2015/06/03 のログ
シュリク > 静かに。(ひなせの唇に人差し指を突きつけて)先程も言いましたが、図書館では静粛にすべきです。周りの生徒から煙たがれることうけあいですよ。
……ちなみに、比良坂の住居はどこなのですか。女子寮であるならば、私も今度そこに移住するので一緒に登校してもいいのですが。
いえ、この学校には昨日転入したばかりですから、学年は同じです。シュリク、で構いませんよ。
そうですか、……<<ゲート>>が開いた割に、そういった存在はあまり来ていないのですね。意外です。
妖魔や魔物の気配は感じるのですが……ああ、そういえば。比良坂は異能はお持ちなのですか。

ひなせ > ご、ごめん……(慌てて口を押さえた。もう遅い)
本当!わたしも女子寮なの!じゃあ一緒に行けるね!(心底嬉しそうだ。遅刻せずに済むということもあるだろうが、誰かと一緒に学校に行ける、というところが大きい)
わたしも最近ここに来たばかりだから、一緒だね!じゃあシュリクって呼ぶよ!
わたしが知らないだけかもしれないけど……ううん、わたしは持ってないよ!

シュリク > 貴女は私が指摘してから3回騒ぎました。理性を働かせなさい。感情で行動するのでは獣と同じですよ。
ええ、ではそのようにしましょうか。その代わり朝の集合には遅れないでくださいね、私も遅刻はしたくありませんので。
(シュリク的にはそれが最も効率のいいことだと判断したからそうしたにすぎないが、別にシュリクがひなせをそこまでサポートする必要は本来ないはずで、どうやら機械とはいえ感情がない、というわけではなさそうだ)
そう、ですか……?(異能の気配は感じるのですが……それがなにか、全くわからない……まだ開花していないだけ?)
うん……? となると、この学園にはまたどうして?

ひなせ > うぐぐ……(一切反論できない。正論だと思ったからだ)
ありがとう!うんうん、わたし朝は寝坊しないことに自信があるんだ!だから大丈夫!(ない胸を張る)
ええと、『わたし』を元の世界に返してあげたいから!(わたし、の部分はまるで他人事のような言い方だ)

シュリク > 人間が他の動物に勝る点、それは思慮の有無です。それを放棄してはいけませんよ。(先程から、まるで教師のように諭している見た目10歳児だ)
それは良かった。私は最初、遅刻する原因を寝坊するからであると推察していましたが、誤りなようですね。ちなみに、寮のどのあたりに? 周辺が空いていればそこに転居できるよう手配しましょう。
……? 比良坂自身を、元の世界に、返す。言葉が間違っていませんか? 自分が帰りたいなら、元の世界に帰りたい、というべきでは?
というより、貴女、<<ゲート>>を通って来た側の人間でしたか……

ひなせ > しりょのうむ……う、うん……(10歳に説教される15歳。傍目にはどっちが年上だかわからないかもしれない)
寝坊なんかしないよ!よゆー持って起きてるし!ええと、部屋はねー……(部屋番号を伝える)多分、隣とかその隣とか、あいてたと思う!
あ、ううん、そうじゃなくってね!わたしなんだけど、わたしじゃなくて……(と言いながら手を胸元に持っていき……何も掴めない。いつもならここに鏡を持っているのだが、今日は持ってきていなかったためだ)
……置いて来ちゃった。うん、今度紹介するよ!とにかく、わたしは異世界のヒトじゃないよ!

シュリク > ……簡単にいえば、よく考えてから行動しましょう、ということですよ。特に、この島はどうやら治安の悪い場所もあるそうですし……そういった所で浅はかな行動をすると、大怪我を負ってしまいます。
良かった、ではその隣に住まうとしましょう。お互い困ったことがありましたら助けあいましょう。
わたしだけど、わたしじゃない……? いまいち要領を得ませんが、ではその今度に期待しましょう。
……その前に、課題を片付けないといけませんね。おしゃべりに夢中になりすぎて忘れるところでした。
さて、どこがわからないのですか――

ひなせ > わかった!(理解したかは置いておいて、いい返事で返す)
あっ!課題!危ない所だった……ええと、このあたりとこのあたりと――(結局全部わからないようで、全部終わらせるにはかなりの時間がかかってしまったかもしれない……)

シュリク > (結局、図書館の閉館時間近くまでお勉強会は続いたとか、なんとか)
ご案内:「図書館」からひなせさんが去りました。
ご案内:「図書館」からシュリクさんが去りました。
ご案内:「図書館」に『室長補佐代理』さんが現れました。
『室長補佐代理』 > 「どうも」
気安く司書に声をかけ、左手を上げる。
それだけで、司書は目を背けた。
見咎める必要もなければ、話しかける必要もないからだ。
なぜなら、その男は公安委員。
その気になれば、その腕章の威でもって、奥の禁書庫にまで押し入ってくる男。
ならば、最早何を言おうと無駄であった。

『室長補佐代理』 > 司書の態度を気にすることもなく、男はズカズカと中央の書架の森を抜け、適当に一冊の本を手にとると、すぐそばのテーブルにつく。
手に取った本は、伝統的な西洋魔術書。
魔術が世界的に明らかとなった現代では最早ただ「古臭い」と呼ばれる類のものだ。
しかし、男は気にすることもなく、テーブルに本を置き、左手だけでめくり始める。
右手は行儀悪くもポケットに手を突っ込んだままだ。

『室長補佐代理』 > 中指に銀の指輪のはまった左手だけで、古いインクの匂いが立ち込める古書をめくる。
じっくり読んでいるらしく、非常にペースはゆっくりである。

『室長補佐代理』 > 依然、視線はテーブルの上の古書に向けたまま、不意に呟く。
「見ているだけなんてつれないじゃないか。俺にしろ本にしろ、どちらかに用があるというなら、こっちにきたらどうだ?」
相変わらず、視線は本に向けたまま、そう続ける。
「もし、このテーブルを使いたいというなら、別に俺は退いてもいいぞ。こいつは借りていけば済むだけの話だからな」
そういって読んでいる本には貸出禁止の印が押されているのだが、おかまいなしである。

ご案内:「図書館」に桐竹 琴乃さんが現れました。
桐竹 琴乃 > 言われ、所在なさそうに顔を出す。
そもそも、単に静かで寝れるから、という理由でここに居ただけであった。たまたま目を覚ませば近くに公安と言えば、と個人的に思う人物がおり、さっさと出るに限る、と言う矢先であった。
「いやー……特に用、ってほどの事も無いんですけど」

『室長補佐代理』 > 出てきた少女を見れば、今度は目を合わせる。
男は誰かと話す時は、目を逸らさない。
光源の押さえられた書架の間で、黒瞳が不気味に細まる。
「安心しろ。流石に居眠りでしょっ引くほど公安は暇じゃあない。それとも、枕にするにはこっちのテーブルの方が具合がいいのか?」
そういって、コツコツと今自分が使っているテーブルを軽く小突く。

桐竹 琴乃 > 「はは、いやまさか居眠りなんて」
と、言ってみるものの既にその現場は見られている訳で。
「まあ、何ていうんです?どうせ寝るなら奥の方」
開き直りそう答える。
「流石にこの辺はセンセというか司書の目も痛いんで」
どうせ適当な隠し事は通用もしないだろう。

『室長補佐代理』 > 「ああ、それはまぁ……確かに言えているな」
先ほどから実際、男も視線は感じている。
その視線のいくつかが、司書や図書管理職員の視線であることは疑いようがなかった。
「想定外利用者らしく、慎ましくも借りる軒先と寝床は遠慮して選ぶといえば、謙虚といえなくもないな」
少しだけ、可笑しそうに笑う。
それでも好印象を与える笑みからは程遠いが。

桐竹 琴乃 > (こ、こわあああ!)
畏怖していると言えばしている存在の笑いは―――。
やはり存外無く怖いものであった。
ふと、彼の持つ本に目を向ける。
「随分古いですね、それ」
この一帯にどんな本があるか、など当然興味が無いのでただ【古い本】というだけの認識である。

『室長補佐代理』 > 「ああ、これか」
そういって、本を閉じて表紙を見せる。
何もタイトルが書かれていない本だった。
「魔術の秘儀書だ。焚書を免れる為に散逸していたページを一冊にまとめたタイプのものを……さらに翻訳して印刷したものだ。昔は手に入れるのも一苦労だったんだが、魔術の普及した今となっちゃただの古臭い基礎指南書だ。こんなもんでも軽く手に取れるんだから、今の時代は便利になったもんだ」

桐竹 琴乃 > 「魔術、ですか」
ピンとは来ない。この学園に来て【在る】のは知ったし実際に他の生徒が使うのも見ているが。
「まあ、時代ってヤツですよね。その内電子書籍になったりして」
そう言いつつ何となく、手持無沙汰で髪を弄る。
相席する、など御免であるしそもそも本を読む習慣も無い。
漫画なら話は別であるが。

『室長補佐代理』 > 「在り得る話だ。紙媒体は場所をとるからな。魔力なりなんなりを込めていたり、何かを封印しているタイプの本でなければ、電子書籍にとってかわられる日もそう遠い未来ではないかもしれん」
苦笑と共に左手で表紙を撫でる。
「さて、そろそろ居眠りの続きをしたくなってきたか?」
手持無沙汰の少女をみて、冗談めかしてそう嘯く。

桐竹 琴乃 > 「……いやー、流石にこの空気で居眠り続けれるほど楽天家じゃないワケです」
軽く笑う。
ひきつってはいるが。
「まあそれはさておいて先輩の読書のお邪魔にはなるでしょうし、不良後輩はこの辺にてお暇させていただこうかな?と」
そもそも本の話題を振ったのも【先の笑顔が怖かった】ので話題を変えたかったというのは。
まぎれもない本心であった。

『室長補佐代理』 > 「眠りはリラックスした環境でなければ質が落ちるからな」
そのリラックスをまさに邪魔している要因の一つであろうに、いけしゃあしゃあとそういってのける。
「そういうことなら引き止めはしないが、俺もそろそろ仕事の時間なんでな。まだ眠るつもりなら、気兼ねせずに奥で眠るといい」
そして、先んじて立ち上がり、読んでいた本を少女に渡す。
「よかったら枕にでも使え」
口の端を歪めて皮肉気に呟き、踵を返す。
ざんばら髪を揺らし、コートの裾を棚引かせながら、男は図書館を後にした。

ご案内:「図書館」から『室長補佐代理』さんが去りました。
桐竹 琴乃 > 渡された本。一応捲る。
「……いやと言うかこんなの枕にしたら悪夢見そう」
目を細め、さっきの机にぽん、と置く。
そもそも元々あった場所などわからないので放っておく。
その内司書が直すだろう。
「さって……」
ちら、と見れば司書がこちらをちらちら見ている。
流石に今日の所は、居眠りを出来そうにない。
「場所変えて寝なおそ」
夜はバイトがある、体力は回復するに越したことはなかった。

ご案内:「図書館」から桐竹 琴乃さんが去りました。
ご案内:「図書館」に谷蜂 檻葉さんが現れました。
谷蜂 檻葉 > 「ええと、この本が1の棚で……こっちが2、1、奥の…」

カウンターの奥でブツブツ言いながら一般図書を一人の女生徒が纏めている。

谷蜂 檻葉 > やがて一通り纏め終わるとカートに乗せて本棚に向かう

返却された本を丁寧に分類ごとに戻していく。

ご案内:「図書館」に谷蜂 檻葉さんが現れました。
谷蜂 檻葉 > 「よし、これで私の分は終わりっと。」

やがて全ての本を戻し終わると、奥の部屋へと消えていった……

ご案内:「図書館」から谷蜂 檻葉さんが去りました。
ご案内:「図書館」に志葉恭介さんが現れました。
志葉恭介 > 【大時代的な格好の学生が机に数冊の本を積み上げ、ただでさえ愛想のない顔をさらに難しくして書籍と格闘する様は見かけどおりに書生らしいと言えなくもない】

……。

志葉恭介 > ……。
そもそも異界研究自体、まだまだ未開拓の分野なんだよな……

【彼が開いているのは異界の分類とその研究に関する書籍である。「門」の解放から長らく経ち、その向こう側への研究アプローチは勿論常世財団をはじめその他国家機関・魔術結社・オカルト愛好家などなどが行っているのである。だが】
【先の少年の言葉通り、その研究は未だ実を結んでいるとは言えない状況にある】

志葉恭介 > 【理由としては「門」の向こう側に観測される世界が無数に存在するから、というものが挙げられよう。「こちら側」に訪れた異邦人に対しての聞き取り調査は徒労ではないものの、その余りのバリエーションの豊かさに記録するという行為自体が追い付いていない】
【そしてその統一性の無いデータ郡から世界郡の持つ各種パラメータに法則性を見出すという事業は、如何な人類そして人外達の碩学を持ってしても未だ緒すら見えぬというのが現状であった】

和風……和風? めいた雰囲気の世界だけでもあり過ぎるんだ。
書籍から手掛かりをってのは少々安易に過ぎるか……

ご案内:「図書館」に『本』さんが現れました。
『本』 > ――――。(はらり、と。めくった本の頁から、紙切れが一枚、机の上にこぼれた)
志葉恭介 > 【黒縁眼鏡を外し、眉間を揉みほぐす。眼精疲労と背筋の凝りに、今日はもう此の位にしておいてやるかなどと何故か上から目線の思考が湧き上がったその時】

……おや。

【それは本の意志か、或いは人ならぬ者の悪戯か。舞い落ちた紙片に指を伸ばし、矯めつ眇めつ】

『本』 > ――――「特定分類内の異世界へ向けた『門』の固定とその術式」

(達筆な字で、その紙にはそう書かれていた。メモ帳めいた文字がその下に続く)


「警告。魔術の心得の無い者は、この先を読んではいけない」(文章は、その先も続く)

志葉恭介 > 禁書架から持ってきたつもりは無かったんだけどな。

【文面そのものであれば、間違いなく一級禁忌魔術に等しい代物。こんなものが偶然、己のような一介の学生の前に現れるのは、あまりにも――】

――たまさか訪れた偶然か、或いは禁書自らの誘いか。
珍しい話でも無い。

【紙片を一旦机に置くと、軽く目を伏せ刀印を結ぶ。修行の最中死ぬほど繰り返した早九字は、滞り無く簡易的な結界を恭介の前に展開させた】

これで駄目なら……どうしようかな。

【ため息一つと共に、続く文章へと目を移す】

『本』 > (結界が、広がる。結界越し、目を移した机の上の紙切れの続きにはこう記されている)
「このメモは、私が構築した異世界への『門』を開く術式を簡易に記し、そしてその発動までを一体化したものである。魔術的な音韻を持って綴られた文章を黙読する事でそのまま術式の発動を促し、『門』を形成するシステムをこの面積に収めた私の功績は、何れ異世界の研究史に名を残す事となるだろう」

――――。(そこまでを読み終わった所で、『違和感』があった。背後に、『気配』がある。『何かが開こうとしている』。文章はその先も続く)
「念の為、魔術の心得の無い者が誤ってこの術式を発動させてしまった場合の『鍵』を記しておく。直接文面に記してしまってはそもそも術式が発動しなくなってしまう為、『リドル』とさせてもらおう。君がどのような状況でこの文章を読んでいるかは私の知る由も無いが、もし誤ってこれを読んでしまっているのなら、君の推理力に期待する」

『本』 >
  一つ、『鍵』は動作そのものを示す。

  一つ、『鍵』は一人では出来ない。

  一つ、『鍵』は獣には出来ない。

  一つ、『鍵』は君が人である理由の一つである。   」

志葉恭介 > 【見ただけで『汚染される』質の物ではない事に軽く安堵。……が、その先を読み進めたのが間違いであったか】
【空間に渦を巻く気配。背後で開きつつある『何か』。歯噛みした時には最早遅い。進行する状況は止まらず、対処を要する事に変わりはない】

どんなトラップだよ。
注意書きしてた分良心的だとか、絶対に言わないからな……。

【ぼそりと呟いて学生帽をかぶり直し、出題へと目を移す】
【思索と推理のはじまり】

『本』 > 「追伸:もし君がこのメモ書きを私の管理していない場所で発見した場合、一報をくれると有りがたい。連絡先はxxx-xxxxx……」
(箇条書きの後、文章はそう締め括られている。結界越しに覗く紙面は、何も語らない。黙読する事がトリガーとなる術式の仕組みが災いした。背後の『気配』はゆっくりと、だが確実に大きくなりつつある。恐らく、咄嗟に結界を張っていなければ、この速度はもっと速かったのだろう)

――――カチッ……。(物言わぬメモ書きの代わりに、背後で時計の秒針のような音が聞こえた。『気配』から察するに、『答え』を2度か3度は試す猶予はありそうだ)

志葉恭介 > 「動作」「単独では不能」「獣には不能」「人である理由」。

【要素を舌に載せ、吟味する。背後の気配に急き立てられつつ、勤めて冷静に状況を好転させるべく、思考を巡らせる】

一の条件は置いておこう。
ニの条件。「一人では出来ない」。なんか詰んでる気もするけれど、要は相手が居て初めて成立する動作、と言うことか。
三の条件。「獣では出来ない」。即ち四足獣には不可能な、両手を使った行為……か?
四の条件。「君が人である理由の一つ」。哲学的な問答に見えて其實単純であるというのがお約束だけれど……さて。

【思考を口に出し、整理する。緒が見つかればもっけの幸い、無くても未だ余裕はある、と己へと言い聞かせながら】

『本』 > (探偵の頭脳が回る。推理が構築され始める。呟きに乗せて転がる枝分かれした数多の要素。背後の秒針めいた音が、もう一度聞こえた。図書館自体は未だ空間を隔絶されていない。窓の外。遠くから、他の生徒の声が聞こえる)

――――カチッ……。

(メモ書きの文面から察するに、この術式を組み立てた人物はかなりの自信家であると言えよう。恐らく彼は『答え』の美しさすら求める。謎掛けの回答を『1単語』。簡潔なものにするはずだ)

志葉恭介 > ――。

【改めて文面を読み直すと何だか腹が立ってきた。しかし自分がこういうものを仕掛ける時も同じように書く気もしてきた、腹立たしさ二重である】

ン……、
こうかな。

【探偵はおもむろに立ち上がると背後を振り向き、ゆるく開いた右の掌を気配へと差し出す】
【一度目に導き出した解答は『握手』】

『本』 > (振り返り、差し出した手が、掴まれるような感覚があった。秒針の音が一際大きく響く。そして、『気配がゆっくりと大きくなる』。)

――――ガチンッ!

(違う。恐らく『出題者』が求めている回答はこれではない。引き寄せられるように、伸ばした手に力が加えられる。ガチッ、ガチッ、ガチッ、秒針の速度が、早まる。結界は『背後の気配と自分を隔てては居ない』。遠く、図書館の外から他の生徒の話し声が聞こえる。ガチッ、ガチッ、ガチッ――――)

『本』 > (――――『話し声』?)
志葉恭介 > だよな。
四の条件と合致しているかと言えば微妙な所だ。
動物だって挨拶位するし、敵対の意志が無い事を示す。

【脂汗が滲む。手に返る感覚は強く、少々の事で振り解けそうには無い】
【焦りを生む為の演出まで完璧とは恐れ入るが――】

いざとなれば無理矢理脱出ってのも出来なくは無い、か?
外界と隔たれている訳でも無かろう。

【さて置き、放置すれば如何なる事態を生むのかすら予測の出来ないこの術式。可能な限りの思索は続けるべきと判断し、再び推理の海へと思考を泳がせた】

『本』 > (手が引き寄せられる。ゆっくりと『向こう側』へと体が引っ張られていく。このままでは『連れて行かれる』のも時間の問題だ。

 それでも探偵の思考は止まらない)

――――ガチッ……(一人では出来ない)    ――――ガチッ……(獣では出来ない)

     ――――ガチッ……(『動作そのもの』)   ―――-ガチッ……(人を人として分類する理由)

――――ガチッ……。

(机の上のメモ書きは『何も語らない』――――『獣も物体も言葉を投げかけてそれを返す事はしない』)

志葉恭介 > なぁ。
門を閉じてくれないか。

【気配へと呼びかける。最早これしか思い浮かばない】
【第四の条件。人と動物との違い。それは言語を持つ事】
【それは獣に出来ず、一人では出来ず、動作であり、人を人とたらしめる物】
【『会話』を試み、好転を期す】

まだそっち側に行く気は無いんだ。残念ながらね。

『本』 > (鳴り響く秒針めいた音に対して、静か過ぎる声が投げ掛けられた)
――――ガ……チッ……
(冷静な声。知性を持って、情報を整理し、相手へと状況の好転を促す声。それは、紛れもなく探偵の声だった)


――――     ……なんだよ。お呼びじゃあないのか。


(ざらざらとした『声』が、手を掴まれた『向こう側』から返って来た。『会話』が、成立する。その瞬間に、向かい合った『気配』が、砕けるように消失する。掴まれた手が、自由になる。図書館に、再び静寂が帰ってくる)

『本』 > (残されたのは、机の上に積み上げた本と、その中から飛び出した、件の紙切れだけ)

――――。

(その紙片に書かれていた連絡先を調べたのなら、突如として失踪した魔術研究者が住んでいたという屋敷に辿り着けるだろうか。この術式の作者の消息を知る者は、居ない。その真相に探偵である彼が辿り着くであろう未来は、また別の話)

ご案内:「図書館」から『本』さんが去りました。
志葉恭介 > ……。

……は、

【外に聞こえる生徒同士の声。図書館内で自習に励む生徒が頁を捲り、ペンを走らせる音。効き始めた空調の微かな動作音】
【今や図書館は、完璧に、異変の残滓なく常の静けさを取り戻している】

……はは、
はぁ…………。

【どさり、と椅子に背を預ける。詰襟の内側は脂汗でじっとりと湿っていた。全く以て異界と、そしてこの学園は】

不条理で、理不尽だ。

志葉恭介 > 【――その後の話。術式の書かれたメモは然るべき学内機関に預け、辿り着いた著者の消息が荒れ果てた屋敷で途切れていた事など】

俺の知った事じゃあないさ。

ご案内:「図書館」から志葉恭介さんが去りました。
ご案内:「図書館」に谷蜂 檻葉さんが現れました。
谷蜂 檻葉 > 刻々と夜が近づく図書館で、本日最後の書架の整理を行っている……。
谷蜂 檻葉 > (禁書……かぁ……)

何の変哲もないただの歴史書をじっと眺めて、昨日顧問から言われた言葉を思い出していた。

谷蜂 檻葉 > 【魔法の、それもただの本じゃない、例えば『ネクロノミコン』や『ソロモンの鍵』のような―――ファンタジックな、そしてあまりにもホラーな本達。それらについてはまた別の、専門の人間が行うので深入りしないように。】
谷蜂 檻葉 > 例に出された本の名前は、”此処”に来る前の図書館で……幻想大全とか、チープなタイトルの趣味本に載っていたから名前と概要は知っていた。 そして、それらの『大本』となる本が、もしかしたら常世財団の力によって、この図書館の奥に秘蔵されているのかと思うと―――
谷蜂 檻葉 > 「ぞくぞくするわよね。」

【異界探訪・私が知った19の真理】と題打たれたファンタジー小説(もしかすれば、エッセイかもしれないが。)を最後の隙間に埋め込む。

谷蜂 檻葉 > 「かつての空想家は今では最先端の異界研究家、かぁ……」

昨晩、ハナノメと話した内容を思い出す。
もしも――もしも彼女の言が正しく、蔵書に何食わぬ顔で紛れ込んでいたフィクションの群れに真実を知る者が書いた本が紛れ込んでいたのであれば。


そして、自分が憧れていたあの本が、その【真実を見通す者】が書いた本だったのであれば―――

ご案内:「図書館」にルナさんが現れました。
ルナ > 【ぱらり ぱらりと本の頁をめくる音がする】
谷蜂 檻葉 > そこまで考えた処で頭を振って、カートをカウンターの奥へと押し進んでいく。

事実は小説よりも奇ではあるが、小説を超越するのであれば王道な筋道を歩くことはない。この調子で、平々凡々な。極々平和な1日を終えよう。

谷蜂 檻葉 > 「………?」

ふと、小さな子供の姿をした誰かに気付いて足を止める。

ルナ > 【図書館の隅に座って子供らしからぬ分厚い本をめくっている。】
谷蜂 檻葉 > カートを定位置に戻すと、こっそりと子供の……ルナの後ろに回りこむ。 違和感への警戒を超越する、年頃の少女の好奇心だった。

安全への信頼性がムダに高いという危険性の表れでもあったが。

(ルナが何を読んでいるのか、確認しようとします)

ルナ > 【本……というよりは羊皮紙の束に近いが……それの中にはわけの分からない文字や記号が羅列されている。付箋のようなメモ書きのようなものに「Voynich Manuscript」と記されているのが見えるかもしれない】
谷蜂 檻葉 > 檻葉はにこやかで生暖かい笑みを浮かべ、少しだけ胸に来る痛みに耐えながらそっと身を引いた。
彼女は年頃の人間の患う自己の特別性を信じきる期間を想起したのだ。

勿論、ファンタジーと一般的なインターネットユーザーのクリックするサイトに勤勉な彼女には一切読んでいる内容が解らなかった。

ルナ > 【ちらり と少年が紙束から目を上げる。】
谷蜂 檻葉 > 【目線が合う】

「………。」 無言のまま、時間がすぎる。

ルナ > 【じっと見つめる。ぼんやりとしたその目にはたいした感情も浮かんでいないように見える。】
谷蜂 檻葉 > 「……それ、面白い?」
            五 月 病
年齢的な病気というよりも季節柄の病気のような表情に気圧されるが、折角こちらに顔を向けたのであればと声をかける。

ルナ > 【首を横に振る。】
谷蜂 檻葉 > 「あぁ……うん……そう……」
あまりにも絡み辛い―――外見年齢を差っ引いても奇天烈な本を読む童子というのはいっそ妖怪染みていて中々クるものがある。

「えっと、君は 寮生、なのかな?」

ルナ > 【再び首を横に振る】
谷蜂 檻葉 > (えぇぇ……違反生徒……って感じでもないな不法入島者だよね多分。風紀委員……は知り合いいないし、追い出すまもなくしばらくすれば閉館だろうし……)


「そっか……ここが閉まるときにはお外に出てね?」

触らぬ神に祟りなし、日和見主義此処に極まれり。
日本人の十八番である曖昧な笑みでそう告げる。

ルナ > 【小さく頷いた。……ちらりと紙の束を見せる。興味があるのかと問うように。】
谷蜂 檻葉 > 深い意図を一動作で見抜くほどの鋭敏さはなく、少し首を傾げるが
「構って欲しいのだろう」という年少の相手をする際に多かれ少なかれ持つ独特の傲慢さで話を続ける。

「それ、何が書いてあるの? ただの絵本とかじゃ、ないよね?」

しゃがみ、視線を合わせて尋ねる。

ルナ > 【少年が瞳を覗き込む。頭の中に何かが流れ込んでくる。訳のわからないもの。それが理解できないものだということだけが分かる。】
谷蜂 檻葉 > 「!!……?……え、何……!?」

突然の未知の感覚に立ち上がって、数歩距離を取る。

「今の……君が?」

僅かに加速し始めた心音に手を当て、冷静を装って再び尋ねる。

ルナ > 【軽く肩をすくめる。再び見れば、そこから少年の姿は消えている。あたりにはわずかな光の粒子が漂っている】
ご案内:「図書館」からルナさんが去りました。
谷蜂 檻葉 > 「あ………。」

周りをキョロキョロと見回しても、自分だけ。

白昼夢か幻視か。 はたまた別の何かかと思うが、僅かに漂う光の粒子に現実に起きたことだとまた心臓がバクバクと速度をあげる。

「……事実は小説よりも奇なり……。」

”彼”は人だったか、それとも。

足の力が抜けたように、近くの椅子を引いて座り込む。

谷蜂 檻葉 > やがて平静を取り戻すに十分な時間が経った所ですっくと立ち上がる。

「よし!」

谷蜂 檻葉 > 「帰ろう!」

颯爽と女子寮へと去っていった……。

ご案内:「図書館」から谷蜂 檻葉さんが去りました。
ご案内:「図書館」に神薙 結弦さんが現れました。
神薙 結弦 > 「……。えぇっと。之がこれ。…ふむ!いい学術書、とやらだな」
(小さな身長で背を必死に伸ばして本の整理をしている。爪先立ちでやや危なっかしい)

神薙 結弦 > 「しかし届かん。…ここは些か物が多すぎる故か…高すぎる…。…‥ふむ。(此処は一段ほど低く斬ってもよいものか)

…いや、駄目か。」

ご案内:「図書館」に否支中 活路さんが現れました。
否支中 活路 > 何が要るんや?

『神薙の後ろから声がする。
机に本を積んだ包帯男が、座っている椅子を引いて、神薙の方を見ている』

神薙 結弦 > 「む?……いや、この本を一番上に置きたいのだが、この本棚たちはずいぶんと私に優しくなくてな…」

(プルプルと背を伸ばしたまま、本と腕を上げる。おそらく身長は150少しなのだろうか、あまり届いていないのかもしれない。本に集中していて其方を見てはいないが、答えを返すでしょうか)

否支中 活路 > 『手近に踏み台がないか左右を眺めてから、本を閉じて立ち上がる。
“博物誌”の文字をトンと指でたたき』

優しないてか、なるほどな。ええわ、乗せたるよ。

『そのまま神薙の背へと歩いて行く』

神薙 結弦 > 「あぁ、まったく優しくないな!残念だが…む?乗せてくれるのか…?それはありがたいが…。」

(要約、自分の背ではダメだと気が付いたのか。本をおろして。顔だけを其方に向ける)

否支中 活路 > まだ要るんやったら、踏み台はどっかあるんとちゃうか?

『下ろされた本を掴もうとしている男の、その緑の眼が神薙を見下ろす』

神薙 結弦 > 「……踏み台…。……はっ!そういえば画期的なものがあると…!な、なんと盲点であった…」

(今まで気が付かなかったのか、しばらくの間のあと。小声で驚くように片手で頭を抱え)

「…ん?そういえば名前を言うてなかったな。綺麗な瞳の御人。私は神薙 結弦と申すもの。以後お見知りおきを」
(本を手渡すように少しだけ持ち上げた後、自分も見つめ返すように見上げる)

否支中 活路 > 『神薙が頭を抱えるのに、包帯の下で苦笑し』

神薙ね。否支中活路や。
っで、これ、ここでええんか?

『差し出された本を受け取って一番上の棚へ入れようとする』

神薙 結弦 > 「否支中どのか。宜しく頼み申します。
ん、あぁ、そこで大丈夫だ。有難う。」

(自分も少しだけ背伸びをしてその本の行方を見やると小さくうなづいて見せる。どうやら片づける本はこれで最後の様だ)

否支中 活路 > まァ……今度からは踏み台つこうたらええやん?

『フォローのつもりか、そう口走ってからすぐに話題を変えようと』

あ、あーあれやな、ジブンは一年目か?

神薙 結弦 > 「今度から、そうさせて頂こう…。…む?あぁ。私は一年目だ。まだまだ若輩者である故、何かあれば教えていただけるとありがたいな。」

(一度一礼をした後、取り直す様にフンスっと自分の腰に手を当てて笑う。)

否支中 活路 > ほうかほうか。えらいカタいなぁジブン。まあ頑張ってぇな。
オレもよう居るわけやないから、あんまり教えられることはないかもしれへんけど……

『言って、自分が積んだままの本を一瞥する』

……そうやな、まあ今のこれ、図書委員ってことやでな?
委員活動や部活動は大事や思うで。ダチも増えるやろしな

神薙 結弦 > 「・…??そうだろうか。私は普段と変わらずの口調なのだが…些か固いのだろうか。…会話とは難しいのだな…。いや、勉強になりますぞ、否支中殿」

(チラリと一瞥された本を見て読書の邪魔をしてしまったかと少しばかり困った様な顔を見せる。)

「あぁ。そうだな。私は此処で初めての友達を作りたいと思っているのだ!ふふ、がんばらねば」