2015/06/19 のログ
クラスカ > (誰も知らない、知られちゃいけない)
(自分もまた時計塔に出入りしているある意味での違反生徒だとの事実を)
(あろうことか、生徒の安心と安全を守るはずの生活委員会が禁忌を侵していると知られた暁には)
(『クビ』の一言で目の前の世界が闇に閉ざされてしまう)
(素知らぬ顔で話を続ける)
時計塔、生徒にも開放して良いと思うんですよね。
でも前に、時計塔に忍びこんで時間弄ろうとした命知らずな生徒がいたとかいう話も……。
(あくまで噂、ただの噂)

最近は風紀委員会の人が良く落第街に出入りしてますから、見掛けたら一緒に回ってもいいんじゃないですか。
もっと風紀とも連携を強固にしたいんですけどね。中々あそこは門戸が硬くて。
(徹底した秘密主義を貫く公安委員会よりはマシか)
(以前何かと理由をつけて風紀に近づこうと試みて、悉く弾かれてしまった)
(今は頻発する事件に追われてガードが緩くなっているとしたら、好機かもしれなかった)
(表に現れない騒動についての詳細な情報を得るための―)

(表情の彫りが深くなり、「邪な考え」を巡らせていると悟られる前に、話題を変える)

お、お互い頑張りましょう山吹先輩。
生活委員会の仕事で、一人でも喜ぶ人が増えるなら、それは素晴らしいことだと思いますから。

山吹 冠木 > 「禁止されてるから入りたくなるとか、それはあるかもな……ついついっての。
時間を弄るって……そんなことできるのか? そんなすごい施設だったのか……」
遠目に見ている分には、掃除の大変そうな場所だ程度にしか思ってなかったが。どうやら凄い施設であったらしい。
そんな勘違いを深めながら、説明に耳を傾ける。

「風紀委員、ね……同じ委員会なら協力した方が良いと思うが……
仕事上、教えたくないことでもあるのかね。荒事やプライバシーに関わることも多そうだし」
風紀委員にしょっぴかれるということは、まず良いことではないだろう。
そういった情報が漏れることを懸念しているのかもしれない。
そんなことを静かに考えていた……深くなった表情の裏、邪な考えには気づかぬまま。

「ん……了解。
生活を支えるってな、地味だけど色んな人に影響するしな。気合入れないとだ」

クラスカ > ええ。僕らの仕事で学園が回っている側面が、確かにあります。
小さく、目には見えないかもしれないけれど、着実な一歩。
そういう仕事を積み重ねていけば、いつか大きな結果がでるんじゃないかって。

(クラスカの顔は、後ろめたさや隠し事のない、晴れた表情)
(銀色の前髪の切れ間から現れる青色の瞳が、雲も消し飛ぶ澄んだ空の色をも模して)

僕は思ってるんですよ。青臭い考えですかね。
(自分に台詞に堪えかね、照れくさそうに顔を隠し、慌てて教室から立ち去ろうと)

あ、先輩。
(廊下に移る前に顔を出して一度だけ)

どうか「気をつけて」下さい。

クラスカ > (ちなみに退職届は、すっかり忘れ去られて教室に置きざりとなった)
ご案内:「教室」からクラスカさんが去りました。
山吹 冠木 > 「そうだなー……塵も積もれば山となる、か。
良いんじゃないか? 誰かの為に頑張るってのも、な」
その言葉に、本心からそう返しつつ。
教室から出て行く後姿を見送って……
最後にかけられた言葉に、少しだけ首をかしげ。
「……おう。そっちもな」
きっと、これからの仕事について心配してくれたのだろう。
しっかりと頷き返した

山吹 冠木 > 「っと。俺もそろそろ戻るか……」
ちらり、と机に残された退職届に視線を向ける。
彼らが何を考え、何を見てこれを出すに至ったのかは分からない。
ただ……
「やり残したことくらいは、出来たら良いけどなあ」
まずは、自分の仕事ができるようになってからか。
そう呟きつつ、一年生の教室を後にした。

ご案内:「教室」から山吹 冠木さんが去りました。
ご案内:「保健室」に山吹 冠木さんが現れました。
ご案内:「保健室」にエトランジェさんが現れました。
山吹 冠木 > 「とっと、失礼します。 誰か居ませんか?」
片手で器用に扉を開けつつ、保健室に入ってくる。
駆け込んで来たためか、息がかなり荒れているようだ

ご案内:「保健室」に蓋盛 椎月さんが現れました。
エトランジェ > その背に背負われ白い少女が現れる.
ぐっだりとして生気がない.

蓋盛 椎月 > 「なんだなんだ事件か!」
(衝立がシャーと開かれて保健医が姿を現した。
 寝ぐせがついている。どうやらベッドで寝ていたらしい)

山吹 冠木 > 「わっ?! お、お久しぶりです」
予想外の場所から出てくることにのけ反りかけ、慌てて体勢を立て直す。
「調子が悪くなったみたいで」
背負ってきた少女を軽くしめしながら

エトランジェ > 背中でがくんと揺さぶられる.
それでも反応は返さない.
ただ糸の切れた人形のようにおぶられている.

蓋盛 椎月 > 「おっと……誰かと思ったら山吹くんじゃないか。
 様態が悪いのは今度はそっちの彼女か」
(手招きし、ベッドに寝かせるよう促す)

「ふむ……外傷はないみたいだが。貧血かなにかかな。
 ここでなんとかできるような症状だといいけど」

山吹 冠木 > 「どうも、その節はお世話になりました」
促されるまま、背負っていた少女をゆっくりとベッドに寝かせる。
背負っていた時も思ったが、かなり軽く……今の状態を見ると、
流石に不安を感じる。

「……大丈夫でしょうか?」

エトランジェ > 外傷もなく苦しんでいるようにも見えない.
ただ,ぐったりとしている.
症状としては栄養失調や貧血……
まさに先ほど見立てた通り,以上にも以下にも見えないだろう.

蓋盛 椎月 > (そう危険な状態にも見えない)
(薬棚に向かう。点滴の準備を始める)
(確か栄養剤や造血剤の準備はあったはず……ただの貧血であるなら問題ないだろう)

「急に倒れたの? 彼女の様子に何かおかしなとこはなかった?」

山吹 冠木 > その言葉に、出会った時の様子を思い返す……
「ふらふらして、足取りがおぼつかない感じでした。
あとは、血色が悪い……というか、調子が悪そうで」

倒れてはいなかったが、かなり危うい感じがしたと付け加えながら

蓋盛 椎月 > 「危うい感じ……か。」

(彼女の様子と話を聞いている限りだと貧血症状と考えてほぼ間違いなさそうだった。)
(輸血ができればそれに越したことはないが、少なくともこの保健室には血液製剤の準備はなかった)

「……では、失礼して」
(ともかく、造血剤の点滴を始める。普通の“貧血”であれば、これで問題なく快方に向かうはずだが……)

エトランジェ > 『ぷっ』と針が皮膚を貫き進入していく.

「あ……せんせ……」
なにかを伝えようと口をぱくぱくと動かす.
出る声はか細い.

山吹 冠木 > 「……」
自分に出来ることは少ない。
とにかく、専門家である先生の治療を見守り、
出きることならば手伝おうと準備はしておく

蓋盛 椎月 > 「! ……どうした?」
(ようやく得られた反応、それを聞き逃すまいと耳を傾ける……)

エトランジェ > 「血を……」
その後は聞き取れないほど小さくなってしまう.
きゅっと手が袖をつかむ.

蓋盛 椎月 > 「血……」
(復唱する。その弱々しい手を取って握り返す)

「……一応確認しておきたいんだけど、山吹くん。
 この子の名前ってわかる?」
(彼女について、心当たりがないわけでもなかった)

山吹 冠木 > 「はい、エトランジェです」

はっと思い出す。
噂に聞いていたくらいだが、エトランジェは吸血鬼だ。
だとしたら……

「……血を飲ませたら、良くなりますか?」

蓋盛 椎月 > 「エトランジェさん、か」
(蓋盛も伝え聞く程度だったが、そういう名前の吸血鬼が
 実験サンプルとして存在する……という)

「おそらく、人間の貧血以上に深刻に血が足りないんだろう。
 吸血鬼に造血剤が効くかどうかは知らないけど……
 もしそれで済むようだったら人の血を飲む必要なんて無いだろう。
 少なくとも造血剤よりは効くと思うけど……」
(点滴は現状効果を示しているようには見えない。)

「吸血鬼相手じゃ正確な診断はできないな。
 輸血パックはここにはないし。
 さて……どうする?」
(山吹に向けて問う)

山吹 冠木 > 「……俺の血を吸わせてやってください」
はっきりと、そう告げた。

あれだけ苦しそうなのに……
何かが出来るかもしれないなら、躊躇う理由はないだろう。
「……これでも、体力には少し自信がありますから」

蓋盛 椎月 > 「教師としては自分の血を飲ませるのが正しい気がするけど……
 たぶんキミがやったほうが適役だろう」
(苦笑する)

「採血具は探せばあると思うけど……
 飲ませ方はきみとエトランジェさんに任せよう。
 ……なんかあったら呼んで。外で待ってるから」

(そう言うと、気を利かせたつもりなのか
 衝立の外へと消えてしまった)

エトランジェ > 蓋盛の手を握っていた手は力なくぽてりと落ちる.
薄く目を開けてちらりと山吹を見やる.

よくよく見ればその表情は『つらい』『苦しい』というよりも何かを我慢していたのだと読み取れるかもしれない

山吹 冠木 > 「分かりました……ありがとうございます」
頭を下げつつ、ベッドに横になった少女の近くに
椅子を寄せ、腰かける。

「……」
見たところ、自分からは動けそうにない。
まずは、少しでも血を飲ませないと…………

そう考えて……椅子に座ったまま、作務衣の腰元に手をやる。
そこから、鞘に納まった鉈を引き抜くと……
切っ先を、自分の人差し指、その腹に軽く走らせた。
「つっ……」

鈍く、冷たい痛みが走るが……痛みを声と共に飲み込む。
しばらくすると、指に走った朱線からぷくりと紅い珠が滲み出てきた。
それをこぼさないように気を付けながら、
ゆっくりと口元に近づけていく

エトランジェ > 「あ……」
ごめんなさいとでも言うような顔.
ぽたりと落ちた雫は口元を逸れ頬を伝い,シーツと髪に赤いシミを作る.
白と赤のコントラスト.

蓋盛 椎月 > (吸血鬼に会ったことはあまりないが、
 堂々と血を吸えるタイプと、吸えないタイプが居るのは知っている。
 エトランジェという吸血鬼がどちらかは知らないが、
 堪えている様子を見るに前者とは思えなかった。
 多くの人間が立ち会うべきではないだろう……)

(なんならベッドはご自由に使ってね……と余計な念を飛ばしておいて
 静かに保健室の扉を開いて出て行く)

ご案内:「保健室」から蓋盛 椎月さんが去りました。
山吹 冠木 > 「っと……飲みづらいか」
気にしないでいい、と付け足しつつ……
シーツについては、後で謝らなければならないだろうか……

しばし考えてから、紅い血が流れる指を、
そっと唇に添えるようにするだろうか。
指先に触れる柔らかな感触に、僅かに頬に血が上るのを感じる

エトランジェ > 『こくん』と血がのどを滑り落ちる
その一滴で目に見えて顔色が良くなる.

それと同時に山吹の背筋に電流がながれたような感覚.
もっと吸わせたいと思わせるような.
このときがずっと続けばいいと思わせるような.
―――有り体に言って性的快感,そんな感覚を感じるだろう.

山吹 冠木 > 顔色がよくなったのを確認し、ほっと息をついて……

「……~~っ!!?」

不意打ちの様に襲いかかってきた感覚に、思わずその場にうずくまりかけて
寸での所で、踏みとどまった。
空いた手で赤くなった顔をおさえ、ぜいぜいと息を荒くしながら何とかその感覚を堪える。
血を吸わせるのは構わないが、流石にこれは予想外だ。
ぶるぶると震えながら、それでも指先は唇に添え、
飲みやすいように位置を調整する。

エトランジェ > そのまま続けていけば感覚はどんどん大きくなっていくだろう.

添えられた指からちゅっちゅと小さな口でついばむように血を啜る.
目を閉じたままだが.頬に指先に生気が戻ってくるのが目に見えてわかる.
血を吸う力も徐々に強くなり,そして―――『ぺろり』とその指を舐めた.

山吹 冠木 > 「…………~~っ!! ……~~っ!?」

血を吸われることに対する不安が無かったわけではないが、
正直予想外に過ぎた。
そういえば、最初に目を見たときにもこんなことがあったようなと思い返そうとして、
しかし感覚が激しすぎて気分を誤魔化すことも出来ない。
見る間に回復していくのは良いのだが、良いのだが。
その表情を長く見ていることが出来ない。

そして……だんだんと強くなる吸う力と……指先を舐められた柔らかな感覚に、思わず小さな声が上げてしまった

山吹 冠木 > 「……でぇい!!」

気合いを入れて、指を唇から引き離した。

ぜいぜいと荒く息をついて、呼吸を整えようとする

エトランジェ > 気合の声にびくっと目を開ける.

「……」

すごく……調子が良い.
ここ最近で一番と言っていいほどに

山吹の姿が目に入る.

学生通りのあたりから記憶がうすぼんやりとしているけれど
これはどう見てもやってしまったと言わざるを得ない.

真っ赤で息の荒い山吹.
そばから香る血のかおり.
それになつかしいこの味.

状況証拠はそろいにそろっていた

山吹 冠木 > 「……」
開いた目を見て、先程とは違い、意識がはっきりしたのを確認して。

とりあえず、咳払いを1つ
「…………大丈夫か?」
なんとか、言うことが出来た。

エトランジェ > 「だ,だ,大丈夫です!」

そう叫ぶやいなや布団をかぶりまるくなる.
まんまるな饅頭のようにまるまりふるふると震える.

こんな!こんな!顔を見せられるはずもない.
きっと私の顔は火でも噴くかのように真っ赤だろう

何をした!?覚えていない.
まさか魅了まではしていないだろうと思うが自信が無い.
まさかまさか会って数度の人にき,き,吸血までしてしまうなんて.
淑女としてあるまじき―――

頭の中をこれでもかという速度で考えが駆け巡る.

山吹 冠木 > 「…………あー、なら、良いんだが」
目の前に出来上がった布製の白まんじゅうに、小さく笑みをこぼしてしまう。
その様子をどう思ったかまでは、流石に言わない方が良いだろう……

ともあれ、声の調子も良くなった様だし……おそらくは、
危ない状態は脱した筈……だと思う。

「その……悪い。
咄嗟のことだったから、指から血を飲ませたんだが……」
……まずかったか? と丸くなった少女に声をかける。

エトランジェ > 「らいじょうぶです!」

布団の中からくぐもった声が届く

彼は自発的にしたという.
少なくとも我を忘れてかみついたなんてことはなさそうだ.
セーフ…たぶんセーフ

……それでもやはり顔を見ることは難しそうだった.

山吹 冠木 > 「……良かった」
くぐもった声に小さく笑いながら、ふと指先に目を向ける。
……刃を走らせたそこからは、まだ血がたらりと流れ落ち……
そして、僅かに濡れて

そこまで見たところで、強制的に意識を反らした。
ともかく、治療をしなければならないだろう。
よっこらせ、と椅子から立ち上がり、前屈みの姿勢で何とかカットバンを探し出し、傷口に貼り付けた。

……姿勢については深く聞かないで欲しい

エトランジェ > 布団の中からなにやらブツブツと声が聞こえる.
何かと葛藤中のようだ.

山吹 冠木 > 「……?」
ひょこひょこと、少し近づいてみる。

エトランジェ > もこもこと表面が波打つ.暴れているのかもしれない.
「―――まさかそんな淑女としてあるまじき行為まさか意識が混濁するほどになるなんて何が原因?食生活?まさかあのときの採血……たしかにちょっと血を抜かれすぎかなって気もしてたしーうううっずっとがまんできてたのになんでこんなときに限って…しかも男の子なんてあっ年上だったかいやその点はあまり関係はないしどちらにせよあの研究員ゆるすまじ今度会ったら絶対に文句を言う決めたっうううっまだ気配がするどんな顔をして出ればうううっむりむりむり絶対顔に出るはずかしすぎるあなたの血おいしかったわ?いえるわけない!どう?気持ちよかった?痴女か!?うわぁあんもうお嫁に行けなぃクールよクールになるのよエトランジェそうこの程度何でもないという顔をするのこんな恥ずかしいなんて悟らせちゃダメもっと恥ずかしくなるわさも日常かのようにクールに対応するのよ……むぅりぃーうううっ」

以下ループ
みたいなことが耳をそばだてれば聞こえるかもしれない

山吹 冠木 > 「…………」
耳にした内容を静かに心にしまっておく。
黙っておいた方が良いこともあるのだ。

ゆっくりと、音を立てない様に注意しながら饅頭から離れる。

「……とりあえず、大丈夫そうだって先生に連絡してくる。
念のためだが、無理はするなよ」
……饅頭になっていて良かったと思う。
こちらこそ、落ち着いて顔を見るのはかなり難しいのだ。
頭を軽くかきながら、保健室を後にするだろうか

エトランジェ > 饅頭になったままゴロゴロところがる.
どうにもこの気持ちを発散できない.
布団の中で向ける相手も居ない感情を爆発させる.

―――やがて暴れ疲れた子供のように,満腹になった猫のように
ゆっくりと眠りに落ちていく

ご案内:「保健室」から山吹 冠木さんが去りました。
ご案内:「保健室」からエトランジェさんが去りました。
ご案内:「保健室」に蓋盛 椎月さんが現れました。
蓋盛 椎月 > (パンパン……と、
 手慣れた調子で保健室のベッドのうちの一つのシーツを張り替えている。
 シーツの定期的な洗濯、交換。薬剤の補充、器具の点検……
 保健室の備品の管理も養護教諭の仕事だ。
 保健委員がやることもあるが。)

蓋盛 椎月 > (保健室とは学生にとってもっとも身近な救急施設だ。
 そのためか、学園地区内で発生した事件事故の怪我人はおろか
 地区外の怪我人までもが運び込まれてくることが多い。)

(対処できる範囲なら別に問題ないのだが、
 以前教室棟でちょっとした小競り合いが起こった時は
 数十人単位での負傷者が運び込まれてきてどうしようかと思った。
 ここは野戦病院ではない!)

蓋盛 椎月 > (一番叫びたくなったのは陣痛を訴える女子生徒が担ぎ込まれてきた時だ。
 というか叫んだ。
 お子さんを安全に取り上げる設備などここにはあるはずもない。)

(また、少し前にも蓋盛自身が健康指導で口にしたことだが、
 この学園には多種多様な種族の生徒、教師がいる。
 しかし少なくとも蓋盛が常駐する保健室には
 いわゆるヒューマン用の治療具しかない。)

(保健室を取り巻く現状とその設備には著しいギャップがあるのを感じる。
 設備拡充を図れないものかなとはそれとなく打診しているものの
 芳しい成果は得られていない……)

蓋盛 椎月 > (……まあ、仮に病院並の設備拡充が得られたとしたら
 この保健室は多分医師免許を持っているわけでもない自分のような存在の
 勤務場所ではなくなってしまうだろうし
 このままでいいのだろうとは思う。
 メンドーなのきらーい)

蓋盛 椎月 > (考え事を中断し、
 シーツを張り直したばかりのベッドに身を投げだして横たわる。
 シーツ張りたてのベッドに最初に寝られるのは養護教諭の特権だ)

「あ~~~」

ご案内:「保健室」に神宮司 ちはやさんが現れました。
神宮司 ちはや > (保健室の扉が控えめにノックされる。
 『しつれいしまーす』という間延びした声とともに
 二人の生徒がドアを開けて入ってきた。
 一人はどこにでも居る女子生徒。面倒見が良さそうな外見。
 もう一人、女子生徒に支えられて入ってきた方は以前教室棟のロビーで見かけた覚えのある男子生徒だ。
 パッと見て顔色が悪く、支えてもらわないとふらふらしそうな足取りだった。

 『すみませーん、この子講義中、急に気分が悪くなったって……』
 そういって女子は蓋盛に声をかけた。)

蓋盛 椎月 > 「おっ、なんだなんだ事件か」
(ベッドを隠す衝立のカーテンを開けて出てくる。
 昨日もこんなことしたな……)

「はい、お疲れ様。ありがとねー。
 ……貧血かな? とりあえず一旦横になろっか」
(女子に軽く礼をして、男子生徒のほうを腕を取って支え、
 さっきまで自分が寝ていたベッドの方へと連れて行こうとする)

神宮司 ちはや > (シャッと開いたカーテンに僅かに動揺するものの
 まぁなんかいつも適当だしこの保健の先生と納得した様子で
 女生徒は蓋盛に男子生徒を預けた。
 引き渡しが終わったところでさっさと部屋から出て行く。
 『しつれいしましたー』

 男子生徒の方は無言で軽く頷くものの青ざめたまま額に汗をかいている。
 よたよたと蓋盛の手を借りてベッドに横になった。
 しゃべるのもつらそうだ。)

蓋盛 椎月 > (とりあえず貧血であると診断して処置を行う。
 枕は使わせず、足の下にクッションを敷く。貧血であるなら
 脳に血流が行き渡ったほうがいい。
 シャツのボタンを外し、軽く服を緩める。
 こうして休んでいれば少しはマシになるはずだ)

(ベッドの側に椅子を置いて座り、男子生徒の手を取って少し様子を見る)

神宮司 ちはや > (見立てと処置が正しかったのか浅かった呼吸が
 先程よりも安定してくる。
 とはいえまだ顔色は悪くぐったりとはしているが
 握られた手に薄くまぶたが開かれ、蓋盛を見る。)

せ、……んせ……ごめんなさい……。

(何に対して謝っているのかはわからないが、
 手を煩わせてしまったことに対してかあるいは謝りグセのようなものか。)

蓋盛 椎月 > (安心させるように満面の笑みを返す)
「んーん、謝ることなんてないよ?
 ちゃんとご飯食べてる? 無理しちゃダメだよ」

(優しく掌をさする。状態がもう少し落ち着くまでは
 側で様子を見てやるつもりだ……)

神宮司 ちはや > (手のひらの感触と労るような優しい声にほっとしたのか
 また軽く目をつぶって頷いた。
 ご飯はきちんと食べているし、睡眠もとっている。
 この調子の悪さは不摂生が祟ったわけではなくて……
 
 ”見てしまった”せいだ。

 思い出し、また寒気を感じたのかぶるりと肩を震わせた。)

ごめんな、さ……い。さむい……

(はぁと苦しそうに喘ぐ息も白くなりそうな細い声で言った。)

蓋盛 椎月 > (喘ぐ様子に一瞬目を逸らす。
 その手の霊的感覚が備わっていない蓋盛でも
 この少年にはどこか危うい魅力を感じられた。)
(軽く首を振ってすぐに元の笑顔を貼り付けて、毛布をかける。
 手は握ったままに)

「大丈夫、大丈夫。あたしがいてあげるから。
 ……何かほしいものとか、してもらいたいこととかあったら言って。
 どーせヒマなんだからさ」

神宮司 ちはや > (かけてもらった毛布を口元まで手繰り寄せ
 震える手で相手の手を握りしめる。
 何かほしいものやしてもらいたいことはあるか、と聞かれると
 ちらりとベッドを覆っているカーテン、そこを通り越して
 保健室の窓を伺うように見たような気がする。か細い声で訴える)

……まど……まどのカーテンを、閉めて、くださ……。

蓋盛 椎月 > 「……」

(その怯えた様子にある程度を察する。
 ケースは希少なものの、“そういう”生徒の相談は受けたことがあった。
 実際の所、そういった問題に対して一介の保健医ができることなど
 そう多くはないのだけれど……
 頼られたからにはできる範囲のことをするしかない)

「わかった。ちょっと待ってて」

(一度離れて、窓を覆うカーテンを締める。
 念の為に扉や窓の戸締まりも済ませて戻る。
 ベッドを覆う衝立もぴしりと閉じておく)
(再び彼の側に戻り、手を取る)

「よし、大丈夫。
 ……ずっと前から“そう”なの?」

(あくまで穏やかに尋ねる)

神宮司 ちはや > (ずっと前から”そう”なの?と尋ねられれば肯定の頷きが返ってくる。)

小さいころ、から……ずっと怖いのとか……”良くないもの”が見えて……
”見られる”と……体が寒くて…………。

(わかってもらえるかどうか調子の狂った頭では考えられないものの
 胸中の恐ろしさを吐き出そうと途切れ途切れ言葉にする。
 手はしっかりと繋いだまま、蓋盛から顔を背けるように身動ぎする。
 肩が震え、泣いているようにも見えた。

 ふと、窓側の光が陰った、気がする。
 カーテンが少しだけ揺れて、ベタ、と何かがひっつくような音がした。)

蓋盛 椎月 > 「……そう」

(一瞬表情を硬くする。
 リボルバーは白衣の内側に吊られている。
 護身のために多少の体術も覚えている。
 しかしそれが有効なのはすべて害意ある“人間”に大してだけだ。
 ――芽生えた不安を、しかし微塵にも表情には出さずに)

「怯えてはいけない」

(野生の熊が逃げる獲物を追う習性を持つように
 おそらく、彼の姿もまた……)

「あたしだけを見なさい」

(椅子から立ち上がり……
 彼の横たわるベッドに自分も潜り込む。
 そうして、震えるその身体を包み込むように抱きすくめた)

神宮司 ちはや > (ベタ、ベタと窓ガラス側から何か押し付けるような音がする。
 それはどんどん増えていく。ベタベタと、泥が叩きつけられるような、いや、手が窓ガラスに無遠慮に押し付けられるようなそんな音だ。
 何かが窓ガラスに張り付いて這いまわっている。そんな音。
 ギシギシと窓ガラスがきしみをあげた。
 陽の光はいつの間にかすっかり遮られてしまった。

 じっと、たくさんの目が蓋盛とちはやを外から覗いているような冷たさを部屋の中へと流し込んでいく。

 自身のベッドに潜り込んできた蓋盛にびくりと体を震わせるが、抱きすくめられると震えが徐々に収まっていく。
 せんせい、と体の向きを変え、相対するようにぎゅっと自分からすがりついた。
 目もとが濡れている。やはり泣いていたようだ。

 蓋盛の体温だけを頼りにぎゅっと目を閉じる。)

蓋盛 椎月 > 「大丈夫だよ」

(何の根拠もない言葉だ。
 しかしこれ以上にできることも思い浮かばない。
 仮に大丈夫ではなかったとしても
 こうしていれば先に牙にかかるのは彼ではなく自分であろうし。
 それで満足してくれるなら何の問題もないだろう)

(抱いたまま、軽く頭の後ろを撫でる)

「随分と不躾なやつらだねぇ、まったく。
 病人でもないし茶飲み話の相手にもなりそうもない。
 さっさとお引取り願いたいもんだが」

(苦笑してみせた)

神宮司 ちはや > (5分だろうか、10分だろうか……。
 時間がゆっくりと進む感覚。

 暫くの間”それ”は窓ガラスを這いまわり、中に踏み込めないかとうろついていたようだが……
 どこにも入り口がないとわかると恨みがましい視線、雰囲気を残したまま、ひとつ、またひとつと、現れた時と同じように
 ベタベタと貼り付くような音を残して気配が遠のいていく。

 陽の光を遮るものは何もない。すっかり室内は明るさを取り戻した。

 同じように”それら”が去って行くとちはやも少しずつ精気を取り戻すようにして震えが収まる。
 青ざめていた顔が少し血の気を取り戻し、止めていた息をはぁと吐き出した……。)

 先生……ありがとう、ございます……。
 ぼく、”あれ”を、……教室で見ちゃって……
 ……窓に、いっぱい、張り付いて、見下ろしてて……

(その光景を思い出したのか、また泣きそうな顔で蓋盛にしがみつく。)

蓋盛 椎月 > 「……ふう」

(緊張が解けて、ため息をひとつ。)

「よく頑張ったな。えらいぞ」

(しがみつく彼の背中をよしよしと擦る。
 少しの間そうした後、身を起こしてベッドから立ち上がる)

「……だいぶ落ち着いてきたね。
 とりあえず温かいものでも飲もうか。何がいい?」

神宮司 ちはや > (背を擦られ、ようやく落ち着いた様子で体から力を抜いた。
 蓋盛が離れようとすると、ようやく状況を把握できたのかどぎまぎし始めるが、
 これ以上いかないでとすがりつくのも恥ずかしいのか伸ばしかけた手を引っ込めた。
 寒気はまだ残っているのか、毛布を体に巻き付ける。)

……あの、お茶、ありますか……?温かいお茶……。

(遠慮がちにベッドの中から尋ねた。)

蓋盛 椎月 > 「はーい」

(ガサガサと棚を漁る。
 差し入れだったり自分で買ったりと、
 この保健室の食料品関係は妙に充実している。
 ほどなくして温かい緑茶が二人分、トレイに乗せられて
 ベッドへと運ばれる。)

「どうぞ」

(自分も湯のみを手に取る。
 恥ずかしそうに縮こまる彼を微笑ましそうに眺めていた)

神宮司 ちはや > (体を起こし、運ばれてきた緑茶を受け取る。)

ありがとう、ございます……。

(両手で大事そうに握り、ふぅふぅと冷ましてから少しずつ飲んでいく。
 体の内側から温まるようだ。寒気は少しずつ溶けていく。

 しかし調子が少し戻ったと言ってもこれからどうやって教室に戻ろう。
 またあれに出くわしたらと思うとこの部屋の外に出て行く勇気はない。
 早退で寮へと戻っても、その道すがら追いかけられないとも限らない。

 手の中の湯のみを見ながら困ったように眉根を寄せた。)

蓋盛 椎月 > (人心地ついて、さてどうしたものかなと
 若干困り顔の彼を見ながら思案)

「……この後どうする?
 しばらくここでゆっくりしててもいいし……
 早退するなら付き添うよ。
 まだ本調子じゃあないみたいだしね」

(湯のみを傾ける)

「事情を知ってるお友達がいるなら、
 そいつに頼るのもいいと思うんだけど」

神宮司 ちはや > ……早退、したほうがいいのかな。
もしかしたら、ぼくが居ることで他の人達も……
なにか悪いこととか、迷惑なのとか、起きたらいやだし……

(”あれ”が狙っているのは自分だとわかりきっているが
 もしかしてなかなか手が出せない自分にしびれを切らして
 他の誰かを襲うかも知れないし、襲うことがなくともあの姿を見て
 怖がる無関係の生徒が現れたりしたら、と思うと申し訳無さに胸が締め付けられる。)

……ぼく、この事をまだ一人ぐらいの友だちにしか話してなくて……
ごめんなさい、先生巻き込んじゃって……

(己の置かれている状況を口外する勇気はまだ無かった。
 信じてもらえないかもしれないし、それで避けられたりしたら悲しい。
 でも果たして先生は突然持ち込まれた厄介事に困っていないだろうか。
 相手の顔色を伺うようにそっと上目遣いで見やる。)

蓋盛 椎月 > 「……ふむ。
 どのみちその調子じゃ授業受けても実にはなるまい。
 神宮司くんだっけ? 先生のほうにはあたしから連絡しとくよ。
 学校ってのは“行ってやってもいいかな”ぐらいの時に行くのがちょうどいい」

(ニヤと悪戯っぽく笑って)

「そうか。
 今すぐ、とは言わないが頼れる味方は作っておきなさい。
 一人じゃどうにもならんことも仲間がいればなんとかなるもんだ。
 ……とりあえずあたしもそのうちの一人ってことで。」

(表情は常のような軽薄な笑みである)

「気を遣う必要なんてない。
 生徒の心身の健康を守るのがあたしのツトメだ。
 この程度の困り事、あくびが出るぐらいには慣れているからな」

神宮司 ちはや > (相手の悪戯っぽい笑みと『あたしもそのうちの一人ってことで。』という言葉に
 ふ、とつられて嬉しそうに微笑んだ。安心感を得られたのだろう。
 すこしだけ体の緊張が解け、残りの緑茶を少しずつ飲み干す。)

 ……ありがとうございます。お茶、ごちそう様でした。
 あの、じゃあ寮まで付き添いをお願いします……。
 寮まで帰ればたぶん、”あれ”は追ってこないし人がいくらかいるから……

 あ、そうだ。荷物、取ってこないと……。

(湯のみをトレイに置き、そっとベッドから降りようとする。
 まだ頭は重いし、気分も絶好とは言えない様子で足を床につけたまま立ち上がれないようだ。)

蓋盛 椎月 > (保健室ノートに“神宮司 ちはや”の名前を記す。
 いつも通りの保健室業務だ)

「よしよし。
 ……またなんかあったら保健室に来なさい。
 一人で仕事するのも退屈だからね。
 ……んじゃ、行こうか」


(彼の腕を取って支え起こす。
 そのまま付き添って、保健室から外へ向かう……)

蓋盛 椎月 > (さすがに病人を
 あれこれかわいがるわけにはいかないからな……
 まあ、いつか機会があれば)
(とか思ったとか、思わなかったとか)

神宮司 ちはや > (蓋盛に支えられ、しっかりと手を握って保健室を出て行く。
 人がいるというだけでこんなにも生きた心地になれる。
 再度、隣を歩く蓋盛にありがとうございますと礼を述べた。

 ふと振り返って保健室の窓を見る。
 窓ガラスの片隅に一つだけ、
 真っ黒な泥のような手形がべったりと残されていた。)

ご案内:「保健室」から神宮司 ちはやさんが去りました。
ご案内:「保健室」から蓋盛 椎月さんが去りました。
ご案内:「廊下」にサリナさんが現れました。
サリナ > 今日の目ぼしい授業は終わり、しばし廊下の窓から街並みを眺めていた。

さて、今日はこれからどうするか…

サリナ > いくらかお金も手に入ったので街で豪勢な食事をしようか、本屋に行ってまだ知らぬ知識を蓄えるか、
いっその事自分の全く知らない場所に赴くのもいい

(悩ましい)

サリナ > なんとなく、いくらか前に買った酸素スプレーを取り出す。それを口元に押し当てて

フシュ~~

吸う。周りに酸素はいくらでもあるのに意味のなさ過ぎる行為だった。
もう用の済んだ代物なのに中身はまだ結構残ってそうで、処分に困った。しかも家にまだ一本ある。

サリナ > (いっその事このスプレー缶を熱して爆弾にするとか)
火気に近づけると爆発すると聞いた事がある。どの程度の熱量でそうなるのかわからないが利用価値はありそうだ。
スプレー缶の周りに熱する装置を作ってみるとか、もしくはそれ用の魔法を構築するのも面白そうだ。

サリナ > (…今日はまっすぐ帰りますか)
魔法の構想がある程度できたので家に帰って早速実験してみようと思った。
用事がある訳でもなし。早々に酸素スプレーをスクールバッグにしまって歩き出した。

ご案内:「廊下」からサリナさんが去りました。