろうぜ。
なるほどな、信仰が力だとすればそれが無ければ弱まるってことか。
権能も記憶もないっていうのは大変そうだな……神様の事情はよくわからねえが。
ま、そういうことならしかたねえ。そこまで入れ込んでるなら女神か何かかもしれないしな。
【そう言ってニッと笑う。】
オーケー、志葉。じゃあさっそくおごってもらうぜ。安室、どうやら志葉がおごってくれるみたいだぜ!
携帯屋もそうだな、いっておくか。お前ひとりじゃとても買えないからな。
【そう言って席を立つ。】
■安室 冥路 > んー…と唸り声を上げながら、腕を組んで少し考える姿勢を見せる
「手っ取り早くない方法だけど、どうしてもその神様を助けたいっていうならその祠を中心にした祭りでも開催出来りゃいいんだけどね」
「場所にもよるけどよほど辺鄙な位置でもなけりゃ、多少は人集めれるだろうしさ」
「まぁもしそういうのをやる、なんていう事があったら声かけてよ。そっちの方面だったらある程度力になれるしさ」
自称破壊神という言葉を聞いて思わず吹き出した。なんだかツボにハマったらしい
「アッハ!やっぱり今もそういう手合っているんだなぁ…実際に神なのかどうかは知らないけど」
「ここの学校、ホントそういう奴多いからな。年一くらいのペースで悪の秘密結社みたいなのとか、魔王みたいなのとか出てきては大混乱してるし」
「そういえばこないだもどっかでグリーンドラゴンが出てきて大暴れなんていう事件もあったっけ」
「まぁなんでもアリな世界だからこそ、出来る事も沢山増えてる訳だしさ。その中で如何に楽しんだもの勝ちか、みたいなところあるよな今って」
「まぁ取り敢えず難しい事は橿原くんに任せるとして、何か手伝える事がありそうだったらいいなよ。暮らしの安全課は善良な島民皆さんの強い味方ですっと。」
自分が寝ていた机にかけっぱなしのカバンを取って、当然同行するものとして二人を追う
「アー…俺の分まで奢ったら志葉くんの財布大変な事になるけどいいの?」
■志葉恭介 > 祭り、ね……成程。
そういう形での奉納というのも、確かに一つの方策ではあるか。
【頼もしい言葉に頷きを一つ。顔見知りというだけで此処まで言える安室は、素直に好感を持てるものがあった】
破壊神とはまたなんとも物騒だ。出来ればあまり関わりたくはないが、そう言っていたら鉢合わせたりするのが此処なんだがね。
全く、不条理で、理不尽な事だよ。
……そう言えば、よく食うんだったな、安室同級生は。
まぁ、3000円位までならばなんとかなるだろ。きっと。多分。
王椀軒の中華そばで構わんだろうね。この間食いそびれてしまって、どうにも落ち着かん。
【自身も鞄を手に取り、教室の出口へと向かう】
【その後。安室の滅茶苦茶な食いっぷりが明らかになって若干顔を青くしたり】
【実は携帯ショップで既に志葉が一度スマホを購入済みである事実が発覚し二人を驚嘆させたりもしたが】
【それはまた、別のお話】
■橿原眞人 > そうだなあ、最終的にはそういう祭りを行えれば一番だろうな。
神様もずっとスマホの中じゃ嫌だろうさ。
オッケー、じゃあ行こうぜ。安室がどんだけ食うか知らねえけどな!
俺はなんでもいいぜ、腹も空いてきたことだ。
【そうして出口へと向かった。安室の食物の摂取量、志葉が一度スマホを買っていたこと……色々な珍事はあったものの、一つの日常、学園生活を今日もまた終えたのである】
ご案内:「教室」から橿原眞人さんが去りました。
ご案内:「教室」から志葉恭介さんが去りました。
ご案内:「教室」から安室 冥路さんが去りました。
ご案内:「購買部」に天宮・F・志安さんが現れました。
■天宮・F・志安 > やばい出遅れたッ! 失礼、ちょーっとどいてくれよ!
(お昼のチャイムが鳴ったその瞬間、校舎が鳴動する。皆の行く先は購買部…
お昼ごはんを持ってこれない学生の胃袋を守る最終防衛ラインだ。
自分だっていつもはお弁当を持ってくるのだが、今日はあいにく寝坊でナシ。
故に、普段眺めているこの争奪戦に参加したというわけである。
天使と融合して日は浅いものの、飛行特性はずいぶんと便利だ。
もつれ合って廊下を走る学生たちを尻目に、天井すれすれを飛行していく。)
■天宮・F・志安 > はいゴメンよっ、はいどいてー!
(今日ほど変化した自分の身体をよく感じたことはない。 階段を一生懸命
降りる生徒を尻目に、ひょいと空中を渡って下のフロアへ。
なんだか下から自分を見上げる生徒たちがいい顔をしていた気がするけど、
きっと気のせいだ。ぐるぐるとフロアを降りてから、廊下を直進。
購買部が見えてくる。 人だかりはまだ少ない。 10人ほどだろうか。)
これならイケる!
(ゴールは目前、後ろには生徒の群れ。 しかし飛翔速度の方が早い。
そのまま購買にたどり着き、床におりるなり素早くパンを2つ3つ選んで
会計を済ます。 そのまま素早く空中に離脱。戦闘機のタッチアンドゴーの
ように機敏な動きで購買から離脱しようとする。振り向いて見てみると、
自分の後にたどり着いた生徒たちが購買に群がっていた。)
■天宮・F・志安 > (ふと空中にとどまり、普段見ない購買の戦いを見届けようとする。
10分もない…5分ほどだろうか。 一人抜け、二人抜け……
その場に残っていたのは、力なくその場に崩れ落ちた敗残兵と、
空のバンズだけだった。)
…うっ…わ、わかったよ、しょうがないな…
(身体がぞわぞわする。困っている人を見捨てられない天使の本能が
自分を突き動かす。 ぎこちない笑顔を浮かべて、”今日のお昼は
お腹いっぱいの水”の歌を歌い始めた生徒達の前に降り立った。)
あの、よろしければ、これどうぞ…
(持っていた自分のパンを差し出す。 何事かと目を丸くしていた生徒達の
瞳がみるみるうちに潤む。 お礼を述べるもの、自らの頬をつねるもの、
拝むもの、中には怯えるものすらいる始末。)
■天宮・F・志安 > そ、そんなに見られても困るんだけど…パンだってこれしかないし…
そんなに数はないから、こうして……
(パンは三つ。 相手は数十人。 少しでもお腹の足しになればとは思うものの
数量差は歴然。 そうなればこうするしかない。 えいやとパンを割って、
二つ、三つと分けていく。 物理的に考えると、パンの容積が減っていくのだが…)
あ、あれっ? えっ、なんで……?
(パンはたしかに割れた。 二つになった。 1/2が二つではなく、2/2が二つ。
つまり増えた。 頭の上に?マークを浮かべながらも、そのままえいえいと手を動かす。
そうしているうちに、飢えた生徒たち全員が両手にパンを持つくらいに行き渡った。)
■天宮・F・志安 > う、うん、よかったね…じゃあ俺はその、このへんでね。
(呆れてるんだか喜んでるんだか事態を理解できていないんだか、ぽかーんとした面の
生徒たちを見て、なんだか気まずいものを感じて小さく手を振る。 そのまま翼を広げて、
購買から逃げるように去っていった。)
ご案内:「購買部」から天宮・F・志安さんが去りました。
ご案内:「食堂」にヘルベチカさんが現れました。
■ヘルベチカ > (第三回キチキチ(マジ)わんこカレー大会)
■ヘルベチカ > (食堂の壁に飾られた横断幕には、ただその言葉だけがあった。)
(説明などは特に掲載されている様子がない。)
(参加者は食堂の中にまばらに居る。カレーを貪っている。)
(正直なところカレー食べ放題フェアである。)
(少年は食堂の端、料理の出てくるカウンター傍にいた)
■ヘルベチカ > (はぐっ、んぐ、ん。かつん。ごくん。)
(効果音でいえば、そう表現するのが丁度好い。)
(口に入れて、噛んで、噛んで、次のカレーをスプーンに掬って、飲み込む。)
(それを繰り返して。)
(それを繰り返して。)
(それを繰り返して。)
(それを繰り返す。)
■ヘルベチカ > (何度でも繰り返す。)
(幾度でも繰り返す。)
(再度再度繰り返す。)
(唯只管に繰り返す。)
(繰り返して、繰り返して。)
(からん、と。乾いた音。皿の中に、カレーが、なくなった。)
■ヘルベチカ > (徐ろに椅子から立ち上がる。)
(安物の椅子が、がたん、と音をたてた。)
(少年はカウンターへと近づいて。皿を差し出して。)
(一言、おかわり、と。)
(ただ、そのヒトコトだけを告げた。)
■ヘルベチカ > (学食のおばちゃんが、無言で皿を受け取って。)
(奥へと引っ込んで、戻ってくるまでの時間僅か1分。)
(その間に少年は、ぐるり、と広い食堂へ視線を巡らせた。)
(食堂の中。そこでは、其々が其々に、食べ続けている。)
(遠く見えるあの女子生徒は、既に何杯を平らげているのだろうか。)
(近くに腰掛けた巨漢の男子生徒は、カレーは飲み物という言葉をまさしく体現している。)
(各々が食べていて、そして今己はまた一杯おかわりをする。)
(勝ったから、多く食べたから、何が得られるわけでもない。)
(そもそもからして、勝負を行っているわけではない。)
(けれど、あぁ、そうだ。)
■ヘルベチカ > (大会という言葉が、ただ己の心を熱く染めて。)
(そして今、お代わりの皿を少年は受けとった。)
■ヘルベチカ > (まだ、食べるのかい。)
(受け取った皿を通じて。無言のおばちゃんの言葉が、届いた気がする。)
(あぁ、まだ、食べるさ。)
(少年は頷いた。言葉は無くて。)
(眼だけが。それを訴える。)
■ヘルベチカ > (福神漬けをスプーンに二掬い。辣韮を4粒。)
(それだけあれば、充分で。)
(己の陣取っていた席に、少年は戻り、腰掛ける。)
(嗚呼。スプーンを手にとって、それを。)
(まだ白いままの。カレーと混じり合う前の米へと。差し入れた。)
■ヘルベチカ > (はぐっ、んぐ、ん。かつん。ごくん。)
(効果音でいえば、そう表現するのが丁度好い。)
(口に入れて、噛んで、噛んで、次のカレーをスプーンに掬って、飲み込む。)
(それを繰り返して。)
(それを繰り返して。)
(それを繰り返して。)
(それを繰り返す。)