2015/06/28 のログ
立花 響 > 「ウッ」
思わずその場の硬直の勢いだけで2,3cmぐらい飛び跳ねそうな図星である
今正に心の中で救いの手を求めようとしていた相手に釘を刺されるが、翻訳なら一人でも出来る…はず

「ま、まぁ、翻訳程度ならある程度出来るでしょうけども…
 …あ、ロシア語辞典とこの本借りても大丈夫です?」
魔術書を受け取るとその内容の複雑さを見て時間がかかりそうということを察すると一つ提案する
もしも出来ないならばこの1冊だけを借りて図書館通いを始める事になる

谷蜂 檻葉 > 「はいはい、それじゃ両方手続きしておくわね。」

頑張って、という視線だけで応援するだけしてカウンターに二人で戻る。
あくまで手伝うのは本探しまで、である。
サービスしてもいいが、なんとなくこの子を甘やかしすぎてはいけない気がすると脳裏で何かが囁くのだ。


「―――それで、あの後も楽譜そのものはまだ探してるのかしら?」

ロシア語辞典を引っ張りだしながら少しばかり考えていたことを聞く。

立花 響 > 「うぅ…お願いします」
魔術書のページだけを暗記して閉じた後はその魔術書のバーコードを読み取りやすいようにカウンターに置く
暫くは寮に篭って翻訳漬けの日々だろうなぁ、なんて考えつつ

「魔譜自体は何かのついでと言った感じに色んな所を探しに行ってはいるんですけど、やっぱり見つからないですね
 まぁ、月光があんな隠し方されていたんじゃそう簡単に見つかりそうにない事ぐらいは分かってましたけども」
月光自体がそこまで大した物じゃなかった為にそこまで熱意は削がれつつあるようだ

谷蜂 檻葉 > 「はい、オッケー。 魔術書の方は貸出期限普通より短いから気を付けてね?」

ピッ。 ピッ。 と手際よくバーコードを通すと重ねて手渡す。
調査用として「ストック」もある上、利用者もそう多くはないため肥やしになっている感はあるものの、借り逃げ対策がこっそりされている程度には重要視されている。

「ま、そんなもんか……。 石のほうで、なにか進展があればいいわね。
 あ、それと今日少し天気悪いし、帰り道気を付けてね。」


気をつけるも何も、傘のあるなしに限るのだが。

立花 響 > 「はーい。出来るだけ早めに返しに来ます」
その二冊を鞄に入れるとズシリ、と重い感触が伝わり少しふらついている。

「あぁ、そういえば雨が降りそうとか言ってましたもんね。
 今日は特に寄り道せずに帰ろうと思います…檻葉さんもお気をつけて…最近物騒ですから」
傘を持っていない為に普段している寄り道をしないで帰るつもりのようだ。
実際に死人が何人か出ていると聞いている為に知り合いがいつの間にか怪我を負っている等といった事が
起きてたりしていないか少し不安になっているようだ。

ある程度やることも決まった所で図書館から後にしようとする。
そんな帰り際に独り言のようにぽつりと
「……魔術書なんて借りて良かったのかな、私」

ご案内:「図書館」から立花 響さんが去りました。
谷蜂 檻葉 > 響を見送ると、グッと伸びをしてカウンターに戻る。


「……よし、私もそろそろ帰らないとね。」

あー今日も仕事したわ。と小さく呟くと、日誌にメモを残して図書館を去った……。

ご案内:「図書館」から谷蜂 檻葉さんが去りました。
ご案内:「休憩室」にエリカさんが現れました。
エリカ > 読書に少し没頭しすぎたらこんな時間。
外の空気を吸いたくなって、休憩室へと足を運ぶ。
二十四時間勉学に励むものも多いこの学園で
「珍しく」誰もいない一人の空間、ミネラルウォーターを買うと夜風に当たれるテラスの方へと。

エリカ > 夏への扉は近いけれども、まだまだ夜風は心地よい折。

「うぁ~……気持ちいいぃ~」

眼前に広がる水無月の夜空。
そよぐ風が頬を撫でて、少女は思わず目を閉じた。
文字を追いかけ続けた目が解れてゆく様で。
身を乗り出して、景色の中へ。

エリカ > 手摺に身を預けて夜に歌う。

「月を浮かれさせるような、言葉が浮かべば良いのだけれども?」

そうつぶやいて水を一口。
小さな翼は家で既に夢の中。
今日は朝までここで書に親しむ予定だけれども。
どうにも夜の景色が好ましく愛おしい。

エリカ > 遠くで聞こえる虫の声。
人は眠る夜だとしても、存外世は音に満ちている。

「ああそうだ」

思い浮かんだ悪戯心。
人がいたのなら控えるけれど、
幸い今人は自分だけ。

鍛錬にも実証にもなろう。
少女は鞄から幾つかの石を取り出して、
それをテラスの床へと並べてゆく。

エリカ > 一つ、二つ、三つ、いくつも。
頼りない月明かりを縁にして並べたそれの中央に少女は立つ。

「さぁて、と」

さてとと楽しげに。
靴のつま先で奏でる乾いた音。
そして少女の歌が始まる――。

エリカ > 「我の声を響かせよ 私の歌を響かせて」

その音は穏やかに、憐であり凛として。

「天と地に、届き、願い、その音が染み入り受け入れられるように」

体を回せば指先が描く弧は廻り回る天体の定理。

「紡ぐのは紋、そして呟くのは文」

足下の石が少女の意思に応じる様に小さく輝く。

「我が名はエリカ・ヘイエルダール」

高らかに、名乗るその指先が天へ伸び、一つの文字を描いて唱える。

「彼方より此方に命じる、故明らかに銘ぜよ――」

「力を示せ、Raidoのルーン!」

たん、と。小さく跳んで音を立てた。
そして彼女の言葉と文字は、流出より形成へと至る。

エリカ > ふわり、と。
足元に散りばめた石が少女の目線へと浮かぶ。
それは真珠のような淡い輝き放ちそこに留まった。
深夜という深海に浮かぶ星は、即興の天体図を地上に作る。

「……よーっし、上手く出来た」

へへ、と少女は笑顔を作る。
先程まで読んでいた本の図面のその一つ。
宇のカンバスをここに再現してみたのだけれども。

「不思議なものだね、空を造った筈なのに」

なぜか海の中を思い出す、と。

エリカ > 「……す、ぅ」

小さな呼吸を一つすれば、石は光を失い地に落ちる。
それを拾い上げて仕舞い、さてさて息抜きはこれにて終了。

「朝までもう少し、頑張りましょうか」

そう言うと、図書館の方へと移動していった。

ご案内:「休憩室」からエリカさんが去りました。
ご案内:「図書館」に相楽 満さんが現れました。
相楽 満 > 「うっし、今日こそ見つけんぞー」

意気込みを一つ。
いつもの本を持ってきて、古代言語翻訳の棚をあさる。
さて、今日こそ見つけることが出来るか。

相楽 満 > 探し続ける。
が、今回は手あたり次第ではなく、近海で沈んだとされる古代文明のものに限定して調べていく。
効率は上がるが、これで見つけられないとなるといよいよ絶望感が増す。
祈るような思いで、本をめくっていく。

相楽 満 > そして。

「……お、これだ。
 えーっと……」

古文書を片手に読み進めていく。
間違いない、これだ。

「っしゃ、ようやく見つけたか。
 じゃこいつを……」

手に取り、席へ向かう。
少しずつ読み進めていく……が。

「……こりゃ建築かなんかの本か……」

落胆する。

相楽 満 > 「……でもま、これで手がかりはついたぞ。
 あとの本の翻訳も出来るかもしれないな」

希望が見えてきた。
早速この翻訳書を借り、寮へと戻ろう。
生きるための手がかりを探して。

ご案内:「図書館」から相楽 満さんが去りました。
ご案内:「図書館」に畝傍・クリスタ・ステンデルさんが現れました。
ご案内:「図書館」にサリナさんが現れました。
ご案内:「図書館」からサリナさんが去りました。
畝傍・クリスタ・ステンデル > 常世学園に試験期間が近づいているころ。橙色に身を包んだ少女、畝傍・クリスタ・ステンデルは、図書館にて勉強に明け暮れていた。
先日借りた本『図説・常世島の神々』は、すでに返却済みだ。
あの日袂を分かった『彼女』と暮らせる時がもう来ないとしても、せめて彼女に恥じない自分でありたいと思い、少しずつ教室にも復帰しはじめている。
彼女の一番の得意科目である銃火器取扱は、後回しにしても十分な点数を取れるだろうと考え、まずは苦手な分野から取り組んではいるものの。
「…………わかんない」
やはり、難しい。

畝傍・クリスタ・ステンデル > 畝傍がここで勉強を始めてから、ある程度時間が経過している。
一旦休憩することにし、ふと、以前忍び込んだ禁書庫にて受け取った古いメモを取りだす。
畝傍はそこに書かれていた呪文を再びじっと見つめ、思う。
もし今度、『彼女』に出会ったならば。
ボクは今度こそ、この呪文を唱えなければならないのだろうか――と。

畝傍・クリスタ・ステンデル > そんなことを考えつつ、一旦メモを机に置き、しばしの間ぼうっとする。
考えてみれば、ここ数日の間に、『日常』とはかけ離れた出来事が起こりすぎていた気がしなくもない。
畝傍が狂気に陥ったあの日から現在にかけて『日常』からほど遠い出来事は多々あったが、畝傍とて狂人であることを除けばごく普通の少女であり、
やがて戻りゆくであろう『日常』にも少しずつ慣れておく必要がある。母国の人間が畝傍を常世学園に入学させるための手引きをしたのも、そういった目的が大きいだろう。

畝傍・クリスタ・ステンデル > 少しの休憩ののち、再び教科書とノートに向かう。
「……うーん」
ただでさえ得意ではない分野の内容が、授業に出ていないこともありさらに理解できない。
メモは傍らに置いたまま、しばし考えを巡らせている。

畝傍・クリスタ・ステンデル > 「あっ、わかった」
何かに気付いたようで、先程までくるくると回していた鉛筆を手に取り、何やらノートに書き始める。
どうやら問題の解法が得られたようだ。
【6以外なら正解】
[1d6→4=4]
畝傍・クリスタ・ステンデル > 「……うん。これでいい」
確認してみたところ、無事正解だった。
教科書のページをめくり、ノートの隅をトントンと鉛筆で軽く叩きながら次の問題の解法を考えている。
先程からしまい忘れたままのメモが、未だ机の隅に置かれている。

ご案内:「図書館」に焔誼玖杜さんが現れました。
畝傍・クリスタ・ステンデル > 「……うーん」
やはり、難しいようだ。一問ごとに数分以上は考え込んでしまう。
ふと、机の上に置いたメモをしまい忘れていたことに気付き、
一旦鉛筆と消しゴムを置いてメモを手に取った。

焔誼玖杜 > 【その日、玖杜はいつもの習慣で図書館に訪れた。
 いつものように借りていた本を返却し、書棚から本をとる。
 しかし、今日はいつもと違う。
 迫る試験に備えて勉強するため、適当な資料を探しに来たのだ。
 何冊かの本を探して抜き取ると、自習机に向かう。
 いつものもっとも隅にある席へ向かう。
 けれどその途中。
 やたら一部が大きく目立つ女生徒の後ろを通りがかったとき、ふと、ある気配を感じ取って視線を向けた】

「――――」

【女生徒は一枚のメモを持っていた。
 いや、それだけならば気に留めるようなことはなかったのだが……そこに書かれた文面。
 それは、玖杜の足を止めさせるには十分な理由だった】

畝傍・クリスタ・ステンデル > 『Ph'nglui mglw'nafh Cthugha Fomalhaut n'gha-ghaa naf'l thagn Ia Cthugha』
そう――畝傍が持つメモに書かれた、その呪文こそは。
全てを嘲笑する『這い寄る混沌』に唯一対抗しうるモノ――『生きている炎』を呼ぶための呪文であった。
「…………ん?」
背後で足を止めた誰かの気配に気づき、畝傍が振り向く。

焔誼玖杜 > 【その呪文は、いやと言うほどに知っていた。
 かつて玖杜に向けて唱えられたその呪文。
 そして、玖杜自身が一度用いた、神格を喚び出すための呪文】

「……あ、すみません」

【振り向かれれば、あわてて顔を背ける。
 いくら気になったとは言え、後ろから覗き込むなど不躾だ】

「……あの、そのメモは」

【しかし、どうしても気になってしまう。
 なぜ、この人はそんなメモを持っているのか。
 そして、何に利用しようとしているのか。
 それを玖杜は知らねばならない。
 あの脅威を知る者として。
 また、呼び出されるモノとして】

畝傍・クリスタ・ステンデル > 「これ……?」
メモに書かれている文字列は、何も知らない人間が見れば意味不明な英字の羅列にしか見えないであろうものだ。
となると、この少女はこのメモが示す意味を知っているのであろうか?そう考え。
「禁書庫にいたおじいさんにもらったの。ボクにはこの呪文がひつようだったから。……この呪文がないと、トモダチがたすからないかもしれないんだ」
要点をかいつまんで説明する。禁書庫に入る権限のない一般生徒である畝傍は、当然禁書庫に忍び込んだわけだが、そこは語らなかった。

焔誼玖杜 > 「…………」

【トモダチがたすからない。
 目の前の女性は、今確かにそう言った。
 禁書庫にいた人間からもらったとなれば、やはり意味を知って持っているのだろう】

「……それは、誰かを助けるような呪文じゃありません」

【ならば、玖杜はこう言うしかない。
 その恐ろしさを知る者として、言わなければならない。
 立ち去るでもなく、黒い瞳で相手を見据え、見定めるように】

畝傍・クリスタ・ステンデル > やはり、この少女は呪文の正体を知っているようだ。だが。
「……そうだとしても。それでも」
少女に向け語る畝傍の表情は真剣だ。
「ボクは……いざとなったら、これにたよらないといけなくなると思うんだ。ボクのトモダチ……もう今は、敵って、いってたけど。シーシュアンは……ううん、サヤは、『混沌』にゆがめられてるんだ。だから」
かつて『サヤ』であり、また畝傍のただ一人の『トモダチ』でもあった少女――石蒜を背後で操っていた黒い童女の正体。
それこそが『混沌』であった。打ち捨てられた祠で対峙した時、畝傍はその正体をはっきりと目撃した。
故に、例え自らの身を焼き滅ぼす結果になるとしても――この呪文は必要不可欠なのだ。

焔誼玖杜 > 「――――っ」

【『混沌』
 それが何を指すのか、玖杜は知っている。
 否、識ってしまっている。
 それは――】

「……名前を、聞いてもいいですか?」

【私は焔誼玖杜と言います。
 そう名乗り、たずねた】

畝傍・クリスタ・ステンデル > 「ホムラギ、クト。うん、おぼえた。ボクはウネビ。畝傍・クリスタ・ステンデル」
名乗り出た少女――玖杜の名前を覚え、自らも名乗りを返し。
「……クトはどうして、呪文のこと知ってるの?」
訪ねてみる。

焔誼玖杜 > 「畝傍さん、ですね。
 ……それは」

【ここで話すべき内容なのか、と。一度考え、あたりを見回す。
 ……人気は、幸いない】

「……後で説明します。
 まずは、事情を話してもらえませんか?」

【ずいぶんと勝手なことを言っている自覚はある。
 けれど、話す前に聞かねばならない。
 その内容によっては――】

「それ次第で、私は……あなたを止めなくちゃいけません」

【もし話さずに離れるようなら、そのときはメモだけでも燃やしてしまおう。
 そのつもりで、玖杜は畝傍の隣に座った。視線は畝傍に……そのメモに向けたまま】

畝傍・クリスタ・ステンデル > 「わかった。じゃあ、話すよ」
真剣な面持ちのまま、畝傍は今に至るまでの事情を話す。
「ボクはね……常世神社に行ったときに、シーシュアンって女の子に会ったんだ。シーシュアンはボクとおなじニオイがしたから、トモダチになった」
まずは、二人の最初の出会いから。
畝傍ははじめ、石蒜を同じニオイのする『人』=狂人であると認識し、接近していたのだ。
「……そのときから、シーシュアンはじぶんのこと『ご主人さま』にゆがめてもらったんだ、って言ってた。そのあと、シーシュアンとは異邦人街の祠で会ったんだけど……その祠に祀られてたのが、『鳴羅門火手怖』って神さまだったんだ」
鳴羅門火手怖神。無貌の神。這い寄る混沌。
かつてはこの常世島においても信仰を残していた、黒き神である。
しかし、もう祠にもその名は刻まれていないであろう。
「そのあと、シーシュアンは……もしかしたら『ご主人さま』が鳴羅門火手怖かもしれないって、言ってた。だからボクは、シーシュアンにもしものことがあったらとおもって……鳴羅門火手怖神が恐れるモノだって本に書いてあった『生きている炎』をよぶ方法をさがして、みつけたんだ」

焔誼玖杜 > 「……そうですか」

【鳴羅門火手怖――ナイアーラトテップ。
 やはり、そうだった。いや、確信はしていた】

「だから、畝傍さんは……その人を助けるためにその呪文を使おうとしているんですか?」

【だとしたら、それはきっと……叶わない。
 その呪文は、それに呼び出されるモノは、ただ焼き尽くすだけだ。
 誰かを助ける、人を救う……そんな『神』じゃない。
 そんな思いを全部飲み込んで、それだけもう一度聞く】

畝傍・クリスタ・ステンデル > 「……うん。ボクはシーシュアンをたすけるために、『生きている炎』を呼んで……それでボクの体を焼くことになっても、シーシュアンをたすけられるなら、それでいいとおもってた。でも」
畝傍は語り続ける。
忍者の少年、風間蒼介のある言葉に、畝傍の決意は揺らいでいたのだった。
「ソースケってニンジャのヒトが、いってた。ボクがシーシュアンをだいじにおもうなら……シーシュアンも、おんなじだって。だから、まよってて、呪文を使えなかった。あとね、むかしのシーシュアン……『サヤ』っていうんだけどね。もう一人、その『サヤ』をしってるヒトとも会って、お話聞いたの」
しかし。
「……それで、もういちどシーシュアンに会って、話したんだけど。だめだった」
そして、畝傍の話は最も重要と思われる部分にさしかかる。
「会ったんだ。シーシュアンの『ご主人さま』に。そのヒトは……メイメイって、わるい仙人のヒトで。じぶんのこと、『這い寄る混沌』だ、っていってた。そのヒトが『サヤ』をシーシュアンにしたんだ。それでボクは、『サヤ』をとりもどしたくて。自由にしたくて。メイメイってヒトとたたかった。でも――勝てなかった」
ロストサイン幹部、『腐条理』<アクトオブゴッド>の鳴鳴。
風紀委員や公安委員など、ロストサインに何らかの関わりを持つ者ならば、その名を知っていることだろう。

焔誼玖杜 > 「メイメイ……」

【その名前を記憶に刻む。
 それが彼女の敵であり……玖杜にとってもまた、敵になるであろう名前】

「……それで、どうしたんですか?」

【続きを促す。
 今の話だけだと、助けるのをあきらめたとも、目的が変わったとも受け取れる。
 『今』そして『これから』どうしたいのかと問いかけた】

ご案内:「図書館」に風間蒼介さんが現れました。
畝傍・クリスタ・ステンデル > 畝傍は俯きながらも、玖杜の問いに応える。
「ボクは、そのあと……二対一で、かなわなかったから……ボクの狙撃銃を身代わりにして逃げてきたんだけど、異邦人街で倒れちゃって、保健室に運ばれてきた。それで、保健室のフタモリせんせーには代わりの銃をもらったし、フライトパックも買った……飛ぶのはまだ、練習中だけど。ボクはシーシュアンを、サヤをなんとかしたい。このままじゃ、だめだとおもってる。あのコのこと、まだあきらめたくないんだ。でもボクひとりだけじゃ、なんにもできない……たぶん今は、仲間をあつめなきゃいけないんだとおもう。できるだけ多くのヒトに、協力してもらわないと」
それに。
「あのとき……よくおぼえてないけど、ボクのカラダにもなにか起こった気がしたんだ。あのときのボクは、すごくおこってて……目の前にいたメイメイってヒトのことが……ゆるせなかったんだ。あのときボクになにが起きたのかも、わかればいいんだけど」
祠にて鳴鳴と対峙した際、畝傍の肉体にはある異変が起きていた。
ブロンドだった髪は色彩を変転させ、揺らめく炎のように輝きながらなびき、
眼帯の下の左目と、両の手首、足首からも、炎のようなモノが溢れだす姿となっていたのだ。
もっとも、その時の畝傍は激情のあまり記憶があいまいになっており、詳細に思い出すことは叶わない。

風間蒼介 > ……あれは…
(図書室に足を運び何冊かの本を見繕って適当な場所で読もうとやたらと拾い館内を歩いていると、聞き覚えのある声が
 見れば以前少しだけ言葉を交わした少女、そして共闘の覚悟を交わした少女の姿が
 どうしたものかと悩んでいると会話の内容が断片的だが聞こえてきて…
 自分も無関係ではないと悟ればそちらに足を向ける)

数日振りでござるよ、焔誼殿…そして畝傍殿
なにやら拙者も無関係でもない話の様子、聞かせてもらっても?
(近くの机に数冊の本を置く、表題は古事記、日本霊異記など日本の古典に混じり、幾冊かの中国系の物が)

焔誼玖杜 > 「……なんとか、ですか」

【『なんとか』ならきっと、できるだろう。
 そのシーシュアンという人の状況を、玖杜は知らない。
 けれど目の前の人が無鉄砲に呪文を使おうとしている……わけでないことはわかった】

「体になにか、ですか?」

【聞いてばかりだなあ、と思いつつもまたたずねる。
 聞いた限りじゃ、その変化に呪文はおそらく関係ない。
 使っていないのだから。
 だとしたらなんなのだろうかと、気になったのだ】

「……あ、風間さん」

【そう聞き返したとき、覚えのある声がかけられた。
 たしか、そう。一度だけ顔を合わせた覚えがある】

畝傍・クリスタ・ステンデル > 「あ、ソースケ」
見覚えのある顔。常世公園で出会い、共に闘う覚悟を決めた忍者の少年。風間蒼介だ。
「いまね……クトと話してたんだ。このメモのことと……シーシュアン、ううん、サヤのこと」
そう言って、『生きている炎』を呼ぶための呪文が描かれたメモを見せる。
「クト、この呪文はよくないって言ってた。ボクもまよってて、結局使えなかったんだ」

風間蒼介 > ああ、失礼…
焔誼殿とは以前少しだけ会話をした程度の知り合いでござって
畝傍殿とは…今の話題、そのサヤ殿に関わり合ってござってな
(と、それぞれに自分の立場を説明し、混ざられて困る気配が無ければそのまま自分の席を確保する)

……拙者は彼女を「サヤ」として認識してござるが、畝傍殿は「石蒜」として好きになったんでござろう?
ならば口に馴染みやすい名で良いのではござらぬかな、どちらも「彼女」でござろうし

ふむ……呪文、でござるか…
拙者漢字文化圏の物ならともかく西洋系の呪文はよく…
いや、これ英語圏とも違うでござらぬな…そのまま読めば発音がおかしな点がいくつか…
(理解しようと覗き込んだ瞬間、チリ…と脳髄に鈍い痛みが走る
 この呪文は知識には無い、が、本能的な何かが良くない、と警告を発していた
 眉根を寄せ、得たいの知れない嫌悪感交じりの視線をメモに注ぐ)

焔誼玖杜 > 「あまり見ない方がいいです。
 これは、普通の魔術とは少し違いますから」

【そう風間さんに伝える。
 玖杜にとっての魔術は『これら』だったが、この学園においての普通は、『これら』とは違う。
 たしかに誰にでも使えるかもしれないが……誰もが受け入れられるとは限らないのだ】

畝傍・クリスタ・ステンデル > 「たしかに、ボクはシーシュアンとトモダチになった。なってたけど……シーシュアンは、メイメイってヒトの術でゆがめられてシーシュアンになったんだから……ほんとうのサヤじゃないんだ。だから。ボクは……」
蒼介に対しても鳴鳴のことを軽く説明しつつも、
石蒜あるいはサヤに対する認識に関しては思い悩む。
その後、先程のクトの疑問に対して。
「……そうだ、おもいだした。ボク、あのとき……メイメイってヒトにすごく怒ったとき、手首から火が出てて……でも、熱くなくて。ボクが銃を撃ったら、撃った弾からも火が出てたんだ」
より詳細に思い出した状況を改めて説明する。

焔誼玖杜 > 【体から火が出る。
 そう聞いて、真っ先に自分の事を重ねた】

「畝傍さんの異能は、炎に関するものですか?
 それとも……これまでにその呪文のような魔術を使ったことは?」

【まったく質問攻めだ。
 自分は何をしているんだろう、と頭によぎる。
 けれど聞かなくてはならないことだと、自分のことを棚にあげてまたたずねる。
 ……内心で、彼女に打ち明ける覚悟をしながら】

風間蒼介 > ……焔誼殿は…これを?
(理解できるのか?とそちらに視線を向ける
 正しい読みなど判らない、判るはずもない、ただ頭の奥、人が人として成り立つ以前の原始的な部分で理解出来てしまう
 不明瞭な意味と明瞭な意思の齟齬に、またずきりと痛みが走る)

フォーマルハウト…という星の名は聞いた事があるでござるね
(うろ覚えの知識だが、大陸式の占星術で配当された星があったはず
 風間流の風水術では使うのだろうが自分はそちらの適性が低いため、知識には無い)

ふむ…難しい話でござるな…人は誰しも多面性を持っているでござるが
それが果たしてその手で生み出されたのか…歪んだ形で表出させられたのか…
(無意識下の自分を制御してこそ風間の術は本領を発揮する、そう教えられたが未だ自分には理解が及ばぬところで…

続く炎の話は自分は聞きに回るしかなく、ただその事実を噛み砕き飲み込んで)

焔誼玖杜 > 「……識っています。
 私にとっての魔術は『そういうもの』ですから」

【そう風間さんに答えながら、フォーマルハウトについて思い出す】

「みなみのうお座の星で、秋のひとつ星と呼ばれる恒星です」

【自身にかかわることだったがために、覚えていた。
 しかしここで言う『ふぉまるはうと』とは……いや、ここで伝える意味はないだろう】

畝傍・クリスタ・ステンデル > 畝傍は玖杜のさらなる質問に答える。
「ちがうよ。ボクの異能は『狙撃快楽』<スナイプ・ハッピー>。モノを撃ったらキモチよくなるの」
だが、畝傍が他者に自らの異能であると嘯く『狙撃快楽』<スナイプ・ハッピー>は、実際のところ彼女が狂気に陥ったことで現れた異常性の一部にすぎず、異能ではない。
また、本来の彼女の異能――『九死一生』<デッド・ノット>は『避けられないはずの死を避ける』能力であり、どちらにせよ炎に関連するものではない。
「あと、魔術もつかったことないよ。『狩り』は銃とナイフだけでやってた」

風間蒼介 > 思い出した…北落師門、傷官星…北の軍勢の現れる門にして反逆の星…でござったかね
(記憶の端に引っ掛かっていた知識を引っ張り出す
 きっかけは何だったか……幼い頃、何らかの話の流れで聞いた様な記憶があったが、そこから先は途絶え、思い出せない)

……またぞろ物騒な異能にござるねぇ…
しかし異能の別の側面が顔を出すという事は往々にしてありうる事でござるが…
炎にはつながらんでござるな?
(ふぅむ、と顎に手をやり、トントンと人差し指が揺れる
 判らない、ならば何らかの知識を持っているである焔誼の様子を伺い)

焔誼玖杜 > 「…………」

【畝傍さんの話を聞いて、ますます疑念を抱く。
 ――彼女の状態は、あまりに自分とよく似ていた】

「……畝傍さん。私は、その呪文についてそれなり以上に知っています。
 実際に使われたところも見てますし、自分でも使った事があります」

【そう、今度は自分の事を打ち明ける】

「その火が出たことに関しても……心当たりがあります。
 きっと、似た現象ってだけだと思いますが」

【同じモノで無いでほしい……そんな希望の混じった言葉。
 そして、一度ゆっくりと息を吸い、吐く】

「これから、実習区に行きませんか?
 そこで見せたいものと……話したいことがあります」

【その言葉は、畝傍さんだけでなく、風間さんにも向けられていた。
 関係者なら知るべきなのだろう、と思う。けれど】

「……あまり気分のいいものではないので、覚悟があれば、ですが」

【強要はしない。ここで断られるのなら、メモだけ破棄して立ち去ろうと、立ち上がる】

畝傍・クリスタ・ステンデル > 畝傍は、玖杜の言葉を聞き終えると。
「うん、いくよ」
そう答えて立ちあがり、教科書類などを鞄に仕舞い始める。
「ソースケも、くるよね」
一応、蒼介にも問うておく。

風間蒼介 > (焔誼の言葉を飲み込むまでにほんの少し間があった
 望む物があって、それには鍵がかかっていて…ただ偶然知り合っただけの縁がその鍵を目の前にぶら下げていた
 くらり、と三半規管の仕業ではない何かの平衡感覚が狂い…かけ
 ゆっくりと息を吸い、吐く、調息を行い、呑まれかけていた意識を引きずり出して)

無論の事、それが前に進む手段であれば、後悔などあるはずもないでござる
(積み重ねた本を持ち上げ、貸し出し手続きをしにいく、ここから出るために)

焔誼玖杜 > 「……わかりました。
 それじゃあ、いきましょう」

【そして玖杜は先頭を歩き図書館を出た】

畝傍・クリスタ・ステンデル > 玖杜に続くように、畝傍は図書館を後にする。
その右手には、呪文のメモがしっかりと握られていた――

ご案内:「図書館」から焔誼玖杜さんが去りました。
ご案内:「図書館」から風間蒼介さんが去りました。
ご案内:「図書館」から畝傍・クリスタ・ステンデルさんが去りました。