2015/07/07 のログ
■日恵野ビアトリクス > (苦しい言い訳だな……)
楓と雄の会話を横で聞いていて思う。
普通の水着にしては妙に厳重に包みすぎだ。
「楓先輩、そのへんにしておいてもいいんじゃないですか?
彼がどんな水着をつけようがいいじゃないですか。
おおかた、ちょっと冒険してメンズビキニとか買っちゃったんでしょう」
くすくすと笑いながら、助け舟を出してやる。
もちろん本気で自分の言葉の内容を信じているわけではない。
■神宮司ちはや > (それぞれの会話の含みには全く気づく様子が無い。
首を傾げながら何か違和感を感じるもそれぞれの様子を伺うだけで口にはしない。
メンズビキニってなんだろう、と思ってもう一度男性用でそれらしきものを探してみた。
引っ張りだしたもののきわどさにあわわわわっと慌てて、元の位置に戻した。
そうか……加賀背さんこんなの買っちゃったのか。
おしゃれな人はこんなものを着ちゃうんだな、と一人納得した。)
■加賀背 雄 > は、はい、色々と…サンダルとかも買い込んで…
(無意識のうちに、紙袋を胸元へ。ぎゅっと抱きしめるようにして抱える。
楽しげに笑う彼女を見る目は、すっかり”何かを”握られたもののそれだった。)
そう、そうなんです! 色んな種類の水着を買ったので、ちょっと袋がかさばってしまって…
水着と言っても、何着も買ったら買ったで思ったよりも邪魔なんですね…!
(いくら男物の水着とはいえ、何着買ったところで大した容積にはならない。
それでも、ビアトリクスが出してくれた助け舟に必死にすがって。
じっとりと背中に汗が伝うのを感じながら、努めて明るく笑う。)
■正親町三条楓 > その時、無意識にか内股になっている彼を見てはっと思い出す。
――SNS「ドリームワールド」で人気の女性管理人に、似ている。
いやでも、まさか……
しかし、それならつじつまは合う。
値踏みするように加賀背を見つめ。
「……なるほど。お洒落さんなんですねぇ」
肉食獣の笑みを浮かべながら言う。
■日恵野ビアトリクス > やたら獰猛な笑みを向ける楓をジト目で見て、
(欲求不満なのかな……)
と、思ったとか。
「そろそろ出ない?
みんな買うもの買ったし、ここで駄弁っていてもじゃまでしょう」
手に購入物の紙袋を提げて。
いつまでも雄が逃げられないだろうし。
■神宮司ちはや > あ、うんそうだね……。
他のお客さんに邪魔になっちゃうといけないし……。
(そそくさと通路の脇に逃げると、店の出入口へ向かう。
途中何かを思い出したように、後ろから楓の袖を引いて)
あの、先輩ちょっと渡したいものがあるんですけど……
(そう言ってかばんの中から手のひら大のファンシーな包装をされた袋を取り出した。
中身はこの間ビアトリクスと買った猫のストラップマスコットだ。
白い長毛のセクシーな猫がポーズを決めてウィンクしているマスコット。)
えっと、楓先輩には似合わないかもしれませんけど
普段お世話になっているお礼です。良かったら受け取って下さい。
(小さくそう言って渡そうとする。)
■加賀背 雄 > (自分の太もも同士が触れ合う。 身をすくめ、目の前の…獣の目を持つ彼女の言葉が、視線が、
まるで自分をスキャンして、全てを洗い出していくように体を這う。
彼女が告げた言葉の意味を表情から汲み取ると、無言でゆっくりと頷いた。)
っは…あっ、そうですね、うん。邪魔になっちゃいますから…
(ビアトリクスの言葉に夢中で頷く。 少しよろよろよした足取りで、少しだけ移動を試みて。
先ほどまであった緊張状態など気にせずに、楓さんにプレゼントを渡すちはや君を見て…
気が抜けたのか、少し笑った。)
■正親町三条楓 > 「――ありがとうございます」
嬉しそうに受け取る。
帰ったら早速つけよう。
ちなみにちはやが手を出してくれないので大変欲求不満である。
――そして、にぃ、と笑うと。
そうですね、出ましょうかと呟き。
加賀背の背後にゆっくりと回って。
「――また会いましょう、『ホシノカミ』さん」
ぼそりと呟き、出口へと向かう。
■日恵野ビアトリクス > 楓にプレゼントするちはやをちらりと見て、
自分もポケットに突っ込んであるスマートフォンに触れてみる。
そこには彼からのプレゼントのストラップ――はなく、
自分で買った長く白い猫がいるだけ。
なぜかつける勇気がまだわかなかった。
自分の絵を気に入ってくれた少年だし、雄が毒牙にかかるのは哀れだ
という思いはもちろんあるが……
(彼が楓の餌食になってくれるなら、その間ちはやは汚されずに済むな――)
なんて打算も同時に存在してはいた。
そろって店を抜け、商店街の通りへと出る。
「今日は楽しかったよ。水着選んでくれてありがとう、ちはや」
薄く笑って礼を言う。
■神宮司ちはや > (楓が受け取ってくれたことにほっとして満面の笑みを浮かべる。
自分の選んだものを彼女が手にしてくれているだけで嬉しそうだ。
少しだけ浮かれた足取りでビアトリクスの横に帰る。
ちはやにその気は一切ない。そういうのは大人になって責任が取れるようになって、
おじいちゃんに紹介できるようになったらだというのをきちんと守っているからだ。
大人の欲求など、未熟な彼には想像がつかないのだ。)
ううん、ぼくも皆で買い物出来て楽しかった。
先輩もトリクシーくんも加賀背さんも付き合ってくださってありがとう!
(にこにこと笑いながら頭を下げる。これで試験後の心配もなくなった。
いやまぁ点数や評価の心配はあるが悪くはないだろう。
ビアトリクスに顔を向けると)
それじゃ、一緒に寮まで帰る?他にご用事はない?
(気遣うように一言声をかけた)
■加賀背 雄 > お疲れ様でした。 それじゃあ、僕も…
(立ち去ろうとしたその瞬間に、楓さんがすっと後ろにつく。
何事かと訪ねようとした、その瞬間に…)
…ッ…!
(一瞬体が硬直する。 慌てて紙袋を拾って、小さく息を漏らす。
出口に向かう楓さんの背中を、呆然とした表情で見送って。
名前を呼ばれると、ちはや君の方に向き直った。)
うん、僕も買い物が出来てよかった。 それじゃあ、またね。
ビアトリクスさんも…買い物に混じっちゃってごめんね。
(踵を返して出口の方へ。 ぎゅうっと紙袋を抱きしめるその
表情には、困惑と恐怖の色が浮かんでいた。)
■正親町三条楓 > 「ふふ、それじゃあちはや君、また。
皆さんも、またお会いしましょう」
優雅に一礼すると。
すっかり肉食獣の眼光を消し、元の優雅な立ち振る舞いのまま、去って行く。
ご案内:「商店街」から正親町三条楓さんが去りました。
■日恵野ビアトリクス > 去る楓を見送る。ふう、と大きく息を吐いた。
猛獣と一緒にいるような緊張感があった。
アレに今後も立ち向かわなければならないかと思うと気が重くなる。
「構わないさ、べつに。
ちょっと面白いものも見れたし」
雄の言葉には無表情にそう応じる。
「ん……ああ」
失念しかけていたが、そういえばちはやと自分は同じ男子寮に住んでいるのだ。
自分が一応男性であったことを、珍しくも感謝する。
「大丈夫、別にないよ。
……それじゃ、帰ろうか」
微笑みのまま、控えめにちはやの手へと手を差し伸べて。
■神宮司ちはや > はい、楓先輩また!
(優雅な立ち姿を目に焼き付け、楓の背が見えなくなるまで手を振った。
ビアトリクスに手を差し出されるとなんだかんだで慣れたのか、そっと握り返した。)
うん、それじゃあ加賀背さんも、また今度。
(握っていない方の手で軽く手を振ると、寮の方へと歩いて行く。)
ご案内:「商店街」から神宮司ちはやさんが去りました。
ご案内:「商店街」から加賀背 雄さんが去りました。
ご案内:「商店街」から日恵野ビアトリクスさんが去りました。
ご案内:「商店街」に月陰ミツキさんが現れました。
■月陰ミツキ > 「ふんふんふー♪」
今日はお財布にぎってお買い物。今日買う予定はエプロンと三角巾代わりになる何かだ。
■月陰ミツキ > 何故三角巾の代わりになるモノなのかと言うと、人類と亜人種の構造の違いから、三角巾では多少不具合が出てしまうのだ。
具体的に言えば、耳が抑えつけられてなんかもにょもにょしてしまうのである。
ミツキの場合は完全に人間化する事が可能であるし、そうする事で解決できるといえば出来るのだが、完全人間化状態では五感が鈍ってしまう為製菓に関して不利になる。人間を超えた五感はこういった細々とした所でこそ役に立つと彼女は考えているし、通常人類より遥かに劣る魔力しか持たない彼女からすれば、その能力を生かせるよう気を使いながら生きていかないと劣等感にボディプレスされてしまう。
■月陰ミツキ > 「あ、これなんか使いやすそうだし可愛い」
そう呟く彼女の手には青くて大人しいデザインのエプロンが握られている。男ならば、女性に着せるエプロンはフリフリの付いた『可愛らしく作られたモノ』を推すモノだろうと彼女自身考えているが、そんな意図して可愛さを全面に押し出したエプロンよりも、四角い布に紐をつけたようなシンプルなデザインのエプロンこそ使い勝手と可愛らしさを両立したモノなんじゃないかなと想うのだ。
青いエプロンに似合う三角巾代わりになるものってあるかしら……と手に握り締めたモノの購入を決定して周囲をきょろきょろ……きょろきょろ……見回していても、エプロンと違い使い手を選ぶ形状に成るであろう頭部アイテムは中々見付からない。
何せ人間用じゃ駄目なのだから。
■月陰ミツキ > ややあって赤と白のチェックに少しだけ薄い黒の混じった可愛らしい帽子を見つけた。
耳穴用の穴がついた獣人用の帽子で、『タイプ:ドッグ・キャット用』と書いてある。
ミツキは犬型では無いが、狼型なのでコレで問題無さそうである。実際被ってもいい感じにしっくりくるし。
■月陰ミツキ > 白いシャツの上から青いエプロン……そして頭には赤チェックの帽子……。機能性重視でありながらそれなりに可愛い感じに仕上がってるんじゃないかななんて鏡の前で自画自賛してみたり。手早く買い物を済ませるとコレで用事は終わりである。
■月陰ミツキ > 「さて……次は何しよーかなぁ」
必要な買い物は済ませたが、せっかく商店街に来たのだしのんびりブラ付くのも悪くない。
この島ならどこでどんなトラブルが起こってもおかいしくないし面白おかしい事態に遭遇したりはしないだろうか?
■月陰ミツキ > 流石に今日はあの巨大ミミズこと、現実破壊生物群(wiki参照)は出無いだろう。
というよりあんなものが連続で出てきたりしたら不運すぎる。
■月陰ミツキ > 何とはなしに四次元かばんから巨剣を少しだけ引き抜いてじっと見つめる。
物理攻撃が効かない以上コイツでもどうしようも無いだろうが、弾き飛ばすぐらいはできるよね……と不安にさいなまれた表情を少しだけ浮べると剣を仕舞い直して彼女は歩き出した。
■月陰ミツキ > 「うーん……流石にアレは無いかなー」
最近時々聞く一時的性転換薬を何となく探してみる。別に不要なアイテムでしかないが、ジョークグッズとしても使えるし、もし男性に襲われた場合ソレを服用すれば貞操は守れる筈である。
まぁ、襲ってきた男性が両刀だったら無意味ではあるのだけれど。
■月陰ミツキ > 「……くくくくっ」
自分が襲われた瞬間、気付かれないようささっとお薬を振って堂堂としていたら、男性はどう想うだろうか……そんな馬鹿な事をついつい考えてしまう。
とはいえミツキ自身自分にソウイウ行為をしたいと思わせる魅力なんてあるとは想ってないので真剣に考えている訳ではない。あくまで冗談である。
■月陰ミツキ > 「あー馬鹿馬鹿しいな……」
そう呟くと先ほど購入しておいたオニギリを貪る。やはりオニギリは梅味に限るわね……なんて考えながら空を見る。
「今夜は確か満月だったかな?」
地球の伝承の多くにあるように、彼女が月で変化する化生と言う訳ではない。
だがしかし、昔から月は好きだった……試しに夜中に女子寮の屋根に上って遠吠えしたら何人の生徒が怯えてくれるかなーなんて意地の悪い事を考えてみる。勿論実行する度胸も性格の悪さも持ち合わせてなどいないが、たまにはこういう過程ごっこも悪くは無いだろう。
■月陰ミツキ > 「うぅぅん……」
ご飯を食べて、陽気に囲まれて……気付けば彼女は眠くなっていた。
丁度良い所に人の居ないベンチがあるし、周囲には幾つか人の座ってないベンチがある。
一眠りした所で特に誰も困らないだろうと考えてバックを枕代わりにそっと横に成る……。
やがて静かに寝息が聞こえはじめた。
「zzzZ」
■月陰ミツキ > 「ふぁっくちゅんっ」
一時間ほど経過しただろうか……風が彼女の鼻をくすぐり彼女を目覚めさせた。
「うっふーはーっ」
中々良い心地だった。狼の血が外の匂いの中で寝ることを欲したのかもしれない。
■月陰ミツキ > ご機嫌のまま彼女は家路につくのだった。
ご案内:「商店街」から月陰ミツキさんが去りました。
ご案内:「商店街」にワン・W・Dさんが現れました。
■ワン・W・D > 商店街の老舗であり、趣味で経営されている煙草屋に男は久しぶりに立ち寄る。
昼ごろの商店街は人通りが少ない為、男は少し目立つだろう。
「やれやれ、時期を選ばないと俺みたいのはこうして煙草すら買いづらい」
独り言のようにぼやくが、小さな窓から白髪とひげを蓄えた老人が笑って聞いている。
『で、何カートン買っていくんだい?』
老人としては相手が誰であれ買ってくれるなら問題はないのだ。
数ヶ月に一度試験時期になると現れて大量購入していく男の事は記憶に残る。
「あるだけ、と言いたいが。少し我慢してセッターを10カートン程だ。おまけのライターはいらん」
煙草などの嗜好品は若い学生には需要もないし高い。まとめ買いをすると一気に懐が冷えるのを感じる。
それから店の前にある灰皿とベンチへと向かう。
■ワン・W・D > 煙草の箱が入った包装を破り、一つを手に取る。
他のものが入ったビニール袋の中へと戻す。
懐からジッポライターを取り出したばこを口に加え、左手で風を除けるようにして火をつけ吸う。
「……ふぅ。
学園はテストで大変だな」
普段なら買い物だとかカラオケだとかゲーセンだとかで遊び呆けれるんだろうが、とは口には出さず想像する。
■ワン・W・D > (しかし、ここ最近亡くなったはずのロストサインの残党が出現してるとか聞くしな。少し情報が欲しいところだな…)
かつて、ロストサインに軽くあしらわれ歓楽街と落第街に張り巡らそうとした組織を崩壊されら血と泥と埃にまみれになりながら遺跡群の闇の中で息を潜める他なかった組織の人間としては、少し気になる案件ではあった。
煙草の煙を吐き出し、灰色の靄に包まれるようにして男は頭にニコチンが巡る感覚に酔いしれる。
ヘビースモーカーにはいくらになろうと手放せない安定剤だった。
ご案内:「商店街」にクランさんが現れました。
■クラン > ――甘い、甘い、むせ返るような紫煙の香り。
落第街第四区画。そこに根を張る古き魔女の、特徴的な香りが商店街に漂っている。
退屈そうに、面白そうに。煙草を咥えながら商店街を歩むその姿は、男の姿に勝るとも劣らず目立つだろうが。
「はン、何か面白いことでもないもんかねえ」
気だるげに呟く老婆は、今ちょうど暇を持て余していた。
■ワン・W・D > ヤニの臭いに紛れて甘い臭いを知覚する。
どちらも他人からすればどうかという臭いだろうが。
男は気づいても不快に思うことなくその老婆をサングラス越しに確認する。
「退屈そうだな、婆さん」
声の届く範囲に来た所で声をかける。
男の事は老婆は知らないかもしれないが、男は知っているこの老婆の仕事を、今では世話にもなっている。
客の名簿などがあればそちらも見覚えなど男について知っているかもしれない。
■クラン > 「あァ、あんたかい」
落ち窪んだ眼窩が細められ、サングラス越しの瞳を射抜くようにして笑う。
永く生きる老婆は、人を見て覚えることが取り柄となってしまった。
ワン・ウィリアム・ダーレス。四陣一王会の長。
よく覚えているとも、なんて口中、外には出さず呟いて。
「そりゃあね。こんな中途半端な時間じゃ、アタシにすることなんてありゃしないさ」
老婆の組織は大きい。頭が居なくとも、"それなりに"仕事が回るようにはできている。
表向きの仕事であっても、予約がなければ暇なものだ。
今はちょうど、そのどちらでもない時間であって。大きく紫煙を空に吐いた。
「あんたはずいぶんと忙しそうじゃないか」
愉快げに口の端を上げる様。風貌も相まって、まさに絵本から飛び出した魔女のよう。
■ワン・W・D > クランの言葉を聞いて戯けたように笑顔を作る。
「そんなもんかい?
俺の方よりこっち(学園側)のが賑やかでつい戻ってきたくなっちまう。
昼間でお祭り騒ぎするような街なら俺も喜び勇んで一枚噛みたいもんさ」
一本目のたばこを吸い終え指で弾くと吸い殻は風に遊ばれながら灰皿へと落ちる。
そして二本目を喰らえて火をつけて煙を吐き出し、
一度肩を上下に揺らして笑う。
「そうだな、俺は今半月ぶりのニコチン摂取に忙しい」
「そして昼間に婆さんが暇だというのは平和でいい事だ」
■クラン > 「確かに最近は平和だ。悪くはないね」
享楽的な老婆にとって、騒ぎとは即ち楽しみを得る瞬間でもある。
表裏のどちらにも関わらず、彼女の"掟"が乱されぬ限りはどのような賑わいでも歓迎だ。
彼女の商いもこの程度で揺らぐことはないわけだ。
ワンの方から視線を知らして煙草の灰を携帯灰皿に落として、
「最近は少しずつ面白くなってきてんだろう。
だから帰ってきたんだ、そうだろう? ワン・ウィリアム・ダーレス」
漏らすようように笑う。再び煙草を口の端に咥えると、赤い火がぼんやりと輝いた。
■ワン・W・D > 「ふん……。
その辺の事情はソッチの方が詳しいだろミス・クラン」
一度息をつくと煙草を口から離す。
そこに先程までの笑顔はなく。
「俺らを瀕死にした奴ら(ロストサイン)の残党は街を我が物顔で好き勝手だ。
“俺たち”としては許容出来る話ではない。
一つ、礼ぐらいはしたいしな……」
言い切ると少し顔を下げ、煙を吸う。
再び上げた顔には不敵な笑みを浮かべて。
「婆さんの言うとおり、面白そうだからこうして態々学園の中心部に様子見に来た。思ったよりも『いい街』になっているな。
そして、ここで婆さんに会えたのはちょっとした僥倖だ。後で“タマ”の仕入れに行こうと思っていた」
そう言って自分の胸のあたりを軽く叩いてそこに仕舞われているものの存在をアピールする。
そこには二丁の拳銃がある。その事をワンが昔から店を利用しているという情報から知っているだろう。
■クラン > 「なるほどねえ」
煙草の煙が交じり合う。
「アタシゃいつでも変わらないサ。アタシにゃアタシの領分ってもんがある。
あんたも奴らも、アタシのところに来りゃ変わりゃしない」
別け隔てなく武器を売る。女も抱かせる。
かつての騒動においても勢力を揺らがせることのなかった老婆。
その鉄の掟に踏み込んで"嫌気が差した"ものは数知れず。
「ま、今のここの住み心地は悪くないし、アタシの働き場を壊されてもたまらない」
働き場、とは。カウンセラーとしての場、つまり学校のことであったが。
「だからこそ、アンタにゃタマも売るし好きにしな。それがアタシの領分だ」
領分。それを侵すものには容赦しない。
少なくとも目の前の男は、"礼儀"をわきまえている。
だから忠告もしないし、笑うだけ。
愉快そうに老婆の目が笑う。
■ワン・W・D > 「この学園で裏の商いをやろうって奴で婆さんを寝起きから不機嫌にするようなことをする奴はいないだろうさ」
それは己自身、そして四陣一王会も含めだ。
「俺たちの商いはチカラではなく純粋なビジネスの利害の関係だ。
うちは未だ小舟のようなもんだからな。大船である婆さんを夜中に叩き起こすような真似はしないさ」
「それと、噂で聞いたが……幾つか“綺麗なタマ”が出てきていると言う話を聞いたが、それも用意可能ならば頼みたいと思っている」
特殊な弾丸が研究されたり、落第街で出回りだしていると言う噂はこの男の耳にも届いている。
で、あれば数は確保できずともこの目でそれを確認したくはあるというものだ。
どうだろう用意出来そうか?とまるで試すように笑みを返す。
■クラン > 「乗組員がイビキをかけりゃ、アタシとしちゃそれでいい」
どんなものであれ、老婆の元に集った者達には庇護が与えられる。
闇社会においての鉄の掟は、それこそ船頭を含めた船の乗組員たちが高いびきを掻くためのものである。
大舟も小舟も己の舟を転覆させかねないものでもあったが、
だからこその平等であるのかもしれなかった。
「タマ? ああ、そりゃ構いやしない」
言いながら、ワンという男についてのパーソナルデータを脳内で弾き出す。
"アレ"に属していないはずである、と無意識的に過ぎり。
「あるにはあるが高くつくよ。最近はそれが特に入用らしい」
表も裏も。その理由については言わずとも分かるだろうが。
身内でも"ゲマインシャフト"でもないワン相手には高額になるのは仕方がない。
ピ、と魔女は手元の紙を切った。いくつかの、取引相手にしか分からない"チラシ"である。
「三番ゲート。今はあんたのお目当てはそこにいる。上玉を抱きたきゃ札巻きを持っていくんだね」
この"チラシ"を持っていけば、そこで目当ての物を手に入れることができる。
ワンにとってはいつもの取引相手ではないが、探せば見つかることだろう。
■ワン・W・D > 「珍しいものには誰も彼もが夢中になるもんだ。仕方ない」
髪を受け取りスーツの内側の胸ポケットに仕舞い込む。
やれやれと痛い出費になりそうだと困ったように笑う。
「どんな女性でも喜ぶ“花束”を持って行くとしよう。
俺の用意する花束を嫌いと言った奴は今のところいない」
二本目の煙草を吸い終え、吸い殻を今度は自らの手で灰皿へと入れて立ち上がる。
「紹介に感謝するミス・クラン。
ここの煙草屋はうちの若いのの親が趣味でやってる店でな、出来れば融通を利かせてやって欲しい、と言うのは身内の肉親と言うので個人的な頼みだ」
つまりは、出来れば潰すような事はしないでやってくれと言うことだ。
恐らく、この様な小さな店など気に留めないだろうが、気にも留めないが故に邪魔に感じた時に潰すことがあるだろうと考えての言葉であった。
「街からまた一つ灰皿のある場所が消えるのは俺も悲しいからな」
と冗談を交える。
■クラン > 「色男でいつづけるなら、キメるところでキメなきゃねえ」
相手の笑いにはこちらも笑いで返し、携帯灰皿に煙草をねじ込んだ。
懐を一度確認して、息を吐くと。
「なるほど。アタシの機嫌を取りたいなら、『カサブランカ』を仕入れておきな。
東南のほうでしか取り扱ってないヤツでね。
そいつがあるなら顔を出してやってもいい」
ちょうど愛用の逸品が切れたらしい。肩をすくめて男に告げる。
このタバコを仕入れているのも、今は精々が彼女のところだけだろう。
「アタシャこれしか吸わない主義なんだ」
と、甘い、まるで蜜のように薫る携帯灰皿を軽く振って見せた。
■ワン・W・D > 「OK。若いのにも言っておこう。
とびきりの美人の趣味には男なら誰でも合わせたくなるもんだ」
そんな冗談を交えて肩を揺らした。
「今日は短いがいいデート出来て幸せでしたよミス・クラン。
また、機会があればこういうのも悪くないかと」
早々あることではないだろうが、とは心中で思いつつ大量の煙草が入ったビニール袋を手に老婆へと笑みを浮かべつつ会釈し一歩下がる。
何もなければこのまま身を翻し立ち去るだろう。
■クラン > 「なるほど。色男だね」
腹芸じみた嫌味がない。
四陣一王会、話には聞いていたが悪くない組織であったように思えた。
「アタシも悪くなかったよ。少なくとも一時の暇つぶしになった」
空を見上げて時間を確認すると、そのままどこからかゴーグルつきのメットを取り出した。
「さようなら色男。日和が合えばまた会うこともあるだろうサ」
同時に踵を返して歩いて行く。しばらくすれば、商店街に高らかなエギゾーストの音が響くだろう。
ご案内:「商店街」からクランさんが去りました。
ご案内:「商店街」からワン・W・Dさんが去りました。
ご案内:「商店街」にメアさんが現れました。
■メア > 【商店街の入り口、笹と短冊の置かれたスペースで笹を見上げる少女が一人】
ご案内:「商店街」からメアさんが去りました。
ご案内:「商店街」にメアさんが現れました。
■メア > 七夕...
【初めて聞かされた行事、笹に願いを書いた紙をぶら下げる
とそれが叶うと聞いてやってきたが...
本当に笹に紙がぶら下がっている】
恋人...お金...
【俗っぽいものからそうでないものまで多種多様な願いが吊るされている。
視線を下ろせば鉛筆に短冊が置いてあり、自由に願いを書いて吊るしていいようだ】
■メア > .....
【いわゆる願掛け
神頼みのようなものだろう。紙に書いて吊るすだけで願いが
叶うなんて思わない、そうは思いつつも吊るしてみたい気持ちもある】
ご案内:「商店街」にメアさんが現れました。
ご案内:「商店街」からメアさんが去りました。
■メア > ……
【短冊を手に取り鉛筆を握り、願いを書こうとしたその時…ふと動きが止まる】
願い…事……
【自分の願い事、それが思いつかずに手が止まる。】
■メア > 【叶えたい想いならある、だがそれはどうあっても叶わない
それを知っているせいで手が止まり、短冊を元有った場所に戻す】
お願い……
【自分の願い事、何となくそれを考えながら商店街を後にする】
ご案内:「商店街」からメアさんが去りました。
ご案内:「商店街」に四十万 静歌さんが現れました。
■四十万 静歌 > そろそろ試験も終わり、試験も終われば海開き。
海開きといえば、太陽の照り付ける中、
海ではしゃぐまさに夏の風物詩。
海ではしゃぐのに必要なものは、そう。
水着である。
「……」
硬直して考え込む店員、
助けに入った店員も悩んでいる。
それが何故、
こんな緊張した状況にあるのか。
いや、その、
別にたいした話ではないのである。
黒マントに合う水着なんていったら、
こんな微妙な空気に。
どうしよう。
私は、頭を抱えた。
■四十万 静歌 > 「――えっと。」
どうする。この微妙な空気。
「あ、いえ、自分でさがしま……」
い、いえ少々お待ち下さいお客様とかいわれてるけど、
いや、私が探したほうが速いしいいんじゃ、
そして思わずいってしまった店員さんも、
しまった顔ってしないでよ。
どうする。この状況、どうすればいい。
ご案内:「商店街」に生ヶ易案子さんが現れました。
■生ヶ易案子 > 「はいっ」
そんな店の入り口あたりで、店員に大振りの笹を差し出す小娘がいる。
……彼女の『異能』によって一瞬で生成された、七夕の笹飾りだ。こういうちょっとしたディスプレイをちょいちょいと作るのに、需要はそれなりに多い。
『助かるわあ、あんずちゃんの笹飾りは丈夫だし』
「あくまでディスプレイ用なんで、短冊とか提げると吹っ飛ぶから気を付けてー」
そんなちょっとした仕事を終えて、ふと店内に視線を移す。
商店は、水着を求める客でそろそろ賑わう頃合いだ。並んだ商品の彩りに心を惹かれていると――、
「あ、何してるのー?」
知った影がいた。
背後から、ノータイムで声をかける。
■四十万 静歌 > 「あ、ああ!
あんずさん。
こんばんは」
声をかけると一瞬驚くものの、
流石に空気が空気だったもので、
驚きよりも重さがかった。
心なし店員がほっとした顔をしている。
「その、ですね。
水着をやっぱり新調しようかなと思って買いに来たんですが……
つい思わず黒マントに合う水着ありませんかって聞いたら、
物凄く微妙な空気になってしまって……ええ。」
今に至るというわけです、
と神妙に頷くのである。
■生ヶ易案子 > なんだかよくわからないが、話しかけただけで表情を明るくされた。
話しかけ冥利に尽きるというものだ。話しかけ冥利ってなんだ。
「こんばんはー! 暑くなってきたねえ」
隣まで寄って行って、横から商品を覗き込む。
といってもこの季節、この商店。どこを見ても水着か、周辺用品だけど。
「黒マントに似合う水着か……」
とりあえず手元のハンガーラックをなぞって、しばらく考える。
面積比がうるさくなければ、黒にはどの色も差せるといえば差せる。黒マントは面積が大きいし、布の小さい――、
まで考えて、
「黒マントって着たまま泳げるの……?」
ド直球の疑問に到るのであった。
■四十万 静歌 > 「ええ、本当に暑くて、
海開きが待ち遠しいですよね。」
にっこりと笑い返して。
「そこまでがっつり泳げるほうでもないので、
別に問題はないかなと思って。
いえ、なんていうか……
マントつけてない中で人ごみあるくのかなり勇気いるんですよね。」
悪目立ちするマントつけた方が勇気あるんだと思うんだがどうかとは思うが、
本人的には気にならないらしい。
「流石にがっつり泳ぐ事になったら脱ぎますけど。
見た目を気にするならやっぱり、
黒マントに似合う水着かなぁ、と。」
■生ヶ易案子 > 「あんずさんはこの1週間、もうけっこう泳いだからなー。ほら、空いてたし」
試験週間なんてなかった。
「でも、やっぱ海は人いっぱいいたほうが楽しいよなあ。今年はどうしよ……」
なーんて言いながら、自分も色とりどりの水着に目移りを始める。
「うーん……だったら、」
先ほど考えたことをまとめ直して、
「黒マントで黒の面積が大きいから……、他に色をいっぱお入れすぎるとうるさいよね。
布が小さくて、派手な色の方が馴染むと思う」
と、カラーデザイン的な判断で、ひょいとその条件m合う水着を手に取る。
もちろん、ちょっときわどい。
■四十万 静歌 > 「ああ、成程。……
あれ。試験まさか一切受けてない……?
いや、自由だとおもいますからいいんですけど。
あ、そうだ、
折角だからあんずさんも何か水着選んだらどうでしょう?」
目移りしてる様子をみて、
少し淡い色合いの可愛い水着なんてどうでしょう等と。
そんな矢先、きわどい水着を差し出されて受け取り……
「……少しきわど……
あ、でも、
黒マントである程度隠れるから大丈夫……?」
困惑したが、にっこり笑って。
「折角あんずさんが選んでくれたのですし、試着してみますね?」
なんて。
■生ヶ易案子 > 「いやあ、いつもは何回か先生につかまるんだけど、今回は運が良かった!」
試験とはそういうゲームではない。
「この時期の浜辺はよいよー。空いてるし、なんか変な自販機とかあったし――」
もちろん、海開き前の海は、沖の休憩場や、海洋生物を避けるネットなどが整備されておらず非常に危険だ。よい子は真似しないようにしよう。
淡い色合いの水着を手に取って、
「そうだなあ……、身長伸びないから、あんまり新しいの勝手なかったけど」
ここいらで、何か新しいものを買ってみるのもいいかもしれない。バイトも増えそうだし、やや支出に余裕はある。
同じように試着室に並んでみる。
「似合うって似合うって。静歌ちゃんかわいいし!」
親指を立てて、こちらもカーテンに消える。
■四十万 静歌 > 「先生から逃げるゲームだったんですか、
ってそれ、試験受けてないから受けさせようとしてるだけでは……」
深く考えてはいけないと首をふり、
「変な自販機って、
自販機に手や足がついてるわけでもないと思うんですけど。」
一体どんな自販機だったのかと首をかしげつつ
先生からつかまってはいけない168時間から話をそらして、
着替える。
サイズは悪くないし、
問題なくきれるけど、
やはりマントを外した上体だときわどくて恥ずかしい。
それに、可愛いといわれて顔がまっかっかになっているので、
ちょっと心を落ち着けつつ、
マントをはおる。
「こんな所、かな?」
着替え終わると試着室から出るだろう。
なんだかんだで平均的といいながら、
胸もあるし、綺麗なラインは保っている。
マントから覗く肌と水着もさることながら
動くと翻るマントから更に露出が増える様が、
見ようによっては蟲惑的な様相であるかもしれない。
■生ヶ易案子 > 「うん、変な自販機。
よくわかんないけど、100円入れたら、ボトルメールに入ったこっくりさんが出てきてさあ――」
まったく意味のわからない説明だが、あんずさんとしてはそうとしか観測できなかったので仕方ない。
身振り手振り(更衣室越しなので意味はないが)を交えて解説する。
都市伝説――、とはいかないまでも、何かオモシロ闇鍋BOX的な存在であることは伝わるかもしれない。
静歌ちゃんのほうが出てきたのを聞いて、着替え中のまま首だけカーテンから出して確認。
「わー! やっぱり合う、うん」
そのまま手をぱちぱちとやるものだから、正直ちょっとカーテンのめくれ具合が危なっかしい。
「ほら、そういうちょっと派手なのの上にマントがあったら……、アレだ。
手品のときに目を引いたりするのに使えるんじゃないかな」
なんていったっけ、手元から目を逸らすやつ、キャトルミューティレーション……? だっけ、なんて言いながら。
■四十万 静歌 > 「それはまた変な自販機ですね。
なんていうか、
私もあってたいような恐いような。
危険性がなさそうな事だけが救いですかね?」
なんてクスっと笑うだろう。
「あ、あんずさん、
あんまり着替える前に動くと見えてしまいますよ……!」
そして、出てきて首を出して拍手をする危うさに、
思わず突っ込みをいれてしまう。
いや、流石に着替え中をみせてしまうのはまずいと思うのである。
だ、大丈夫かな?
と冷や汗を流しつつ、
「問題は手品に使うようなマントは水につけたらアウトな点なので、
その分仕込みが減る点でしょうねぇ。。。
手元から目をそらすのはキャトルミューティレーションじゃなくて
ミスディレクションですかね?
キャトルミューティレーションはあれですよ。
ほら、
UFOにさらわれてしまう奴。
ミステリーサークルとか。」
なんて人差し指を顎にあてて考えながら発現するのである
■生ヶ易案子 > 「うん、危なくはないんじゃないかなあ。
飲み物のみたかったのに喉乾いたりしたけどさ」
大した影響を受けていないので、気楽なコメントである。
この学園の色んなところに、謎の自販機の謎の飲料の被害を受けている人々が広がりつつあることなど、あんずさんたちは知る由もなかった。
「――って、そうだ。ちゃんと穿かないと」
さらっととんでもないことを口にしながら、一度カーテンにこもり直して、
「じゃーん!」
パステルカラーの可愛らしい水着は、静歌ちゃんのものとは対照的に、色数が多く賑やかな柄モノだ。
もちろん、年相応に女性的なラインぐらいは、ある。普段はふわふわした服を着ているので、少し着やせするけれど。
ただ、全体的なデザインと、何より本人の印象がちょっと子供っぽい。
「そうそう、ミスディレクションだ。
あれ、あんずさんもよくやるんだよね。能力を使うとき」
やらなくてもいいんだけど、能力自体が地味だから。演出のために。
「キャトル……キャトルなんとかは、そっか。牛が宙に浮くやつか」
なーんて言って、ちょうどそのあたりにあった、ウシ柄の、なんというか収容体積の大きいビキニを掲げてみたりする。
戯れに身体に当ててみるが、やはり体積が足りない。
■四十万 静歌 > 「まぁ、見かけたら話の種にはなりそうですね。」
そう。知る由もないのでこのレベルなのである……仕方ないね。
「……」
そんな事より、はいてないとか、
本当に注意してよかったと胸を撫で下ろす。
はいてないのは 非常にまずい。
そして出てきた姿をみれば、子供っぽいけど、
綺麗なスタイルとその子供っぽさが可愛らしさを増長させて、
思わず
「おお……」
と声が出てしまった。
「あんずさんって本当に可愛らしいですよね。」
なんて素直な感想と共に。
「それにしても、能力使うときにやるって、
やっぱり能力使う瞬間が教師にばれないようにですか?
ええ、そして牛がうく奴ですよ。
……ちょっと私にも大きいですね。それ。
……どんな人がきるんでしょう。」
牛柄の水着をあてているのをみて、
こんなドストレートな水着をきる人いるんだろうかっていうか、
このサイズの人ってどんなだろうと小首をかしげた
■生ヶ易案子 > 「そんなでもないって、子供っぽいだけさあ」
そう言って、頬に手をあてて、もう片方の手をひらひら。
しかし悪い気はしないのか、その場でくるりと一回ターン。
「よーし。店員さーん、これくださいなー」
遠巻きに見守っていた店員が、待ってました、という感じで値札を検め、少々お待ちくださいね、とレジへと走っていく。
「いや、あんずさんの能力、逆にさ。ふつうに使うと『全く気付かれない』ぐらい地味だから――、」
支払いのために、財布からごそごそとお札や硬貨、溜まっていたレシートを出して。
「ほい」
10円玉をひとつ、一回宙に投げて。
「じゃん」
キャッチするころには、反対側の手の上で、さっき取り出したレシートが折鶴になっている。
「こういうことしたほうが、なんか、能力とか使った感が出る、ってだけ」
基本的に、隠す気はゼロである。おそらく罪悪感がゼロなのだ。
■四十万 静歌 > 「でも、その子供っぽい所もまた可愛らしいんだと思いますよ
あ、店員さん、私もこれいただきますね。」
こちらもこれでいいと、決めてしまう。
着心地は特に悪くないし、
マント外さなければ大丈夫なはずだ。
その声にも店員さんは分かりました。お待ち下さいと返事をしてくれる。
「あ。」
視線が完全に誘導されて、
気づいたら折鶴が。
「凄い!
なるほど、一瞬でできるから、
ビックリさせる為の手法なんですね。
おお、確かにびっくりしました……!」
と思わず拍手