2015/09/15 のログ
ご案内:「禁書庫」に蒼穹さんが現れました。
蒼穹 > (時昼頃。平日。学校の授業があるが当然の如くサボった。
禁書庫の警備は薄い。ともすれば、無いと言ってしまっても差し支えがないくらいに薄い。
正面扉は鍵がかかっているのかどうかもあやしい。警備員などまずいない。
転移への対策もなければ、とりわけ扉が硬い訳でもない。こんなんで大丈夫なのだろうか。

というか、こんな適当だからこの間みたいに爆破して禁書漁りに来るおバカさんがいるのだろう。

前置きは兎も角。己はと言えば、正面突破するでもなく、転移して入っていく。
そっちの方が目立たないからだ…別に自分は警察側だし目立っても良いが。
障害物を避けられるタイプの転移は中々便利な物。
一気にサボリに利用していた8F保健室(無人)から禁書庫出入り口へと転移した。

閑話休題。)

……。

(立ち入り禁止で怪異の満ちるおかしな空間、誰も寄り付かないのは今日だって例外ではない。
柄でも気分でもないが、乗り掛かった舟だったし。
何だか英霊とかそういう奴の描かれた本があると報告されたし。
仕方なし。そう、仕方なしにこうやって禁書庫で調べ物をしているのだ。
あと個人的にプリーストとかいう奴に煽られて腹が立っているのもあるか。

右往左往、縦横無尽に歩いて回る。
無断入室だが、こそこそする気は全くない、無遠慮な足取り。)

蒼穹 > (さて、どうでもいいが英霊とはそもそも、死者への敬称であって、自称するものではないと思う。
ただ、ここに調べ物するためだけに足を踏み入れたと言えば、少々惜しいので禁忌魔術の一つでもお持ち帰りしたい。
しかし現実はそううまくいかず、中々己に読める魔道書物がない。結構語学知識も豊富だったと思うのだが…
流石常世と言うべきか、何だか見たことないような字で綴られてる物ばかり。翻訳術式のかかったメガネでもかければいいのか。)

…お?

(さて、うろつくこと暫く。英霊の文字が入った本が。そう思って取ってみる。
『エトランジェと呼ばれる常闇の英霊達』…これじゃない。報告書によると、もっとストレートなタイトルだった筈。
だがいいか。何かの役に立つやもしれない。これは自分が拝借しておこう。)

んー…。

(今一度端末を確認。BBSまでリンクしていく。タイトルは『七英霊の書』。

英霊繋がりだったのか、置いてあったすぐそこと言って間違いない場所に置かれていた。
それにしても、ぎっしり本と本が詰まっている。中々目当ての本が取れない…立て付けの悪い扉みたいに。

若しくは、禁書の中の怪異でさえ己を煽りに来ているのか。何だか不自然な斥力がかかっている。
この本…どうなっているのだろうか。因みに七英霊の書とやらに怪異的効果はないと言う。
とすれば、近辺の本の影響か。つくづく面倒な話。読書を本そのものに邪魔されるって、一体どういうことだろう。)

蒼穹 > (力強く引っ張ったら取れない物ではなさそうだが、反動で向こうまで吹き飛んで余計な音を立てそうだ。
だからといって、普通に引っ張ったんじゃ取れない。
そもそも、同じ棚にこれだけ本を詰めるのがいけない。図書委員の整備不足が問題なのだ。多分。

故に、本を取るために多少犠牲を払っても己に責任は問われるまい。)

と、いうわけで。

(責任転嫁をすれば何ら躊躇いなく目的の本の左側にある本だけを器用に魔術で焼き払った。
特異的な炎であり、延焼の心配がないのが良い所。被害は気付かれない程度の最小限に。
流石にスペースが開けば本も取れよう。…取れない?右側の書物に吸い寄せられてるみたいだ。)

…あれ?はいはい、そっちは関係ないから。

(結果的に右側も焼き払った。その決断に向かうまでに、あまり時間はかからなかった。
気付けば本棚の一段には孤立して目的の『七英霊の書』だけという有様。
…これだけ本があれば、ばれないとは思うし、一段穴あきがある本棚あがあっても何の不思議もないだろうと思いながら、
目的の本を手に取って、そのまま何食わぬ顔でまた転移の穴へと消えて行く。
どうにも今日は悠長に禁書庫で読書という気分にはなれないし、また今度の機会に、手元にあれば良い。

同じ本は幾つか揃えているだろうし、禁書庫としての機能は全く薄れることもないだろう。)

ご案内:「禁書庫」から蒼穹さんが去りました。
ご案内:「図書館」に谷蜂 檻葉さんが現れました。
谷蜂 檻葉 > 夜を迎え、針が一際大きく音を立てて頂点を示す。

徐々に減ってきた利用者を見送りながらカウンターで整理と、この後の片付けに向けて準備をすすめる。
徐々に寒暖が不安定になってきた時期だが、今日は一段と暑さが残っていた。

時折、パタパタと胸元を扇ぎながらも、世界が進んでも完全にはなくならない紙類の為に遠くに置かれた小型扇風機を時折恨めしげに睨みつけながら、適当な順番のようでしっかりと整頓された順序に沿って仕事を片付けていく。

ご案内:「図書館」にサリナさんが現れました。
谷蜂 檻葉 > 誰かがページをめくる音。

柔らかな薄いカーペットの上をブーツがトントンと叩く音。

少しだけ型落ちの、司書の仕事には十二分のPCの排熱音だけが静寂を彩っていた。



(――――うぁ、また……寝かけてた……。)

そんな静かな場所で、本日三度目の舟漕ぎの慰労に目を擦る。
昨晩、二人だけの鍋パーティの後、ひとしきりの長話の上に読みかけの本を……なんて、長編の最終巻に手を伸ばしたのが間違いだった。 

一日の6時間分の授業を前日までのスパンを3時間半で過ごすのは普段健康的な睡眠時間をとっている彼女には酷い苦行であり、
そして今もまだ、その割を食っていた。

自制をつぶやきながら、口元を手で抑えながら欠伸を一つ。

サリナ > 日も暮れて、そろそろ帰ろうかと思った時、受付の方でオリハさんを見つけた。
あれ以来、時たま顔を合わせるぐらいはするが、機会が悪く話し込む事もなかった。
そもそも最初のうちは多少の変貌にオリハさんだとは気付かなかったぐらいだったのだ。

今日は他に誰とも話していないようだし、暇そうにもしているから話せそうだ。
…よく見れば何か暑がってる感じの仕草をしている。
鞄から扇子を取り出してから、彼女の視界の端から静かに近づいていって、そっと彼女に向けて仰いだ。

扇子からは冷たい風が吹き付ける。これは魔法の扇子なのだ。

谷蜂 檻葉 > 「ふわぁっ……!?」

横からサァッと木枯らしのように涼しく爽やかな風が開けた口と胸元に滑り込んできて、素っ頓狂な声を上げて目をパチクリと風上に向ける。


「って、サリナさん。
 あはは……ええと、時間的には―――昨日振り、かな?
 あ、座って座って。 今、丁度一番暇な時間になりそうだから。」


一瞬だけ、気まずそうな表情を浮かべるが直ぐに顔を振ってカウンターの椅子を勧める。
どう話したものか。

挨拶は夏休みを明けた後も何度か交わしたし、ほんの一言二言会話はしていた。

それでも、こうして腰を据えて話す機会は無かったし、だからこそ、どういったことを話題にするか脳裏にピンと閃くものがなかった。


結局

「その、さっきの風って、その扇子? すっごい涼しかったけど。」

目の前の物について尋ねる程度の、極々無難な話題に逃げた。

サリナ > 「どうも、オリハさん。…そういえば昨日も会いましたっけ。…では、遠慮なく」

受付の椅子を勧められればそれに座る。
今の彼女には以前彼女の中に居たと思われるタイターニアさんなる方の人格は微塵も感じられなかった。
それについて何か聞くべきか…しかしなんだかオリハさんも気まずそうな顔をしている。
さて、それをどうやって切り出そうか…

と思っていたら、彼女がこの扇子について言及するのでそれにはすぐに答えた。

「ええ、私が作ったものではありませんが…冷たい風が吹き付ける扇子です。
 魔力を込めればいくらでも使えるというのがウリでして……私の友人がですね…」

そっと言ってから扇子を差し出した。

「どうぞ、差し上げます」

谷蜂 檻葉 > サリナとの対面は、不思議な緊張感がある。

彼女が(きっと天然の)ポーカーフェイスだから。

……という理由ではなく。
もっと、なにか根本的な。蛇が蛙に睨まれるような。

条件反射的な緊張感を感じるのだ。
それが何時からか、自分でも解ってはないのだけれど―――


「……へぇ、魔力を込めればねぇ……―――ふんふん。 こう、かな? わ、すごいすごい。」

ともあれ、その覚えのない湧き上がる感情もこうして話が始まれば徐々に姿を消していき、『魔法の扇子』に目を奪われながら、スイと触って氷の上の空気を掬ったようなキンキンに冷えた風に嬉しげな表情を見せる。

そうして、そのままサリナの言葉を聞いて頷いていれば譲ると言われてまた目を瞬かせる。

「えっ、い……いいの? その、わりと遠慮せず貰いたいんだけど……。」

まだ暫くは出番の有りそうな扇子をパチンと畳んで、
何かあげられそうなものはないか、と口元に手を当てて考えこむ。

サリナ > 「今日は暑かったですが、最近は涼しい日もありますし…
 そういう日にこういう物を使う事はないでしょう?なので遠慮せずにどうぞ」

久しぶりに面と向かって話すものだから彼女も何か強張っているような感じがする。
そこでこの贈り物。扇子の力を見てなんとか喜んでいただけたようだ。
しかし、直後に何か考えているような表情を見せている。

「いえ、お礼とかそういうのはいいですから…」

谷蜂 檻葉 > 「そう……?じゃ、その分しっかり、有り難く使わせてもらうわね。」

ありがとう。と、心から嬉しそうな表情を見せて胸ポケットに差す。
室内仕事だし、只の扇子だとしても中々嬉しい。

さっと、考えていたことを見抜かれると頬をかき、
改めて『ありがとう。』と笑みを浮かべる。

「それで、その……

 ただこれを渡しに来たーっていうんじゃ、ないよね?
 前々からなにか話したそうだったし……ええと……」

そして、互いの雰囲気が程よく緩んだ所で、本題を尋ねる。
―――そうは言っても、檻葉には”心当たり”が無いといえば無く。
困ったような表情で、言葉尻を濁しながらそう切り込んだ。

サリナ > 「……そうですね。聞きたい事はありますが……」

彼女は何か困った顔をしている。恐らくは、私が話したい事がわかっているんだと思う。
その上で私から聞くよりは、彼女から話し出す方を選ぼう。

今のオリハさんは、少しばかりの変貌あれどオリハさんそのもののように見えるのだし…
何も問題はない。現状で何も問題はないはずだ。

「…オリハさん、あなたが話したくないなら別に構いません。
 私が話したい事、きっとわかってると思うので…あなたがオリハさんなら私はそれでいい」

谷蜂 檻葉 > 「―――っ、うん……!」

ゴクリ。と、真剣な―――いつも彼女の顔は真剣そのものだが―――表情でゆっくりと言葉を紡ぐサリナに唾を小さく飲み込んで……


「……う、うん。……うん……?
 い、いや。その……私は私だけど……ど、どういう事……?」


意味深げに、彼女なりの納得をもってそう言われてしまうと
なにか言うにも言えず、「まぁ、いいのかなぁ…?」と苦笑するに留まった。


「ええと、それじゃあ何か読んでいく?
 今週からまた新しい本も入ってるよ。あっちの、新入荷!ってポップのあるコーナーね。」

再び、そんなゆるい空気に肩を竦めて図書委員らしく本を勧める。
その指した先には、そこそこ穴あきに本の置かれた店がある。

幾つかは既に貸し出されているらしい。

サリナ > 「ふふっ」

オリハさんは疑いようもなくオリハさんだった。
久々に見たちょっと困惑したような、驚いた表情を見て自然に笑みが零れた。

続く話に耳を傾け、指された方を見れば……

「いえ、本はさっきからずっと読んでましたので……
 …そうだ、オリハさんのお勧めの本はありますか?入荷したばかりのものでもなくても構いませんので」