2015/08/22 のログ
東雲七生 > ぼんやりと濃紺へと変わっていく空を眺めながら、昨日の会話を思い返す。
それは半ば強引な、一方的にも近い約束。

「……ああ言ったけど、実際あいつより強くなるってどーすりゃ良いんだか。」

皆目見当もつかない。いや、強さの輪郭は見えているのだけど。
ただそれは未だ輪郭だけで、その輪郭も非常に朧気だ。吹けば飛ぶような、煙の輪のように見える。
それに、単なる力技だけではいけない気もした。

「……魔術、かー。」

少しだけ気が重くなる。
この学園に通いながらも、東雲七生は魔術が使えない。
──と、以前までは思っていた。

友人の手伝いで魔術を発動させるまでは。

東雲七生 > 自分の中にもしかしたら魔術の素養があるのではないか?
そう思って教員に頼み込み、自分の生徒としてのデータを閲覧させて貰った事もあった。
しかしそこに記されていたのは、

「計器故障……って何だよそれ。」

魔力を測定する機械の仕組みなど七生には分からない。
ただ、そう簡単に故障するものなのだろうかとも思う。
確かに入学時の記憶で魔術の素養を調べた時にやたらと場がざわついた事は記憶にあったが。

結局その場では調査をせず、馴染の研究所からデータが送られるという事で話がついたはずだ。
その結果が、素養なし。

「……ん?」

東雲七生 > 研究所から送られたデータをもとに、学園が出した結論なのだとは思うが。
まあ実際魔術や魔法の類は使えたことが無いので、疑う余地も無いだろう。
……だが、何か引っかかる。

「……まあ、それはこれから分かってくことか。」

この先授業でもっと高度な魔術関係の授業があるかもしれないし、
もしかしたら熟練の魔術師の知り合いが出来るかもしれない。
その時に細かく調べようとすればいいのだ。自分の身体だし、逃げたりもしない。
とにかく今は、

「まずは腕力付けなきゃだよな……。」

最初の峠だった。

東雲七生 > 「腕立て伏せとかで良いんだろうか……」

何年かかるか分からないが、ランニングついでにやってみるのも良いかも知れない。
それでもやってみない事には始まらないだろう。
一日でも無駄に出来ないのは何よりも明白なのだから。

「しばらく食生活も変えよう。
 えーと、筋トレ用だと……大豆?てことは、豆腐?」

明日から豆腐メインの食生活に切り替えるか、と考える。

東雲七生 > 「よし!
 ……それじゃあ豆腐買いに行くか!」

確か商店街に豆腐屋さんがあったはず。
そう思いながら横たえていた体を起こした。やっぱり背中がひりひりする。

軽く体を叩いて埃を落とし、大きく背伸びをする。
筋トレしたらこの背も少しは伸びるかな、なんて淡い期待をしながら階段へと向かい、

「よし。目指せベンチプレス50kg!」

具体的な目標を掲げ、時計塔の屋上を後にした──

ご案内:「大時計塔」から東雲七生さんが去りました。
ご案内:「大時計塔」に四十万 静歌さんが現れました。
四十万 静歌 > 時計塔の上で、のんびりと島を眺める。
――相変わらず眺めが良い光景だなんて、
クスリと笑う。

高くて怖いって思う部分もあるけれど、

それでも、ここで地上を眺めるのはやっぱりすきなんだな、
って思うと、ちょっと嬉しさがこみ上げてくる。

些細なことだ。対した事ではない。
でも、自分にも好きだと思える事があるという実感の一つだから。

ご案内:「大時計塔」に嶋野陽子さんが現れました。
四十万 静歌 > ――静かに歌を口ずさみ始める。

「――♪」

大事なものは目を閉じた時の、
まぶたの裏に。

――私はここにいる――

誰もいないこの場所で、
自分を主張するかのように。

嶋野陽子 > 休み明け早々に重苦しい出来事が続いた
1週間も終わりに近付き、ようやく気分転換を図る気
になった陽子は、人気が少なく開放感が味わえる場所
として時計塔に向かう。頂上の扉を開けようとした所
で、聞き覚えのある歌声がしたので、邪魔にならない
ようにそーーっと扉を開けると、歌が終わるまで微動
だにせず待っている。
歌が終わると、静かに拍手する陽子。

四十万 静歌 > ――静かに歌い上げ、
誰にもいない場所へと、優雅に礼をしようとして、
拍手に気づく。

恥ずかしさで頬があつくなるがね
気にせずに礼をして――

「聞かれてたとは思いませんでした。」

なんて、照れ照れした様子でいうだろう。
まだ相手が誰かは認識していない。

嶋野陽子 > 拍手と共に、扉の影からその巨体を
現すと、歌声の主が先週の患者であった四十万先輩で
ある事に気付く陽子。一礼してから近付くと、
「驚かせて済みませんでした」とまず詫びて、
「保健病院では、流石に歌声を聞くチャンスは有りま
せんでしたが、綺麗な歌声ですね」と誉める。

四十万 静歌 > 「陽子さんでしたか」

見知った顔に少しほっとしつつも、
紅くなったまま、手れたように、

「綺麗だなんて……そんな。
 下手の横好きですよ。」

と、えへへと笑って、
でも、綺麗って褒められるのは嬉しいですね、
なんて笑い――

「――陽子さんもここがすきなのですか?」

と首を傾げてたずねる
好きだったらいいな、
なんて思いながら。

自分の好きな場所が好きといわれるのは、
何かシンパシーを感じて嬉しいのである。

嶋野陽子 > 『陽子さんもここがすきなのですか?』
と問われると、

「今回が3回目ですが、気分転換のためにここに足が
向いた位には好きなんだと思います」と答える陽子。

「因みに1回目は好奇心から、2回目はここから見て
確認したかった事が有って昇りました」と補足する。

「四十万先輩は、ここが好きなのですか?」と問い返す。

四十万 静歌 > 「気分転換、ですか。」

と、少し顎に人さし指をあてて考え――

「色々ありましたもんね。
 ――私が退院した後も何かあったんですか?」

なんてクスリと笑ってたずねて、
返された問いに、

「大好きですよ、
 ここは景色がいいですし、
 誰もこないから大きな声で風を感じながら歌えますから。
 そして――
 気分転換にも最高です。」

なんていって、ウィンクをするだろう。

嶋野陽子 > 退院した後も何かあったかと聞かれると、
少し考え込んだ後でぽつりと
「今週前半に、恩人を目の前で死なせてしまい、昨日
は彼の恋人にそれを報告に行きました」と答える陽子。

「目の前で飛び降り自殺されるのと、その事を報告に
行くのは、両方とも辛い体験でした。先輩の看護と
シイン先生との戦闘の方がまだ楽でした。そう言えば
シイン先生とは、どう決着されたのですか?白い龍に
なってましたけど」と問い返す陽子。

四十万 静歌 > 「それはまた――」

そんな辛い出来事に遭遇して、
報告にいく。

それも、死んだその人が大切に想い、
大切に想ってきた人に。

「陽子さんは、一杯頑張ったんですね――
 ……」

そっと傍に移動しようとしつつ。

「なんていっていいのかは分かりませんが――
 どう片付けていいかもわかりません。
 けど、陽子さんが懸命に頑張ったのだけは分かります。
 ――だから――
 本当に、お疲れ様でした。」

そういってじっと目を真っ直ぐ見ようとするだろう、
そして、シインとの決着はというと――

「シイン先生との決着は、
 言葉を交わして終わりましたよ。
 ――先生が気づいて、 
 過去だけを見ずに、
 明日を向いて、歩く事を決めたから――
 とでもいえばいいのでしょうか。」

詳しい話が聞きたければいいますよ?
と首を傾げるだろう。

嶋野陽子 > 四十万先輩が寄り添おうとすると、
腰を下ろして隣に座るよう勧める陽子。
「お気遣いありがとうございます。先輩を慕う人が
多い理由が、何となく判ります」と言うと、四十万
先輩と目を合わせ、見つめ合う。陽子の心に残る自
責の念を感じ取る事が出来るだろうか。

しばらくして、
「シイン先生の話、詳しく聞かせて頂けませんか?自
首する事になり、黒い龍が白い龍になったのは、直接
見たのですが、四十万先輩がどう説得したのかが、
ずっと気になっていました」と、詳しい話を求める
陽子。

四十万 静歌 > ありがとうございます、と横に腰を下ろして、

「慕われてるのかな、だったら嬉しいですね。
 ――陽子さんは、
 もっといろんな人から慕われてると想いますよ。」

なんて、横を向いてにっこり見上げながら微笑み、
自責の念を感じ取ると、
ぽふぽふとなでるように背中を叩こうとしながら――

「――深く背負い込みすぎて、
 自分もまた同じようにならないで下さいね。
 ――それを糧に、きっと陽子さんなら前に進めます。
 ……許される事がなくてもいい。
 だからせめて――自分に、その人に恥じないようにいきるといいと思います。」

何があったか分からないし、
聞きませんけど、
私にいえるのはそれくらいです。
と立てた人さし指を口元にあてて――

詳しく話してくれといわれると。

「そうですね。
 陽子さんには色々お世話になりましたし、
 ――隠すほどの事ではありませんしね。」

うん、と一つ頷いて、ゆっくりと顛末を話すだろう。
自分からみたその様子の全てを。

「――と、まぁ、そんな感じでしょうか。」

記憶違えとかあるかもしれませんけど、
なんて、ちょっと苦笑しつつ。

嶋野陽子 > 四十万先輩は、陽子の自責の念を
感じ取り、背中を叩いて励ましてくれる。筋肉質な背
中に先輩が驚かないか、少し気になる陽子。

その後、シイン先生との対決の経緯を聞いて、やはり
四十万先輩には人の善なる心を引き出す力があるとい
う感想を抱く陽子。
「なるほど。それだと私の《保険》は余計なお世話で
したね。しばらくしたら、私も面会に行ってみようと
思います」と、話が終ってから答える陽子。さらに、
「本当はこれを最初に聞くべきでしたが、肩の具合は
どうですか?」と、尋ねる。

四十万 静歌 > 筋肉質の様子にも驚かずぽふぽふ。
そして撫でようとするだろう。

――その筋肉をなでながら、
やっぱり、元気な方がらしいですよね、
なんて妙な感想を抱きつつ。

そして、保険についていうと、
とんでもないと首をふってね

「いえ、本気でどう転ぶか分からなかったですし、
 あわや!
 とかあったので、助かりましたよ。」

本当にありがとうございます、とぐっと握りこぶしをつくり、肩の具合はと聞かれると、
ぐるぐる回して見せて

「ご覧の通りですよ、
 痕のほうもばっちりやってもらって、
 本当に助かりました。
 やっぱり陽子さんは凄いですよね。」

と、尊敬した視線でにっこり笑って見つめるだろう。

嶋野陽子 > 四十万先輩に背中の筋肉を撫でられる
感触は、サヤさんやアスティアさんに触られた時とは
また違うものであり、元気付けられるような触り方だ
った。
「女の子には有り得ない筋肉の付き方してるから、驚く
人が多いのに、先輩は平然としてますね」と陽子が意外
そうに話す。

肩の具合が好調と聞くと、
「それは何よりです。あれだけ大掛かりな治療は久し
振りでしたので、無事に抜かりなく終えられてほっと
しました」と感想を述べる陽子。

四十万 静歌 > 「え、だって――
 陽子さん大きいし、筋肉凄いですし、
 なんていうか元気が似合う手触りしてる。
 くらいだと想いますよ。」

普通ですよ、普通と笑う。

「寧ろ、びっくりするほうが今更だと想います」

なんていってウィンクするだろう。

そして、感想を聞くと、

「お陰様で、シイン先生に
 傷をつけた責任とってくださいなんていわずにすみますね。」

なんて、悪戯めいた笑みを浮かべていう。
勿論冗談である。

嶋野陽子 > 四十万先輩の感想を聞くうちに、ふと
「ひょっとして、四十万先輩って、こういう体型が好み
だったりするのですか?」と大胆なことを聞いてしまう
陽子。

シイン先生についての発言は冗談として置いておく。

四十万 静歌 > 「ええと、こういう体型が好み……
 といいますと?」

どういう意味でしょう?
と首を傾げるだろう。

「少なくとも嫌いではない事は確かですけど。」

嶋野陽子 > どういう意味でしょう?
と首を傾げられると、
「いえ、先輩の好みの異性が、私みたいな筋肉ムキムキ
な体型の男性なのかな…と思ったのですけど…」
と少し恥ずかしげに補足する陽子。

四十万 静歌 > 「あー、好みの男性のタイプですか……
 ううん、いえ、違いますね。
 私はどちらかというと、
 外見にはあまり求めないタイプですので。
 清潔感には多少気を使って欲しいくらいでしょうか?」

なんて微笑むだろう。

「陽子さんは何を求めるタイプですか?」

と聞き返しつつ。

嶋野陽子 > (私の異性の好みですか…)

四十万先輩の問いには、
「私は、『在るがままの私を好きになってくれる人』
ならば、後は合法的な年齢で、私の愛に耐えられる
人であればタイプは問いません」と答える陽子。
最後の条件がハードル高そうだ。