2015/06/15 のログ
ご案内:「商店街」に月雲 椿さんが現れました。
■月雲 椿 > ――夕方の放課後時、とあるショーウィンドウの前で少女は立ち止まっていた。
使い古された刀袋に入った刀を大切そうに抱きかかえながらも、一歩、二歩、
ガラスを隔てた向こう側にあるマネキンを目移りするように眺めながら、瞬きを惜しむ。
「……可愛い、」
目の前のマネキンが着ていた洋服はシンプルな白いワンピース。
細かなレースが美しい白いラインをぼんやりと曖昧にする。
その横は白いブラウスにハイウエストの落ち着いた印象のツーピース。
若い女性が立ち入る店内からは流行の恋愛ソングが客の出入りがある度に
開く扉から聞えてくる。夏に向けてだろう、飾られている洋服に辺りを気にする事も無く、
人通りも幾らかある中、少女は見入るようにぼんやりとその場所に佇んでいた。
ご案内:「商店街」に東雲七生さんが現れました。
■月雲 椿 > ショップの中から出てくる少女達を隠れるようにちらりと見、
ショーウィンドウに映る自身の姿をじっと見る。
瞬きばかりを繰り返しながら、飾られた洋服を着る自分を想像する。
白いワンピース、首元がゆるやかなTシャツとデニムのホットパンツ、
透け素材の今流行のスカート、白いブラウス、淡い色合いの鞄。
「……………、」
華やかな話し声が響くショップの入り口と、己の立ち居地はあまりにも違いすぎた。
喪服にも似たセーラー服と、どんより重い黒髪。大きな刀袋。
嗚呼、あれだけ可愛ければ自分だってショップの中に入って好きなだけ買い物が出来ただろうに。
ショーウィンドウを見上げながら、時には洋服に恋をしたり、
時には出入りする客を恐る恐る盗み見したり、時にはショーウィンドウに映る
自分自身に落胆したりをしながらも、目の前から動けないのは、腐っても女子だからかもしれない。
■東雲七生 > ──なあ、そんなに気になんなら中見てくれば?
(夕飯のための買出しに訪れた商店街、ふと目に留まった少女に声を掛ける。
手にした得物を考慮して店の中に入れないのか、と思ったらしい。)
それ、邪魔になると思ってんなら持っててやっからさ!
ご案内:「商店街」に蒼穹さんが現れました。
■月雲 椿 > 「嗚呼、いえ、そんな、お心使い痛みいりま…………………、え」
ふと掛けられた声に心此処にあらずで返した反面、妙な間がぽかりと生まれた。
声の主の方を漸く振り向けば、呆けた顔で瞬きを何度も繰り返し、思わず辺りを軽く見渡す。
漸く自分に向けられた言葉であって違いない事を理解すれば、
唐突に肌が赤く染まり、首を思い切り左右に振った。
「い、いいいいえっ!あ、あの、き、気になっていたわけではなく!
いえ気になっていなかったと言えば嘘ではありますがあの、そんな、あの、
め、滅相も無いです!私のようなあの、輩が入っていいようなお店ではなく……」
見られていたと理解すればもごもごと言葉を濁しながらも刀袋を握り締め。
「あ、あの、あ、ええと、が、がく、学園の、方ですか?」
そしらぬ振りして話題をそらした、心算。
■東雲七生 > ── ?
(辺りを見回す少女を前に、こちらも誰か他に声を掛けたのだろうかと釣られて周囲を覗う。が、そんな気配は無く。
そうだよなあ、と一人納得してまた少女に向き直れば何だか凄い勢いで首を振られた。
思わず面食らう。)
お、おう。いや、誰が入っても大丈夫だろ。女子なら。
少なくとも俺が一人で入ってくよりは、よっぽど健全だと思うけど。
……ああ、ごめん。急に声掛けて。俺、東雲七生。確か同じ一年だよな。学校で見かけた事あったからさ。
(その刀袋、と言いかけて流石にそれは失礼か、と口を噤んだ。)
■蒼穹 > (時、夕頃。この季節となると、夕頃と言えども空はまだ明るく、夕焼け色には染まりきっていないかもしれないだろうか?ふと、買い物がてらうろつけば、何やら、知り合いと思しき赤い髪の少年と…、それから、入念に手入れでもされているのだろうか、艶めかしい烏の濡れ羽色の髪を持つ少女が目に入った。あと、剣道部なのか、刀袋を所持している様子。二人とも、己にとって特徴的な存在だったのだが、彼が、彼女に話しかけた後、あたふたしている光景を目撃したので何だか面白そうなことがありそうだな、と思ったので、つい数歩寄って行った。)
やっほ、東雲君。お久しぶりだね。
それ…と、えっと…誰かな?
取り敢えず二人ともこんばんは。
それにしても、そこのお店の前でずっと立ち止まって、何かあったの?
(気さくに手を振りながら近づいて行って、挨拶。ちらちらと二人に視線を行き交わせては、首を傾げて、興味本位での問を遣った。例え初対面でも、そんな風に悪く言えば馴れ馴れしいのが、己のやり方。)
■月雲 椿 > ぼんやりとショーウィンドウの前、立ち止まっていた事を見られれば
羞恥で赤くなる顔を掌で頬に触れながら押さえ込むように、ひたりと。
けれども誰が入っても大丈夫、と言われれば一瞬で顔は青くなり、
「そ、そう思いますか……?
でもあの、やっぱり、こういうお店にはそれ相応の可愛らしい方が、あの」
赤くしたり青くしたりを繰り返しながらも、時折出入り口をちらりと見。
「私はあの、月雲椿と申します。同じ、ええと、一年……」
そこまで言いかければ思わず彼をじっと見、やがて身長を測るようにして
彼の頭の上の方を見やり、同じ歳には見えなかったとは流石に言えぬが、
顔にははっきり書いていたかもしれない。
―――不意に声を掛けられれば、会話の内容から二人を交互に何度か見やり、
彼女には挨拶するように軽く頭を下げるだろう。知り合いなのだろうかと
緩く首を傾けながら会話を見守り、けれども何かあったのかと聞かれれば。
「な、何も!なにも!」
首を左右に忙しなく振った。
流石に可愛い洋服に憧れてショップの中に入れなかったとは、暴露しずらく。
■東雲七生 > ──お?
ああ、蒼穹。ばんはっす。お前も買い物?
いや、こいつ──月雲が何か店の前で立ってるから、俺も声掛けたとこなんだけど。
(名前を呼ばれた気がしてそちらへと振り向けば、破壊神が居た。
知らない仲どころかよく知った間柄なのでフランクに挨拶を返し、改めて店と黒髪の少女とを見て。
その少女が語る理由を聞けば、きょとんと目を丸くした。)
別に気にしなくて良いと思うぜ?
お前の基準は分かんねえけど、俺からしてみりゃ充分だと思う。
■蒼穹 > えっとー。
(何だか、さっきと同じようにあたふたしている。一体何を悩んでいるか、彼女の胸中など知る由もなく、半分笑った困り顔で頬を掻いて。)
あ…どうも。聞こえちゃったし名乗っとくね。
蒼穹《ソラ》だよ。同じく、一年。
(二人の自己紹介に便乗して、自分指差して自己紹介、名乗っておく。して、二人と学内で出会ったことは…あっただろうか。如何せんサボリ癖が強い故に、記憶が定かではない。それはさておき。)
何もない?…ほんとに?…落し物、とか?
(きょとんとしながらも、首傾げたまま。そうして、彼女の乙女心を解さぬ的外れな予想を立てたのだった。)
んー、やっほー東雲君。
あっはは、私もちょっと気になったね。
…ああ、そういう事なんだ。
(して、二人の会話を若干横入りするような形で、漸く彼女の乙女心を理解したのだった。)
うん、買い物だよ。何か近くお祭りらしいしー。前にも言ったけど和服やら何やら。蛇の目の日傘とかさしたら優雅じゃん?
東雲君も、買い物?
(かく言えど手ぶらでいつもの服装。折角なのだから和服でも着てこれば良かったと後悔するのだった。)
■月雲 椿 > 色々会話からばれてしまったらしい事を察すれば思わず両手で顔を覆った。
可愛い服に憧れてショップを覗いていた事自体がまず恥ずかしい事だが、
それを初対面の同級生に目撃されたとなれば、更に恥ずかしい。
自己紹介をされれば己も再度小さく頭を下げ
「わ、私も、一年の、月雲椿、です……」
観念するようにのろりと手を下ろせば、瞳を丸くする彼に
純粋で前向きな言葉から逃げるようにするりと瞳を泳がせた。
「で、でも私こういう可愛い服着た事なくて、センスとかも全然無いし、
それなのにこんな可愛いお店入って場違いだとか思われたらとか思うと……
蒼穹さんみたいに綺麗だったら、まだ、良かったんですけど、その」
もごもごと言葉を濁らせながら俯き加減。
陰湿な言葉が響く中でふと二人の会話に視線を上げれば
「………、お祭りが、あるんですか?」
そんな素朴な質問をほつりと。
■東雲七生 > ああ、お祭り。そっか、もう15日なのかー。
こないだまで5月だったのに、もう6月半分かー。
(早いもんだなー、と何度か感心した様に頷く。
その後、蒼穹と月雲とを交互に見て何やら少し考える素振りを見せた後、おもむろに手を叩いた。)
そーだ!
じゃあ、蒼穹と一緒に行ってくりゃ良いじゃん。俺ここで待ってっからさ。
センスとか、女子のは俺よく分かんねえけどさ。そんなに言うんなら蒼穹に見立てて貰えば?
な、蒼穹。別に急ぎの用がある訳じゃねえんだろ?
(我ながら名案だ、伊達に毎日居残り補習受けてねえな、と満面の笑みで自画自賛する)
■蒼穹 > ああ…ええっとね。
普通に可愛いと思うんだけど。
…何だろう、そうすると洋物の綺麗な服とかに憧れているのかな。
白色のワンピースだとか、そういうの?
私的には和装推しだったりするし、髪の毛の色的にもそういうの似合いそうだって思うなー。
(口元に人差し指を宛がって、若干しゃがむような姿勢を取れば俯いた彼女が逃がした視線を拾う様に見上げて。じーっと、勘定するかのような眼差しを向ける。目は赤いけれど、整った顔立ち、艶のある黒色系統の長い髪。)
…大和撫子ってやつかな。
(どうして、自身の容姿にこうも自信がなさそうなのだろうか。今一つ理解が追い付かない。)
ああうん、毎月15日にはお祭りがあるらしいよー。
終わっちゃってるかもしれないけど。神社でさ。
…あ、まだやってたら…もし良かったら、行ってみる?初対面でこういうお誘いはあれかな。
(すくっと、しゃがんだ姿勢から立ち上がれば何処へやら―――恐らく、祭りが開催されているだろう方向へと―――向き直って。)
(して、彼の言葉、笑みに目を遣って。)
おーっと、でも私実際オシャレには結構無頓着だったりするんだよね。
まー、それでもいいなら良いんだけど。
うん、今日は別に何にもないよー…たぶん。
…で、良かったらご同伴に与るけど、どうかな?
(さっと、彼女に、彼の提案をスライドするように向き直って、尋ねた。実際、オシャレに自信はない。動きやすい服ばかりだから。)
…あ、そういえば、東雲君もお祭り行ったりする?
■月雲 椿 > 逃がすように泳がせた視線が青白い瞳に掬われれば驚きに肩を竦ませ、
推理するように零される言葉には罰悪そうに口をふさぎながらも、
やがてしゃがむような彼女を盗み見しながらぼそぼそと零しだす言葉。
「い、家が、あの、剣術の、道場を、その、父親が流派の家元で、
小さい頃から門下生の男の子に混じって、あの、練習をしてて、
それで、その、小さな頃、可愛らしいお洋服を初めて両親から着せて貰った時に、
門下生の子から……その、に、似合わない、と」
一言、子供の頃に異性から言われた言葉を今だ引き摺っているのだと暴露すれば
居心地が悪そうに唇を震わせ。
「え、……え?!あ、え、そん、初対面なのにそんな、お付き合いさせるような真似、
え、あ、毎月15日がお祭りで……え?!今日がお祭りだったんですか?!
おまつり、え、ああ、東雲さんもお祭りに?私、あの、お邪魔では……!」
付き合ってくれるという好意とお祭りが本日開催されていた事実。
瞳をぐるぐると回しながら状況整理ができないまま一人混乱のまま言葉紡ぎ、
一旦落ち着きますと言わんばかりに小さく息を止めて、吐いた。
■東雲七生 > ん、俺も余裕があればお祭り行けたらなーとは思ってたんだけどさ。
屋台とか出てんなら、そっちで夕飯済ませんのも良いなー。
(忘れかけていたが夕飯の買出しに来たのだった。
まあ、それはそれで後で考えれば良いや、と楽観的に構えている。)
なるほどねえ、小さい頃のトラウマか。
分かる分かる、俺もこの背丈だし、名前だしてろくな扱いされなかったしなー。
(身長は黒髪の少女と然程差は無い。
先程年齢を推し測られた時に何も思わなかったわけでも無かったのである。)
■蒼穹 > (彼女の言葉には、目を伏せて、困り顔を浮かべる。)
そう、つまり、キミのお父さんは偉い人だったんだね?
それで、道場の同士から馬鹿にされちゃったってわけだ。
それはね…何だろう。多分、嫉妬か…若しくは…どうだろうね。
その「似合わない」って言った門下生の子は男の子?女の子?
(腕組みながら、憶測にて言葉をつらりと並べて。けれど、やっぱりどう考えても似合わない、なんて事はないと思うし。大方、僻みが原因なのだろうか。)
私は少なくとも似合うって思うけどね。
そうやって、卑屈になってるよりも、行動あるのみ!じゃない?
引きずってたって、良い事ないよ。
うん、今日がお祭り。
…ああもう、お邪魔でも何でもない。私は勿論歓迎するから。
それに東雲君だって歓迎だよ。ね?行こっ。
お祭りに着ていく和服でも買った後に、さ。
(ちら、と彼に目線を遣って同意を促せば。一息吐いて、落ち着いただろうか?と見計らった後に、しびれを切らしたかのように饒舌に語って。和服があるかどうかは分からないけれど、先程からずっと停滞している眼前の店を指差して、片目をぱちりと閉じて見せた。)
あっはは、そう。んじゃ、一緒にいこっか。折角だし。
…ツバキも連れて、ね。
(なんて、こちらも楽観的な考えで。ちら、と話中の人物に目を遣った後、いつも通りの笑顔であった。)
■月雲 椿 > 「背丈……あ、でもあの、東雲さんはこれからぐんと伸びますよ。
男の子の成長なんてとっても急で、いきなり竹の子みたいに大きくなるんですから」
謎の例え方を披露しながらも、門下生の子が皆そうでした、と
自信の出所を添えつつも、彼女の言葉には首を左右に思い切り振った。
「いえあの!そんな大した事ではなく、元々あのちょっと素直な子で……
え?ああ、す、すみませんすみません、お、お邪魔でなければあの勿論是非」
饒舌に語られる様には再度混乱するように言葉を早口で並べながらも、
屋台、と聞けば思わずはっとするように顔が呆け、瞬きを繰り返す。
林檎飴、焼きそば、お好み焼き、ホットドックにチョコバナナ。
お祭りの屋台を一通り想像すれば思わず赤い花弁が二、三枚突然現れては風に乗って消えた。
「はい、お祭りに着ていく和服………和服?
和服なら私、着付けできます。浴衣とかでも、簡単な帯びの結び方なら」
漸くどもらず丁寧に言葉を紡ぎ出せば、協力できるか分からないがと沿え、
笑顔浮かべられればほわ、と思わず空気が和んだ。
■東雲七生 > 伸びるかなあ……。
伸びたら良いなあ……。
(竹の子かあ、と喩えはよく分からなかったけれど、長身になった自分を想像して少しほわーっとした笑顔になる。
しかしすぐに正気に戻ると、蒼穹の言葉に頷いて。)
ああ、うん。歓迎歓迎。
え、あ、行くのは決定なのか。俺も。
(別に予定がある訳でもないから良いけど、と。)
■蒼穹 > …あれれ?思ってたこととちょっと違ったね。
なら、何で似合わないなんて言ったんだろう…?
うん、じゃ、そゆことで、一緒にいこっか。
(何だかんだで、混乱させっぱなしな気がする。そこは素直に、申し訳ない。)
うん、和服。…へー、やっぱり、見るからに和風美人さんだもんね。
んじゃ、私、それにあやかろっかな。…この季節なら浴衣かな。
(何だかんだ、混乱も解けて、落ち着きも取り戻してみてくれたみたいだし、と表情をほころばせながら。)
…いや、だって、行く感じだったでしょ。
ほら、現に行くって。
(横目を遣りながら、半ば揚げ足を取るような言葉を遣った。)
んじゃ、三人で行くことになるかなっ。
■月雲 椿 > 「ふふ、伸びますよ。
そうしたらきっと、今よりももっとカッコよくなっちゃいますね」
ほわーっと浮かべられる笑みには、己も釣られるようにしてほわっと笑った。
竹の子、と謎の例えが素直に相手に伝わったかは定かではないにしろ
「……え、ええ?!いやそんな、家が道場をしていたので、
それであの、少し経験があるだけで、蒼穹さんの方がうんと美人です…」
首を左右に慌てて振りながらもしっかりと否定をし、
けれどもこれから行くお祭りを想像すれば自然と頬が緩む。
「お祭り、私ここのお祭り行くの初めてなんですけれど、
どんな感じなんでしょうか。苺飴とか好きなんですけれど、あるといいなあ。
小さい頃は水風船とか取るのが好きで、……ふふ」
にやけた顔を隠すわけでもなく、へらりと笑みを浮かべれば
刀袋を抱きかかえながら雰囲気は一変して幸せそうに。
■東雲七生 > なれるかなー、今よりもカッコよくなれるかなー。
(なれたらいいなー、と再び緩む頬。
自分で思ってる以上に乗せられやすい性質なのかもしれない。)
あー、はいはい。行く行く、行きますよ。
んじゃ3人で行こう。……その前にまあ、浴衣くらいはあるんじゃねえの?
(早いとこ見てこいよ、と2人を店へと促していく。
自分はここで待つから、と再度主張しつつ。)
■蒼穹 > …もー、褒めても何も出ないよ?
(ほんの幽かながら、照れくささをにじませた笑顔を浮かべて。)
そういえば、結構剣術に自信があったりするのかな。
道場の家元って言うくらいなんだから、さ。
(す、と刀袋を指差して首を傾げた。先程からけっこう「道場」という言葉を耳にするのだけれども、彼女のそちらの実力の方も気になる。)
へー、って事は、こっちに来て間もないって事なのかな。
私も今回が初めてだったりするんだー。
行ってくれるって決まって何より。林檎飴じゃなくて苺飴なんだね。
色々催し物はあるだろうけど、…金魚すくいはやらない方が良いよ。
(兎にも角にも、喜んでくれたようでよかったと安堵。最後はどうしてか遠い目だった。)
あっはは、はいは一回だよー。
…ああ、そうだね。浴衣くらいあるかな…。
あ!そうだった、忘れてたけど。…結局、見に行かなくって良いの?
(彼の言葉に思い出した様に手を打てば。ちらり、と未だに眼前にあったかの店に目を遣って。)
■月雲 椿 > 頬が緩む彼を見て思わずこちらも頬が緩む。
同い年で初対面であるにも関わらず、従来の友人のような心地をよさを感じながら、
指差された刀袋を思わず己も目で追いながらも、その言葉には小さく苦笑いを浮かべ
「父親は確かに家元でしたけれど、私はそんな……
どちらかというと剣舞とかの方が好きなぐらいで、それでも、下手の横好きですよ」
緩く首を傾けながらもそんな風に零し。
「林檎飴は、少し大きくて。いつも食べきれないまま終わっちゃうんです。
苺飴なら小さくて食べやすいですし、林檎より苺の方が好きで―――
金魚すくいはダメ、なんですか?」
遠い目をする彼女の視線の先を辿るように見ながらも、
部屋でペットは飼えずとも金魚ぐらいならと思案するのも束の間。
「あ、でしたら、此処をもう少し真っ直ぐ行ったところに、
和服屋さんがあるんです。そこでしたら男性物も女性物も扱っている筈ですから、
そちらだったら東雲さんも退屈されないかなって、思うんですけれど」
如何ですか?と緩く首を傾げ彼と彼女を交互に見やり。
■東雲七生 > へぇー、和服屋かぁ。
俺はー……家に甚平あるしさ。それに手持ちもそんなに多くないから、このままでいいや。
(どの道服なんて見てても退屈だし、とは言えずに。
まあ和服の店があるなら行こうぜ、と肯いた。特に断る理由も無い。)
2人とも結構詳しいのな、祭とか……。
俺、色々屋台があるー、くらいにしか知らなかったぜ。
■蒼穹 > あ、剣舞ってあれ、踊りだよね。
…何処を取っても和風美人じゃん。またまた、謙遜しちゃってー。
(半笑いの表情でうりうりと肘を振ってみる。この邪神、実に馴れ馴れしい。)
ああでも、残念だなー、もし剣術に心得があったら、ちょっと手合せして欲しかったかもー…なーんてね。
あっはは、確かに林檎飴はおっきいよねー。口の中に入らないくらいには。
それに食べきれないと勿体ないし。そういうことかー。
…あれはだめだようん。そもそもね、すくえない。
それにすくえたとしても金魚を飼う水槽やエサが必要。
更にはああいう所で出し物にされてる金魚ってすぐ死んじゃうらしいよ。
だから金魚すくいよりスーパーボールすくいを私はお勧めするねっ。
(右手人差し指をくるくると回しながら、口数多く、よく分からない持論を述べた後、結論と共に、びしりと彼女を指差した。特に意味はない。)
へー、そんなのあったんだ。
うん、よっし、いこいこー。
(何だかんだで、三人とも行くとの意向で固まったのを確認すれば、一足先にに真っ直ぐ進み始めて。)
あっはは、と言っても私も実際催し物くらいしか知らないけどね…。
■月雲 椿 > 「……え?!い、いえそんな!
あの、一応家元の娘として恥ずかしくない様にと言ったぐらいで……!
剣舞もあの、そんなに大した物は踊れませんで……!」
うりうりと肘で遊ばれれば慌てたように首を左右に振り、
否定を示しながらも頬を赤らめ、けれども零される言葉には瞳を瞬かせた。
「蒼穹さんも、剣術を嗜まれていらっしゃるんですか?
学園には色々な方がいらっしゃいますから、きっとお相手にふさわしい方も
いらっしゃると思いますよ」
彼女の持論にはくすくすと笑いを零しながらも口元を片手で軽く隠し、
「いえ、私もあまり詳しくないんです。
小さい頃に両親に少し連れて行ってもらったぐらいで……
東雲さんは好きな屋台とか、食べ物とかってありますか?
例えば、ええと、お好み焼きとか、焼きソバとか、たこ焼きとか」
■東雲七生 > なーんだ、何だかんだでそこまで詳しいって訳でも無かったのか。
俺一人が知らないのかとちょっと焦っちゃったよ。
(ほっとした様に笑うと、青髪の少女の後を追う様に歩き出す。
和服屋なんて一体どんな店なのだろう、と考えているところに黒髪の少女から問われ。)
あー、そーだなー……。
ほとんど何があるのかとか知らねんだけど、チョコバナナ?ってのは食ってみたいなー。
■蒼穹 > んんー、何だろう。家元の娘として恥ずかしくないレベルって、結構仕込まれてるって思うんだけどなー…。
あっはは、良いよいいよ。無理にとは言わないけどさ、また今度、機会があって気が向けば見せて。
…何だかんだで見たことないっていうか。
ああ、ええっと、もし良かったら…連絡先と住所とか交換しとく?
(この先、何か関わることがあったら是非、なんて思考を馳せて。)
あっはは、私は嗜んでるって感じじゃないかな。
剣を武器には使うけど、力任せ。…ある程度、自信はあるんだけど技量がねー。
学園にはいっぱいいるだろうけど、同じ土俵じゃ負けちゃうかもねで、。…ツバキはどうなのかな?
(苦笑いしながらも、片手をぶんぶんと振って、空を切ってみる。そうして、やっぱり彼女の家元の娘たる実力は気になるようで。道場を持っている父親の…ともすれば、やっぱりそうとうな使い手なのだろうか。)
あっはは、御祭りなんて定期イベントだからね。
それこそ、大分長生きしてないと詳しい人なんていないだろうね。
…時間、間に合うかな。
(ふと、街中に突っ立つ時計に目を遣りながら。夕方から、こうしてどれほど話していただろうか…。)
■月雲 椿 > 「私は、ご期待に沿えるような物はなにも……
あ、ではええと、携帯の連絡先を、ちょっと、待ってくださいね、ええと……」
慌てて制服のポケットから携帯を取り出すと、覚束ない指先で
ぽちぽちと操作を始める。時折首を傾けながらも進める操作は
少女が携帯慣れしていない事が安易にばれてしまうだろう。
「力任せ、ですか?私は、……全然です。
お父様にも今だ勝てませんし、体力も全然無くて、気が弱いのもどうも…。
せめて異能が実践向きだったら良かったんですけれど」
小さくため息を吐き、肩を落としながらもとぼとぼと歩く様は
叱られた子供にも似て、小さな身体は余計に小さくなる。
「チョコバナナ!美味しいですよねぇ。
屋台にあるといいんですけれど。どうなんでしょう」
のんびりとそんな話を零しながら歩いていた手前、
釣られて時計を見上げれば随分時間が経っていることに漸く気がつくだろう。
「わ、わあ!お、お祭り間に合いますでしょうか…?!
き、今日のところは先にお祭りに行きますか?!
それともやはり浴衣を買ってから向かうべきでしょうか…?!」
一人で軽く混乱に陥りながらも、忙しない声は夕焼けに消える。
浴衣を購入するとなれど、そのままお祭りに向かうとなれど、
騒がしい事に変わりは無いかもしれない――――
■東雲七生 > でも、ここのお祭りって毎月やってんだろ?
来月もあるだろうし、むしろ来月再来月辺りが本番?
……まあ、毎月本番なんだろうけど。夏祭りって7月とか8月ってイメージあるし。
(そんな事を取り留めもなく話しながら時間の事については、どうしたものかと首を傾げる。
急ぐ理由も特にないし、と少女二人を見る。
どちらに行くにしても二人の決定に従うつもりだ。)
チョコバナナ。話でしか聞いた事が無いからずっと気になってんだよなあ。
バナナもチョコも知ってるけど、それがどう合体してるのか気になる。バナナ型のチョコなのか、バナナ味のチョコなのか……。
■蒼穹 > あらら、…だめかぁ。
おっけ、…えーと。うん、出来たら、言ってね。
(何やら、仕草に慣れていないことが現れている。それは、察したけれど、ここまでとやかくものを言うのも、憚られるし、大人しく待つことにする。ここの祭りは初めてと言うし、最近出てきたばかりなのかもしれない。曰く、「箱入り娘の御嬢様」なのだろうか。)
そりゃー、お父さん、道場の主なんでしょ?
娘さんがそう簡単に勝てちゃったら、お父さんの面目もあるだろうし。
それに、キミはまだまだ若いんだしさ、これから色々発展していけるんじゃない?…って、私が偉そうに言うのも何だけど。
…そういえば、ツバキも異能持ちなんだ。し、しっかり!
(何だかまた、気を落とさせてしまっただろうか。歩みから自信が消えて行った気がするので、激励を一つ。)
…どうしよ。
え、なに。二人ともお任せみたいな感じなのかな…?
どうしよっかな。そうだね、夏祭りの来年にかけるのも良いし。
言ってみるのも良いよね。でも、もうこんな時間だし…お買い物するのも良いよね。
…迷うね!どうしよっかな。
んー…まぁ、折角ツバキは可愛い服買いに来たって言うんだしさ、今回は、そっちを優先って事で…どうかな?
(おずおずと、進む足を止めては振り返り、二人の間で本日何度目か分からない、視線を行き交わせる仕草を。)