2015/07/04 のログ
九十九 十六 > 「ははは、そんな馬鹿な! うける!」
けらけらと笑ってみせる。
それはお愛想笑いのような空虚な笑い声である。
金網の壁から、まっさらな空へ愉快な声は消えていく。
誰も居ないというのに、何かに弁解するようにしばらく笑いは続いた。
「そんななぁ? ガムシロップはあれだろう? 紅茶とか、コーヒーに入れるべきものだろう?」
大仰に肩を竦めて溜息をつく。
「ジャムじゃない」
やや間があり、もう一度。
「ジャムじゃないんだ……」

九十九 十六 > 九十九十六は神妙な面持ちで、遥かなわだつみを見据えている。
彼は、自らの人間としての尊厳を守るつもりでいた。
「話を整理しようか」
自分のために、九十九十六という存在を鳥瞰する事にする。
「まず大前提として、昨日の食事は水、おとついの食事はコーヒーフレッシュ一杯だった。
 僕にはカロリーが必要だ……それも十分な。
 だが、それはパンの耳だけで限りなく賄える。
 炭水化物量は十分で、そこに何かを添加するのはあくまで嗜好のためでしかない。
 ……パンの耳へガムシロップをかける正当性は僕にあるのか……?」

九十九 十六 > 「……!」
芒洋とした表情が引き締まり、凛とした視線をもって顔を上げる。
「シュガートースト……!」
その声は明るい。すこぶる。
「僕はシュガートーストを作るんだ……!
 カラオケに誰かのお連れ様みたいな顔をして堂々と立ち入り、ドリンクバーコーナーでポーション容器をくすねてきたものをみみっちくパンの耳にかけて食べる奴なんかではない!」
言うが早いか、パンの耳の袋へその液体を注ぐ。
そして、一本取り出すと片目、赤い瞳で強く注視した。
パンの耳の表面は燃え上がり、瞬時にこんがりと焼け目がつく。
カラメル状になった糖液が甘い香りを立てている。
「~……♪」
さくさく。
ご満悦である。
足元のテストのことも忘れて。
まぁ、ひとつふたつ、みっつよっつ、受けずとも構うまい。
評価シートに“不受”と書かれるだけのことだ。
残りはしっかりと受ければ良い。
得点が悪くとも、まぁ、努力不足といえば良い。

ご案内:「屋上」に楓森焔さんが現れました。
楓森焔 >  がらん、ごろん。
陽気な重金属音が響いた後、屋上の扉が開いた。
鉄下駄を履いた少女が一人、一抱えほどもある袋を片手に屋上へ踏み込んだ。
「…………ん?」
 なにやら焼きたてパンのいい香り。
見れば赤い瞳の少年がパンの耳をかじっていた。
「パンの耳?」
 首を傾げる。その割にはいい匂いしてるなーとか。

九十九 十六 > 「あ?」
屋上の扉の開閉音は大きい。
鉄の扉はどこかの番が海風で錆びているのか、開く度に唸りを上げる。
だけれど今回は、それとは別の鉄の音がごろごろと聞こえてきた。
「あー…………」
少年の青赤瞳は、入ってきた女生徒の持つものに惹きつけられた。
そして注視して2秒、自らの手元へ視線を戻す。
落差は、激しい。
方や工夫を凝らした端切れで、かたや……。
「これは……トコヨシュガースティックだよ……??」
九十九は表情を作る。
心底信じられないものを見たというふうな、善良な一般市民の表情だ。
具体的に言えば、『知らないの?』という顔を。

ご案内:「屋上」にトトさんが現れました。
楓森焔 >  少女の最近のブームは中華まんだった。
バベルのようにつめ込まれた肉まんが袋に入っている事がわかるだろう。
 九十九の近くのベンチに腰掛けると、
「んー? トコヨシュガースティック……」
 と、まじまじと見つめて。
「パンの耳焼いた奴にしかみえねえな」
 一刀両断した。
「でも、パンの耳だけ焼いて……シロップかかってんだそれ? 珍しいな」
 20円、いや、袋詰100円ぐらいだろうか……?
と推測を立てながら、まだ熱さの残るピザまんを取り出した。

トト > (からからと音を立てて、ビニールを片手に持った人影がひとつ登ってくる)

「此処が屋上かぁ… 此処には人がいるのかな? あぁ、いたね。」
(独り言のように呟いて、二人の姿を見つけるワンピース姿はとても嬉しげに近寄ってきて
少年が持つ甘い匂いの固形物に対しても興味深げに目を遣っている)

「やぁ、所謂おやつ、ご飯の時間なんだよね?ご一緒してもいいかな。」
(ずい、と彼らの前に出したビニールには、様々な飲料水がぎっしりと詰まっているようだ)

九十九 十六 > 「えっ、嘘……いや、そう見えなくなくはない、いや、それは違うだろ……えー?
 あー、でも知らなかったらそう見えるかー、あ、そっかー……いやそれは想定してなかったな……」
小声で呟く。
小声と言っても、きちんと焔へ伝わるボリュームでだ。
語る内容は、自らを納得させるような、少女の無知を言外に糾弾するようなものだ。
「えっ、ほんとに? ほんとに? まじかー、そっかー」
勇ましげな少女の顔を覗きこむようにしたあと、大きく頷く。
「いいよ別に、人の好み、とか、そういうのあるからね。しょうがないよ」
そしてまた袋から一本取り出すと、さくさくと聞こえよがしにいい音を立てながら食べ始めた。
なにしろ焼きたてだ。パンの耳といえど侮れない音がする。

楓森焔 > 「お?」
 新しく入ってきた彼、或いは彼女……ちょっと判断に迷う容姿だ。
そちらの方を視線をやって、
「お? まあそんな感じ。いいぜいいぜ、来いよ!」
 と、ピザまんを持ったままの手を振った。
そこでようやく荷物に気づいて自分の横に置きつつ。
「そ、そこまで有名なのか……トコヨシュガースティック。
でもまあ、そこまでならきっと美味いんだろうな」
 彼の様子になっとくして頷いた。皮肉めいた言葉はまったく理解しておらず。
「悪かったよ。パンの耳だけじゃ飽きそうだな、と思って」
 言いながらピザまんをかじる。
とろりと、チーズのブリッジが見えた。
「俺も結構買い込んできたから、ひとつ食うかって聞こうと思ったんだけど。好きで食ってんだったら、俺と同類か」
 ピザまんをかじりながら今度はあんまんを取り出した。甘いかほりである。

九十九 十六 > テスト期間ということもあってか真面目に登校する生徒も多く、学園の人口密度は平時より高い。
「?」
だから屋上へまた一人。
顔立ちは少年のようで、服装は少女のような、曖昧な人物へ意識を惹かれる。
「……ゴハン? オヤツ? まぁ、腹拵えと言えば腹拵えかなぁ。最大限文化的な、ね……」
首を傾げる。
「なんか飲み物ばっかりでない、キミの」

トト > 「じゃあ二人共、失礼するね……… 此処でいいかな
よいしょ、と、ふふ、誰かと食事を取るのは心躍るね。」
(ベンチに腰掛け、入っていた缶ジュースを次々と取り出す、ゆうに10本はあるようだ
その内の一つ、コーラの一つと思しき缶をぷしゅ、と開けると口をつける)

「うん、固形物もいいけれど、まずは液体から制覇していこうと思ってね
特にこのコーラという飲み物は中々僕好みだ、種類を出来るだけ知っておきたいんだ。」
(君たちの食べ物にも心惹かれるけれどね、と付け足してから
九十九と楓に対してほほ笑みかけ、けふぅ、と少し息を吐いてみせる)

九十九 十六 > 「やれやれ。同じ常世島に住まえども、ここまで生徒同士に情報格差があるとは思いもよらなかったよ……。
 TSSをパンの耳呼ばわりする人間なんてもう絶滅したものかと思っていたんだけどね」
肩を竦める。首を振る。ジェスチャーと表情が倦怠感をこれでもかと表現していた。
「“飽きが来ない”、一言では表しきれないけど、あえてね……。飽きるわけがないのさ、この触感や味は、プリミティヴな魅力を備えている」
俯向き、目を瞑る。何かを思い返すように。
もちろんなにも思い返すことなどない。
つらい思い出ばかり瞼の裏に浮かぶ。
「これが100g500円というのは、採算がとれているか怪しいr」
ぴたり。
動画の静止と同じく、唐突に止まり微動だにしない。
やがてにこりと満面の笑みを浮かべて。
「え? これパンの耳だよ? 何? どうしたの? めっちゃ飽きるよ? ぱさぱさしてるし、味気もないしね? これシロップとかガムシロだし。
 原価とか知らないけど結果的にゼロ円食堂ですね? えっ、そうですね。なに?
 『ひとつ食うか』とおっしゃられた……?
 その気が未だ変わらぬのであれば。
 この哀れな九十九十六に恵んで頂けれると狂喜乱舞するのですがいかがでしょう美しい方……」
掌が540度返り、焔の傍で媚を売り始めた。

楓森焔 > 「はふはふ。んぐっ」
 ピザまんを飲み込んでから、少し口元を拭って。
「あー、あれか。異邦人か」
 浮世離れした態度と、コーラを知らないあたり。
ついでなんとなく、雰囲気。勢いだけでそれを察して。
「俺は一年の楓森焔、よろしくな」
 微笑む相手に対してはこちらも笑いかけた。
 やたら長い論説をかましている少年に対しては、
なんかすげえ情熱だ……よっぽど好きなんだな……と感心するレベルだった。
 が、しかし。その直後の超絶手のひら返しで、
「ぶ、ぶふっ! い、今の全部強がりかよぉ! うっかり信じそうになっちまったぜ!」
 と、腹を抱えて笑った。
控えめに言っても大爆笑、自分の太ももをばしんばしん叩いてひたすら笑った。
「いいよ、いいよ。やるよ。苦労してんだな、お前」
 言いながら、擦り寄ってくる九十九に対してひとまず、手に持ったあんまんを差し出してみよう

トト > 「異邦人……… 成る程、そうだね、種族で言えば人でもないけれど
あ、知っているよ僕、物物交換という奴だろう?僕ともどうかな、ええと…
ああ!そうだ、僕も一年になったトトだよ、よろしくね?はい、これでいいかな。」
(焔の考察に肯定の意を示しながら微笑み返して、自己紹介を返す
そして改めてビニールからスポーツドリンクらしきものを取り出して、焔に勧めてくる)

「………成る程、同じ物でも、作り手や気候で様々に変わるものだからね!
君はその… ふむ、スティック状のパンを愛しているんだね、喜ばしいことだよ
なら僕にも、その味を教えてくれないかな?代わりに之はどうだろう。」
(九十九の演説には控えめな拍手を贈って、ごそごそとポタージュスープの缶を差し出してみる)

九十九 十六 > 「いやさ。学食のメニューを上から順番に制覇しようって奴は僕も見たことがあるよ。
 でもなにそのカテゴリ分け。赤ん坊に離乳食食べさせるタイミングはかってんじゃないんだからさ……」
缶の容量からして、合計して4リッター弱はあるだろうか?
食事云々と言うより、“給油”じみている。
「飲み物の種類といってもね。なに、炭酸が好きなの……?」
コーラを今の今まで知らなかった、という物言いにも疑問を覚える。
と。思った瞬間に焔とやらが訊ねたので手間が省けた。
「……一年、九十九十六。無所属」
とりあえず付け加えて自分も名乗っておく。
「信じてれば面白かったのに。そしたらパンの耳5本とその肉まん一個でトレードを持ちかけてたつもりさ」
錬金術じみた不当な交換レートをほのめかしつつ、あんまんを両手で受け取り跪く。
「ありがとうごぜえます……!! ありがてぇ、ありがてぇ……!!」
涙を流し貪る。
飢饉の農民をイメージしながら、もふもふと熱い中華餡の甘みを頂いていった。

トト > 「あぁ、生物は水分の摂取量に気を付けないとお腹を壊したりするものね
そこらへんは大丈夫だよ、僕ゴーレムだし、こと水分ならどうにでもなるから
うん、この酸味と甘味、刺激が混ざった混沌とした味は僕好みだよ!」
(九十九の疑問に少しずれた答えを返しつつ、コーラが好きなの?という質問には満面の笑みで応える)

楓森焔 > 「種族とか気にしてたら色々大変だろ。何人ー、とか数えるときとか」
 大雑把なコメント。だから異邦人は異邦人でいいんじゃない?
みたいな。そんな勢いだけの、明らかにバカっぽそうな言葉だ。
 だが、バカはバカなりにシンプルであり。
「お、いいね。飲み物買い忘れたし、ありがたくもらっとこう。
うーん、肉類は腹びっくりしそうだし、お前もあんまんかな」
 スポーツドリンクを受け取りつつ、あんまん渡しつつ。
 しかし、と。ものすごい勢いであんまんを貰っていった彼の姿。ちょっと不憫だ。
「流石にそれ五本で中華まん一個はちょっと厳しいな。
まあ、でももう一個くらいやるよ。何がいい? あんまんとピザまんと肉まんと小籠包まんがあるけど」
 自分は今度は肉まんを取り出してかじり始めた。
「はー、なるほど。ごーれむ。授業で習ったな」

九十九 十六 > 「よくわかんないけど、キミはヒトではなくトトというわけだね」
異邦人で尚且つエルフや獣人などの亜人でもなく、とくると魔法生物か何かか。
詳細が知れたところで何が変わるでもなし、面倒な部分は触れずに置いておく。
「いや愛してないけど。むしろ、周囲の目を気にして偽りの愛を向けていたんだ。
 仮面夫婦ってやつだね。夫婦というほど懇意だったわけではないけど内情は同じさ」
ポタージュが差し出されると眼の色が変わった。
いや、青と赤から変わらないのだが、きらきらと輝く。星を散らして。
「まーじーでー! トトちゃんいい子じゃんキミぃ! 実は天使か何かだったりする?
 案外本当に天使だったりしてねぇ! 天使は両性具有とか無性とかいうし、キミはどことなく中性的だ!
 とにかくありがとう僕の天使!」
受け取り早速プルタブを起こす。
温度もなんのその、乾いた口を甘やかな液体で潤した。
「あ、パミ? あげるよ。はい」
パンの耳、と口に出すことすら億劫がりながら、さっくり焼けたシュガーパン耳を適当にトトへ差し出し渡す。

トト > 「土人形とか、人造人間とかでもいいけどね、今焔が言ったとおり、気にしてたら大変、って事にしておこう
わぁ、これがあんまん、だね?覚えておくよ…  すんすん。」
(焔が言ったことをそのまま返して納得しつつ、あんまんの匂いを嗅いで
一口、大きめに頬張る、ゆるゆると口元が緩んだところを見ると、お気に召したようだ)

九十九 十六 > 「何だキミも天使か……両手に天使とは全く贅沢なことだ。どうやら運気は限りなく僕のほうへ向いているようだね?
 ピザまんお願いします。野菜が……」
ピザまんに入っているピザソースを“野菜”扱いしながらまた跪き、恵みを乞う。
「……ゴーレム? ソッチ方面は僕明るくないから詳しくないけど、液状のものを欲しがる子は珍しい気がするね?」
あんまんは既に貪り食われた。
ポタージュにパンの耳を浸して食べている。
九十九十六の昼下がりの食事事情は劇的に改善していた。
ぽわんとした微笑みを浮かべ至福のままにフェンスに寄りかかっている。

楓森焔 > 「そゆこと。まあ便利だから異邦人呼びオッケー。ん? まあ人造人間ならそれこそ異邦人?」
 定義に悩んで首を傾げる。基本は完全にノリと勢い。
ただひたすらそれに尽きる。とりあえずその疑問は宙に放り投げた。
「お気に召したみたいでなにより。いや、平和だなあ」
 なにやら横ではすごい勢いで喋り倒している九十九。
飯少ない割に元気なことに驚きつつも、とりあえずピザまんでも差し出しておこう。
「まあとりあえず喰っとけよ。よろしくな、十六」
 と。

トト > 「そうなんだ… 愛も厳しいんだね、それが食材に対してのものでも
!へぇ、珍しいね、ひと目で僕の体が分かるなんて、確かに僕は両性だよ?
人に出来ることは大体出来るようにしてあるしね、あ、パミって言うんだ、ありがとう九十九。」
(カリカリとパン耳の先っぽをかじる)
「ふむ、やっぱり砂糖は【あん】とは別種の甘さだね、カリカリとした焦げの食感も中々だよ。」

「このあんまんも、熱さで甘味が引き立って、ほこほことした気分にさせてくれるね
… こうして見ると固形物と水分を同時に摂取するのも又良し、か
一ついい事をしれた気がするよ、ありがとう焔。」
(一口一口、どちらも味わいながらごくごくと持ってきたジュースを消化していく)

「僕は能力自体が水分に起因するからね、【使えるもの】を吟味する意味合いも少しあるかな。」
(珍しい、という九十九の疑問に対して)

九十九 十六 > 「やっぱり天使か……第一印象で『あ、なんかわかりやすく男女っぽい奴だな』と思ってごめんよ。
 でもまあそういう意味ではキミも中性的だし天使裁定にはプラス要素だね。ありがとう僕の天使! よろしく!」
ピザまんを貰うや否や、失礼な事を言い出しつつ含み笑いを漏らす。
チーズの香りと酸味あるソースが九十九の身体を潤していく。
ビタミンが入っているかどうか知れないが、とにかく野菜!
頬張る表情は無邪気にイノセントである。
「ん? わかってたわけじゃないよ。“青”のほうも使ってないし……。パッと見で? かな。両性だったんだ。
 水分を使う 【異能】つーか“機能”? 持ってるわけね。ふーんなるほどなるほど……。
 ま、ヒトっていうのは難しいから。ゆっくり学べばいいよ。
 僕もここまで学ぶのに十何年かかってるしねー」

楓森焔 > 「両性……!」
 初めて見た、と目を見開いた。いや、それだけなのだが。
スポーツドリンクをぐびぐびと飲みながら下から上まで眺めてみる。
「あと、多分それパミとかじゃなくて単にパンの耳だから。食パンの端っこ」
 眺めた末。つい、純真に信じるトトに対して横から訂正した。
「はあ、難しいこと考えながら食うんだなあ、お前」
 わざわざそんな風に考えて食べたことないな、と頬を掻いた。
「まあ、礼には及ばねえさ」
 完全に九十九に勢いを呑まれているところがあるが、
馴れ馴れしくトトの背中を叩くだろう。

「いや、まあ別に間違っちゃいねえしさ……天使、天使かあ」
 最近その手の褒め言葉が多い。自分はなにか変わってきたんだろうか、と真剣に悩んでみる。
 悩んで見れども結論はでず。結局一周回って元通り。
「うん、よろしく」
 と、もう一度。折角なので二人にそれぞれ、握手でも求めてみよう。

トト > 「あれ、それじゃあ僕が自白した事になるのかな?こういう時は何だろう、一本取られた?
そういう事、粘体も大体何とかなるけどね、その点ジュースは混ざりものが多くて中々使いやすそうだよ
うん、技術にしろ魔術にしろ、学びたいものが多い此処はいい所だ、九十九もそういう性質なのかい?」
(少しぎこちなく肩をすくめる仕草何かしてみて、首をかしげる
じーっと興味深げな瞳で見つめてきて)

「うん、やっぱり珍しいみたいだね… そうだ、先生に更衣室とかどうすればいいか今度聞かないとね
うん、聞きたいことを思い出したぞ… はぷ、うん、思い出した。」
(ぽん、と一度手を叩く仕草をして、難しいこと考えながら、という言葉には不思議そうに小首をかしげた
背中を叩かれると少し大きめに揺れながらも、にこーっとまた笑みを向けてくる、握手にもぎゅっと応えるだろう)

トト > 「パンの耳… なんだ、そうなのか… ?どうかしたの焔?」
(ただのパンの耳、という焔の言葉に若干ながら残念そうに眺めている、トトなりにもらったものへの思い入れがあったらしい
下から上までワンピースの上から眺め、握手をしても、凹凸が少ないからか、性別が【どちら寄り】か判別するのは難しいかもしれない)

九十九 十六 > 「認めるんだ。ま、僕にとっては食物を恵んでくれるだけでキミを女神様とまで崇める準備があるよ」
栄養補給のためならばプライドまで捨てる野良猫の覚悟である。
赤の瞳は燃える輝きを湛えて、『またこんど会ったとき食いもん持ってたらせがもう』と語っていた。
「そういう性質っていうか。記憶喪失だから。ちょっと。いや朧げには残ってるし一般常識はわかるんだけど。
 いろいろ、見ていく必要があってね。知らないものを。知りたいことをね」
赤青の瞳が湛える光は一瞬揺らぎ、大きくなる。光の奥には、闇を潜ませて。

「ん? はいどうぞ」
細い手が焔の手を握った。外見によらず骨太な感触が焔に伝わる。
「はいこちらも」
そしてトトの手を握る。
よく見るとトトの手を握る手にはギプスが巻かれていた。
指先は出ているし掌は繃帯が巻かれているだけだが、手首から二の腕までが覆われている。
「食物を分けあった友情の証トライアングルの完成である」
意味不明な纏め方をしながら、手を離しにこにことした。
「よし、そんじゃあ僕は食うもん食ったし帰るわ!」
びしっと手を、片手は開いて、片手は握って打ち付けて深く礼をする。
「改めてありがとう」
じゃね! とよく通る声で言うと、屋上の扉を開いて颯爽と出て行く。
その顔は充実していた。

ご案内:「屋上」から九十九 十六さんが去りました。
楓森焔 > 「ん、いや。そういう両性とか見たことなかったからさあ。
体格とか気になって。俺、武術やってんだよ」
 通じるかは分からないが、ひとまずそう告げる。
道着に赤い鉢巻。ステレオタイプともいうべき格好だが――。
 それ以上の他意はないのだが。
「気を悪くしたならごめんな」
 と、手を立てるようにして謝罪して。
「そ、そうか……ほんと苦労してんだな、お前も」
 散々褒めちぎられた相手。最後に握手を交わして去っていく彼の背を見つめていた。
あそこまで苦労してるなら、まあ次もなんかあったらちょっとぐらい食わせてやってもいいかな、と思いつつ。
 なんというか最初から最後まで勢いに呑まれていた気がする。
次は負けないぞ、と意気込んでから、手を振って別れを告げた。

トト > 「女神様か、ふふ、九十九はやっぱり面白い人だね、うん、その言葉受け取っておくよ
知らないものと知りたいこと、そっか、いろいろあるんだね?そんな君と友達になれたなら、今日はとてもいい日だ。」
(その賛辞に対してくすくすと楽しげに笑ってから、九十九とも握手をする
彼の友情の証、という言葉にぱぁ、と一際嬉しそうに笑顔を浮かべて、なら友達だね、と二人に告げる
彼が去る際も、大仰に手を左右に振って名残惜しげに見送った)

「ううん、僕は気にしないよ?ふむふむ… そうだね、あんまり力には自信はないかな?
気にしたことはないけれど、胸とかは無いに等しいしね、声帯はやや女性よりなのかもしれないけど。」
(成る程、と頷くような仕草をしてから告げる、確かに声色自体はハスキーボイスとも取れるものである)

楓森焔 > 「ふんふん」
 相手から許可が降りると、改めて観察。とはいえ実際大きな差はなさそうだ。
身体が自分よりも随分細い。そういう意味では男性的というよりはやはり女性的な印象だ。
「ゴーレムって鍛えられんのかね。これじゃあぽっきり行きそうだけど。あ、それともやっぱり見た目より頑丈だったりすんのかな」
 身体の頑丈さとパワーはまた違う。頭を使っているわけではないが、
結構気になるようで。ほー、へー、とひとしきり眺めたあと。
「ありがと。あ、もいっこ食う? 肉いけそうだし、肉まんあたり」
 と、差し出した。ここまでやっておいて、ようやく中華まんの量は半分といったところか。

トト > 「肉体的に鍛えられるか、か、やった事はないから興味はあるね、ああ、【頑丈さ】ならそれなりにはあるかな?
それに、壊れてからの治し方は、人よりは大分楽な部類だと思うよ… ♪
なら貰おうか、そういえば生ではなく、調理された肉は早めに試してみるべきだったね。」
(自問自答するように顎に手を当てて、うーん、と呟きつつもそう応える
肉まん、という言葉にぱぁ、と又笑みを浮かべる、結構ころころと表情が変わるものである)

楓森焔 > 「お、興味あんならやってみるか? どうなるか分かんねえけどさ。
流派・俺流っての広めてるんだよ、俺」
 相手がなんであろうと、門下生の募集には意欲的である。
にっと歯を見せるように笑ってから、肉まんを渡した。
 自分も肉まんを取り出してぱくつきついた。
まるでリスのように頬をふくらませながら肉まんを消化していく。

トト > 「オレ流? 俺流?それが意味するところはつまり、焔流って事でいいのかい?
成る程、面白そうだね、今度見学からさせてもらってもいいかな?何にでも挑戦はしてみたいしね
… あむ… ふむ、肉汁が滴るね、体が温まる心地がするよ、あ、焔ももう一つどうかな?」
(ちょっとその流派の名前に不思議そうにしつつも、意欲的な様子を見せて
肉まんを頬張りながら焔に対して残ったジュースを差し出して、好きにとってと言ってみる)

楓森焔 > 「焔流とも言えるかな。名前は俺流」
 と、胸の字を親指で指してから。
「いいぜいいぜ。大歓迎だ! 挑戦心、そういうの嫌いじゃないぜ。
あ、携帯とか持ってる?」
 連絡先と、ついでに自分の道場の位置を教えてから空を見上げた。
「おっと。悪いな、そろそろ俺、次の試験の時間だわ。喋ってたら全然食ってなかったぜ」
 慌てて残った肉まんを頬張ると、鉄下駄を脱ぎ捨ててあいた方の
手で提げ持った。

トト > 「携帯、うん、此処に編入したとき、持たせてもらったものならあるよ
これを… うん、之でいいんだね、じゃあ又今度、だね、焔、ふふ、約束だね、これは。」
(連絡先交換、というものをしてから嬉しそうにきゅっと携帯を胸にだく
トトはまだ少し此処に残るらしく、手を軽く振りながら焔を見送る構えのようだ)

楓森焔 >  相手の喜ぶ様には、こちらも満面の笑みを返して手を振った。
「ひょっほいほいだほーがよひゃひょーだ」
 ちょっと急いだほうが良さそうだ。
肉まんを咥えながら、裸足のままに歩き出す。
「ひゃあな!」
 そのまま勢いつけて加速していき、扉ではなく屋上の端へ。
落下するわけでもなく、屋上の縁を裸足で"掴んで"、そのまま下へと駆け下りていった。

ご案内:「屋上」から楓森焔さんが去りました。
トト > 「… わ、凄いね、身体強化… というわけでもないのかな?」
(と見送りながら身を乗り出して、彼女が【壁を】走っていく姿を見送った
その後暫く残ったものを一人で処理してから、トトも何処かへとゆっくり歩き去っていったのである)

ご案内:「屋上」からトトさんが去りました。
ご案内:「保健室」に鈴成静佳さんが現れました。
ご案内:「保健室」にライガさんが現れました。
ライガ > 靴先で器用にドアを開け、少女を両腕に抱えた大柄の男が現れる。
部屋の中に入ると、辺りを見回した。

「えーっと、ベッドは……あの奥でいいのかな?」

カーテンが開いていたので、そちらにそうっと寝かせようとする。
下着は多分彼女のだろうが、これどうしよう。とりあえず枕の影にそっと置いておく。

「じゃ、ちょっと水分とってこようか、何が飲みたい?」

鈴成静佳 > ああ、ありがとうッスよ。やっぱり保健室は落ち着くッス……
(ベッドにジャージ姿のまま寝かせられる静佳。先刻よりは幾ばくか吐き気も落ち着いているようではあるが、顔や唇は青いまま)
(そして、ここまで静佳を抱え運んできたライガさんには分かるであろう。ジャージの下に感じる体温はひどく低く、それでいて汗を全身にかき続けていたことを)
(典型的なショック症状といえる)

(そのまま、震える手で保健室の一角を指差す。冷蔵庫がある。蓋盛先生に「自由に使っていいよ」と言われたものだ)
あそこに……えーと、経口補水液? あったと思う……それを。
こんなときにジュースとか飲んじゃいけないッスからね……。

ライガ > 手に伝わる感触は、汗で湿っていて、ひどく冷えていた。
熱中症、というわけでもなさそうだ。何かのショックによる反応だろうか。
何にしても、このまま放っておくと風邪をひきそうではある。

「経口補水液、経口補水液、と……
あったあった。これだな」

言われるままに冷蔵庫を探していたが、ペットボトルに入った透明な液体を取り出す。
たしかブドウ糖や、ミネラル類を水に溶かしたものだったっけ。
ボトルの口を開けて、……そこで気づく。この状態で飲めるだろうか。

「ストローかなんか、持ってこようか?」

鈴成静佳 > (経口補水液を取りにライガさんがベッドを離れている間、自らの両腕や腹にぐっと力を込めてみる)
(……起き上がれない。よほどに消耗してしまったようだ)
(すぐにその試みをやめ、天井の蛍光灯を見つめる)

……んー、起き上がれないからペットボトルじゃ飲みにくいッスね……。
アタシとしては口移しが一番いいんスけどー……。
(すぐに、くすす、と弱々しい笑い声を上げ)
……冗談ッス。ストローでたぶん大丈夫。冷蔵庫の近くの引き出しのどれかにあったハズ。悪いッスね……ライガさん。
(顔だけをライガさんの方へ向ける。身体を横にするのすら自力では無理な様子だ)

(汗が玉になって、側頭部から頬を伝ってベッドへ落ちる)
(全身の汗がまだ止まらない)
(ライガさんの一挙手一投足に意識をやる。そうしないと、何かまた、悪いことを思い出しそうで)

ライガ > ストローは、真ん中で折れる奴にしよう。

「ははっ、流石に口移しは、溢せない自信無いな。
ま、そういうのは元気になってからにしなよ。
……ほら、飲めるかな?」

ベッドの横に椅子をもってきて座り、かがみこむ。しかしこのままでは溢しそうだ。
ストローの片方をベッドより下に持ったペットボトルに差し込み、もう片方の先をこぼさないように、青ざめた口元に近づけた。

ご案内:「保健室」に畝傍・クリスタ・ステンデルさんが現れました。
鈴成静佳 > (口紅を乗せていない唇は青ざめ、カラカラに乾いている)
(その唇がストローを咥え、経口補水液をゆっくりと吸い上げていく。十数ミリリットルを、喉全体を潤すように嚥下すると)
……うえぇ、やっぱりこれマズイっすねぇ。ちょっと甘くした海水みたいで……人の飲むもんじゃないッスよ。
(悪態を突きつつも、時間を掛けて飲んでいく。この状況下での水分補給の重要性はよくわかっている)

(半分ほど飲み干せば、その表情も和らぎ、楽になってきたように見える)
……フフッ、助かったッスよ、ライガさん。あなたみたいな優しい人が第一発見者でよかったッスよ。
(首だけをライガさんに向けたまま、ニッコリと微笑む)
……ああ、ちょっと寒いッスね、この部屋……。(汗が冷えたようだ)

畝傍・クリスタ・ステンデル > 橙色に身を包んだ少女、畝傍は、突然体調を崩し、保健室で休息をとろうとしていた。
その手足は人から見てわかる程度には震えが続いており、顔色も優れていない。
畝傍は過去、母国にて身体強化実験の被験体となった身だ。
しかし、強化されているのはあくまで運動能力であり、急な体調不良には一般人と同程度の耐性しかない。
マズル部分が彼女のボディスーツと同じ橙色に染まった狙撃銃のレプリカを時折松葉杖のように扱いつつ、どうにか保健室の入り口まで辿り着くと。
「……ややっ」
どうやら、先客がいたようだ。
ベッドに横たわるジャージ姿の少女に付き添っているのは、以前落第街の路地裏で共闘することとなった青年。
畝傍は少女の隣のベッドに腰かけ、青年に声をかけてみる。
「おにーさん……このまえ、会ったよね。その子は……?」

鈴成静佳 > (新たに保健室に入ってきた少女に目をやる。近未来的なボディスーツ、杖代わりにしているのは銃……?)
(しかし、そんな剣呑な装いよりも、明らかによくない顔色や足取りに目が行く)

……あら、病人?
ごめんッスよ、この中ではアタシが保健委員で……アタシも体調不良で。ごめんなさいね……アハハ。
(苦々しい笑みを、畝傍さんへ向ける)

畝傍・クリスタ・ステンデル > 「おねーさん、保健委員なんだ」
ジャージ姿の少女のほうを向いて、彼女の言葉を聞き。
「いいよ。ボクも……さっきからちょっと、きぶんわるくて。手と足もふるえて……とまらなくて。だから、ここにきたんだけど」
畝傍も笑みを返すが、やはり眼前の少女と同様に、無理をしている様子が顔色から滲み出ていた。
ベッドに腰掛けていた畝傍は横になり、姿勢を楽にする。
その両手は、狙撃銃のレプリカをしっかりと抱えている。
手の届く位置に銃、またはそれに準ずるものが無ければ、畝傍の精神の安寧は保たれないのだ。

ライガ > 「よし、その調子だ。
優しいだって、何いってるんだ。もうちょっと遅かったら、昏倒してるのを発見するところだったぞ。
そんな姿をほっとくほど、僕は人間やめちゃあいないよ。
……しかし、寒そうだね、タオルケットもってこようか。着替えるには僕邪魔みたいだし」

声をかけられれば、その場で顔を上げ、振り返った。

「ん?……ああ、路地裏の。
あの時の射撃には助かったよ、他にあんまり後衛居なかったしさ。おかげで目の前に集中できた。
見ての通り看護中さ、別に生活委員でも何でもないんだけど」

そう言って苦笑する。

「そういや名前聞かなかったな、僕はライガ。君は…?」

鈴成静佳 > んー……。
(身体を拭いてくれると嬉しい。けど、さすがにそこまで迷惑をかけるわけにもいくまい、と静佳は逡巡する)
……うん、何か掛けるもの、お願い。着替えるにも手足に力が入らないッスからね、アハハ……。
別にアタシはライガさんが見てても着替えられるッスけどね。ライガさんの目の毒になるかもしれないけど。
汗かいちゃったけど、まぁ、たぶん、大丈夫……。
(差し出された経口補水液をちびちびと吸いながら喋る口調は、少しずつハッキリとしてくる)
(そういえば、下着はどうしただろう。いまつけているのかどうかすら、はっきりしない。枕の下に敷かれていることはつゆ知らず)

(そして、畝傍さんへ問いかけるライガさんの態度に、知り合い……に近いものを感じる。名前を知らないようだが、どうやらどこかの路地裏で共闘したのだろうか)
ん……アタシは保健委員の鈴成、だよ。
(耳をそばだて、名前を聞こうとする)

ご案内:「保健室」に光ヶ丘 睦美さんが現れました。
ライガ > しばらく腕組みをして、考える。
どうせ下着も何とかしなきゃいけないし、彼女が気にしないって言ってくれるんだ、ここは流れに任せてしまおう。

「うーん、じゃ、着替えよっか。
大丈夫さ、弱ってる人間を襲うのは趣味じゃあない。僕は見た目はともかく、紳士で生きてるからね」

見た目はともかく、見た目はともかく。……ずーん。
自分で言っておいて気持ちが沈んできた。
とりあえずシーツは濡れているだろうし、かわりのものを探す。

「畝傍、ウネビね、そっちは寝てるだけだけど大丈夫?
何か欲しいなら取ってくるけど」

畝傍・クリスタ・ステンデル > 脚を広げベッドに横たわったまま、二人の名前を聞いていた畝傍は。
「ライガ……スズナリ……おぼえた。ボクはウネビ」
自身も、二人に対して名乗る。
手足の震えはまだ治まらない。汗はあまり出ていないが、呼吸は荒い。
畝傍は、少女――鈴成の方へ顔を向け、しばし様子を見る。

光ヶ丘 睦美 > 「ご、ごめんなさい…遅くなりましたー…」
カラカラと保健室のドアを開けてポニーテールの少女が姿を現した。
セーラー服の上から白衣を引っ掛けているが、息を切らして走ってきたせいか片方の肩からずり落ちている。
「今、保健委員の子が試験中で……保健室に、人が来たら……わかるようには、なってるんです、けど」
すこし深呼吸。見渡すと人が多かった。……当直中に緊急外来から連絡をもらった新人医師の気分。
「……ちょっと気分が悪いのを抑えるくらいしか出来ないですけど……」
おずおずと、だいぶ控えめにできる事を口に出した。

鈴成静佳 > いやー参った参った、こんなときに保健の先生がいないなんてねー……ハァ。
ウネビさんね、次に保健室に来るときには元気になってるからね。今日はごめんね。
(弱々しい声で応える。そして、畝傍さんの声の弱さも背中で感じ取る。保健委員としての義務感が、切なく燃え、そして行き場をなくす)>畝傍さん

フフッ……ライガさん、何言ってるんスか。見た目もしっかり紳士ッスよ。きっと保健委員に向いてるッスよ?
(頼りがいのある細マッチョの肉体、褐色の肌。威圧的でなく、何かしら神々しさも感じるタトゥー。頼るならこんな人だ)
……うん、じゃあ、着替えお願いするッスよ、ライガさん。
向こうのロッカーに乾いた病衣がいくつか入ってたはずッスから。(指をさす)>ライガさん

(続いて保健室に入ってきたのは、聴き馴染みのある声)
あれ……睦美ちゃん……? あなたも保健委員だったの?
(ベッドに横たわったまま、きょとんとした声で応える)>睦美さん

畝傍・クリスタ・ステンデル > 「うん、わかった。ボクも、はやくげんきになるから……スズナリも、がんばってね」
鈴成を励まそうとして言葉をかける。
畝傍の精神はその肉体に輪をかけて幼い。だが気配りができないというわけではなかった。
「……んゃ」
扉を開ける音を聞き、新たにやってきた少女のほうを見やる。
濡羽色のポニーテールに、銀糸装飾が施されたグローブ。そして青いスカーフのセーラー服。
何だか思わず頼りたくなるような、不思議な魅力があった。
「……おねがいして、いいかな。ボクはウネビ。きみは?」
ここは彼女にお願いしてみよう、と畝傍はとっさに思い、
ポニーテールの少女に頼み事をしてみるついでに名乗り、相手の名前も聞こうとしておく。

ライガ > 「っし、ロッカーはあっちだな。サイズはMでよかったかな?」

ガラリと開けて病衣を探し、抱えて持ってくる。
それをベッドの傍らに置き、カーテンは……女子ばっかだし別にいいか。

(解除魔術はこういう時役に立たないんだよな、原因がわからないことには)
ちなみに別にシャーマンドクターではない。だったら保健課に入ってるはずである。あとタトゥーは関係なくない?

新しくポニーテールの少女が入ってきた。
静佳の口ぶりからするに、知り合いか何かだろうか。
とりあえず人手が増えるのはありがたい。

「大丈夫、人は何人いてもいいんだ、ウネビのほうを頼んだ!」

正直いっぱいいっぱいである、本職じゃないのに。

光ヶ丘 睦美 > ぜいぜいと息を切らしていた呼吸を整えるには……
睦美は胸に手を当てて、体の中に蓄えてある、今まで人から受け取った生気を意識する。
「すー…はー…」
深呼吸を一つ。いかにも細い睦美の体の中で暴れまわっていた動くための気を体中に薄く流して、静かに集中するための気を強く意識する。
明らかに循環器への負荷に対して少なすぎる呼吸量で、その息切れは止まった。

「運び込まれたの、師匠だったんですか?……大丈夫ですか?何が有ったんです?」
白衣の肩を直しながら、室内に足を踏み入れて、2つのベッドの近くに歩み寄った。
「まだ保健委員になったわけじゃなくて、今だけの代理ですけど…でも大丈夫ですよ、私に出来ることなら、失敗せずに出来ます」
特に何も大丈夫なわけでもないのだが、ふわりとした笑顔を浮かべて睦美は頷く。>鈴成さん

声をかけられた側に振り向けば、銃を抱えた少女が横になっている。
「私は、光ヶ丘睦美、保健委員さんのお手伝いです。
…だから保健室にいる人のお願いなら無下にはしませんよ、畝傍さん。」
控えめに言っても睦美よりも年嵩に見えるだろう少女の目には、純粋にこちらを頼る気持ちがありありと見えて、
まるで子供に頼まれてるみたい、と睦美は直感的に思う。>畝傍さん

「わ、わかりました、私もお手伝いします!」
よくよく見てみると、大柄な男性が忙しげに動き回っている。
もしかして、三人共不調なわけではなくて、一人は…本職なのだろうか。>ライガさん

鈴成静佳 > フフッ、アタシだって治療の能力も魔法もないッスよ? 保健委員に必要なのはハート。弱い人、弱ってる人を助けたいって思う気持ちッス。
ライガさんって頼れるもん……。
(Mサイズの病衣を持ってくるライガさんに、こくこくと小さく頷く)
(着替えさせようとするなら抵抗はなく、弱々しい力ではあるがお尻を持ち上げるなどして動作を助ける)>ライガさん

あはは、なんだ、まだ保健委員じゃなかったのね。入ればいいんじゃない?(意外と似合って見える白衣姿に苦笑する)
ちょっとね、気分が悪くなっちゃって……。

(人の心の断片を知れる睦美さんには見えるであろう、静佳の今の「頼み事」)
(傍らで同じく体調不良で寝込んでいる畝傍さんを誰かが介抱してあげること、そして、自分はライガさんに介抱してもらうこと)
(睦美さんの姿を目にした瞬間には、睦美さんに面倒を見てもらいたいという気持ちも生まれかけた。しかし、いまはそれよりも、演習場から自分の面倒を見てくれたライガさんに頼りたい)
(これは、静佳が変態である以前に、女であるがゆえの本能といえよう)>睦美さん

畝傍・クリスタ・ステンデル > 「ありがと、ムツミ」
睦美と名乗った少女に礼を述べた後。
「……シショー?スズナリが、ムツミの、シショー……?」
左右に振り向きつつ、問う。横たわっているジャージ姿の少女と今訪れたポニーテールの少女が師弟関係で結ばれているとは、
畝傍からすれば彼女たちの姿を一目見ただけでは想像のつかない事柄であり、奇妙な印象を受けた。
伸ばした脚はまだ震えている。しかし先程よりは多少震えが弱まってきているようだ。

鈴成静佳 > ………?
そう言えばこの前の男子り…(一瞬言葉を詰まらせ)…この前会った時から睦美ちゃん、アタシのこと「師匠」って呼んでたけど、なんで?
(静佳にとっても謎のままのようだ)
……と、とにかく保健委員の補助なら、ウネビさんをお願いね。頼りにしてるから……。>畝傍さん、睦美さん

ライガ > 「し、師匠?」
思わずなんの、と言いかけたがたぶん、あんまり今は関係なさそうだ。

とりあえずジャージのジッパーに手をかけ、静かに下ろす。
体を横に倒れさせて腕を後ろに回し、ジャージの上を脱がし。
次に下に手をかけ、ごめん、と一言囁くと、するりとずりさげる。
静佳がお尻を浮かせているせいで、比較的楽に脱げた。その下はパンツをはいていなくて、ぷりんとしたお尻が……

「……そういや、演習場に落ちてた下着ってさ、静佳。君のじゃない?
一応拾ってきたけど。枕元にあるから、確認してみて。
もしそうだったら、履かせるから」

光ヶ丘 睦美 > 「ああ、なるほど気分が…来る前に、保健委員の子には
『7割位は気分が悪いか気持ち悪いって言うから、貴女の能力で大丈夫』
って言われたの、合ってますね」
笑顔は崩さないまま、まるでとんでもなく軽い体調不良だと言わんばかりの雰囲気で言う。
「さてと、じゃあ私が委員会に入った暁には師匠ではなくて先輩ですから。先輩のことは後回しですね」
ささやかな冗談のように告げると、くるりと背を向けて畝傍のベッドに向き直る。
……よっぽど駆け寄ろうかと思ったのも本心だったが、それ以上に。
それ以上に、白衣を着てやって来た自分を見て、やっと畝傍さんを任せられると、そう思ったことが伝わってきたのだ。>鈴成さん

「いえいえ。頼まれごと、大好きなんです。
どんどん他にも気になることがあったら言ってくださいね。」
震えが収まる様子を見ると、こちらの不調もおそらく重篤な、自分の手に負えない類ではなくて…
少し、触れて気を渡すことが出来れば良くなりそうに思える。
「師匠は心の師匠なんですよ、感銘を受けたその日から呼び始めた感じですけど」
さも当然のように言う少女はこれはこれで人と世間話をする機会がなかった変わり者では有る。
「さてと。畝傍さん…ちょっと触れても大丈夫ですか?気分を良くするくらいしか、出来ませんけど」>畝傍さん

さっそく師からの勧誘を受けているところを聞けば、あちらも保健委員ではないみたいだけど…自分の第一印象を信じよう、多分あれは頼れる人だろう。>ライガさん

鈴成静佳 > (ジャージを脱がせると、その下は全裸。皮膚が汗でまんべんなく濡れ、まるでオイルを塗ったかのよう。そんな量の汗を吸ったジャージもじっとりと重い)
ん……あ、気持ちいい……。
(身体は冷えるが、裸体が保健室の空気にさらされると、まるで眠い子供のようにうっとりとした声でささやく)

(そして、ライガさんの問いかけで目を枕のそばにやり、震える手を動かして枕の下に突っ込む)
(引っ張ると出てきたのは、ちょっぴり土に汚れた自分のショーツとブラ)
……アハハー、やっぱり転移魔術が失敗し……。
(失敗。その言葉に、「そのとき」の体験がフラッシュバックしそうになる。横になった身体から、また脂汗が滲んで垂れる)
(懸命に吐き気を飲み込もうとし、身体が切なく震える)
……うん、履かせてください。見られても全然気にしないッスから……。(その声は震えている)>ライガさん

畝傍・クリスタ・ステンデル > 「そうなんだ」
睦美の『師匠』に対する言及を聞き、畝傍は納得したような表情を見せた後。
「うん……いいよ。おねがい」
触れてもよいか、という問いに笑顔で答える。
ふと鈴成のほうを向くと、脂汗を垂らし、何かを堪えるような様子でいた。
「(…………?)」
畝傍はまだ言葉にこそ出していないものの、鈴成の身を案じていた。

鈴成静佳 > ふふ……感銘、かぁ。そうかな? アタシは……むしろ、睦美ちゃんの方を尊敬してるけどなぁ……。
(モヤが掛かりそうな思考にムチ打ち、会話に乗ろうと集中する)
(……そして思い出すのは、睦美さんと初めて会った時のお風呂。いろいろしてもらった。詳しくは【特殊Free】なので言えないが)
(全裸になった静佳の裸体をくまなく見れば、ムダ毛の類がキレイに剃られているのがわかるだろう。睦美さんのおかげなのであるが、それを知るのは自分と睦美さんのみ……)
人の困り事に気が配れて、それをきちんと実行に移す。ライガさんもそうだけど、すっごく良いことで、なかなかできることでもないと、アタシは思うよ……。>睦美さん

鈴成静佳 > (身体を横に向けさせられたため、畝傍さんのほうを向く形となった静佳)
(心配するような眼差しを向けてくる畝傍さんに、ニッ、と笑みを作って浮かべる。それが無理に浮かべた笑みだと言うことはわかるだろうか)
(顔面は蒼白で、黙っていると青ざめた唇の下で歯がカタカタと鳴っているのも分かるかもしれない)>畝傍さん

ライガ > なんか誤解を受けてるような気がする。
保健課じゃないよ。誓っていう、保険課じゃないよ!

「よし、全部脱がせたな。
じゃ、タオルでふくから、無理しない限りでいいから、体動かしてね」

唐突だが、ライガはおっぱい派ではなく、尻派だ。某風紀委員には漏らしたかもしれないが。
ゆえに、安産型とでもいうのだろうか、こういうお尻は結構好みだったりする。

(しっかし良い尻だなー、意識してなかったけど迂闊だったわ。
撫でさすりたいけど今やったらセクハラだし我慢だな、うん)

もちろん表情にはつゆほども出さない。乾いた柔らかいタオルを手に持ち、汗を拭きとっていく。
と、静佳の『転移魔術』という言葉に反応した。よくよく身体を見れば、震えが戻ってきていて、汗もまたじんわりと滲み出している。

「……なんか、以前にもやらかしたような口ぶりだね。その言い方からすると。
元気になってからでいいから、後で教えてくれないか。
僕は魔術師専攻だ、もしかしたら、力になれることがあるかもしれない」

光ヶ丘 睦美 > 笑顔で快諾していただけたことに、こちらもなるべく自信があるように見えるよう、笑顔で頷く。
さて、何処に触れるのが良いか…横になっている畝傍さんを見回して考えてから、今も力を込めて銃を握っているであろう、その手に触れることにする。
「それじゃ、失礼しますね。……大丈夫です、取ったりしませんから」
大事におもちゃを握りしめている子供に言うように、ベッドサイドにしゃがみ込んで目線を合わせて。
そーっと、手に手を重ねようとする。>畝傍さん

「……そういう異能ですから。そうそう、人には、出来ないかもですね」
睦美はおそらく同じ時のことを思い返しながら、師匠の言葉にも声を返そうとする。
「私、次の日の朝に師匠を見かけるまで、てっきり同じような異能を持ってるのかもと思ってましたから」
「そういう異能でもなしに人を気づかえるのが、私の師匠だと思ってます。」
睦美は指の先に意識を集中する。そこまで赤くなってるのもわかっている。…こういうのはなんで恥ずかしいんだろう。>鈴成さん

鈴成静佳 > 拭いてくれるの? ありがとう、ライガさん……。
(今はとにかく汗が気持ち悪い。着替えるよりはそっちのほうが優先事項であった。感謝の気持ちが膨れ上がるのが、睦美さんには見えるかもしれないし、他の人にも見せたい)

(背を向けているため、ライガさんの、お尻に向けられる視線には気づけない。気付いていたら静佳にも少しは元気が戻ったかもしれない)
(なので、汗を拭き取るその丹念な手の動きから、ライガさんの気遣いを読み取っていく)
(人を気遣う心が、タオル越しに伝わり、冷えきった身体と心に活を与えていくようだ)

………。
(そして、背中を拭き終わったのを確認すると、身体を仰向けに横たえなおす。お腹も同様に汗びっしょりだ)
(自分の体を拭くライガさんに向ける眼差しは、うっとりとしていて、柔和だ。羞恥に目が泳いでもいなければ、決して欲情や興奮に染まっているわけでもない)
(ただただ、ありがとうという気持ち)>ライガさん

畝傍・クリスタ・ステンデル > 鈴成は笑みを浮かべているも、顔面は蒼白。明らかに無理をしているのが畝傍にも見てとれた。
転移魔術が失敗――その言葉は聞き取れていた。しかし今は、それに対しての推察は避ける。
「……むり、しないで……ね」
それだけ言葉をかけると、畝傍はしばし狙撃銃から手を離し、睦美に身を任せんとする。
やがて、二人のその手がゆっくりと触れ合うであろうか――

鈴成静佳 > ……フフッ、そうかぁ、気付けるのは異能の力だったんだね。でも……関係ないよ。
行動に移すほうが大事なんだからね、睦美ちゃん。それが出来る人が、本当に「気遣いのうまい人」だからさ……。
(睦美さんがその感謝の心を自らの力にしていることはまだ知らない)>睦美さん

(ライガさんに身体を拭かれながら、その言葉を聞く。「魔術師専攻」)
(……起こった現象は頭の隅に追いやり、その原因を考える。そして浮かぶ疑念)
(自分の転移魔術は、実は魔術ではなかったのでは……?)

光ヶ丘 睦美 > 触れた指先から、気の巡りを読み取ろうと目を閉じる。
本当は、もっと上達していればこんな必要はないんだけれど。ただ、今は必要だから目を閉じる。他の雑念とも、浮かぶシャボン玉ともしばしのお別れ。…ええい、落ち着け私。

……さっき受け取った感謝の気持から、畝傍さんの本来の気の流れはある程度わかる。
だからそれに従って、気の流れの淀みが是正されるように…
「いたいのいたいの、とんでけー、って言ってもらえます?畝傍さん。
私の言うのに合わせてくださいね、それじゃさん、はい」
私の治って欲しい気持ちがなるだけ彼女の体に伝わるように、一度だけでなく何度か声を合わせてもらいながら、どんどん気を送っていく。
気を受け取った側はよく温かいというけど……勿論送る側だって、かなり温かい。というか、暑い。
白衣とポニーテールの隙間、うなじを汗がどんどん伝っていくのが自分でもわかった。

ライガ > 「よし、じゃあ手をどけて。首のあたりから拭くよ。
しかしぐっしょりだな、よっぽど辛いんだね」

静佳が仰向けになれば、踊る気持ちは鎮静化する。
胸は、まあ、興味なくはないけどそこまでじゃあない。
いたって冷静に、柔肌を傷つけないように丁寧に、拭いていこう。

「そうか、そっちの睦美は異能者かー。
でもそれでもすごいよね、皆言ってるけどなかなかできることじゃあない。
先に気遣う気持ちがあるからこそ、相手も信じようって委ねてくれるんだろうし」

専門じゃないので細かいことは分からないが。

畝傍・クリスタ・ステンデル > 「いたいのいたいの、とんでけー」
睦美の声に合わせるように、畝傍は何度かその言葉を口にする。
暖かいものが畝傍の体に満ち、顔からは汗が流れてゆく。
同時に、四肢の震えが先程よりも早いペースで弱まっていくのを感じていた。

鈴成静佳 > うん……辛かった。ちょっと……よくないものを、見ちゃってね。転移魔術の練習中に。
(可能な限りボカして、原因を説明する)
今まではこんなことはなかったんだけどね。ちょっと応用っぽいことをしようとしたら、突然、ヘンなことになっちゃったんスよ。

(ようやく心拍数も落ち着いてきたか。お腹を膨らませながら、深くゆっくりとした呼吸を心がけるようにすると、気分はだいぶ良くなっていく)
(保健室に女子3男子1で、その男子……しかもかなり歳の差がある……に裸体を晒して拭かせている。新たに人が来たらその光景にびっくりするだろうなー)
(……などと、楽しいことを考えるようにする。静佳の顔に、普段通りの笑みが戻り始める)

光ヶ丘 睦美 > 「いたいのいたいの、とんでけー」
何度目かの唱和を越えて、睦美に出来る範囲ではもう気の流れをどうこうすることはできなくなった。
例えば明確に患部を突き止めて、そこから気を送り込むとかそういう、いかにもな達人芸は達人が出来るものであって。
「ふぅ……だ、大丈夫になりました?良くなってます?気持ちいいですか?まだ何か不調とかあったら保健委員が来るまで待ったりした方がいいですよ、えーとあとは…あとは…」
「他に何か…お願いとか、あります?」
自分にできるラインが明確に見えてしまったがゆえの不安を抑えこんで。
保健委員代理はできる事のラインに自分を戻す。>畝傍さん

「師匠にそう言ってもらえるのは、ありがたいですね。」
「あーでも、ライガ……さん?は見た目で結構頼れそうな雰囲気がありますから、私もそういう体格に生まれつきたかったですねー」
ちらりとうずく罪悪感から逃れようと、話を逸らした。
最近は自分の異能については「欲望が見える」としか言わないようになってしまっている。

鈴成静佳 > アハハー、睦美ちゃんの治療法はなかなか古風ッスねー。
(「いたいのいたいのとんでけー」の唱和に、クスッと吐息が漏れる。初めは滑稽に感じもしたが……)
(とはいえそのワードにはなにかしらのパワーがある気がする。実際に、隣のベッドから感じられた畝傍さんの荒い呼吸が落ち着きつつあるような……)
(その様子に、静佳も素直に感心し、鼻息を鳴らす)>睦美さん

畝傍・クリスタ・ステンデル > 「うん……だんだん、おさまってきた。もうすこし休んだら、またうごけるとおもう」
畝傍は、症状が次第に快方に向かってきていることを睦美に告げると。
「じゃあ……ボク、おみずのみたい」
睦美にできそうなことを頼んでみる。畝傍のお気に入りはオレンジジュース。
しかし今は体調の事も考慮し、水が飲みたい気分だ。

ライガ > 肩から肘へ、それから手首、一番濡れているわきの下へ。左が終われば、次は右。
控えめの胸、上下する腹、腰回りをきれいにふき取っていく。
股を少し開かせて間をさっとふき取る。太もも、脛、足首。
顔に笑みが戻り始めるとほっとしたように手を休め。

「ん、そろそろ大丈夫かな。
じゃあまずブラから行こうか、両腕をあげてもらえるかな。
バンザーイって」

睦美のやっていることを、興味深そうにチラチラとみている。

「ああ、ライガでいい。
そんな褒められても何も出ないよ。でも、頼れるって言われるのはいい気分だね
でもさ、体格じゃないよ。性格だと思うんだ、僕はね」

光ヶ丘 睦美 > 「そう、これって私がお母さんに昔良くやってもらったんですよ。
『子供は怪我の場所が自分でわかんないから』って、
私が風邪ひいたって言っても、お腹痛いって言っても、全部こうやって気を流してもらってました」
「実際にはどっちも頭が痛かったのでお母さんが正解なんですけど」
子供にはよくあることである。
「私もお父さんやお母さんくらい出来るようになれば、光ったりとかもするんですけど」>鈴成さん

光ヶ丘 睦美 > 「そ、そうですか?ならバッチリですね、すぐ良くなると思います」
保健委員代理の装う自信は割と剥がれやすいのだが、頼み事を聞けばもう少し持つのだ。
「お水ですね、分かりました任せて下さい。」
そっと、触れていた畝傍さんの手をレプリカ…?の銃の上に戻して、睦美は立ち上がる。
「たしか私のバッグの中に水筒が…あ。教室、でした」
勿論持ってきては居ないし、借りてきた白衣に入っているはずもない。

あたふたとしながら、水回りを探してコップを見つけようとするだろう。

鈴成静佳 > (とても手慣れた手つきで自分の体を拭いてくれるライガさん)
(自分の裸体を見てもまゆ一つ動かす素振りのない男にはちょっとだけ呆れに似た感情を抱きつつも、それ以上の安心感が静佳の心には暖かかった)

……ああ、スッキリ! 人に身体拭いてもらうのって気持ちいいッスねぇ……。ありがと、ライガ。
(ニッ、と歯を見せて笑みを浮かべる)
それに、睦美ちゃんに、畝傍さんも。心配かけちゃってゴメンね。
(首を振り、隣のベッドにも笑みを見せる。心配に思ってくれてる心遣いこそが、静佳への良薬であり、もう気分の悪さはほとんどない)

(とはいえ身体の倦怠感は未だ残るため、休むしかない)
(言われたとおりに両腕を上げるとともに、ぐっと背筋に力を入れ、ブラを止められるだけの隙間をつくる)
はい、ばんじゃーい。……フフッ、ライガ、結構こういうの慣れてる……?
(やや悪戯心を含んだ笑みで、問いかける)

畝傍・クリスタ・ステンデル > 「ううん。スズナリがあやまること、ないよ」
そう言って、畝傍は自身に笑みを見せた鈴成に微笑み返す。
今や、手足の震えはほぼ止まったも同然の状態であり、顔色も元に戻りつつあった。
このまましばらく休んでいれば、完全に回復するだろう。
「……ありがとね、ムツミ」
睦美の方を向き、礼を述べる。

ライガ > 「ほい、コップ。
経口補水液に使うはずだったやつ、乾いてるから大丈夫かな。
水はその辺になかったっけ…?」

ペットボトルのわきに置いてあったコップを手に取り、睦美に差し出す。

「ま、人並みにはね。
色々あるんだよ、なるべく詮索してほしくないけど」

静佳の問いかけには、顔をしかめ、ちょっとめんどくさそうに答える。
ともあれ、上げてもらった腕からブラを通し、そのまま腕を回して背中で合わせるようにすると、……ちょっと顔が近い。それでも手慣れた様子で留めて、さて。次はショーツか。

「膝、軽く立ててくれないかな。
後はこっちで何とかするから」

ショーツを手に持ち、くるくると巻いて履きやすいように広げる。
ホント、なんで慣れてるのかってくらい手際がいい。

鈴成静佳 > 気を流す、ねぇ。それも異能……?(単純に気になったので問う)
まぁ、でも、実際に畝傍さんは良くなってるし、どっちにせよ、睦美ちゃんにはそういう才能があるんだね。
いいなぁ……。アタシにも、マッサージくらいならできるけど、気を流すってのは難しいなぁ……。
(マッサージ師の上級職には気功師みたいな道もあるが)>睦美さん

光ヶ丘 睦美 > 「いいんですよ師匠……そう、保健委員代理ですから!」
今回は頼られてないので、そんな形の決め台詞。
を決めつつ、「…ありがとうございます」
ライガの出してくれたガラスコップを受け取って水を汲む。
ついでに、せっかくだからとようやく見つけられた棚からコップを2つほど出した。
畝傍の分と、ライガの分と、師匠の分だ。お盆に乗せて、戻る。
「いいんですって、畝傍さん。そんなふうに言ってもらったら過分ですよ、過分」
……そうやって感謝してもらえるだけで、自分には十分だから。>ALL

(…師匠にからかわれても動じない人を見るのは初めてだなぁ)
「性格、確かに性格ですよねー…」
先程の言葉を証明するような態度にほとほと感心する。>ライガ

鈴成静佳 > フフッ、うん、詮索はしないよ、今は。(唇の端を吊り上げて笑う)
結構歳離れてそうだもんね、ライガ。その歳で、その風貌で「何もない」ってのは信じられないもん。

(ブラを留めるために顔が近づくと、その体臭を嗅ごうと無意識に鼻が動く。ああ、雄の香りだ。優しくて、気遣いが上手くても、この人は雄だ)
(……でも、そのフェロモンに興奮するほど体力が残ってないので、また息を吐いて天井を見上げる)
(指示されれば膝を立て、脚にショーツを通される。腰まで布地がくれば、脚にぐっと力を入れて、重いお尻を持ち上げる。今はやはりこれが精一杯か)
(無毛の恥ずかしい部分を見られてもなんとも思わない様子だ)>ライガさん

光ヶ丘 睦美 > 「あ、これも言ってないんでしたね。こっちは異能じゃなくて、お父さんとお母さんから教えてもらった、技術です。」
「それこそ師匠だって覚えられますよ、私なんかより絶対上手ですって!才能ありますって!」
「……学校にいる間には覚えられないかもですけど」

畝傍・クリスタ・ステンデル > 睦美が持ってきたお盆の上のコップを、震えの治まった右手で受け取り、水を一杯。
飲むと思わず、ぷはあ、と声が漏れ。
「……おみず、おいしい」
そう呟き、畝傍はまた笑顔になる。

光ヶ丘 睦美 > 「さっき気を通してる時に汗かいちゃってますからね、お水おいしいと思いますよー」
そう言いながら、睦美も笑顔で畝傍を見る。自分の手元は空のままだが、
「……あ。汗をかいたならタオルですよね、すみません。やっぱり私ってまだまだだなぁ…」
白衣のポケットからミニタオルを取り出す。
「畝傍さん、拭きましょうか?」

鈴成静佳 > ……フフッ、そうだねぇ。ヨガも個人的にやってるし、気功とかの概念は一応信じてるから……。
うん、ちょっと勉強してみるね。ありがとう、睦美ちゃん。
(ニッコリと微笑みかけるも、心のなかでは少しだけ訝しむ気持ちも。睦美ちゃんの能力は、どこまでが能力で、どこまでが技術で、どこまでが性格なのか……)
(まぁ、些細な問題だろうけど)>睦美さん

畝傍・クリスタ・ステンデル > 「うん、おねがい」
睦美に体を拭くかと問われた畝傍は、素直に頼んでみることにする。
とはいえ、現在の畝傍の服装は体に密着するボディスーツ。これでは汗を拭きにくいだろうと考えた畝傍は左手でヘッドギアに触れ、それを操作する。
すると先程まで着用していたボディスーツは一瞬にしてどこかへ消え、
ヘッドギアを残したまま橙色のブラジャーとショーツを身に付けた下着姿になった。
ブラジャーによって豊満なバストの谷間が強調され、紅潮した頬と合わせてやや色っぽい。

ライガ > ショーツを足から腰へ通していく。やっぱ下から見てもいい尻だ。

「今は、ってのは気になるけど……いいや。
そういや年言ってなかった?23だけど」

この年で1年ってのはあんまりいないよな、と笑う。
ショーツをしっかり確認すると、病衣を広げて静佳の横に置き、片腕を上げるように頼む。

「あ、ありがとう。
……うん、今気づいたけど喉カラッカラだ。助かったよ」

水を受け取ればぐいっと喉に流し込み、ちょっとむせながら飲み干す。

鈴成静佳 > (ショーツを尻に通す瞬間のライガさんの目線は逃さない。明らかにその瞬間だけ、その金色の瞳が色を帯びた)
(……とはいえ、これは心に秘めておく。ちょっとだけ口の端が上がったかもしれない)

(ライガさんに着せられるがままに、病衣も着込んでいく。汗でじっとりと濡れたシーツからも隔離され、いよいよ気分が良くなっていく)
……そうかー、23かぁ。結構離れてるねぇ。
フフッ、でも仲良くできるといいな。「今は」って言ったのは、もう少し仲良くなったら聞き出せるかな、ってこと。
ライガの魔術の話も結構興味あるしね。フフッ。

(すっかりと服を着終わり、ようやく本当の安堵感に包まれる。いくら静佳が変態とはいえ、人目があるところでは隠すところ隠していたほうが落ち着くのは確かだ)
(……すると、周囲への気配りに最低限張り詰めていた心がふっと緩み)
……んん……ライガ、みんな、ここまで色々してくれて本当にありがとうね。
アタシ、ちょっと眠りたい……。

光ヶ丘 睦美 > 「師匠の気血水は相当充実してますし、うちのお母さん見たく身交法が得意なのは知ってますし、むしろやらないほうが損ですよ。」
要するに体が瑞々しくて、他人と交わる(性的な意味で)のが得意という意味あたりのことを述べつつ。
「是非がんばってくださいね、師匠。ときにはその…自分が好きだったものが好きでなくなったりするかもしれませんけど……そういう時も我慢です」
ぐ、っとガッツポーズを見せた。>鈴成さん

「了解です、お任せください……ね…」
言い終わる前にボディスーツの変化を見届ける。……縮んだのだろうか。伸縮性なのだろうか。
ともかく、こうして肌面積が増えると汗もあって体が一瞬で冷えるのは予想に難くない。
「ちょ、ちょっと待って下さい、大きめのタオルを探しますから」
あたふたとするまえに、まずは自分の白衣を脱ぐと畝傍の肩に掛けた。
「そっちなら着たままでも汗が拭きやすいですから、とりあえず羽織っておいてくださいね!」
さっき棚は探した後だ。すぐに見つけて戻ってくるだろう。>畝傍さん

ライガ > 「ま、お手柔らかにお願いするよ。
……ああ、疲れたろ、ゆっくりお休み」

病衣の紐を結べば、さて、と椅子に掛けなおす。
静佳が寝息を立てるまで、そばにいるつもりのようだ。

「さて、そっちのほうはどうかな……?」

鈴成静佳 > きけつすい……? しんこうほう……?(鈍化していく意識に聞きなれない言葉が飛び込み、すり抜けていく。覚えていればいいが…)
……んー、睦美ちゃんが何を心配してるかよく分かんないけど、まぁなるようになるッスよ~……。
(ガッツポーズに、震える手の親指を立てて見せる)>睦美さん

(そして、その親指がパタリとベッドの上に倒れ、静佳は穏やかな寝息を立て始めた)

ご案内:「保健室」から鈴成静佳さんが去りました。
畝傍・クリスタ・ステンデル > 鈴成が眠りにつく様子を見て、彼女の方を向き、しばし微笑んだ後。
「うん、わかった」
畝傍は言われるがまま、肩に掛けられた睦美の白衣を羽織っておくことにする。
目立つ色の下着の上に白衣といういでたちは、これはこれでセクシーだ。

ライガ > チラリと視界の端に下着に白衣のウネビが目に入る。
……静佳はともかく、ウネビの許可はもらっていない。
というわけで背を向けたままにしよう。

「しっかし、のど乾いたな。
安心したら急に水分欲しくなったし、何か買ってくるかな」

うーんと伸びをして、それから立ち上がる。

光ヶ丘 睦美 > 「はっ、ライガさんが師匠に飽きたらずに『畝傍さんの方はどうかな』と!?」
声音を少し焦った風に出してはいるが、むしろきちんと冗談らしく聞こえるだろう。
「今からタオルで汗を拭くところです。こっちも大丈夫ですよ。」

「それじゃ畝傍さん、体拭きますからね」
戻ってきた睦美が抱えているのは白のバスタオル二つ。
片方はお盆の載ったテーブルの上に乗せて、もう片方を広げると白衣の中に潜り込ませるようにして拭いていく。
右に左にと、ポニーテールを揺らしつつ抱きかかえるようにして背中へ手を伸ばす。

「…ところで、畝傍さんってよくこんなふうに気分悪くなったりするんですか?」

畝傍・クリスタ・ステンデル > 睦美の手の動きに身を任せ、体を拭かれていく。
柔らかいバスタオルの感触が心地よく、畝傍は表情を緩ませた。
やがて、畝傍は睦美の問いに答える。
「うん。ボク、手のとどくところに銃がないと……むかしのこと、おもいだしちゃって。気分、わるくなるんだ。だからいつも、銃は持つようにしてるんだけど。でも、こんなに手と足がふるえてとまらなくなったのは、今日がはじめて。ちゃんと銃ももってたのに……どうして、だろ」
畝傍は銃が手の届く位置にないまま長時間が経過すると、過去のフラッシュバックに苛まれてしまう。
だが、今回畝傍の身に起こった症状は直前まで銃を保持していたにも関わらず発生したのだ。
考えうる可能性はひとつ――彼女が異能の発現に伴って支払った『対価』の影響であろうと、畝傍は考えていた。
しかし、その可能性を口にすることはなかった。今この場にいる二人に余計な心配をかけまいとしたのだ。

ライガ > 「人聞きの悪いこと言うなあ、ただ善意で言っただけなのに。
じゃ、後は任せても大丈夫かな」

勿論冗談だろうということは分かるので、苦笑いしながら訂正する。
しかし、不意に無関係の人間が通りすがり、これを聞きつけたら、あらぬ誤解を受けるのは間違いない。

「銃がキーポイント、じゃ、なさそうだな。
そっちは専門外だからよくわからないけど」

襟を正し、忘れ物がないか確認する。
そういえば訓練しようと思っていたところだったんだ。時間はもう遅いが。

光ヶ丘 睦美 > 「背中はこれでよし、よし、っと…では、次です、後ろに回りますね」
バスタオルを引き出すと、今度は髪と首筋。
肩にガウンのようにタオルを掛けて、髪を房ごとに拭いていく。
汗の雫が葉露のように光っているその髪は、とてもしなやかでやりがいがある。
少し時間がかかりそうだったが、畝傍の話を聞きながら、睦美はゆっくりと髪を拭いた。
「この銃を持ってるのは気持ちを落ち着かせるためだったんですね。大事そうに持ってるから何かと思いましたけど…」
「でもたしかに、理由がわからないのは困りますよね、一体何で…」

一緒になって考え込もうとして、睦美は止めた。
本人がわからないことを指摘するのは、知識のある人がすればいい。
「でもですよ畝傍さん、未熟者とはいえ私でも何とか止められたわけですし。」
「そんなに心配することないですよ。大丈夫。校内には私なんかよりもっと頼れる保健委員の人たちも居ますし。ね?」
たとえ当てずっぽうで的はずれだとしても、今は安心させてあげる時だ、と保健委員代理は思う。

光ヶ丘 睦美 > 「ええ、任せてもらって大丈夫です。私、これでも保健委員代理ですからね、代理保健委員を務めてもらったライガさん」
つまりはどちらも善意の人、ということだ。貴方の善意は信頼に値する、と。

「あ、そうそう。言い忘れるところでした。」
「……師匠を助けてくれて、ありがとうございます。」

畝傍・クリスタ・ステンデル > 「……うん。たぶん、銃は関係ないとおもうんだ、今日のことは」
睦美に髪を拭かれつつ、畝傍はライガの言葉に対し、自身が考える可能性を述べる。
無論、異能の事は伝えないまま。
「……そうだね。もうなおってきてるし、ボクもあんまり心配しないことにする」
睦美の言葉に、畝傍は安心し、そう告げる。
拭かれている畝傍の表情は気持ちよさそうだ。

ライガ > 「ん、じゃあ僕は行くよ。
……そんなに大したことはしてないさ、何かを治したわけでもない。
だから、そう気にしなくても大丈夫」

2人に手を振って、保健室から立ち去るだろう。

ご案内:「保健室」からライガさんが去りました。
光ヶ丘 睦美 > 「そうそう、そうですって!心配いりません、大丈夫です」
あらかた拭き終えると、タオルを静々と回収して、手元に畳んだ。
「それに、私には欲求が見える異能もありますし。
畝傍さんが動けなくなって物陰に倒れてしまった!とかなっても、大丈夫です。見つけられます。」
こうして畝傍を心配している気持は、保健委員の務めを頼まれたからなのか、それとも自分の本心からなのか。
睦美の異能は、睦美自身の欲求を見せることはない。だからわからない。

「……だから、今度もし畝傍さんがダメそうかなーってなって、
もし私のような未熟者になんか来てほしくなくても、助けに行きますから。」
「大船に乗ったつもりで安心してください、ね」
退かしていたコップを畝傍に手渡しながら、腰掛けていたベッドから立つ。
ちらりと時計を気にして、本職の保健委員が来る頃かな、と思った。

「畝傍さん、その白衣、どうします?借ります?」
もしも、件のボディスーツが汗で濡れているならそういうことになる、のだろうかと。