2016/05/06 のログ
セシル > あまり目立たないように静かに力を籠めたはずだったが、少し音が立ってしまっただろうか。
少し心配したが、教師が穏やかな表情を崩さないので、内心安堵に胸を下ろす。

(猫を被るつもりはないが、不信感を抱かれたくもないからな…
………しかしあの生徒、何のつもりだったのだ?よりによって、座学の授業で闘気を放つなど…)

そう考えていると、他の生徒が挙手して質問をしている。

(…魔術を使わない「魔法剣」か…興味深い分類だが、"氣"とやらはともかく、私の異能は剣術には使えても剣に宿せるものではないし、知識として入れておく程度で構わんか)

質問はないかと聞かれれば、少し思案した後、挙手をする。
もし指されれば、

「魔力測定は中間試験時とのことですが、術系統の確認の後に行うのは、どのような理由によるものでしょうか?」

と尋ねるだろう。
セシルの「魔法剣」が魔力の存在を前提にしているというのもあるが、魔力の存在自体が、術適性に大きく関わりはしないだろうかという懸念からだ。

陽実 凛 > 老教師は恐らく、解った上で止めてないのでしょう、と教師を持ち上げて見る姿勢。

『・魔術を使わない魔法剣
気 異能をまとわせる魔法剣

この授業の技術の魔法剣の魔法は能力と言いかえられる。』

ノートに書き込んで、ふと、革手袋を嵌めたままの両手を見た。
質問はあるにはあったが、少し考えて聞いてしまおう、と挙手する。

かなり遅れた為指される事は無さそうだけれど、指されれば

「異能を纏わせる、と言う段階はこの授業で行いますか?
行う場合は異能の申請が必要ですか?」

と質問する。
もしそれが可能だった場合、自分の異能は、発動しているか確認する方法そのものが危険。
もしくは金銭面の支出が大きくなる。異能に関しては個々の性質の差も大きいから、危うい気がした。

士尺 流雲齋 > 質問にはできるだけ答えよう。
もっとも、この序盤ではそう多くはないだろうが。
まずは、風紀委員の制服を着、腰に双剣を提げた少年?を当て、質問に答えた。

「ふむ、もっともな疑問じゃの。
魔力測定。色々項目はあるが、少なくとも去年やった内容を参考にすると。
出力値。精度。最大魔力量。この3つかの?」

過去の試験内容を思い出し、ホワイトボードに書き加える。

「それで、術系統が魔力測定よりも先に来る理由、じゃったかな。
近年は魔法技術も発展しての、生来の出力、最大魔力量が低くても、
補助魔法を駆使し、あるいは魔道具を助けとすることで、
それなりに結果を出せるようになってきておる。複雑なものはまだ厳しいじゃろうがな。
しかし、系統というのはなかなか、先天性もあるし、性格も出るわで難しくてのう。
判明した系統が、当初自分で思っていたのと違う、なんて者も出るくらいじゃ。じゃからの、これはなるべく早いほうがいいと判断したわけなんじゃよ」

もちろん、と付け足す。

「系統が既に判明していて、あとは鍛えるだけだ、というのだとまた変わってくるがの。
一つの目安じゃ、全員この通りにせよ、というのではないよ」

次に、制服にジーンズの少女を指し、投げかけられた質問に、ふうむ……と唸る。

「やはり、その辺りも気になるかのう。
基本的に、この“魔法剣”で扱うのは当初の説明通り、魔法を使った剣術。あるいは芸能。
異能関係は、また別の授業になるかの。希望者が一定数居ればやるんじゃが」

老人はいったん言葉を置いて、じっと質問者の少女を見る。

「その場合は別に、異能学を受けるなりなんなりして、能力をしっかり安定化させる訓練をする必要があるのう。
何しろ、すべての異能が魔法剣に応用できるとは限らん。本人の意向と関係なく発動する、本人の制御を離れる能力も、世の中にはあるでの」

セシル > 「ここで講義の対象となる「魔法剣」は多岐にわたる上、魔力の量や出力の低さを補う手段もあるため、初学者は特に系統の見極めが優先される、という理解でよろしいでしょうか。

…自分の系統と改めて向き合う、というのも良い機会だと思えます。ありがとうございました」

風紀委員の制服を着た中性的な人物は、太く強い、それでいて中性的な声音でそう言って、軽く頭を下げた。
身体の使い方を「気」の流れのようなものを使って見ることが出来る者であれば、その声が「意識して」発生した胸声…つまり、「作られた」声であることに思い至るかもしれない。

そして、自分の次に質問した、件の闘気の発信元たる少女の質問への答え。

(…そういえば、この世界では異能の探究も、魔術の探究も発展段階なのだったか)

慎重な教師の物言いに、こちらは納得している様子。

陽実 凛 > 先に当てられた…少年かっこはてなな改造制服っぽいものを着た人。
先の音の位置だったかと振り返って見れば、何か違和感を感じる。

違和感を確かめようと目に力を込めるには質問への謝辞も終えた後で遅かった。

『魔力の量は補えるが、系統は資質が重要で、早期の見極めが必要になる。
後天的な要素はわからない』

軽く書き込み、続いて自分の質問。

「あくまで、扱いやすい魔法で、扱えない物や扱いづらい物もある異能を外に出して扱う事は、異能そのものの扱いに熟達してからなのですね。
わかりました、ありがとうございます。」

『魔法は初級者でも扱いやすい、と判断する材料』

と頭を下げてから、回答とやり取りに付記し。
大きく息を吐いて安堵した様子を見せた。

士尺 流雲齋 > 「うむ、さらりとやっただけじゃが、皆頭の回転が速くて。
爺の戯言をうまくくみ取ってくれて助かるのう」

冗談のように話し、老人はからからと笑う。

聞けば先ほどの中性的な風紀委員は、よく通る太い声だ。
だが、男声としてはどこか不自然な、そう、女性だけが出演する演劇等でよく聞くような声に似ている感じがした。
無意識に氣の流れを集中すれば、発声に若干の無理が見えるような気がする。

(……まあ、人間、いろいろ事情を抱えているものじゃし、余計な詮索は無粋というやつじゃな)

年齢や性別まで変化する可能性をもつ、身体操術を知る身としては、それほど気にはならなかった。
それよりも、回答に安堵したのか、大きく息を吐いて緊張を解いた制服ジーンズの少女。

(よほど心配事でもあったんじゃろうか、自分の能力が扱いづらい異能であったとか。
まさか、の)

まだ見学段階なので何とも言えないが。
もし教え続けることがあれば、異能を使った魔法剣の講義タイミングは慎重に考えたほうがいいか、と結論付けた。
あらためて時計を見、それから生徒たちを見回す。

「さて。
五月の陽気で睡魔と激闘して居る者もおるじゃろうから、今日のところはこの辺りにしようかの。
皆、お疲れ様じゃよ。質問したりない場合は、休憩時間にでも個別にの?」

教本をぱたんと閉じて、教壇に直立する。
と、ちょうど時間終了を告げるチャイムが鳴り、何人かの生徒たちが席を立ち始めた。
見ると、中にはテーブルに突っ伏し、そのまま夢の世界へ旅立たんとしている生徒もいる。

セシル > 先ほど、授業の中で闘気を放つという蛮行を見せたとは思えない、安堵の様子。

(…早く異能を纏わせる術でも身につけたいのかと思ったが…逆、か?)

少しちぐはぐな印象を受けるが…何か、異能の行使に関して心配事でも抱えていたのかもしれない。

(その割には随分思い切ったことをしていたが…まあ、彼女の異能が何か問題を起こすとかでなければ、特に注意をすることもないか)

少女に対する不審の念を少し和らげたところで、授業終了を告げるチャイムが鳴った。

「…よし」

授業の流れの確認も出来た。セシルも、何人かの生徒に倣い、夢の世界へ旅立たんとする生徒を横目に席を立つ。

特に呼び止められなければ、空き時間を訓練施設で過ごすために出口へ向かうだろう。

陽実 凛 > チャイムが鳴る。
少々、心配事はあったものの、授業を受けても大丈夫そう、という印象を持てた。

それに、と後ろを振り返り、位置関係をざっとチェックして、音の位置に合った中で見繕った生徒の特徴を手早く書き込み。

お疲れ様でした、と老教師に頭を下げ。
老教師には後ほど、として先程の生徒の中で話しかけられそうな人物を目で探す。

風紀委員の制服を知らず、改造制服だと思っていた為、二の足を踏み、切っ掛けを失って見送る。
風紀委員を何かのちょい悪系グループと言う誤解をしたまま。
そして教室を出て行く。


後ほど老教師の授業を受講申請する際に、こんな一文が添えられる。
『自分の会得した武技は手加減があまり出来ない為、相手をできそうな人の特徴をまとめておきました。』

例の音の反応の特徴ノートのコピーもそれに添えられていた。

セシル > 女子制服にジャージの、件の少女と視線が一瞬絡んだような気もしたが、相手が声をかけてくるわけでもないので、とりあえずいいか、と考え。
教室から出る際に教師たる老人に軽く会釈をしてから、軽やかな足取りで教室を後にしていった。

少女や、教師に生じたわずかな誤解に、気付かぬまま。

ご案内:「教室」からセシルさんが去りました。
ご案内:「教室」から陽実 凛さんが去りました。
士尺 流雲齋 > 固めのスポンジで、シャカシャカとホワイトボードを拭き、書いていたものを消す。
時折、挨拶をしていく生徒たちににこにこしながら会釈を返し、さて、と教本を抱えた。

こつ、かつ、と杖をつく。
からん、ころん、と下駄を鳴らして歩く。

「ほれ、寝るのは良いがお主、次の時間に遅れないようにするんじゃぞ」

途中で突っ伏している生徒に声をかけて。


──後日、講義申請の書類を眺めて、ほうと息を吐く爺の姿があった。
(ふうむ、これは組手の申請かのう。相手のそれなりにやるようじゃし、
一つの要望として、考えておくとしようかの)

ご案内:「教室」から士尺 流雲齋さんが去りました。
ご案内:「職員室」に照夜さんが現れました。
照夜 > 「ふぅ」
講義がおわり、余ったプリントなどを机においてため息。
コップをもって給湯室にいき、お茶をいれる。
お茶に好みはないが、美味しいお茶は飲みたいため、照夜の机にはいつも質の良い緑茶の茶葉が置いてある。

照夜 > お茶を入れ終わると机に戻り、休憩タイム。
古典――おもに、神道の本を片手に持ち、お茶請けに用意したお菓子、くずもちをたまに口に入れ、苦い緑茶で喉を潤す。
(……おちゃうめ)

ご案内:「職員室」に来島さいこさんが現れました。
来島さいこ >  「ふぇー……」

 白い体操服に丈の短い短パンを穿いた少女。
 これは教師だと知らなければ生徒と見紛うような装いの少女が職員室の戸を開ける。

「うぅ、へとへと……
 でも、あれくらい厳しくないとダメなのかなぁ……。」

 そのまま自分の座席に座り、机に身体をだらしなく放る。
 甘さに少しのすっぱさが残るような、少女の汗香が少々漂うだろうか。

照夜 > 扉の開く音に気付き、そちらに目を向ければ生徒……ではなく、教師のさいこ先生の姿。
体育のあとだろうか。鼻腔を刺激する匂いを感じる。

(……別にいいけど)
その思考は匂いに対するものではなく、さいこ先生への姿に対する考え。
こういう教師は生徒受けがいいだろうな、と思いつつ席を立ち、給湯室へ行き冷たいお茶を出し、さいこ先生のほうへもっていく。

「どうも、お疲れ様です」

さいこ先生の首につめたいペットボトルを当てようとしてみる。

来島さいこ > 「ひぅっ!?」
来島さいこ >  
 ――首筋に冷たいペットボトルを当てられて職員室の外まで響き渡る黄色い悲鳴。
 驚きのあまり背筋を伸ばしてバランスを崩せば、椅子ごと転げ落ちた。

「ぁ、っぅう……あ、葛綺先生……」

照夜 > 「おっ」

予想外の大声にこちらも驚きを表す。
そして転げ落ちているさいこ先生を見下ろす。

「あー……すいません。大丈夫ですか?」

手を差し出し、立ち上がるのを手助けしようとする。

来島さいこ > 「あ、はい……」

 教員同士では一応は言葉を整える。
 大抵途中で乱れるが、それでもスタンスとして最初だけでも畏まるべきだろうとの自覚はある。

「もう、驚いちゃいますよ。葛綺先生……」

 むぅ、と、困りと叱りを混ぜて頬を膨らませる。
 差し出された手を取り立ち上がる。……至近で見れば、白地を透けて下着が透けて見える。
 特筆すべき汗っかきでないのなら、懸命に携わった痕か。

ご案内:「職員室」に雪城 括流さんが現れました。
照夜 > 「はっはっは、まさかそこまで驚くとは思わず。
次々回は気をつけるようにしましょう」

さらっと次回もやるといいつつ。
視線は胸部のほうをやる。
いやらしい視線をやっているわけではないが、そういう下着つけてるのか、程度に考えている。

雪城 括流 > 別の入り口から少女姿の括流がからからから…と入ってこようとする。

が、なにやらいい感じの二人の様子に視線を合わせて目をぱちくりとさせ。
「・・・いいところにお邪魔だった?」
と呟いて半目ですすす…と扉の影に半分隠れた。

照夜 > 「……いやいやいや」

入ってきた教師、くくる先生を見やる。
まるで、家政婦はみちゃった、みたいな格好をしている彼女に手を軽く振り。

「職員室での逢引はそそるものがありますけど、そういうのじゃないですよ」

来島さいこ > 「ち、ちがうよぉ!!」

 強めの声で発して否定する。
 雪城 括流――私の夫である来島宗仁が強く意識していた雪城涼子の身内にあたる子だ。
 詳しい家庭事情は聴いていないけれど、その位は知っているし、顔はそれなりに合わせている。

「括流ちゃんでもひどい冗談だよぉ……もう。」

雪城 括流 > 「格好が格好だったからつい…ごめん。上着貸そうか?」

軽く謝りながらあらためてちゃんと入室してくる。
そして、ちょいちょい、と透けた下着を指差しながら。

「だろうとは思ったけどね。照夜せんせ、あんまりがつがつした視線してなかったし…もしかしていいひとでもいる?」

二人の間に割り込むように移動しながら、じーっと見つめて尋ねる。

照夜 > 「さぁ、どうでしょうか。
もしかしたら女性には興味がないだけかもしれませんね」

じーっとみてくるくくる先生に、笑顔で答える。
誤解を承知で、笑っている。

来島さいこ > 「ぁ」

 透けた下着。
 桃色のそれを慌てて胸で隠す。
 そういえば生徒の視線がいつもより多かったような―― 

「え、えっと、すぐに着替えるつもりだったけど……
 ……え、照夜さんって、もしかしてそっちの………」

 顔を真っ赤にして頷く。差し出されれば受け取っただろう。
 ……疑惑は真面目に受けた。

雪城 括流 > 「そう言う感じはしないけど、そういうことにしておこうか。
…本気だったらちょっと付き合い方考えたくなるかな。」

信じてはいないようだが、何かを思い出したような様子で表情を歪めて一歩後ずさる。
さいこせんせには言ったとおりに上着を脱いで渡す。返さなくていい、というようにひらひらを手を振って。

「照夜せんせはああ言ってるけど、来島くんになんて言うかちょっと迷っちゃうから。
…秘密にしておいたほうがいいよね。」

そう言うと苦笑してそっと指先を己の唇に当てた。

来島さいこ >  受け取った直後、
 すん、と臭いを嗅ぐ仕草。無意識のものであるが――性癖なのかもしれない。
 
「うふふ、そうだね。
 変に伝わったら、照夜さんの実家に火炎瓶もって殴り込みにきちゃうかも。」

 目を細めて浮かべるはかつての騒動。
 あれで区切りのついた話で、私はもう忌まわしい過去とは決別出来たと思っている。
 故に抱くは、かっこいい旦那の姿。美化されている。

照夜 > 「冗談ですけどね」

またさらっといっておき。

「うちに殴りこみするのは別にいいですけど……。
そこまでするって、さいこ先生のいい人ですか?来島先生は」

来島さいこ > 「うんっ!
 とっても素敵な人だよ。へへ……」

 流れも読まずに蕩けて惚気て見せる。
 これが新婚の勢いか、と思わせる初々しさだろう。

雪城 括流 > 「火炎瓶はさすがに…?拳は唸りを上げそうだけど。」

匂いをかぐ様子に、不思議そうに首をかしげる。

「冗談ならよかった。そうだよ、気になる?」
さいこせんせの惚気ている様子に答えなくても丸分かりだけどね、といった視線をむけつつ。

照夜 > 「……」

うわ、めっちゃ惚気られてる、みたいな顔でさいこ先生をみる。
実に嫌そうな顔だ。

「まぁ、さいこ先生は美人ですから。
色々と気になったりはしますね。
どういう経緯があってそうなったか、とか」

コイバナは嫌いじゃない。
他人のを聞く限りは、面白いと思う。
ただし惚気は勘弁な、というかんじで。

来島さいこ > 「うふふ。それは秘密。」

 色々と急すぎるものだし、
 この幸せがいつまで続くかはわからない。
 それでもそれまでは幸せであろう、とは思う。

「そうかなあ……?」

 ……イメージがやや誇張されているのだろう。
 括流と同じように、首を傾げた。

雪城 括流 > 「へえ、美人とか言うんだ。
来島くんのことがそう言う意味で気になる、ってわけじゃない?」

なにか含みのありそうな笑みで、ちろりと二又の舌を出す。
何かそう言うジェスチャーもこっそりさいこせんせに見えない位置で出したりもするかもしれない。

「何事も全力な印象はあるけどね。あれで結構繊細なはずだよ。
…と、あんまり言い過ぎると惚気の手伝いになっちゃうか。」

口を閉じるようにして、てをぱたぱたとはためかせる。話題を変えようとえーと…と何か考えているようだ。

照夜 > 「そういえば、さいこ先生は指輪されてないんですか?
結婚されているのでしょう?来島先生と」
左手を見て、そんな疑問をなげかける。
それとも、まだ結婚はしていないのだろうか。

くくる先生のジェスチャーには肩をすくめ、なにも言わない。
「美人な人は美人って素直に評しますけどね。
くくる先生も美人……というか綺麗ですし。
そういう相手はいないんですか?」
ちょっと話題を変え、そっちへもっていく。

来島さいこ > 「結婚してなかったら狙っちゃう? うふふ。 だめだよ?」

 その辺りはくだらないこととそうでないことの両面でややっこしいこともあり、
 迂闊に話すべきではないだろう――と、誤魔化すことに決めて笑う。
 勘違いでなければ法的には結んだはずだが――いずれにせよ、ちょこん、と小突くだろうか。

「繊細なのは分かってるかも。あのことがなければ……うぅん。」

雪城 括流 > 「素直なのはいいことだけど、タイミングと言うものがあるからね。
褒め言葉として受け取っておくけど、例えば照夜せんせが『男には興味ないけど、格好いいと思う。』って言われたらどうかな。」

逆に問いかけてみながら、肩をすくめて目を閉じ、首を振って見せる。

「いない、ともいえるしいる、ともいえるかな。照夜せんせが正直に答えてくれてたなら、考えたんだけど。」
ふふん、とどこか妖艶に微笑んでみせる。二人揃って誘ってるみたいな感じに…?

「考えすぎないほうがいいよ。今が十分幸せなんじゃない?
とりあえず話し込んじゃってるから、汗くらいは拭いたほうがいいと思う。」

タオルはある?と尋ねてみる。なければ何処かから取り出すかもしれない。

照夜 > 「私が狙うよりも先に、生徒達がこぞってさいこ先生を狙いそうですけどね。
今日もきっと、さいこ先生を狙った男子生徒たちがたくさんいたでしょうに」
HAHAHA、と下着の件を蒸し返す。

「む……」
くくる先生の逆問いに、ちょっと困ったような顔をする。
それはたしかに、と思いちょっと反省する。
「おや、じゃあいまから正直に答えたら答えてくれます?くくる先生」
なんて、わらう。

来島さいこ > 「んもう、そんなことはないと思うけれど……
 ……あ、う、うん。そうだよね。」

 恥ずかしながら小首を振る。
 持っていないから取り出されるのだろう。とは言え、それを受け取らずに首を振る。

「更衣室にはあるから、ちょっと着替えてきちゃうね。
 早く着替えた方が臭いもつかないし……」

 そう言ってから、ゆっくり立ち上がる。
 ぬるくなったペットボトルを置いたまま、その場を立ち去るだろうか。

「それじゃあ、またねっ」

ご案内:「職員室」から来島さいこさんが去りました。
雪城 括流 > 「褒め言葉でも時と場合を考えないと、乙女心は難しいからね。
正直に教えてもらえるなら答えないといけないか。そう言う”契約”だと言うのなら、ちゃんとするよ。」

じっ…とその瞳、ニンゲンのものではない瞳孔で照夜せんせのほうをじっとみる。口元だけは笑っているが・・・。

「またね。…あのまま職員室に来たのは、用があったんじゃなかったのかな。」

さいこせんせを見送って手を軽く振ってから、不思議そうに呟く。
照夜せんせのほうをふりむいて、何か知らないかといいたげな表情も向けて。

照夜 > 「いってらっしゃい、さいこ先生」
立ち去る背に、軽く手を振る。

「ええ、まったく。勉強になります。
乙女心は何年生きても難しくて、いつも勉強になります」
ちょっとふう、とため息をつき。
「”契約”で縛るつもりはありませんよ。
それに、くくる先生は優しい方ですから、きっと”契約”を結ばなくても正直に話してくださるでしょうし」
ちょっと意地の悪いことを言ってみる。
目のことはあえて言わず。ただ、照夜も口元は笑いつつも、目は笑っていない。

「……あのまま職員室にきたのは、休憩じゃないですかね。
服が透けてるなんて思ってなかったんでしょう」
くくる先生の視線に、流石にしらない、といったふうにこたえる。

雪城 括流 > 「優しい?一応ありがとう。でも対価のように聞かれちゃったら正直に話しづらいよ。
照夜せんせならそのあたりきちんとしてそうだと思ったんだけど。」

おほほ、と笑ってみせる。

「そのまま来たみたいだったから、そうかな。
私もちょっと取りに来た資料があったんだった。…お茶、冷めてない?」

そう指摘するとひとこと断ってから、くくる自身の机に用事を済ませに向かう。

照夜 > 「……きちんとしてるように見えます?」
ちょっと意外だったのか。
おもわずそんなことを聞き返してしまう。

「ああ、もうお茶冷めてますね。
さいこ先生に渡したお茶もぬるくなってるだろうし。
入れなおすか……。くくる先生は、お茶要ります?」
自分のコップと、さいこ先生の机のペットボトルをもって給湯室に行こうとする。

雪城 括流 > 「そっち側に寄りすぎて、当たり前のことが胡乱になってるように見えるかな。
ただこちらの慣習について詳しくないから、当たってないかもしれないね。」

さっきみたいに、とだけ付け加えてこの言葉で一泡吹かせたような様子に自嘲気味に苦笑する。

「あ、じゃあ白湯のほうがうれしい。茶漬けになっちゃうからね。」

飲むんじゃないのか、という答えを給湯室に向かう照夜せんせの背中に投げかけながら、
じーっとテーブルの上のくずもちを見つめていた、かもしれない。

照夜 > 「…………」
困ったように頬をかきながら給湯室にいく。
ペットボトルは冷蔵庫に。
新しい茶葉で自分用にお茶を。
ついで、くくる先生用に白湯を。
なお、さっき入れていたお茶は勿論捨てている。

お茶を入れ終わるとお盆に載せて戻ってくる。

照夜 > 「…………」
戻ったら、小さな蛇がいました。

雪城 括流 > 戻ってきた照夜せんせにはっ、となる蛇姿のくくる。
その口にはくずもちが咥えられていて。

「・・・・・・・。(あぐあぐ(汗」

しばらく見詰め合ったのち、すぃー…っと視線を逸らす。
なんかこう、つい卵見たいな見た目に釣られて…しゅるしゅるとそのまま物陰に隠れて言った。

ご案内:「職員室」から雪城 括流さんが去りました。
照夜 > 「……」
しばし思考し、導き出す結論。

「そういえば、蛇は食べた事ないな」

盆を置き、そっと袖から短刀を取り出し、とことこと歩き出した。

そして職員室に誰も居なくなった。
お茶は再びぬるくなっただろう。

ご案内:「職員室」から照夜さんが去りました。
ご案内:「ロビー」に獅南蒼二さんが現れました。
獅南蒼二 > 相変わらず顔色の悪い魔術学教師は、余暇を含め殆どの時間を自らの研究室と生徒たちの待つ教室で過ごしている。
世間的には連休であったようだが、彼に何か変化があったかと言えば、
どこで拾ってきたのか、小難しい哲学に関する本を眺めている、と、それくらいのものだった。

魔術学の研究に行き詰った結果なのだが、気分転換として選ぶ図書がそれでいいのか、それは誰にも分からない。

あえて人通りの少ない奥のロビーを選び、缶コーヒーをテーブルに置いて静かに本のページをめくる。

獅南蒼二 > 曰く、正義とは何か。平等とは何か。

それこそ、掃いて捨てるほどある哲学書の中の1冊である。
別段興味深い内容のものではないし、特筆すべき美文でもない。

要は思考のリズムを変えたかった、それだけの理由に過ぎない。
彼は世界の根本原理について思いに耽るほど哲学的な男ではないが、
それを嘲笑するほど傲慢な男でもなかった。

獅南蒼二 > 努力によって得た力と、生まれ持った、もしくは先天的に得た力。
獅南の論理に合わせ、前者を魔術学や既存の科学として、後者を異能とする。

その両者にはいかほどの差があるのだろうか。

これは、人類の歴史と切り離せぬ身分制度に近いものがある。
前者は近代の資本主義社会であり、後者は古代の奴隷制、もしくは封建社会である。

資本主義社会では、建前上、生まれ、血筋に関係なく、全ての人間に富を築くチャンスが存在している。
無論、両親の職業、血筋、経済状況その他、人生を左右しうる要素はいくらでも存在するから、完全なる平等とは言えない。
だが、封建社会では、選ばれた特権階級以外の人間にはそもそも、富を築く可能性そのものが存在していない。

獅南蒼二 > 獅南の理想は言うまでもなく前者が優勢となる社会である。
無論、その理想に矛盾や欠陥があることは承知の上だ。
前述のとおり資本主義社会に欠陥が存在するのと同様、魔術学にも“才能”という大きな壁が存在する。

彼の思惑通りに魔術学の発展によって社会が大きな転換を迎えたと仮定すれば、
その“才能”の有無が人生を左右するということにもなりかねない。
それでは本末転倒ではないかと、嘲笑する者も多いだろう。

そしてその指摘は、全く正しい。

獅南蒼二 > 獅南自身、魔術的な才能には恵まれなかった。
単純な魔力内包量や出力では、成績が“可”の生徒にも及ばない。
どれほど努力をしたところで、その雲泥万里の差を埋める事はかなわない。

だが、それでいい。

努力に対し必ずしも報酬が齎されるなどということは、絶対にありえない。
それは近代社会においても、同様であった。

重要な事は、万に一つ、億に一つであるかもしれないが、
“可能性”が存在していることだ。
それを追い求める自由が、残されていることだ。

獅南蒼二 > その理想は、異能にも魔術にも恵まれなかったこの惨めな男の、
社会へのささやかな復讐であったのかも知れない。


今はまだ、小さな小さな火の粉でしかないのだが。

獅南蒼二 > 「……ふぅ…。」

小さく息を吐いて本を閉じ、テーブルの上へと置く。
缶コーヒーを飲み干せば、ポケットから煙草を取り出した。
ライターを使って火をつけ、静かに、白い煙を吐き出す。

校内は禁煙だっただろうか。
だが少なくともこの場所に張り紙はないし、それを注意する者も、そうそう通りかかりはしないだろう。

ご案内:「ロビー」に十六夜棗さんが現れました。
十六夜棗 > 顔色のあまり良くない生徒が一人、人の流れから外れてロビーへと歩いてくる。

先日落第街での揉め事でついた怪我と包帯は原因をいう事も出来ず、誰かからの治療を受けずに放置している状態になっていた。
それもあって怪我が治るまでは授業中以外は人とより一層離れる日々となっていた。

このロビーなら休みやすいと考えて、の事だけれど、今回は先客が居る模様。

見知らぬ相手と言う訳ではなく、誰なのかを判別すれば、小さく会釈し。

「……お久しぶりです。」