2015/09/10 のログ
四十万 静歌 > 「まぁ、確かに触れる機会なんて限られますか。」

うん、と一つ頷いて、

「本のほうが面白いとかありますもんね。
 でも、ええ、
 一度触れてみるとこれはこれで面白いので、
 まぁ、私のもってるものでよければ貸しますよ。」

なんて笑って――

舞台、ミュージカルといわれて、
思わずぽかーんとして――

「そ、それは確かに面白そうですけど、
 うう、出来るか不安ですね。
 曲のリズムにちゃ、ちゃんとあわせれるかなぁ……」

なんて不安な顔をしてじっと檻葉さんをみるだろう。

谷蜂 檻葉 > 「持ってるの?それじゃ、帰ったら早速読んでみよっと。」

風呂あがりに読む本が決まった、と少し嬉しそうに頷いた。


「大丈夫大丈夫、ちゃんと補助はするから。

 ふ、ふふふ……
 やばい、なんだか私こういう事考えるの、思った以上に好きみたい。」

妖しげな笑みを浮かべて、ピタリと回るのを止める。

「まぁ、今はまだ『普通の』舞台で積み重ねて行きましょう?
 下積みはじっくりとやらないとね。
 
 変に段階飛ばしてやらないほうがいいと思うし。」

うんうん、と。
マネージャーのようなことを言いながら

「でも、やれることを試してどんどん幅を広げていけるなら、
 いつかきっと、『凄い何か』が見えると思うの。

 ただ、がむしゃらに頑張るだけじゃ見えない『特別な何かが』。」


だから


「全力で後押しさせて。
 
 ――――それで、進んだ先で私の手を引っ張ってほしいな。」


にっこりと、新たな決意表明を掲げた。

四十万 静歌 > 「用意しておきますね。」

とクスリと笑い、
補助をするというと、

「頼りにしてますから。」

と、じっと目をみていうだろう。

「えっと、その、それにしても――」

ムムム、とちょっと難しい顔をして、

「檻葉さんは凄いですね。
 そんなに未来の事を色々考えて、
 演出できるなんて。」

私にはとてもとても出来ません、
と少し寂しげに笑い――

「だから――」

そう、だから、だからこそ――

「進んだ先で手を引っ張るのは構いませんけど――
 いや、どうやったらいいかわかんないですけどね。
 さておき――」

うん、と一つ頷いて。

「手を引っ張って進んだ先へ導いてくれているのだと思いますよ。
 檻葉さんは。」

と淡く微笑むだろう

谷蜂 檻葉 > 「頼りにされました。」

ニコニコと笑って、静歌を階下に降りるように先達する。

―――そろそろ、寮に戻るべき時間も近づいてきていた。



「そう、かな? 未来っていうか、これからの願望っていうか……」

筋道だった、確固としたイメージではなく。
先に見える光。 それに行きたいという願い。


「私はその、”振り向けない”タイプだからさ。

 ずっとずっと前へ前へ。
 だから、静歌がたまーに後方確認してくれると嬉しいかな?


 私がその足場を照らして、静歌がしっかりと足場を固めてく

 ……うん、言葉にすればいいコンビって感じじゃないかしら♪」


クスクスと笑いながら、ゆっくりと二人で時計塔を降りていく。


「さ、帰ってお風呂入りましょう。 また、考えたいことが増えちゃった。」

四十万 静歌 > 「はい」

頼りにされましたの言葉ににっこり笑って、
一緒に階下を降りるだろう。

「そうですね。
 一緒に未来を切り開いていけたら――」

いいですね。と瞳を閉じる。

「振り向けないなんてことはないと思いますよ。
 もちろん後方確認や足場を固めたりはしますけど、
 でも――」

その後の言葉は、
本当に小さな言葉で続ける。
聞こえるかどうかも分からない小さな声で
私は、

「私は――」

私は――

「今はまだ、盲目の人間ですから、
 見えているようで、
 その実何も見えていないですよ。」

私は怖いのです――

「引っ張られるだけには、なりたくないな――」

そう呟いて――

拳を握って、
元気に、

「――ええ、ゆったりお風呂に入って考えましょうか。」

と笑っていうのである。

谷蜂 檻葉 > 踏み込まないモノ同士の穏やかな毎日は、ゆっくりと次の物語を綴りだしていた―――
ご案内:「大時計塔」から谷蜂 檻葉さんが去りました。
ご案内:「大時計塔」から四十万 静歌さんが去りました。
ご案内:「大時計塔」に茨森 譲莉さんが現れました。
茨森 譲莉 > 目の前に伸びる時計塔を見上げて、アタシは「でかい」と一言小学生並の感想を持つ。
この学園のチャイムは、校内放送用のスピーカーではなく、どこか遠くから聞こえて来ていた。
先ほど遠目に見た時に頂点に鐘があるのが見えたし、
チャイムの音はこの時計塔に近寄れば近寄るほどけたたましくなっていた。
きっとこの時計塔が、電子音とは違ったあの趣のある音を響かせていたのだろう。

背の高い建物というのは、基本的にはその土地の観光名所になる。
バベルの塔という話もあるくらいだ、人間というのは兎にも角にも高い建物が大好きなんだと思う。
―――アタシもそんな高い建物に集る、愚かな人間の1人である。

茨森 譲莉 > 時計塔を見上げながら、その外周を添うように歩く。
目当てのもの、時計塔の入口を見つけたアタシは、その門を潜った。
この手の場所は、愚かにも一人鳥人間コンテストを実施する人間が出ないように
立ち入り禁止とされているのが常だが、扉は開いているし、警備員らしい警備員も居る様子はない。
―――しかし、かといって、その暗闇には誰が居るわけでもない。

隅のほうで遠慮がちに上に伸びている階段を見て、アタシは顔を顰める。
展望台まで上がれるエレベーターとかは無いんだろうか。

茨森 譲莉 > これだけ高い時計塔だ、整備の度に階段で上り下りを繰り返していれば競泳選手くらいにはなれるだろう。
よくよく探せばエレベーターのようなものもあったかもしれない。
しかし、残念ながら見つけることが出来なかったアタシは、
ふぅ、と小さくため息をついて、しかし、ここまで来たのだ。
『折角ならば登ってみよう』と、アタシはその階段に足をかけた。やむおえず、渋々。

ぐっと足に力を入れて、一段目を上がって、上に伸びる階段を恨めし気に見つめる。長い。

茨森 譲莉 > 数分後、アタシは引き返す事を真剣に検討する事になった。
目の前の高い建物に上ってみたいという悪魔の囁きに負けて階段に挑戦してはみたものの、
いかんせん、長い、しかも急だ。額に浮かんだ汗を拭って、ここまで上がってきた階段を振り返る。
この塔をデザインした人間は相当な筋肉馬鹿か、階段をエスカレーターにする異能でも持っていたに違いない。

「ふぅ……。」

こんな登山のような真似をすることになるとは思わなかった、
外をここを目指して歩き、ここに辿り着いた時点で既に飲み物は底をつきかけており、
気力を保つに役立っていたグミもそろそろ無くなろうとしている。
「がんばれ」と言う様に両手を掲げるクマの頭を食いちぎると、また一段歩を進める。

ギシ、と階段が軋む。
先ほどから、整備不良を告げる声がそこかしこから聞こえて来ていた。
警備員が居なかっただけで、その実この建物も例にもれず立ち入り禁止だったんじゃなかろうか。
たまたまお昼ご飯に行ってたとか、休憩してたとか、サボってポーカーやってたとか。

止めてくれれば愚かにもこんなバカみたいに長い階段を上る事にはならなかったのに、と
その場に居たか居なかったかも分からない警備員のお兄さんを心の底から恨んだ。

茨森 譲莉 > 地獄のような時間は、やがて終わりを告げる。
差し込む光に疲れも忘れて2段飛ばしで階段を駆け上がったアタシは、
「やってやった」という勝利の声を出すことも忘れて、眼前に広がる『常世学園』という世界に見入った。

陽光を受けて輝く校舎、書類を提出した委員会棟。
広がる住宅街、伸びる商店街、そことはまた色の違う建物が立ち並ぶ歓楽街。
見たことのないような建物が立ち並んでいる異邦人街。
遠くに広がって、輝いている海、聳える山々、そこに滲むような荒野。

視界を僅かに動かすだけでも全く違う顔を見せるその常世学園という世界は、
アタシが住んでいた場所とは間違いなく違う、紛れもない異世界だった。

綺麗だとか、そういう感情ではない。
ただただ、すごく広いと思った。本土に比べれば小さな島だ。
それでも、不思議と本土にあったアタシの居た場所よりも圧倒的に広いと感じる。

アタシは呆然と立ち尽くして、その広い広い『常世学園』を隅々まで眺めた。

茨森 譲莉 > ………寒い。

そんなポエミーな感情の次に感じたのは、そんな俗物に塗れた感情だった。
別に展望台というわけではないその場所は、紛れもない外だ。
吹く風は冷たく、そもそも高い場所だからか気温も低い。アタシは小さく鼻をすすった。
初日はゲ……体調不良、二日目は腹痛でもんどりをうち、三日目は風邪では洒落にならない。
別に病弱キャラを狙っているわけではないし、
そもそも体調が悪くなるのを快く思う人間はこの世には居ないだろう。

二人の素敵な先生との出会い、そして、この景色。
身構えて損した、きっと、アタシの居た地域が間違っていただけで、
異能者も異邦人も、きっと、無能力者も、差別も何もなく共存できるんだろう。

ポケットに手を突っ込んで、そろそろ戻ろうかと踵を返した所で視界の端に奇妙なモノが映った。
慌ててスマートフォンを開いて、常世学園の地図を開く。確認しても、そこには何もない。無いはずだ。

「それじゃあ、あれは何?」

―――チッ

アタシの口から小さく舌打ちの音が漏れるのを、アタシの耳が聞く。
この常世学園には、まだアタシの知らない面がある。
広い景色の一部を知ったからといって、アタシはまだ、全部を知っているわけじゃない。
もっと知りたい、いや、知らないといけない。他でもない、アタシの身を守る為に。

ポケットに手を突っ込むと、再びその長い長い階段に足をかけた。

ご案内:「大時計塔」から茨森 譲莉さんが去りました。
ご案内:「大時計塔」に霜月 零さんが現れました。
霜月 零 > ぼけー、と腕組みしつつのんびりと人を待つ。
たまには、こういうところでデートもいいだろう……なんて考えたが、どう思われるだろうか。

「センス古い、とか言われたらやだなあ……」

微妙に情けないのはご愛嬌である。

ご案内:「大時計塔」に雪城 氷架さんが現れました。
雪城 氷架 > 鞄を肩にかけてかつんかつんと階段をあがる

思えば大時計塔には来たことがなかった
一応、一般学生は立ち入り禁止のはずだからというのもあったが、そもそも用がなかった

「こうやって見ると結構サボるのにはいい場所だよな…」

あんまりな感想を漏らしつつ、きょろきょろと踊り場を眺める

霜月 零 > 「よう、どうだここ」

とりあえず聞いてみる。立ち入り禁止という事に関してはすっかり忘れていた。
零としては、なんとなくのんびりするにはいい場所、程度の認識だったのだった。
なかなかどうしてアバウトなのである。

雪城 氷架 > 声のしたほうをくるりと振り返る
長い銀髪のツインテールが体を巻くようにして揺れる

「いいんじゃないかな、サボりに使えそう」

思ったままの感想を口にして、零のほうへと足を進める

霜月 零 > 「お前な、第一印象がそれかよ」

苦笑しつつ肩をすくめてこっちに来るのを待つ。
まあ、自分も暇なときにのんびりするのに使っているので、そういうのにはちょうどいいロケーションなのは事実なのだろう。

「と言うか、さぼったりしてないだろうな?授業」

ちょっとじとっと。そんなことがあれば、ちょっとばかし釘を刺してやらねばならぬかもしれない。

雪城 氷架 > 「女の子らしい感想いえなくて悪かったな」
苦笑したように見えるだろうか、とはいえ

「さぼってないよ、前期は色々面倒な座学が多かっただけだ」

……少しつんけんした態度にとれるかもしれない

霜月 零 > 「はは、まあ氷架らしいとは思うけどな……って、どうした?」

目を少し細める。少しだけ様子がいつもと違う。
些細な差だが……剣士として鍛えた観察眼がその小さいが確かな差を見咎める。

「ちょっと調子悪いのか?」

雪城 氷架 > 「別に、普通だけど」

普段から言い切りの強い口調ではある
しかしどうも違う、言葉の端々が冷たいというか…

「……こないだ、歓楽街から一人でちゃんと帰れた?
 怪我の具合あんまり良くなかったみたいだから少し心配だったんだけど」

じっと見つめてくる

霜月 零 > 「ん?ああ、あの白椿ってのに治してもらったんだ。もう大体平気だな」

笑って言う。本人としては、単に治してもらって、道案内をしたというだけである。

「まあ、その対価っつーかなんつーかで、道案内させられたけどな。案外細かい地理わかってねぇもんだ」

困ったように肩をすくめる。思った以上に学園の細かい地理を自分が分かっておらず、ちょっとショックを受けたものである。

雪城 氷架 > 「へぇ…治してもらったんだ。良かったじゃん」

やはり他所よそしい感じの言葉尻

「道案内ねー」

ふーん、と言った態度
やはり何かがおかしいようである

霜月 零 > 「…?どうした?やっぱちょっと様子おかしいぞ?」

首をかしげつつ顔を覗き込む。鈍感なのもあるが、そもそも見られていると思ってないので余計に心当たりに行きつかない。

雪城 氷架 > 「別に、何でもないって言ってんじゃんか」

ふい、と顔をそらす
頭の中では整理もついていたし、まぁ零に限ってそんなことはないこともわかっている
けれどいざ零の顔を見るとあの時の光景を思い出してなんだかいつもどおりの接し方ができないのだ

「で…な、何か話があるんじゃないのか…?」

霜月 零 > 「なんでもないって感じじゃないけどな……」

首をかしげつつ、うーんと思い悩む。何かやってしまっただろうか、やはり場所のチョイスが良くなかったのだろうか。
あ、もしかして道案内か?でもそれを言う前から不機嫌だったし……ともやもや。見られたとは思っていない。

「まあ、とりあえず……話はあれだな、芙蓉だ。調子がおかしそう、とかないか?」

雪城 氷架 > 「しつこいな、なんでもないってば」

強引にその話を打ち切る
自分でも説明できない心境なのだ、どうしようもない

「芙蓉…?なんで芙蓉。
 ………さては零がグエンってのとやりあって怪我したことと何か関係あるんだろ」

じとーっと見つめる

霜月 零 > 「いや、それ以前だ」

溜め息を吐く。調子が悪そうなのは、ちょっとどころじゃなく気にかかるが……後でじっくり話を聞こう。
取り敢えずは妹のことである。

「あいつ、また虞淵とやり合おうとして……できずに、負けたらしい。
相楽っていう、あいつの彼氏が何とかしてくれたらしいが、それで随分と自信なくしててな。話す時、目が死んでやがった。
だから、そっちでも不調を見せてないかって思ってな……後、出来ればケアしてやって欲しいんだ。俺も頑張るけど、やっぱり友達、ルームメイトってのはまた特別だろうからな」

雪城 氷架 > 「…はぁ?なんでまた…」
芙蓉が復讐に燃えるようなタイプとも思えない
そして、やりあおうとしてできずに負けたというのはどういうことなのか

「…私が感じたことは何もなかったよ。
 多分芙蓉のことだ。私達に心配かけまいと普通に振る舞ってたんだろ。
 …零は兄貴だから、弱みをちゃんと見せたんだよ。
 わかった、それで理解できた。
 だから零が唐突にそのグエンってのとやりあうことになったんだな。そうなんだろ?」

霜月 零 > 「風紀としての警邏中にばったり、だそうだ。
で、仲間逃がして立ち向かおうとしたけど、トラウマが邪魔してろくに弓が引けなかったらしい。
いや、すぐに引けなくなった、か……なんだかんだ、あいつの中で虞淵への恐怖心は中々ぬぐえてないみてぇだ」

苦虫を噛み潰した様な顔で口にする。
妹に消えない傷を、体にも心にも残されたのだ。これで怒らない兄がこの世にいるだろうか。

「正確には、あいつの代わりにでもと思って見回りのまねごとをしてたらばったり、だな。
ったく、無駄に強がってんのか……あの馬鹿」

ぎり、と歯軋りの音。無意識に、強く強く拳を握りこんでいた。