2015/06/09 のログ
ご案内:「保健室」にコゼットさんが現れました。
■コゼット > 「失礼しま───、あれ、居ない。」
(保健室の扉を空けるが、中に人の気配はない。
…散歩でもしているのだろうか。)
■コゼット > 「まぁ、いいか。ちょっと応急道具を借りましょう。」
(コゼットは気にせず中に入る。保健室を見渡し、包帯・消毒薬・ガーゼを探そうと棚を見る。
…昨日の一件で負傷した腕の治療の為だ。袖を通しているので判り辛いが、汚れてきて少し目立つ。
新しく取り替えなければ。)
ご案内:「保健室」に矛海 遼さんが現れました。
■矛海 遼 > しばらくすると、足音が静かに響き、保健室へ入ってくる
「失礼します。少々治療道具を――――コゼット先生?」
■コゼット > 「あった、これなら…。…って、あら、矛海先生も怪我ですか?
生憎、保険医は不在のようですよ。」
(一通りの道具を見つけた所でさぁ、と思った所で扉からの来客。
…左腕を大きく負傷しているのだ。脱がなければ治療は出来ない。
もう少し遅かったら、見られていたかもしれない。)
ご案内:「保健室」に相楽 満さんが現れました。
ご案内:「保健室」に蓋盛 椎月さんが現れました。
■相楽 満 > 「失礼しまー……」
中の二人を見て静止。
きょろきょろと見比べて。
「……後にしたほうがいいッス?」
■矛海 遼 > 「なるほど、少々顔の知った知人がいたと思ってはいたのですが……あぁ、怪我をしたのは私ではないのですよ」
何かを抱えて、こちらへ来たようで、腕の中には足に傷を負ったやや大きめの犬が抱きかかえられている
「この子の治療の為に連れてきていただけですので」
■蓋盛 椎月 > 今保険医的存在が求められているような気がした!
(キョロキョロしている男子生徒を追い抜いて
堂々とした様子で保健室にエントリー)
ってあれコゼっちじゃん。……それと怪我犬さん。
(見知った顔と……犬を見た)
■矛海 遼 > 後から気配を感じ、後ろへ視線を見やると
「ふむ………どうかしたのか?」
振り向きながらやや大きめの犬を抱きかかえた状態でそちらを向く
■矛海 遼 > 後から入ってきた白衣の女性を見ると、一つ言葉を溢す
「えぇ、最低限の治療はできない物かと思いまして。」
■相楽 満 > 「犬ッスか!?
えっ、校内に連れ込んでいいんスかね、それ……
あ、えーと、俺はちょっと検査とかしたくてッスね……」
どうしたもんか、という表情で扉の前で止まっている。
■コゼット > 「ああ、お構いなく。私もちょっ怪我の治療をしにきただけですから。」
(入ってくる相楽に遠慮しないで、と声をかけ。
…こうしてみると保険医も忙しそうに見えるが…)
「……噂をすれば現れましたね。怪我人、沢山ですよ?」
■矛海 遼 > 「そう、犬っす。だ」
無表情の張り付いた青年は少年に声を掛ける
「検査ならば問題無いだろう、さ、早く入ると良い」
■蓋盛 椎月 > (席を外してる間にめっちゃ人が集まっててビビるが、
保健室稼業ではまれによくあることだ……)
(犬……から視線を上げて知った教師の存在にようやく気づく。)
よく見たら矛海先生じゃないですか。
あいにくと獣医じゃありませんけど、
応急手当ぐらいなら出来ますよ。
(コゼットの広げていた救急道具を手にして)
……というかコゼっちはなんで怪我してるの。
……犬にでも噛まれた?
(外にいる生徒には)
遠慮しないで入っておいでー。
あたしが診れるものなら診るからさ。
診れなかったら診ないけど。
■矛海 遼 > 「ふむ、怪我ですか………何かに襲われたりでも?」
時間を考えればそこまで遅い時間ではないか、浅い傷なのだろう。
しかし、それでも教員が怪我を負うという事態が起きていることは事実。
青年の興味を引くのは当然だったのかもしれない。
「すみません。いきなり押しかける形になってしまいまして」
■相楽 満 > 「ウッス、いや自分の検査したいだけなんで。
端末と器具だけ貸してくださいッス。
そんじゃ失礼します」
のそのそ入ってきて、かばんから朝採尿した容器を取り出す。
保健室の棚やら端末やらに近付いて、操作し始めた。
■コゼット > 「犬に噛まれた程度なら良かったのですが。…ええ、昨日ちょっと。」
(と言いながら左腕を触る。良く見れば袖の上からでも赤黒いものが見える。
コゼットが袖を捲ると、下に隠れていた左腕の殆どを包帯が巻かれていて肌を隠している。
その所々は血だろう。赤黒く変色している。)
■蓋盛 椎月 > ……む。(コゼットの怪我に、さすがに神妙な顔になり)
結構えぐくやられてるね。……病院で検査したほうがいいんじゃないかな?
ここじゃ大した治療はできないよ。
……それともあたしの《イクイリブリウム》で治す?
(矛海には)
まあ、保健室ってそういうとこですから。
とりあえずそのワンコの怪我を消毒しちゃいましょうか。
……にしてもどこでその犬を?
(相良には)
……なんか手馴れてるな。
そもそも尿検査って各自で勝手にやっていいもんだっけ?
(……まあいっか。)
■矛海 遼 > 「どうやら歓楽街で騒ぎがあったみたいでして、どうやらその時に巻き込まれた物かと」
抱きかかえていた犬を負担の少ないように寝かせて傍に置き、傷のついた足を見えやすい状態にする
■相楽 満 > 「えーっと、学園の許可は取ってるッス。
筋ジストロフィーの検査やるんスけど、こっち来たもんで行きつけの病院いけなくなって、自分で出来るように教わったッス」
尿を使って検査している。
結果が出るまでじーっと待機中。
■コゼット > 「いやはや、治癒魔術も勉強しておけば良かったと思いますね。後で図書室で魔術の本を借りて読もうかと思っていますよ。
不在だったので、包帯を取り替えるだけと思っていたのですが……どうしようかな。
そういえば銃を使っていましたね…あれですか?副作用もあるって言ってましたけど、詳しくは知らなくて。」
(交換だけでも構わないという事だが、迷っている様子だ)
「歓楽街の方でしたら違う事件でしょうね。
…というか、そちらの方でも何かあったのですか?なんとも物騒ですね…」
(あちこちで何かが起きている。本当に治安が悪いな、と。
そういえばまだ歓楽街には足を運んだ事無かったな。)
■矛海 遼 > 「えぇ、何でも複数の生徒が異常な行動を起こしていた、とか。化物に取りつかれた生徒が居た、とか。風紀委員が駆けつけていたみたいなので恐らくは無事なのでしょうが、どうも心配ですね……」
静かに寝た姿勢を取っている犬の頭を優しく撫でながら、自身の知っている情報を口に出す。
■蓋盛 椎月 > なるほど歓楽街で……。最近物騒ですもんね。
(今日はいい天気じゃのう……並みの当たり障りのないセリフ)
はいはいいい子いい子……おとなしくしていてね。
(特に何もなければ慣れた調子で傷口を洗い、消毒し……包帯を巻いてやる)
(相良の言葉に納得して頷く)
ああ、許可取ってるんだ。じゃあ大丈夫だね。
なんか怪我人多いし、そっちでできるならやっててー。
(コゼットの言葉には)
そちらの方でも……か。(ふうむ、と思案し)
するっていうと事件だね。……じゃああたしの異能は使わないほうがいいかな。
治すかわりに傷についての記憶を失っちゃうから……。
まあともかく、包帯交換しちゃおうか。
(コゼットに近づいて、包帯を外そうとする。)
■矛海 遼 > 「とりあえずこれで、この子は大丈夫ですね」
よかったな、と語りかけるようにしながら犬の頭を撫でている。
妙におとなしく、人間慣れしていて、首輪が無い所を見ると誰かに飼われていた捨て犬か何かなのだろう。
「ふむ……では、コゼット先生はこの後病院へ?」
■相楽 満 > 「どこもかしこも事件事件ッスね。
ここホントに学園都市ッスか……
大体学内の生徒がマジで怖いし」
誰に対して問うわけでもなく疑問を投げかける。
検査結果が出るまでまだ少し。
■矛海 遼 > 「人も力も、大きくなればなるほど綻びは生まれる物だ。学園都市内でも外でもそれは変わらない。」
少年の疑問に己なりの考えを出して見る。
あくまで自論ではあるのだが。
「もしかしたら学園都市だから、かも知れないがな」
■コゼット > 「相楽君は中々しっかりしてるんですね。」
(慣れている所を見ると、長いのだろうか…と思ったのだが、それ程難しい検査でもないのか。)
「……それはなんとも。報告書か何かは出ているのでしょうか。そういえば薬物がどうとかも噂で聞いたような…。」
(落第街で聞いた話が頭を巡る。場所は違うが、そうゆう場所でもそんな事が起きるのかと思うと、これは只事ではない。)
「危険な魔物が現れたので、それの対処をしていて。
──あ、それなら既に文章を纏めて注意勧告を出しておきましたので。
だから恐らく問題はないと思いますよ。書いた事まで忘れちゃうとなると、ちょっと混乱しそうですけど…。」
(大人しく包帯を外させる。
その下からは何か鋭い物で切り裂かれたような生々しい傷跡。
その傷は肩の方にまで迫っており、腕を捲っただけでは見え辛いだろうか。)
■蓋盛 椎月 > 人慣れしてて助かりました。
前にも犬猫を手当したことはありますけど
元気すぎておとなしく治させてくれないことが多くて……。
(ふう、と胸を撫で下ろす)
矛海先生はそのワンちゃんどうなさるんです?
(相楽のぼやきには)
いろんな連中が集まるとそれだけトラブルも多くなるってことさ。
この学園はみんな一緒に過ごせるモデル都市にするってのが理念らしいけど……
まだまだ問題は山積みたいね。
(鼻を鳴らす。)
まあ……異能使わずに治せるならそれに越したことはない、かな。
命に係るレベルじゃなさそうだし。
魔物か。いろいろいるな~ほんと。知ってるけど。
(コゼットの怪我を検分して)
んん……見た目より怪我が広いな。こりゃ脱いでもらわないとダメかな。
(……男たちにチラと目配せした。どっか向いてろぐらいのニュアンスを込めて)
■矛海 遼 > 「この子は何処か引き取ってもらえる場所を見つけるまでは保護しますよ。では………」
優しく頭をトンッと触れた後に女性陣からは反対側を向いた上で、本を取り出して目元を覆っている
「あぁ、これで大丈夫ですよ?」
■相楽 満 > 「うーん、先生方も頭悩ませてんスね……
なんつーか、ホント問題だらけだなぁ……」
結果が出たらしい。
それを見て眉根を寄せ、小さくため息を吐いた。
「そのうち厄介ごとに巻き込まれそーだなぁ」
ぺこりと頭を下げ、後ろを向いた。
かばんからノートを取り出し、さらさら書き始める。
■コゼット > (コゼットも気にしていたようで、少し恥かしそうに頻りに男性陣の方を見ていた。
二人が後ろを向いた事を確認すると、ワイシャツのボタンを一つずつ外し、脱いで左半身を露出させる。
白くて思わず障りたくなるような美しい肌に、飾り気の無い下着が豊満な胸を支えている。
そしてそれに不相応な、左腕から肩にかけての、痛々しい傷跡。)
「……ん、しょ、これでいいですか?」
■蓋盛 椎月 > どんな時代やどんな場所にだって問題はあるさ。
その中でみんな出来るだけより良くなるような選択をしているんだよ……
たぶんね。
(コゼットの白磁の肌と傷痕のギャップに目を見張り、息を吐くも、
それは数瞬に済ませ、男性陣から傷を隠すような位置に立つと
淡々と傷痕を綿球で消毒し、ガーゼを乗せ、
血行が悪くならないような最適な巻き方で新しい包帯を締め、
テープで止める。)
はい。……これでひとまずはよし……っと。(身を離す)
■コゼット > 「そうですね。少しずつでも、皆と協力して問題は解決していくしかありません。」
(処置をされた左腕を見る。
蓋盛の腕を疑っていた訳ではないが、とても保険医らしい無駄の無い処置だった。
大きく動かす事は出来ないが、包帯をした後の感じが快適にすら感じる。)
「ありがとうございます。…やっぱちゃんとした人がやると違いますね。」
(お礼を言いながらワイシャツを着て、ボタンを閉じる。
すっきりした気分だ。)
■矛海 遼 > 「少しずつでも平和には近づけさせることはできる。地道な作業だが、な」
本を顔に被せ背を向けたまま、寄ってきた犬にひざ元にくっつかれている
「あぁ、病院へ行くなら送って行きますよ?」
■蓋盛 椎月 > ……あ、もうこっち向いていいよ。お二方。
……ども。惚れてくれてもいいんだよ~、なんてね。
包帯は適切な巻き方でないと最悪キズが悪化する場合もあるから。
魔物が毒か病気持ってたりしたら大変なことになるし、
一応検査受けておくことを養護教諭としてはオススメしとくよ。
(冗談を交えたりして笑ってはいるものの、至極真面目な口調)
■矛海 遼 > 「流石、蓋盛先生ですね。」
本を懐にしまい、そちらへ向き直る。
無表情の状態で犬にじゃれつかれながら、だが。
■相楽 満 > 「ウッス、スンマセン。
お邪魔しちまってほんとスンマセン」
ノートに書き込みながらぺこりと頭を下げる。
■コゼット > 「ええ、仕事振りに関しては。
これ位なら大丈夫かと思っていましたが…蓋盛先生が言うならそうする事にします。」
(冗談を交えながら返事をする。
遠慮をしている訳ではないのだが、素人判断はいけないというのも確かだ。)
「いえいえ、病院に行く位はどうって事はないので。…歩けない程だった時は、お願いしますね?──相楽君もお大事に。」
(犬の事もあるだろうし、手を煩わせまいと思ったのだろう)
■蓋盛 椎月 > 流石でしょ~。(ダブルピースを向ける)
……なんだか随分なつかれてますね。(苦笑)
先生が飼うのもアリでは?
気にすることないって~。こんぐらい余裕余裕。
コゼっちもワンコも大事には至ってないみたいだしさ。
(朗らかな笑顔)
■相楽 満 > 「あ、いえ。俺は大丈夫ッス、ホント。
心配しないでください」
へらっと笑顔を浮かべ、ぺこりとコゼットに礼をした。
ノートにかかれた検査日誌には色々書かれているが、よく見ればあまり良好でないことが伺える。
■矛海 遼 > 「ふむ……相楽か……困った時にはいつでも頼っても良い。邪魔なんてことはまずないのだからな。頭を下げないでくれ」
少年へそう返しつつ、犬をたしなめているが、膝元に両足を乗せて身を乗り出されるくらいに懐かれてしまっている
「……どうにも、人よりは動物に好かれやすい質みたいでして。これは明日は私服授業になりそうだ……」
無表情ながら、少々微笑ましく見える光景ではある
「えぇ、では。もし何かあればいつでも。足になる物は多すぎるくらいには持ち合わせていますので」
コゼットにそう返すと、犬を抱き上げると共に、頬を舐められている
■蓋盛 椎月 > (コゼットの返事に肩をすくめて)
もしなんかあったらあたしの責任問題に発展しかねないからね~。なんつって。
ともあれお三方お大事に。なんかあったらまた相談しに来てよ。
これがあたしの仕事だからさ。……いないときもあるけど。
(今ひとつキマりきらないセリフ。)
(とりあえず三人とも事態は解決したようで、
備え付けの椅子に座ってふう、と一息ついた。)
■相楽 満 > 「……いや、そうは言ってもッスよ、先生。
先生方3人に囲まれて、かたやかわいい犬の手当て、かたや先生の大怪我の処置って。
俺やっぱ後でよかったんじゃねーのって思っちまいますよ」
笑いながら言うが、真剣には言っていない。
少しの居心地の悪さに口から出ただけのようだ。
■コゼット > 「ええ、助かりましたよ。
…っと、この後授業がありますので私はそろそろ。
──ああいえ、授業する分には全然問題ないので大丈夫ですよ。そう休む訳にも行きませんしね。」
(制止されるだろうと思ったのか先読みして付け加える。
…本当に犬に懐かれている。犬の好きな何かでも出ているのだろうかと思う位に。)
「それじゃあ失礼しますね。ありがとうございました。」
(特に引き止められなければ、このまま保健室を出るだろう)
■蓋盛 椎月 > あはは、そうかな。まあ保健室の外でうろちょろされるのも
それはそれで気になるからね。
おう。お達者でー。
(去る姿を、デスクに肘を付いて見送る……)
■矛海 遼 > 「………確かに、気分はわからなくもないな。だが、そちらだって必要な事だったはずだ。優先順位でどうこう言える物でもあるまいよ」
スーツが毛だらけになりながらも犬を抱き留めつつ
「お大事に。手が空き次第、手伝い位などはしますので。」
そのまま保健室を出ていくのを見送って行き、続く様に外に出ようとする
「では、失礼させてもらいます。ありがとうございました」
ご案内:「保健室」からコゼットさんが去りました。
ご案内:「保健室」から矛海 遼さんが去りました。
■相楽 満 > 「……先生、ちっといいッスか?」
二人の教師が出て行った後に、ノートを持って近付いてくる。
先ほどの笑みが消えているあたり、真面目な話か。
■蓋盛 椎月 > ……お。
(全員ひとまず一段落したかと思っていたが――そうでもなかったか。)
話したいならなんでも聞くよ。それがあたしの仕事だからね。
(椅子に座って、常のように泰然とした調子で。)
■相楽 満 > 「お願いします。
俺、筋ジストロフィーが発症してるんス。
異能が発現したおかげか、車椅子生活からは脱したんスけど……
この通り、定期的にやってる検査ではどんどん数値が悪い方向に行ってるんスよ」
ノートを開いて見せる。
おおよそ二年ほどの検査データが書き記されており、それは発言通り病状の進行を示す変化が続いている。
「異能とか魔術とか、この学園にはほんと色んな力がそろってるんで……
もしかしてッスけど……難病指定されてるこいつも、治す方法とかって無いッスかね?」
■蓋盛 椎月 > ふぅむ……。(顎に手を当てる。)
相楽満くんだったよね。
(筋ジストロフィー……現代においても有効な治療法の見つからない特定疾患のひとつ。
ノートと、相楽の顔で視線を往復させてから、デスクのPCを操作する。
名簿にあるデータには、発症は幼いころ、から……。
さらにもう少し操作。登録されている異能について検索したようだが
芳しい結果は得られなかった。)
(腕を組む)
どうかな。あまり期待はするな……って言っておくよ。
治療を得手とする異能者や魔術師は思いの外少ないんだ。
……いないわけじゃないんだけど、筋ジストロフィーのような難病を
治すのは、現代医学でどうこうするのと同じぐらいに難しいだろう。
……あたしが知らないだけで、奇蹟のような癒し手が
探せば見つかる……かもしれない、が、そう都合よく見つかるかかどうか。
(一拍置いて)
……だが。
あたしの異能……《イクイリブリウム》なら、おそらく治すことはできるだろう。
死と記憶喪失以外なら、あたしはなんでも治してきた。
治すだけ……ならな。
(ここまで言って口を閉じ、相手の反応を伺った。)
■相楽 満 > 「やっぱそうッスよね。
魔術とか異能っつったって、奇跡の力~ってわけじゃねーですし……
歩けるし、力も振るえるくらいに持ち直したんだから、もしかしたら……って思ったんスけど、やっぱ難しいッスよね」
ある程度予測していた答えだったか、落ち込んだ様子もなく頷く。
「……えーと、蓋盛先生の異能っつったら……
アレでしたっけ。それに関する記憶をなくす、みたいな。
難しいし、教員名簿のやつ読み飛ばしちゃったんスけど」
■蓋盛 椎月 > 陳腐な言い回しだけど、壊すより治すことのほうが
はるかに難しいってことなのかもしれないね。
やれやれ……奇蹟も魔法もあるようでないもんだ。
そうさ。
《イクイリブリウム》なら、何でも癒やす……
その副作用として、それにまつわる記憶を消し飛ばす。
……それは長期的であったり、重い症状だったりするほど
飛ぶ度合いは強くなる。
……キミは幼少期からそれを発症している。根が深い。
あたしは「ちょっとだけ治す」みたいな器用なことはできない。
《イクイリブリウム》を使えば、おそらく……
良くて乳児からやりなおし、悪くて廃人、ってとこだな。
(事も無げに言う)
…………なんてのは嫌だろうから、まあ、オススメはしないな。
それ以外で、考えられる手とすれば……
(首を振る)
……悪いね、あたしには思いつかない。
■相楽 満 > 「……そーなりますよね。
体治すために全部パァにしちゃ意味ないッスから。
それじゃ十代後半で死ぬまで延命措置と変わらないッスね。
……やっぱ難しいッスよね……」
ばりばり頭をかいてため息をひとつ。
予想通りとはいえ、やはり少し落ち込む答えではあったか。
「ここの生徒とか、まだわかんねー能力とかに頼れたりしないッスかね。
車椅子生活から脱して、ちょっと希望持てただけに……
なんとかなんねーかなって思ってるんスけどね」
落ち込み気味ではあるが、まだあきらめた様子は無い。
■蓋盛 椎月 > 全くその通り。
おかげで万能の治療異能であるはずの《イクイリブリウム》は
肝心なときにさっぱり出番がなくて困っちゃうよ。(おどけて笑う)
……あたしだって学園全員の異能とその活用法を把握してるわけじゃない。
いろんな奴らと喋ってみることだ。
そうすれば、なにか活路が見つかるかもしれない。
……見つからないかもしれない。
(感傷のこもらない、事実だけを伝える声)
……とりあえずは、治すことよりも、キミの『杖』となっている
その異能を磨いて進化させてみることのほうがより見込みがあるかもしれない、かな。
諦めるな、とは言えないが……
キミが諦めないうちはいくらでも相談に乗ろう。
それぐらいしかできることはないしね。
(少し皮肉交じりに)
■相楽 満 > 「先生も大変なんスね……治せるけど治すわけに行かないってタイミング多そうッスから。
んー、まぁいっぺんなくした人生ッスから、頑張ってみますよ。
異能込みの力が全部死ぬまで、心不全起こすまでは頑張ります。
異能からもらった奇跡、無駄にはしねーッス」
にまっと笑い、そう言い切った。
「……そッスね、この力伸ばしてみたらワンチャンあるかもしれねーッス。
それに確か、研究棟のほうじゃ異能の発現の研究とかもしてましたし……
俺がこの能力で延命できるってわかったら、この異能を強制発現させれれば、もしかしたら筋ジストロフィーの対策になるかもしれないッスからね。
なんにしてもよろしくお願いします、先生」
あくまで前向きに。
後ろを向くことを己に許さない。
生きられるというより、生きる未来に縛られてがんじがらめにも見えるかもしれない青年の姿があった。
■蓋盛 椎月 > 大変さでいえばキミのほうが大変だろうよ。
本人に意思を問う間もなく治さなきゃいけないことも昔はあったな。
……治療を望んだか望んでないかは、もうわからないけど。
キミはどうやらその歳にしちゃ、自分の運命と向き合うことが出来て、
しっかりしてるよ。
……それが逆に心配だったりもするけれど。
とにかく色々と可能性を探る、それが大事だ……。
……ふあぁ。(あくび。)
仕事した後に慣れない難しい話したら眠くなっちゃった。
悪いけど寝かせといて。
(言うが早いが、デスクに突っ伏して
寝息を立て始める……)
ご案内:「保健室」から蓋盛 椎月さんが去りました。
■相楽 満 > 「……ウッス、ありがとうございました、先生」
ぺこりと礼をして、かばんにノートを詰め込み、静かに扉を閉めて出て行った。
ご案内:「保健室」から相楽 満さんが去りました。
ご案内:「屋上」にエリンさんが現れました。
■エリン > 「zzz……」
すやすやと屋上で寝ている。
暖かな日光がエリンを照らす……というか、暑い。
流石のエリンも、日陰に逃げてはいるが、暑そうに汗を少し浮かべている。
■エリン > こんな暑さなのだからエアコンの効いた部屋で寝ればいいではないか、といわれそうだが、日光に当たるのが好きらしい。
そのため、こうやって外にでているわけだが
「zzz…………あつい」
少しして、むくりと起きる。
■エリン > 「はぁ……こんなに暑いだなんて。
……こんなに暑いと、もうすぐ海開きかな……」
ハンカチで汗を拭いつつ、日陰から空を見あげる。
風があるだけマシではあるが、やはり暑いものは暑い。
この服も、夏仕様で薄くなっていたりはするのだが、やはり暑い。
■エリン > 「……水着。買いなおさないとだめ、かな」
胸をぽむぽむとさわり。
不死ではあるものの、不老ではない。
その体は歳相応に発育しており、だんだんと肉もついてきていた。
(でも、水着とかってどこで売ってるんだろう?)
■エリン > 今度、学生街にいってみよう。
お金はそれなりにあるし、ないならバイトをしてみよう。
異能者は異能者なりに稼ぐ方法があるだろうし。
■エリン > (ウェイトレス、やってみたいかも)
カワイイ制服があるところがいい。
髪が邪魔かもしれないが、結べばある程度は……。
「……」
試しに結んでみるが、結んだところだけがまとまっており、毛先はほとんど変わっていない。
■エリン > パッと手を離せば元に戻る髪の毛。
(ウェイトレスは、あきらめよ)
当初思ったとおり、異能者らしい稼ぎ方を探そう。
そう考えたが、エリンは戦闘系の異能ではない。
それほどやくにたてるものはない。
■エリン > せいぜいが、動物に好かれやすい、体質みたいな異能ぐらいか。
動物園でアルバイトをするか。
しかしこんな島に動物園なんてあるわけがない。
乏しい発想力は現実に負けた。
■エリン > がさがさと、袖から紙を取り出す。
掲示板から一枚破って取ってきた連絡事項の紙だ。
多数貼られてはいるが、その中で気になったもの。
危険生物、怪しげなメール、この二つを取ってきた。
■エリン > 危険生物。魔術師食い。
エリンも一応は魔術師に分類されるし、その身に溜め込んだ魔力は多いほうである。
狙われるかはともかく、読んでおいても損はない。
ついでに言うと、不死が食われたらそれはもう悲惨である。
■エリン > (でも、こんなのがいるとしたら……。
そのうち異能者食いとかもでるのかな)
異能者に反応して襲ってくる生物。
そんなのがいたら……
(……異能が発現してるかどうかに使えそうだなぁ)
なんて、平和的な使い方を考えてみる。
■エリン > もう一つの怪しげなメール。
こちらは……よくわからない。
メールを通して異能の被害がでる、ということなのだろうか。
気にはなるが、どういうことなのか。
■エリン > とりあえず、メールは注意しておこう。
そう思って、立ち上がる。
ぱっぱっ、とスカートについたゴミを払う。
そろそろ本当に暑いし、部屋に戻るとしよう。
ご案内:「屋上」からエリンさんが去りました。