2015/07/11 のログ
アルフェッカ > 検査室に残された二人きり。あの男達は、もう居ない。
油断は禁物だが……注意さえすれば、さっきまでよりは大きく動いても大丈夫だろう。
ならば

「――――」

両手の掌を、何かを受け止めるような形にする。
そのまま集中すると、掌から小さな光の粒が浮き上がり、それが空中で鈍く輝く固体となる。
まるで立体パズルがひとりでに組みあがるかのような光景。
やがて、組みあがったそれがぽとり、と掌に落ちる。

「…自分のエネルギーを使って、こんな風に何かを創る事が出来ます。
構造を知ってて、再現できる必要があるし、モノによっては時間もかかるから、大した事のない能力ですけど、ね。
何より、エネルギーを使いますから。何も無い所から、作れる訳じゃないんです。」

苦笑しながら、組みあがったモノ…五センチ程の、簡素な装飾がされた、鉄で出来た盾の形のキーホルダーをクラスカに渡す。
調べれば、紛れもなく鉄で出来た物である事が分かるだろう。

クラスカ > (両の手を軽く開いた形に留めた様を見守れば、光の粒子が縁取られてゆく)
(無から生み出された有の正体が、地球上に存在するありふれた物質の鉄だと分かったのは、キーホルダーを受け取ってからだ)
(未だ眼前で展開された、奇跡にも近い所業がにわかに信じられず、何度も何度も、指で盾を摘んでは擦り、感触を確かめる)

見事な力だ、驚きました。
(キーホルダーを強く握ると、ありがとうございます、と礼を述べ)

エネルギー……ですか。すいませんね、それなのに力を使わせてしまって。
(思い出すのはアルフェッカから抽出された輝きの混ざる液体)
(プロフィールには「人外」とだけ記入されて、スーツの大人たちからも聞かされなかった正体について、可能性の予想は立つ)

(そんな些細なことよりも、先に)

(書類の束を叩き、胸を張る)

ともあれ、お疲れ様でした。
後は僕が報告書を書いておきますので。これ、先に渡しておきますね。

(ズボンのポケットから取り出したものは、アルフェッカの名前と顔写真が記載されたプラスチックのカード)
(一般的に使われている常世学園の生徒証明証に、違いない)

アルフェッカ > 「あはは、これが無いと、いざと言う時色々困りますから。
それに、エネルギーの消費も、その位なら大したものじゃないです。」

自分を気遣うクラスカの言葉に、笑いながら返す。
空元気ではなく、実際、エネルギーの消費はさほどでもない。

「――あと、もう一つ。物質の組成を変えて、別の物質に再構成する事が出来ます。
これも、私が大きな傷を万一負った時に無いと困る事になる物ですし、人や生き物に使ったり、経済を滅茶苦茶にする使い方は出来ないようになってるので、其処は安心して下さい。」

もう一つの「機能」についても、口頭で明かす。

そして、クラスカからの労いと共に、一枚のカードが差し出される。

「――これ、学生証…ですか…。」

まさか、即日の発行とは思わず、少し震える手で差し出されたカードを受け取る。

クラスカ > (『体内エネルギーを活用し、構造を認識済みである物質を構築できる』)
(『また、組成組織を変質させての再構築も可能』)
(『た だ し 双方とも限定状況下に限り、自在には扱えない』)

(規則正しい筆記音で余計な一文を足した記録を書き留めながら、魔術の中でアルフェッカの説明する内容と合致する手段があると連想する)
(錬金術。極まった術者は人すらも想像すると謳われる、世界の摂理をも覆しかねない文字通り神の所業)
(異能はともかく、魔術畑でも彼女に執着を示しそうな人間は、多そうだ)

よし、と。終わり!
(最後の文末にマル、を記す)

(信じ難い、と言いたげな新入生には、また人の良さそうな笑みを作る)
(髪の気が揺れると、分厚い前髪に隠されていた深いブルーの瞳が現れて)

ええ、異邦人の方には入学基準を結構甘めに取ってるので。
前準備はあんな風で時間取っちゃいますが、安全が確認できれば入学自体はすぐなんですよ。
軽々しく異邦人に入学の許可を出すなって声も多いし、入学した人が問題を起こすことも多々あるので、良く学園議会の槍玉にも上がりますけどね。

アルフェッカ > 突然の事で少し呆然とした頭に、クラスカの言葉が染み込む。
つまり、これは。

「――あ、ありがとうございます!」

歓喜の表情で、クラスカに深々と頭を下げる。
もう、これで誰かの眼を気にしながら、びくびくと街を歩く事も無くなるのだ。
無論、此処の学生となった以上は、守るべき義務も生まれるだろう。
それも受け入れての、今回の選択だ。喜ばずして、どうしろと言うのか。

「本当に、ありがとうございます! 迷惑をかけたりしないよう、頑張ります!」

喜びが強いのか、拙い言葉だが、学生として頑張るという、アルフェッカなりの意思表示であった。

クラスカ > (アルフェッカの入学願書が出されるより少し前)
(異邦人である獣人が貧困から窃盗を繰り返し、風紀委員か生活委員か責任の所在で揉めたことがあった)
(論点は異邦人をどう扱うか、という点に終始し)
(学園で学ぶ意思を認めるならば正常な生活を送れるよう早急な対処を、との結論に落ち着いた)
(異邦人に対する処遇は、過去の事例からも如何なく活かされている)

いやいや、生活委員として当然のことをしたまでですよ。
感謝されると仕事にやる気出ちゃうなあ。
(のほほんと赤みの差した頬で手を振りながら、静かな声色に変わり、言葉を漏らす)

アルフェッカさん。知っての通り、この島には善人も悪人も、大勢います。
もしかして、明日には僕が死ぬかもしれないし、あなたが遺体で発見されるかもしれない。
ここは非日常と理不尽が支配する箱庭だから―。

でも、あなたの選択が正しいものであったと。。
卒業の暁には、学園で過ごした日々が、記憶に刻まれる無二の日々だと胸を張って言えるような。
どうかそんな、後悔ない生活を送って下さい。

(左手を曲げて腰の後ろに)
(右指で摘むキーホルダーを、ベルのように軽く揺らして)

ようこそ、常世学園へ。入学、おめでとうございます。

(軽く頭を下げ、歓迎の挨拶と共に、新たな一年生を迎えた)

アルフェッカ > この島には、善人も悪人も、大勢がいる。
入学を決める前に出会ったのは、殆どが良い人達だった。
だが、これからは違う。
さっきの出来事もしかり。人と会う機会が増えるという事は、それだけ悪人に、狡猾な人間に出会う機会が増す事も意味する。

それでも、自分の選んだ道は正しいものだったと思いたい。
ならば、それを成すはクラスカが示した通り。
後悔のない、日々を。

「――――はい! よろしくお願いします!」

クラスカからの入学への祝辞と、歓迎を受け、アルフェッカも力強く返事を返した。


「――そういえば、これからの住居とかどうすればいいんでしょうか?
今は、偶然知り合いになったここの教員さんのご厚意でホテルに泊まってますけど、寮にはすぐに移る事が出来ますか?」

学生になった以上、いつまでもあそこに居る訳にもいかない。
なるべく早く、移れるのなら移りたいものである。

クラスカ > (清濁正邪全てを飲みこんで常世島は往く)
(二人の出会いが大きな潮流の中での、小さな欠片に過ぎないとしても)
(今日の邂逅は、世界に一つだけ)

ホテル?寮と比較するならそっちの方が設備的にも―
(女子寮ならば、一概にはホテルが上とは言えないか)
(口調からすると、庇護下にある現状から脱出したいように思えた)
(どこまでもアルフェッカは、真面目な生徒のようだ)

そうでもないかな。
女子寮なら申請出せばすぐ入寮できますよ。
こういうケースのために、常に空き部屋は確保してくれてるはずなので。

(長机の上から大きめのタブレットを取り、指で液晶を弾いてスイスイ左右に操作する)
(画面には分かりやすく大きな文字で「女子寮 空き部屋 アリ」と表示されていた)

ん、大丈夫ですね。寮の場所分かります?

アルフェッカ > 「すぐ入れるんですか…良かった。茜さん…じゃない、もう生徒だから、茜先生にお世話になりっぱなしにはいかないですから。」

片翼・茜という教員の事、そして、彼女からのアドバイスから入学を決意した事を手短に話す。
今滞在しているホテルは、宿泊料金の安いビジネスホテルだが、それでも長居は負担が大きいだろう。

「寮の場所も、大丈夫です。こっちに来てすぐに、生徒の子に教えて貰ったので。
ホテルのチェックアウトが終わったら、直ぐに行けます。」

クラスカの問いに答える。
あの時教えて貰った事が、此処で生きて来るとは。
縁とは不思議なものである。

クラスカ > なるほど、学園の教師の人に導かれて、と。親切な人ですね。
(片翼・茜という人物は知らないも、件の獣人の入学を手引きしたのも、別の講師だったはず)
(流石に人生経験を重ねているだけあって、人を説得するだけの力は持っている)

それじゃ、当面の生活は平気そうですね。
学用品は寮母さんに申請したら文房具とノートは支給してくれます。
寮の消灯は夜10時なのでそれまでには帰ること。
講義に必要な教科書とかは、学内の学生課で申請。
あーとーはー。
(指折り注意点を数える。校則だとか学食だとか正直挙げればキリがない)

アルフェッカさんはしっかり者なので、大丈夫でしょう!
(アバウトな回答。実際体当たりでもどうにかなる)
(異邦人で一通りの苦労を経験している以上、適応も早いだろうと)

アルフェッカ > 「成程成程…分かりました。」

教えられた注意点をしっかりと確認し、記憶する。
色々と数が多いが…。

(ま、何とかなるよね、きっと!)

前向きに、と言うより前のめりに行く事にする。

「最初から最後まで、本当にありがとうございます。
そして、これからもよろしくお願いします。」

今日の検査を担当し、そして助けてくれたクラスカに感謝と、そして、一人の生徒としての挨拶を告げる。

「――後は、特に何もないようだったら、ホテルをチェックアウトしてから寮に移ろうと思っていますが…大丈夫ですか?」

クラスカ > えーと……。
(脳内でのフローチャートを整理する)
(入学の手続きに関しては問題なし。必要事項の確認は済んだし、後は報告書を上げるだけでいい)
(逃げ出した黒服の男たちの処遇は、おいおい)
(食事も寝床の確保も完了。予想外に肉体面も精神的もタフで、十分にやっていけるだろう)
(明日から学び舎で講義を受けてもらえばいい)

(黒く染まった形なき樹形図を破棄すれば、一つ頼みごとを)

一点だけ。今生活委員会は、仕事が山積みで忙しいので。

よかったら、同僚として僕らと一緒に仕事をすることを検討してくれると。

嬉しいかなって。

(不躾な勧誘に申し訳なさも感じる)
(アルフェッカは貴重な人材だ)
(異邦人に対しての理解が深く、自らが得た体験を直接業務に活かすことができると期待して)

アルフェッカ > 「同僚…ですか…。」

突然の勧誘に、面食らう。
…この学園を動かすのは委員会。
行政機関とも言える其処に、まさか一新入生の自分が誘われるとは思わず、アルフェッカはきょとんとする。

だが、直ぐに気持ちを持ち直す。
何もクラスカも、今ここで返事をくれと言っている訳ではない。
「検討してくれると嬉しい」、と本人も言っている。

「お誘いは――うん、とても驚きました。あ、嫌だ、って意味ではないよ?」

笑顔で、クラスカに答えを返す。

「でも、私はまだこの学園に来て間もない。生徒としては、本当に始まったばっかり。
だから、まずは色んな物を見て、色んな人に出会って、色んな事を知りたいの。
…返事は、それからでもいいですか?」

ちょっと困ったような笑顔。
クラスカと同じように、アルフェッカもまた申し訳なさを感じている。

クラスカ > (機密を旨とする公安などはともかくとして、基本的に委員会は門戸を広く開放している)
(早い段階から委員会で経験を積みコネを作り、やがては常世財団の中枢へと登る足掛かりにとの野心抱く生徒もいれば)
(単に給料が出るからとアルバイト感覚で就く生徒)
(正義感や使命感に突き動かされる生徒)
(理由も背景も様々。クラスカも最初は単に勧誘されただけに過ぎなかった)

(今は割と気に入っているし、楽しんでいる)


(「ごめんなさい無理です」とバッサリいかれる予感とは裏腹に、案外感触のいい返事)
(どう転ぶにせよ、時期を待つのが正解か)

ええ、もちろん。
他にも委員会も、部活だってありますからね。アルフェッカさんのやりたいことを探して下さい。
でも「違反部活」は誘われても入っちゃダメですよ。風紀と公安に追われますからね。

(人差し指を立てる。あえて説明はせずとも、文字面だけで伝わるとして)

アルフェッカ > 「違反部活…はい、気を付けます。」

以前に茜から教えられた「落第街」の件といい、やはり此処には陰もまた、存在するのだとアルフェッカは実感する。

「ワガママを聞いてくれて、ありがとうございます。出来るだけ、早く返事を出せるようにしますね。」

手に持っている学生証を、大切にポケットにしまう。

「改めて、今日はありがとうございました。チェックアウトの手続きがあるので、これで失礼します。
――次は、学校の方で。また、会えたら嬉しいです!」

笑顔で一礼し、アルフェッカは検査室を退室する。
そのままホテルのチェックアウト手続きに向かうのだろう。

ご案内:「生活委員会棟・入学検査室」からアルフェッカさんが去りました。
クラスカ > はい、また。遅くならないうちに寮に行って下さいねー。
(退室の間際に、滑り込ませて張り上げた声を掛け)


ああそうだ。
(ふと、我に帰り真顔になる)
(人の気配が失われた部屋に残るのは、面接に使われた道具のほか、いくつかの長机とパイプ椅子)

後片付けしなきゃなァ~。


(※受付をしていた生活委員会が手伝ってくれました)

ご案内:「生活委員会棟・入学検査室」からクラスカさんが去りました。
ご案内:「風紀委員会本部」にレイチェルさんが現れました。
レイチェル > 「こいつは……」
試験明け。
本部にある自分の机の上を見たレイチェルは、
思わず目を見開き、そして肩を落とした。
上司から言い渡された分の書類を、今日中に片付けねばならなくなったのだ。
しかし、まさかこんなに大量にあるとは。

『毎日毎日訓練、それも結構だがたまには書類仕事もするように。なぁに、
 そんな大した量ではないさ』

などと。簡単に言ってくれていたが、目の前の書類はレイチェルの頭2つ分
くらいに積み重なっている。

レイチェル > 「しょーがねぇな……」
しぶしぶ、席に座って書類にペンを走らせる。
風紀委員である以上はこういった仕事もしなければならない。
分かっているのだが、こういった地味な仕事はそこまで好きな訳ではなかった。
量がこれほどとなれば、尚更である。
覚悟を決めたレイチェルは、書類の山に手をつけていく――。


(そういや、結局風紀委員の装備を支給されてから、現場で動いて
 ねぇな……)
そんなことをふと思い出しながら、レイチェルは小さく溜息をついた。
書類仕事を任されたのは、今日が久々、という訳ではない。
実はこの書類、小分けにされた一部なのだ。
数日前にも、同じように書類の山が机の上に置かれていた。
何とか片付けたが、山を取り払うのに2日はかかった。

「……上には悪ぃが、ちょいと出張るとするか」
支給されたバイクの操縦に慣れる必要もある。
今日あたり、外へ出てみるのも悪くないだろう。


そんなことを思いながら書類を片付け、レイチェルの
穏やかな朝が過ぎていく――。

ご案内:「風紀委員会本部」からレイチェルさんが去りました。
ご案内:「風紀委員会本部」にレイチェルさんが現れました。
レイチェル > 「さぁて、と……大分書類の方も片付いたか……これ以上の追加が無い
 ことを願うばかりだぜ」
ぽとり、とペンを置いてレイチェルは仰々しく両手を上げ、
ふあぁ、と小さく欠伸などする。

「ま、とりあえず今日の仕事はこんなもんか……少なくとも、
 デスクワークはここまで、と言ったところかね」
手元のコーヒーに手をやり、口元へ運ぶ。
穏やかな時間が流れている。

レイチェル > 書類の山は、今や凄まじい量となっていた。
我ながらここまでよく片付けたものだ、と。
そんなことを思いながらレイチェルは頬をかいた。
無言のままにコーヒーを飲み終えた彼女は、空のコップを置くと、
立ち上がった。

「さて、と。見回りでもしてくるとするか」
そう言って、クロークを翻して風紀委員会の本部、その出入口へと向かう。

レイチェル > (さて……五代先輩からは鳴鳴を追うように、なんて言われたが……)
思案する。
手当たり次第に捜し回るなど愚の骨頂。
何にせよ、情報を集めなければ話にならない。
対抗する装備は手元にある。だが、たどり着く道筋が無ければ
その装備も何の役にも立つまい。
ならば接触すべきは畝傍か、その他の人物か。

ご案内:「風紀委員会本部」に白崎玲刃さんが現れました。
白崎玲刃 > 【風紀委員会本部の入口から窓口へと向けて歩いてくるへと歩いてくる人影があった
玲刃である
彼は、以前自動販売機から入手した、たぶん核融合缶について問う為に、
製造元と書かれていた風紀委員会の本部へと問い合わせに来たのであった。
明らかに、迷惑である。】

レイチェル > 「ん、あいつは確か……」
窓口の横を通り過ぎる際に見かけた人影。
記憶が確かならば、あの男は白崎玲刃。
以前に、五代先輩からそれとなく協力を持ちかけるように提案された
こともあった。結局接触することは無かったのだが。

彼の姿を認めれば、近場でその様子を窺っていることだろう。

白崎玲刃 > 問い合わせたい事があるのだが、
製造元がそちらだという、たぶん核融合缶という飲料についてなのだが、何処で販売しているのか知らないだろうか?
【風紀委員会の窓口へと着いた彼は、
窓口に居た担当に要件を聞かれ
率直に真剣な表情で冗談としか思えない事を問うのであった。

たぶん核融合缶を求める彼は真剣であり、
様子を覗うレイチェルには気付かず、窓口からの返答を待っているのであった。

とはいえ、窓口も突然訳の分からない事を聞かれ唖然としながらも、
どうするべきかと対応を上に確認している様であった。】

レイチェル > (はぁ? 核融合缶……?)
白崎の問い合わせている内容を聞いて、思わず眉をひそめるレイチェル。
そんな素っ頓狂な問い合わせを目の当たりにすれば、当然である。
窓口の者があたふたして上へ問い合わせをしている間に、白崎の元へ近寄る。

「そんなもん聞いてどうするつもりだよ、白崎玲刃?」
率直に、質問をぶつけるレイチェル。
刑事課に属する者として、取り調べのように威圧的に問い詰めるような態度では無い。
ただただ不思議そうに、そんなことを聞くのだった。

白崎玲刃 > ……無いならあの自動販売機を探すしか無いか…
鳴鳴に対抗出来る手段をそうそうに得なくてはいかぬのだがな…
【窓口の担当が上に確認している間、
もし情報が得られないならば、どうするべきかと悩みながら玲刃は呟きを洩らす。

以前、鳴鳴が他の異形の者を喰らって力を蓄えていた以上、対抗手段を早々に手に入れ無くてはならぬと考えていたのであった。】

……!?レイチェルか?あの時以来だな。
あれを知ってるのか?
ああ、いや、あれの効果を上手く使えば弱点を付けそうな相手がいてな…
【考えながら呟いていた所に突如声を掛けられ驚きながら、
その相手が、炎の巨人との戦いの時に共闘した相手、レイチェルだと気付き炎の巨人との戦い以来だと挨拶する。
そして、質問をぶつけられ、知っているのかと問いながら。
用途について正直に応える。
ただ、レイチェルが鳴鳴の事を知っているとは知らない為下手に巻き込まぬ為に、それについてはぼかすのであった。】

レイチェル > 「いや、全然知らねー。多分上に聞いても知ってる奴が今出てくるかどうか」
肩を竦めて見せるレイチェル。
レイチェル自身、風紀委員ではあるが、そんな名称の商品など聞いたことも無かった。


「弱点って……お前、何やらかすつもりだよ。
 核融合なんて……そんなもん引っさげて、何と戦うつもりだ?
 大怪獣とでも戦うつもりかよ」
胸の下で腕を組んで、そう問いかける。
核融合缶の効果は知らないので、とてつもない威力のものを想像しながら、
そんなことを聞くレイチェル。
依然、威圧的な口調ではないのだが、少し怪訝そうではある。
何かをぼかしていることを、何となく察しているのだろうか。

白崎玲刃 > ……?ああ、知らないのか。
核融合缶ってのはただの名前で、あれは飲んだら体が燃えるってそれだけのやつだ。
ただ、燃えながらも自分の身体には殆どダメージが無いという驚きの飲料でな。
【レイチェルがたぶん核融合缶について知らず、効果を勘違いしている事を察し
たぶん核融合缶の効果について語りる。
しかし、身体にダメージは無くとも服には大ダメージではある。】

大怪獣……下手するとそれよりももっと悪辣な奴だ…
【大怪獣と聞きながら、悪魔の岩礁跡の中で鳴鳴が、
触手の生えた巨大な異形の者をとり込んでいたのを思い出し
苦笑いしながら応える。】

レイチェル > 「へー……身体が燃える、ねぇ。炎のエンチャントみたいなもんか。
 核融合缶に関しては全く分からねぇが、エンチャントの本なら
 図書館から借りたのがあるが、読むか?」
そう言って、クロークの内に手を滑らせつつ。
要望があれば本を取り出す構えだ。

「怪獣よりも悪辣、ねぇ。そいつは風紀委員としては聞いておく必要がありそうだな」
顎に手をやるレイチェル。そして、脳裏を過った単語を小声で白崎に伝え、問いかける。
「もしかして、ロストサインの面々か?」

白崎玲刃 > すまない、俺は元々魔術の才能の方は乏しくてな…
自分用に調整して創った魔術しか使えないんだ。
一応、自分もエンチャント出来るんだが…俺のエンチャントの場合、消滅と隣り合わせという危険があってな…
【レイチェルの厚意を申し訳なく思いながらも理由を言って断る
実際、炎のエンチャントならば、水に部類される概念を持つ攻撃が来なければ消滅の危険は無いのだが
鳴鳴がどのような攻撃手段を持つか変わらない以上、危険過ぎると判断するのであった。】

………良く分かったな…
【玲刃はレイチェルから突如放たれた言葉に驚いた表情をしながら肯定し頷きを返す。】

レイチェル > 「消滅と隣合わせ、か。そいつはそうそう使えるもんじゃねーだろな」
そう返されれば、クロークから手を抜き出す。

「一応、風紀委員だぜ? 学園の事情には一般生徒よか詳しいのさ。
 今動き出してるロストサイン、そいつらの事も一応把握はしてるさ。
 そこまであれもこれもと詳しくは知らねーがな」
レイチェルは、ロストサインについては幾らかの知識は得ている。
ロストサインに対抗する為の人員として、風紀委員の中から
選抜された時に、五代から教わっただけの情報しか知らないのであるが。

「今は鳴鳴って奴を追おうと思ってるとこさ」
ロストサインに敵対意識を抱いているらしいこの男ならば教えても問題無いだろう。
そう判断したレイチェルは、その名を口にした。

白崎玲刃 > ふむ、流石風紀委員といった所だな
それなりに把握してるわけか。
【風紀委員と言えば、蒼穹もそうであった事を思い出し、
目の前のレイチェルは、玲刃が以前ロストサインに雇われていた事に関しては知らない様だと判断し
やはり、それに関しては何者かの手で隠されてるのだなと推測する。】

鳴鳴……ははは、もの凄いタイミングだな。
俺も丁度、鳴鳴に対する対策手段を求めていた所だからな…
さっきの、たぶん核融合缶の件に関しても、鳴鳴に対する対抗手段の一つにと思っていたものでな。
【鳴鳴という名前が、レイチェルの口から出た事に驚きと共に笑う
もの凄いタイミングだと笑うのであった。】

レイチェル > 「ま、あくまでそれなり、だがな」
そう言って、改めて肩を竦めるレイチェル。
白崎のことに関しては、レイチェルは直接伝えられていない。
何者かの手による隠蔽、白崎の思うことは正しいのかもしれない。

「へぇ、成程。そいつは興味深いな」
鳴鳴に関しては、まさについ先日風紀の五代から調査をするように
提案されたばかりである。

「先も言った通り、核融合缶に関してはオレは協力できねぇが、
 な。同じ敵を討とうとしているならそっちの協力は出来そうだぜ。
 鳴鳴に関して、お前の知ってることを教えてくれるか?」
そう問うて、白崎の様子を窺う。

白崎玲刃 > ふむ……鳴鳴についてか。
いいだろう。ただ、俺もそんなに詳しいというでも無いがな…
今日。図書館で得たばかりの知識による個人的な推測も含まれるが構わないか?
【と前置きをしつつ、鳴鳴について語り始める。】

とりあえず、奴は、元ロストサインのマスター、二つ名は腐条理だ。
これについては、鳴鳴について知ってるなら知ってるな?
そして、ここからが本題だが、俺の見識だと、奴はロストサインのマスターの中でも強力な部類だ、
【自身が過去に戦った戦創屋と比べても強力だと推測しながら語る。】

おそらくだが、神にも相当する存在で、祠も存在するらしい、これは知人に聞いた事だ
そこに祀られてる名前は鳴羅門火手怖だ。
おそらく、俺が推測するには、クトゥルフ神話における、ナイアーラトテップと同一のものもしくは、化身だと思われる。
【そして、畝傍に聞いた鳴羅門火手怖について、自身の推測も加えながら告げる】

そして、明記するならば、奴には一人だけ確実に仲間がいる、石蒜という奴だ。
そいつに関しては奴に歪められた結果でもあるわけで…元の人物は俺の知り合いという事もあって
可能ならば助けたいとは思っているのだが…
【そして、石蒜について伝えつつ、
どうにか鳴鳴を倒した後、石蒜への処分を止められないかと考えながら告げるのであった。】

あと言うなら、石蒜とは何度か対峙した事があるが、石蒜には拘束は効かないという事実もある、
おそらく、石蒜は鳴鳴と同一の存在にされたと語っていた事からも、鳴鳴にも拘束は効かないと思われる。

そして、もう一つ、実を言うなら俺は先日、岩礁の辺りにある洞窟の奥で鳴鳴と遭遇した。
その時には命からがら逃げられたわけなのだが…その時に感じた事としてな、今の実力では確実に敵わないと、それだけの力量差は感じられた。
だからこそ、対抗出来るだけの手段を求めてるって訳だ。
更に言うなら、その時に奴は別の異形を喰らって更に力を蓄えていた…
【そして、自身が、石蒜や鳴鳴に邂逅した時の事をもいだしながら告げてゆく。】

あとは、そうだな。奴は、享楽に生き、人間で遊ぶのが好きと語っていたな。
おそらく、放っておくのは危険な部類だと思われる。

そして、最後に、先程得たナイアーラトテップについての対策手段についての情報を言って終わりにするとしよう。
奴は、生ける炎と言われる、クトゥグアが天敵だという、そして、それから転じて、炎自体を弱点であるとする説が存在するってわけだ。
さて、俺が知ってるのはこれくらいだな。
【そうして、鳴鳴について自身が知っている情報を全て語ると、
一呼吸溜め息を吐いた。】

レイチェル > 「おう、長々と感謝だぜ」
白崎の語る全てに、時折頷き、時折頭を抱え。
その全てを頭に叩き込んだ。

「大体分かった。知らない情報もあって助かったぜ。しかしナイアーラトテップか、厄介なことだぜ」
岩礁の辺りにある洞窟。レイチェルにとっては初耳であった。
そして、クトゥルフ神話における神性。レイチェルにとってクトゥルフの名状しがたい者共は、
決して知らない相手では無かった。
魔狩人をしていれば、少なからず接触、或いは対峙することのある相手である。
眷属クラスであれば、その頻度はそれなりのものと言っていい。
あくまで、数ある『魔』の内の一部、というだけであるが。
流石に神格を相手取ることはそうそう無いのだが、その存在については既知のものである。
勿論、その全てを、という訳ではないのだが。


「まぁ……炎があれば、確かに、完全に滅することは出来ないかもしれねーが、多少効くかもしれねーな。
 クトゥグア、クトゥグアか。そう簡単にぽんぽん召喚できるようなもんでもねーしな。
 マッチで良いんだったら貸してやらなくもねーが」
などと、冗談っぽく笑いながら。


「ま、同じ奴を追ってる以上、今後また共闘する機会があるかもしれねぇ。そん時はまぁ、よろしく頼むぜ」
そう言って、握手を求めた。

白崎玲刃 > ああ、今伝えた情報が役立てば良いがな…
奴は厄介な奴だ。
ははは、流石にマッチじゃあな。
まあ炎なら炎で別の系統の神性のやつに関連する物のあてならあるんだけどな。
【玲刃は、クトゥルフ系の異形との戦闘経験は殆ど無かった為
今回はまずそれについて知ることからで合ったようだ。
そして、玲刃も冗談めいた苦笑いで返した。】

ああ、そうだな。
そちらも元ロストサインと戦うのなら共闘する機会もあるかもな、
そのときは、こちらからもよろしくだ。
むしろ、風紀委員の助力なんてのは心強い限りだ。
【レイチェルの言葉に強く頷き、握手を返す。
炎の巨人との戦いの時に、レイチェルの実力を見ている玲刃は、協力関係が築けるのであれば心強い限りであると考えるのであった。】

レイチェル > 「いや、ありがたいぜ。助かった。ありがとよ」
そう言って、笑う白崎に対してレイチェルもまた、ふっと笑いながら、
改めて礼を言う。

「おう。助かるといいな、お前の友人。無事で帰ってくることをオレも願ってるぜ」

そう言うと、クロークを翻す。

「さて、そろそろ見回りに行ってくるとするぜ。多分、そろそろ上の方から核融合缶に対する
返答も貰えることだろうよ」
そう言って、背を向けて出入口の方を向いた。

白崎玲刃 > ああ、そうだな。
じゃあな。友人の無事願ってくれてありがとうな。
【そういうと、窓口へと振り向こうとしながらも、
去ってゆくレイチェルに手を振るのであった。】

ご案内:「風紀委員会本部」からレイチェルさんが去りました。
白崎玲刃 > ……ふむ、やはり全くその様な物を製造していたという記録は無い…か。なら仕方ないな…
【そうして、窓口へ振り向いた玲刃へと帰ってきた返答に
少ししょんぼりしつつ、玲刃も風紀委員会の本部から出て何処かへと歩いて行くのだった。】

ご案内:「風紀委員会本部」から白崎玲刃さんが去りました。