2017/01/09 のログ
ご案内:「屋上」に望月ゆいさんが現れました。
望月ゆい > 「ひゃんっ!?」

屋上にそんな声と、何かが落ちてきた音がする。
そちらをみれば、少女がしりもちをついて座っている。

「あたた、もう。
また失敗しちゃった……」

東雲七生 > 「……おうっ!?」

突然の悲鳴に思わず振り返る。
少女が居る。何処から来たのだろうか、と思うまでも無く。

「えーっと……落ちてきたの?大丈夫?」

小首を傾げて一歩、近づいてみる。

望月ゆい > 「はい、大丈夫です。
ちょっとこっちに飛び移るのに失敗して――」

お尻をさすりながらゆっくり立ち上がろうとして、はた、と前を見る。
まるで話しかけられるのを想定してなかったように、ちょっと驚いた顔をしつつ。

「……えっと、こんばんは……」

東雲七生 > 「飛び移る──
 えっと……まさか、あっちの屋上からこっちに?」

別の校舎を指さしながら、小首を傾げる。
それともテレポート的な移動方法なのだろうか。
色々と思う事は有れど、ひとまずそれらは仕舞い込んで。

「ああ、えっと、こんばんはっ!
 俺、東雲七生。高校二年生。……君は?」

望月ゆい > 「は、はいっ。
ちょっと運動の一環で……」

こくこくとうなずく。
白く束ねた髪がぶんぶんと揺れている。

「あ、私は望月ゆきです。
一年生です……けど、ちょっと病気が多くて…今年も留年確定済みです」

あはは~、と苦笑している。

(名前がゆいになってるのは中の人のせいだ)

東雲七生 > 「ふーん………なるほど。
 運動は大事だけど、流石にそういうのは控えた方が良いと思うよ。
 屋上に移り損ねてたら大変な事になるしさ。」

相当運動神経に、というよりは運動能力に自信があるようだと見たが、如何せん屋上を跳び移るのは危険すぎる。
住宅街の屋根とはまた話が違うのだし。

「望月……か。
 病気がちって割には、随分体動かせるんだな?」

感心してから改めて少女の容姿を見る。
1年生、というわりには随分幼く見えるが、一体何歳なのだろうと首を傾げた。
実年齢の割に幼い容姿の自分の事は完全に棚に上げて。

望月ゆい > 「そ、そうですね。
ちょっとあまり危険なことはしないようにします。
怪我したら周りの人にも迷惑がかかりますもんね」

ぺこぺこと謝りつつ。
まさかこんなことをいつもやっているとは言えず。
おとなしく謝っておこうとしている。

「あ、毎日病気ってわけじゃないんです。
調子のいい時と悪い時があって、悪い時は入院とかしちゃうんですけど、基本的にはこうやって出歩けて……。
東雲さんは、こんな時間にここにいてどうしたんですか?」

ちょっとばつがわるそうに、多少慌てながらも話題をすり替えようとする。

東雲七生 > 「落ちた先に人が居たらもう目も当てらんないしさ。」

軽く肩を竦めながら笑みを浮かべて。
解って貰えたなら良いんだ、と一つ頷いて話を締める。

「……ふぅん、まああんまり無理はしないようにね。
 家族とかに心配かけちゃ駄目だぜ。

 俺?……俺はええと、もうすぐ三年生になるから、この学園に来てからの事を振り返ってた、って感じかな。
 ……大体そんな感じだと思う。うん。」

自分の成長しなさを嘆いていたのだから、あながち間違いでもないと自分に言い聞かせつつ。

望月ゆい > 「あ、あう…それは確かに…」

一応夜中に、それも人がいなさそうな場所を選んで動いているが
それも確実ではないために、今度からはもっと気を付けるようにはしようと思いつつ。

「三年……そうですよね。
人によっては卒業とかもするでしょうし、勉強ももっと頑張らないといけない時期ですもんね!
頑張ってください、先輩っ!」

ふぁいと、と胸の前で握り拳を作り、応援する。

東雲七生 > 「ま、この話はこれまで。
 一応注意はしたけど、聞き入れるかどうかは望月氏だいだから。」

今まで何度も忠告を無視されたりし続けた所為か、少し諦めた様な笑みを浮かべた。
割と気苦労の多い学園生活なのかもしれない。

「そーだよなー、頑張らなきゃなー……
 いまいち実感が無いんだけどさ、順当に行けば折り返して卒業も見えて来ちゃうんだよなあ。」

卒業した後の事も考えておかないとな、と呟きながら小さく頭を振った。
思ったよりやる事はいっぱいだ、と。

望月ゆい > 「は、はいっ。
えっと……気を付けることにします!」

素直な性格なのか、年上に嘘はつけないのか。
ある意味正直に答えるのだった。

「東雲さんは、卒業後どうするんですか?
本土に行くとか、この島で働くとか……。
異能持ち、ですよね?」

きょとんとした顔で尋ねる。

東雲七生 > 「うーん、一応この島は出て……世界を旅してみようかと思うんだけどさ。
 如何せん大災害以降あちこちで色んな事が起こってるらしいし、一筋縄じゃ行かないかもだし……
 出来る限り学校に通えてるうちに準備はしとかなきゃなーって思ってるんだけど。」

腕組みをして、眉間に皺をぐぐっと寄せる。
勉強やら鍛錬やらに追われてそっちの方はどうもうまくいってない、と溢してから。

「うん、一応ね。
 ただ気軽にほいほい使える類……でも無いから、基本的には一般人と大差ないよ。」

望月ゆい > 「世界を旅……ですか。
いろんなところに行くっていいですよね!
危険かもしれないですけど、いろんなものをたくさんみたりするのって、いいと思います!
最初に行く場所なんかは……それもまだ決まってない感じですか?」

準備が滞っているようだし、それも決まっていないのだろうか。
予定は未定なのかもしれない。

「そうですか……。
異能がどんなものか……って聞くのは失礼、でしょうか?」

東雲七生 > 「だろ?
 もっと広い世界に出て、色んな事を知って。
 ……そしたらまた此処に戻って来るって、約束もしてるんだ。
 うん。実の所まだ決めてないんだけどな。」

あはは、と乾いた笑いで誤魔化しながら。
それでも、迷いとか躊躇いは感じられない口調で応える。

「え?……んーと、まあいいか。
 見せても良いけど、あんまり驚かないでね?」

そう断りを入れてから、七生はナイフを取り出すと自分の掌を切り付けた。

望月ゆい > 「約束、ですか。
もしかして恋人さんとかですか?」

顔がニマニマしてる。
あきらかにからかっている顔だ。

「え、あ、はい……って、えっと……」

手をきりつけた行為にちょっと驚きつつ。
が、意外と冷静にその手を見ている。

東雲七生 > 「だったら良かったんだけどね。
 ……家族、かな。母親みたいな、姉みたいな……そんな感じの人。」

苦笑を浮かべながら掌に造った傷を見る。
立ちどころに赤く染まる掌に、そろそろ良いか、と呟いて。

「俺の異能は、ほらこの通り。」

ふわっと掌に溜まった血が波打った直後、七生の手の中で一振りに小刀へと形を変えた。

望月ゆい > 「ご家族、ですか。
……大切ですもんね、家族は!」

うんうんとうなずく。
なんとなく、その人との微妙な関係なんだろうな、っていうのは察しつつ。

「わ、わわっ。
……血を操れる、って感じですか?」

東雲七生 > 「うん……そうだね。
 とはいえ血のつながりとかもないし、知り合ったのもこの島に来てからなんだけどさ。」

それに、家族だと思ってるのも自分だけかもしれない。
そう思いながらも頭を掻きながら笑みを浮かべる。
もし自分だけだとしても、それでも、今は幸せだから良いのだ、と。

「そういうこと。
 口頭で説明するよりも実際見て貰った方が早いんだよなあ。痛いけど。」

望月ゆい > それはもう、普通に好きとかそういうことじゃないのかな。
なんて子供ながらに思うが、口には出さず。

「家族のように接することができるって素敵だと思います。
一人よりも、そうやって一緒にいてくれる人がいるって、楽しいし心が安らぎますもん」

それは一人暮らしをしてる自分の素直な言葉。
寮にいると、広い部屋がちょっと寂しく感じることもある。

「あ、それやっぱり痛いんですね。
えっと、包帯とか必要ですか?
すぐに皮膚が再生するわけじゃないですよね…?」

東雲七生 > 「だよなぁ!
 ……此処に来てすぐは俺も一人暮らしだったんだけどさ。
 やっぱり誰かと居ると安心するよな。」

うんうん、と頷きながら手に持った小刀を一振りすれば、それは七生の手の中で小さなビー玉ほどの大きさの球に姿を変える。

「ああ、ううん。大丈夫。
 一応傷口はすぐ塞ぐようにしてるからさ。
 それでも完全に治るまで一晩はかかるけど。」

これくらいな平気平気、と望月と大して歳の差が無いような笑顔を向ける。

望月ゆい > ころん、と血の刃がビー玉に変化したのをみてこれまた驚く。

「なるほど、剣になるだけじゃなくてなんにでもできるんですね。
傷もすぐに治るなら家族さんにも怒られずに済みます…よね?」

怪我をして帰ってきたら割と怒られそうな気がするが、すぐに治るなら大丈夫だろうか。

「……あと、東雲さんって……えっと、私と同じくらいの年齢、ですか?」

東雲七生 > 「そ、大体何にでも変えられるよ。
 ……あはは、そうだね。血だらけのままだと確かに怒られるかも。」

そこまで気にしたことは無かったのだが、言われてみれば確かにその通り。
今後能力を使う時はしっかり傷を隠さないとな、と改めて決心しつつ。

「……え?ん?
 ええと、一応今年で17……だったと思うけど、望月も?」

やっぱり自分同様、実年齢に見た目が追い付いていないのか、と小首を傾げる。
そうでないのだとしたら……まあ、あまり考えたくない事なので七生は考えるのを止めた。

望月ゆい > 「あ、包帯ありますけど一応使いますか?
私も怪我することはあるんで包帯と消毒液は持ち歩いてるんで」

ごそごそと袖から包帯と消毒液が出てくる。
中にばんそうこうもあったりはする。

「……えへへ、あの、ごめんなさい。
私は……11歳、です……」

苦笑。
だって、暗に「東雲さんって11歳ぐらいに見えますね」といったに等しいのだから。

東雲七生 > 「いや、大丈夫。
 すぐに塞ぐからか分かんないけど、傷の治り自体も早くってさ。
 家に着く頃には気にならない程度にはなってると思うし。

 それより、病気がちなのに怪我も良くするなんて望月の方がよっぽど心配かけそうじゃねえか。」

まったく、と腰に手を当て咎める様な視線を向ける。
人の心配よりも自分の身を案じた方が良い、と口にはしないものの真っ赤な双眸が雄弁に語っていた。

「…………。」

考えないでは居たものの、むしろそれが仇となって七生は言葉を失った。
苦虫を口いっぱいに頬張った様な顔でこめかみを押さえる。
なまじ相手に悪意を感じなかった分、性質が悪い。
これが年上相手なら食ってかかるところだが、そうもいかないのでひたすら渋い顔で耐えるのみだった。

望月ゆい > 「そうなんですか?
傷の治りがはやいのは便利ですよね…。
私は、こっちには一人で来てるので大丈夫なんですよ。
たまに電話はしますけど、怪我しててもバレませんから!」

元気な声色を聞かせるだけで問題ない。
むん、と気合を入れるようなしぐさをして元気ポーズ。

「……えーと……。
お、怒って……ます?」

ちょっと体を縮め、ビビリ姿勢。

東雲七生 > 「ああ、まったく便利だよな。
 だからって怪我をするのが前提なのは良しとは思わねえけどさ。
 そっか、一応電話でやりとりしたりしてるんだな。
 ……案外気付かれてるものかもしれないぜ、そういうの。」

くつくつ笑いながら肩を竦める。
あくまで“そういうものであったら良い”という七生の勝手な理想像である。

「怒って……ないわけでもねえけど。
 別に悪気があった訳じゃないだろうし、本気で怒ってもしかたねーだろーよー」

確かに童顔で背も低いけど、まさか11歳と同じくらいに思われるとは。
年上から見て年齢を低く見積もられる事には慣れていたが、まさか年下から見ても同じとは思わない。
流石の七生も相当なダメージを負っていた。

望月ゆい > 「えへへ、そうですね。
もし気づかれてたら……ちょっと嬉しい、ですね」

照れたように笑う。
ちょっと親に反抗がちな時期でもあるが、それでもまだ親に甘えていたい、そんな時期の子供。

「あ、で、でも!よくみると鍛えていらっしゃるんですね!
え、えと…すごくかっこいいです!
男の人、って感じがします!」

11歳が必死にフォローする。

東雲七生 > 「だよな。
 ……あんまり心配かけんじゃねーぞ、本当に。」

少しだけ羨ましかった。
甘えられる自分の親が居る、ただそれだけの事が七生には羨ましかった。

「いいよ別に、鍛えてなくても男なんだよ!
 それ以上は墓穴だから止めるんだ!……止めろ!」

こめかみを押さえたまま望月を制止しようとする。
それ以上地雷原でタップダンスを続けるつもりなら拳を出すことも辞さない覚悟があった。
たとえ女子供でも容赦しない一線だ。出来れば越えたくは無い。

望月ゆい > 「はい、気を付けてみます。
怪我も痛いですからね」

白く長い髪の毛がみょんみょんゆれながら、笑う。
当然、東雲の心中には気づかずに。

「は、はい!ごめんなさいっ!」

びしっと静止する。
地雷を爆破させつつも無敵効果で通り抜ける。
さながらボンバーウーマンだ。

東雲七生 > 「ああ、あんまり親にに無用な心配をさせちゃ駄目だぜ。
 幾ら自分で手当てできるったって、怪我は怪我だ。痛いのは回避するに限る。」

うんうん、と頷きながら自分の中の沈んだ感情を追い払う。
少なくとも今は親同前、家族同然に接してくれてる人がいるのだから、と。

「よし、よし。
 まったく、それにしても11歳でこんな時間に出歩いてるのはあんまり感心しないな。」

さほど遅い時間でもないとはいえ、下校時刻はとっくに過ぎている筈だ。
近頃は以前ほど物騒な話を聞かないが、それでも少女の一人歩きは危険なように思う七生だった。

望月ゆい > 「そ、そうですね…。
東雲さんは、まだおうちには戻らないんですか?」

当然の言葉で、11歳が日没後歩いてるのはちょっと不良だ。
でもそれは東雲さんも同じじゃないかー、と言いたげに言ってみる。

東雲七生 > 「俺もそろそろ帰るよ。腹も減って来たしさ。
 望月は一人暮らしって事は寮?送ってこうか?
 というより送ってくけどな。すっかり日も落ちてるし。」

寒いし暗いし、万が一先生に見つかったら怒られるだろうし。
小さく息を吐いて、七生は屋上と校舎内を繋ぐ扉を指示し、望月を促した。

望月ゆい > 「あ、私は……。
……はい、お願いしますっ」

帰りも屋上を跳んで帰ろうかと考えたが、先ほど注意されたばかりだ。
おとなしく東雲に送ってもらおうと考え直し、こくこくとうなずいた。

「女子寮に住んでますから、近くまでで大丈夫なので。
お願いします」

そういいつついったん頭を下げ、扉のほうへ歩き出す。

東雲七生 > 「うんうん、素直が一番だと思うよ。
 いや、嫌なら嫌だっていうのもそれはそれで素直の範疇だと思うけど。」

それじゃあ帰ろうか、と望月を連れて校舎を抜けて帰路についたのだった。
帰る道すがらすれ違う人々からは同年代の二人組にしか見えなかったのは余談である。

ご案内:「屋上」から望月ゆいさんが去りました。
ご案内:「屋上」から東雲七生さんが去りました。
ご案内:「教室」に咲月 美弥さんが現れました。
咲月 美弥 > 「Sah ein Knab' ein Röslein stehn Röslein auf der Heiden……」

人影の中、明かりもついていない部屋に小さな声とピアノの音が響く。
滅多に人の訪れることのない予備の音楽室の中、簡単な旋律と
甘く、か細い声が情熱と称される花を謳う。
古ぼけた譜面台の上に置かれたぼろぼろの楽譜と室内が
わずかに差し込む月明かりに照らし出されている。
ピアノの前に座る影は片手でピアノを弾きながら物思いにふけるように
ただただ歌い続けていた。

咲月 美弥 > あの人が好きだった曲。あの子が愛していた曲。
そのどちらも居ない部屋で、誰に聞かせるでもなく
題名通りにおい立つ薔薇の花のような声色で。
歌っている声が好きだと言ってくれたのはどちらだっただろうか。
片方……いや、そのどちらもだったかもしれない。
けれど……

「war so jung und morgenschön lief er schnell, es nah zu sehn……」

今はたった独り。誰が聞くでもなく、誰かに聞かせるでもなく、
月明かりの元、ひっそりと暖かい思い出に身を委ね、空気を震わせて。

ご案内:「教室」に錐葉 咲さんが現れました。
錐葉 咲 > 「はぁ・・・、寒い、ついてないな、全く・・・。」

第三大教室棟の教室へ忘れ物を取りに行く最中、
月明かりのみに照らされた廊下を歩く、

「ピアノの音に、声・・・?この時間帯に?」

聞こえてきた音に足を止める、音の先は廊下の奥のほう。
聞き映えのいい心地のよい音と声の為不思議と恐怖心はわかない。

音のなる教室の扉の前に立つ、
明かりはついていない、自動演奏機能なんて聞こえではない。
ふぅ・・と一呼吸置いて。

「・・・誰かいるのか?」

音に負けないぐらい強めに扉をノックして、
中にいるかもしれない何かに問いかけてみた。

咲月 美弥 > 「……あら」

ノックの音に歌う声と指先を止め、耳を傾ける。
この時間にだれか来るなんて思いもしなかった。
この部屋は防音がしっかりしていたかしら?今一つ思い出せないけれど……

(ノックがあるというのはそういうことよね)

気恥ずかし気にかぶりを振った後ゆっくりと譜面をまとめて
鍵盤にキーカバーを乗せ、ゆっくりとふたを閉じる。
そうしてノックに続く声にこたえていく。

「ええ、居るといえばいるかもしれないわね。
 ……なんてね、どうぞ?鍵は開いているわ」