2015/06/13 のログ
松渓 つばめ > 正面に見える、長方形の入り口。雨と鮮やかな駄菓子で彩られた先の人通りは、そう多くない。
一瞬だけ、非日常が日常と化した学園都市から、自分たちの空間が切り離されたかのようにも思える。
バニラビーンズのなめらかさが雨の香りに溶け、自分に何かまじないでもかけたのだろうか?
「進路……進路、ねぇ」

松渓 つばめ > 一応、というのも変だが、常世学園は学校であり、卒業したあとの事を考えるのは当然と言える。
とは言え、早くても3年末、普通は4年中盤以降からがそういった活動に力を入れるものなのだが。

「そりゃあ、世間には留年わざとしまくってる連中もいますけどね?」
がぶり、と一口。甘くて良い、とても良い。
つばめ自身は、まったくそういうつもりはなかった。4年で卒業するのを絶対としている。

松渓 つばめ > で、その後、だ。進路指導にまで顔を出しているわけではないが、1、2年の段階から多少なり何かしている人たちがいる。つばめ自身、そのうちの一人でもある。ただ、何をしたらいいのかまではわかってない、うちの一人でもあるが。

アイスを舌で転がす。溶けていく舌触りに、多少大きすぎるのを買ってしまったか、と僅か思う。

自分が卒業すると、あのアパートはきっと取り壊す日程が決まることだろう。
今は学生が住んでいる、という理由で延命しているような塒(ねぐら)だ。

松渓 つばめ > アタシもなーんか商売系の部活やってみる、かな?と思って辺りを歩いてみたわけだが……
いまいち、琴線に触れるような商売は見つからなかったらしい。
とはいえ。

ブルーになってもしかたない、そう思いながら、まとめて口の中に入れた。

ご案内:「商店街」から松渓 つばめさんが去りました。
ご案内:「商店街」にテリメーラさんが現れました。
テリメーラ > (電話・・・電話・・・たしか、電気屋さんだよね)
と、いうことで、目ぼしい友人も見つからなかったので、とりあえず一人で携帯電話の下見。

ここまでは問題ない。
別に眺めるだけなら一人でできる。
問題は、少女の頭の中で電話のイメージが黒電話なことだ。

テリメーラ > 電気屋に入ってまず目に入ったのは大きなテレビの群れ。
大量に映る人、人、人・・・。
全員同じ動きをしている。

流石に箱の中に人が!!なんてそこまで無知でもないが
「これだけならんでるとなんだか怖いかも・・・。」
できるだけ離れて次のエリアへと向かうことにした。

テリメーラ > お次はスマートフォン売り場。
こここそが、目的地。
あっさりと着いてしまっているのだが
(ここは小さなテレビがたくさん・・。電話じゃなさそう。)
と早とちりも良い所。
漢字が読めれば電話に気付けたかもしれないが、そそくさと逃げ出してしまった。

テリメーラ > そして遠目に見える白物家電軍団。
流石にテリメーラでもわかる。
アレは電話ではない。
ドラム型洗濯機の形がなんだかお気に召したのか、(入ったらおもしろそう・・)と思い、ちらちらと見ながら、とおり過ぎて行く。

テリメーラ > 「!!」
そして気づいてしまった。
魅力的なおもちゃ売り場にッ・・・!!

その魔力は計り知れない。
島を覆う程の雲を作りだし台風を食らいつくすホワイトドラゴンの魔力をもってしても抗うことは叶わなかった。
引き寄せられるようにふよふよとそちらへ向かっていく。

テリメーラ > 「かわいい・・」
最終的についたのは、どうぶつ村のポンタと愛くるしいモンスターが血肉を賭けて殺しあうモンスター×ポンタ―のぬいぐるみコーナー。
ゲーム自体は良くわかっていないが、愛らしいイルカ的ぬいぐるみに心が奪われているようだ。

テリメーラ > (おっといけない、こんなことしてる場合じゃないぞ)
と、心の中のテリメーラが呟く。

が、体の方はぬいぐるみにゾッコン。
飽きることなくぬいぐるみをなでなでしている。

テリメーラ > (今日はお金があるからコレも買える・・!)
悪い考えが頭をよぎる。
なんてったって今日はスマホが買えちゃうくらいのお金を持っているのだ。
たかだか1000円ちょっとのぬいぐるみなど安い安い!

ゴクリ、と唾を飲んで値札を改めて確認する。

テリメーラ > 2000円・・
なんだかちょっとお高めな気もするが、普段他にお金を使うことも無いし・・・。

(ダメよテリメーラ!お母さんに無駄遣いしちゃダメって言われてるじゃない!)
まさに右耳に天使、左耳に悪魔、小さなテリメーラ達が囁いてくる。

テリメーラ > 買うべきか買わざるべきか・・
いや、圧倒的に買う理由も無いし買わないのも正解なのはわかっているが・・・
ぬいぐるみがそのつぶらな瞳で、買ってーと語りかけてきているような気もする。

「あああああ・・・」
何だか眺めれば眺めるほど泥沼に入っていく。

ご案内:「商店街」に洲崎さんが現れました。
洲崎 > そこの立派な尻尾の御嬢さん、何をしてるんだい?
(ぬいぐるみコーナーで頭を抱えている少女に白衣の様な物を
着た男が声をかける)

ご案内:「商店街」から洲崎さんが去りました。
ご案内:「商店街」に洲崎さんが現れました。
テリメーラ > 「買おうかどうか迷ってて・・」
普段だったら怪しい洲崎の様子にびくっと怯えて距離を取っているだろう。
しかし、今はぬいぐるみに集中しているようだ。
そちらをちらりとも見ずにじぃっとぬいぐるみを眺めている。

洲崎 > へー…なら、その人形買ってあげようか?
(狐のお面の様に目を細めた笑顔で問いかける)

君のその立派な尻尾の鱗を一枚くれれば、それとそのぬいぐるみを交換してあげるよ♪
(小さな少女に妙な交渉を持ちかける青年。傍から見れば
かなり怪しい、実際何人かの客は警備員を呼ぼうか
悩んでいるようだ)

テリメーラ > 「いや、お金はあるんですけど、お母さんに無駄遣いしちゃダメって・・。」
なおも真剣な表情でぬいぐるみを眺めている。
買ってもらえば無駄遣いはしてないからいいんじゃないか、という話のはずだが、真剣に悩みすぎて頭の中で話が一回転してしまっているようだ。

彼女の都合のいい耳には、交換条件の話は届いていなかった様だ。
しかし、大分そちらにも意識が行くようになり始めているので、あと一歩で、洲崎の方を向いて話すようになるかもしれない。

洲崎 > だから僕が買ってあげようかって事だよお嬢さん♪
そうすればそのお人形がお金を払わずに持って帰れるんだよ♪
(恐らくこちらの話は半分ほど聞こえているかぐらいのものだろう、
なのでお金を使わずに持って帰られるという事を主張して
こちらへの意識をアップさせようとする。

ついでにしつこく声をかけている事によって店員からの
不信感もアップした。)

テリメーラ > 「ほ、ホントですか!?」
ついに話を理解した様で、目を輝かせ洲崎の方を向いた。

が、もちろん知らない人。
一気に冷静になったのか、こっそりこっそり一歩引いて、不安げに洲崎の顔を見ている。
「な、なんで・・?」
さっきの交換条件を聞いていなかったのが明らかに伝わるだろう。
不審がり、理由を尋ねる。

洲崎 > それはね…君が欲しいからだよ♪
(引いて行ったのを見て悪戯気に笑う)

あはは、まぁ正確には君の鱗なんだけどね♪
(冗談を本気で捉えられても困るのできちんと
鱗が欲しいと説明しておく)

テリメーラ > 君が欲しい、という言葉を聞くと少女の目の色は変わる。

彼女の居た世界は人間と友好的に暮らしていた
が、少なからず竜の不死性を狙っている人間も居たのだ。
その様な人間に会ったときの母から言われた対処法は一つ。
“関わるな”

ぬいぐるみを棚に戻す。
最早こんなものはどうでもいいのだ。
例え冗談であっても彼女の警戒メーターは一気に臨界点だ。


「痛いからいや・・・」
と洲崎からの要求を突っぱねると、尻尾を見せないように、こそこそと後ろに下がっていく。
顔から感じ取れる情報としては、ほとんど臨戦態勢に入っていることと、かなりの恐怖を感じていることだろうか。

洲崎 > おやおや、まぁやっぱりいきなり鱗をくれなんて言われたらそう
なるよねぇ♪僕だっていきなり知らない奴に爪をくれなんて言われたら
全力で逃げちゃうし、うん。仕方ない♪
(少女の警戒を意に介さず勝手に話し始める。ハッキリ言って完全に
不審者だ)

まぁでも竜種としては良い答えだね、鱗どころかそのままレア物
狙いで逆鱗引き抜いたり剥製にしようとしたりする奴も
居るからなぁ…あぁ、残念だ♪(怖がらせてごめんね♪笑顔で
そう言っておもちゃ売り場から去って行く)

テリメーラ > 洲崎の話を聞く気は無いようで、ぐるる、と喉を鳴らしながらそちらを見ていた。

とりあえずは、洲崎は去り、姿は見えなくなった。
・・・が、それでも落ち着かない様で、辺りを警戒しながら、自分も遅れておもちゃ売り場を出て、そのまま家電量販店を出ようとする。

・・万引きを疑われて出口付近で店員に呼び止められてしまったが。

ご案内:「商店街」から洲崎さんが去りました。
テリメーラ > 服に収納スペースが無いことを示し、やっとの思いで外に出る。
が、未だに洲崎のことを警戒しているようで、店の外で待ち構えてはいやしないかと、きょろきょろ周りを見渡すと、さっさと雲にのり、高度2000mといつもよりずっと高い位置を目指して避難してしまった。

ご案内:「商店街」からテリメーラさんが去りました。
ご案内:「商店街」に遠峯生有子さんが現れました。
遠峯生有子 > 休日。
コットンニットの斜めがけ鞄にウサギとキリンのストラップを下げて、
ワンピースにスニーカーでぶらぶらウィンドウショッピングの午後。

遠峯生有子 > やはり学園都市といったところか、
飲食関係は充実しており、テイクアウトでクレープだのパフェだの
供する店の前では甘い香りとカラフルなトッピングにひかれて
ついつい足を止めてしまうが、

店員に声をかけられるとにこっと笑ってすぐにその場を離れる。

「おいしそうだけど。おやつも持ってきたし。」
と独り言。

遠峯生有子 > そういった店の間には小さめの書店もあり、文具店があり、花屋があり、
たまに気さくな店主の呼び込みを行う店では2~3言やりとりをしつつ
また進む。

途中ドラッグストアに立ち寄り、新しい髪留めと絆創膏を購入。
髪留め選びには30分かけた。

遠峯生有子 > ドラッグストアの袋を提げて、なおも商店街を進み、
鉱石を扱う店で立ち止まる。

すでにアクセサリー等に加工されたものに気を取られながら中へ入って行き、
原石の魔法的な効果を説明するディスプレイに立ち止まる。

遠峯生有子 > 店内に客が少なかったこともあり、
表示されたPOPのひとつひとつをじっくりと読みながら
うろうろ迷っていたが、店員に声をかけられ笑顔でかぶりを振る。

もともと鉱石など買う予定はなかったのだが、
魔法という言葉につい弾かれてしまったのだ。

若干顔を赤らめながら、笑顔で勧めを断っていたが、
途中でふと考え込み、その後10分ほど悩んで
一番小さいサイズのローズクォーツのビーズを3つ購入。

遠峯生有子 > 丁度斜交いの空き店舗の前に設置されていたベンチに駆け寄る。
「買っちゃったー。」
満足とも反省とも取れる表情で座り込み、
水筒を取り出して一口。

遠峯生有子 > ベンチにかけたまま、鞄を前に回し、
水筒と、先ほどから購入したドラッグストアや鉱石屋の包装を
仕舞いこむと、かわりに携帯端末を取り出す。

何件かのメッセージをチェックした後、
「んーと…。」
先ほどから立ち寄った店――買わずに出たものも含めて――の名前を、
順に小さく呟きながら、何か入力していく。

遠峯生有子 > 「…で、○○屋さん、パワーストーンが、た、く、さ
 え、なんでここでそういう変換になるかなあ。
 私そんなことば使わないよ。」
 ぷちぷち消して打ち直す。

ご案内:「商店街」にカミューさんが現れました。
カミュー > ととっ、と買い物袋を片手に騎士風のひとがそのベンチに近づいてくる。

「む…空き店舗になっていたか。残念でござる…。」
そのベンチの後ろにあるお店に用事があったようで。

遠峯生有子 > 携帯端末を片手に、眼前に人影が。
ちらりと見上げ、
「あっ」と声を上げてベンチを若干脇にずれて席を空けようとするが、
つられて振り向く。

シャッター。うん、空き店舗。

カミュー > 「生徒が運営しているとこういうこともよくあるか…。
おっと、驚かせたようで、すまないでござる。」
ベンチの女生徒とが反応するのに気づいて、軽く謝罪する。

シャッターを再び見つめて、うーん。

遠峯生有子 > 「えっ。うんと大丈夫、ですよー。」
 相手の謝罪に、笑顔で答えつつ、
 鎧姿が珍しい、といった様子で一度携帯端末に戻した視線を
 もう一度相手に向け、
 考え込む様子を見てもう一度振り向く。

 うん、シャッター。

カミュー > 「それはよかったでござる。
…もしかして、一年でござるか?」

ないものはない、とシャッターから目を離して尋ねてみる。
鎧への視線にもふと気づいて。

「ん、ああ。こちらでは珍しいでござるか。
拙者異邦人であるがゆえ。」
背に背負った大剣に触れて見せた。

遠峯生有子 > 「えっ、そうです。
 なんでわかったの?」
 再度手元に視線を戻したところで言い当てられて、
 ぱっと相手に目を向ける。
 驚いている様子はわかりやすい。

 ただし、異邦人、との説明にはさほど驚いた様子は見せず、
「あ、それで。」
(そういう格好なのか)と納得した。

カミュー > 「ここに何があったのか知らない素振りであったからでござる。
二年ならば、二度シャッターは見まいと思ったであるが。半分カンでござるがな。」
驚く様子に、してやったという感じの笑みを返して。

「うむ、拙者は4年のカミューでござる。ようこそ、学園へ。」
先輩らしく居住まいをただし、胸に手をやりもう片手を差し出した、歓迎するような騎士の礼で振舞った。

遠峯生有子 > 「あ、そっか。
 上級生だったらもっといろいろ知ってるもんね。」
 感心するように相手を見上げ…

 …ようと思ったら相手に騎士の礼を取られてどぎまぎする。
 手を差し出されたのでおずおずと差し出し、
「1年の遠峯生有子です。
 よろしくおねがいします。」

 そして、「ざ、残念でしたね。お店なくて。」と付け足した。

カミュー > 手を載せられればその手をしゃがんだ自らの額に近づけて、貴女の学生生活に聖女の祝福を。などと呟くかもしれない。

「遠峯さんでござるか。
うむ…買い物の終わりにアイスをと思ったが、無ければ仕方ない、程度でござる。」
そっと手を戻させて、立ち上がる。
口ぶりからするとアイスを売るお店があったようだ…

遠峯生有子 > 騎士の礼と続く祝福の言葉を、
ぽやーっとした様子で受け入れ、
相手が立ち上がると幾分、緊張から解き放たれたような風情も見せたが、

「あ、アイス…。」
と呟いてから気を取り直し、
「今日もちょっと、歩いたりすると
 冷たいものほしくなる感じですね。」

カミュー > 「…こちらだと刺激が強かったでござるか?」
気遣うような声音で。

「もうそんな季節でござるな。
ちょっと変わったアイスと雑貨の店だったので、代わりと言う気分ではいかないが…。
理解してもらえるならちょうどいい、軽く一緒に何かどうでござるか。」
そういいながら、何か無いかとやってきた方向に目を向けた。

遠峯生有子 > 「し、刺激っていうか、
 お姫様になったみたい、で。」
 解き放たれた今となっては緊張もなく、
 ほわ~んとお花の咲いた笑みを返す。
 慣れない立場に驚いたが嫌ではなかった。

 しかし、一緒に何かといわれると少し迷う。
「あ、いいのかな?」

 しらないひとだけど上級生だし、女の人っぽいし、
(態度は男性的ではあるため判別がつかなかったが)
 でも変わったお店を知っていた人だけに次にどこへ行こうと言い出すか興味もあり。
 そして生有子の持ち前の気質が躊躇いを踏み越えていくものだったために、
「えっと、ほ、ほかにお薦めなところってありますか?」
 誘いに乗ることにした。

カミュー > 「なるほど、姫とか、貴族はこちらではなかったのでござったな。
おとぎ話にあるだけ…か。」
ふうむ、と考えるように。

「冷たいものではアイス以外に…宇治の氷か、ジェラートでござるか。
拙者がこちらで紹介できるのは、こちらの世界でありきたりになるかもしれないでござるが。
…では参ろうか、姫。でござる。」
相手が座った様子のままであれば、立ち上がる手助けに手を差し出して。悪戯っぽくウインクする。

遠峯生有子 > 「そういうの、この国にはないよう。
 あ、えっと外国とかにはあると思うけど。」
 ママの邦にもあったのかな?ふとそんなことが脳裏をよぎる。

「ええと、それじゃ、ジェラートがいいです!」
 調子にのってリクエストするが、手を差し出されればまた目をしばたたかせ、
 今度はためらわずに
「はいっ」と笑顔を見せて手を差し出した。

 その手を引けば少女が空気のように軽いのに気がつくだろう。
 何の力もかけなくてもすっと立ち上がり、
「あっ」と声を発してから若干バランスを崩しながら身長が10cmほど縮んだ。
 というか立ち上がったときに10cmほど浮きあがってていたことに気がつくかもしれない。

カミュー > 「おや…?
拙者ではうっかり飛ばしてしまいそうな軽さでござるな。」
膂力ゆえか、ちょっと浮いた、程度の認識で片付けたようで、特に変わった様子はなく。

「うむ、ジェラートでござるな。
確かあちらのほうに変わった屋台があったはずでござる。」
先導するように、ちょっとした広場のほうへ。
軽く視覚になる位置にあるお店かもしれない。

遠峯生有子 > 「ええと、なんともないよー。」
 若干どぎまぎしながら、鞄を斜めがけに戻して
 ワンピースのすそを直す。

 そしてそんな焦りをごまかすように、
「あっちのほうはまだ行ったことなかったです。
 変わったってどんな感じですかー?」
 少し背伸びして(こんどは宙に浮くようなこともなく)
 指し示された方向を見てみるが
 さほど変わった建物は見えない。

 ぱたぱたと遅れないように先導についていった。

カミュー > 「そうでござるか。……なんともない…?」
つまりなにかあったのかと不思議な気分になるが、ピシッとした様子でそれを表に出さないようにしつつ。

「形も変わっているが、商品と味もかわっているでござる。
おすすめはギンジョーとミルフィーユでござるな。」
広場の店舗の前にある屋台が2つ逆にくっついたような形の店を指差す。
広場側がパン屋、店舗と向かい合う裏側がジェラート屋になっているようだ。

遠峯生有子 > 「ぎんじょー?」
 なにかなーそれ?少し興味を引かれつつ、
「あ、ミルフィーユは好きです。」
 ジェラートのミルフィーユは食べたことがないが、
 細かな差異は気にせずに笑顔。

 そんなこんなでジェラート屋
「あ、ほんとだー、お店くっついてる。」
 カミューについて裏側へ回り込む。

カミュー > 「日本のお酒らしいでござるよ。
ミルフィーユはベリーのものらしいでござる。」
付いてくる疑問に軽く答えを返しながら。

「では拙者はコーン…いや、シュー皮でギンジョーを頼むでござる。
遠峯さんはどうする?」

生地にコーンやわっふるコーンのほかに、パンの類が並んでいる…。
ジェラートの味も先ほどの2種以外に普通のものから、ちょっと変わったものまで様々だ。
カミューはさっと注文を済ませてしまうと、2人分のお金を支払いながら何にするか尋ねた。

遠峯生有子 > 「え、皮も種類があるの?
 どうしようかなー。ワッフルかわいいかなー。
 でもせっかくだから…。
 ミルフィーユ…、あ、この桜っていうのなにかな。どんな味かな。
 え、薔薇もあるの?えええ、どうしよう何でもおいしそう。」
 楽しんでいるのか決めきれないのか、何にでもおいしそう、と
 歓声を上げながら、悩みすぎる故か頬を上気させて、

 散々時間をかけてから
「でもやっぱりお薦めだからミルフィーユにします。
 それでワッフルで。」
 普通の注文に落ち着いた。

「おいくらですか?」と聞いて初めて、
 自分をここへ連れてきた騎士が支払いも済ませてくれていたことに気づく。

「えええ、だめですそんな、私自分で払うよー?」
 申し訳ない、と顔にでかでかと書いてカミューに詰め寄った。
 注文の品を作り終えた店員がアイスをさしだそうとして苦笑する。

カミュー > 遠峯さんがころころと表情を変えてあちらこちら悩む様子を、楽しそうに見守っている。
そんな様子を傍から見ればほんのすこし男っぽくも見えて。

「これもまた折角の縁だし、先輩だからここは払わせて欲しいでござる。
一人でアイスの代わりのジェラートと言うのも味気なかったから遠慮は不要、でござるな。」
付き合わせたのだし、とこちらも自身の分を受け取りながら。

半分に切ったシューに白いジェラートを詰め込んで、プラスチックのスプーンが刺してあるそのスプーンを手に取ると、
「そうだ、何処かゆっくり食べられるところを探そうか。」
と聞いた。

遠峯生有子 > 「ええっと、そしたらご馳走になります。」
 ぺこっと律儀にお辞儀をしてから、
 やっと店員の視線に気づいてあわあわとアイスを受け取った。

 そして状況を受け入れれば屈託ない笑顔になって、
「あ、お天気がいいからどこでもいいかも。
 このへん、座れるとことかどこかありますか?」
 広場を見回す。

カミュー > 「少し混んでるから…行儀は悪いけど、少し公園のほうへ歩くか、さっきの場所に戻るか…かなでござる。」
同じように広場を見回して。
二人一緒に座れる場所はそんなになさそうだ。

遠峯生有子 > 「え、どうしよう。公園までどのくらいかかりましたっけ?
 ジェラート溶けちゃうかなあ。」
 そこまで遠くなかったような気もするが、直接向かったことがないので
 見当がつかない。

「さっきのところだとゆっくりしていいかわからないけど…。」
 何せ商店街の途中だ。

カミュー > 「食べながらのつもりだったから、溶けるくらいだと途中でなくなってしまうでござる。
さっきのところに戻るか。あちらも元はアイスの店のベンチのはずでござる。」
気にしない、という様子でそちらのほうへ歩き出す…。
ゆっくりと戻るので、あちこち見て回る余裕もあるかもしれない。

密かに遠峯さんが誰かにぶつかったり、こけたりしないようには気遣いながら。

遠峯生有子 > 「はい、じゃあ戻りましょう。
 私、食べながら戻ると零しちゃいそうです。」

一応の自覚はある。
気遣われながらカミューのあとについていった。

ご案内:「商店街」から遠峯生有子さんが去りました。
ご案内:「商店街」からカミューさんが去りました。
ご案内:「商店街」に渡辺慧さんが現れました。
渡辺慧 > 商店街にある木材店。

フードを深くかぶった少年が中を物色しながら見て回っている。

渡辺慧 > 「……ん。お」

これよさそう、とひとり呟くと。

「すいません、これと……あー。その角材ももらえます?」
長さはアバウトだが、後から加工すれば問題ないだろう。

渡辺慧 > ありがとうございました。
の声に背を向け乍ら、肩と、腋に今しがた手に入れた木材を抱え込みながら立ち去る。

いい買い物をした。これで以前の借りを返せる。


後は……釘と、ニスとかもいるかな。……いや、いいか。どうせ長くは使わない。

そう一人考えると、次は工具店へ。
足取りは慣れたものだ。


――たまに暇になると家具を作る、という謎の趣味がある。盆栽といい、もう少し年代に沿った物を持てばいいとは思っているのだが……――

しかし、今回は家具ではない。

奴だ。奴へのリベンジだ。
そいつの名は……。

――一人流し素麺――

渡辺慧 > 「あー、その、鉄丸釘……あ、それそれ」

既に顔見知りに近いその店員に軽い口調でお願いすると。
分かってるよ、とばかりに持ってくる。

さんきゅー。と、お金を払い。
足取り軽くその店を出た。


……意外と時間がかかったな。
もうすぐ、日が暮れる。

――何か食べていくか、いや……――

木材を抱えたまま、どこへかはいるのも、いかがなものだろうか。

明日は日曜。それこそ日曜大工に最適だが……。

悩みながら、木材を抱えたままふらふらと商店街を練り歩く。

渡辺慧 > 鼻歌を機嫌よく鳴らす。

他に欲しいものはなかったはず……あ、いや。
そういえば昨日教えられた、バイト猫、ネコムコの漫画を買い揃えに走っても……。

――だから、木材。――

今から一緒に殴りに行こうかじゃないんだから。
とふざけながら。

……微妙に。既に奇異な視線を引き受けているような気もしないでもないが。まぁ、それはいつものことだろう。

彼には使命がある。一人流し素麺を成功させるという、大義が。
それに比べれば、とんだ些事に他ならないのだろう。

本当にどうかと思う。

渡辺慧 > (大体、彼女も言っていたじゃないか。一人流し素麺をできたって。名前なんだっけ。あー、いいや。なら俺に出来ないわけがない……)

真剣な顔で決意を固めているが、考えていることは一人流し素麺だ。
友達がいないのだろうか。

渡辺慧 > ……うし。

決意も固まり。結局本屋へ寄る。
教えてもらった本と……詰将棋の本。
それぞれ手に取るとレジへ向かい支払いを済ませる。

どこぞへ木材を置いては入ればいいものを。彼はずっと抱えたままだ。器用に人にぶつからないようにしているが……。

ご案内:「商店街」に霜月 芙蓉さんが現れました。
霜月 芙蓉 > 「いだっ!」

ぶつかった。

思いっきり、木材に。

渡辺慧 > 片方の腋と、肩に木材。もう片方の手に、釘の入った袋と本が入った袋を持ったフードを頭に深くかぶった少年。

幸運なことに通報はされなかった。
慣れている、とでもいうのだろうか。

少し、重そうにしながらも、その顔には機嫌がいい猫のような笑いを浮かべて。
それらを抱えながら、商店街の中を帰り道へ向け、足を向けた。


と思った。

「…………なんだ、虫か」
まるで周囲を見ていなかった。

霜月 芙蓉 > 「ちょっとー!誰が虫なの!?」

ぷんすかと怒っている女生徒一人with弓。

「こんな狭いところで木材もって歩くとかなんなの!?信じらんない!」

渡辺慧 > 「虫じゃなかった。まぁ落ち着け女子生徒D」
よく見てみろ、と周囲を見るように促す。

……慧の周りの人が微妙に引いていた。モーゼの軽い奴。あれ。それ。
まぁ怪しいしね。

「ほら、飛んで火にいる夏の虫的な……」

霜月 芙蓉 > 「ぶつけといて言うセリフそれ!?」

ヒートアップ。残念でもなく当然である。

「そもそも私、D要素無いから!苗字はSで名前はF!」

渡辺慧 > 「ごめん」

意外と素直だった。

「ないのか…………」
あからさまに残念がる。特に理由はない。

「……ショーイチ・フサフサ?」

霜月 芙蓉 > 「あ、うん、謝ってくれたら別にいいけど…」

割と有情だった。

「無いよっ!何を期待してたの!?と言うかなにそれ、ツッコミどころしかないんだけど!」

お兄ちゃんなら呆れ顔でネチネチ突っ込むところだよ!と叫び

「私は芙蓉!霜月芙蓉(しもつきふよう)だよ!」

渡辺慧 > 「ありがとう、それでは」

許されたならいいや、と颯爽と去ろうとして。――早くさっき買った本を読みたかった――その足を止めた。


「……霜月?」

霜月 芙蓉 > 「いや、許したけど軽すぎない!?」

明らかに手早く済ませて帰ろうって構えだよねそれ!とぷんすか。

「そうだよ、霜月!何か文句でもあるの!?」

渡辺慧 > 「いや、ふむ……」

霜月……霜月。はて……。……少し眺めるように目の前のテンプレ的な怒りの表し方をしている少女を眺める。

――あんまりエキセントリックには見えない――

「ふむ……。……ウェイクアーーップ?」
念のため。一応。

霜月 芙蓉 > 「はぁ、なにそれ!?意味わかんない!何が起きろっての!?」

お兄ちゃんの才能は目覚めさせてあげたいけど!と騒ぐ。

……左手には、弓を持っている。

渡辺慧 > 「…………なるほど」

あの。一つだけいい?
と声をだし。

「逃げていい?」
と、その声を発したと同時に鋭いムーンウォークが炸裂した。


ムリムリムリムリ、起き抜けに弓打って来る系妹はむ……。
と、そこまで思考をムーンウォークをしながらめぐらせたが。
一つの事実に気付く。

――そういえば、別に俺には危害ない? むしろ楽しい? ――

無言のままムーンウォークで戻ってきた。

霜月 芙蓉 > 「え、なに逃げようとして行ったり来たりしてるの!?何したいの!?」

寧ろ困惑してしまった。

「と言うか、なんでそれを聞いただけで逃げようとするの!?」

渡辺慧 > 背中を向けたままその言葉に応える。

「なぁ、一つ聞いていいかな芙蓉」

あいもかわらず軽い。
そして冷静に聞けば何一つその言葉に応えていなかった。

「君、兄貴に零って奴いるでしょ」

霜月 芙蓉 > 「質問に対して質問で返すなって教わらなかったの!?」

ぷんすこしつつ、出てきた名前に超反応する。

「って、え!?いるいる!私のお兄ちゃん、零って名前だよ!」

渡辺慧 > 「ここでは俺がルールだ」

って、今考えた。などと適当に発言。
多分、いや、ほぼ確実に意味はないのだろう。

「……まぁ、そうだろうね。偶然の一致というのはかくも恐ろしきかな」

まさか、先日離したばかりの話題の人物と、こうも謎の接触をするとは。実に楽しい。

「というわけで、俺は渡辺慧。一応その、兄貴の……あー。なんだ。なにになるんだ? オムライス仲間?」

絶対に違う。

霜月 芙蓉 > 「神様にでもなったつもりなの!?」

ぷんすこ。でも当然のツッコミだと思う。

「と言うか何、オムライス仲間って!?友達とかじゃなくて、そんなニッチな連れ合いなの!?」

渡辺慧 > 「俺様などというテンプレにもほどがある回答は出来るだけ避けたいところなのでそんなわけないでしょ、ハン、という笑いで答えさせていただきます」

この少女のツッコミ属性は、こう。なんだ。心を熱くさせる。――ボケ楽しいなー――

「ニッチモサッチも行かない関係だね。よくわからんけど。まぁ対外的に、客観的視点から見ればもしかしたら友達というのかもしれない」

――そして、尚。彼はいまだに背中を向けたままだ。

霜月 芙蓉 > 「わ、わ!お兄ちゃんに友達なんてできたんだ!いっつもものぐさで雑な対応ばっかりだから、全然友達なんていなかったのに!」

兄の傷口を公開処刑する妹がそこにはいた。

「嬉しいなー、お兄ちゃんをよろしく!でもなんで背中向けてるの?」

渡辺慧 > 「特に意味はない」
後べつに顔を覚えられないように、とかそういうものもない。

――まぁ、もとより既にこの奇妙な風体は記憶されてしまったのだろうけど。――


「アイアイ」
――あいつの気が向く限りは――
という言葉は言わずに置いた。

「……ま、そうか。君がか。……うんうん楽しくなりそうだな」

霜月 芙蓉 > 「えー、気になるよー?」

つつつ、と前に回り込もうとする。

「にしても、君がかって事は、お兄ちゃんから私の事聞いてたの?ねえねえ、なんて言ってた!?」

渡辺慧 > ススス。と滑るようにその視線から逃げるように回る。

「気にするな。ただの海坊主だ」

なんて言っていたか、か。……まぁこれだろ。

「………………ウェイクアーーップ」

霜月 芙蓉 > 「いや、陸に上がった海坊主ってなに!?」

困惑しつつ、その言葉を聞いて首を傾げる。

「うぇいくあっぷ?うーん……」

何のことか、としばし考え……

「あ、あー!あれかー!お兄ちゃんの眠れる才能を揺り起してあげようと、弓で「覚醒したりしないかなー?」って危機的状況を演出したときのあれ!!」

渡辺慧 > 「そりゃ陸坊主だろ」

どんな会話だ。


「……そうか。事実か、あれ」

はぁ、とため息をつく。

「眠れる才能ねぇ。毒りんごを喰わされてたりしなきゃいいけども」

霜月 芙蓉 > 「だって、お兄ちゃんは「自分には才能がない」って嘆いてばっかりだもん!」

ぶんぶん、と腕を振って捲し立てる。

「お兄ちゃんだって、きっと何か才能が眠ってるんだもん!それが開眼すれば、影でこっそり落ち込んでばっかりのお兄ちゃんじゃなくなるもん!!」

渡辺慧 > 「……そっか」

……まぁ。基本的に、悪い奴ではないのだろう。――手段が、間違ってるかどうか。それにはどうも言えないが。――


「だといいなぁ……」
ふと、片手――釘と本を持った方の腕を――を空に向け、顔の前にかざした。

ふっと、苦笑した後、すぐやめ。――顔に本が当たったから。――

「ま。応援してるさ」

どっちもな。と言いながら、特に別れを告げずにそのまま帰り道へ向けて、歩き出した。

――そういう気分だったからだ。――

霜月 芙蓉 > 「そうに決まってるよ!」

謎の確信をもって叫び

「……お兄ちゃんをよろしくね、陸坊主さん!」

手を振って、ぴょんぴょん跳ねながら見送った。

渡辺慧 > ――また、変な名前が増えた。――

毒づきながらも、その顔は機嫌よさげに笑っていた。

来た道を戻るように。ゆらゆらと、荷物を揺らして、商店街から消えていった。

ご案内:「商店街」から渡辺慧さんが去りました。
霜月 芙蓉 > 「さって、私も帰ろっと!」

少し、気分が高揚している。兄に、あの割とぼっち系男子だったお兄ちゃんに、友達が出来てたなんて。

純粋に嬉しかった。

その高揚した気分のまま、その場を去って行った。

ご案内:「商店街」から霜月 芙蓉さんが去りました。
ご案内:「商店街」に鈴成静佳さんが現れました。
鈴成静佳 > ♪〜
(授業が終わり、普段着に着替えてから商店街へとやってきた静佳。平然を装い、大型電器量販店のPCゲームコーナー(18禁)へと入り、出てくる)
(その手には、厳重に包装された箱の入った袋)
ムフフ、プレゼント購入ミッション完了ッ!(その足取りは軽い)

ご案内:「商店街」に久喜棗さんが現れました。
ご案内:「商店街」に大好きなお母さんへさんが現れました。
久喜棗 > 今日はスマホの付属機器を求め家電量販店へとやってきた棗であったが
遠くで見知った顔を認識し、声をかけるために近寄る

「おお、静佳ではないか!奇遇じゃなこんなところで、元気にしておったか?」

挨拶し、ふと静佳の手元に気付く。綺麗に包装された箱は外から何が入ってるかはわからない

「ん、ところで今日はここに何をしに来たのじゃ?」

鈴成静佳 > あっ、棗ちゃん!(角の生えた娘の存在に気付き、電器屋のほうへ戻る)久しぶり!
棗ちゃんこそ何しに電器屋へ?
……んー、アタシのコレはね、誕生日プレゼント! この前寮のお風呂で一緒に入ったもう一人の子(氷架さん)のね!
(大きさの割に軽そうな箱をカラカラと振る)

大好きなお母さんへ > 鈴成と久喜が遭遇し、言葉を交わしていると、ゆっくりと路地裏から何かが出てきた
その背は低い。見た目から察するに、凡そ6~7歳といった所だろうか
ただし、その腹部は異常なまでに膨らんでおり、肥えているだとか、そういう次元を超えていた
幼子は、妊娠していたのだ

そして
何より
その幼子は


紛うことなく「母」だった

鈴成静佳 > ……ん?
(路地裏から出てきた、異様な身なりの幼女。『お母さん』ではないか)
……あれ!? お母さん!? なんでこんなとこに!?(駆け寄る)

久喜棗 > 「うむ、久しぶりじゃな!おお、誕生日プレゼントとは友達思いの子じゃのう
 儂の方は最近スマホというやつを買ってな、なにか良いケースでもないかと探しておったのだよ
 お、そうじゃそうじゃ。せっかくだから静佳の電話番号とめるあどという奴を教えてくれぬか?
 これがあればいつでも文を送れるらしいのじゃ」

といって静佳に自分の番号を表示させた画面のスマホを渡す
そこでふと気配に気づき振り返る。そこには自分よりも更に幼い容姿の女の子が居た

「あ、ははうえ!ははうえではないか!ははうえ…?」

そこまで言って微かな、しかし明確な疑問が頭に浮かぶ
鬼である自分には母は居ないはず、では目の前の女の子は一体…
そんな当然の疑問は、だがすぐにかき消された

大好きなお母さんへ > 幼子が二人を見上げる
一方は幼子を「お母さん」と呼んだ
もう一方は幼子を「ははうえ」と呼んだ
そして、その瞬間、鈴成と久喜は、「姉妹」になった

「――あらぁ、ふたりとも。きぐうねえ」
愛しそうに膨らんだ腹を撫でながら、二人の元へと近寄る
もちろん、幼子と鈴成、久喜は「初対面」だ
しかし、その絆は、家族の絆そのもので

本当のお母さんよりも、ずっと、お母さんであった

「ふたりそろってナカがいいわねぇ、おかいもの?」

極自然に、何でもない会話を広げる

鈴成静佳 > お母さん、久しぶりっ!(抱き上げようとする)……うわっ、なにそのお腹! もう子供作らないって言ってなかったっけ?
まったくお母さんも隅に置けないなぁ……! ちゃんとお父さんの子供だよね??(憎たらしい笑みを浮かべて問いただす)

ううん、棗ちゃ……おね……おねえちゃん?(一瞬思考が混乱するが)……おねえちゃんとは偶然逢ったんだよ。アタシはアタシで買い物に来たの。フフッ!
あ、そうだね、せっかくスマホ買ったならアドレス交換しとかないとね! 姉妹だもん!
(スマホを取り出して端末同士をごっつんこ。非接触によるメアド交換だ)

久喜棗 > 「うむ、今日はな、静姉ぇ…」

と言いかけるが先に静佳におねえちゃんと呼ばれ、言い直す
ああそうだ、自分がお姉ちゃんなのだしっかりしなければ

「静佳とは別の用事で来たのじゃ、静佳は友達にプレゼントをあげるらしいのじゃ
 偉いのう、流石は儂の妹じゃ」

記憶が、歪む。だがその歪みに棗は気づけない

「ははうえは今日はどうしたのじゃ?何ぞ家電でも買い替えかのう?」

大好きなお母さんへ > 二人の名前を聞いて、静かに、微笑んだ
当たり前だ、幼子は二人とは初対面
いくら「実の娘」とはいえ、名前も知らないのだ

「そんなこと、いったかしらぁ……ふふっ、それいがいにだれがいるのよ
もう、「しずか」ったらおませさんなんですから……
すこしは「なつめ」をみならってほしいものね?」

甘い
言葉が、甘い
ゆっくり、ゆっくり、熱を帯びた声が、二人の認識を、溶かしていく
落雷を浴びたあの日
あの満月の夜

そこに、「お母さん」が
           い
            た

「あら、えらい。しずかはやさしいコねぇ
……って、ふたりともずるぅ~い!
「おかあさん」にも、まだおしえてくれてないのに!」

ぷりぷり可愛らしく怒りながら、自らのスマートフォンを取り出す

アドレス帳には、もちろん、いとしいいとしい子どもたちの名前が連なっている

鈴成静佳 > (棗さんは500歳超えだ。16歳の静佳から見れば姉だ。当然の論理である)
えへへ、寮の友達へのプレゼントなんだ。中身は……内緒!
(スマホを『お母さん』にも向けて、アドレス交換)
……ふふん、アタシをこんなにおませさんに仕立てあげたのはお母さんじゃん!
おねえちゃんはおねえちゃんでちょっと物腰が古臭すぎるのよ! 一部の人にしかウケないよ、そういうの!

あー……立ち話じゃ落ち着かないから、その辺の喫茶店でも行こうか。ね? お母さん身重でしょ?
(2人の手を引いて、近所のファミレスへ向かおうとする)

久喜棗 > 喉元に小骨が刺さったような引っ掛かりを感じる
具体的に何がおかしいのかはわからない、だが明らかな異常がそこにはあった
しかしこれは棗にとって初めての心地よさでもあった
親の居ない棗にとって「おかあさん」の優しさはあまりにも甘く柔らかで疑問の余地がないものだった

「すまぬな、儂もつい最近スマホを使うようになってな
 もちろんははうえとも交換するぞ」

そう言って静佳に続き自分も「おかあさん」とアドレス交換を行う

「古臭いと言われてものう…儂は実際古いのだから、仕方なかろう
 うむ、そうじゃな。せっかく外でバッタリ出会ったのだから軽く食事でもしていくとするか」