2015/09/18 のログ
神宮司ちはや > 「いえ、こちらこそ勘違いしてごめんなさい。
 ……優しいんですね。怪我をしててもふつう見ず知らずの人に声をかけるって勇気がいると思いますけど」

それじゃあ遠慮なく、とハンカチを受け取り傷口に当てる。
手に食い込んだバッグの持ち手もハンカチにくるめばそれほど痛くはない。

さらに理沙が手伝いを申し出る様子に少し慌てた。
確かに好意はうれしいがなんとなく相手に迷惑をかけっぱなしなのも悪い気がした。

「いいんですか?なにかほかにご用事があってここにいらしたんじゃ……。
 あ、ぼく1年の神宮司ちはやっていいます。えっと……あなたも寮住まいですか?」

日下部 理沙 > 「ああ、いや、なんというか、優しいというわけじゃなくて……ほら、自分がもしそうなってたら、助けてほしいですし。
それだけですよ」

同じ状況になったときに、大勢の中で一人というのは、他人事とも思えない。
結局それは、理沙のエゴであった。
理沙は少年に勝手に自分をダブらせたのだ。
だからこそ、理沙は若干の御節介と思える行動もこうしてとっているのかもしれない。

「あ、そういえば、自己紹介私もまだでしたね。
同じ一年の、日下部理沙と申します。九月からの新入生なので、神宮司さんより私のほうが後輩ですね。
用事のほうは、まぁ、もう済みましたから大丈夫です」
 
無論、嘘ではあるが、ちはやに気遣わせるわけにもいかないだろう。
あまり頭の回転が速いほうではない理沙でも、その程度の考えは及ぶ。

「寮には住んでませんが、近所の下宿に住んでます。
寮のほうは、この翼ですから……何かと不都合もありまして」
 
異邦人もいるだろうから実際はそれほど問題でもないのだろうが、単純な理沙の引け目であった。

神宮司ちはや > 「助けてほしくてもこうして助けたことで必ず助けてもらえるってわけじゃないのに
 やっぱり、そういうのって優しいっていうんだと思います。
 それに何を思っていてもこうして手伝ってくれたことにぼくは優しいって感じてるんです」

もちろん、ぼくもあなたがそうなったときに助けられるといいんですけれどといい添えて苦笑する。

「日下部さんですね。こうはい……そっかぁ後輩かぁ……」

えへへと少し嬉しそうににやける。先輩後輩の間柄だなんて入学したての時は考えたことがなかったし、
自分に後輩ができるのなんて当分先のことだと思っていたのだがどうやらついに今日後輩という存在ができたことがうれしいらしい。

慌ててゆるんだ頬を戻して、相手の用事が済んだということにほっと胸をなでおろす。

「それじゃあ、お願いしてもいいですか?ありがとうございます。」

荷物の半分を理沙に差し出す。ちょっと軽めのほうを渡す気遣い。
改めて横で理沙の翼を眺めると珍しそうに眺め

「そっかぁ、寮の扉とかじゃ狭いですよね。結構不便なんですね……考えたこともなかったなぁ」

あ、道こっちですと先導して歩き始めた。

日下部 理沙 > 「はい、喜んでお願いされますよ。神宮司先輩」

優しいといわれるたびに、理沙は何処かむず痒い気持ちになった。
それは嬉しいと思うと同時に、どこかしら罪悪感のようなものも感じる、若干おもばゆいものであったが、それまで否定するのは理沙の傲慢である。
ちはやがただ「自分は優しいと感じている」といってくれるのなら、それはそのまま受け取るのが礼儀であろう。
そう思って、荷物を受け取りながら、鮮やかに表情が動くちはやの顔をみて、ただ頷いた。
本当は体格的にも、先輩後輩という関係的にも、理沙が重いほうをもったほうがいいとおもうのだが、まぁそれは無理にとっても相手に悪い。
大事なものがそっちの入っているのかもしれないし、余計な事はしないでおくことにした。
そして、そのまま、ちはやの先導に従って理沙は後をついていく。
道も覚えられて一石二鳥である。理沙はこのへんの道には全く詳しくない。
先導されながら道を覚えるべく、周囲をきょろきょろ見回していた理沙だったが、ちはやの視線に気付けば、そちらに視線をおろす。
黒瞳と思っていた瞳は、よくみれば深い藍色の瞳で、まるで磨き上げられた瑠璃のようだった。
 
「ああ、そうなんですよ。結構邪魔でしてこれ。狭い所だとよくひっかけちゃうんですよね。
この前も、狭いお店で棚の商品をひっかけちゃって、大変でした。
衣類だったので壊れたりしなかったのが幸いでしたよ」

神宮司ちはや > 「せんぱい……せ、先輩はちょっと恥ずかしいです。
 ぼくのほうがどう見ても年下なのになぁ」

もじもじと落ち着かなさそうな様子で足早に寮への道を急ぐ。
珍しそうに周囲を見回す理沙に本当に慣れていないんだなぁと思いながら、なるべくわかりやすそうな道を選んで歩いていく。

「あんなに器用に扱っているように見えたのに、やっぱり狭いところだとどうにもならないんですね。その翼。
 もっと広い通路のお店も学園街か、あとは異邦人街とか歓楽街のショッピングモールだと大丈夫かもしれないです。
 あんまりぼく行ったことないですけど……」

そうしてしばらく並んで歩くと見慣れた寮の玄関が見えてくる。

「あ、ぼくあそこの寮に住んでいるんです。ありがとうございました、ここまでで大丈夫です。
 あとえっと、ハンカチありがとうございました。今度洗って返します。それから……」

買った荷物の中からペットボトルのお茶を取り出すと理沙へ渡そうとする。

「これお礼です。大したものじゃなくてすみませんが」

日下部 理沙 > 「それでも、先輩は先輩ですよ」、などと言いながら、ちはやの後をついていく。
よく見れば、ちはやは確かに年下のように見えた。
全体的な見た目もそうだが、やはり中性的な顔立ちの中にあるのは若干の幼さだ。
特に、笑ったときにそれが見え隠れする。
物腰丁寧で上品であるからこそ、ときたま見え隠れするそれが殊更強調されて理沙には見えた。
いい所の出なのかもしれないと思ったが、実際どうなのかはわからない。

「単純にスペースをとりますからね。狭い所だと他の人にどうしても迷惑をかけがちです。
広いお店ならやっぱり、そっちのほうがいいですかね? 今度、いってみますね。
特にショッピングモールは、ちょっといってみたいですし。
あ、そろそろですかね」

談話を楽しみながら、メインストリートを離れ、閑静な住宅街を抜け、その先の寮の入り口までついていく。
場所はだいたい知っていたが、来たのは今日が初めてだ。
結構、大きいんだなぁとか思いつつも、荷物を渡す。
 
「いえいえ、ハンカチの方はそのままでも……あ」
 
そう、軽く手をふったところで、ペットボトルを渡されて、一瞬戸惑う。
断ろうとおもったが、それでは逆にここでは失礼だ。
数秒かけてやっとこそれを判断してから、ぎこちなく頭を下げて、受け取る。
 
「それじゃあ……頂いておきます、ありがとうございます。神宮司先輩……いや、神宮司くんのほうが、いいのかな?」

神宮司ちはや > 神宮司くん、と呼ばれればことさら嬉しそうに照れて笑う。
どうやらそちらのほうが良いらしい、うんうんと頷きながら

「うん、そっちのほうがいいです。ここまでありがとうございました、日下部さん。
 えっと今度近くに寄ったらぜひ遊びに来てくださいね」

理沙へペットボトルを渡し、代わりにこれまで持ってもらった荷物を受け取るとぎこちなく頭を下げる相手と同じように頭を下げた。

「それじゃあまた!ありがとう!」

またえっちらおっちら荷物を運びながら心なしか軽い足取りで寮の玄関をくぐる。そうして中に入ればちはやの姿はすぐに見えなくなった。

ご案内:「商店街」から神宮司ちはやさんが去りました。
日下部 理沙 > 「私の好きでしたことですから。はい、それじゃあ、神宮司くんまた」
 
良いと言われた方で返事を返して、理沙はそのまま見送った。
ペットボトルを片手に、ひらひらと。
表情はそのままでも、翼だけは少し嬉しそうに、僅かに揺れている。
ちはやの姿が見えなくなるまで手を振ってから、理沙は手をおろして、寮の前を離れる。
入口の前に自分みたいなのがいたら邪魔だろうと、単純に思ったからである。
のそのそと、その場を離れていく。
買い物は、まぁまたあとでいいだろう。
急いで買い揃えなきゃならないようなものもない。
それこそ、ちはやの教えてくれたショッピングモールとやらにまで足を延ばしてもいい。

日下部 理沙 > 帰路につきながら、理沙はしかし考え込んでいた。
実際のところ、ちはやの指摘は正しかったように思う。
何故、ちはやを助けたのか。
何故、自分の用事を放り出して、嘘までついて彼についていったのか。
そうしたかったから。それだけで一応済む話ではある。
だが、何故、そうしたかったのか。
自分が困った時に、そうしてほしいから。
情けは人の為ならず。それの曲解にも近いそれが解答なのだろうか。
それだけではしっくりこない気がする。
だからこそ、理沙は考えていた。
その思索は長引くものではないかと理沙は脳裏で少し思ったものだが。
 
「……あ」
 
実際は、それほど考え込むこともなく、わりとあっさりと、答えはでた。

日下部 理沙 >  
 
「そうか、私……友達、欲しかったのか」
 
 

日下部 理沙 > 出てみれば、それは至極単純で、あまりに簡単な答えであった。
ちはやに対して行った押し付けがましい善行も、ようはただの人恋しさの発露だったのかと思えば、ひどく納得できる。
そして納得できるからこそ、理沙はそれを恥じた。
恥じる必要などないのかもしれない。
だが、それの自覚が遅れたことこそを、理沙は恥じた。
何故ならそれによって、知らぬうちに日下部理沙は、神宮司ちはやに対して不躾を働いたのかもしれないのだから。
 
「……」
 
答えはしれない。答えはでない。
それでも理沙は、ただ懊悩の中一つだけ溜息をついて、下宿へと帰って行った。

ご案内:「商店街」から日下部 理沙さんが去りました。
ご案内:「商店街」に『モンク』さんが現れました。
『モンク』 > 商店街には人が多い。
路地を突き進む人々で、この街が賑わう。
彼等は、食料の調達などに勤しんでいるのだろう。
ショッピングに興じる人も大勢いることだ。

さてと、そんな事は関係ないとばかりに、今日も暴れるぜ!

七英霊の一人『ハンター』が一昨日やられた。
別に、奴を思いやる気持ちは微塵も沸いたりはしない。
討滅されて残念だったな、ぐらいだ。
しかし、『ハンター』がやられたとなると、『モンク』もいよいよ本腰を入れようかと思っていた。

「いくぜ! いくぜ!」

二メートル半ばを超える巨人『モンク』が路上を堂々と歩いている。
そして、地面におもいっきり宝具『デストロイヤー・ナックル』を装備したその手で殴りつけようとしていた。
そのパンチの速度は、もはや音速を超えており、殴る瞬間だけでも衝撃波が風となり周囲に伝わる。

もしそんなものが地面に突き刺さったなら、周囲の地面は粉々になり、当然周りの人に甚大な被害が及ぼす事だろう。
そんな“破壊行為”と“殺人行為”の両方を『モンク』は、楽しもうとしていた。

ご案内:「商店街」にジョン・ドゥさんが現れました。
ジョン・ドゥ > 「………っ!?…あれは…
……風紀委員も…居ないか……ならば………」
【未開拓区から落第街を目指し、建物の屋上を飛び渡り移動していた彼は、
移動中、眼下に『モンク』が地面へと音速で拳を振るおうとする様を見ると共に、
咄嗟に収納の魔術を発動し、そこから取り出したフックロープを投げていたのであった。

勿論、彼は身を隠して移動を続けている最中であった、
しかし、今まさに、振われようとしている暴虐を見過ごす事は出来ず、
『モンク』を止めるべく、始末するべく、動いたのであった。】

【そうして、フックロープを投擲した彼は、
『モンク』へと向けて投げた、フックロープが『モンク』の腕を止めらるかの様子を見ながら、
『モンク』の居る方向へと目掛けて屋上を飛び降り向かうのであった。】

『モンク』 > 突然どこからかとんでくるフックロープに、地面を殴る事に集中していた『モンク』は気付く事もない。
フックロープが巻きつけられた瞬間に、『モンク』の拳がぴたりと止まる。
どちからと言えば、自分の拳が振り下ろしにくい違和感に気付いて、殴る力を弱めた感じだ。
首を捻る『モンク』だったが、その自分の拳に捲きつかれるフックロープを見て、現状を理解した。

「どこの誰かは知らんが、小癪な真似をしてくれるぜ。
 この七英霊の一人『モンク』と勝負したいってか?
 いいぜ、いいぜ。
 その挑戦受けてやるぜ」
『モンク』はフックロープを掴むと、ジョン・ドゥをこちらに引き寄せるように、ロープを思いっきり引く。

「それじゃあ早速だが、ゲームのルールを説明するぜ。
 お前が殺されれば、我の勝利。
 それ以外は、お前の勝利だ!
 そして、お前を殺して我は勝利者になるぜ!
 いや……待て……」
何か考え直すかのように言い改める。
「この我の周辺にいる奴全員、我は勝負をしかけるぜ!
 ルール変更だ。
 この周囲一帯の雑魚共を全員殺せば、我の勝ちだ!」
『モンク』は、引き寄せるジョン・ドゥを殴る構えをとった。
巨体で筋肉質、そして七英霊の中でも近接戦闘に優れる『モンク』の一撃は、当れば相当重いものになる。

ご案内:「商店街」に唐沢響さんが現れました。
唐沢響 > 「そうか…貴様が七英霊の一人か…」


たまたま商店街に居合わせたのか。
騒ぎを聞きつけて大男モンクの前に立ちふさがる
その手には大剣<朔姫>を手に持ち


最初は騒ぎを何事かと感じていたが
七英霊と名乗られれば戦わざる得ない


何故ならば七英霊を討伐せよ
という依頼を受けているからである
もちろん正規のルートではなく、少々危ないところからの経由



「おとといのハンターとやらよりは歯ごたえありそうだな」


おととい、英霊の一人、ハンターを倒した人物の一人
相手が七英霊である以上、他の英霊の名前を挙げて揺さぶりをかけてみて


「まぁ、依頼は依頼。狩らせてもらうぞ」


大剣<朔姫>を華麗に操りながら
横からの奇襲でモンクの首を取らんとして大剣を振るい

ジョン・ドゥ > 「俺がしたかったのは、お前が振るう暴虐を止めたかっただけで
勝負したい、という訳では無いんだがな…」
【フックロープを引く力で『モンク』の腕を止めた訳では無かったものの、
一応、『モンク』の攻撃を止められた事に、被害者を出さなかった事に、安堵しながら、
『モンク』の言葉を聞き、肩をすくめる。
だが、勝負を受ける気ではあるようで、構えていた彼は、
『モンク』に逆にフックロープをいきなり引かれながらも、バランスを崩さず、フックロープを引き返すのであった。】

「ははは、そんなルールか。
なら丁度良いな、生憎だが、俺は相当の事では死ねないらしいのでな。
そして、俺からも言わせてもらうぞ、俺はお前を殺して、こんなゲームを勝利と共に、永劫に終わらせてやるさ。」
【『モンク』が説明するゲームのルールを聞き、笑いながら言葉を返す、
しかし、次に言ったルールの変更を聞き、剣呑な雰囲気を漂わせながら、言葉を加える】
「……っと、おいおい、こいつらは関係ないだろう?
巻き込ませは、しないぞ……」
【辺り一帯の無関係の者たちも標的にするとの『モンク』の言葉、
その言葉を彼は、許容する事は当然出来ず、被害を出さずに、早急に始末するべく構えるのであった。】

(とはいえ……不味いな…
俺も今は万全じゃない…片腕で戦うとなると、これはちと厳しい…か?
だが、そうだな…今はそうも言ってらなない状況か)
【自分へと殴りかかろうと構える『モンク』に彼は、内心冷汗を流す、
現状、右腕が再生しきっていない彼は、必然的に片腕で戦う事となり、辛い状況であった。
しかし、諦めるつもりは無く、

彼はフックロープを引く力を一瞬強め、その後手を離す事で、ロープを引き返そうとする相手のバランスを崩す事を狙い
それと同時に収納の魔術を発動し、大剣を取り出し片手で構え、】

「……っと、新手か!?…いや、共闘者とみるべきか」
【その時、突如現れた、響に、一瞬、敵かと驚きながらも、
しかし、『モンク』へと攻撃する様を見て、敵では無いと判断し、
そのまま、彼も『モンク』へと大剣で切りかかるのであった】

『モンク』 > 立ちふさがる響を二メートル半ばを超える『モンク』は見おろす。
彼女の手に持つのは、大剣だった。

そして『モンク』は一つの情報を思い出す。
それは昨日、七英霊で行われた会議で手に入れた情報だった。
『ハンター』をやっつけたという人物の一人と容姿が一致している。
「お前の事は『ウィザード』の奴から聞いているぜ。
 『ハンター』をやっつけてしまった奴の一人か。
 面白れぇ……!
 お前のその肉体を原型が留まらない程に粉々にしてやるぜ!」
『モンク』は舌舐めずりをする。

「『ハンター』は七英霊の中でもヘタレだからな。
 だが、あいつも英霊だ。
 英霊を倒した者の一人なら、お前も結構な実力者だというわけだぜ。
 勝負しがいがあるってもんだぜ!
 もちろん、勝利者となるのは我だ!」
揺さぶりに対しては、堂々と答えた。


『モンク』はジョン・ドゥに目を移した。
「あほか、お前。
 我の殺戮を止めるって事は、我に挑戦する事と同じだぜ」
『モンク』にフックロープを投げてその拳を止めた時点で、『モンク』にとっては挑戦状も同然だった。

「我の破壊力をもってすれば、どんなものでも壊したり、破壊したりできるぜ。
 この戦いが終われば、お前も肉片になってるだろうぜ。
 我を殺すだと?
 我は勝利者側だぜ。
 『ハンター』なんかと違って、殺されるもんかよ」

「我が決めたルールだ。
 こいつらも全員、皆殺しにするぞ!」
眉をつりあげて、周囲の怯える人々を睨みつける。


ジョン・ドゥは引く力を強めて、そして手を離す事で『モンク』のバランスを崩そうとする。
綱引きの時には危ないので絶対にやってはいけないあれだ。
あほな『モンク』にはその行動に対応できるわけもなく、ジョン・ドゥの思惑通り、『モンクは』の態勢は大きく崩れてしまう。
「ぐわああぁ」
そのまま尻もちをついた。

その響の大剣<朔姫>は、横からきた。
狙うは、『モンク』の首!
いきなり的確に急所をついてくるやつだぜ。
この筋肉があるとは言え、さすがに首を狙われるのはまずい。
態勢が崩されながらも、僅かに回避して響の大剣は右肩へと直撃する。
「ぐがあああああっ!!」
その激痛に、『モンク』は傷口を抑えた。

「よくもやってくれたなぁ!
 ならこちらも、反撃といくぜ!!」
『モンク』は巨体だというのに、音速とも言える高速度で移動する。
もはや目にも止まらぬ、といったスピードで響の背後に回り込もうとし、横腹に横蹴りをいれる。
宝具『デストロイヤー・ナックル』が装備されていない足なので、拳の攻撃よりかは威力が低いが、それでも重い一撃になるだろう。

続けて、地面を怪力のみで抉りだして持ち上げる。
それは直径五メートル程の岩や砂の塊となり、元の地面には抉りだされた後の大穴があいている。
その岩や砂やアスファルトの塊をジョン・ドゥに投げつけた。
「うおりゃあああああああ!」

ご案内:「商店街」に嶋野陽子さんが現れました。
唐沢響 > 「それは良いことを聞いた。まさかあの強さで七英霊の下位クラスとは…」

数人でやっとのことで倒したハンターを思い出す
彼の能力は遠距離戦においては非常に脅威であった

モンクの発言からそんなハンターも英霊の中ではあまり良い扱いを受けておらず
あれほどの強敵を小物扱いか、と内心驚いていて


「流石英霊…あの体制から…」


少年の連携もあったおかげかモンクの体制を崩すことに成功する
そして急所めがけて確実に殺しにかかったはずだ

しかし手傷を与えれたもののかわされた
その事に相手はやはり戦いにおいては野生的驚異的な勘がさえていると思考する



「何?早っ…!?がぁぁっ!」


やはりこの剣を振るう度に体が疼く
リスクはあるが今一度自分の力を超えた技を振るうときと構える
片腕のない少年とは初対面ではあるがうまく連携がとれるであろう。ならばこの少年も腕は立ち、戦闘においては信用していいと判断

そうした矢先、モンクの蹴りが響の腹に突き刺ささる
かなりの距離を吹き飛ばされ肋骨も何本かたやすく折れてしまう
吹き飛ばされボロ雑巾のように転がった後、口から血を吐き出す。しかし息はまだあり、目も敵を倒さんと爛々としていて

嶋野陽子 > 公安委員会への報告を終えた陽子は、
6日ぶりの帰宅のため買い出しに商店街に来ていた
が、少し離れた所から物凄い轟音が聴こえて来たの
で、最寄りのビルの屋上まで階段をかけ上ると、念
のため戦闘モードになって、狙撃砲のスコープで轟
音の源を探す。
七英霊の話は、敬一君の死亡でそれどころではなく、
全く知らなかった陽子だが、500m程離れた路上
で見たこともない巨大な人影と、見覚えのある二つ
の人影が闘っているのが見える。
(あれは、唐沢先輩と…白崎先輩!?)
距離があって細部が見えにくいため、却って全体的
な印象でそういう風に見た陽子。
目まぐるしく動いているため、狙撃は無理そうだ。

[陽子。介入するならば、接近戦しか無いわよ。どう
するの?]と尋ねるステラ。
この間の電気猿との闘いの時のように、接近戦を挑
むならば、まずは現場に向かわないといけない。

迷っていると、唐沢先輩が巨漢に蹴られて吹き飛ば
されるのが見える。治療のためにも現場に向かわな
ければと決断した陽子は、現場から見えない通りを
使って現場に接近する。
接近しつつ、治療用ナノマシンの合成を行い、唐沢
先輩の治療を準備する陽子。

『モンク』 > 「七英霊の中には、『ハンター』とは比べ物にならない程に恐ろしい奴ばかりだぜ。
 『ウィザード』なんかはその筆頭だ」
ニヤリと笑みを浮かべながら、英霊を語る。
『ハンター』の扱いは、七英霊の中でもまさしく『ヘタレ』という事であった。
ヘタレと言えば『ハンター』。『ハンター』といえばヘタレ。
他の六人は全員、そう認識している。


『モンク』の横蹴りは、唐沢響に命中する。
そのまま唐沢響は蹴りの威力により結構な距離を吹き飛ばす。
格闘家、『モンク』は格闘であれば大抵の事をこなす事が可能なのだ。
「どうだ、我の蹴り。
 『ハンター』を倒した程度で粋がっているなら、この『モンク』には勝てないぜ。
 次は、この宝具『デストロイヤー・ナックル』の餌食にしてやろうかぁ!」
『モンク』が、周辺住民を恐れさせる程に叫ぶ。

そして『モンク』は、『デストロイヤー・ナックル』を構え、唐沢響に接近!
またもや音速を超えるような、目にも止まらぬスピード。
それにより、周囲には強い風が吹いた。
『デストロイヤー・ナックル』、そして『モンク』の筋力から繰り出される突きは強烈。
さらに音速にのっているので、そのダメージはさらに膨れ上がる。
パワー馬鹿。まさしくその通り。
だが、そのパワー馬鹿を突き詰めると凶悪な力になる。
『モンク』の拳が、響に迫ろうとしていた。
 

現場から見えない通りを使っている以上、『モンク』が嶋野陽子を視認する事はない。
姿を直接現さない限りは、『モンク』が嶋野陽子に目をつける事もないだろう。

嶋野陽子 > 陽子が走っている通りは、唐沢先輩
の着地点の少し現場寄りで、現場からの通りと斜め
に交差している。ソニックブームに伴う震動が足下
から伝わった瞬間、陽子は手にしていたジャベリン
を亜音速で前方に投げる。それはモンクがそのまま
突進を続ければ、斜め右前方から突き刺さる軌道に 
乗っている。
ジャベリンの穂先は紫色になっていて、何らかの毒
または呪詛がかかっていそうだ。
果たしてモンクはこの文字通りの横槍に気付くか?

唐沢響 > 「確かに…これは…別格だ。」


蹴りの速さ、そして一撃の重さでたしかにハンターとはまるで格が違うと再認識
そして新たにウィザードという単語が出てきた
おそらく敵のリーダーか最高峰の実力者かと推定


「こいつは…ちょっと不味い、な…」


モンクの格闘による突きは、先ほどの蹴りより遥かに凌駕している
恐らくは宝具と言われているものか?
いずれにしろ脅威である

異能<万物得手>は使用可能。
されどそれは業物やその道の達人が使っていた獲物しか使用不可

よって盾は現在使用できない
残った防御手段はこの大剣で受け止めるしかと覚悟を決めたその時


「陽子?」

突如飛来してきたジャベリンを確認
その先を見ると陽子がいるのが見える
何故彼女が?と思いつつモンクの攻撃を防ごうとし