2015/07/25 のログ
ご案内:「ロビー」に美澄 蘭さんが現れました。
ご案内:「ロビー」から美澄 蘭さんが去りました。
ご案内:「ロビー」に美澄 蘭さんが現れました。
美澄 蘭 > 夏休み。多くの生徒は教室棟に用は無いが、全員が用が無いわけではないので、教室棟は通常通り開放されている。
昼食を終えた午後。蘭は、ロビーで本を読むためにやってきたのだ。
毎度カフェテラスで読書していたらお財布がどんどん薄くなってしまうし、
(実家の父から「これで誕生日に服でも買いなさい」とお金を渡されたが、流石にそれを読書のための場所代のために削るのは躊躇われた)
図書館の休憩室に図書館で借りた本を持ち込むのはマナー違反だ。

つまり、さほどお金をかけず、飲み物を適度に飲みながら読書するのに、教室棟のロビーという場所はなかなか都合が良いのである。

美澄 蘭 > カフェテラスでつい1冊読み終えてしまったが、図書館で上限一杯に借りた異世界について書かれた本はまだまだある。
今日も、まだ読み終えていない1冊を手に取った。

今読んでいるのは、さほど魔術を扱わず、一般人として扱われていた男性が、元いた世界とこちらの世界の間での文化・技術・社会制度の違いを軽めに綴ったエッセイだ。
エッセイながらも比較的論理的構造が読み取りやすく、内容も軽いので読みやすい。
彼が主に比較対象として描いている「こちらの世界」の文化はアメリカの都市圏のそれだが、日本語版は、馴染みの薄い読者のために、読みづらくならない程度の注釈を付けてくれていた。
その注釈の内容も蘭には興味深くて、読書が捗る。

ちなみに、まだ飲み物は購入していない。
空調が利いているとはいえ、この季節に飲み物無しでどこまで本が読み続けられるか、ある種のスコアアタックの様相を呈している。蘭にその自覚は無い。

美澄 蘭 > 読書はするすると進み、食文化の話に移っていた。
男性の元いた世界ではカトリック圏のヨーロッパ程度には食にこだわっていたらしく、アメリカの食生活にえらくショックを受けたことを正直に綴っている。

(…まあ、私も、アメリカとこの人の元いたとこなら、後者の食生活の方が親近感を覚えるし…)

蘭の母は良妻賢母の適性が無かったわけでは決して無いが、異能が障害となることが多々あった。
それでも、無理な時は他の大人が担当する、外注するなどして食生活には随分と気を遣ってもらっていたなぁ…としみじみ思う。

(…今も、一応野菜は摂るように気を付けてるし)

若干の後ろめたさを感じつつページをめくる。
今度は、無駄に甘ったるい飲み物についての愚痴が始まっていた。
その凄まじい内容に、愚痴りたかった男性の心情を察しつつ、うっすら苦笑いを浮かべる。

…そこで、蘭は

(そういえば、まだ飲み物買ってなかったわね)

と思ったが、

(…まあいっか。面白いし、切りのいいところまで読んじゃおう)

と、読書を続行する方を優先した。

ご案内:「ロビー」にサリナさんが現れました。
サリナ > 飲み物飲み物と…昼食を終えた後、ロビーに寄って飲み物を買う事にする。
自販機の前に立てば、今回はちゃんとスポーツドリンクなりがある事に安堵する。

財布からお金を取り出す傍ら、見知った顔を発見する。
…あれは美澄さんだ。本を読んでいる。勉強熱心なのはいい事だ。

自販機に視線を戻し、硬貨を入れていく。スポーツドリンクのボタンを押す。
"ガタン"と、音を立てて取り出し口に品が落ちてくる。
それを手に取れば当たり前の事ではあるが、冷えている。そういう事もあって自販機というのは素晴らしい発明だと私は思うのだ。

さて、ちょっと美澄さんと話でもしようかな…と思って近づこうとして足を止める。
よくよく見ると彼女は何も飲んでなさそうだ。ふーむ…

美澄 蘭 > 著者はかなり知的探究心が旺盛だったのか、あるいはアメリカの食生活事情がよほど腹に据えかねたのか。もしかすると両方かもしれない。
その著者は、ちょっとしたレポート程度に、アメリカの食文化が成り立った経緯を考察し、調べるに至っている。

(…ここまで来ると、凄い執念を感じるわね…)

それでも、日本と違う文化がどのようにして成り立ったのか、ということについての説明が面白くて、食文化についての章も、内容の割にはすんなり読めてしまった。

「…何かここだけ急にボリューミーだったわ…」

と、区切りが良いところで飲み物を調達しようと自販機の方に目を向けたところで、知った人の姿が目に入る。

「…あ、サリナさん、こんにちは」

以前のアクシデントの際に見せた陰は匂わせず、にこ、と笑んでみせた。

サリナ > 「どうも、美澄さん」

少し前に訓練場でちょっとした事があった。私はちょっと怪我…というか体が痺れた程度ではあるが、
その時の彼女の気遣いに対して、失礼な事をしてしまった。それは私の理解が足りなかった事から起きたのだけれども…

あれ以来、彼女の事を少し心配しつつも、どう話しかけたものかと思っていた。
が、今の彼女を見るにそういう雰囲気はない。時間が、解決したのだろうか。

もう一度自販機に向き直ると、硬貨を入れ、ペットボトルのアイスティーを買った。
それを持って彼女の隣に座る。

「スポーツドリンクと紅茶、どっちが飲みたいですか?」

二つのペットボトルを差し出して見せる。

美澄 蘭 > 飲み物を買おうとしていた折、ペットボトルを差し出してみせられれば。

「………え?いい、の?」

と、目を瞬かせる。
どちらかといえば、視線はアイスティーの方に向いているだろうか。

サリナ > なるほど、紅茶派か。いや、私もペットボトルの飲料でなければ紅茶を選択をしていたけれども…

「勉強熱心な美澄さんを応援したくなりました。…という理由を今考えました。
 こっちがいいですか?どうぞ、温くならないうちに」

スポーツドリンクの方を引っ込めてアイスティーのペットボトルを差し出した。
そういえば、何を読んでいるんだろう。差し出す折にちょっと覗いてみるが、ページの内容から食べ物の本かなと推測。

美澄 蘭 > 理由を「今考えた」と聞けば、おかしそうにくすくす笑い、

「じゃあ、お言葉に甘えてもらっちゃおうかな。
前に魔術を教えてもらった分と合わせて、お礼させてね?」

そう言って、アイスティーのペットボトルを受け取った。
蓋を開けて、まずは一口飲んで、再度蓋を閉める。
…と、サリナの目が自分の読んでいた本に向けられているのを見れば

「こっちに流れ着いた異世界の人が、元いた世界の文化とこっちの…アメリカっていう国の文化の違いについて書いたエッセイなの。
…食べ物の恨みって怖いわよね。今までの章に比べると妙に詳しかったわ」

そう言って、悪戯っぽく肩をすくめた。

サリナ > 礼をさせて欲しいと言われれば、頷いてそれを受ける旨を示す。
自分も蓋を開けて中のスポーツドリンクを一口喉に流し込む。

「ほう、文化の違い、ですか。面白そうな内容ですね…
 食べ物の恨みとは一体どんなものなんです?農作物の窃盗犯に鞭打ちの刑でもするんですか?」

なんだか彼女は楽しげに話している。怖いのに楽しいものなのだろうか?

美澄 蘭 > お礼の話に頷いてもらえれば、

「良かった」

と、安心したように表情を緩めた。

「内容は割と軽いから読みやすいと思うわ。
気が向いたら、私が返した後に読んでみて?」

と、本の背表紙を見せる。『アメリカーおかしくも愛しい異世界』というタイトルが書かれていた。

「…で、今まで読んでたのは食文化の違いを書いた章だったんだけど…
よほどアメリカの食文化がショックだったみたいで、愚痴とか、問題点の指摘が、わざわざ調査を入れてまで詳しく書いてあるのよ」

凄い執念でしょう?と、おかしそうにくすくすと笑っている。

サリナ > おかしくも愛おしい異世界。こちらの者が言う所の『異世界人』がアメリカという『異世界』に宛てた題…。
私からしてみれば、この国、この世界の方が『異世界』である。そう言った点でその本の著者に共感を覚える所がある。

「…そのアメリカ、という国の食文化というのはそんなにとんでもないものなのですか?
 例えば、人肉を食べたり、虫を食べたり…そんなおぞましい食文化が…?
 ちょっと見せてもらえます?あ、虫とか出てくるようなページは見せないでいいです。」

もしそうだとしたら恐ろしい。恐ろし過ぎるアメリカ……

美澄 蘭 > 「………うーん、食にこだわりのある文化圏からするととんでもない、程度で、虫はほとんど出てこないわね。ましてや人肉なんて。

…とりあえず、見てみる?」

とりあえず、その章の冒頭を開いて見せてみる。
(一応、昆虫食の文化が「あるところにはある」点については、この場ではサリナにはあえて言及しない。必要がないからだ)

「どうしてそんなに」と思うほど大きくなっている食品パッケージ(当然、ハンバーガーなども触れられている)、レインボーカラーのケーキ、自然派高級路線の店じゃないとまとまった量の野菜が食べられない…

などなど、著者がショックを受けた内容がずらずらと並べられていた。

サリナ > 「見ます」
もうちょっとだけ近づいて横合いから本を眺める。

なるほど…さらっと流し読みした所で要約すると量が多くて野菜が少ない。カラフルなケーキはちょっと食べてみたい気もするが…
しかし、自分の感性と経験からするとそこまで変なようには思えない。むしろ量が多いのは歓迎したい所でもある。おいしければ、だが

「へえ、こんなに量があるとしばらく持ちそうですね。
 美澄さんはどうなんです?このアメリカという国の食文化というのは」

美澄 蘭 > 味については、『どれもこれも大味過ぎる』という記述が為されていた。
アメリカの食文化の問題か、元の世界で培った著者の味覚の問題か、その両方なのか。

「うーん…やっぱり、食事に彩りとかアクセントって必要だと思うのよね。
…量も、やっぱり人それぞれ適量があると思うし」

というわけで、蘭はアメリカの食文化にはさほど魅力を感じないらしかった。

サリナ > 「なるほど…しかし、このアメリカならず、この世界の食文化というのは些か恵まれているような気もします。
 私の居た世界、国ではこんな量の食事は祝い事か、大事な客人でも来ない限りはなかったですね…。
 それに、ですよ?よく聞いてください。

 …この世界の食べ物はおいしすぎじゃありませんか?」

この世界に来て初めて口にした食べ物があまりの美味しさに私は涙を流した事がある。
それだけに劣らず、この島では他にもおいしいものがあって、とても恵まれていると感じる。
私からしてみればこの本に載っている写真とかもおいしそうに見えるのだ。

美澄 蘭 > 「…まあ、全部の国が恵まれてるわけでもないけどね。
炭水化物の量だけなら、ここもアメリカも困らないのは変わらないかしら。

…料理は、まあ…食材を食べやすくして、栄養を摂りやすくするための手段だし?味付けのスタイルは文化次第だけど。
………私はこの世界で生まれ育ってるから、この世界が特別だって認識は、あんまりないけどね」

地球規模の格差の問題は、21世紀初頭の混乱を経てなお残ってしまった。
構造の問題で飢えに苦しむ人達はまだまだ存在する。
それでも、温暖な気候で水に恵まれた日本に近く、常世財団の権力に支えられた常世島は、概ね豊かだ。

蘭は、サリナが
『この世界が如何に食べ物に恵まれているか』
を熱を持って語る様子に、ちょっと驚いていた。

サリナ > 私が話していると、彼女が何か驚いた表情をしたような気がする。
何かそれがおかしくなってきて、少し笑う。笑いながら彼女の話にも耳を傾けた。
ああ、わかった。これが…

「…ふ、ふふ、これが食文化の違い、ですね。
 認識の違いというものを、私は疎ましく思っていた事もありますが、何故だか今は笑えます。
 ねえ、美澄さん。今から時間あります?もしよければ何か食べにいきましょう」

急に何か食べたくなった。誰かと、何かを食べたいのだ。
目の前の彼女の好きなもの、嫌いなものを知りたくなったし、私の好き嫌いも知ってほしくなった。

それはきっと、世界の違いという事実では図れない程に細かい、…言葉にすれば個人的なものに過ぎないけれど、
人は誰しも自分の世界というものをもっているのだから、きっと、その差異でも楽しいと私は思う。

美澄 蘭 > サリナがおかしそうに笑い出すのを見て、目を丸くしながらも。

「…食って生きる事の基本の1つだから、対立も多いと思ってたけど…
………まあ、「笑える」ってのは、悪い事じゃないのかしらね」

そう言って、蘭も少し笑った。

「そうね…まだ夕飯には早いけど、午後のお茶とお菓子の時間には丁度良いくらいかしら?」

サリナから提案を受ければ、ロビーの時計を見上げて、時間を確認する。

「予定は無いから、ゆっくりお茶しながらお喋りして…そうね、サリナさんが元いたところの食べ物の話とか、聞かせて?」

そう言って、楽しそうに笑った。

サリナ > 美澄さんの承諾も得た事だし、早速行こうと椅子から立ち上がる。

「…お茶しながらなら軽いものがいいですね。私の国の料理でよければお聞かせしましょう、
 美澄さんのも聞かせてくださいね?」
 
時計を見れば、間食にはいい時間かもしれない。
目的も決まった事だし、その場を後にした。

美澄 蘭 > サリナが立ち上がるのに合わせて、こちらも本に栞を挟み、ブリーフケースに仕舞ってから立ち上がった。

「そういえば、カフェテラスでこの間食べたオレンジタルトが美味しかったのよ。

…私の家の料理なら、文化はそこまでここと変わらないけど…
………家庭料理って別ジャンルかしら?」

そんな事を言いつつ、サリナに続いた。

ご案内:「ロビー」からサリナさんが去りました。
ご案内:「ロビー」から美澄 蘭さんが去りました。
ご案内:「ロビー」に相楽 満さんが現れました。
ご案内:「ロビー」に雪城 涼子さんが現れました。
相楽 満 > 「ふー、終わった……あ、ウーロン茶飲も」

自販機に手を伸ばして、お茶を購入。
缶を開け、ぐびっと一口飲んで一息つく。
病気が治ったのでいくつかの検査結果を提出したわけだが、やはり難病を治したというのは厄介な話だ。
この体で他に救えるものがあるかもしれない、そういう話に上の方が進めてくる。

「……まぁわかるけどさ」

ため息を一つ。

雪城 涼子 > 「……ふぅ」

ちょっと良いことがあってテンションが上がったのはいいけれど。
テンションを上げすぎて、ちょっと逆に疲れたりなんかする。
色々とやることも終わったのでロビーで休憩でもしよう。
ゆったりとした足取りでやってくる。

「ん……緑茶、かしらね」

そして、たどり着いた自販機の前でやや逡巡してから、掛け声っぽい名前のついたお茶を購入。
さて、これからどうしようかな。

相楽 満 > 「あ」

一口飲んで、ふとその姿を見つける。
そう、ちょっと前に話のネタになった。

「雪城さん」

名前と顔を憶えていた。

雪城 涼子 > 「え……」

名前……いや、正確には苗字を呼ばれた。
声の主を、と見てみれば……んん?知らない男の子……だよねえ。
あれ、何処かで会ってたっけ?
いや、ちょっと待って。ひょっとしたら別の雪城さんかもしれない。
そう思って、きょろきょろと見回すが他に人影はない。

「ひょっとして……私?」

そんなわけで、ちょっとだけ自信なさげに聞いてみることにする。

相楽 満 > 「ウッス、どうも初めまして」

にへら、とゆるい笑顔を浮かべる。
そしてぺこりとお辞儀。

「……雪城さんで間違いないッスよね?
 おんなじ一年の」

間違えたかな、と若干焦り気味に尋ねた。

雪城 涼子 > 「あ、うん。はじめまして。
 えっと、雪城で間違ってはないけれど……」

あれ、そうか。同じ一年生か……とすると、どこかで会ってるのかな……
うーん、流石に全員なんて覚えてなかった……
あれ、でも初めましてっていってるよね。
ということは、私が一方的に知られているってことだよね。

「えっと、ごめん。誰クンかな?
 初めまして、ってことだからはじめまして、でいいんだとは思うんだけれど……
 あれ、私なんかそんなに目立つことしてたりした?」

だとしたら、なんだか気恥ずかしい。

相楽 満 > 「あー、はい。
 同級生の相楽満って言います」

自己紹介を忘れていた、と頭を下げる。
おぼろげながら、同級生の顔はそれなりに把握している。

「えーと、ククル先生にはお世話んなってるのと……
 娘さんの雪城……氷架さん? とは少し知り合いで……
 あ、あとこないだヴォルフさんと少し話を。
 ……雪城さんに関しては、幽霊のお姉さんとかって噂で」

最後は声を小さくして囁く。
笑顔は崩れていないが、周囲への配慮だろうか。

雪城 涼子 > 「ああ、そうか。ひょーかちゃんとかと知り合いなのね。
 くくるんにお世話になってるっていうことは……保健課関係かしら?
 それに……あれ、ダァくんとも会ったのねえ。そっか、そっかあ……
 満くんね。よろしく。」

ああ、そうかそうか。なるほどな、と納得。
氷架ちゃんも順調に知り合いが増えているようで何よりだ。
……ん?

「え、ちょ。なに、それ。
 まさかそんな噂広がってるの……?」

ちょっとだけ青ざめた顔で聞く。

相楽 満 > 「や、ちょっと病気にかかってまして、ククル先生にはお世話になったんッス。
 もう治ったんですけど」

よろしくお願いします、と頭を下げて。

「……いえ、広がってないと思いますよ。
 少なくとも、全然話にはなってないッスから。
 俺がちょっと耳に入れたくらいですし。
 ……それとククル先生から、この話はあまりするなって言われてるんで、俺も言ってないッス」

笑顔を引っ込め、静かに、落ち着けるように言う。

「ぶっちゃけると、俺もなんで知ってるかわかんないくらいッス。
 ククル先生の話だと、この件はかなり気を付けてるみたいですから。
 ……今思えば……」

口を閉じる。
さて、自分でもわからないが、なんとなくわかっているような。

雪城 涼子 > 「ああ、そうだったのね。そっか、良くなったのなら良かったわねえ」

我がことのように、よかった、と微笑む。
どんな病かは知らないけれど、病に悩むよりは健康な方がいいに決まっている。

「ああ……それなら、よかったぁ……
 ごめんね、色々あって其のお話は秘密なのよ。」

噂、という程度で慌てているようでは秘密が守れているか怪しくは有るが。
ともかく、一応の念押しはした。
こういう細かいケアが大事なのだ、多分きっと。

「ん……えっと……?」

口を閉じられたところで、ちょっと気になった。
先を促すわけにもいかなさそうだし、さてどうしよう。

相楽 満 > 「ウス、ククル先生からも気を付けるように言われてます。
 ほかの人とこの件で何も話なんてしてないんで大丈夫ッス」

ふむ、と口元に指を当てて考え込む。

「……噂っつーか、多分雪城さん自身の声かもしれないッス。
 声……? いや、もっと根源的な……」

ぶつぶつ、呟く。
会って話してよくわかったが、噂で聞いたのではない。

この人自身の声で聴いた気がする。

「……スンマセン、ちょっと説明しにくいんス。
 俺もよくわかんないんですよ、なんで知ってるか。
 でも多分……誰かから聞いた、ってことは無い、と……思います」

ひどく曖昧な言葉を紡ぎ続ける。
不信感を感じるかもしれないが、嘘をつかずに説明しようとしてしまうと、こんな伝え方しかできない。

雪城 涼子 > 「ん、それなら安心かな。
 それにしても、私も雪城さんでひょーかちゃんも雪城さんだとややこしそうね。
 一応、改めて……雪城涼子と申します。よろしくね。」

そういって、ぺこり、と頭を下げる。

「ん……いいよ、多分感覚的なものなんだね。
 勘……というと、またちょっと違うんだろうけれど……
 ひょっとして、それがキミの異能だったりするのかな?
 ……っと、ごめんね。別に詮索するつもりはないんだけれども。」

初対面の相手だし、細かいプロフィールなど知るわけもない。
だから思わず口にしてしまったわけだが、少々不躾な質問だったかもしれない。
しかし、言ってしまったものは消せないので、まずは謝る。

相楽 満 > 「あー、えっと……はい。
 じゃあ涼子さん、で」

へら、とまた笑顔になった。

「や、実は異能はただのすげーパワー出せるだけのものなんスけどね。
 だから多分違うような……」

この通り、と飲み干し……てないお茶の缶を思い切り握りつぶす。
当然お茶が思いっきり溢れてきて大慌てで残りのお茶を飲んだ。

「あぁいや、俺の方こそスンマセン。
 内緒にしてるはずの話しちゃって」

ぺこぺこ、何度も頭を下げる。

雪城 涼子 > 「うん、それでいいよ。」

笑顔に満足したのか、こちらも微笑む。

「わっ、すごいな……んー、そっか。力持ちさんなんだねえ……
 でもなあ……私のこれを見破る、っていうのもちょっと違うけれど、分かるのって普通の感覚じゃないはずなんだよね。
 なにしろ、ほら。」

そういって、自分の持っているお茶を見せる。
ごく当たり前に持っているだけだ。
全く違和感のない普通の光景。
しかし、もしこれが幽霊であるなら……異常でしかない。

「見ての通り、普通の人間として暮らしてるからね?
 だから、そうだなあ。異能じゃないにしても、ちょっとなんだか鋭いモノを持ってるんじゃないかな。
 ダァくんに会ったって話だし、ダァくんに聞ければ何か学者さんらしい意見をくれるかもしれないけれどね。
 っと、そんな謝らなくていいよ。他の人に話して回ってるわけじゃないでしょう?」

慌てて頭をあげるように促す。
別に誰かに触れ回っていなければ大して問題にはならない。

「私に話す分には別に支障ないし。
 ああでも、ひょーかちゃんの方には話題に挙げないでおいてもらえると助かるかな」

ご案内:「ロビー」にアリスさんが現れました。
相楽 満 > 「……そうッスよねぇ。
 はたから見てても、今見ても人間にしか見えないッスから」

頭を上げてこくこくと頷く。
正常な感性というべきか。

「んー、そうッスねぇ……
 こないだ採血とかしてもらったっぽいんで、また聞いてみます。
 変な能力じゃなきゃいいんスけどね……」

ぐむむ、と考え込む。
ここ最近で、異能を含めて自分の力に関して悩むことが多い。

「あ、はい、それはもう。
 あの子が近くにいるときは話しません」

他にも話してないし、と付け加えた。
真面目。

アリス > 抜き足差し足忍び足、夜中のロビーにこっそり侵入。

いざという時のダンボールも折りたたんで持ち歩いて。
教師の誰かに見つかるとお説教になりそうだしスネークグッズは必須です。

でも、入り口で声が聞こえていて…そっと覗きこむ。教師だと危ないけど、どうだろう。話し声がしているから、どっちも老けてなければ生徒の方でいーのかもだけど。

こっそり入り口の影でひょこり。

雪城 涼子 > 「まあ、わかってるからざっくり説明しちゃうと……
 これが今の私の異能、なんだよね。
 幽霊から人間に変わる……っていうとちょっと細かい所が違うけれど、そんな感じ。
 だから、今は厳密には普通に人間なんだ。
 つまり人間にしか見えないっていうか、人間だから当然、ってこと。」

難しいことは説明しづらいけどね、と苦笑する。
逆に言えば、本来見ただけ、聞いただけでは分かるはずがないのである。

「ああ、なに。ダァくん、そこまでしたのね。
 本当、研究熱心っていうか……あはは。
 そうね、今度会うときはある程度答えが出てるかもしれないわね。」

なるほどなー、と感心した声をあげる。
やや嬉しそうな響きが混じっているのに気がつくかもしれない。

「ん、ごめんね。よろしくね」

うん、真面目でいい子らしいな、と。微笑ましくなる。

相楽 満 > 「……なんかこう、不思議な異能ッスね。
 にしても異能って、その人に本当に合ったもんが発言するもんスねー。
 便利というかなんというか」

はー、と感心したように呟く。

「はい、んでまぁいろいろ話してもらえて……
 調べてもらえるそうッス。
 もっとしっかり異能を知ることが大事だーって。
 すげー研究者さんッスね」

にへら、と笑った。
この人と旦那さんは本当に仲がいいんだろう、嬉しそうにしている。

ついでに。
ふ、と入口の方に目を向けた。
くしゃり、アルミ缶をさらに握りつぶした。
なんかもう丸いアルミの塊みたいになってる。

アリス > お、ぉ?とりあえず逢引ーって感じにも見えるけど、教師って感じじゃーなさそー。

それよりさっき聞いた事ですよ私っ。
幽霊から人間に変わる?……色々妄想が捗る何かを知りました。
これはいいネタです。ふふふ、同人誌のネタがアレだけじゃあもったいないし、こっちも…

…不思議な異能に研究者ー?…ふむふむ、って、こっち気付かれた?

「にゃー」

…ごまかせないデスネ。それに何かの塊が出ないと握りつぶすぞみたいな…そろりそろりと入り口の影からでまして。折りたたんだダンボール小脇に挟んでゆっくりとロビーの中へ。

「こ、こんばんはー」

恐る恐る笑顔で盗み聞きをごまかそうと試みる。

雪城 涼子 > 「あはは、そこはまた色々とややこしい話があるんだけれど……
 説明するとまた面倒くさいというか、私自身も細かいことはよく分かってないんだよねえ。
 まあでも、あって嬉しくない異能、みたいなのもあるみたいだし……そこは人それぞれ、じゃないかなあ本当に」

いいながら、苦笑する。
特に一番身近な人物こそ、欲しくて手にしたものではないだろう。
それを思うと、胸が痛くなる。

「ふふふ、そうでしょう。
 異能の研究をずっとしてきたんだって。」

凄い、と言われればとても嬉しそうな笑顔を浮かべる。
短い間でみせた中でもとびきりである。

「ん、どうしたの……って、あら。
 こんばんは」

満の視線と、本人の紹介でようやく第三者の存在に気がつく。

相楽 満 > 「……そーッスね。
 人それぞれ、かな」

笑みを浮かべた。
少なくとも、自分はそれで救われたし、自分の足で立つ嬉しさを知れた。
対照的な表情だ。

「こんばんわ。
 こんな時間だし不審者かと思ったじゃん。
 一瞬臨戦態勢入っちまったよ」

ほふ、と肩を下ろす。
ひらひら手を振ってみせる。

アリス > 「あー、それは失礼しましたー。
先生に見つかると帰りなさいーってなったりお説教もありそうだから、ちょっと様子を見ちゃってて」

ほっと表情緩めて手を振り返す。

「ところでー、聞こえちゃいましたけれど…あ、初めまして、一年のアリスです、よろしくです」

ちょっと気分が楽になって自己紹介。口が滑りかけたけど流しとこうか。

雪城 涼子 > 「うん、人それぞれ。
 満くんにとってはいい出会いだったみたいだから、それはよかったね。」

自分はといえば……不幸なのか幸福なのか、いまいちわからない。
なにしろ、救われた面もあれば全く報われていない面がある。

「初めまして、アリスさん。
 ……って、あれ。聞こえちゃってたの?」

挨拶をされれば挨拶を返すのは礼儀……と、あれ。
口を滑らしたことは聞き流せなかったので、問いただす。
聞き耳をたてるかなにかしなければ聞こえないはず、というのは頭にはなかったけれど。

相楽 満 > 「はい。まぁ……
 おかげで車椅子生活から脱却してますしね。
 今思えば、今生きてんのも異能のおかげな気がしますし」

にっこり笑顔。

「……聞いてた?
 んー……どうします涼子さん、始末しますか」

急に芝居みたいな声色で、シュッシュッとシャドーボクシング。
もちろん本気でそんなことするつもりはないのだろう、終始笑顔のままだが。

アリス > 「…初めまして、えへ、まぁ。」

誤魔化せませんでした。どうしましょー。
笑顔でちょびっと後ずさり。

「え、しま……、いやそれ車椅子で生活してた人のセリフとかじゃないですよねっ!」

じょ、冗談なのかどうなのか解りづらい。笑顔でヤれる人なのかもしれない、秘密っぽいし。

し、仕方ない、切り札を全力全開で置く?1時間位かかるっけあれ。あ、やばい間に合わないと笑顔で冷や汗たらたら。

せ、設置。