2015/06/21 のログ
ご案内:「屋上」に宙伊井 一子さんが現れました。
宙伊井 一子 > あんまり今日は天気が良くないのだよー。
【天体観測機材一式をセットしながら独り言をつぶやく】
【空は少し曇っていて、☆は疎らにしか見えない】

宙伊井 一子 > 今日はUFOが見えるといいのだよ。
UFOが見えるかどうかは天気に関係あるのかな?
【小柄な影が屋上でガチャガチャと機材の音を鳴らす】

宙伊井 一子 > ああー? あああー。 ああー。
……やっぱりあんまり今日は☆が見えないのだよー。
雨が振らなかったのは嬉しいのだけどー?
UFOさんはいらっしゃいますかー?
【望遠鏡を覗きこんで宇宙を見ている】

宙伊井 一子 > そういえば部員も集めないといけないのだよ?
いけないのかな? 結局申請は出せなかったから
もしかしたら今はまだ部活になってないのかもしれないのだよ。
……そしたらこの望遠鏡持ってきたのもまずいのだよ?

宙伊井 一子 > あんまり遠くまで見える望遠鏡でもないので許して欲しいのだよ…。
先生に見つけられてしまったら没収されるのかな?
怒られてしまうのはこわいのだよー…。
【頭を抱えてうずくまる小さいの】

ご案内:「屋上」に流れ星さんが現れました。
流れ星 > (きらりと星が空を横切った。そして消えた。願い事する猶予はもはや数秒と残されていないだろう!!!)
ご案内:「屋上」から流れ星さんが去りました。
宙伊井 一子 > あっ!
何か見えっ
えっ!?
あんぱんが二個食べ あっ!

宙伊井 一子 > ………。
あーーー……。
あああああ………。
ああーーーー。
【千載一遇のチャンスを逃して望遠鏡の前で丸くなって蹲る】

宙伊井 一子 > もう一度!ワンチャンス!欲しいのだよ!
今度こそ絶対に逃さないのだよ!
ワンチャンス! ワンチャーーーンス!!
【両手を上げて空に叫ぶ】

ご案内:「屋上」に人工衛星(宇宙ステーション)さんが現れました。
人工衛星(宇宙ステーション) > (きらりとも光らないそれは星というより人工衛星で、たぶん宇宙ステーションか何かだった。それは静かに消えていく)
ご案内:「屋上」から人工衛星(宇宙ステーション)さんが去りました。
宙伊井 一子 > あんぱんが二個と牛乳が食べたい!!
あんぱんが二個と牛乳が食べたい!!
あんぱーーーーー!?

何か今の違うのだよ!!?

宙伊井 一子 > しかも逃したのだよ!?逃してもいないのかもしれないけど!
多分流れてはいけないものだったので流してはいけないのだよ!
もしかして、ちょっとだけUFOだったらいいなって思ったのに!

宙伊井 一子 > おおお……でも何か今日は☆が見えない代わりに珍しいものが一杯見えてるのだよ。
意外と最近のイチコは運がいいのではないのかな?
人工衛星の中の皆さんはこんな夜中までお疲れ様なのだよー。
……人工衛星って中に人居るの?

宙伊井 一子 > 今日はこのくらいにするのだよー。
また明日ー。なのだよ。
【ガチャガチャと機材を抱えて屋上を後にする】
【ガチャン、と鍵をしめてさようなら】

ご案内:「屋上」から宙伊井 一子さんが去りました。
ご案内:「廊下」に鈴成静佳さんが現れました。
鈴成静佳 > ……おっ、掲示板が変わってる。
(今日の授業がすべて終わり、帰途につこうとした静佳)
(普段なら目の端に捉えるだけで特段目も通さずに通過していた、廊下の掲示板。しかし、いつの間にかそのフェルト地の盤面が新調されている)
老朽化してたからなぁ、ここの掲示板。そりゃ付け替えもされるよね。
(たまにはしっかり掲示も見ておくか、と脚を止めた静佳)

………むぅ、保健委員の募集、かぁ。

鈴成静佳 > そういや、アタシ中学のころは3年とも保健委員だったっけなぁ。ほぼ幽霊部員だったけど。
(しみじみと過去に思い馳せる。保健室にはほとんど顔を出さなかったものの、けが人が出たとあれば保健室に運び、献身的に応急処置を施したことも数回ではない)
(他人の痛み苦しみに敏感なお年ごろだったのだ。今もだが)

とはいえ……うーん、治療の能力や魔術かぁ。アタシにはないなぁ……。そんなんで大丈夫かしら。

鈴成静佳 > (顔を落とし、自分の両手のひらを見る。ブゥン、と鈍い音を立ててその掌が振動する)
……うーん、この振動じゃ早すぎて心臓マッサージに特別向いてるってわけじゃないし、電気じゃないから除細動にも使えないしなぁ。
できることと言ったらほんとに手足のマッサージくらい。保健委員の仕事とはちょっと違うよねぇ。
魔術の方も転移魔術以外サッパリだし、こっちも人を運べるわけじゃないしなぁ。試してないけど。
(ふん、と鼻息を鳴らす)

ご案内:「廊下」にさんが現れました。
> 最近ずっと授業受けてばっかりでどうにもたるい
たまには派手に身体動かしたいが、テスト期間が終わるまでは仕方ないっちゃ仕方ない

しっかし、平和だ
そう思いながら窓の向こうの夕暮れ時を見ながら廊下を歩く
なんつーか、色んな事があったのが嘘みてーだよな
だが、あの街の向こう側、歓楽街の更に向こう
もう行く用事も暫くない場所
また行く羽目にならねーといいけど
そんなことを思いながら、視線を前に向けた時

「ばけ…っ!?」
慌てて口を閉じる
一瞬で心臓の鼓動がマックス状態

> おいおいおい、まさかこんな所で出会っちまうとはな
人生で二度と出会いたくない相手が、今、目の前に居る
ちなみに相手は掲示板を見てるらしくこっちは見ていない
このまま通りすぎよう、それがいい
なるべく自然に、慌てずだ
くそ、静まれ俺の右手、恐怖心に震えるんじゃねぇ!

鈴成静佳 > 馬券……??
(唐突に男の声がかかり、そちらのほうを向く。長身の、あからさまに不良然とした雰囲気をまとう男)
(それを見上げ、静佳の目はしばしパチクリとまたたき……)

……あー! あんた女子寮に……(一瞬叫びかけるが、すぐに声量を落とし)
…この前女子寮に女装してきてた人ね? 「ショーコ」とか名乗ってた。あれから無事食堂行けた?
(ニヤッと卑屈な笑みを浮かべながら身体を寄せる)

> いやなんでこいつわかるんだ???
くっそ、しっかり髪色も黒に戻してんのにこの女マジおかしい
「な、なんのことかわからねーな」
眼を逸らしたまま言葉を返すが我知らず声が震えているのがわかる
このまま通りすぎていくしかない
また知らぬ存ぜぬで無理やり押し通すしかねー

鈴成静佳 > すっとぼけんじゃないわよ。(キッパリと言い放ち、ガンを飛ばす)
アタシは鼻が利くんだから。匂いだけじゃなくて、雰囲気とか色々ね。場数踏んでるからね。
別にいいじゃん、女装するくらい。結構似合ってたよ? 体格とか骨格とか顔つきまではどーやってもごまかせないもんはあるけどね。
それに、アタシだって似たようなことやってるもん。男子寮に忍び込んだり。仲間ってわけよ、アタシたちは。
だからそんな邪険にしないでよ、ね?(再び笑みを浮かべて翔さんを見上げる)

……とはいえ、しばらくは男子寮行く気はしないけどね。嫌なこともあったし。(やや表情が曇る)

> うん、やっぱりこの女おかしい
普通の学生が男子寮忍び込んだりしねーだろ
まぁいいか、どうせ証拠もなんもねーし
でも、めんどくせー相手な事はかわらねーか
はぁ、と溜息を漏れる

「やめてくれ。俺は用事があったから行かなくちゃいけなかったんだよ
 もう二回目はねー」
はずだ、多分、うん

あー、なんだ、フォローしなくちゃいけねーのこの顔
「やなことあったなら二回目はやめておくことだな
 虎子でも取ろうとしたのかもしんねーが、それなら知り合いにでも頼んどけっての」
上から見下ろすように見ながら、見た目は普通なんだよなーと思う
人間見た目で判断してはいけない
ホントこの学園って奴は

鈴成静佳 > ふぅん、用事、ねぇ……?
(訝しがる仕草。とはいえ確かに、あの時の「ショーコさん」は、自ら好きこのんで女装し潜入しているようには見えなかった気もする)
……言ったでしょ、仲間だって。もし2回め3回めがあるなら、アタシを通してよ。上手くいくようにお膳立てするからさ。
その内このスリルがマジにやみつきになるからさ、きっとね。フフッ。(ぽんぽんと翔さんの腰を叩く)

うん、まぁ、結構半端なく嫌な目に……というか、嫌な奴に会ったからね。男子寮には行かない。
その嫌な奴がいなくなるまではね。まったく、変態には住みづらい島だわ、ここは。
……虎子?(ヤンキー用語だろうか、理解したようにはみえない)

そういや、アンタのホントの名前はなんなのよ、「ショーコさん」?

> ダメだ、話が通じる気がしねぇ!
なんなんだこの女、怖すぎんだろ
「ねーよ
 他のやつを当たれ」
腰の手を軽く払う
まぁもし金のことでまた行くことになったら
いや、やめておこう
こいつに恩を作るのは色々とマズイ気しかしない

自分で変態と言ったよな?
自覚ある変態って怖いんだな、覚えておこう
「虎子に入らずんば虎子を得ず、ってしらねーか」
脳のリソースをそっち系にばっか使ってんだろうか、怖い

名前ねぇ
腕を組んで、教えるかおしえねーか悩むところ
まぁ女子寮の奴全員覚えてる女だ、調べるぐらいのことはするだろう
「荒木 翔(アラキ ショウ)
 そっちは?」

鈴成静佳 > 翔くんね、「ショーコさん」とはなんとも安直ねぇ……フフッ。よろしく!
一応あのとき自己紹介はしたけどねー、焦ってたなら覚えてなくても仕方ないか。鈴成静佳。以後ご贔屓に!(払われてもしつこく腰を叩く。気さくにも程がある)

便利な人脈は持っておくに越したことはないッスよ、翔くん?
まぁ、ホントに女装が無理矢理で嫌だったってんなら、しないほうがいいとは思うけどね。嫌なことを無理やりするのはよくない。うんうん
で、結局女子寮に忍び込んだ理由はなんだったのさ。それこそ、「虎子に」……じゃなくて「虎穴に入らずんば虎児を得ず」ってやつ? なにか欲しいのがあったの?
(いきなり「虎子」だけ出されたので理解できなかっただけのようだ)

アタシの場合は特に深い理由はないわよ。行きたくなったから行っただけ。
ちょっと男子寮覗いて、女子寮との違いを知りたかっただけ。メンテ具合とか、匂いとか、自販機のジュースの味とかね。
(と言い放つ顔に悪戯心はあまり見えない。まじめに変態なのだ)

> 「っけ、うっせーな
 ばれるとは思わんかったんだよ」
あぁ、そういえば名前聞いたな
黒歴史として脳内のブラックボックスにダストシュートしたから忘れてたな
どうせ払っても叩くんだろ、もういい、好きにしろ

「悪魔と取引するつもりはねーよ」
むしろ知っているだけ損する人脈だぞこれ
何か会った時につい頼ってしまおうかと選択肢に上がる
それが悪魔の囁きだ

「依頼でな
 内容は教えらんねーぞ、守秘義務って奴だ」
しっかり正当な理由があんだよ、こっちは
お前とは違うんだと視線に込めて睨む

思わず額で顔を覆った
ダメだこいつ、もうなんともならない
「行っておくが、俺は手伝ったりとかしねーからな
 勝手に嫌な奴に絡まれてろ」
思わずため息
出会いって何時も唐突で、ありえない人脈が出来るんだなぁとしみじみ思う

鈴成静佳 > はぁ、悪魔ぁ? 誰が悪魔ですって?(眉間にしわを寄せて睨みつける。ブサイクだ)
アタシほど献身的で他人を気遣い喜ばすのが得意な女はそうそう居ないわよ? いろんな意味でね。フフッ。ぶっちゃけアタシゃ天使だよ。
まぁ、そんなわけで、保健委員にでも入ろうかなーって思ったりしてるわけなんだけどね。(親指で掲示板の方を指す)

……ふーん、依頼ねぇ。女子寮に潜入するような依頼って……あまりロクなイメージがないわね。
トイレに侵入してアレコレとかならわからんでもないけど、行き先が食堂ってのは……ずいぶんニッチな依頼ね?
まぁ、わかった。深入りはしないでおくッスよ。(親指をグッと立て、歯を見せる)
……とはいえ、金欠で困ってたりするとかなら、さすがにアタシもそこまで献身的にはなれないけどね。バイト頑張れ、とかしか言えないわ。頑張れ翔くん!

> おかしいな、俺には出会ってから今まで心臓を握られる思いしかしてきてないんだが
なるほど、恋のキューピッド的な何かか?

どう考えても悪魔の取引材料だな

「保健委員?
 そういう異能なのか?」
となると、まぁ確かに少しは天使っぽいのかもしれない
天使、天使?
顔をジーっと見るが至って普通だ
「天使ねぇ」
思わず腕を組んで唸る

「うん、うん?
 あ、あぁ、まぁ、わかってくれたならいいんだ」
なんだろ、最初の方は深入りしないって言ってたのに次の言葉がほぼ確信をついていて困る
勘が鋭いんだろうな、コイツ

鈴成静佳 > でももし、お金とか関係なくて、悪い裏社会絡みなアレで女子寮侵入するならさすがにアタシも協力しないからね。
友達を拉致されたり顔出しでビデオ出されたりしたら目覚めが悪いからね。いいわね?
(お金、の部分はあくまで仮定の話しであったようだ。チンピラは金欠というのが相場である)
その点では、アタシが女子寮のボスと思っておいていいと思うよ。良くも悪くもね。ククク……(ややハッタリではある)

んー、アタシにはとくに保健委員向きの異能はないよ。こうやって……。
(翔さんの腰にまた触れる。その掌が、ブーンと鈍く柔らかい振動を始める)
身体を振動させるだけ。マッサージとかはできるけど、怪我の治療には向かないかな……。
でも、そこはハートでカバーってわけよ! いろいろとね!(鼻をふくらませ、ない胸を張る静佳)

> 「っは?顔出し?ビデオ?」
なんの話してんだこいつ
とりあえず手を借りなければいいってことだけはわかった
「あぁ、肝に命じておく」
間違いなくコイツがボスだ
色々な意味で
多分指鳴らすだけで5人ぐらい女子が集まってもおかしくない
色々な意味で

思わず震えた手に身体が震える
おどかすんじゃねーよ、と再度手を払いながら続く言葉を聞いて
「はーん、なんつーか地味な異能だな
 でもマッサージは楽にできそうだ」
少なくとも俺の異能よりは有能だろうな、コイツのは
俺のと取り替えてくんねーかなぁ
軽く、ため息
「はぁ、色々と」
一瞬何故か悪寒が走る
何が色々とかはわからねーが
「まぁ、いいんじゃねーの
 やる気がありゃ消毒したり包帯巻いたりとか出来んだろ」
やる気が無い奴がやるよりはましだと思う反面
落第街の方に行くことにならねーといいな、とは思う
「まー、やる気あんのはいいが
 あぶねー事とかあぶねー場所にまで行ったりするんじゃねーぞ」
と、一応釘だけ刺す

鈴成静佳 > 地味でしょ? フフッ。(無邪気な笑みを浮かべる)
だからこそ、いろいろ遊べたり人の役に立てたりできそうだなって気がして。だからこの学園に来て勉強してるってわけよ。
翔くんもきっとそうなんでしょ? まぁ、異能とか持ってない子もいるけど。翔くんがよければ、また追々話を聞いてみたいな。

……うん、落第街とかスラムとか、危ないところは願い下げ。保健委員がそういう場所に行く必要もあるなら、辞退しようかなとは思ってる。
翔くんも、そういう危ないところは行っちゃダメだよ? なんか危なっかしい雰囲気してるけど……(改めてそのツンツンした成りを上から下まで眺めながら)
とはいえ、そういう場所じゃなくても危なっかしい人間はいたるところにいるから、油断ならないんだけどね……。

っと、そろそろタイムセールの時間だわ。アタシ帰るね。翔くん、またね!
女子寮にまた来るなら連絡しなさいね?(手を振り、去ろうとする)

> 「ポジティブだな」
俺と似てるが、コイツはもっとしっかりしてる
目的も、理由もある
それが少し羨ましくて、思わず眼を細めてしまった
「あぁ、そのうちな」

「ま、善処はする
 お前も男子寮とかまた入ってくんじゃねーぞ
 そこだって十分危ない所だっつの」
軽くチョップを落とす
自覚してるんだろーが、きっと自覚してねー危険もある

「あぁ、じゃあな
 ぜってーしねーから安心しろ」
適当に手を振って見送る
変態だが、普通だ
羨ましい生き方してんなー
ったく、悩んでるのが馬鹿みてーだ

見送った後、頭を掻いて
彼もまた帰っていった

ご案内:「廊下」から鈴成静佳さんが去りました。
ご案内:「廊下」からさんが去りました。
ご案内:「廊下」にサリナさんが現れました。
サリナ > たまにこうやって何もせず窓から外を見ながら夢想する事がある。
今日のこれからの食事とか、次の授業はどんなだろうかとか、新しく何か魔術書でも執筆しようか…とか

「空気圧縮…」
ぽつりと、呟いて今度は空気に関しての魔術書でも書いてみるのもいいかな、と思った。
それで思い出したが、この前訓練所に居たあの人は今日も魔術の訓練に励んでいるのだろうか、と…

そういえば、名前を聞きそびれたのも思い出した。

サリナ > 確かあの人は雷の魔術が得意そうだった。
訓練場の標的に大穴を開けたので色々見せてもらったが、雷について不可解な事が増えてしまって、知識欲が沸々湧いてきたのだった。

(今度雷に関する本でも借りてみようかな)
とりあえずは今日の今後の予定を考えつつ、意識を現実に戻して窓から街並みや空を眺めている。

ご案内:「廊下」に谷蜂 檻葉さんが現れました。
谷蜂 檻葉 > (……なにしてるんだろ……。)

檻葉がサリナを気にしたのは実に偶然だった。
なんとなく、人気のない廊下で外をじっと見ている彼女が気になった。

(……何かあるのかな……。)

後ろから、サリナが見ているものを探るために。
同じように肩越しに外を見つめる。

谷蜂 檻葉 > (………何があるんだ………。)

しかし、見ていても見える範囲は窓の向こう、上側に限られサリナが見下ろしているのであればソレは見えない。

少し横にずれて眺めてみる。

サリナ > 誰彼が近づいてきても気付いた様子もなく…、サリナが見ている先には街並みと空が広がっているだけだった。
髪が風に撫で付けられて揺れる。表情だけは全く揺れず、石像を思わせる。

(そういえば商店街に新しくピザ屋が出来たらしい、でも次はあそこの回転寿司屋に行こうと思っていたし…いや、)

「…ラーメンも捨てがたい」
ぽつりと、顔に似つかわしくない単語が出てきた。

谷蜂 檻葉 > (ラーメン……?)

風がふわりと揺れる、静かな景色とどこかミステリアスな女の子。
それらが合わさり神秘的な感覚の中に紛れ込んだ単語―――そして檻葉はその一部だけ聞き取り―――謎が謎を呼び始める。

(………全然わからない………。)


やがて、後ろで不審な動きを続けるのも(誰かが外に来るかもしれないという危機感を持って)良くないと思い

「あの、なにかそこから見えるんですか?」

ストレートに、後ろから声をかけた。

サリナ > ぴくり…声をかけられて体が少し反応した。
夢想していたのを気取られないようにゆっくりと落ち着いて振り向くと質問に答えて。

「街と空が見えます…いえ、どこか特定の場所を見ていた訳ではないですが…」
目の前の人をどこかで見た事がある。
確か図書館でよく見かけたような…腕につけている腕章もそれを証明していて記憶に違いはなかった。
しかし、知ってるのはそれぐらいで名前は知らなかった。

谷蜂 檻葉 > 「あー……考え事の、お邪魔になっちゃいましたかね。」

なぁんだ。という表情でふにゃっと笑う。
世の中天下泰平にして往々にしてすれ違い多し。

些か、この学園では特異な事が多いけれど。

サリナが自分の腕――の腕章に視線を移したことに目敏く気付くと、少しばかりサリナの顔をじっと見た後 おや、と眉を上げる。

「あ。図書館、結構来てますよね? お互い名前は知らなくても顔見知りかなー……って。」

袖すり合うもなんとやら。

サリナ > 「………」
何か口から漏れていただろうか、おそらくは何か漏れていたのだろう。
気恥ずかしさからその話は意図的に封じる事にした。

「…ええ、そうですね。本を借りる時にあなたに受け付けてもらう事が何度かありました」
じっと、目の前の人の顔を凝視しつつ答えた。色々というか一点だけ気になっているものがある。

谷蜂 檻葉 > 「あ、やっぱり。」
ですよねですよね。と、自分の記憶力も捨てたものではないと頷いていると
どうにも視線を 目前から感じる。

「……あの、どうかしました……?」

何かついてるだろうか、と顔をぺたぺたと触りながら視線に対して言葉で尋ねる。

サリナ > 「いえ…メガネを、メガネを見ていました。…ちょっと失礼」
近づいて、顎に手を当てつつメガネをじろりと眺め見た。

「細いフレーム、そして四角い形がとても知的な印象を与える感じがします」
くいっと、首を傾げて角度を変えて覗き込んだり…とメガネに御執心な様子を晒す。

「あら…レンズ、指紋ついてますよ」

谷蜂 檻葉 > 「うぇっ……?」

ズズイと近づかれて少しのけぞりそうになるが、見られるがまま硬直する。

「ぇ、あ、そう、ですか…ね?」

近い距離で顔を突き合わせて自分(の眼鏡)を褒められて、照れ半分驚き半分に視線が勢い良く泳ぐ。なんとなく自分に似合うのがないかなー、と結構吟味して考えたものでもあって『知的な印象を』と言われると自分がそれを補強しようと買ってしまったのでは、と。また恥ずかしい。


「!」

ついでに言えばわりかし不精なものでそれもまた恥ずかしい。
手提げの鞄からケースを取り出すとミニスプレーで湿らせてサッと急ぎ指紋を拭き取る。

「……はいっ。」

見て! ……という訳でも、ないのだけれど。

サリナ > 相手がメガネを拭き始めたので自分も合わせてメガネを綺麗にする。
そしてお互い同時にメガネをかけて見合って見合って……

「むっ」
綺麗になったメガネを見て、その奥にある瞳をじろり。次に上目になって髪を見る。

「瞳は暗い色……ふむ、あなたは明るい髪をしているのでフレームの色は落ち着いた色の範囲でですが遊んでみるのもいいかもしれません」

「あとはウェリントン型のフレームもいいかもしれませんね。私がかけているのもそれでして、落ち着いた印象を与えるんです。図書委員の方ですしあまり大きく印象を変えない範囲で………」
と、何か熱が入ってるのかメガネについて色々語ったりする。些か早口になってる…

谷蜂 檻葉 > 「え、ちょっ……す、ストップ、ストーップ!」

きっと的確でどうやら具体的で思わずしっかり聞きそうになる話なんだけれど、目が怖い。
ついでに言えば檻葉の身長(155cm)からして上から(169cm)グッと来るので余計怖い。

「ま、待って!おお、落ち着いて欲しいな!聞くから!ちゃんとっ!」

サリナ肩を軽く押すように手を当てて、どうどう。と静止した。
自分もたまに『見た目によらない子』なんて評価を受けるが、中々どうしてこの子も熱い。熱いぞ。

サリナ > 「…あ」
制止の手を受けて、ようやく自分の失態に気付いた。

「申し訳ありません…少し、熱が入ってしまいまして」
とりあえずは落ち着いて相手を顔を見る。もしかして、怖がらせてしまっただろうか
自分と相手には少しだけ体格差があるような気もする。

「………」
申し訳なさを感じつつ、少し黙る事にした。

谷蜂 檻葉 > 「………あ、えっと。」

黙っちゃった。 多分、というか私にも覚えがある話だが。
いわゆる「スイッチ」のある子なんだろうなぁ。と、改めて認識する。
それがこの子は眼鏡で、熱が入るのを自覚するとこうして自責して……。

「ふ、ふふふ……っ♪」

ミステリアスな雰囲気で、熱が入るとちょっと怖くて。
それに気付くとしゅんとする。そんなコロコロと変わる印象に、酷く愛おしさのようなものを感じて噴き出した。

「ふふ……ふ、はぁ……うん、大丈夫。止まってくれて、ありがと。」

これは、知らなかったのは損だったんじゃないだろうか。

「―――私、谷蜂檻葉っていいます。 貴女のお名前、聞いてもいいかな?」

サリナ > 「…?」
笑った?怖がったのかと思ったら何故か次の瞬間には笑われた。
何か、おかしな子だと思われて笑われたのだろうか、もしそうだったら…いや、怖がられるよりかはマシかもしれない…
そう思ってたら相手が名乗ったので、こちらも慌てて名乗り返す。

「…私は、サリナ・イバルラ・アマビスカと申します。谷蜂さん…とお呼びしても?」

谷蜂 檻葉 > 「サリナ…イバウラ…アマ……。」

「…………。」

「……サリナさんね。」

追々覚えよう。

「あ、それでも良いんだけど、タニハチって響きがあんまり好きじゃないから、名前の方が――檻葉、の方が嬉しいかな。」

三文字のほうが呼びやすいでしょ?と、何も考えてなさそうな呑気そうな笑みで微笑みかける。

サリナ > (やっぱり長いかな)
少し間違ってたり、最後の苗字が出なかったりでおそらくあんまり覚えられてないのに気付いた。
この世界に来てからというものの、フルネームで覚えられた回数が少ない。

「ええ、サリナ、で覚えておけば結構ですので…あなたの事はオリハさんとお呼びしますね」
人の名前は、最初に頭の方に出たのを呼ぶように心がけているのでちょっと新鮮な気持ちになった。

「オリハさん」
ちょっと確かめるように呼んでみる。

谷蜂 檻葉 > 「はい、よろしくね。サリナさん。 ……えへへ、カタカナ覚えるの苦手で……。」
それでよく魔術を覚えられたものだ。


確かめには、続く言葉があると思ったのか

「ん、なぁに?」

きょとんとした顔で"次"を待った。

サリナ > 「…いいえ、なんでも」
ちょっと意地悪をした。先程何故か笑われた腹いせ…という訳ではないけれど。
口元にだけ少し笑みを湛えたかもしれない。

谷蜂 檻葉 > 「そう? ……本当に?」

うーん。と納得いかないような顔で唸るが、直ぐにそれも忘れてぽんと手を打つ。

「あ、そう。それで最初のメガネの話なんだけどね。」

ふと、サリナの背後――先程まで彼女の見ていた外はもう直帰る時間の空模様をみせていた。

「時間が時間だし、帰り道で聞かせてもらおうかなって。 ……えっと、サリナさんは女子寮? じゃ、ないよね多分。見かけないし……。」