2015/08/16 のログ
オリハ > 「っ、ア―――。」



くらり、とベンチに横になる――――いや、倒れこんだ。






こうして

12時の鐘の音が鳴り響く中、魔法の時は再び動き出す。

ご案内:「大時計塔」からオリハさんが去りました。
ご案内:「大時計塔」に綾瀬音音さんが現れました。
綾瀬音音 > 思ったよりも高いね―……
(学校に提出しなければならない書類があったのを忘れてて、慌てて登校した日曜日。
そのまま教師と話し込めばこんな時間になってしまった。

帰宅しようと校門に向かったところで、ふと見上げた時計塔になんだか登ってみたくなって、最上部まで登ってしまった。
昔なら息を切らしていたのだろうけれど、少しだけ息が上がるだけで登り切った。
思ったよりは、広い。頭上の大きな鐘を見ながら窓の方へと向かうと上半身を乗り出した。


眼下に広がるのは、常世島。
遠くに真っ黒な海が見える)

綾瀬音音 > わぁ…………
(絶景だった。
この学園地区を中心にして、少しずつ島の端に行くにつれて明かりが減っていく。
遠くに走る電車の明かりを目で追って、感嘆の息を漏らした。
この明かりの一つ一つに物語があると思うのは、流石に考え過ぎだろうか――)

きれい、
(素直に、一言言葉が落ちた。
この学園に来て二年目になるが、ここに登ったのは初めてだった。
これならもっと早く登っておけばよかったと思う。
立入禁止だから避けていたのもあるが、登ってしまえばなんてことはない、ただ古い塔だったし、結構誰かが足を踏み入れているような形跡すらある。
――別に気にすることもなかったのかなぁ、なんて、ちょっと思って小さく笑った)

綾瀬音音 > (さわさわと地上より少しだけ強くて冷い風が頬を撫でる。
夜でも尚うだるような暑さはここでは幾分和らいでいる。

飲み物でも買ってくればよかったなぁ、なんて今更思っても遅いけれど、だからと言ってこの夜景の美しさが欠けるわけでもない)


――――。
(夜景を眺めながら、色々なことを考えた。
学校のことだったり友人のことだったり家族のことだったり、恋人のことだったり――これからの事だったり。

結局、彼は彼であることを選んだ。
それに安堵したような、ぎゅっと胸を締め付けられるような切なさのような――それにほんの少しの悲しさを混ぜ込んだような複雑な感情があるのは事実だ。

何時か来るかもしれない離別を思うより、寄り添う今を。
願わくば今が永遠に続けばいい。

だけど――
その今が永遠に続く未来に確信を抱けるほど、自分は強くはない)

綾瀬音音 > …………
(少し強く吹いた風に髪を抑えながら、遠くを遠くを見る。
果たして、あの向こう、真っ暗な闇の向こうのような未来には、最高にハッピーな未来はあるのだろうか。

置いて行かれる未来、もしくは彼を失う未来。
そんなものばかりが思い浮かぶのだ。
それは単なる感傷だ。
直ぐに来る未来ではないし、彼を信じると決めたのは、自分なのだ。








でも、もし、信じられなくなったら?)

綾瀬音音 >            
綾瀬音音 > (ふと頭に浮かんだ、新たな結末の可能性に、本気で目眩がした。
思わずその場に蹲る。
吐き気がする、グルグルと脳が回っているような嘔吐感。
地面が揺らいで液体になってしまうのではないかというような、心許無さ)


―――――は、ぁ。
んぅ……は……、……ッ
(動悸が早くなる。
呼吸が上手く出来ない。
喉の奥に異物が詰まったようで、気持ち悪い。
ぎゅっと目を閉じて、それをやり過ごそうと努力する)

ご案内:「大時計塔」に蒼穹さんが現れました。
蒼穹 > (ひょっこり、涼しげな微風でも吹くだろう夏の夜頃。
仰ぐその空の色は紺色か。はたまたもっと深い色か。若しくは、真っ黒だろうか。
昨日は登る事もなかったし、と。そんな風に思って、時計塔を登り始めた。
別に足で登る必要はないけれど、足で登った方が何かと達成感めいたものが感じられる、気がする。
悠長な足取り。ゆっくりゆっくりと、規則的なリズムで階段を一つ一つ、登って行く。
どれくらい、立っただろうか。)

…う…ん……?
(何となく、知り合いの見た目に近い人が、あまり宜しくない姿勢でその頂上で居ることがおぼろげに視界に映った。気がした。
自然、足は急ぎ足。…この期に及んでも足で歩くのは、気紛れか。)

ちょ、お、おとちゃん…?!
(彼女の様な真面目な、所謂普通の女の子が、どうしてそこにいるのか、
そして、今何をしているのか―――?
色んなことが頭をよぎった。彼女は、こんな所に来るような子ではないと思っていたが…。
彼女だと気付けば、たんたんたんっと、スピードを上げてその数段下あたりに飛び出る。
1段飛ばし、2段飛ばし、1段飛ばし。そこそこ軽快なステップ。
鳩が豆鉄砲を食ったような…所謂、びっくりを具現化したような形相で呼びかける。
もっとも、向こうに気付いてもらえるか分からないけれど。)

綾瀬音音 > (今じゃない今じゃない今じゃない今じゃない今じゃない今じゃない今じゃない今じゃない今じゃない今じゃない今じゃない今じゃない今じゃない今じゃない今じゃない今じゃない今じゃない今じゃない今じゃない今じゃない今じゃない今じゃない今じゃない今じゃない今じゃない今じゃない今じゃない今じゃない今じゃない今じゃない今じゃない今じゃない今じゃない今じゃない今じゃない今じゃない

―――――少なくとも、今じゃない)

(ぐるぐると同じ思考を頭で回していたが、ふと、呼ばれて顔を上げて、その声がした方へと視線を向ける。
何度か何も入っていないのに苦いものを飲み込むような仕草をしてから、口の端を上げた。
笑ったつもりらしい)

ああ、ソラちゃん。
ええと、その……大丈夫?
(吃驚した、としか言い様が無いような表情の友人を見て、そう言葉を掛ける。
しかし、そう声をかける自分は、顔色はあまりよろしくない)

蒼穹 > うん………やぁ、こんばんは。
(返事に困ったので頷いて、先に挨拶。
向いた彼女の表情は明らかに「張り付けた様な笑み」と言うべきそれに見えたのは…気のせいだろうか。
無理に笑った、のだろうか。

色々、彼女の状況は悲惨だったろうし、気にもなっていた。
あれから大分日が経ったし…その話は切り出すべきか、そうではないか。
ふぅ、と一息吐いて。それから、彼女の質問に応える。)

大丈夫?…ね、それはこっちのセリフだけど。

(たん、たん、と数歩。またゆっくりと段差を踏み越えて上がって行く。
大丈夫でないとすれば、キミの方じゃないかと濁して言いながら。)

で、立ち入り禁止の場所に入っちゃって…
高みの絶景に気分悪くなったのかな?

(後二段、一段―――。漸く頂上へと。視線はしかし、ずっと彼女の方。
登ってきた方を見返すでもなく、明らかに不調で、それを隠そうとしている彼女を見遣って。)

綾瀬音音 > ……うん、こんばんは。
(幽霊を名乗る風紀委員であった彼女は、当然襲撃事件の顛末を知っているだろう。
とは言え、それに大きく拘るような性格にはあまり思えなかったので、その事件を今は口にだすこともなく。

事実怒濤の夏休みを過ごしたが、それとはこの“調子の悪さ”とは繋がっているようで繋がっていない)

あ、あはははは……うん、ちょっと目眩がしてね。
吃驚するぐらい高いね、ここ。
立入禁止って言っても、ソラちゃんだって風紀委員なのにいいのー?
(誤魔化すように、そう作った明るい口調で言う。
瞬きが多い。
唇が時々不自然に震える。
まっすぐ彼女を見ているようで、見ていない)

蒼穹 > …うん。
(切り出す必要は…ないだろう。恐らく。
古傷を抉る、なんて表現がある様に、彼女だって触れられたくないはずだし、
思い出したとして面白くないものに違いない。
何より、例の事件は己は知ってはいるがそれだけ。その場に居合わせたわけでも、
親しい者が被害に遭ったわけでもない。
どちらかといえば…そう、襲撃者側の方に知り合いが、というレベルだった。)

………。
そう…どの辺見てたんだい?
あっはは、私はこれでも禁書庫とか土足で入っちゃう悪い子だからさ、
今更そんなの気にしないんだ。でもここにキミが来るなんて、驚きだね。
(暫く沈黙。でも、やっぱり踏み込んだって自分にはどうしようもないかもしれない。
何かあるなら、彼女の方から話してくれるのではないだろうか。
そう思ったけど。)

―――で?
"大丈夫?"
(この質問の答え、聞いてない。
だん、と気持ち大きめの足踏みの音を響かせて、また彼女の方へと一歩踏み出す。
己の表情は、至極無表情。
虚ろを見つめると言う感じの彼女に、それだけは聞いておかないと。出過ぎたことかもしれないけれど。
近づけば近づく程、明らかになっていく、あからさまに不調を訴える彼女。
それと裏腹に明るさを取り繕っている。それは、余計な心配をされたくないから?
それとも、辺鄙で腐った邪神様がずけずけと聞く様な事ではないから?
若しくは、迷惑になると思っているから?本当にちょっと眩暈がしただけだから?
思いつく理由は、こんなものか。)

綾瀬音音 > (具体的に彼女がどのような形で襲撃に関わったか、もしくは関わらなかったか、知るよしはなかった。
心配したのか、してないのか。
それすら、今はそこに想いを馳せる余裕もなく、なので今は襲撃の話が出ることもなく)

ええと、ずっと向こうの方だよ。
遠くて、真っ黒な、海、の方。
(うみ、が、やみ、に聞こえたかもしない。
そんあ曖昧な発音だった)
そんなんでいいのかなぁ。
あははは、私だってたまには悪い子になるよー……
(やはり覇気はなく、曖昧な表情や視線で答える。
楽しい雑談、といった風を装う。
装いきれなかった)





――――っ、ん……
(耳に足音が大きく聞こえたのは、気のせいではないだろう。
彼女は一歩大きく“踏み込んだ”。
見たことのない無表情に戸惑うに眉を寄せる。
有無をいわさず、と言う風に見えたからだ。
心配しているのか。
苛立っているのか

それも良く解らない)

ええと、あの―――――――。
あんまり、大丈夫、じゃない、かも
(ゆっくりと、言葉を途切れさせながら絞りだすようにそう言った。
視線が迷う。
それから、幾らか迷うように唇を震わせてから)

…………ソラちゃんは、玲刃君と、友達だよね?
(少し姿勢を変えて壁に背中を向けて体育座りするように。
彼女を向かい合う形になるだろ。
それから、要領の得ない質問をした)

蒼穹 > そう…。
真っ黒だよね。何処を見ても。
上を向いても、下を向いても。ここには真っ黒ばっかり。
でも、そんな黒い中でキラキラ光っているのはとても綺麗。
洒落たことを言うなら、そうだね。闇があるから光がある、なんてところかな。
あっはは、ちょっと中二くさすぎるか。
(海も闇、空も闇。聞き違えたか、そうでないのか。言葉に合わせて俯いたり、上向いたり。
少しだけ冗談を混ぜて、己も作ったように笑った。無理矢理半分。)

そう…悪い子。
(きっと、彼女は何処を向いているというわけでもないのだろう。
恐らく、聞いた言葉も右から左へ、当たり障りのない様な、ぼやかした風に答えている。
まるで、何か別の事で頭が一杯の様な。若しくは、何も考えられなくなっているような、
そんな風に思わされる。)

ねぇ。…聞いてる?
(更に、一歩。怒気を含んだかのように見えるかもしれないが、怒っているわけではない。
いや、もしかしたら、怒っているのかもしれない。何に?…己も分からない。
ただ、様々な要因が重なって。指名手配、襲撃の沙汰、大きくなる噂に恋人との状況。
想像すれば、何故かこうなった。深く考えるのは苦手なタチだから。
彼女が何を思っているか、ピタリと言い当てることも出来ない。だから、聞くしかない。)

そう、…。
(「大丈夫じゃない、か、やっぱり。」幾許か、安堵したかのような、僅かに緩んだ表情を向けながら、じっと彼女を見遣る。
そこにある感情は…なんだろう。迷いか、不安か、悲哀か…。どれでもあり得そうだと思ったけれど。)

うん…そうだけど。
(平常の己であれば、「またノロケちゃう?」とでも、半笑いしつつ、それでも嬉々として、いつもの雑談として、次ぐ言葉を聞いただろう。
半腰の姿勢になって、彼女を見下ろす。
夜風の所為か、今日の友達がと会話しているこの時間は、いやに冷たい気がした。)

綾瀬音音 > うん。
本当に、暗くて、真っ黒で、嫌になる。
でもね、さっきは確かに綺麗だなって思ったんだよ。
光の一つ一つに意味があるんじゃないかって。
――闇があるから光がある……
(彼女の首が動くのを見やりながら、鸚鵡返しに呟いた。
いつも明るい彼女だから、そう言う表情をさせてしまっていることに気づいたけれど、どうしようもできない)

うん、かなり悪い子だよ。
本当に
(そう呟くと少し身体を縮こませた。
今しがた頭を過ったことを思い出して、表情が沈む。
楽しい雑談は上手く装えない。
余りうまく頭は回っていないし、思考もバラバラとしてまとまりはない――否、まとめたくない)

え、あ、うん、聞いてる…………
(怒っているのか、と見上げて眉を寄せて考える。
思考を手繰り寄せて、まとめようと心がける、せめてまともな会話を出来るくらいには。
だけれど、上手くいかない。
ええと、と言い訳するように唇が動く。


それから、大丈夫じゃない、と告げた自分に安堵したような表情を浮かべた友人に。
ああ、多分心配してくれてるんだ、と思い至った。
見つめられて、何処から話せばいいのだろうかと考える)

ええとね、いつも、置いて行かれるのは私の方だって、思ってたんだよ。
(ポツリと。
そんなことを漏らした。
要領の得ない彼の事を友人だと頷いてくれた彼女なら、きっと理解してくれるだろうと。
それが死別であれ、“どれほど思い遣ってくれてくれたことの結果としても”彼が立ち去ってしまうことであれ、置いて行かれる方は自分だと思っていたと。
見下されて、視線を上手く合わせられず下を向きながらぽつぽつと語りだす)

玲刃君にね、“こっち側に”――普通の生活しようよって言ったんだよ。
だけどね、断られちゃった。
信じて待ってることには変わらないよ、だって、そう決めたから。
決めたけど―――――。

もしね、信じられなくなっちゃったら、耐えられなくなったら、きっとね、



置いていくのは、きっと私の方なんだなって、思って―――

(酷く要領の得ない話だろう。
だが、彼女なら解るだろうか。
多分友人たちの中で彼女が一番自分たちの事を知っている。
そんな甘えはあった。
視線は自分の膝頭を見つめたまま。
そう語る。

信じて待っている、その気持に嘘はない。
だけど、それはいつまでだろうか。
きっとずっとなのだ。
彼は社会と迎合しない以上、そうなるだろう。
――その中で、自分は本当に彼の側にいつづけることは出来るだろうか。
そんな酷く酷く当たり前で、途方も無いような不安を漏らした)

蒼穹 > あははっ。黒は嫌い?
何もなきゃ黒なんだよね、人間の視覚ってそうなってる。
ロマンも何もない話だけど、私の髪が青く見えるのは元々の白色の光が反射して青以外の色をなくしているから。
何がどう綺麗か、なんて美術的な話は私にはよく分からないけど、綺麗だとは思うさ。
ああ…何だっけ。美術作品ってのは、創る人の心と見る人の心で完成する、だったかな。
この光景を見て、嫌になってるって事は、今の気分も良くないって…そりゃ見たら分かるか、あっはは、何言ってるんだろうね、私。
…光の一つ一つに…ね。
例えば、ここから見下ろす、街並みにぱらぱらと斑点の様に付いている建物のライトなんかがそうかな。
どれがどの建物か、なんてわかんないけど。
…はぁ。
(やっぱり、笑ってはくれないか。それとも、単にジョークセンスがなさすぎたのだろうか。
行って返ってきた、その言葉にはあまりに元気がなさすぎて。)

おとちゃんが悪い子なら私なんかもう恐ろしいくらい悪い奴になるけどなー…。
(こんな時どうすればいいかなど、分からない。
享楽ばかりに興じてきたのだから、あからさまに落ち込んだ友人をどうにかするなんて出来ない。
言葉だけでどうにかなることではないのだろう。
無理矢理笑わせたってきっとその場しのぎにしかなるまい。
だからといって、己がそこに介入すべきでもなかろう。…八方塞。)

なら、良いよ。
あ、楽にして。つらいでしょ、多分。
(何に対してつらいかなど分からないけれど。
少し怖く映ってしまっただろうか、と、それくらいの心配りしかできないのだが。
少なくとも急かすわけではない。ゆっくり、ゆっくりでいい。)

―――。
(「置いて行かれるのは、私の方。」誰が、誰を、何処に?
中腰の姿勢を緩く上げながら考える。気持ち足元落ち着かない。
「誰が」と「誰を」はすぐに分かる。では、何処に、だろうか。)

そう…。

(「何処に」、の答えはこっち側、と言うのが正解なのだろう。
彼と彼女を隔てているのは、今更言うまでもない、普通か、そうでないかの壁。
普通の女子高生と、殺し屋紛いの男と言う如何ともし難い溝。
彼女は、そんな彼を彼女の側に誘ったのだろう。
そう誘った時の彼女の気持ちは、それを断られた時の彼女の気持ちは…どんなものだったのだろうか。
そして、今の彼女の気持ちは…こんなもの、なのだろうか。
震える唇は、ともすれば気持ちが溢れるなんて表現が合いそうなほど。)

…そう。

(途中で、余計な言葉は挟まない。ただ、そう、と頷いて話を聞く。
己には、ノロケる程の恋愛など分からない。いや、忘れているのかもしれないが、それはまぁいいとして。
少なくとも、彼女の気持ちになって、彼女と自分を重ね合わせるような事は出来ない。
彼女の言いたい事は分かった。けれど―――。)

そんなに、好きかい?
彼なしじゃ生きていけない程、こうして、彼が勝手な事をして、自分が苦しんで尚、好きかい?
恋は茨の道なんて言ったものだけど。今、キミは明らかに苦しんでる。
信じて待ってる、って、この間も言ってたけど。楽しい?レイハと居るのは。
いや…そもそも、このまま一緒に居れるかどうかなんて分かんないよ。
彼は取り分け生と死の境界に立つことが多い。無茶もする。
本当に恋人の事を思っているなら、そんな事出来ないはず。
妻と夫のやりとりで「私と仕事とどっちが大事?」みたいな、ああいうやりとりに似てるんじゃないかな。


だからさ、それが正解。
耐えられなくなって、キミがボロボロになる前に…置いてっちゃえばいい。
彼は、キミの方へ行くのを拒んだんだから。


あははっ。…最低だね、私。
でも私ってこういう奴なんだよ、幻滅した?だったら少し寂しいな。

(凄く酷い言葉なのかもしれない。だけど、彼女は今何を見ているのか?
この地球上には、「愛とはなにか?」と言う質問に「愛というのは執着という醜いものにつけた仮の美しい嘘の呼び名。」と自答した者がいるそうだ。
そこまでして、彼女が彼と一緒に居たいと、信じて待ってると、そういう理由はなんだろう。
己には分からない。分からないけれど、空虚な執着の様な、そんな物に似ている気がする。
彼女の彼へと抱いている気持ちが、どれくらい大きいか、そんな事は分からない。
そもそも、彼女が信じているのは何か?彼を、白崎玲刃を如何に信じたからって、
この辺鄙で悍ましい島だ、呆気なく死んでしまったっておかしくない。
白崎玲刃が"生きて返ってくること"を信じていると言うのであれば、根拠もよりどころもない、それこそ盲信や執着だ。

"あっち"と"こっち"生きているところが違うんだから。
そんな二人の恋愛は、下手な遠距離恋愛よりも、よっぽど距離が遠く、過酷で、険しい道のりなのだろう。
近くにあるのに、届かない、永遠の距離。己は、それを繋げるのは、きっと難しいと思う。
彼女は、普通の女子高生なんだから…。
一通り思う事を喋った後、自分で自分を嘲った。
己はこの時何といえばよかったか、なんて…分からない。きっとずっと、分からないままだろう。)