2015/06/27 のログ
ご案内:「ロビー」にコゼットさんが現れました。
コゼット > 「ふぅ…。」

(ロビーでスポーツドリンクを飲みながら椅子に腰掛けてゆったりしている姿が一人。

今日は久々に実技授業を行った。
久々に身体を動かした事になるが、やっぱり多少体力の衰えを感じる。
しかし、学園は近々試験期間に入る。教師である私が何時までも休んではいられない。
試験の内容も考えておかなくては…。)

コゼット > (筆記は兎も角、実技に関してはある程度能力で差が無い様にしたいが、難しい。
いやしかし、それらを扱うようになる為に受けているのだから、多少なりとも厳しく行った方がいいのだろうか。

人に試験を与えるというのも中々考えさせられるものだ。
教える側ならではの問題だなぁ、とぼんやり物思いに耽る。

…しかし……。)

「なんだか帽子がないと落ち着かないなぁ…。」

ご案内:「ロビー」にサリナさんが現れました。
サリナ > 「コゼット先生」
茶の入ったペットボトルを手に、呼びかけながら歩み寄る。

「お加減はいかがですか?」
隣の席に座り、具合を聞く。
確か実技は久々だったように思えるから無茶をしていないだろうか、と
よくよく見ればあまり元気のなさそうな顔しているような。

コゼット > 「ん。…ああ、サリナさん。
…長い間授業に出れなくてごめんなさいね。」
(彼女は生徒の一人が声を掛ける。熱心に講義を受ける者の一人だ。
勿論魔術を教える先生は他にも居るのだが、自分が教える予定だったものは殆ど自習という形で進んでいただろう。
状況が状況だったとはいえ、申し訳ない事をしたな…と。

…そういえば、生徒達は私が休んだ原因を知っているのだろうか?)


「ええ、ちょっと体調を崩してたけど…病院で点滴を受けたら元気になったわ。
その間ずっと寝ていたから、ちょっと体力落ちたかなーって。
少し休めば大丈夫だと思うわ。」
(本当はもう少し安静にしているべきなのだが、それは言わずに置いておく。
尤も倒れてしまってはそれこそまた皆に迷惑が掛かる。その辺りは心得ている。)

サリナ > 「そうですか…ご無事なようで何よりです」
入院していた事自体は知っていたが、何故入院していたかは知らない。
少しだけそれについて聞いてみようか、と考えつつ先程声をかける前に先生が言っていた台詞を思い出した。

「そういえば帽子はどうなさったんですか?何か、入院していた事と関係が?」
帽子を肌身離さずかぶっているのは知っている。
帽子がないと落ち着かないのにないという事は何かそれと関係しているような気がする。

ご案内:「ロビー」にビアトリクスさんが現れました。
コゼット > (流石に生徒には試験については相談出来ないなぁ…と思いつつ。)
「ちょっと教師生活に張り切りすぎちゃったのかも。自己管理が出来ないようじゃまだまだ私も甘いわね。」
(その言葉は遠からず。)

(帽子の事を指摘されれば、どう答えようかと考えを巡らせる。別に本当の事を言っても支障はないかもしれないが…
教師がやられてしまった、なんて言えば不安を煽る事になってしまうだろうか…。)

「帽子は…この間無くしちゃって。私も探しているんだけど中々見つからなくてねぇ…。
無くした場所には心当たりがあるから、時間を見つけて探しに行こうと思っているんだけども。」
(嘘は言っていない…筈。)

ビアトリクス > 「お疲れ様です、コゼット先生」
ロビーにもうひとり生徒が現れる。
彼もまたコゼットの授業に出席している生徒の一人だった。

「ええと、ちょっとその……
 魔術について個人的に質問したいことがあるんですが
 ……今、大丈夫ですか?」
控えめがちにそう声をかける。
近くにいる女生徒は前に顔を合わせた仲だった。
目が合えば軽く一礼。

コゼット > (しかし、注意喚起を出しておいてなんだか矛盾している…?
そんな事を考えていると、また一人別の生徒を声を掛けられる)

「あら、えーと……日恵野さんだったかしら。
ええ、勿論構わないけれど。」
(勉強熱心な生徒が居るのはなんだか嬉しいなぁと思いながら、その質問に答える意思を見せる。)

サリナ > (先生も色々大変なんだ)
コゼット先生は自分よりも体が小さい。たった10cm程度ではあるが、
それだけに体調不良や怪我とかはその分大きく見えるような気がする。


「帽子、無くされたんですね、でしたら私が……」
言いかけた所で別の生徒が挨拶をした。
よく見ればこの前公園に居た…が名前は聞いてなかった気がする。

礼をされ、こっちも会釈で返して続く言葉は相手に譲る事にした。

コゼット > 「あ!いつもはこんなんじゃないのよ!
ただほら…環境の変化ってあるじゃない?あれよ、あれ。
家も新居…じゃなくて寮に移ったから、疲れが取れてないのかもしれないし。」
(その寮、実際は物凄く快適なのだが。)

(私が、という部分を聞いて「とんでもない!」と。
まだ例のアレが潜んでいるかもしれないのだ。そんな所に生徒を向かわせる訳にはいかない。)
「いやいや、大丈夫…大丈夫!ほら、心辺りのある場所って私しか知らないし!
…ほら!その時間を魔術の勉強に使った方が良いと思うし!私もそう思う!」

(コゼットにしては慌てたような素振りでこれを拒否する。)

ビアトリクス > 近くの席に座る。
(よく見るとでかいな……)
いつぞやの公園では片方が座り片方が立っていたからわからなかったが、
この女生徒は、この年頃の少女にしては背が大きい。

「はい、日恵野です。
 ええと。先生の教える攻撃魔法はだいたいの相手に通用する
 汎用的なものなんですが……
 俊敏に動き回る小さい獣みたいなのを相手にするときは
 どういう手段を取ればいいかわかりますか?」
表現を探しながらゆっくりと質問。
手元をろくろを回すような謎の動きを見せる。
その手の甲には絆創膏が。

サリナ > (なにか焦ってる?)
しかしコゼット先生は授業もあって中々時間を取る事はできないだろう。
何故か拒んでいるような感じがした。後でもう2、3聞いてみよう。
とりあえずは話の輪が二人へ移ったので背を向け、ペットボトルのお茶を飲む。

「…ふぅ」
ペットボトルのお茶もそんなに悪くない。
家では自分で淹れた茶を飲むが、外に出ている時は淹れる訳にもいかない。

…と、そんな事を思いながら背後にいる二人の会話をあまり聞かないよう努める。

コゼット > 「小さい獣ねぇ…。それって兎とか犬とかその辺りの大きさかしら?」
(犬はサイズにかなりばらつきがあるが。)

「一つに、逃げ場を無くして行動範囲を狭める。
例えば地や氷の魔術を使って障害物を作るのよ。炎で囲ってもいいかもしれないわね。」
(その場合は少し工夫が必要かもしれない、と付け加えて)

「二つ、獣自体の運動能力を落とす。
体温が低下すれば動きが鈍る。この場合も氷かしらね。
直接打撃を加えればそれが一番なのだけど…、水で流してしまうのも良いかしら?
当たらなければ意味がないので、手段の一つとしてね。」

「三つは、広範囲に及ぶ魔術を使う事よ。
相手が小さいと点で狙うのは難しい。面で当てるのよ。
この辺りは放射魔術が効果的でしょう。小さい体なら術の威力が弱くても影響は大きいでしょうから、少し効果範囲を意識して行使する事。」
(一先ず、思いつく点を3つ上げてみる。
どうような生物か詳しく判ればもう少し違うかもしれないが、大体はこれで応用が聞く筈だ。)


(サリナは気を利かせているのか、振り返ってお茶を飲んでいる。
好意を不意にしてしまったが、それを考えても、やはり──。)

ビアトリクス > 背を向けた彼女を見て、おや、遠慮させてしまったかなと
若干申し訳ない気持ちに。
そんなに積極的に喋りたいことがあるわけでもないが。

「なるほど……要は機動力を削ぐ、ということですか。
 参考になります」
感心したように頷きながら
ノートを取り出して、コゼットの発言をまとめる。

「ああ、正確に言うと
 これぐらいの大きさの(手を60cmぐらいに広げて)
 立派な茶色の毛皮を持つ、ね――」
猫です、と言いかけて気づく。
さすがに野良猫に魔法をぶつけるのはどうだろうという理性が
首をもたげてきた。
いくら強かにひっかかれたからといって。

「――肉食性動物です」
ごまかす。

サリナ > 背を向けてお茶を飲んでいるつもりがやはり気になって意識がそちらに行ってしまって耳を傾けてしまう。

「…」
流石と言うべきか、生徒の質問にすぐさま何通りかの回答を出す。
できない事は言葉にするのを憚られる。コゼット先生が出した回答は全てコゼット先生ができる事なのだろう。
一方、質問をしてきたこの生徒は…

(ヒエノ、日恵野さん)
とりあえずは名前を覚えておく。ちらりと後ろを見るが、ノートに書き留めている。
真面目な生徒なのだろうという事が伺えた。
しかし肉食性動物…とは一体なんだろう、茶色で抱き上げる事ができる大きさの…

(カピバラ…?)
カピバラは肉を食べただろうか…

コゼット > (ね……。"ねくしょくどうぶつ"と言いかけたのだろうか。
相手は真面目に質問しているのだし、細かい事は追及しないでおく。)

「普通に弓矢や猟銃を使うと苦労するでしょうけど、魔術はその点有利ね。
それ位の大きさだったら通用すると思うわ。
…ただ、逃げ場を狭めるのは、囲い方によっては自分も危険に晒す事になる。よく考えて。」
(その戦術に対する危険性も述べておく。全ては状況次第だ。どれ位素早いかも判らないし。)

「それにしても…この辺りに出るのかしら?その生物って。
人にも遅い掛かるとするなら危険だと思うのだけど…。」

(素早い、茶色の毛皮の、肉食性動物───。
……子ライオン?……いや、別に素早くはないか。
むしろ、かわいい。)

ビアトリクス > 「……ご忠告痛み入ります。
 病み上がりのところ、ご丁寧にありがとうございます」
頭を下げる。
まじめに受け答えしていただけるのは率直にありがたい。
質問した理由が個人的な怨恨(野良猫相手の)であるだけに余計に。
ちょっと深刻に申し訳なくなってきた。

「いえ……そんなに危険ではないんですが……
 うかつに捕縛しようとすると……危険かも?」
目が泳ぐ。嘘をついたもの特有の視線の動かし方だ。
言葉も歯切れが悪い。
妙な虚偽を言って架空の危険生物が指名手配されても困るし
今更本当のことも言えない。

「……まあ、この話はもういいんですよ。もう。
 コゼット先生が帽子をなくされた場所なんですけど、
 そっちのほうが危険なんじゃないですかひょっとして?
 なんだか近づけたくないみたいですし」
いたたまれなくなったので強引に話題を変えたい、日恵野ビアトリクスはそう思った。

サリナ > (ウォンバット…)
思えばカピバラはそんなに早くない、だとすればウォンバットの可能性が…
という所で話題が自分が気になっていた事に変わった。

(危険、とは?)
先生はそんな事は一切口にしなかった。つまるところ私の身を案じて?
近づけたくないと日恵野さんは言ったのだ。
この話題には私も入れそうなので、くるりと振り向いて二人に向き合った。

コゼット > 「いいえ、これ位なら何て事はないわ。
…捕獲?退治ではないのかしら。」
(突然挙動不審になったような。…まぁそれが本当か嘘かは兎も角
自分が言った事に関しては何れ役に立つ事もあるだろうし、耳に入れておいて損はないだろう。
詳しく聞こうとしたら、話題を逸らされてしまった。
余計気になってしまうが…その矛先が例の話題だけに、あっさりそちらに気が行ってしまう。)

「ええ、危険だと思う。…いや、危険じゃなくてもあなた達は試験が近いでしょう?
大事な時期が近いのに私の探し物を手伝わせる訳にも行かないわ。それで点が下がったりなんかしたら私の面目がないじゃない。」
(尤もな事を言い、あくまで回避の姿勢を示す。)

ビアトリクス > 「やっぱり退治するのは少しかわいそうかな……みたいな……」
やはり挙動不審である。

あくまで危険だから近づいてはならない、という主張には
全くもってそうですね、と何度も首肯して見せる。
「しかし、コゼット先生が危険だとおっしゃるような場所に
 万が一にも間違えてぼくたちのような未熟者が
 足を踏み入れてしまっては大変じゃないですか。
 そうならないためにもその場所を教えていただきたいのですが……」
真面目くさった表情で。
もっともらしいことを言ってみるがもちろん本意ではない。
危険な怪異でもいるならちょっと見てみたい。
それに訓練施設で木偶を相手に訓練するのも飽きていた。

サリナ > 「先生、私の身を案じてくれるのはありがたいですが、先生はまだ体力が戻っていないと思います。
先生は忙しいですから探しに行く訳には行きません。試験にはまだ時間がありますし……」

そこで言葉を途切れさせた。流石に心配してくれる人をこれ以上自分の意思で迷惑をかけるべきではないと思った。
私は日恵野さんに視線を向けて首を横に振った。心配させてはいけないと、そういう思いを込めて。

しかし、コゼット先生は帽子をいつも大事に被っていた。前のような元気な姿を見るにはそれがないと駄目な気がする。

「…それに失せ物は時間が経てば経つほど見つけ辛くなります。
私が頼りないというのであれば他の、誰か頼れる人にお願いしてみるのはどうでしょうか」

先生の気持ちを十分に察してそう提案した。

コゼット > (かわいそうと言う。…やっぱり可愛いのかな?)

(なるほど、確かに場所が判れば近付く事はないだろう。…本当に危ないと理解しているなら。
以前にも退治しようと意欲を見せていたような生徒も居た。真偽の判らない奨学金の噂もある。どれが正解かは判らない、が───)
「…まさか、興味本位で見に行くんじゃないでしょうね?
言っておくけど、危険というのはただ怪我をするだけでは済まないかもしれないのよ。」
(察しが着くなら、それは自分がそうなったからと見られても可笑しくない言葉。
しかしやはり、危険な場所に近付けさせる事は出来ない。
…それでも食い下がるというのなら、考えはある。)


「サリナさんも。…気持ちだけ受け取っておくわ。
大丈夫、私もこんな調子ですぐに探しに行こうとはしないわ。誰か知り合いの先生にお願いして探すのに付いてきて貰うつもりよ。」
(微笑んで見せ、大丈夫と言う。それはどう映っただろうか。)

ビアトリクス > (単に人が良いだけ、というわけではないか)
口を結んだ。
一瞬だけ興醒めな、つまらなさそうな表情を浮かべる。
彼の精神的な未熟さゆえだ。

「はは。まさか……そんな。
 しかし、どうしても教えたくないというのでしたら、
 無理に聞き出すわけにもいきませんね」

妙な印象を与えてしまっても困る。
良い教師だし困らせるわけにはいかない。
サリナの視線にはわかっているよ、と頷いてみせる。

……が、隠されるとどうにも気にはなるものだ。
コゼットに向ける視線には反抗的な光がまだ残っている。

「じゃあ、せめてどんな“危険”があるかは教えてくれませんか。
 それさえわかればぼくの不安も少しは和らぐと思います」

なにもこの人から訊き出す必要はないのだし。

サリナ > 警告にも似たような言葉が紡がれる。
『ただ怪我をするだけでは済まない』、それはコゼット先生自身がただでは済まなかった事を示しているようにも思えた。

「…」
大丈夫だと、そう言うコゼット先生の顔を見てこくりと頷いた。
その顔に浮かべた微笑みは、なんだか諦めてしまったかのような儚さを感じて寂しく感じられた。

そんな中、日恵野さんはまだ何か聞くつもりだった。諦めていないような、そんな雰囲気を感じる。
今しがた質問した事に関してはとりあえずは自分も聞いておこうと、黙って耳を傾けた。

コゼット > (そうか、やはり報告は出ていないのか。
…まぁ、もし既に出ているのなら二人は知っている筈だもの。
遠回しに言っていたが、どうも勘は鋭いらしい。
いや、それだけじゃない。
多分自分が意識しないうちにそうさせてしまったのだろう。

…まぁ、例の兼によって授業が滞ってしまったのは自分の責任でもある。
それによって生徒に影響が出たのだ。彼女達が知る権利位はあるか。

はぁ、と一つ深いため息。そして降参と言わんばかりにその真相を漏らす。)

「…魔術師喰いの事は知っているわね?それがこの間そこに現れたわ。
最初に見つけたのは生徒だったけれど。もしかしたらその辺りでまだ生きているかもしれない。」
(それだけ告げた。ここまでの話と合わせて考えれば、その影響がコゼットに及んだという事は難しくないだろう。)

ビアトリクス > 「……なるほど、それは災難でしたね」
いくつか驚異的な怪異は存在するが、
コゼットの様子を見るとそこまで深刻な外傷を受けている風ではない。
《魔術師喰い》にやられたというなら、納得だ。

「《魔術師喰い》ならある程度対策はできますね。
 大丈夫、わかっていれば、遅れは取りませんよ」
妙な自信の感じられるセリフ。唇は笑いの形に歪めていた。

「お話ありがとうございます。
 それじゃ、ぼくはこれで。お大事に」
コゼットとサリナに一礼して、その場を立ち去る。

ご案内:「ロビー」からビアトリクスさんが去りました。
サリナ > 「魔術師喰い…?噂程度には聞いた事がありますが…」
この島は割りと危険が絶えないと聞く。それ故に色々な事件が起こるのだが…
聞いたりしただけで自分はそんな目には会った事がないので、それほど調べる事がなかった。

(つまり…先生はその魔術師喰いというのにやられて…?)
そんな事を思っていると日恵野さんはさっさと行ってしまった。
去り際に彼女が言った台詞が気になった。『遅れを取らない』という自信気な言葉、そして新しい遊び道具を見つけたような笑みを…
その背中を見送りつつ、先生と向き合った。

「…先生、私はあなたに心配させるような事をしようとは思いません。思いませんが…」
ちらりと、日恵野さんが去って行った方角を見遣る。

…彼女ならするかもしれないと、そう目で訴えた。

コゼット > 「…。」
(大丈夫かな、と後姿を見送る。
とはいえ、自分が遭遇したのが以前報告に上がってた群れの個体ではないかもしれないし
今後もそれらは現れる可能性はある。

…場所は口にしていないのでそこに向かう事はないだろう。自分を助けた二人が口を滑らせなければだが。)

「…。己の力に慢心しては何れ身を滅ぼすわ。
サリナさん。出来ればもし次に会った時に彼女に釘を刺しておいて頂戴。
あの一件はまだはっきりと確認が取れていないのよ。」
(自分が気を失って後の事はどうなったのか判らない。確証が無い以上そこに近づける事だけはさせたく無かった。
場所まで聞こうものなら、適当に他の場所を言うつもりだったが──。)

サリナ > 「わかりました。今度会った時に私からも彼女に言っておきます」
頷いて、了解する。きっと彼女は何かしでかすだろうと、そんな事を思いつつも、
何故だか、自分も何かするかもしれない気持ちと、何もしないでおこうという気持ちが半々に存在していた。

それともう一つ、言うべき相手が居るのに気付いて立ち上がる。
コゼット先生の正面に立ってからしゃがみ込んだ。

「あと、先生……もう私を、いや…生徒達を心配させないでくださいね?」
コゼット先生の両の手を包み込むように触れて、視線は先生のその目にまっすぐと向けた。

コゼット > (不意にサリナの手が自分の手に触れ、一瞬きょとんとした表情見せて。
…守るべき生徒にまで言われたら聞くしかないじゃない。)

「…ええ、判ってる。他の先生にも散々怒られたし。
心配かけてごめんなさい。私に何かあったらまた授業が滞っちゃうものね。」
(気遣いをしてくれる彼女に微笑んでそれに答える。今度のはきっと、作り笑いではないだろう。)

「さ、私もそろそろ職員室に戻らないと。サリナさん、また授業でね。」
(立ち上がると、触れていたその手を両手で包み返して。
生徒は守らなくてはいけない存在。
しかし教師もまた、生徒達は必要としてくれている。
どちらが欠けても学園は成り立たない。その事を改めて身に刻まなければならないのだろう。)

サリナ > 今日、何度か見せた先生の微笑み。今のはなんとなく偽物じゃないと思った。
それに釣られてこちらも自然と微笑み返した…気がする。自分ではわからなかったが。

包み返された自分の手に篭る先生の指の力は、温かくて、元気な様を感じさせて安心を覚えた。

「ええ、また授業で……さようなら、コゼット先生」
自分も立ち上がり、先生に別れを告げてロビーを去っていった。

ご案内:「ロビー」からコゼットさんが去りました。
ご案内:「ロビー」からサリナさんが去りました。
ご案内:「屋上」にラジェルさんが現れました。
ラジェル > 【カツン カツン。屋上の階段を昇る。】

「クックック、今宵もまた夜は訪れた」

【テンプレートな魔法使いの格好をしていた。さぞ剛毅な者であると理解させよう。
 畏怖する者も敬愛する者もこの場にはおらんが、我は悠然と闊歩する。強風に煽られる帽子。】

「晩餐の刻限も終えた。後は我が闇に抱かれるまでは自由だ!」

ラジェル > 「絶対命令《規則》までは時間もある。たっぷり愉しむとしよう」

【帽子は絶え間なく揺れている。しかし如何なる強風を持っても帽子が飛んでいくことは無い】

「なんだ、今宵狂気に導く月明かりはまばらな雲に隠れてみえんとは。しかし」

【屋上の下。学園都市を見下ろした。片足を段差に乗せながら、ほほうと見下ろしている。】

「否しかし、ここから見下ろす下々の星明りも絶景だ!我が天に近しいこの場において、謁見してやるのも悪くは無い。たまには上だけでなく下も見て観るものだ」

ラジェル > 「それにしても夏か……蒸し暑いばかりでなく、こうも混沌とした天気であるなら少々厄介だ」

【くるっと振り返り、わざとらしく足音を立てて屋上を歩く。自らの存在を誇示するが如く。】

「そろそろプールの時間であろう。我の究極たる白き美肌を曝すなど! 洗練された抜群のプロポーションで魅せることになろうとは」

【忌々しい、とばかりに首を横に振った。しかしすぐにふん、と鼻を鳴らした。】

「フッ、それならそれで良いだろうさ。好奇の目で見られるのも悪くは無い。この身とて威光を示すには十分な素質を持っている。
 ナルシストなどという低俗な形容ではなく、己の力、戦力、そのすべてを認識するからこそ強者! 我は同輩の好奇の目も憧憬として甘んじて受け入れてやるとしよう」

ラジェル > 【フッ、と息を吐いた。強風に煽られる帽子を取ろうと】

「…………ん」

【ぎゅ、ぎゅっ――ぐぐぐぐ――ぎちちちちっ。ふんぬーおおおぉぉ!】

「いったいんだけどなんで!?」

【肩で息をする。引き抜こうとした所為で数本だけ抜けた。我の愛しい髪が……いやそれよりも
 ぼうし は かたまっていて とれない!】

「吸着する液体つけるのやっぱダメだった?! 我の思考を持ってすればこの程度の風に煽られることはないと踏んだが、うわ、えー……ぇー」

ラジェル > 「やべ、ガチでどうしよ」

【声を張り上げずに呆然。水で洗えば取れるだろうか。中性の石鹸か何かをこすり付けてやると取れるだろうか。なんか本で見た気がする。】

「………まぁ良い。この程度。たまには道化として動くのも悪くは無い。我は道化ではないが、いずれは這い上がるまでだからな。」

【髪を整えながら呟いた。といっても後ろ髪を軽く梳いただけである。】

ご案内:「屋上」にライガ・遠来・ゴルバドコールさんが現れました。
ライガ・遠来・ゴルバドコール > 「……なんだありゃ」

激辛カレーの食べ過ぎで焼け付く喉を抑えながら、屋上に向かう。
空気を吸って養生しようと思っていたが、どうやら先客がいたようだ。
しかし、ここは演劇部の練習場だったであろうか。
首をかしげるが、とりあえず声をかけてみよう。

「や。何やってんだい」

ラジェル > 「ム、貴様……」

【笑っていたところを押さえ込み、腕を組んでわざわざ高い段差にあがった。相手を見上げないようにするためだ。】

「……フッ、そうか、貴様もこのテンペストを受け、下々の明かりを見下ろすために来た王者と言ったところか。その風貌、間違いない"輝き"
 いやなに、我は暗闇に抱かれる前、自由な時間を愉しむためにここにいたまでよ。ここの風心地が良いのでな!]

ライガ・遠来・ゴルバドコール > 「てんぺすと?? か……輝き?
いや……えーと」

言葉に詰まる。
謎の言語、呪文を唱えているかと思えばそうでもない。
風貌は確かに魔女っぽいが。この娘は何を言っているんだ。
そういえば、難解な言い回しを敢えてやることで、相手を煙に巻く話術があったような気がする。もしや、彼女もその使い手か!

「ふ、ふふふ。流石は闇を統べる極星の女王陛下。
よくぞ見破った。如何にも、我は暗黒に導かれし金眼王。
猛り狂う炎熱王との戦いを終え、嵐神と宴を開くために凱旋してきたところよ」

この口調つかれるなあ。

ラジェル > 「クックック、やはりな! 我の金白の眼に狂いは無かった!」

【両手を広げて天を仰ぐ。長い袂のように広がる袖が風に吹かれていた。】

「我が孤高なる星の元に集うた勇敢なる黄金よ。炎熱の王に打ち勝ったとな?
 なるほど、そしてこの嵐にも怖気づくことなく『試練』を乗り越えたというのか。良くぞ参った! 我は嬉しく思うぞ、同胞よ」

ライガ・遠来・ゴルバドコール > (はー、23にもなって何やってるんだろ、僕は)

心の中で肩を落とす。
しかしやっちゃったものは続けなければなるまい。

「こちらこそ、このような素晴らしき邂逅に感謝せねばならん。
しかして女王よ。
わが黄金眼がささやいておる、その冠より、呪詛の気配がしておるようだとな。
何者か知らんが、けしからんものよ。
この金眼王、取り除いて進ぜようと思うが、どうか」

両手を大げさに振り回し、一礼をした。

ラジェル > 【相手の後悔や諦観なぞお構いなしに、通常通り演説を続ける。"演劇"としてはかなり熱が入っている。】

「……ふむ、我のコレか。やはり"選ばれし者"には分かるのだな、この覆い隠しても隠しきれぬオーラが!
 いいか金色の。手出しは無用だ。さすれば白き糸が紡がれ、呪詛をこの世に解き放ってしまうのだ。
 我はこれを自力で封印しているに過ぎぬ。手出しは無用。これは自分で決着をつけてやる」

【装飾たくさんの布の冠をしっかりと掴みながら嗤った。】

「しかしその対応は良し。貴様、よく心得ているようだな!」

ライガ・遠来・ゴルバドコール > (だーめだ、埒あかないや。
こりゃあこっそりやるしかないか。 ──西天に昇りし銀の王よ、東天に見(まみ)えし金の王よ、我に力を与えたまへ。
解除魔術、“固定解除”)

心の中で頭を抱えるが、消して表情には出さない。
感づかれないように、そっと心の中で唱えれば、ラジエルの図頭上や背後に気づきにくいほど透明な呪紋が現れる。それはすぐに霧散した。

「おお、呪詛すらも封じ己が力と成すか。
それでこそ闇の主よ。
これは我の出る幕など初めからなかったようだな、非礼をわびようぞ
代わりに、何かできることはあろうか?」

もう一度帽子を抜こうとすれば、固まり乾燥した吸着液だったものがぽろぽろと零れるだろう。

ラジェル > 【相手が何をしたのか、その内で何を考えたのか。それを読み取ったり感じ取ることはなかった。
 慢心ゆえか、強者の余裕か、単に実力不足か。それはともかく。強風の最中では霧散したそれに気づくことは無かった。】

「フッ、……ん」

【心なしか頭に付着していたものが落ちているような気がした。頭が引っ張られない感覚。独立している帽子と銀髪。
 ――抜けてね?】

「……それこそ我が眷属である!」

【勝手に眷属認定していた。目の前の彼が何かをしたと思っていないのか、思うことはやめたのか。腰に手を当て、あいている片手でびしっと指を指した。】

「……いーや特に思いつかん! それこそ我の高鳴る暴食の監獄が疼いておるが、ちと我慢するほうが良いからな」

【声を張り上げ続けたら喉も渇いたしおなかも空いてきた。けれどそれはおいといて。】

「ならば貴様! 我が学園を掌握せんとする野望を見届ける観測者よ! 貴様の名を教えてもらおう! 我は学園きっての原子の使い、極星のラジェルである!」