2015/09/19 のログ
■ジョン・ドゥ > 「ふむ……お前が噂の七英霊の一人か。
ならば、これ以降の被害を防ぐためにも、
余計、俺はお前を始末しなくてはならぬ様だな」
【『モンク』が響へと語る言葉を彼も聞き、『モンク』が七英霊の一人であると確信し、
七英霊による事件の噂を知っていた彼は思う
彼が七英霊の一人であるならば、確実にここで仕留めよう、と。】
「そうだな。
そりゃあ、突然フックロープなんて投げつけられれば、普通は敵対行為と受け取るだろうな。
ああ、殺すさ。
勝利者側?まだ結果の決まって無い戦いで言うのは早計過ぎるんじゃあ無いか?」
【『モンク』へと漂漂とした笑みで言葉を返す、
しかし、その目は笑っておらず、確実に始末するという思いが滲んでいた。】
「知った事か、お前がルールで決めていようと、
無関係なこいつらを殺させるつもりは無いぞ」
【そう言い放ちつつ、
周囲の怯える者たちを横目で見ながら彼は思う、
願わくば、自分達の戦いなど見ていないで、早々に無事に逃げてくれと。】
「…上手く行ったか…!
ならば、このまま……」
【思惑通り、『モンク』が体勢を崩したのを確信し、
響の攻撃に続き、彼も大剣を振りたたみ掛けようとするも、】
「………っ!?…
…防護の符は…無いか……
ならば……左手なら…いけるか…」
【『モンク』による反撃を察知して飛退く、
しかし、次の瞬間、『モンク』は彼へと巨大な塊を投げつけてくるのであった。
その塊を視認し、彼は咄嗟に大剣を中へと投げて、収納の魔術を発動するも、
防護の呪符は既に無く、どうするべきかと彼は考え、
そうして、彼は左腕を構えると、
自身へと投げつけられた塊へと向けて、構えた左腕を身体強化による音速で放ち、
塊へと当てを粉々に砕こうとするのであった。
しかし、通常であれば、拳を音速で放てば、腕も無事では済まないであろう、
だが、魂とリンクさせる形式の防護魔術をかけた指輪を付けている左腕であれば、
その衝撃は魂へとフィードバックされ、魂は削れようとも、左手は砕けぬだろうとの判断の下、彼は拳を放ったのであった。】
■『モンク』 > その嶋野陽子の横槍に、あほな『モンク』が気付くわけがない。
例えば、隠密行動に長け、常に警戒心を弱めない英霊『シーフ』なら話は変わったかもしれない。
例えば、頭脳明晰で、その頭脳により先を読む能力に長けている英霊『ウィザード』なら、その攻撃を読んでいる可能性はある。
例えば、強さを求めたその先を知る英霊『ナイト』なら、その圧倒的な戦闘経験から対処できたのかもしれない。
だがあろう事に、こいつはあほでパワー馬鹿の『モンク』だ。
単純な戦闘能力だけは、確かに高い。
しかし、亜音速で投げつけられるジャベリンに、『モンク』が気付く事はなかった。
そのまま『モンク』の腹部に、毒か呪詛が宿る投げ槍が突き刺さる。
「ごわあああああぁぁっ!
小癪な……小癪な真似をしてくれるぜ!」
亜音速を超えるジャベリンの一突きにより、『モンク』の突進は収まり、その場で足を止める。
しかし、『モンク』の強靭な肉体は亜音速の槍を受けて大きな傷を受けてなお、仕留め切るには至らなかった。
そうは言っても、その槍に毒やら呪詛がかかっている事など『モンク』は気付きなどしない。
「まだ我に挑戦状を叩きつけてくる奴がいるのか。
どんどん面白くなってくるぜ。
お前もまた、手応えがありそうだぜ」
『モンク』は近くの電柱を力技だけで抜く。
そしてそれを──
「ううううおおおおおりゃあああああ!」
嶋野陽子に向けて勢いよく投げつけた。
こちらも亜音速を超えた速度で、電柱が嶋野陽子に迫る。
電柱が通り過ぎた周囲は、その風圧によりひびがいったり、破壊されたりする。
パワー馬鹿が、馬鹿みたいにそのパワーを見せつける。
地面の塊を投げたジョン・ドゥの方を向いた。
「被害を防ぐなんて無理だぜ。
この我が生き続けている限り、我は誰かに勝負をしかけまくる。
我の勝利条件は、相手を殺す事」
この強靭な肉体が『モンク』の自信となる。
「我が勝利するに決まっているぜ。
なぜなら、我は人々を虐殺できるぐらいに強いからなぁ!
敗北者の肉片を眺めるのが今から楽しみでたまらないぜ」
再び、野蛮に舌舐めずりをする。
この場に居る人の全員の死体を見るのを楽しみにしているようだ。
「殺すぜ、殺すぜ、殺すぜ!
それが我の勝利条件だからだ!
我は負けないぞ。
周囲にいる奴も全員殺して、我が勝利者になるんだ」
それはイカレたかのような発言だった。
ただ自分の決めた勝利条件に従い、殺す。
『モンク』にとっては、それだけだった。
ジョン・ドゥに放つ岩の塊。
だがそれは、彼の左腕により粉々に砕かれたのであった。
あれだけの岩を砕くとは、こいつもかなりのやり手のようだ。
■嶋野陽子 > モンクに刺さったジャベリンの穂先
には、クラーケンの麻痺毒がたっぷりと塗られている。
それは、モンクの肉体が純粋な霊体でもない限り、そ
の動きを大きく鈍らせ、最悪は完全に麻痺させる。
ジャベリンを追って、モンクにハンマーで殴りかか
ろうとしていた陽子は、モンクが電柱を投げ付けて
来ると、野球のバッターのようにハンマーを横殴り
にフルスイングして、電柱を粉々に粉砕する。
モンクには劣るとは言え、異星文明の超技術で強
化された218cmの巨体には、電柱を粉砕するに余り
あるパワーがあった。
モンクによる追撃に供えて、直ぐにハンマーを構え
直す陽子は、モンクが襲い掛かって来るならばその
場で迎撃し、麻痺毒が回って動きが止まるなら、止
めを刺すためにモンクに突撃するだろう。
この時点では、電柱の迎撃と、その後のフォローで
手一杯で、唐沢先輩やもう一人の様子を確認する余
裕は陽子にはまだ無い。
■唐沢響 > 「…何とかなったか。感謝する陽子」
自分に向けられたモンクの突撃は止まった
ひとまず陽子に感謝の言葉を言う
倒れていた体を無理矢理にでも起こす
この場で唯一純粋な人間であるにも関わらず
戦闘ができるのはその異常とも言える精神力
何度も自分より格が上の相手と戦い続けた響にとってこの逆境は逆に自分を奮い立たせるものとなった
「お前は強い…。けど、お前は弱者の、人間の足掻きを知らないだろう?」
再び大剣を構える
他の武器には変えられない。ここは一番使い慣れた武器で挑むのがベスト
それしか生き残る方法がないのだから
大剣であり愛剣<朔姫>を構えながら攻撃のタイミングをうかがい
■ジョン・ドゥ > 「お前が生き続けている限りは、だろう?
ならば、お前を殺せば良いだけだ。単純な事じゃあ無いか。
つまり、今この時、俺の勝利条件もお前と同じで、相手を殺す事ってわけだ。」
【『モンク』を殺してさえしまえば、被害は防げる。
ならば、彼にとっては単純な事であった、
戦い、そして、殺せばいい。
それは、彼にとっていつもの事であり、
特に深い事情が無く、ただ暴虐を振るうだけの相手であれば、殺す事を躊躇する必要も無く
少なくとも心情的な面では、楽な相手であった。】
「であるならば、俺の勝利だな。
虐殺する事を楽しむ奴なんざ、何人も殺してきたさ。
故に、お前もそいつらと同じように、始末してやるさ。」
【自分の勝利を過信する『モンク』の言葉に挑発的に返しながら、
しかし、『モンク』の力量の程は理解しているようで、全く油断はしていなかった。】
「殺す…か。
ならば、俺は救おう。
お前を殺して、この場にいる全てをお前の殺戮から救うとしよう。」
【救うと、暴虐に曝される危機にある者を救うと、
『モンク』が殺す事を求めるのならば、自身は救う事を求めると、
彼にとっても、それだけしか無いという様に、『モンク』へと言葉を返すのであった。】
「……っ…ぅぅ…
……倒れる訳には…いかぬ…!」
【見事、彼の左腕は岩の塊を砕き、そして、その左腕も無事であった。
だが、その衝撃は彼自身の魂へとフィードバックされ、それにより彼の魂は、3割程が削られる、
その苦痛は相当のものであり、更に、魂の消耗により今にも意識は薄れようとするだろう、
しかし、彼は意識を強く保ち構える、
そうして、再び収納の魔術を発動し、チャクラム取り出し、『モンク』へと投げながら、
自身は、身体強化による脚力で飛び上がると共に、上空へと飛びあがり、
先程投げた、大剣を掴み、上空から『モンク』を狙うのであった。】
【『モンク』との戦闘に集中し、更に、先ほどの岩の塊への対処による消耗もあり、
他に『モンク』と戦う二人を気にする余裕は、現在の彼には無かったのであった。】
■『モンク』 > 今の『モンク』は純粋な霊体ではない。
もし霊化したならば、英霊は純粋な霊体になる。
だが今の『モンク』には肉体があった。
故に、攻撃も通るし、こちらからも攻撃をしかける事ができる。
霊化した英霊は、決して何にも触れる事ができないのだ。
つまりクラーケンの麻痺毒は今の『モンク』には有効だった。
その動きは大きく鈍る事だろう。
「ぬわっ……!?
なんだこれは、体が動かし辛いぜ……。
このジャベリンか?
一体何をやった!?」
『モンク』は陽子に叫ぶ。
『モンク』が投げつけた電柱は、ハンマーを両手で構える陽子のバッティングにより木端微塵となる。
所詮、電柱などこんなものだろう。
『モンク』は二メートル半ばを超える巨体。
されぞ、嶋野陽子も二メートルを遥かに超える巨体なのだ。
その巨体から想像できるパワーを『モンク』は目の当たりにする。
「お前とは、ガチンコで勝負できそうだぜ」
またもや、野蛮に舌舐めずりをする。
「弱者の足掻きだと?
なら、抵抗してみせろよ!
そうじゃねぇと、ここにいる奴全員、死ぬぜ」
響の言葉に、ニタァと笑みを浮かべながら返す。
「我を殺す?
やってみろよぉ!
お前には無理な話だぜ」
ジョン・ドゥを睨みながら叫んだ。
「お前も、虐殺する楽しみを知っている奴かぁ?
いいよないいよな。
人を殺すっつーのは、何よりも快感だ。
自分は生きていると実感できる瞬間だぜ」
ただ己が欲望を満たすために人々を殺す。
七英霊とは、そういう奴等である。
「救う?
つまらねぇ事を口にする奴だぜ、お前。
救って、お前に何の利があるってんだ。
こんな奴等、見捨ててしまえばいいんだぜ。
どっちにしろ、我に挑戦してきたお前は殺すけどなぁ!」
ジョン・ドゥの言葉にさらに返す。
救う奴がいようと、『モンク』はただ虐殺する。
麻痺毒は確かに『モンク』に有効だ。
だが『モンク』の強靭な肉体全体に毒がまわるのには時間がかかっている模様。
さっきよりも動きは鈍っている。
それでも、俊敏で馬鹿みたいなパワーを発揮できる事には変わりない。
ジョン・ドゥの投げるチャクラムが『モンク』の右脇腹に刺さる。
「ぐっ……。
これしきの事でっ!」
さらにジョン・ドゥはジャンプし、上空から大剣でぶった切ろうとする。
さっきのチャクラムによる痛み、響により受けた肩の傷、そしてクラーケンの麻痺毒により反応が鈍った『モンク』は、その攻撃の回避が間に合わなかった。
「ぐおおおおおおおおぉぉっ!」
そんな咆哮を鳴らしながら、『モンク』は胸に大きな斬り傷を負う。
周辺には、『モンク』の大量の血が飛び散った。
それにより、やっと『モンク』は片膝を地面につけた。
「おのれ……。
よくもやっれくれたぜ!」
だがまだ、『モンク』はその自慢のタフさにより立ち上がる。
「人数もいるしなぁ、ここにいる奴等全員を巻き添えにしてやるぜ!」
『モンク』はアスファルトの地面を蹴って一度五メートル上空へ。
そして落下と同時に、宝具『デストロイヤー・ナックル』を地面に勢いよく突き刺した。
「アース・クエイク!」
地面に突き刺した『モンク』の右腕の中心とし、周辺は大地震のように大きく揺れる。
同時に、『モンク』を中心に地割れが起きたり、建物が崩れたりして、戦闘に参加する三人だけではなく、周囲の人々を巻き込む。
拳の衝撃が、周囲にいる人達を襲う。
■嶋野陽子 > 麻痺毒で動きが多少鈍ったモンクが
『一体何をやった!?』と問いかけると、
陽子はハンマーを振りかざして突撃開始しながらも、
「象でも麻痺する量のクラーケンの麻痺毒が塗って
あるのよ。まだ動けるあなたも立派な化物ね」と答
える陽子。
投げ付けられた電柱を粉砕した陽子に対して、
『お前とは、ガチンコで勝負できそうだぜ』と続けた
モンクに、
「この一撃で潰れなければ、そうね」と答えた陽子は
まだ20m以上モンクから離れている。
そこでもう一人が投げたチャクラムがモンクの脇腹に、
続いて本人の攻撃が胸に刺さり、膝をつくモンク、が、
次の瞬間、咆哮と共に飛び上がるモンクを見て、陽子
も高くジャンプする。
お陰でアース・クエイクを回避した陽子は、モンクの
脳天にハンマーを叩き付ける態勢となる。
「トール・ハンマー!!」と叫んだ陽子は、ハンマー
をモンクの脳天目掛けて全力で降り下ろすと同時に、
最大出力、つまり66kV, 2000A の高圧大電流を放電
し、衝撃と電撃のダブルアタックをモンクに叩き付
けようとする。
■唐沢響 > 「…全ては、救えないか。」
大地震による建物の損壊や地割れなどで人々を大勢巻き込むかのような大技をただただ冷静に見ている
周辺の人間を救うことはできないとバッサリと切り捨てた
かわりに放っておいたら更に被害が拡大しそうな男を仕留める事だけに専念する
「では受けろ、弱者の足掻きを。人間の一撃を。」
かみ締めるようにそう呟く
アースクエイク、地を足についている以上この大地震の中では危険が伴う
ならば空中からの強襲を選択
全てはこの攻撃で仕留めるつもりで空にへと高く跳ぶ
「っ!!私に力を貸せ!!朔姫!!」
そして空中からの強襲
かつての友であり、そして愛剣の名を叫びながら
その友の技を引き出す
刻むは神速の剛剣
しかし一撃だけではない
1、2、3、4…。合計5つの重い攻撃を一瞬のうちに刻み込まんと<朔姫>の刃がうなる
■ジョン・ドゥ > 「ああ、やってみるさ。
いや、殺す事に楽しみなどは無いさ
ただ、必要があれば殺す、それだけだ。
それに、実感など無くとも、俺は生きている、生きてしまっているしな。」
【『モンク』へと言葉を返し続ける。
彼を同類だと勘違いする『モンク』の言葉を彼は否定する
彼は、殺し自体には何も感じない、感じる事は無い、
その様な感覚など、とうの昔に麻痺しているが故に、
彼にとって殺す事は、作業でしか無く、楽しみも何も無かった。】
「ああ、何も利益は無いさ。ただ、救いたいから救う。
ただそれだけ。救えればそれで十分なのだからな。
ただのエゴさ」
【彼は言う、救う、自身のエゴによる行為だと。
利が無くとも、否、それ自体が利なのだと彼は告げる。
だが、その根底には、彼の今までの人生から来る思い、
殺して生きてきたからこそ、それ以上に救いたい、というものもあったのだ。】
「………なんとか…当たった、か……
……あと…少し……!」
【『モンク』へと大剣によって大きく傷を負わせるも、
彼も先程の魂へのダメージにより、意識を保つ事が精いっぱいである、
だが、あと少しだと考え、大剣を構えようとした
その時…!】
「………あれは…不味い…!
………っ…間に合わないか……でも……どうにか被害を……」
【『モンク』が飛び上がり、宝具を構えたのを目撃し、
だが、もう止めるには間に合わぬ事を察すると、
周囲への被害を押させるべく思考する。】
「…………これならば…!
セット A」
【そうして思い浮かぶのは、波の干渉による地震の打ち消し。
それを思いついた彼は、自身へのダメージを度外視し、
加速の呪符を2枚ほ発動させ、
そのまま音速の数倍へと加速させた足によって、
威力を増した震脚を地面へと振るい、大きく揺れ起こす事により、
『モンク』のアース・クエイクを打ち消そうとするのであった。】
■『モンク』 > 「象でも動かなくなる麻痺毒だぁ?
通りで動き辛くなってるわけだぜ。
だがそれでこの『モンク』を止められると思うなぁ!」
麻痺毒かなんだか知らねぇが、耐え抜いてみせるぜ。
この『モンク』の勝利のためにな!
「殺す事に楽しみを覚えねぇなんて、もったいねぇぜ。
必要なくても、殺したいから殺す。
それでいいじゃねぇか」
ジョン・ドゥに無意味な同意を求めた。
「見捨てればいいものを救うなど、馬鹿のやることだぜ。
素直に、俺の殺されとけばいいんだ。
俺に勝利の快感を与えればいいんだ」
空中に飛ぶ事で、嶋野陽子はアースクエイクを回避。
そして、地面を揺らす『モンク』に陽子はハンマーを振り下ろした。
トールハンマーが『モンク』へと襲い掛かる。
「くっ……体が動かねぇ」
麻痺毒がだんだん効いてきている。
ハンマーは容赦なく、『モンク』の脳天を強打した。
「ぐへえええぇぇ!!」
『モンク』の目が飛び出たかのように見える程の衝撃と同時に、『モンク』の歯が数本抜けて、地面に落ちる。
さらに、陽子に続き響も空中から攻撃!
神速の剛剣が、『モンク』を斬り刻む。
一撃だけでも重いというのに、それが五回だ。
件により、『モンク』は麻痺毒により動きが鈍っている。
さらに、脳天までハンマーで強打されて、頭はピヨピヨとひよこが飛んでいる状態だ。
五発の攻撃は全て、まとのに『モンク』を斬り裂いた。
「ぐほふっ!」「ぎゃああっ!」「ぐえっ!」「ごほっ!」「どわあっ!」
それぞれの攻撃に、気持ちの良い程の声が返ってくる。
その強靭な肉体は傷だらけとなり、流す血の量もさらに増え続ける。
『モンク』は、アースクエイクにより建物などが崩壊し、人々が死ぬ事を心待ちにしていた。
だがそれは、ジョン・ドゥの震脚により大きな揺れを発生させられ、結果として相殺されてしまうのだった。
つまり、『モンク』の周囲にひびこそ入ったが、揺れはかなり緩くなっており、そのため建物の崩壊も起きてはいない。
周囲の被害は、最小限に抑えられたと言える。
それでも書店の本棚から本が落ちたり、店の表に置いてある花瓶が倒れて割れるなどの些細な被害は起きたが、死傷者はゼロだ。
あまりある攻撃を受けても『モンク』は立ち上がった。
だが立ち上がったまま、何もしない。
その目は、白目である。
それが逆に不気味さすら漂わせるかもしれない。
ちなみに、英霊には霊化という特殊能力がある。
霊化すれば、実態がなくなり完全に霊体となるのだ。
霊化を一度解除すると、しばらく霊化するのにクールタイムを挟む事になる。
そのクールタイムがそろそろ終わりを告げようとしている。
■嶋野陽子 > 流石は英霊を名乗るだけあって、陽子の
全力の一撃を受けてもモンクの頭は潰れなかった。そ
して、更に唐沢先輩の大剣が5回切りつける。しかし
それでもまだ立ち上がって来るモンク。
咄嗟にハンマーを投げ捨て3歩下がると、狙撃砲を取
り出して、
"12-point burst fire!"と念じて、零距離でモンクの
胸を目掛けて荷電粒子砲の12連発を発射する陽子。
出力1.2GWのビームが、モンクの心臓を目掛けて12
回突き刺さる。
それは、先程のハンマーの一撃に乗せた電撃の、更に
9倍の威力で、それの12連発だ。
■唐沢響 > 「トドメ…」
肋骨を砕かれた上に
自分の限界を超えた攻撃
だと言うのにこの英霊はまだ倒れない
自分の体ももはや限界である
肋骨は砕け頭から血を流している。無理な大技をしたのか腕に握力がなくなる。これでは大きな得物は使用できない。
しかしそれでも倒れないのは彼女の異常な精神力からであろう
<朔姫>を地面に刺す
その後に腰に差してある二つのダガー<鳴神>をモンクの首と頭目掛けて弧を描いて投擲
投擲したあと流石にしんどいのか地面に刺した大剣を杖代わりにし
■ジョン・ドゥ > 「必要だから殺す、俺にとってはそれだけだ。
殺すとは、相手の全てを奪うに等しい事だ。
故に、そんな事を好き好んでやるつもりは無いさ。」
【『モンク』の思想に、彼は同意しない。
彼にとって、『モンク』の思想は唾棄すべきものであった。】
「ははは、馬鹿か。良く言われたさ。
だが、お前に殺されるつもりは無いし、
周りの奴さを殺させるつもりも無いさ。」
【馬鹿と言われた、一瞬、自身に対しバカとよく言っていた人物を思い出し、感傷を抱くも
今は目前の戦いに集中するべきとし、
殺されるつもりも、殺させるつもりも無いと、断固として言うのであった。】
「……………っぅぅぅ!…
……がっ……ごほっ…!」
【どうにか、震脚で揺れを起こす事によって、アース・クエイクを相殺する事は出来た、
だが、
通常であれば、震脚の衝撃は、自身の身体を伝い拳から放つものであり、受ける衝撃も少ないものであったが、
しかし、彼の放ったものは、音速まで加速されたものであり、更に、彼自身幾度か見たものを真似ただけである為、技術も未熟であり、
その衝撃による反動は大きく、更に体外へと逃す事も出来なかった為、
震脚を放った左足は砕け、衝撃は彼の身体の内部までも伝わり、全身の骨にひびが入り、内臓にも損傷を負い、
彼は咳と共に血を吐き、片足では身体を支えられず地面に倒れ伏す。】
「……あいつは………どう、なった……?
……まだ…立ち上がってやがるか…」
【されど、執念で意識を保ち続け、
『モンク』はどうなったのかと確認し、
そして、二人の攻撃を受けてもなお立ち上げっている『モンク』を見やり、
どうするべきかと朦朧とする意識でなお、策を練り続けるのであった。】
■『モンク』 > ハンマーを投げ捨てた嶋野陽子は、狙撃砲で零距離荷電粒子砲を放とうとする。
さすがの強靭な肉体を持つ『モンク』もその攻撃には命の危機を感じて、咄嗟に目を覚ます。
しかも、それは白目のまま。
いや、むしろその白目はだんだん赤に染まっていく。
「ぐわああああああああああああっ!!!!」
それはもう、動物の咆哮にも聞こえる。
もはや自我ではなく、野生の勘ともいうべきものと精神力のみで動いていた。
十二連発される荷電粒子砲は、麻痺したのが嘘だと思えるほどの動きで素早く次々と回避していく。
それでも数発腕や足に掠ったりはしたので、その度にそこから血が噴き出す。
さらに、ビームの一発は左腕を吹き飛ばして、『モンク』は残り片腕にもなった。
それでも、自我がなく、もはやバーサーカー化した『モンク』には痛みなど感じないとでもいうべき状態だった。
荷電粒子砲を回避された時の周囲の被害は、大丈夫か?
その対策はできているか?
「ぐおらあああああああああああぁぁっ!!」
そんな時、唐沢響によりとんでくる二つのダガー。
バーサーカー化した『モンク』はそれを、右腕の『デストロイヤー・ナックル』で払いのける。
片腕だけとなった『デストロイヤー・ナックル』を天に向ける。
するとそこから、破壊の波動が周囲に響き渡る。
全てを壊す。全てを殺す。
『モンク』の周囲三十メートルに存在するものを粉々にし、無に返す。
そんな波動だ!
これこそ、宝具『デストロイヤー・ナックル』の真の能力。
破壊の波動が全てを消し去ろうとする。
助かりたければ波動を止めるか、逃げ切らなければならない。
既に非難した人は多い。
だが周囲三十メートル圏内には、まだ非難しきれていない人や、興味本位で見にきている人もいる。
これが『モンク』の最後の足掻きとでも言わんばかりの攻撃だ。
■嶋野陽子 > 荷電粒子砲の一発は、雷の一撃とほぼ同じ
威力、つまり避雷針と接地導体が壊れていない建物で
あれば、命中しても爆発したり火事になったりはしな
い。
しかし、次の瞬間、片腕となったモンクが宝具を暴走
させようとするのを見て、咄嗟に地面に転がり、陽子
の指先とモンクの宝具が一直線上に並び、後ろが空と
なる角度になるよう指を指すと、
"Pulse Laser Cannon Fire!"と念じる陽子。
すると、陽子の指先から少し離れた先に、直径20cm
程の漆黒の円盤が生じると、中から直径10cm程の赤
いレーザー光の柱が生じ、そのままモンクの宝具を
蒸発させようとする。出力10GWのパルスレーザ
ー砲が、宝具を焼き尽くすのと、宝具が発動するの
は、どちらが早いか!?
■唐沢響 > 「<明城>…」
全てを救うことはやはり無謀だ…
しかしせめて自分と自分の後ろにいる人間達だけは救うことが出来る
モンクの最後の足掻きに対抗できる武装を検索…
盾になるものは現在使用不可能
しかし<明城>という刀ならば可能性はまだある
この刀の能力は斬ること。
その扱う技量が高ければ高いほどその切れ味は上がり、魔力どころか概念すら斬ることが可能
しかし自分にはそこまでの技術はない
「っ!」
それでもやるしかない
腕に握力は入らないが、必要なのは技術と集中力
陽子が迎撃に入っているが集中
片膝をつきながら見据えて
■ジョン・ドゥ > 「………ふむ?……様子が…
……なにか…やばそうだが………」
【地面に倒れ伏している彼は、『モンク』の様子の豹変を感じ、
直観的に危険だと感じ、】
「……まだ…あれだけ動ける力が…
俺は……どうするべきだ…?」
【その予感は的中し、あれだけ傷を負いながらも、全く動じていない様に
嶋野放つ荷電粒子砲を回避し続ける『モンク』という悪夢のような光景を目の当たりにし、絶句する
どうすればあれを倒せるか、それどころか、現状、動く事でさえも難しい自分は何をするべきかと
彼は思考をするが、】
「………なっ!………あれは…さっきの以上に………
いや……そうだな…空中にあるならば…っ!」
【『モンク』が右腕を上げて何かを放とうとしているのを見て、
彼は、直観的に、それが先ほどのアース・クエイクよりも危険なものだと察し、
立つ事が出来ず、止める事の出来ない現状に嘆きかけるも、
思いつく、
根源が明確にあるならば、それを破壊すればいいのだと、
そうして彼は収納の魔術を発動し、まず弓と残った加速の呪符1枚を取り出して地面においた後、
大剣を取り出し、それに加速の呪符を巻きつけると共に、口の方へと持って行き、
更に、地面に置いた、弓を左腕で持ちながら、弦を大剣を共に口に咥え】
「………っ…!
セット A」
【そうして、弦を精一杯全力で口と左腕を使って引き、
大剣を放つと共に、その衝撃で歯を折られながらも、
放たれる大剣に一瞬左手を当て加速の呪符を発動させる
もともと、弦の張りが強く、通常でも音速で打ち出される大剣が、加速の呪符によって更に加速され、
『モンク』の『デストロイヤー・ナックル』へと飛んで行くのであった。】
■『モンク』 > 宝具を消すのは、ある意味で『モンク』を倒すよりも困難だ。
もはや英霊の体の一部として馴染んでいる宝具は、そう簡単に蒸発させるものではない。
しかし、逆に『モンク』を倒せば厄介な宝具も同時に消える。
ぶっちゃけると、宝具を狙うぐらいなら『モンク』を倒す方が断然現実的だ。
「ぐおおおおおらあああああああああああっ!!」
宝具が発動するよりも先に、パルスレーザー砲は『デストロイヤー・ナックル』に直撃した。
しかし、パルスレーザー砲に直撃した宝具が蒸発する事はなく、そのままの形を保っている。
つまり、宝具から発せられる破壊の波動は止まらない。
破壊の波動が、半径三十メートル圏内を襲おうとしている。
ジョン・ドゥの持つ大剣の刃もが宝具『デストロイヤー・ナックル』を切り裂こうとする。
しかし、陽子の放つパルスレーザーと同じ事。
不可能とまではいわない。
だが相当な事がない限り、宝具を狙うなら、英霊を狙う方が早い。
そもそも宝具が壊れる火力があるならば、『モンク』など既に倒れている事だろう。
ジョン・ドゥの大剣による斬撃は宝具に当るが、それでは『デストロイヤー・ナックル』の破壊には至らなかった。
そんな時、唐沢響は集中していた。
破壊の衝動を斬らんとばかりに。
しかし、破壊の衝動は今まさに迫ってこようとしていた。
今、衝撃波が周囲に襲いかからんと──
■嶋野陽子 > 「くっ駄目かっ?!」
宝具がレーザーに耐えたのを見た陽子は、僅かに指先
をずらし、モンクの上半身を吹き飛ばそうと再度パル
スレーザー砲の発射を試みる。再び開く異次元へのポ
ータル、しかし果たして衝撃波が到達する前にレーザ
ーを発射できるか!?
■唐沢響 > 「っぁぁ!やぁぁぁ!!」
刀<明城>による渾身の一振り
それは先ほど響が見せた大剣での攻撃より
遥かに軽いものであった
しかしかつての技の鋭さを再現しているかのようなもので
攻撃は軽いとはいえ触れたらなにもかもが斬れそうなそんな鋭さで
その一撃でその衝撃すらを切断する
■ジョン・ドゥ > 「………嘘……だろう…?
……どんだけ硬いんだよ…」
【音速超過の大質量の物体の衝突、
それは砲撃に近い程の威力を持つ、
だが、それを受けてなお破壊には至らぬ『モンク』の宝具を絶望に近い表情で見やりながらも、
まだ、諦めず何か無いかと考えを巡らせるも、】
「………布都御玲…は…いや、今の俺が使って良い様なものじゃないか…
ははは、万事休す…か……
ああ……でも、少し…あと少し足掻くだけでも……」
【かつての自身の切り札であった、布都御玲を使うという事も思い浮かぶ、、
だが、白崎玲刃である事を捨てた自身が振るうには相応しく無いと首を振る。
しかし、これではもう打つ手は無いと諦めかけながら、
それでも諦めきれず、最後の足掻きにと、収納の魔術発動し、取り出した投げナイフ3本を『モンク』へと投擲するのであった。】
■『モンク』 > ジョン・ドゥは三本のナイフを『モンク』に投げつける。
『デストロイヤー・ナックル』を解放し、さらにバーサーカー化した『モンク』はそのナイフを回避しなかった。
いや、できなかった。
ナイフはまず右目に一本刺さる。
残りは胴体に吸い込まれた。
「があああぁぁっ!!」
それぞれ血が噴出するが、やはり右目のダメージが一番でかいだろう。
目を一つ潰されてしまったのだ。
だがバーサーカー化した『モンク』は平然と立っている。
嶋野陽子の放つパルスレーザーは確かに『モンク』へと命中する。
だが、宝具を狙った後に、第一波の衝撃波が既に発生してしまっていた。
宝具と違い『モンク』の上半身はレーザーにより大きなダメージを受けてしまう。
「ぐぎゃあああああああああああああっ!!」
獣のような雄叫び。
確かな手応えを感じるであろう。
煙が上がる中、『モンク』はドシンと音を鳴らして地面に倒れる。
これにより破壊の衝撃の第二波以降は防げた事になる。
だが、第一波は容赦なく、半径三十メートル圏内を破壊し、殺戮しつくそうとしていた。
第一波だけなので、本来の威力よりも相当落ちている。
だが、波動が残っているのには変わりなかった。
唐沢響が刀<明城>を振る!
その攻撃は大剣よりかは軽い。
だが、その攻撃は破壊の衝撃波すらも切断した。
シャキィーン!!
そんな風を斬り裂く綺麗な音が、響きに迫る衝撃波を斬ったのだ。
当然、響の後方にいる建物や人の安全は確約された。
だが、それはまだ全体を防げたわけではない。
響のいる方向以外には、第一波のみであるが、衝撃波が迫ろうとしていた。
■嶋野陽子 > 今の陽子に、この破壊の波動を止める
手段は無…いや、有った!
敬一君がハイジャック犯の魔術を封じるのに使い、
遺品として今は陽子の手首にはめている
《シヴァの腕輪》
それは、半径10mの空間の内側に、指定した種類の
・・・・
魔力の存在を許さないか、または一分間だけあらゆる
魔力の存在も許さない。
陽子は急いで白崎先輩に似た男の所まで飛び退くと、
手首にはめた腕輪に着いた8色の宝石のうち、白い宝
石を90度横に回す。
これにより陽子の周囲、半径10m以内には、いかな
る魔力も存在できなくなり、破壊の衝動も、その空間
から消え去る。
物理的な衝撃波については、重力波バリアを最強設定
で展開し、直径4mの範囲とその後方を守る陽子。
■ジョン・ドゥ > 「…当たった…か……それでもまだ………
…っ!?……倒れたか…」
【投げナイフが当たり、『モンク』がダメージを受けるも、
まだ立っている様子に警戒するも、
嶋野のパルスレーザーによって『モンク』が倒れ伏した事に安堵する。】
「………ははは…それでも、遅かった、か…
最初から本体を狙っておけばな……
ああ……でも、この威力なら……」
【しかし、衝撃波は既に第一波が放たれており、
宝具の発動を完全に止める事が出来なかった事を悔やみながら、
しかし、衝撃波の威力を見て、
もしかしたら自身が放つ衝撃波での相殺も可能かもしれないと希望を抱きながら、
しかし、その行為が魂を削る行為である事をであり、自身の命の危機もあり得る事を理解しながら、
左手を構え】
「………!?……っ…身体強化が…!
これでは………」
【しかし、嶋野が自身の近くへと来た事に驚き、
更に、嶋野の腕輪の効果によって、魔力の存在が無くなった事により、
身体強化の魔術の維持も不可能となり、
衝撃波を止められる可能性のある最後の手段を失い、失意の表情を仮面の奥で浮かべるのであった。】
■唐沢響 > 「これで…だがしかし…」
これで自分と周囲の人間は安全になった
しかし自分達以外にも安全化といわれるとそうではない
しかし最善は尽くしたはずだと
そもそも自分は傭兵…
自らが率先して人を救うなど間違っていたのだ
と心で理解しながら刀を杖にしながら
徐々に座り込んでいき
■『モンク』 > 破壊の衝撃波は魔力によるものではない。
破壊と殺戮のみが目的の魔力と違った別のエネルギーだ。
どちらかと言えば、異能に近い。
もし《シヴァの指輪》が魔力のみを許さないのであれば、破壊の衝撃波を止める事は無理かもしれない。
だが、それ以外の異能なども止められるならば、破壊の衝撃波を防ぐ事ができる。
魔力以外の異能に属するものも止められるのであれば、陽子の半径十メートル以内にあるものと、その後方にあるもの全ての被害を防ぐ事ができる。
その被害は大幅に削減できるが、破壊の衝撃波の範囲は半径三十メートルだ。
響が斬った方向は安全。陽子がバリアを張った方向も無事は確保。
それぞれ四方の内二方向を防げたと仮定して、残りの二方向は防げていない。
■嶋野陽子 > ここまでの戦闘経過から、モンクが倒れた
場所は、陽子が横槍を投げた交差点であり、唐沢
さんは最初の戦闘現場から見てその奥、ジョン・ドゥ
はその手前にいた。従って、破壊の衝撃波は、陽子が
走ってきた通りに添って拡がっていく。
《シヴァの指輪》の効果で破壊の衝動自体は消えたが
それから派生した物理的な衝撃波の方は、陽子の重力
波バリアでしか止まらなかった。つまり、直径4mの
空間とその背後のみが完璧に救われた形だ。
それらをまとめて斬った唐沢さんの斬撃の方が効果的
だった事は間違いない。
■唐沢響 > 「私に元より人を救うなど性にあわんのだ…」
人命を救助するなど響が苦手とするものでもある
たしかに任務で護衛などという任務もしたことはある
しかしそれはあくまで契約という形だけであって根本的に救うに至っていない
逆に殺すという行為は護衛よりもはるかにこなしてきた
だからこそ救うことなど無理だと悟った目で
全ての武器を収納し、鳴神も腰に差したところで後にする
■ジョン・ドゥ > 「………これ以上は……救え…無いのか…?
ははは……そうだな…俺が直接救うなんて事、早々出来るはずも無いか…
ああ、そうだな……俺に出来るのは殺して救うだけだ…
最初からそうして居れば、あれが放たれ得る事も…な……」
【響と嶋野によって守られた場所以外へと進みゆく衝撃波を失意の表情で眺めつつ
彼は呟く、やはり、自分には直接救う事など出来ぬのだと、
出来るのは、被害の源を殺して、後の被害を防ぐことだけなのだと。】
「ああ……そうだ…
………あいつは…ちゃんと死んだか…?」
【そうして彼は、
あとは『モンク』がしっかり殺せていれば、後の被害はもう無くなるはずだと、
『モンク』の生死を確認する為に、もし生きていたならば、止めを刺す為に
『モンク』が倒れた方向へと左腕を使って這い進もうとするであろう。】
ご案内:「商店街」から唐沢響さんが去りました。
■嶋野陽子 > 衝動が収まった後で、まずは倒れた
モンクの身体の所に向かい、生死を確認しようとする
陽子。ジャベリンを持ち、いつでも止めを刺せる態勢
でモンクの身体を改めようとする。
見つかったら、念のためクラーケンの麻痺毒の付いた
ジャベリンで何度も刺してみる。
■『モンク』 > 衝撃波の範囲は、半径三十メートル。
響が斬った箇所。
そして陽子が防いだ場所。
そこだけは、なんとか被害を免れる事ができた。
安全地帯にいた人は震えながらも、内心ほっとする者もいる。
だがそれ以外のエリアは悲惨な事になってしまう。
建物は無残に、粉々に破壊され、残るのは瓦礫のみ。
人々は血を流しながら肉体が粉砕される。
飛び散るのは肉片のみ。
真っ赤に染まった商店街が、そこにはあった。
あまりに悲惨な光景とも言えた。
『モンク』の周囲には煙があがっていてよく見えない。
いや、よく目を掠めて見れば見えるかもしれない。
そこには『モンク』の姿などなかった。
切断された左腕すらもなかった。
左腕を失い、右目も潰された。
そしてパルスレーザーやその他諸々のダメージで、再起不能な部分が多い。
さらには自我を失い、バーサーカー化した。
そんな『モンク』は霊化して、この場を離脱していたのだ。
つまり、霊化までのクールタイムは過ぎていた。
次に『モンク』が現れた時、再起不能な傷をいくつも残しながら、バーサーカーとして暴れる事だろう。
■嶋野陽子 > 「逃げられました…」
白崎先輩に似た男に無念そうに告げる陽子。満身創痍
の男の正体を、左手の指輪を見た瞬間に確信する陽子。
綾瀬先輩に、白崎先輩の自殺を報告に行った際に、綾
瀬先輩の左手の薬指にも同じ指輪があったのを、陽子
は覚えている。
「あなたには、秘密の治療が必要なようですが、私が
内緒で治療を行える場所に心当たりをお持ちですか?」
と男に尋ねる陽子。確信は持っているが、敢えて名前を
口にしない陽子の意図を汲んでくれるだろうか?
ご案内:「商店街」から『モンク』さんが去りました。
■ジョン・ドゥ > 「……いない…か。消し飛んだ訳でも無さそうだし…逃げられた…か。
……っ…救えないまでも……更には逃げられまでするとはな…
俺もここまで落ちぶれたか…」
【『モンク』が倒れた場所へとたどり着いた彼は、
だが、そこに『モンク』の姿は無く、救うことのみならず、殺す事も出来なかったかと呟き、
自身の無力さに打ちひしがれるのであった。】
「………治療…か。いや、俺はただの浮浪者だ。
こんな浮浪者なんかよりも、先に助けるべき者達がいるだろう?生活委員保健課さんよ
まだ…生きてる奴もいるかもしれない…そいつらを治療してやってくれ……」
【こうして、失意に打ちひしがれていると、嶋野に声をかけられ振り向き
しかし、以前嶋野の提案を断り、それどころか天界から飛び降り自殺を図ったという事もあり、
後ろめたさがあった為、顔を背けながら言葉を返す。
指輪へと目線が向けられた事を察し、正体が知られた可能性も察しながら。
そうして、治療が必要だという嶋野の言葉には、
自分なんかに治療を施すよりも、
少しでも存在するかもしれない、
衝撃波の影響によって負傷しながらも、生きているかもしれない者たちを助けてやって欲しいと頼むのであった。】
■嶋野陽子 > 男に、自分よりも生存者の治療を
優先してくれと言われると、それももっともな話
だったので、
「くれぐれもお気を付けて。私も恋人を失い、今朝
忌引きから戻った所です」とだけ言うと、
生存者の捜索と手当てを始める陽子だった。
(敬一君、これでいいんだよね?こうして、この島の
人達を守り続けることに集中すればいいのよね?)
と胸の中で自問しながら…
ご案内:「商店街」から嶋野陽子さんが去りました。
■ジョン・ドゥ > 「………さて、俺はこんな所に長居してて良い様な奴じゃないんでな
さっさとお暇させてもらうとするさ。」
【そうして、生存者の捜索と治療へと向かった嶋野を横目で見やりつつ、
彼は、収納の魔術を発動し長剣を取り出し、砕けた左足に真っ直ぐに突き刺して固定した後、
フックロープを拾い上げ、近くの無事な建物の屋上へと投擲し、
身体強化の魔術を再度発動しながら、片腕の力で屋上へと登り、
そのまま、満身創痍の身体を引きずりながら屋上から屋上へと飛び渡り、落第街の方へと去ってゆくのであった。】
ご案内:「商店街」からジョン・ドゥさんが去りました。
ご案内:「商店街」に平岡ユキヱさんが現れました。
■平岡ユキヱ > 「なんて被害なの…」
昨日、七英霊が一柱『モンク』が破壊したとかいう現場に腕を組んで立ち、
赤い風紀服の平岡ユキヱは苦々しい顔をした。
商店街の一角、現場はまだ復旧が完了していないのか、封鎖線を敷いて人払い。
『行方不明者』の捜索が行われている真っ最中であるか。
「『ハンター』の時に皆に知らせるべきものを…迂闊ね」
最初に倒れたハンターの最後の悪あがき。あれもまた、何かしら奴らの切り札と考えた方が好かったか。
よくよく考えれば、あれは外部の協力者による不思議の勝ちである。
安定して被害ゼロになるなど、それこそ傲慢や油断であり、慢心であったのだ。
はぁぁ、と珍しく深刻な顔で頭を抱える。
ご案内:「商店街」に蒼穹さんが現れました。
■平岡ユキヱ > 『行方不明者』が一人また発見されたのか、青いブルーシートが展開される。
「了解…そっち持つわ。丁重にね」
華々しい攻撃任務ばかりが、この特攻課の全てではない。
その重たる任務がなければ、こうして他の課の手伝いや、泥やほこりをかぶりながらの、
ただひらすらに耐えて、成さねばならぬ事も成す部署なのである。
■蒼穹 > (商店街のとある一角。
そこがどこなのかも分からずに、気楽な冷やかし買い物巡りの途中で、
封鎖線の外側から野次馬。)
…こりゃまぁ酷い有様だね。
(ちょっと目を凝らせば遠く遠くまで見える。
地震でも起こったか、装甲車でも走り回ったのか。艦砲射撃の雨でも降ったか。
この辺り一帯の建物は粉々。
もう少し向こうを見ても瓦礫の山。時折ぼんやりと滲みだしたろう血肉の欠片とかは、
…現在進行形で処理中の様子。
こういう現場の仕事する人は大変だろうな。
やっぱりサボり半分が丁度良いとか内心で自己完結仕掛けていた所。
青白い光を纏った、特徴的すぎる外見と言って間違いのない人物が。)
…あれ?あれユキヱさんじゃね?
(それを青いシートで包み込んでいる、結構良く会う同僚の姿が。
先の英霊の件で負傷したらしいが、気のせいだろうか?)
■平岡ユキヱ > 「…喜べ。どうも援軍が一人来たらしい」
他の同僚ににこにこ笑いながら、いつの間に気が付いたのか、おうこっちこいやと蒼穹に手を招く。
なんか夏に似たようなこともあった気がするが、気のせいだろう。
おそらく今回は爆発しないはずだ、多分。
「おーい! 蒼穹ー! こっちこっちー!」
あいつ風紀です! 野次馬のみんなにわかるように、いちいち丁寧に叫んだ。
明らかに確信犯だ。もちろん悪いことだと知っていながらの方である。逃がさねえスタイルだ。
■蒼穹 > …あぁのぉ女《アマ》ァ…。
(どうしてこうなった。買い物来ただけなのに。野次馬してただけなのに。
負傷してたらしいが、相変わらず元気そうで何よりだが。酷くない?
あんな仕事したくないと思っていたらフラグだったのか。)
おいおい…ふざけんじゃないよ。
(凄くいやそうな顔をしながら、凄くゆっくりと、
シャットアウトの黄色と黒のテープを跨いで、全壊状態の商店街の一角へと。)
■平岡ユキヱ > 「フフ…悪いが冗談ではないのだなこれがァ!」
ウェッルカム! とニヤニヤ笑いながらようこそ現場へと同級生を招待する。
ユキヱさんの優しさは天井しらずである!
「…なにせ人手が足りん。私も今日は静養の予定だったんだけどー…
まあ仕方ないよ」
風紀が止められなかったそのツケが、眼前にある。これ以上の説明がいるだろうか。
「あ、そういや、シビれる猿とか倒したんだって?
なーんか英霊だの洲崎の件とはまた違う感じだけど…。ともかくお疲れさま。
…もー! やる気満々ならそう言えばいいのに!」
素直じゃねえなあ! と何故か蒼穹を見てニコニコ笑っている。
■蒼穹 > (左手で拳を作る。ぷるぷるしてる。…はめられてしまった。)
ん。そう。
ってか大丈夫なの?この間もさ、血ぃ吐いてたし。
人で足りないからって、キミに召集かかったわけでもないでしょ?
(正義だとか、そう言ったものを思わせる彼女の事だし、大方無理言って出てきたんだろうと予想する。
何だかんだ、僚友だし。気遣わし気に目を遣りながら、現場へと踏み入って行く。
因みに、何があったかは…知らない。
確かに、今の現場の人数は、少ないと思った。)
あー、そうそう。電気ゴリラね。いや、本当に来るとは思わなかったんだけどね。
係長と警邏してたら見つかった。ってか襲われた。まぁ捻じ伏せたんだけど。
不可解な奴だったよ、最後まで。
(事の顛末を短く言いながら。)
いや、後は英霊倒したらもう私またサボリライフエンジョイするからね?!
(そこは譲れないので、あたふたと弁明するが、果たして。)
■平岡ユキヱ > 「大丈夫ではない。このままでは、成人は無理だ」
さらっと、とんでもない事を打ち明け。特攻課の何人かも固まる、
それほど、秘めていた情報。
だというのに、いやに清々しく、平岡ユキヱは微笑んでいた。
時が止まったかのように場が凍り付いたであろう中、微かに、蒼穹との間に風が吹いたか。
「係長? そんなの風紀にいたっけ?」
むぅ、と首をかしげたのち。英霊倒したらの下りになればニヤニヤ笑い。
「『倒せたらな』…? うん、バカンスはあるんじゃないかな…。
常命の私たち間隔での長さのなぁぁぁ!!」
しかし私より上からの命令がきたら知らん。とにこやかに公僕の姿勢で微笑んだ。
■蒼穹 > (秋だと言うのに、嫌に冷えて乾いた微風が吹き抜けた。)
え、あ。…そう。
(何を考えているか、到底分からない微笑み。
大丈夫ではないと、断言する癖に何で笑っていられるのか。
清々しい程のそれに、諦念の様なものが感じられた。対する己は、無表情。)
…キミはさ、それで良いの?
(多分それで良いと、そんな風に答えてしまいそうだけれど。
成人は無理。それの意味する所は単に大人になれないという意味ではないのは、明白だ。)
ああ、係長。佐伯貴子の事だよ。
…そういえば、会った事はなかったんだっけ。
(向こうも確か、あったことがないと言っていた気がする。)
倒せるっつーの!余裕だよ余裕。
ってかなにそれ嫌味か!風紀の犬がッ!私は自由だ!
そんな事になったら風紀委員なぞもうやめよう。そうしよう。
(酷い冗談だった。ついでに現場をチェック。
この人数で、このペースだと…日が暮れても作業が終わらなさそうな気がする。
応援もう少し要りそうなものだが。そもそも、ここにいるのって全員特攻課だからか。)
■平岡ユキヱ > 「良くはない。だが私の異能による問題は尋常の医者、学者、魔術師にも解決困難な難題らしい。」
諦め、否。捨て鉢、否。やぶれかぶれ、断じて否。
「生きる手段を諦めたわけではない…。だがそれが実らない時、
すべてが片付く時には、死ぬ方に片付くばかりよ」
これは『覚悟』である。万策尽くしてどうにもならないのであれば、
死と屹然に向き合うという覚悟が重要なのである。
「佐伯先輩か…噂は耳にしているわね。ま、元気そうなら何よりだけど」
一時期誘拐騒ぎがあっただけに、今が健在なら何よりであるとユキヱは思った。
「はっはっはー! 適度に不自由な方が、自由を楽しめるというのに?
土曜日の前の金曜日! 非番の前の勤務! これが自由を満喫するってことでしょー!」
いつも自由なんて、逆に不自由よ。と頓智のような言い回しでウィンクした。
■蒼穹 > …ふぅん。そう。ま、キミらしいっつったらキミらしいね。
最後の時まで足掻きまわるより、潔く死んじゃうって。
んで、その全てってのは、大方片が付いたのかい?
(そうした専門家がどうしようもないというのなら、どうしようもないので間違いないのだろう。
人が人を越えた力を得たら、その力に耐えきれず崩壊することは間間あること。
本人もそんな現実から見にくく逃げ回るのは、潔しとしない…んだろう。恐らく。)
ん、元気だよ。
電気猿と戦って無傷で帰還できるくらいにはね。
(やっぱり、あったことはなさそうな反応だった。)
…むむ。
それを言われると…その。アレだね。
ま、まぁ…分からんでもない。私の曜日表の希望はオールウェイズ日日日日日日日なんだけど、
たまには月曜日があった方が良いかも。退屈しちゃいそうだし。
(俯いて割と真剣に考え込む。
楽しさや充実と言った者には、人(神?)一倍追求するのが己だ。
返す言葉は恐らく意味不明だったろう。)
■平岡ユキヱ > 「逆よん。逆、ぎゃーく…てか死にたいわけないでしょー!!?」
うわぁぁぁいやだー! 死にたくねぇぇよ破壊神ー! と神に泣きつく!
見苦しい、というか激しく無様であるがこれはいったいキマシタワなのか
よくわからん誤解を招きかねないかもしれない光景が展開されるだろう。
「ユキヱさんの愛読書から、私は一つの悟り得た! 死ぬときはしょうがないけど、
せめてギリギリまでジタバタしましょうねーッ! ってことだ!
だから今あがくのは悪い行為じゃない! まだ在野の生徒や謎の島民にも可能性がある!」
と、いうわけで何とかしてくれ! とふわっとした神頼みを開始する!
■蒼穹 > え、あのさぁ!?ちょっと待とう?!
何なの?!さっき悟り開いたみたいな境地に達してたじゃん!
意味わかんない!何なの?!
(びっくりした。よく分からないが、泣きつかれている?…っていうかそもそも泣いているのだろうか。
それにしてもこの、シリアスとギャグの境界はどうなっているのか甚だ疑問な次第。
あわあわと彼女の頭を抑え込みながら、問い質しつつ。)
ん。そう。全部片が付いてなくて。これから、何かしら希望があるならいいけどさ。
人間は常命、いつか死ぬなんて言ったものだなぁ、本当に。
で、そもそもの原因は何?…多分異能だよね?参ったね、私はちょっと専門外なんだけどなぁ…。
まぁいっか。
じゃあさ、聞くけど。キミはまだ長く生きたいんだよね?
(神頼み。こういうの凄く困るのだが、此方に来てなんか頼られることも多くなった。
取り敢えず、彼女の希望を確認。足掻きまくってるじゃないかユキヱさん…。)
■平岡ユキヱ > 「いざと言う時に命を捨てられぬは臆病者!
そうでない時に粗末にするは馬鹿者ってねー!」
こまけぇこたぁいいんだよ! と物凄い理論を堂々と述べた。 理論にすらなっていないかもしれないが。
「ん、原因は異能ね…。一番役に立つお医者さんの情報が、『先天的に異能を司る神経網が不完全』…。
意味わかる?」
なおユキヱさんは、つまりどうすればいいんだってばよ。という状態になったらしいが。
「100歳までは生きておきたいな!」
何気にしぶとい気配が漂う。ドン、と胸を張り。
■蒼穹 > いや知らんがな。そもそも命を捨てたらダメだっつーの。
命あっての物種っていうじゃん?
(根本的に考え方が違う気がする。)
はぁ…。んじゃ、要は生まれながら、自分の命削る様な異能持って生まれたって感じかな。
デメリットが抑えられない。本来はその神経網ってので何とかするんだろうけど。
その辺は知らない。
一〇〇歳まで生きたいなら、お見舞いいってあげるからさっさと病院で休んでくると良いさ。
何も負傷して喀血して、その後こんな所で働く必要もないでしょ。
今やるべき仕事は休むこと、じゃない?
(そんな事を言いながら、入ってきた向こう側のシャットアウトのテープを跨ぐ。
結局この現場であまり働く気はない様子。崩れ落ちた商店街はだんだんとマシに。
ただ、放置するのも良くないだろうと、端末を手に。)
ああ、もしもし?こちら風紀委員刑事課。
生活委員会に商店街の昨日の件の事後処理申請の仲介御願い。状況が酷いから―――
(商店街の外で、気の一つでも効かせて連絡したが、果たして応援は来るだろうか。)
んじゃ、私はこれくらいで失礼するよ。
手伝ってあげられなくて申し訳ないけど、買い物の途中なんでね。
(ただ、サボリは何処まで行ってもサボリだった。最初と同じくゆっくりとした歩き方で、
粉砕された、惨劇の痕を通過して行く。)
ご案内:「商店街」から蒼穹さんが去りました。
■平岡ユキヱ > 「おーい!? 神頼みー!?」
破壊神はダメだったか!? と言いながらおのれー!
と体よく逃げられた同級生を見送る、いたしかない。
やれやれ、と息を吐いたのち。再び復旧作業に戻り。
「休むだけでは…気休めなのだ!」
また少しだけ真剣な顔つきに戻ると、軽自動車並みのがれきを引きを越して行方不明者の捜索を続けたであろう。
ご案内:「商店街」から平岡ユキヱさんが去りました。