2015/06/14 のログ
谷蜂 檻葉 > (あの場所は――また、難しい本を読むのねぇ。)

図書委員は司書でもなく、一生徒の有志協力が大半であるため全ての本のカテゴライズを記憶しているわけではない。 ただ、それでも良く借りられる本(つまり返却しに行く棚)はなんとなく記憶している。
だから、アリストロメリアが”なにか難しい本”を読んでいるのだけは解った。

(興味……にしてはじっくり読んでるしやっぱり教養があるって事なのかしらね……)

思う通り、こちらに気づかないまま熟読する姿を、「絵になるなぁ」などと実に庶民感覚で眺めていたがやがてこちらに視線を飛ばされた事にぴくりと反応する。

(……見てるの気づかれた? あ、挨拶してくれた。)

睨むでも、無視でもなくわざわざ挨拶をしてくれた彼女に内心の評価をどんどんと勝手に上げながら会釈を返す。

が、そのままどうするのかと思えば近くまで来たことに再び驚く。

「は、はいっ。 ……まぁ一応やる事なくはないんですけどね。こういう時間だと、わりと暇してますよ。」

チラ、と横に視線を向ければ『返却口』と立てられた後ろ側に大量の本が積まれている。
近くのカートにもまばらに本が積まれており、本当であれば直ぐに書架に戻すべきなのだろう。

彼女が勤勉である、という前提が成り立っていればだが。

アリストロメリア > (目が合う少女は、小柄ながらもグラマーな肢体と
知的な顔つきと眼鏡が、凛としながらも何処か色気の漂う少女であった
それは、真面目で知的な雰囲気と固くきちんと着こなした制服が一層色気を漂わせるせいだろうか?)

(そして、彼女がこちらを観察しながら思った事はわからないが
瞳から、恐らくであるが好意的に思ってくれたのだろうという事だけがほんの少しだけ伝わって
一層微笑んで、にこやかに話しかける
この学園に来て以来、多くの楽しい学友に恵まれている為、知らない人とお話しするのは楽しみの一つであった
――……本来なら、人が居無いとはいえ図書館で話しこむのは宜しくないかもしれないが)

成程。 ……まぁ、そうですわよねぇきっと基本的な仕事の多くは生徒の本の貸し借りがメインでしょうし
(ちらり、と後ろを見れば多くの利用者で賑わっているのが分かる
貸し借りがメインかと思っていたが、思ったよりも大変かもしれないと改めて)
……あの量、独りでは大変じゃありません事?

(と――……話をしつつ、彼女の異脳のせいだろうか?
ふんわりと 何だか、とても惹きつけられる香りが漂う気がするのは)
……貴方、とてもいい香りの香水を付けていらっしゃるのね?
もし宜しければどこのお店から出ているものか、教えて頂けません?
(と、興味深そうに尋ねて)

谷蜂 檻葉 > 「あはは……確かに多いっちゃ多いですけどね。大半の人は借りる場所って決まってるし、纏めて借りる人の本はほぼ同じ位置ですから。 そうですねぇ、見た目の3,4割ぐらいですよ、実際の労力は。」

そう言いながら、見られているのであればと―――彼女は怠惰でありながら真面目という実に相反した行動原理を持っている。―――片付けの前準備としての整理を始める。

確かに、ちらと見えるだけでも連作のようだったり、表紙が似たり寄ったりで同じような本で3~5冊纏められているのが多い。


「……えっ?」

香水を使っているのか、と尋ねられるとドキっとして手が止まる。

「あ、ええと、その、”自前”の物なのでお店では買えないんですよ。」

汗の匂いを誤魔化すために使っていた異能に気づかれたことに、とっさに幾つか言い訳――異能について知らせないような言葉――を思いついたが、飾らずに答えた。

それで伝わるかどうかは、また別だが。 彼女の常識に沿った直喩表現である。

「近いのは……何かしら、花が多いのだけれど。蜜の香りに近いかしら。」

アリストロメリア > そうですの?……言われてみれば、人気がある本や話題性のあるもの、勉学に必要なもの……等と
借りられる本の多くはそのようなものなのでしょうね
(成程。大変そうだと思うが、慣れればそうでもないのかもしれない)

(ドキッとして答える彼女に、残念そうに溜息をつく
此方の学校で数多くの異脳を持った生徒は存在するが、彼女自身魔術が使用できても
異脳の無い文化に居た為に、あまりそれを理解していない所がある
故に、自前という言い方に、彼女お手製のオリジナルの香水とか
『秘密にしておきたい』という意思の隠語の様に解釈したらしい)

……まぁ、そうでしたの……
とても良い香りでしたので、気になったのですけれど……自前でしたら仕方ないですわね……
(残念そうに言うが、近い香りを問われれば――……
『顔を近づけても宜しくて?』と聞いてから、最もその人本来の匂いが色濃く香る場所と言われている
耳の後ろの匂いを、そっと嗅いでみる)

……そうですわねぇ……
林檎を思わせる蜜の様な香りに混じり、モリンガの花の様なフローラルさ
甘いバニラの香り……と、精巧に工夫を施された香水の様に
『どれ』とは言えませんけれど、何とも言えない良い香りの様に感じますわ
(と、微笑んだ)

谷蜂 檻葉 > 「ええ。ちょっとした勉強でしたら自分で戻す人も多いですしね。1,2時間の暇潰しで着てる人でしたらそたらのコーナーの本を手に取る人も多いですよ。気に入ったら借りるってスタンスですね。」

そう言って指し示したのは手軽そうな、文庫本のコーナー。
手製のポップも置いてあり、軽く読める「1巻」を集めているコーナーらしい。


ある程度集め、カウンターの外のカートに詰め始めた所で後ろから軽く耳元を嗅がれてブルりと震える。

「え、あ。はい……ひゃわぁあっ」

顔を近づけても良いか?と聞かれ、髪の匂いでも嗅ぐのだろうと思っていたら耳の裏に鼻を近づけられて(当然少し息がかかって)くすぐったがりな彼女は身を捩り、流石に後方ヘッドバッドをするほどではなかったのがせめてもの幸運だったが、しりもちをついた。


「あ、あはは……どうも、ありがとうございます?」

異能を褒められるという彼女には珍しい経験に、尻餅をついたのと耳元にかかった息への感覚も混ざりつつ頬を少し染めて、耳元をかいて照れる。

アリストロメリア > 成程ね、確かにほぼ毎日学園には足を運びますし
持ち帰るのも面倒で、図書室で済ませる方もきっと多いでしょうね
(指し示す先を見れば、手製のポップが目を引く文庫本コーナー
成程、大体読まれるのはあの辺りなのかと思いつつ)

(脅かしたつもりは無いのだが――……結果として驚かせて、しかも尻餅を突かせてしまう)
ごめんなさい、大丈夫?怪我はなくて?
(心配そうにそっと手を差し出して、彼女が体勢を起こせば
怪我や何処か転んだ拍子に制服を汚してはいないか等のチェックをする)

悪気は無かったのですけれど――……結果として痛い想いをさせてしまいましたわね
作業の邪魔にもなってしまいますし 今日は失礼致しますわ
(何事も無かったと知れば『またお時間のある時に』と言い残して、去って行った)

ご案内:「図書館」からアリストロメリアさんが去りました。
谷蜂 檻葉 > 「いえいえ!大丈夫です、ちょっとびっくりしちゃっただけで。 ……ほら。」
立ち上がって、軽くクルリと回ってみせる。


「遠慮させてしまってごめんなさいね。 ええ、また来てください。私が受付じゃない時でもお待ちしてますから。」

そういって、立ち去るアリストロメリアを見送った。

谷蜂 檻葉 > (……そういえば、名前聞いてなかったな……)

ふと、カートを押しながら思い出した。

ご案内:「図書館」から谷蜂 檻葉さんが去りました。
ご案内:「図書館」に井戸木さいこさんが現れました。
井戸木さいこ >  
 暇つぶしに図書館へとやってきた。
 何か面白い本はないか、と、アテもなく本棚の前を歩きまわっている。
 そういえば昨夜、来島先生帰ってこなかったなぁ。

 なんて考えながら、静かにあるく。
 図書館ではお静かに。

井戸木さいこ >  
 ふと、新刊コーナーで一冊の本が目に入る。
 小説・エッセイ・学術書ではなく、案内書の類だろうか。
 それを、手にとって見る。

   『転移荒野ガイドブック』

 シンプルな題名を打たれた本を軽く捲る。
 転移荒野に点在する数々の遺跡や、名物スポットが危険度・おすすめ度と共に纏められていた。

井戸木さいこ >  
 もう少し捲ってみると、写真や図付きでの解説も見受けられる。
 面白そうだ。そう思えば、本を持って机へ向かう。


 ゆっくりと、読み始めた。

井戸木さいこ >  
 その中でもひとつ、目に入る遺跡があった。
 名はイォェプレド だろうか。 英字に訳された綴りがあるが、上手く読めない。

 とても整った神殿のような外観。
 未だに花を咲かす庭園。
 不思議な幾何学模様の壁画。

 本を通じて遺跡に思いを馳せながら、解説を読み進める。

井戸木さいこ >  
 嘗てこの遺跡には、とある神が宿っていたらしい。
 一説によれば、その神は計算と幾何学を以って世界を創造したとされる
 創造神とも呼ばれる神の一人。

 名は、デミウルゴスと云う。

 ……その名前を聞けば、頭が痛む。
 目の前のそれと、私を創ったデミウルゴスプロジェクトは関係ないだろうに。
 
 顔をしかめながらも、本を読み進める。デミウルゴスの名前に詰みはない。
 頁を開けば目に入る、奇麗な遺跡郡が心を癒してくれた気がした。

ご案内:「図書館」に雨宮 雫さんが現れました。
井戸木さいこ >  
 静かに、本を読み進めている。
 妖精の劇場跡。この遺跡も綺麗だ。

 ……読み進めていたら、集中力が欠けてきた。
 ぼうっと、何気なく、周囲を見渡してみる。

雨宮 雫 > 数冊の本を小脇に抱えて歩く少年。
更に手にしたメモと本棚の番号に交互に視線を落としながら、の歩きは余りそれ以外に注意を向けているとは言い難く。

「と、失礼しました。」

ぶつかる前に気づいたものの、既に着席して何か読んでいた女性の脇をあぶなっかしく通りかかって足を止めた。

井戸木さいこ > 「わ、と、と。」

 座ったままであるが、思わず小さく声をあげてしまうか。
 やや危なかっしく、ぶつかりそうになった。

 足を止めた少年に気付くと、心配するような面持ちで声を掛けるだろう。

雨宮 雫 > 「ぁー、すいません本当。
 ちょっと上見てたら前方不注意でした、あんまり人居ないと思ってたのに。
 ぶつかってないので、許して欲しいかな、かな?」

片手は本を抱えて塞がっているので、メモを持つ片手を立てて申し訳無さそうな表情を作って改めて謝罪する。

井戸木さいこ > 「うん。大丈夫だよ。ぶつかってもないから。
 確かに、今日はあまり人もいないみたいだし……
 ……何か探しもの? 大分集中していたみたいだけど……」

 くす、と、柔らかく微笑んで見せる。
 メモを持つ手を見れば、ふと、そう尋ねるだろう。

雨宮 雫 > 「そうだね、ちょっと異能のコトをね。
 目当てのコトが書いてある本ってあんまり無さそうで、タイトルで絞ってみたら、場所がバラバラだったんだよね。」

困った困った、へへへ、と笑ってメモをヒラヒラ。

「ところで、生徒じゃなさそうな雰囲気なんだけども、教師かな?かな?
 口調とか改めた方がいいかな、かな?」

井戸木さいこ > 「うふふ。大丈夫。わたしも新米教師だから。
 ……異能? 折角だし、どんなタイトルなのか聞いても良いかなぁ?」

 笑みを浮かべたまま気にしないで、と付け加えつつも、
 異能の事を調べていると聞くと、何となく興味が湧いた。

 きょとんとした様子で、尋ねるだろう。

雨宮 雫 > 「じゃあお言葉に甘えるかな、かな。
 新しい人なんだね、知らない顔だからどっちか分からなかったのだよ。
 授業もサボってると毎年、新年度の頭はしょうがないね、けひひ。」

お言葉に甘えて、というのにはフランクさが増している気配もあるが。

「最後のはえーと。
 ”系統異能の認識と効果”
 って本だね、だね。本棚の番号的にもっと先かな、かな。」

井戸木さいこ >  
「うふふ。……あ、そうそう。わたしは井戸木さいこ。よろしくね?
 保険や体育のアシスタント、レンジャー/スカウト分野の実習、狩猟学やサバイバル学が主なんだ。
 たまには授業に来てね。なんて」

 "可愛い笑い方かも。"
 そう付け加えながらもフランクさの増した少年へ、
 軽い調子で名乗る。

「系統異能の認識と効果? 異能の系統を調べているのかな。
 それとも、"認識"の方?」

雨宮 雫 > 「あや、じゃあ。
 ボクは 雨宮 雫 だよ、よろしくお願いしますなのだね。
 体育は面倒なんであんまり出ないけど、保険なら出るかな?かな。

 野外やサバイバルもまぁ……さいこー先生は、見た目に反してアウトドア系なんだね。」

見た目で判断した上での発言である。
人間、第一判断は見た目なのである。

「んんー。
 系統じゃなくて、認識の方だね。
 ちょっと前の本みたいなんだけども、ちょっと興味が出てね、けひひ。」

井戸木さいこ > 「うふふ。これでも昔は大変だったから。
 雨宮君だね。うん。宜しく。」

 なんとなく指を口にあてて、微笑んでみせる。

「そっか。難しそうな本を読めるんだね。うふふ。
 異能に認識……かぁ。」

雨宮 雫 > 「どっかで遭難でもしたのかな、かな。
 もしくは変な場所で苦労したとか、とか。

 まぁ、ヨロシクお願いするには授業時間が合わないとなんだけど、けど……  時間割はどこかな?」

あんまり教師っぽくないなぁ、という感想は口には出さないでおくが。
話も長くなってきたので、通路からテーブルに寄って、脇に抱えていた本を一旦、井戸木の横のスペースに仮置きした。

「分からないコトは先達の知恵頼りが一番楽だからね、けひひ。」

井戸木さいこ > 「うふふ、秘密。
 ……ン、ちょっとまってね。」

 とん、と、かばんから一枚の紙を取り出す。
 シラパスの一部なのか、担当する時間割と授業要項が書いてあるだろう。

「手探りよりも効率が良いからね。うふふ。
 ……あ、ごめんね。足を止めさせちゃった、かなぁ?」

雨宮 雫 > 「ぉ。授業に出れば経験談とかで出てくるかな、かな?
 はいはい、というかまだ申請ってできる授業なのかも問題だけど。」

こちらは、中華服の袖に手を突っ込むと、スマホを取り出してスケジューラーを呼び出したようだ。

「急ぎでも締め切りがあるわけでもないから大丈夫だね、だね。
 今日明日で何かあるって話の研究でもないしね。」

井戸木さいこ > 「どうしようかなぁ。なんて。
 ……ん、特例で申請が認められているよ。入ったばっかりで、出来たばかりだからね。」

 ぱちん、とウィンク一つしてみせ、ごまかしてみせた。

「うふふ。そっか。それなら良かったんだけど、何を研究しようとしているの?」

雨宮 雫 > 「成る程だね。
 じゃぁ、さいこー先生が可愛いから時間割次第で申請しようかな、かな。けひひ。」

ウィンクに へら と笑みを浮かべて愛想笑いを浮かべた。
問われたコトには んー と片手の指を自分の唇に当てて悩む素振りを作り。

「まぁいっか。
 異能の発生、あぁ、ここで言う発生っていうのは最初の発現じゃなくて、備わった人が使用するトキね。
 これって何をトリガーにしてるのが多いのかな、って思ってね、けひひ。」

井戸木さいこ > 「うふふ。可愛い雨宮君が来てくれるなら嬉しいよ。なんてね。
 そっか、例えば炎を出す異能だったら何がトリガーになって、そのトリガーがどういう意味を持っているかとか、
 超常をキャンセルするような異能だったら、何を基準に超常と認識して判定しているか、みたいな感じ?」

 うーんと一つ。
 自分なりに考えたであろう答えを出すだろうか。

雨宮 雫 > 「そんなー、ボクとか全然ー。
 せんせーのが可愛いよ、けひひ。優しくしてくれるなら、申請するかな、かな。
 
 ぁ、時間もソコ、何も無いや。今。」

スマホのスケジュールも確認しつつ。

「そうそう、大体そんな感じ。
 全部の答えはコレ、みたいなのは無いんだろうけどね。
 外科的に脳を開けた奴はコッチの本にあるみたいだから、ネ?」

井戸木さいこ >  
「うふふ。ありがと。嬉しいかも。考えてみて、良かったら申請してね。
 人為的、後天的な異能の発現関係なんだねえ。脳を開けるって、ちょっと怖いかも。」

 わざとらしく怖がってみせる。
 色々と頭のなかで想起したり、しなかったり。

「だから、探している本があるジャンルがばらばらだったんだね。」

雨宮 雫 > 「なんかこのやり取り、キャバクラとかの客引きみたいだと思ったね、ボク。
 先生は誘うの上手だね、けひひ。」

笑いながらとんでもないこと言ってるが……
一応コレでも褒めてるつもりなんだろう、本人は。

「ボクが適当にとっ捕まえて、頭を開けると公安とか飛んでくるかもしれないしね、リスク高すぎだね、だね。
 そーいうコトなのですよ、さいこー先生。

 ちなみに先生は異能とか持ってるのかな、かな?」

井戸木さいこ > 「もう、雨宮君ったら。」

 苦笑をこぼす。冗談や軽口だと判断したらしい。

「ん……私の異能、そうだね。
 ……気を張ってないと、どんな超常でも狂わせちゃう体質を持っているよ。
 誰も得しないし、どうにかしたいとも思う体質だけど……」

雨宮 雫 > 「まぁ、申請しておくから安心して欲しいかな、かな。
 野外演習とかは、山とか行くなら自分だけで行くより楽なトコロもあるしね。」

あ、怒られなかったらしい。
それよりも、後に説明された話の方に目を輝かせる。
いや、物理的に目が緑にキラっと光った。

「へぇ、オモシロいモノ持ってると思うかな、かな。
 体質なのに自前で制御できるんだね?さいこー先生に俄然、興味が出てきたよ、ボクは、けひひ。」

井戸木さいこ > 「うふふ。ちょっとしたピクニック気分でも良いよ。」

 実際、半ば実習半分ピクニック半分。
 たまにバーベキューしたりする 予定。

「うん、最初は制御できなかったんだけど、そういう訳にもいなかったから、
 こう、トイレを我慢する様な感じで意識したら、なんとかオンとオフだけ、だけどねえ。
 ……面白いというけれど、誰も得しない、最悪なだけの体質だよ。コントロール出来れば、良かったかもしれないんだけど……」

雨宮 雫 > 「ぇー、どうせならもっとハードなのがいいかな、かな。
 この崖の下まで降りましょう、とか、とか。」

目を薄く光らせながらにやーと笑う顔はなんか、凄く楽しそうだ。

「トイレの我慢とかちょっと生々しいね、でも分かりやすいかな、かな。
 本人に余りいい方向じゃない異能の場合は、狂わせる、ってのの中身にも拠るけど、効果が変わる方が嬉しいんじゃないかな、かなって思うんだね、ボク。
 だから、さいこー先生のコトをもっと教えて欲しいかな、かな。」

井戸木さいこ > 「そういうのは順番を追ってかな?
 アブナイからね、うふふ。」

 意外とフィールドワークも好きなのかな。
 楽しそうな雨宮の顔を見て、そんな事を考えた。

「……そうだねえ。大体どんなものでも悪い方向に行くよ。
 良い方向に行かない事もないけど……うふふ。ちょっとずつ教えてあげる。」

雨宮 雫 > 「怪我したらボクが治してあげるから大丈夫だね、だね。
 あぁ、ボク、保健委員なんだよ、怪我でも病気でも何でも美味しく処置してあげるから安心だね、けひひ。」

悪い方……と言われると、少し、2ー3秒の間を空けて。

「じゃあさいこー先生、最初にちょっと教えて欲しいかな、かな。
 ボクが異能使うから、せんせーちょっとだけ、その力使って見て欲しいかな、かな。」

井戸木さいこ > 「ん、そうだったんだ。
 なら安心かも、うふふ。」

 美味しく、のフレーズに小首をかしげつつ。

「……んー、わかったけど、気をつけてね。
 ここで、大丈夫?」

雨宮 雫 > 「ぁー、大丈夫かな、かな。
 ボクの異能は外向けじゃないからね、多分、周りに影響は出ないんじゃないかなと思うかな、けひひ。」

じゃあ、いくよ?
と前置きして、改めて井戸木の顔を見る。

緑色の目が薄らとぼんやり光始めて……

「解析」を開始。
皮膚の構成、健康状態、髪の毛の、眼球の―――
雨宮の脳裏に情報が溢れ始める。

井戸木さいこ >  
 Name:315
 DisplayName:井戸木さいこ
 Race:DemiurgeCrohn
               Type:Ruler/Creator
   
  Hair:black

   Condition:Good
 Eyetype:zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz
zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz

qawsedrftgyhujyahoo;@:[azzza
tgyaszx:;:;xagooglew@,lfslo
                        lololololololololololololo
"""""""""""""""""""""""""""
ooudnsdnsndsndnsdnsooua"""""u

""""""""""""""""""""""""
イ"wsedrftgyhuikop@[


 ――少しだけ視えたかもしえないが、すぐに解析が狂う。
 情報が砕け、跳ね、"意味のない文字"の羅列が雨宮へと流れこむ。
 

雨宮 雫 > 途中からぶち壊れた情報ノイズに脳が衝撃を受ける。
物理的に神経が軽くダメージを受けて、右目にじわっと、涙のように血が浮かんで目の下側にあった赤い隈取に沿って流れた。

「ぉ、    コレは中々クるね、刺激的だネ、けひひ。
 脳にギャリーンってきた超感覚だ、コレ、びっくりだね、だね?」

自分でも右目に気づいたのだろう、軽く指で垂れた血を拭いながら凄く、こう

楽しそうな

笑みを浮かべて自分の異能を終了した。
目から、フっと緑色の光が消える。

井戸木さいこ > 「 ぁ」

 能力を抑える。
 とは言え、自身に対する超常は抑えてもある程度は必ず狂い、悪化する。
 雨宮の右眼から流れる血。それを見れば、笑みにも気付かず、申し訳なさそうに、不安そうに雨宮を見つめるだろう。
  
「だ、大丈夫……?」

雨宮 雫 > 「ん?
 何でさいこー先生がそんな顔するのかな、かな?
 コレはボクがオネダリしたコトなんだから、先生は何も悪くないよね、よね?

 こーいうのは見るより聞くより、体験するのが一番早いくて分かりやすいからね、けひひ、けひっ。」

笑いながら指先についた血をぺろっと舐めると、右目を何度か瞬きさせて具合を見ている。

焦点が合わなくなっているわけでも、濁っているわけでもないからまぁ、見た目はそう酷い事にはなっていない。

「そんなの大丈夫に決まってるじゃないかな、かな。
 明日には治ってるレベルだよ、だよ。」

井戸木さいこ > 「それなら良いんだけど……
 ……良かった。うふふ、雨宮君は強いね。」

 気を取り直すかのように、微笑んでみせた。
 とは言え、少々のいたたまれなさがあるのかもしれない。
 本を手に取って、立ち上がる。

「えっと、それじゃあ私は行こうかな。
 また講義とか、図書館とか、どこかで会おうね。雨宮君。」

雨宮 雫 > 「強くはない、と思うけど。
 兎も角、貴重な体験だったので、ありがとうだね、さいこー先生。」

立ち上がるのを見ると、少し下がって、道を開く。
にこやかに愛想よく、目を細めて。

「はーい、それじゃあマタどこかでだね、だね。
 今日はオモシロ体験をありがとう、けひひっ。」

ご案内:「図書館」から井戸木さいこさんが去りました。
雨宮 雫 > ―――
――


さて。
井戸木が去っていくのを見届けてから、完全に居なくなったことを確認してから、テーブルに置いていたスマホを手に取った。

「ぁー、オモシロかった。
 あぁいう異能ってイイよね、よね。
 だからぁ~……―――」

とあるアドレスを呼び出して、メールを一通作成する。

----
井戸木さいこ/教師(新人っぽい)
担当:保険、体育のアシスタント
   狩猟学やサバイバル学(レンジャー/スカウト分野の実習)
異能:他の異能を異常化させるか、あるいは発現プロセスを壊す系と思われる、レア度高いかも。
----

慣れた様子でディスプレイに指を滑らせて、サクっと送信。

「うん、ボクは仕事を忘れない、いい子だね、だね?」

雨宮 雫 > 「どんな授業をしてくれるかも楽しみだね、だね。
 コレは真面目に受けないとな~っと……」

スマホを袖の中に戻すと、テーブルに置いていた本を抱え直してメモを見直す。

「閉館時間までに見つけないとだしね、コッチも貸りて行かないと……けひひ。
 ぁ、なんかテンション上がってきたかも、かも。
 けひひ、明日からも頑張ろう~。」

雨宮 雫 > 「~うぉんへ~らいひぇ~~♪」

上機嫌に、小声で歌など歌ってしまいつつ。
長いポニーテイルを揺らしながら高い本棚の間へと入っていく。

奥へ奥へと、目当ての本を探しにいく。

ご案内:「図書館」から雨宮 雫さんが去りました。
ご案内:「図書館」に伏見灯継さんが現れました。
伏見灯継 > 死なない程度の存在は、今の時代、存外ありふれた物なのかもしれない。
不死性に関連する書物で埋め尽くされた棚を眺めながら、そう、思う。

「情報が充実してるのは、この上ないくらいに有難いんだけど。
 流石に全部目を通すのは、ちょっと骨が折れそうだわ」

ランタン片手にぼやきながら、彼女は一冊の本を手に取った。
『銀の杭』と題されたその本は、吸血鬼に関する記述が記されている。

「……普通の人間だって、心臓に杭なんか刺されたら死ぬでしょうに」

そんな風に文句を言いつつも、彼女はページをめくる。

伏見灯継 > 「……うーん……?」

しばらく読み進めて、気付く。
手にした本は、吸血鬼モノのフィクション。きっと、誰かが間違えて置いたのだ。

「違う、わね」

結局彼女の求める情報は、その本からは得られそうになかった。
すなわち、不死の生物を殺す方法。

「―――……うう、でもこれ面白いじゃない。借りて帰りましょう」

当初の目的をすっかり忘れ、
彼女は『銀の杭』を片手にカウンターへと向かうのであった。

ご案内:「図書館」から伏見灯継さんが去りました。
ご案内:「休憩室」に黒谷 知来さんが現れました。
黒谷 知来 > 「よいしょ、っと……」

そんなに分厚くもない本を何冊か
重そうに抱えて図書館から休憩室に向かう少女が一人。

休憩室に着くと、本と教科書、ノートを広げ、
ミネラルウォーターの入ったペットボトルを
脇において勉強を始めた。

黒谷 知来 > ノートで授業の内容を確認しつつ、
参考書として読んでおくことを推奨された
図書の内容に目を通す。

内容は生物学。遺伝について詳しく書かれているようだ。

「……うん。」

さっぱりわからない。

黒谷 知来 > 遺伝子ってそもそもなんだっけ。
ちょっと前のページに戻ってその解説を読む。

そのページで分からない言葉を見つけて前のページに戻る。

そのページでもさらに分からない言葉が……

もし、誰かがこの光景を見ていたなら、
本を逆方向にめくって読み進めているように見えるだろう。

黒谷 知来 > 「……だめだー……」

ごん、と音を立てて机に突っ伏す。痛い。
授業を聞いているときは納得して理解して聞けていたつもりだった。

だが、いざ思い出そうとしてみるとこれである。
ちゃんと理解しなければならない。
それは分かっているのだが分からないものは分からない。
結局前回のテストも暗記で突破してしまった。
それが理解につながっているかと聞かれれば、否である。

黒谷 知来 > 「……はぁ。」

ミネラルウォーターを一口含んで再び参考書に目を通す。
少し時間を置くと突然内容が分かるようになる、という不思議体験も無くは無い。

が、そういうものはどうでもいいときに起きて
起きてほしいときに起きるものではないのだ。

図書室に入ったときに満ち溢れていたやる気は
既にどこかに逃げてしまったようだ。
大きく息を吐いて本を閉じ、伸びをする。

黒谷 知来 > 開きっぱなしのノートを見つめる。
理解が深まったらメモでも取ろうと思っていたが、
そのページは開いたときと同じ真っ白なままだ。

「……もうちょっと頭よければなぁ……」

諦めてノートも教科書も閉じる。
時計を見ればほとんど進んでいない。
自分は諦めが早いのかもしれない、と
考えつつもやはり一度失ったやる気はなかなか戻ってこない。

黒谷 知来 > こうなったら分からないなりにがんばってやろう、と。
べしべし自分の頬を叩いて気合を入れ、再び本を開く。
相変わらず分からない単語だらけだが仕方ない。
分からなければ調べればいいのだ。

幸い時間はたっぷりある。
ゆっくりでも進めていこう。

黒谷 知来 > ……あれ、おかしいな

このページはさっき読んだ気がする。

むしろ、ずっとこのページばかり読んでいるような……

時計を見る。思ったより時間が進んでいる。

時間の割には進んでいないな、と思いつつペンをとり、ノートに何か書こうと……

そう思う頃には既に、眠ってしまっていた。

ご案内:「休憩室」から黒谷 知来さんが去りました。
ご案内:「図書館」に日乃杜 梢さんが現れました。
日乃杜 梢 > (放課後、といってもまだ鐘がそれを告げてから幾分も経ってはいない時間。足早に、図書館へ続く扉へと歩み寄る少女がいた)

(普段は肩から掛けているバッグを、今日に限って胸に掻き抱いている。落としでもしたらとんでもないことになると、そう言わんばかりだ)
(荒れた息を整え、二度三度と周囲の様子を伺ってから、彼女は扉に片手の指を掛けた)
(ゆっくりと、扉を開く。少しだけ、空気が動きをもった。積み重なった紙の織り成す匂いが、微かに流れ出る)

失礼します…。

(普段は口にしない入室の挨拶まで零して、書が眠る蔵へと潜り込む)

日乃杜 梢 > (後ろ手に扉を閉める。そこまでやって、ようやく一息つけた)

まったくもう、なんでここに来るだけで、こんなに緊張しないといけないのですか…。

(恨めしそうにぼやく。ここに来るときは、もっとゆったりとした気分でいたいのだ。こんな、妖物と向き合っているときのような緊張感はまっぴらごめんだというのに)
(…とはいえ、全身が常に警戒状態になってしまうのも無理はない、と頭の片隅の、冷静な部分が告げているのも事実だ)

(抱え持ったままのバッグを見下ろす。その中に、自分のこの無駄な緊張感の元凶が押し込められていた)

禁書の脱走、ですか…。

日乃杜 梢 > (学園内の大聖堂で、ラヴィニアという名のシスターと、彼女を襲っていた何者かの間に式神を伴って割り込んだのが数日前のこと)
(その後シスターが『図書委員に渡すように』と白布の包みを差し出してきて、流れのままに引き受けた、のだが)

多分、図書委員の緊急連絡にあった、脱走した禁書ってこれ、ですよね。

(翌日に目を通して、目を白黒させたものだ)
(とにもかくにも、早く引き渡さねば。自分が抱え持ったままだと、何が起きるかわからない)
(とりあえず人の姿を求めて、カウンターのほうへ歩き出す)

日乃杜 梢 > (正直なところ、今自分が預かっているものが本当に件の禁書なのかどうかは、自分にはわからない)
(実際に封印したと思しき彼女が、自分にこれを図書委員へ届けるようにと告げたことと、当の図書委員の緊急連絡を見ての推測だ)

…禁書、かあ。実家にもそういう曰くつきのはありましたけど、手にしたことはなかったですね。

(実家の古ぼけた蔵に、その手のものが転がっていたことを思い出す)
(うんと幼い頃は、姉と一緒にことあるごとに潜りこんで、いろいろと探してみたものだ)
(それを思い出して口元を綻ばせ―すぐに、俯く)

ご案内:「図書館」に蒼穹さんが現れました。
蒼穹 > (時間は、何時の事だろうか?放課後と言えば、大凡夕方と言って間違いないだろうか。して、禁書庫に向かう、ほぼ日課となった行為の途中の事だった。しれっと通りかかり。不意に、その"禁書"についての囁かられる言葉が耳に入ったので、つい拾い上げる。)
…やっほ、こんばんは。
突然ごめんねっ。キミ…禁書について、何か知ってるのかな?
(その目が引かれそうな、"紅"という鮮やかな色の髪をもつ少女の方を向けば、御挨拶と共に、問いを遣ってみた。丁度、彼女が俯いた辺りだったので、聞こえているかどうかを案じて、片手をゆらりと揺らし、さり気に自身の居所をアピールしながら。)

日乃杜 梢 > …姉様…。

(呟けば、頭蓋の奥が軋む。足を止めてこめかみを押さえるが、一度始まったものはすぐには止まらない)
(脳が、それを引きだし、投影する。主の否定をものともせず、その光景を自動的に、機械的に脳内に―)

(―血を吐く姉が何かを叫びながら、私へ向かって式を打ち―)

(瞬間、声が、光景を一瞬で引き裂き、破り捨てる)
(はっと顔を上げれば、青がそこにいる。自分とはまさに対照的な色彩を持つ女性に気づき、呆けたように目をぱちくりとさせた)

えっ、あ…?
す、すみません、ぼうっとしていて…今、私に何か?

(どうやら、何を問われたかまでは聞こえていなかったらしい。申し訳なさそうに表情をゆがめながら、問い返す)

蒼穹 > …ああうん、ええっと。
お取り込み中ごめんね?
(何だろうか、こめかみを抑え俯く、そんな仕草から物凄い感情の激流のような、そんなものを感じた気がする。勿論、中身が何かは全く分からないので、こう言う他にないのだが。そうして、暫し、時間を待ったらば、漸く気付いてくれたようで。)

いえいえ。そうだね、キミ、さっき禁書が何とかっていってたよね。
もしかして、何か知ってるのかなーって、そう思ったんだけど。
(突然話しかけてしまったのだから、気にすることは無いだろうと、手を横に振りながら、先程問ったことをもう一度述べた。)

日乃杜 梢 > いえ、こちらこそ、すみません。

(小さく頭を振れば、紅が翻る。今更に呼吸が荒くなりかけていたことに気づいて、一息で無理やり正した)
(表情も引き締めて、改めて相手を見つめ返す)
(青、という最初の印象は、彼女の髪から受けたらしい。自分と同じくらいの長さの髪に…おそらくは、近い出身のものだろう顔だち。綺麗だな、と素直に感じた)

あ、はい…確かに、そう呟きました。ちょっと、事情がありまして。
ごめんなさい、図書委員の方…ですか?

(相手の恰好のどこからも、所属が伺えない。それでも念のためにと、確認の言葉を口にする)

蒼穹 > んん…いえいえ。
(ふるりと、首を左右に振れば、これにて仕切り直し。翻る紅、揺れるそれは、夕を思わせる…には、少し、赤みが強いと言ったところだった。)

あー、そうじゃないんだよね。私は、幽霊風紀委員だから。
それで…良かったら、禁書について知ってる話、聞かせてもらっても?
…ああ、そうそう、名乗っておこっか、一年の蒼穹《ソラ》だよ。
他に聞きたいことがあったら、どうぞ。
(ふるりと、首を横に振って図書委員会ではないと否定の言葉を告げた後、自分指差して自己紹介。そうした後で、相手を覗き込むような、若干馴れ馴れしいと言って差支えのない視線を、彼女に遣った。)

日乃杜 梢 > ああ、風紀の方、でしたか。
《蒼穹》さん…ソラさん。私は日乃杜、日乃杜 梢です。よろしくお願いしますね。

(風紀委員、と聞いて若干緊張が走った)
(校内やその周辺の安全のために動く武闘派集団、というのが梢の抱いていたイメージだ。中には結構大きな事件に関与することもあるとかどうとか)
(とはいえ目の前の彼女は、どうだろう、どことなく人に懐いてくる小型犬のイメージを覚える)
(だから、というわけでもないだろうが、とりあえず口を開くことにした)

知っていること、といってもそんなに多くはないんですけど。
ソラさんは、禁書庫からの禁書の脱走の話、知っていますか?

(一歩を踏み出す。歩く先はカウンターではなく、机の並ぶ一角。どうやら腰を落ち着けて話そうということらしい)

蒼穹 > うん、幽霊風紀委員。幽霊、ここ重要ね。仕事は微妙だし、変に取り締まったりもしないから落ち着いていいよー。
(多分、眼前の彼女は己がどういう存在かは察してないだろうし。ゆるーく、笑いながらそんな風に言ってのければ。)
うーん、はい、どうも。ならそうだねー…コズエとでも呼ばせてもらおうかな?こちらこそ、よろしくー。
(名前交換をすれば、握手の一つでも…と思ったが、今日はそんな風でもないらしいし。)

ありゃ、そうなんだ。
ああうん、ちょっとだけ聞いたよ。ヨノワールが何とか、だっけ?
(何だか聞き間違いか覚え間違いか、おかしな横文字を連ねて。とんと、一足遅れで一歩、ついて行く。そうしたら、やがて目的の場所にたどり着き、腰を下ろすことだろう。)

日乃杜 梢 > あはは…ありがとうございます。

(内心を見透かされたかのような言葉に、乾いた笑みをこぼす。途中、相手の気配に少しの違和感を覚えはしたが、自分のショックのせいだと結論付けた)
(とはいえこれほど間近にある邪神の気を把握し損ねるなど、あってはならないことであろう。未熟もいいところだ)

それの名前、までは私も知らないんですが…先日、学園内で戦闘していた方を援護しまして。
その方に、『図書委員に渡してくれ』と預かったものがあるんです。
詳しい説明までは聞いていませんが、恐らくそれが件の禁書じゃないかと。

(それで、図書委員の方を探しているのです、と告げ終わる。その途中、バッグをぎゅう、と強く抱きしめた。、恐らくソラにはその内側にあるものの魔気が知れるだろう)

蒼穹 > んーん、どういたしまして。
…本当に何も私に聞くことは無いんだね。それでいいんだね。
(まるでファイナルアンサーを促す某クイズ番組の司会者のような口ぶりで再三尋ねかけてみる。あった矢先に禁書の事を聞いてくるって、多少質問してからの方が良いのに…彼女、素直なのだろうか。)

ううん、そうなんだ。ありゃりゃ、大変だったね。
…あ、つまりキミは別に禁術を持っているわけでもなければ、禁書の知識があるわけでもないのか。
ちょっと勘違いかな。ああ、その件については私は如何しようもないね。
こっちに来たばっかりで知り合いも少ないし。多分、"それ"はちょいと危ない禁書でしょ。使うよりさっさと封印してもらった方が良いよ。
("それ"。そんな言葉を言いながら、彼女のバッグをナチュラルに指差した。そこにあることはお見通し、というより、そこにある前提で会話を進めている様子。)

日乃杜 梢 > (念を押すような、何か言うべきことがあるんじゃない?的な気配に、こくんと首を傾げる。ややあって、あ、と声をあげた)

ええ、すみません。なんでしょう、運ぶのを任されただけ、のような…もちろん、使うつもりはないんですけど。
それよりその、ソラさんは、どうして禁書の話をお聞きに…?

(ショックから抜け出はじめた理性が、回転し始める)
(そうだ、姉との離別を思い出し掛けて心がショックを受けたとはいえ、あまりに呆け過ぎだ)
(見てくれは人の姿にしか変わらない、蒼穹と名乗ったその気配は、人間のものではない―)
(そっと、禁書と思しきそれが入ったバッグを抱く腕に力を込める)

蒼穹 > あっはは、漸くかぁ。
んー、と。ぶっちゃけいっちゃえば禁術、使ってみたいっていう感じなんだけどね。
面白い禁書や、適性のある禁書、それから、そもそも使える禁書っていうのが中々見当たらないんだよね。
そんな風に暴走したりして。そんなとこ。どう?
(にやりと、笑いながら。その表情は悪びれた様相は無い。そうして、ようやっと己が何者であるかと認識し始めただろうが、そちらを気にする事もなく。そして、バッグを見据えては「何もする気はないよ。」と言わんばかりに緩く首を振った。)

日乃杜 梢 > (はー、と止めていた息を零す。本当に、どうして図書館でこんなに息を詰めなくてはいけない事態に追い込まれなければならないのか)
(遥かに格上の存在に気づかない、腑抜けていた自分の責任であろう、と自己完結してしまうのが悲しい)

いえ、失礼しました。
禁術を、使いたい…ですか。それは…ええ、ちょっと私には…。

(禁術は、禁に値する理由があるから禁術なのだ、と、そう教え込まれている少女は、乾いた笑みを浮かべて、そう返す他なかった)
(でもあるいは、この目の前の存在であれば…扱える、扱えてしまうものもあるのだろうな、と考える自分もいる)

蒼穹 > あーうん、…もう慣れたよその反応。
(気怠そうに肩を落として、テンプレート通りな反応を見る。基本的に、御存知の通り、禁術とは禁止されているから禁術なのであって、おいそれと人が手を出せるような代物ではない。己は、こうやって禁術を求めているが、この学園に来ても、今一つそれと目星き禁術は得られなかったし、教師に聞いたところで、曖昧な返事しか得られなかった。)

…んで、キミ自体、禁術にはあんまり知識は無いって事かな…?
(人差し指をくるくると回しながら。少々拍子抜けみたいな様子を浮かべてしまった。禁書について、呟いていたのだけれど…どうやら、宛は外れてしまったのだろうか。…何となく、退魔師や巫女的なニオイがするが、そっち方面の禁術を持っているのでは…?)

日乃杜 梢 > ――。

(問われれば、口元に手を当てて少し考え込む)
(そう、心当たりはある。最初に思い描いたものは、実家の蔵だ。そこには、確かに禁書の類が転がっている。だが―)

ええ、すみません…。
実家に幾つかあるはずですが…私はその中身を見たことはないんです。
恐らくは姉様なら、日乃杜の当代として目を通したことはあるはずですが…今はおりませんし。

(なんだか、虎の尾を踏みにいっているような気がしなくもない。ないが、詳しい話は知らないのだから仕方がない)
(それに…仮に知っていたとしても、禁術を明かすようなことはやはりできなかっただろう)

蒼穹 > (少しだけ、その言葉を聞いて、口角を歪めた。どこか歪に。)
…へぇ。そうなんだ。
ああうん、ちょっとだけ、興味が沸いた、かな。
因みに、そのお姉様っていうのは、この学園にはいたりするの?…その口ぶりからすると、居なさそうだけどね。
(ここにきて、恐らく、彼女が最初に想起していたことを、無意識にも突くことになった。だけれど、そんな事は己は思いもせず、ちょっとばかり、興味本位での問を遣ったのだった。)

日乃杜 梢 > …ええ、確かにおりません。

(言葉が、短くなる。無意識のうちに、表情から色が抜けていった)
(また、頭が軋む音がする。しかし不意ではなく、二度目だ。耐えられる)

(しかし、目の前の存在が浮かべるものはなんだ。笑み…で間違いないのなら、なぜ今の返答で笑みを浮かべるのだ)
(自分は、蒼穹が求めているものを持っていない。そう告げたのだから、呆れるか苛立つか、ではないのか)
(興味が沸いた、とは一体何に対してか)

(悪寒が、背筋を冷やす。抱え持つ禁書とは違う悪寒が、その一角に満たされていく)

蒼穹 > ………そう。
急に、静かになっちゃったね…?
(にこりと、大凡友好的な笑顔を向けたまま、静寂に包まれた辺りにそれぞれ一瞥を遣って、同意を求めるような言葉を向ける。お姉さんがいないなら、と、何か事情の一つでも言いそうなものだったけれど、「おりません」で言葉を切られてしまっては、分からない。そうすれば、凍るような紅に向き直って。)

…どうか、したかな?あんまり、教えたくないのかな…?
(けれど、何だろうか。この緊迫した感じ。俄にだが、恐れられているような気がする。だからこそ、より、己の心を掻き立てられる。"興味が沸いた"との言葉は、彼女が、若しくはその姉が知っているであろう禁書、禁術…それら、見たこともないものへの好奇心に他ならない。まるで、少女の抱く可愛らしい感情と同じだった。けれど、その好奇心の向いている方向にあるものだけは、少女が好奇心を示すべきようなものではないけれど。)

日乃杜 梢 > (あるいは、それは梢の思考の飛躍であったろう。思い違いであったろう)
(だが、そう思うだけの理由が、確かに梢のうちにはある)

…いえ…。
…姉様は…姉様、は…。

(目を閉じる。自分達とは違う理の何かが蠢き、瞳の光であろう赤の光点が無数に散らばる、昏い穴―その光景を、唇を噛み締めて打ち消す)

今は…遠いところに出ています。
しばらく、顔を合わせていませんね。

蒼穹 > …あーらら。
そっか、それは、残念だね。
詳しく聞いても?…何て言ったって、多分答えてくれないんだろうなー。
(何やら、会話がかみ合っていない気がするが、どうにも、彼女の姉様とやらに馳せる思いは、格別なものがあるのだろうか。まるで、隠しておきたい、みたいな、そんな風な気がする。であるなら、無理矢理、問い質すわけにもいかないだろうし、静かな図書室というのが建前だから、ここは、最後に問を遣って、それがあしらわれたなら大人しく引き下がろうか。残念だが、宛は外してしまったようだ、と。)