2016/06/04 のログ
■伊都波 悠薇 >
なら、よかったと安心したように微笑んでから――
――言葉の刃物を突き付けられた気がした。
喉元に、すらりとした鋭い刀身が向けられたような冷ややかな声。
でも――
「――本当に姉さんが幸せなら。隣にはいないかもしれないし」
これは、この前感じた事。
自分は家族。姉の恋人ではない。素敵な人ができるのは間違いないし。
隣にその人がいるのが幸せなのも――それもまた。
でも――
「でも、誰かが隣に来ないなら追いかけ続けるけど」
今は、追いかけててもいいですか――……?
そう、言ったのを覚えてる。聞かれていない言葉。
一方的な恋、のような思いだ。だから聞かれてないに越したことはないのだが。
そんな言葉を返すのが精いっぱいだった。
「……壊す……?」
言っているのがいまいち理解しきれていない様子で
■伊都波 凛霞 > 「…そうじゃない。それもあるけど、違うよ。
悠薇は、どうして父様に古武術を教えてもらってるの?」
避けつづけてきたタブー
ふと、そんなものに心が触れてしまった
別に、今しなくても良い話でしょ、と内面の自分が非難する
一子相伝の古武術を姉妹が継承する
最終的にはどちらか一人、"捨て"なければならない
それは悠薇だって知っている筈なのだ
姉は内心、妹に自分を追い越して欲しかった
妹は、烏丸秀のことについてはどうにも要領を得られない様子、
無理もない。あの本質はそれなりに深く入り込まないと、見れないものなのかもしれなかった
「………どうしようかな。悠薇に隠し事はしたくないけど…」
言っていいものか、どうか
■伊都波 悠薇 >
「どうしてって――」
そんなものは決まってる。即答できるものだ。
「……お姉ちゃんと一緒にいたくて」
つぶやいた言葉。嘘じゃない。
本当だ。一緒にいたい、姉みたいになりたい。
姉の隣で、恩返しがしたい。
奉公に近い、その気持ちから。妹はずっと追いかけ続けてきたのだ。
「よく、わからないけど。烏丸さんは、器が大事って言ってた。結果は関係ないって……それと、おんなじ感じ、なのかな?」
■伊都波 凛霞 > 「……悠薇」
嬉しいような、複雑なような、そんな笑みを返す
でも、知ってるんだよね
いずれは、最後は───
その答えを聞くのが怖くて、口に出せなかった
「(とんだ臆病者だな、私)」
器が大事
そんなことを妹にいっていたことに少し驚く
「それは逆に知らなかったな…なんだか蒸し返すようでヤだけど、
あの人は…あの人は、私から悠薇のお姉ちゃんだっていう部分を奪った人だから」
そう言って、苦笑する
■伊都波 悠薇 >
「……何かへんかな?」
むしろ妹はそれをわかったうえで、堂々とそう告げているように感じる。
これが勇気あるように見えるのかそれとも――
「――姉を奪う?」
奪えるものなんだろうかと、思った。
そういうものなんだろうかと。
「――奪えるものなのかな。それって」
だからそのまま、つぶやいてしまった
■伊都波 凛霞 > 「変じゃない」
はっきりとそう告げる
妹にとってはそういうものだと、改めて認識するだけだ
「変じゃないよ」
でも、どういう結果になろうとも、最後にふたりとも並んでいることはできない
どういう結果になろうとも
「…正確には奪えてなかったみたいだけどね…、
今まで私がしてきたことが全部、悠薇を苦しめてたー、みたいに言われて、よくわかんなくなっちゃったんだ
…でも私、やっぱりどんなになっちゃっても、悠薇のお姉ちゃんだってことが一番大事みたい」
■伊都波 悠薇 >
「……変な姉さん」
そう二度つぶやいた姿が印象的だった。
だから、首をかしげながら。はむりと、唐揚げを口に運ぶ。
苦みが強くて、少し顔を顰めた。
「……苦しめてた?」
姉が自分を? どこを見たらそうなるのだろう。
自分が苦しめられたことなんて一度だってない。
むしろずっと、助けてくれたのだから感謝ばかり。
もし、それを言うならば。まるで今の自分が姉のせいみたいではないか。
姉のせいだなんて一度だってしたことない。だからそんな事実は存在しない。
「それこそ、少し意外。だって姉さんは。姉さんってことも姉さんの器の一部でしょ? 妹ってことを私がやめられないように。だから、奪えるはずなんてないのにね?」
もし奪われるとしたらそれは――
「死んだときか、記憶喪失? になったくらいだと思うな」
■伊都波 凛霞 > 「……そうかも」
苦笑する
自分がおかしかったのだろう
いろいろあって、精神的に追い詰められていたのかもしれない
おかずをつまみながら、ふと
そういえば…と、気になった
「悠薇、…お姉ちゃんって言わなくなったね?」
■伊都波 悠薇 > 烏丸という男性は、奪えるはずのないものを奪うというのだろうか。
なるほど、それならば。壊すというのも理解できる。
少し考えるように首かしげれば。髪がさらりと流れて。
左目――泣きぼくろが見えるように。
悠薇にとっては悪い人に見えないし、嫌いにもなれない友人だが。
そうされたら、そう。怒ってしまう人もたくさんいるだろう。
なんて損をしているんだろうなんて、どこかずれた感想を持ちながら。
「うん。姉さんはずっと私の姉さん。それは万が一がない限り、変わらないよ」
自分が妹であるのが変わらないように。
そんな職業みたいなものではないのだ。
だから、それが不安なら全然、気にしなくていいと告げて。
「………………お姉ちゃんのほうが、いい?」
あんまり、べったりしないという意味合いの変化だが。
正直、慣れてしまったゆえに言いにくいのも事実だった
■伊都波 凛霞 > 「や、どっちのほうが良いっていうんじゃないけど…何か心境の変化でもあったのかなって」
本当に少し気になった、だけなのだが
お姉ちゃんお姉ちゃんと後についてきた子供の頃とは違って、
悠薇も少しずつおとなになって、変わっていくのだろうと
「もう少し、お姉ちゃんって呼んでてもいいよ?
まだお互い大人には程遠いんだし、たった二人の姉妹なんだし、ね」
甘えたってべったりしたって構わない
迷惑でもないし、むしろ嬉しいことなのだ
「何だったら今日からまた一緒に寝るー?」
■伊都波 悠薇 >
「……――」
非常に魅力的な提案だった。
姉と一緒に寝るのは好きだ、家族と一緒……なにより姉に甘えるのは。
最早悠薇にとって、一番の癒しゾーンだ。
それに最近、夜は会えず、一緒に入れないのはやっぱ寂しかったし。
むぐぐっと、考えて――
「今日は”お姉ちゃん”。何時に帰ってくるの?」
二人きりの時くらいならいいか、なんて。
■伊都波 凛霞 > 「んー…カラオケに誘われてたけど、たまには早く帰ろうかな?」
向けられたいつもどおりの"お姉ちゃん"に満面の笑顔を向けて
食べ終わったお弁当、お箸を片付ける
「昔はよくお風呂も一緒に入ったのに、気がついたら別々になっちゃってたもんね。
それが自然、みたいな感じにまわりは言うけど」
自然ってなんだろうね、と笑う
仲が良ければ、別にずっとだって構わないはずなのに
■伊都波 悠薇 >
お粗末さまでしたと告げながら弁当箱をかたずけて。
布できれいに包んで――
「――気にしないほうがいいかもね?」
自然とかそういうのじゃなくて。
ようは、どういう姉妹でありたいかどうかだ。
そこが大切なのかもしれないなんて、思えば。
『自然とかぁ、あっそーれ、そんなのかんけぇねぇ♪』
携帯ストラップが警戒に歌い始め。
姉の手を取り――
「……ちょっとお手洗い行きたくなっちゃった」
そんな風に告げる。恥ずかしげに舌を出して。
それはいろんなものにかこつけて、もうちょっと”一緒にいたい―あまえたい―”という妹の合図だった
■伊都波 凛霞 > 「うん、気にしないでいいんだと思う」
お互いにそれを求めるなら、きっとそれこそが自然なのだ
…たぶん
「ん」
手をとられて、何かと思えば……
「…あっはは、もう、悠薇ったら」
くしゅっとその頭を撫でて、立ち上がる
やっぱり自分はお姉ちゃんで、悠薇はどんなに大きくなっても、妹で
ほんと些細な、こんなことが嬉しくなってしまった
■伊都波 悠薇 > 一緒に、教室の外へ。
それから三年生の間では、伊都波凛霞には仲の良い妹がいると噂になったりしたそうな。
そしてお花を摘みに行く最中。
(うん、追いかけるのはやめない)
武術をどうして習っているかの再確認。
なぜなら、それでは恩返しができない。
一番の”強敵”になれたなら、それは一番の恩返しだから。
そして、もし自分を踏み台にして姉がさらに成長し、より幸せになれたなら。
(これ以上の幸せはないもん)
そんな決意を新たに。
折れそうだった心が姉のおかげでまた起き上がり。
妹は努力を続ける。
姉の、妹であるために。
姉の、幸せのために。
ご案内:「教室」から伊都波 悠薇さんが去りました。
ご案内:「教室」から伊都波 凛霞さんが去りました。
ご案内:「食堂」に音原 結奈さんが現れました。
■音原 結奈 >
「ユナちゃんハンバーグおっけー!
カレー用カツも揚がったよー!」
とうとう新メニュー搭載である。
宮廷料理人の技術の粋、エルフの国で王族や来賓に振る舞われた至高のハンバーグ。
の、味付け。
さすがに扱う肉のランクの問題で、全く同じ味は出ない。
けど結奈ちゃんの作る最強のハンバーグだ。
■音原 結奈 >
「はい定食! ナポリタン!
キャベツの千切りもおっけー!」
お昼の修羅場、その中心で嵐のように舞い踊る聖女。
もとい食堂のお姉ちゃん。
美味しいご飯を提供するのに、一切の妥協がない料理人。
「……あ、しまった!
ごめーん、チャーハンやっといて!」
ちょっと失敗するおちゃめな面も見せつつ。
美味しいご飯をたくさん用意すべく、くるくる駆け回る。
■音原 結奈 >
そんなこんなで、今日も激戦タイムを乗り切る。
なにせ休日お昼だ、さすがの結奈ちゃんもお疲れのご様子。
なわけなかった。
「いえーい! おっひるー!」
額に珠の汗を浮かべながらも、嬉々としてまかないを用意した。
ご飯の上に特製ハンバーグ、レタスと半熟卵。
そこにソースをたっぷりかけて、ロコモコ丼の完成である。
■音原 結奈 >
「んー、思ったより大変だね、ここね。
お城ではこんなにたくさん作らなかったし」
はぐはぐ食べながら呟く。
口の端についたソースを指先で拭って咥えたり、子供っぽさの残るしぐさだ。
29歳なのに。
「あとけっこー人多い。
島っていうから、そんなに多くないと思ったんだけどなー」
■音原 結奈 >
ぐるりと見渡す。
老若男女問わず、多くの利用者が居る。
それはこの学園都市のひとつの結果なのだろう。
誰も拒まず、異能を持つ者と世界を馴染ませ、繋ぐ。
素晴らしい理念であり、結果なんだな。と、思った。
「私もここに来てたら、もー少し楽だったかな?」
ちょっとだけ、まぁ多分ありえないであろう考えをする。
周囲には、この島に来て救われた人も居るのだろうか。
声を上げて聞いてみたいとも思わないけど。
ご案内:「食堂」に雪城 括流さんが現れました。
■音原 結奈 >
そして完食したわけだが。
真剣な表情で、空のどんぶりとにらめっこ。
そしてぽつりと一言。
「……デザート食べちゃおうかな」
ここからはカロリーとの戦いだ。
食べる場合は何を食べるか。
クリームぜんざい、あんみつ、たいやき、ショートケーキ……
ここの食堂は甘味も揃っていて悩ましい。
むむむ、とテーブルのデザートメニューを見ながら眉を寄せている。
■雪城 括流 > 窓の外ににょろん、にょーろん。
いつもの(生徒さんには)見覚えのある蛇が窓の外をにょろにょろして、窓のスキマからちょろっ、と中を覗き込んでいる。
どうやら新しい職員の様子を見ているようだった。
こてん、となにやら首を傾げたりしていて。
■音原 結奈 >
むむむむむ、と真剣に悩んでいる。
チョコレートケーキかいちごパフェまでは絞り込んだ。
さぁどっちにする。
と。窓をちらり。
「蛇さんだー!!!」
目をきらきら輝かせてがったーんと椅子をぶっとばし、駆け寄った。
窓の隙間から手を出して掴みかか
れない!
腕が窓から出ない!
「うぅー!! うぅー!!!」
なんか唸りながら指だけ頑張って伸ばしている。
■雪城 括流 > 「へびぇええぇぇ!?」
蛇捕獲犯だこのひと!
とっさにしゅるっと頭を外に引っ込めてしまう。
指が出てない。窓を開ければよさそうなのになんか唸ってる!
「…ええと、まず落ち着いて。
窓を開けたらいいんじゃないかな。」
落ち着いた口調でとりあえず、そう諭してみた。窓の外から。
■音原 結奈 >
「はっ!? それもそうだ!!」
からからーっと落ち着いて窓を開けた。
そして今度はゆっくり手を伸ばす。
「へびさん、へびさん」
目をきらきらさせたまま、手のひらに乗ってこないかな、とかしてる。
その蛇が声を出したことを理解してない。
■雪城 括流 > 「待って、ちょっと待って。」
腹話術とでも思ったのかな、まあそれはそれで普通の反応だとは思いつつ。
やや乙の字な体制でちょっと引き気味に、周囲をきょろきょろと見渡す。
だれか、知っている人がまともな助けはこないだろうか、などと周囲を確認しながら。
すこしだけその手に近寄って、乗るべきか否か悩んでいた。じー。
■音原 結奈 >
「え、待つの?」
ナチュラルに会話してる。
けど多分気付いてない。
じーっと目を見つめ返す。
その目はちょっとだけ、竜の瞳に似ていた。かもしれない。
「……ハッ!?
蛇さんしゃべってる!?」
あ、気付いた。
手をひっこめて、びっくりのポーズ。
■雪城 括流 > あ、やっと気付いてくれた。
これなら普通にはいっていいかなーと
するり、と伸ばされた手を鱗で撫でるようにすり抜けて、食堂の中に入っていく。
ひんやり、ぷにぷにさわさわと鱗の感触が肌をくすぐって。
魔法陣の光が軽くはじけると蛇は姿を変えて人型の括流が隣に立っていた。
「食堂だと衛生と売り上げでなるべく人型で、って言われてるから、こっちの姿になっておくよ。
どうも、くくるせんせーです。新しい職員さんだよね、よろしく。」
にこりと微笑んで、手を差し出した。
■音原 結奈 >
「ふわぁん」
手をするりと撫でる鱗の感覚が気持ちよくて、なんか変な声出た。
そして魔法陣!
ひゃーっと眩しさに目を閉じて、もっかいぱちっと目を開ける。
女の子になってた。
「お、おぉー! くくるせんせー!
よろしくね、私は音原 結奈!
最近ここの食堂で働きはじめました!」
ぺかーっと輝くような笑顔で握手し、ぶんぶん縦に振る。
ここに巨乳と巨乳が揃った。
■雪城 括流 > 「順応が早い。
確か、異世界出身…だったかな。音原さんだね。」
力いっぱい振り回される腕にあわせて握手をなんとか。
千切れそうなハイパワーだったりしませんよね。でも二人揃ってメロンがぽよぽよ揺れてる気がします。
「普段は蛇姿なので、職員のひとには挨拶しておこうと思ったんだ。
よければくくるのこと、覚えておいてね。」
同僚といえば同僚ですしね。
■音原 結奈 >
「そだよー、エルフさんの国出身!
いちおー今は人間だけど、昔は半分くらいドラゴンでした!」
もちろん女の子相当のパワーです。
ただ四つのメロンは普通の女の子相当ではないかもしれません。
周囲の女性の目が厳しい気がした。
「なるほど……蛇さんがメインで、くくるせんせーがサブなんですね。
ちゃんと覚えときます!」
びしっと敬礼一つ。
■雪城 括流 > 「うん、そういうことだよ。
よし、挨拶はこれくらいで…食事中じゃなかった?」
テーブルの上…まあ、丼はカラに放り出されたデザートメニュー。
そんなあたりを彼女越しに指差してみたりして。
「エルフの国でドラゴンだったとは凄い経歴をもってるんだ。
だから蛇とか平気な人なのかな。さっきの飛びつきっぷりは凄かったね…。」
びっくりかげんをなんだかやや空ろな目で思い出しちゃったりしつつ。
■音原 結奈 >
「うーん……ご飯は食べ終わったんですけど、デザートに悩んじゃって……
チョコレートケーキかいちごパフェか……」
真剣な表情。
多分彼女にとっては死活問題なのでしょう。
「あー、うーん。エルフの国に行ったときはもうほとんど人間でした。
蛇さんっていうか、小さい動物が好きなんですよー。
昔も小さいモグラちゃんとか狐さんとかをずーっと抱えちゃったりしてて」
てへへ、と照れてみせる。
多分天然だったのだろう。
■雪城 括流 > 「悩みどころだね。
…いまチョコレートケーキがフェアやってたんじゃないかな。」
別のテーブルにあったキャンペーンのボードをひょい、と拾い上げて。
いまならケーキにチョコレートコーティングと生クリームがたっぷりと!
さらにウエハースも一個ついてくる!
「それは…小動物の気持ちも考えてあげてね。
私はそれほどダメじゃないけど、蛇なんかは暖められすぎると汗が出せなくてそのまま煮えてしまったりするから。
もぐらも抱えっぱなしでは不味いんじゃないかな。」
普通のもぐらだとかなり不味いですけどまあ。
ここにいないとは限らないので一応一般的な指摘だけに留めつつー
ほどほどにね、と多分無駄な気がしつつかるく諭しておきました。
■音原 結奈 >
「じゃあそっち!!!」
食堂で働いてるのに、フェアのことはよくわかってなかった結奈ちゃんである。
迷わずダッシュで注文を終え、再びかえってきた。
「実は狐ちゃん、撫で過ぎちゃって500円玉くらいのハゲが出来ちゃって……
さすがにその時は謝ったし、悪かったかなーって思ってます」
反省はしてるけど後悔はしてないタイプ。
今も昔も変わらないのでしょう。
さてチョコレートケーキが出来たようなので取ってきました。
ふたつ。
「くくるせんせーもどーぞ!」
■雪城 括流 > 「…わあ早い。
即決即断の傾向があるのかな。」
呟き。どちらかというと直感と言うか、なんというか。
でもなんとなくそういうことから目を逸らしたいときもあるんです。
「やっぱり?
でも懲りたりはしてなさそうだね。仕方なさそうだけど。
…誰か手綱を握ってくれる人がいたほうが安心かな、音原さんは。」
暴走を修正するのは諦めた模様。そう言いつつ…戻ってきた手にあるケーキ2つを見て。
「挨拶だけしたらと思ったんだけど。
しょうがない、せっかくだからいただくよ。」
ありがとうと感謝の言葉を述べて受け取り、向かいに座る。
分厚いチョココーティングを添えてあったフォークでこつんこつんとつっついて。
確かに人型になった分、カロリーはありがたかった。
■音原 結奈 >
「うーん、けっこー怒られてるのでこれでも大分我慢してるんですけどね」
さっきのアレでもかなり我慢してたらしい。
フォークでチョコケーキをもっふもっふ食べつつ呟く。
「あ、おいしい。
今度メレンゲの調整してみよっと」
食べながら改善案も考えちゃう職業病。
「くくるせんせーはよく食堂来るんですか?
今度来てくれたら、ユナちゃん特製ハンバーグごちそうしちゃいますよ!」
ふんすーとすごく得意げな顔。
味の宣伝をしていかねばならない。
■雪城 括流 > 「…結構怒られてるんだ。」
軽く呆れつつも。
ケーキを切り分け、ウエハースの刺さった生クリームを少しすくって乗せ、口に運ぶ。
苦めのチョコレートにクリームの甘みがよくあっていた。
正面で調理の話を呟く様子にくすりと微笑んで。
「やっぱりプロなんだね。
私はそんなにしょっちゅうは来ないかな。ある程度は趣味だし…。
でもせっかくだから、今度また来るね。あ、もしかして知り合いに宣伝しておいたほうがいい?」
また来るときはお礼に差し入れでも持ってこようと思いつつ。
蛇姿でだいたいいいので、やや節約の傾向がある括流なのでした。
そのぶんちょっと小金ためてたりするけど。
■音原 結奈 >
「けっこー……やりすぎっていっつも」
てへっ☆ って顔してる。
「んー、こう見えて王族や国賓の方に振る舞う立場ですしね。
宮廷料理人として当然というか、楽しくてついやっちゃうというか」
しれっと言ってるけど、実は結構すごい料理人っぽい。
ぺろりとケーキをたいらげ、とっても幸せそうな表情で頬を抑えた。
「あ、ぜひぜひ!
私にはハンバーグをここの看板メニューにしていくっていう野望があるので、リピーターはたくさん欲しいです!」
ぐっと握りこぶし。
料理人としてはこれ以上ない言葉である。
■雪城 括流 > 「ついやっちゃう、ってところは共通なんだ。
それはそれで音原さんのいいところでもあるんだね。」
やりすぎが長所でも短所でもあるのだろう。
人間ではあるようなので、怪我だけには気をつけて欲しいと思いつつ。
「うん、わかった。
元宮廷料理人となると宣伝しがいもありそうだよ。
…あ、そっちが先に食べ終わっちゃったか。………あーん?」
括流の手元のケーキはまだ3分の1ほど残っていた。
ふと思いついて、それにフォークをさして音原さんの目の前にそっと差し出してみる。
さきほどのもっふもっふという食べっぷりを見ると足りてないんじゃないだろうか、なんて思って。
■音原 結奈 >
「えへへ、迷わないのはいいところーみたいには言われます!」
皮肉たっぷりなのだろうけど、多分本気で褒められてると思っているっぽい。
胸を張ってそう自慢してみせた。
ばるんと揺れる。
そしてケーキを差し出されて、反射的にちょっと口を開きそうになったが。
「んーん、それはくくるせんせーの分ですから!
ご馳走した人から食べさせてもらっちゃったら、料理人失格です!」
びしっとサムズアップして見せて、きっぱり断った。
こういうところの意思はちょっと強いらしい。
「それじゃ私は夜の分の仕込みがあるのでそろそろ失礼しますね!
くくるせんせーもゆっくりしててくださいね!」
自分のケーキの皿を持って、ぺこりとお辞儀をしてからその場を立ち去るだろう。
■雪城 括流 > 皮肉もあるのだろう。
でもいつの時代でも突き抜けられるのは、大体そう言う人種だ。
そう言う人が、人の枠を飛び越えていく。
なぜだか穏やかな表情でその答えを眺めながら、
断られたケーキはもごっ、と自身のお口にほおばった。
「そこはさすがに我慢しちゃうんだ。よかったのに。
ゆっくりもしたいけど私もせんせーとしてのおしごとがあるから、これで立ち去るよ。
今度は誰か連れてくるね。」
氷架か、もしくは他のルームメイトか。
陽実さん連れてきてお仕事への興味を促してみるのもいいかも、なんて考えながら。
仕事に戻っていく音原さんに「お互いがんばろうね。」と声をかけて、するりとピンク色の蛇がその場から立ち去り隙間に消えたのだった。
ご案内:「食堂」から音原 結奈さんが去りました。
ご案内:「食堂」から雪城 括流さんが去りました。