2015/07/24 のログ
ご案内:「禁書庫」におこんさんが現れました。
■おこん > (図書館の奥の奥。 目の前にそびえ立つ大きな壁に手をやる。
いかにも普通の壁だが、魔力を持つものにとっては何らかの仕掛けが
施されていることが分かるだろう。
壁の各所をぺたぺたと無造作に触れる。 触れるたびに触れた点が淡い光を放つ。
その箇所が十数個を超えたところで、目の前の壁が音もなく開いていく。)
…毎度思うが面倒くさいのう。 もうちょっとなんとかならんのか、これ…
(ぺたぺたと禁書庫の中に入ると、後ろで壁が閉じる音がする。
自分の背丈よりも大きな本棚に山ほど備えられた本は、どれもこれも一級品。
よくもわるくも世界を塗り替えることが出来る代物だ。)
■おこん > あったあった、これじゃこれー。 虫にも食われておらんようじゃな。
(ごそごそと本棚を漁って取り出したのは、一冊の古ぼけた本。
埃を払ってから、中身を開いて確認。 中身も無事。よし、と頷く。)
うむ、対象の齢を操作する魔術…きちんと残っておったな。
しかし難儀なものじゃ…ワシにもっと力があれば、わざわざ術式なぞ
用意せずとも、力で捻じ曲げられた物をのう…
(唇を尖らせる。 月に封じられた自分の妖力があれば、指先1つで
万物を操作することすら可能なのだが、今はたいした妖力もない。
術式を用いねば、現実世界の断りをねじ曲げることすらできないのだ。)
■おこん > これでスイカもいっぱい作れるのう。 促成栽培というやつじゃな。
(対象の齢を操作することは、何も若返りだけに使うのではない。
成長させる事ができるのだ。 おなかいっぱいスイカを食べるために、
わざわざ禁書庫を訪れて、魔術書を取りに来たのである。)
職員室の連中は手加減というものを知らぬ。 ワシの買ってきたスイカ、
全部食べおってからに…。
(朝一でスイカを買ってきて、職員室の冷蔵庫へ。 後で一人で全部食べよう。
そう思っていた重いは無惨に打ち砕かれたのだ。 授業が終わってから、
職員室に戻ると、先生がたの口元には黒い点。 見慣れた種。
慌てて冷蔵庫に駆け寄って開くも、中に買ってきたスイカの影は無く…
思い出しただけで腹が立って来た。 ほっぺたをぷーっと膨らませる。)
ご案内:「禁書庫」に影山過負荷さんが現れました。
■影山過負荷 > 「ふう……」
ここは図書館、あまり慣れない場所だ
文字の多さにクラクラきた所で壁に背を預けた
人もいない事だし、ちょっとよりかかるぐらいは……
キィン…
そこで勝手に頭の中に情報が流れ込んでくる
精神が感応し、人の使用した形跡、情報等を読み取ってしまう
一種のサイコメトリーという奴だ
「あれ、開くのか?」
背を預けていた壁から体を離し、ペタペタと触れてみる
反応はない
いや、でも開くように出来ている筈だ、この壁に残った思念はそう示している
隠し扉という奴だろうか、裏金のプール、知られざる学園の地下ダンジョン
冒険心をくすぐる単語が頭をよぎった
「開けー……ゴマ?」
適当な呪文を唱えながら手を翳す
当然ウンともスンとも言わない、魔力などは欠片もないのだ
「ひらけー…」
やっぱりダメだな…しかし何も呪文を唱える為に手を翳した訳ではない
次の瞬間、周囲を僅かに空間の歪が通り、掌を通して壁にぶつかった
手で引っ張ろうにも取っ掛かりがなく、やはり何かしらの力を使わないと開かないようであり
むしろ本当に扉である事すら怪しいのだが、ここには絶対何かが隠されている
「うーん……」
隠すというのはよくない事だ、相手に後ろめたい事があるということだ
僕はこの学園の生徒であり、学業を尊ぶ事で学園にそこそこ貢献している筈だ
友情というのは疑わない、恨まない、嘘をつかない、3つのUで構成されている
だから、こういう風に不自然に隠し部屋を作るというのはよくない事であり、検分しておく必要がある
僕と学園が友好的な関係を保つ為の必要な検分だ
ブツブツと言いながら、扉に念力を放ち続ける、3分経過
見た目はビクともしていないようだが、放出された力の波動が
禁書庫内部に浸透し、ゴゴゴゴゴゴ……と低い音を立て始めた
35%
■おこん > さて、用も済ませたし十分じゃろう。
ワシもそろそろ帰らねば先生たちが心配するからな…。
(職員室では只今、泣きながら職員室から出て行ったおこんを
宥めるための緊急会議が行われている。
スイカを買い直そうというもの、お菓子で我慢してもらおうとするもの、
生徒を肉餌として与えようなどとの意見が出されているが、
未だに有効策は出ていない。 さて、と踵を返したところに、
壁が大きな音を立てて開き始めた。)
驚いたのう。まさか自動的に開くとは…というわけじゃなさそうじゃな。
これ、そこの男子生徒よ。 禁書庫は有資格者以外立ち入り禁止じゃぞー。
本に操られておかしくなったやつも、何人もおるでな。
魔術司書の資格がないといかんのじゃぞー。
(本人が持っているかはさておき、隠し扉であったはずの壁の前で
立っていた彼が、この場所を知らないはずがない。
とりあえず一言添えて、注意を促す。)
■影山過負荷 > 壁と睨み続けること数分、やっぱりこの壁はただの壁で
僕は普通に変な人でしかないのではないだろうか
好奇心は猫を何とかというし、今日はこの辺にしておくべきか…
そうだな、大体隠されているんだから、僕のような普通の生徒には
関わりのない得体の知れない何かが眠っているのかもしれない
いくらヒマだからって、それを理由に暴いてはいけないものだってある
そうだな、僕が間違っていたのだ、大体飽きてきたしな…
「あっ…開いた」
踵を返そうとする次の瞬間、なんかあっさり開いた、物理的な力で開くものなんだな…
中から出てきたのは…120センチ台のキツネ耳の少女だ
中はコスプレ会場だったのか?訝りながら話しかけた
「ああ、ごめんごめん、なんか開きそうだったから、つい好奇心でさ
所で君…何?すごい耳だね…初等部の子かな?」
人が使用した形跡があるとはいえ、正に今中に人がいたとは思わなかった
少し気恥ずかしさを含めて、屈んで話しかける
普通科で選択科目も平凡な自分には、この少女が誰なのか知る機会が無かった為
その背丈で初等部の子だろうと思い、笑顔を取り繕って誰何する
■おこん > なるほどなるほど。 まあよいが…入るなら気をつけるんじゃぞ。
中で食われてもワシは責任を取れぬでのう。
ところで君何、とはご挨拶じゃなー。そうじゃなー、ワシは……
(狐耳をぴくぴく動かして見せる。 人ならざるものがすっかり人間生活に
溶けこんでいるといっても、目新しいということもあるのだ。
相手の問いかけに考えこむ。すぐに出来る回答は二つだ。
1.「おこんね、初等部の2ねんせいなの! としょいいんなんだー!」
2.「別に初等部とかじゃないし…めっちゃ教師だし…」
選択肢は間違いなく2だ。)
こう見えても教師なんじゃよー。 人ならざるものの姿形は当てにならぬ。
幼子に見えて実は数千歳、大人に見えて生後3日などという話もあるでな。
(笑顔を浮かべる相手に、9本の尻尾をふりふりしながら回答を提示。
そう、いくら水着を着ていようと、身長が低かろうと、狐耳が生えてようと教師だ。)
■影山過負荷 > 「食われる?恐竜でも飼ってんの?スゲェな!
この学園は色々と驚き飽きてきた所だけどさ、まだ理屈じゃわからない事がいっぱいあるモンな」
ちら、と少女の肩越しに向こう側を見つめる、見たところ普通の本棚があるように見えるが…
ああ、耳、動いてる…凄いな、最近のコスプレってのは精巧に出来てるもんだ…
喋り方も、何だろうな…凄みというか偉そうというか、そういうふわふわした感覚
「そうかー、教師なんだー…すごいなあ…
まあ今時携帯さえ弄れりゃ見てくれは悪いが教師になれるもんなあ
数千…うん…ちょっとスケールが大きくなってきたな…」
友達に勉強を教えてる程度の教師なんだなという認識で頷いた、立派な子じゃないか
こんな所で暇潰しに壁をこじ開けようとする僕よりは。
などと聞いているとどんどん話がこじれてくる、ええと…と首を捻る
「えっと…ちょっと質問いいかな?3つ良い?
君、いくつかな?」
「それから、その耳…何で動いてるのかな?」
「あと…なんで水着なのかな?」
凡人は自分で考えず、まず人に質問をするという
そういう大人にはなりたくないと思っていたが、ちょっと処理が仕切れなかった
率直に思ったことをまず整理する為に、順番に質問していこうと
■おこん > 甘く見ているとどうなってもしらぬぞー? よろしくない書物が山ほどあるでな。
教師じゃよー。 本当なんじゃよー。
(イマイチ信じられてない感があるけれど、のんびりした調子で答える。
目的の本は手に入れたし、別段焦ることはないのだ。)
おうおう、何でも答えてやろうぞ。 三つでよいのかえ。ふむ…
1つ。5桁には届かぬくらいじゃろうな。
2つ。おぬしは自分の指がなぜ動くか考えたことがあるかえ?
3つ。涼しいのと、水遊びしてる連中がいたら迅速に混ざるためじゃ。
しかし、三つでは対したこともわかるまい。
ワシのことがもっと知りたかったら、こみゅにけーしょん学の
授業を受講するがよい。 人ならざる者への接し方、教えてやるでのう。
(待っておるぞ、と彼をポンポンと軽く叩く。 うむ、有望株だ。)
■影山過負荷 > 「マジ?よくない書物って言うとこう…サタンが出てきてどうこう、みたいな?
うん、うん、もちろんだよ、僕がそんな危ない物持ち出そうなんて思うわけ無いよ」
1冊でも持ち出して売ったらいくらになるだろうか
そんな邪念は欠片も沸くはずがない、だって平凡な学生だもの
へえーへえー…などと相槌を打ちながら、その言葉にはこくこくと頷いていた
甘くなんて見ていないよ、見ていないけど、この場所は覚えておこう
まあ、言ってもこんな子供の言う事だしな…
「あーあー、うん…設定なのかな?ちょっと掴み所のない人だなあ…
いや……でも、ウソはついてないみたい…」
超直感、機械ほど正確ではないが、感覚で人のウソを見抜く事は大体できる
地味すぎて特技みたいな力だが、こういう時はスムーズに理解が進んで楽だ
え、じゃあ本当に齢数千なのか?まじまじと姿を見つめて
「え?ガチなの?こみにゅけーしょん学?の先生なの?
へぇー…世の中には自分のものさしで図れない事は沢山あると聞いていた…いましたけども…」
今更だけども、先生ならばタメ語はマズいだろう、徐々に敬語に戻していこうとする
ポン、と肩を叩かれた、おおらかな人なんだな…数千年生きてて水遊び大好きというメンタルはちょっと計り知れないが
なるほどなあ……と、こちらも手を耳に伸ばした、先端を、つまもうとする
■おこん > 見ただけで狂ってしまう本なんかもあるでな。
そうじゃぞー、嘘をついておらぬぞー。
(えへん。誇らしげに胸を張る。 相手の指が耳に触れるけれど、おとなしくしていて。)
存分に触ってくれても構わぬぞ。ワシはそろそろ行くがのう。
(スイカを復活させねばならないのだ。 相手ガ落ち着いてから、
「またな!」とばかりに相手の身体にぽんぽんと触れて。)
なかなかいい体をしておるでな、こんど授業に遊びにくるがよい。
約束じゃぞー?
(はい、やーくそく。相手の手をとって、小指に自分の指を絡める。
それが終わると、あっという間に姿を消した。)
ご案内:「禁書庫」からおこんさんが去りました。
■影山過負荷 > 「夏の怪談スポットにしちゃあちょっと物騒そうだな…」
眉間に皺を寄せる、なんだか段々霊験新たかな話になってきた
世の中には超能力以外にもオカルトな力の種類があると聞いた事がある
この先がそうなのだろうか、自分には何も感じられない
踏み込む踏み込まないは別として、興味はある、いったいどうなるのだろうか…
「まあ、危ない橋は渡りたくないしな…
体?そうかな…結構普通っつーか、筋肉つけたいなーと思ってんだけども…」
体をほめられたのは初めてだ、胸元に手を当ててみる
あまり引き締まっているとは言えない、肉がついているわけでもなく
まあ、でも健康的な青年の体といった所だろう
「っと…消えちまったな…夏の夢みたいな出来事だった…」
そうしていると、ふと視界からその少女教師は陽炎のように消えていた
約束じゃよー、という声がまだ脳に響いている、約束ったってなあ…ううん…まあ覚えておくか…
などと思いながら顔を上げた
「この壁…どうやって閉めるかな…」
とりあえず、物理的な力で開いたのだから、また念力で閉めるしかない
うーん…と集中し、唸り…この扉結構重たいな!
15分ぐらい格闘して、ようやく閉まったのだと思う、魔法で閉めたわけじゃないから
ちょっと線が見えたりしてて、でも、自分的にはがんばって隠したと思いました
ご案内:「禁書庫」から影山過負荷さんが去りました。
ご案内:「図書館」に相模原孝也さんが現れました。
■相模原孝也 > 図書館に設置された、読書、あるいは勉強用の広いテーブルの席に着いて、ルーズリーフ、プリント、教科書、その他物理系の本を積んで勉強中の青少年はしかし、
「物理ややこしい…!」
今現在、デコにバンソーコーを貼った頭を抱えて唸っていた。
ご案内:「図書館」に嶋野陽子さんが現れました。
■嶋野陽子 > ここの所肉体改造に忙しかった
陽子だが、そろそろ夏休みの宿題にも手を付け
ないいけないと思い、図書館の自習コーナーに
顔を出す。すると、先日公園でお好み焼きにつ
いて悩んでいた相模原君を発見する。どうやら
彼も宿題と格闘中のようだ。
どうせなら見知った顔と一緒の方が退屈しない
だろうと考え、相模原君の隣の席にそっと着席
する陽子。相模原君の方を見ながら、自分の宿
題を拡げる。相模原君は物理の宿題らしい。
■相模原孝也 > 「ま、まあそれでも色々わかってはきた…。とりあえず、散光性には気をつけないと。低出力ならともかく高出力は危ない…。」
ぶつぶつと言いながら、ルーズリーフにメモ書きを書き留めていく。これでようやくメモが3枚目だ。
…レポートの作成に入るにはまだ遠い。道の遠さに、ふぅ、とため息を吐いた。
と、ふと気づくと、お隣の席に誰か来たようだ。
「あ、すいません。」
参考書籍など、だいぶ散らかっていたので、慌てて本を移動させつつ、お隣さんの様子を伺う。
……太い、腕が見えた。 厚い、胸板があった。そして、その身はワンピースに包まれていた。
「……。」
もしかして。その思いと共に、視線を上に上げていく。その顔には、見覚えがあった。
「あ 嶋野さん。こんにちわー。」
前に出会った、心優しくお好み焼きに理解のあるお姉さんに、にぱ、と笑って挨拶するデコにバンソーコーを貼った少年であった。
■嶋野陽子 > 『あ、嶋野さん、こんにちわー。』
相模原君も私の事を覚えていてくれたらしい。どうや
らレーザーについて調べているようだが、レポートの
作成だろうか。
相模原君の方を見て微笑むと、図書館なので小声で、
「相模原君、こんにちは。豚キムチ玉はどうでしたか?」
と先日の首尾を聞いてみる事にする。
■相模原孝也 > 「ふっふっふ。バッチリグーな味に仕上がりましたよ。
経済的な都合で、よく知らないメーカーの安いキムチ買ったんですが、これがいい具合の辛さで!
紅しょうがとは相性悪かったんですが、豚肉&キャベツとはばっちり、美味しく頂きました。
今後はキムチはあのメーカーですね!
ただ、イカ玉にキムチは微妙なんで。残りのキムチはキムチ鍋して、シメにラーメンで消費しようかなーと。」
お好み焼きについて聞かれれば、お好み焼き愛のためか、はたまた宿題からの現実逃避か。
大変饒舌に、楽しげに語ってみせる青少年。
「っと、すいません。一方的に喋り過ぎちゃいました。
あー、えーと。し、嶋野さんも、図書館に宿題しにきたんですか?」
何かしら、別の話題を探してちらっとテーブルを見やれば、どうやら嶋野さんも勉強に使いそうな色々を並べているようだし。
お好み焼きの話題だとしゃべりすぎる危険性があるため、宿題方面に話題を広げてみた。
■嶋野陽子 > 豚キムチ玉を気に入ってもらえたようだ。
そのままお好み焼き談義に突入するかに見えた相模原
君だが、何とか踏みとどまり、宿題の話題を振ってく
る。
「豚キムチ玉を気に入ってもらえて何よりです。機会
があったら、一緒にお好み焼きを焼きながら、お好み
焼き談義に興じてみたいですね」と誘ってみる陽子。
宿題に関してだが、陽子の前にある図書は、
多くが教科書や参考書だが、何故か『高圧直流回路』
と『ブラックホール理論』という難しい本が2冊だけ
混ざっている。この2冊は貸し出しのようだ。
「私は物理の課題を片付けに来ました。相模原君は同
じ物理でもレポートの方のようですね」と聞く陽子。
■相模原孝也 > 「ああ、いいですねえ。こっちだとそういうことできる友人が少なくて。
ところで、嶋野さんはマヨはかける派ですか?」
オレはからしマヨ派ですけど、と言い添えて。いざその時の衝突をさけて今のうちに訪ねて行く。
「っとと、またお好み焼きにずれた。
嶋野さんも物理ですか。オレは、まあ自分の異能がこう、物理系なんで。自分の異能に関わる部分を調べて、レポートにしてこいという宿題が…。
しかし、うわあ。コレタイトル見るだけで、先行き不安になるんですけど…。
学年あがるとこんなのまで勉強するので?」
これから先の学業に不安をおぼえたか、大変不安そうに眦を下げて。
目に入った、ブラックホール理論を、ちょいちょいと指で指し示す。
■嶋野陽子 > 『ブラックホール理論』の本を不安げに
つつく相模原君の様子に、
「私も相模原君と同じで、自分の異能に関連した本を
借りたのよ。まだ一年生だから授業の内容はそちら
と同じよ」と安心させる。
「マヨネーズは・・・具材との相性もあるから一概に
は言えないけど、辛子マヨを少な目に、が基本ね」
と、物理とお好み焼きの談義を並列処理することに
したらしい陽子。
■相模原孝也 > 「ああ、そうだったんですか。はー…月ロケット作る部活とかあるんで、2年生から宇宙の勉強だ、とか言われなくて安心しました。」
8割がた本気で胸をなでおろす青少年。安堵のため息を吐く顔は、大変安心した様子。
「でも、嶋野さんも1年生だったんですか。
嶋野さん、しっかりしてらっしゃるんで、てっきり2年生か3年生位だと思ってましたけど……ああ、そっか。島に来て一年目なら、一年生でしたっけ。」
フツーの学校とは違う、実年齢では決まらない○年生の定義を思い出して、ぽんと手を叩く。
「なら、お好み焼きの会も、ちょうど1年生交流になるのかな?
同じカラシマヨ派で大変歓迎させていただきまする。」
カラシマヨ派が増えたことが嬉しかったらしい、大仰に頭を下げて、デコがごツンとテーブルに打つかった。
■嶋野陽子 > 月ロケットを作る部活・・・
ああ、この間『露見』と聞き違えた、『ロケット研
究会』、通称『ロ研』ね。確か先日、IRBMの開発が
露見して大騒ぎになった所では・・・
「確かに一年生、しかも今月からの中途編入だけど、
年齢は18歳だから、相模原君から見たらお姉さん
になるのかしら?」と答えた所で、相模原君がおでこ
をかなり激しくテーブルにぶつける。
「だ、大丈夫?」
鞄から常時携帯している湿布薬を取り出して、相模原
のおでこの絆創膏の代わりにそれを貼る。保健室用の
特製湿布薬だから、市販の絆創膏よりはこっちの方が
良く効くはずだ。
■相模原孝也 > 「ああ、じゃあオレの3つ上ですね。オレは15才です。嶋野先輩、って呼んだほうが良いですか?学生っぽく。」
テーブルにぶつけた顔を上げ、50cm近く上の嶋野さんの顔を見上げたら、いたずらっぽい笑顔で提案してみる。にやり。
「ん?ああ、平気ですよー。大丈夫大丈夫。
あれ?」
実際ぶつけたのまで計算通りだったので、痛みはそんなでもなかったのだけど、バンソーコーがずれたのか、はたまた傷が開いたのか。たらりと赤いのが流れ落ちた。
ぺちっと湿布薬が貼られれば、ひんやりと良い心地。
「あ、ひんやりしてます…暑い時にはいいですね…ありがとうございます。
えーと……何かでお礼したほうがいいですよね。」
今度はデコをぶつけないように気をつけて、小さく頭を下げるけど、さて。
バンソーコならともかく、シップだとさすがにお金もかかってるかもしれない。顔についた血をハンカチで拭いながら、どうしたらいいですかね、と訪ねてみた。
■嶋野陽子 > 『嶋野先輩』と呼ばれそうになって、
「学年が同じだから《先輩》はやめて頂戴。せめて
《お姉さん》にして」と相模原君に頼む陽子。
「この湿布薬は私が作った物だから、お金なんかかか
ってないわ。強いて言えば私の食費かな?だからお
礼なんて考えないで。私が保健委員だってこと忘れ
たの?」とお礼の件については却下する陽子。
■相模原孝也 > 「了解です。じゃ、嶋野おねーさんで。」
デコに貼ったのがシップに変わった青少年、頼まれたとおりにお姉さんよびにして、楽しそうにくすくす笑ってる。
「自家製シップ…!保健委員なのも納得の特技ですね。」
ソレはすごいな…。素直に驚いて、目を丸くする青少年。
「わかりました、じゃあお礼とかはそっと脇に置いておきます。」
とはいえ、どこかでお礼はしたいなとも思いはするので、よし、お好み焼き会をするときには、カラシマヨの合うタネを用意しよう、と心に決める。後豚キムチ玉も。
「っと、おしゃべりしてたら、ちょっとのどかわいたんで、何か飲んできます。
嶋野おねーさんもどうですか? せっかくだからもうちょっとお話したいですし。」
ちょっと自販機まで、とお誘いしながら、席を立った。
■嶋野陽子 > そう言われれば、陽子も喉が渇いた。
「そうね。可愛い弟分と一緒に、ドリンク休憩にしま
しょうか?私はアイスコーヒーお願いしていいか
しら?」
と相模原君と一緒に席を立つと、左手を差し伸べる。
「もう転んだりしないように、手を繋いで行きましょ
う」と相模原君に提案する。
■相模原孝也 > 「りょーかい! じゃあオレも一緒にコーヒーにしよっかな。」
テーブルの上の勉強道具類は、見汚くない程度にまとめておいて
準備完了。
「あ、いえ。コレ、転んだわけじゃないんで…、後流石に恥ずかしいですよ。」
15ですよオレ、と。手をつなぐのはノーサンキュー。
「というわけでふつーに並んで歩くくらいで許してください。」
それじゃこっちにー、と。ちょっと先行して歩き出す。嶋野おねーさんが歩き出したら、お隣に並んで自動販売機の方へ向かってく。
ドリンクしながらお話した後は、真面目に宿題を進めました。
ご案内:「図書館」から嶋野陽子さんが去りました。
ご案内:「図書館」から相模原孝也さんが去りました。
ご案内:「図書館」に谷蜂 檻葉さんが現れました。
■谷蜂 檻葉 > クーラーが室内に送る風で外とは大違いの快適さの図書館。
エコと聞くのも遠く昔。
快適にするだけの調整で、冷暖房器は室内を全力で使命を果たしていた。
「……はい、ではこちら貸出ですね。期限はそちらに書いてますから。」
ピッ、とコードを通した本を渡すと、ひらひらと手を振って生徒を見送る。
夜をまもなく迎える図書館では、いまだ夜を共にする本を選ぶ人達でそこそこに賑わっている。
■谷蜂 檻葉 > かくいう檻葉も、自分の本をこっそりとカウンターの下に確保しながらのんびりと本を読んで休憩をしている。
今日日仕事が増えるのは閉館の少し前だ。
今ぐらい、のんびりさせてもらおうじゃないか。 なんて
普段は普段で似合わぬほどにキビキビと仕事をして休憩時間を捻出してはのんびり本を読んでいるのだけれど。
■谷蜂 檻葉 > 彼女が読んでいるのは 『拝啓 南の国から』
友人とのトラブルが原因で左遷され、陰鬱な面持ちで南国に引っ越してきたサラリーマンが、海岸で出会った不思議で自由奔放な少女との出会いを機に、徐々にその心を癒し、惹かれていく……という内容の隔週連載の漫画。
嫌にリアリティのある主人公の境遇とその心の変遷、そして行動は奇抜だけれど可愛らしく描かれ、時に鋭く主人公の心理を読むような優しさを見せるヒロインの少女。 本編に出てくるキャラクターがほぼ二人だけだというのにやけに人気の出ている最近売り出し中の作品である。
それを、ペラペラと机に肩肘を付きながら眺めている。
■谷蜂 檻葉 > 「…………」
誰かに、似ている気がする。
本来彼女が読もうとしていたのはその後ろの『クロロホルムの日々』というサイコホラーサスペンスラブロマンスという話題性で全てを掻っ攫い中盤から急に真剣な内容にシフトして読者を掴んだ怪作である。
ただ、その手前まで順番に読んでいるところで。
なんとなく心の隅に引っかかってそこで手が止まっていた。
■谷蜂 檻葉 > 二度、三度と読み返す。
やがて、3回読みなおして一度雑誌を読み終え、そこから4回目を読みなおした所で一つの結論に達して閉じる。
「あっちは、干渉することはまずないか。」
少しはあったと思うけれど。
思考の渦も本来の調子を取り戻すと、また次の本を探すついでに返却カウンターの本を整理してカートに載せ、それぞれの書架へ戻す作業を始める。 もはや仕事がついでのようだけれど、終えられるのだから良い。 そう顧問から一度お達しを受けていた。
「~♪」
【鼻歌交じりに、書架の間をスルスルと移動していく……。】
■谷蜂 檻葉 > 【最後の一冊を戻すと、適当な一冊を再び手にとってカウンターに戻る】
「――あ、お待たせしました。 返却と貸出ですね、生徒証お預かりします。 ……はい、それでは期限こちらまでにお返し下さい。 有難うございましたー。」
また、カウンターに少しだけ並びそうになっていた貸出待ちの生徒を捌き、平穏な時間を過ごす。
持ってきた本は、『魔術論再盛期』。
タイトルは少し固いが、ポップなイラスト付きの、小中学生向けに書かれた『門の開かれた日』から数十年して執筆された学習本である。 童学館から出されている「若い時から学ぶ」シリーズの、ある意味での外伝本だ。
■谷蜂 檻葉 > どのような意図を持って書かれたのか。
沢山の筆者による寄稿の記録と、多くの編集の跡が背表紙にびっしりと埋まるほどに刻まれている。
関連本には、『異能覚醒時代』『異界見聞録』。
多くの血が流れた混沌の時代の緩やかな終局期。
常世学園が創立した少し前に完成したという、こうした本達には、
どれだけの思いが詰まっているのだろうか。
「魔術」や「異能」を巡る混乱と争い
神話や伝説上の存在たちの脅威
そして異なる世界からやって来た来訪者たち。
そんなことを頭の片隅に置きながら、少しだけ古い当時の最先端に思いを馳せる。
■谷蜂 檻葉 > ―――やがて、それも読み終える。
しかし、大分遅くなってきた図書館には返却本もやってこず、書架に向かう用事がない。
「お仕事でもするかなー……」
意味もなく難しげな表情を見せて、鞄のホルダに入れていた紅茶のボトルを飲み干して作業を始める。
先週の会議で決まった、来月のおすすめ本の選定作業である。
今月はドラマ化などのメディア進出した作品集、ということで『刑事×探偵』を主軸に揃えたが、予想以上に反響があったので、続月もそちら寄りにするということだったが……。
(コミカライズされてる小説作品、ノベライズした漫画作品ねー。)
自分の主に読むのは月刊誌なので、コレがあまり詳しくない。
たまには見るが元が少ないのだ。
後輩には週刊誌メインに見ていた子も多かったけれど……。
■谷蜂 檻葉 > 【PCの検索画面と、手元の資料を見比べながら作業をしている……。】
ご案内:「図書館」に雪城 括流さんが現れました。
■雪城 括流 > にょろん、と何処かから迷い込んだ小さな蛇がカウンターに乗っかる。
ピンク色で鱗が毛羽立ったちょっと変わった蛇だ。死角から上ってきたのだろうか。
「?」
尻尾をゆらしてしゅららら、と音を出しながら、様子を伺っていた。
なお授業を受けたり見たりしていれば、蛇姿で講義するので教師だとは分かるかもしれない。いまはしゃべらないのだが。
■谷蜂 檻葉 > 「………? う、ぉぅっ。」
静かに滑るようにして現れた奇っ怪な色をした蛇。
作業にそれなりに集中していた視界の端にそれを捕らえ、本かと思って顔を向けた所に舌を鳴らされ、仰け反りそうになりながら目を瞬く。 大声にならなかったのは、すぐにその相手に思い当たったからだ。
「えっと、あー……雪…… 雪城先生、でしたっけ。」
自分は別の教授の担当する数学を受けているが、特徴的すぎる教員のことは耳にしていた。
「どうしたんですか? 何かお探しでしょうか。」
わざわざカウンターに上がってきたというのはそういうことだろうと、声をかける。
■雪城 括流 > 「…? …。」
驚いた様子に合わせてZ字上に上半身を引き、そして名を尋ねられればこくこくと頷くように頭部を上下させる。
どうやらその特徴的な教員であっているようだ。
用事を聞けば不思議そうに首を120度ほど傾けた。逆さから見上げられているような様子だ。
どうやら、特に用事が会って来た…と言うわけでは無いらしい。
なお、図書館自体には以前もたまに来て、図書委員にカートでついでに運んでもらったりしていた。その以前の癖、みたいなものなのだろうか。
■谷蜂 檻葉 > 「…………?」
相手に合わせるように小首を傾げてしまい、蛇と少女が向き合って鑑合わせに首を傾げ合うような画になって少し。
「えっと……うーん?」
よく解らずに、取り敢えずと載せるように掌を近づける。
■雪城 括流 > しばらくののち、傾げていた首をくるん、と元に戻す。
様子を伺いながら、PCと谷蜂さんの間に視線を巡らせつつ少しずつ近づこうとしていた…が。
手のひらを差し出されてぴたりと止まる。
そしてその手をじー、っと見つめると、指先に絡みつくようにその手のひらに巻きついて。
ひんやり、ぷにぷにと少し心地いいかもしれない。
■谷蜂 檻葉 > (ひんやりしてる……)
なんだろう、色のせいか凄い和む。
しばらくそのままどう動くか見ていたが、特にどこに連れて行こうなどということもないので、どうしたものかと思いながら手を動かす。
先ほどまでの作業を再開したのだ。
画面には、『チャレンジ・ワイルドオーストラリア!』というエッセイ風のフィクション漫画が映しだされている。外伝が小説版で出ている、破天荒な内容と本格的なサバイバル知識などがコアな人気を出した一冊である。
■雪城 括流 > すりすり、と手の甲に頬をこすりつけて。
今はただのちょっと賢い、人懐っこい蛇なのだ。
そのままじっと大人しくしている…心配になるほど警戒心はとくになさそうだった。
PCを扱おうとする様子を見て、手の作業を気遣ったのか巻きつく場所が少し手首よりに移動する。
こちらの蛇も画面に顔を向けて、そちらのほうを見た。
表情は分かりにくいが、興味深そうな様子を感じる。
オーストラリアであれば毒蛇注意だろうか、それともサバイバルなら蛇の食べ方だろうか…。
■谷蜂 檻葉 > 「……………。」
じっと、表紙の画像を眺めている雪城を観察しそうになったが、やろうとしていることを思い出して作業を再開した。
カチカチと内容の傾向と委員の過去のレビュー、最近の大衆評価などを見ながら候補かそうではないかのチェックをしてく。 その速度は、小さな頃からこうした作業に自然と慣れてきた子供らしく素早く正確だ。
流し読みのような速度で次々に画面がスクロールしてはジャンプし、
ポップアップしたと思えばフェードアウトして、バックする。
画面をじっと見ていれば目が回ってきそうな速度で、数分足らずで最下部まで到達する。
「……雪城……先生、なんですよね?」
結局、候補に振り分けた所で、ぽつりとそう呟いた。
■雪城 括流 > かかかかっ、とスムーズな操作に慌しく変化する画面をじっと見つめている。
手首の感触でもその様子は分かるだろうし、横目にでも見ればちかりとその鱗に不自然な光がたまに奔るのが見えるかもしれない。
何をしているのか理解しているのだろうか、それとも分からずただ見ているだけなのだろうか。
賢い蛇だから内容については是だろうし、蛇らしい蛇だから意図については否なのだろう。
「…?」
二度目の問いに、相手の目を見つめて今度は不思議そうにほんの少し首をかしげた。
どういう意味の反応だったのかは、しゃべらないため想像するしかない。
■谷蜂 檻葉 > 「んー………。
先生本人なら、首を横に大きく振って下さい。 違ったら……まぁ、なんでもいいかな。」
言いながら、次の本をチェックしに行く。
画面に出てきたのは『大僧正のメソッド ~ZEN~』というコミカライズもされた異世界人の小説家が書いたこちらの世界の宗教をテーマに各界に激震を及ぼした3部作の作品。 表紙に描かれたリアル調の禿による照り返しの渋さ眩しさがニクい。
特段の意味はなく、ただこの奇妙な蛇が”何者か”を疑問に思っただけ。
クスクスと笑いながら作業を続ける。
■雪城 括流 > 賢い蛇は言われたとおりに、首を大きく横に振る。
おそらく言葉の意味はきちんと理解しているようだ。
「…!?」
画面に出た燦然と光る眩しき頭部に、うおっ、まぶしっといった様子で目を瞑って頭部をそらす。
なお普通の蛇にまぶたはありません。
おそるおそる目を開けて、再び画面を見つめる。
宗教がテーマ、と言うところに何か感じるものでもあるのだろうか。ちょっと尾っぽがぴこぴこしていた。
■谷蜂 檻葉 > 「ふーん………。」
本当に先生なんだ。 とまでは言わなかったけれど。
興味深そうな、不思議なものを見たと言わんばかりのイントネーションで相槌を打って作業を続ける。
レビューを素早く脳に入れていきながら、再びフラッシュするような勢いで他のページを参考にしながら最下部まで辿り着く。 賛否多い作品だったが、議論を呼ぶ、議論すべき点の多い作品という意味ではかなり良い作品なんじゃないだろうか。 と、これも候補に入れる。
次に開いたのは『蜜室』という、ラブロマンス……というには、少し異色の外伝小説が出ている漫画だ。
主人公とヒロインのネジ曲がった愛の語り合いが当時の十代の女性にバカ受けした作品である。
■雪城 括流 > 「…。」
いまの蛇姿の括流は割と素直だ。
そのイントネーションの意味を気にした様子は無く、作業をただ見つめている。
蛇姿で無くなればどうかは分からないが。
最下部まで行く間に、少しだけ手首に絡む長さが減り…机を這うように頭部が画面に向けて伸ばされていた。
恋愛漫画に興味があるのだろうか。画面をじっと見つめている。
■谷蜂 檻葉 > (先生ってわりには、なんかこう……違うよね)
いわゆる、独特の雰囲気とでも言うべきか。
上に立つものといった感を一切受けないのは良いのか悪いのか。
……小学生の教員だとかはフレンドリーだったとはおもうのだけれど、ここの学生相手でそれは……。
「……うぐ……」
そんな考えを思考の端の端で回しながらレビューを見ている途中だったのだが、出た時代から結構しているためか、有名な画像などが検索の合間にヒットしていた。 ―――その、蛇のように長く伸びた舌が絡みつきながら喰い合う。悍ましくもどこか強い色気のある画。 小さく呻くとすぐにシャットして次のページを見始めたが、脳裏にちらつく程度には残る。
こういうのも時にはいいかもしれないけれど、ナシで。
内心で呟きながら、候補欄から消す。
次に出てきたのは『コールドゲーム ―飛甲虫達の詩―』。 異世界から来た男と地球の女性が飛行機(異世界のそれはまた違うものだが)でレースをする……という、実話から生まれた小説。そのコミカライズ作品である。 ハードボイルドな雰囲気と、遠回しな愛情の交錯が多くの人に好まれた一作として人気が出た。
■雪城 括流 > そのとおりに教師らしさは微塵も無い。ただの括流、といったところだろうか。
のんびりとしている…と思ったら胴を伸ばしすぎて、手首から解けてキーボードの上に落ちた。
ぽとり。
不思議そうにあたりを軽く見回し、頭部を後ろに向けて谷蜂さんのほうを見つめてくる。
偶然シャットされた画面は見なかったようだ…ただし、画面をイメージさせるようにその相手の指先にむけてちろり、と蛇の舌を出す。
避けないならば舐められる感覚があるのだろう。
ひと舐めするように舌をだすとすぐに画面のほうを向き、そのディスプレイの下にもぐる。
途中で止めなければ、ディスプレイのうえから顔を出して上から覗き込むように出てきたのだった。
■谷蜂 檻葉 > 「ん。」
ぴく、と舐められると指が一瞬止まるがそれだけだ。
幼い子どものような素振りを見せる雪城にまた少し口角を上げたまま作業をする。
そして、丁度ディスプレイの上に昇って覗き込むようにした所で、ひょいと摘むようにして掌に載せて机を立つ。
「……はい、お終いですよ。」
―――そう、閉館時間がもう間もない所まで迫っているのだ。
鞄を掴むと、そちらに移すようにして載せたままの掌を近づける。
■雪城 括流 > 「…?」
気が付けばそんなにのんびりしていたのだろうか。
大人しく拾い上げられて、また落ちないよう指先に軽く尾っぽを絡めてくる。
しゃらしゃら、と揺れた尾っぽから鈴のような音が鳴った。
いざなわれてスキマから大人しく鞄の中に入り込む。
じっと覗き込めば、中で身体をくねらせて綺麗に収まり、入り込んだ隙間から蛇の瞳がじっとのぞいているのがわかるかもしれない。
■谷蜂 檻葉 > 「それじゃ……んー。女子寮行きましょうか。 途中で別の場所でしたらおりてくださいね―。」
肩に鞄をかけて、のんびりと就業の支度を済ませ、パチンと電気を消して図書館を後にする。
平々凡々な一日の終わり。
いつもと違って、小さなお供を連れて帰路についた。
ご案内:「図書館」から谷蜂 檻葉さんが去りました。