2016/08/06 のログ
ご案内:「商店街」に伊都波 凛霞さんが現れました。
■伊都波 凛霞 > 『凛霞ちゃんこれもってきなー』
『おっ、凛霞ちゃんこれもこれも、これももってきなよ』
「ふふ、ありがとうございますおじさん、おばさん」
アルバイトの帰り、すでに顔見知りにもなった商店街の人達と挨拶をかわして帰路へつく
挨拶を交わすたびに荷物が増えていくが、ありがたいので断る理由もなく、快く受け取ってゆく
「これなら当面の食費は気にしなくってもいいなあ…」
学園に通わなく鳴ってからはや一週間
なにもしないわけにはいかないので、とりあえずアルバイトを決めて、
高峰司の部屋を宿として生活していた
ご案内:「商店街」に伊都波 悠薇さんが現れました。
■伊都波 凛霞 > といってもいつまでも迷惑をかけるわけにはいかない
ある程度お金が溜まったら出て行くつもりではある
高峰司はいつまでもいていい、と言うだろうけれど、
女史寮は常世学園の生徒やスタッフが住む場所である
学園を辞める以上はそう長くいるつもりは最初からなかった
「えーっと…まだ日が落ちるには早いかな」
歩いてると、シャッター街へと行き着く
同じ商店街でもこの時間はこのあたりは少し寂しいものだ
■伊都波 悠薇 > ……姉は忘れていたのだ。いや知らなかっただけかもしれない。
気付いてなかっただけかもしれない
逃げる、遠ざかる。それの、バランスのとり方。
対、は――
「……お姉ちゃ――り、凛霞、さん……?」
追いかける。近づく。
妹は、姉、とは呼ばなかった。
家を出た。そう、訊いている。
なら、もう姉とは呼んではいけない。呼んでは、姉が困る。
そう、思ったから――
「――話、しませんか?」
だから、遠慮がちに。
今にも泣きそうな顔で、そう、告げた
■伊都波 凛霞 > かけられた声に、足を止める
「………」
聞き間違えるわけもない声、その呼ばれ方には、違和感を感じたけれど…
ずっと一緒に育って、聞いてきた声だから間違えるわけはない
『ダメだよ』
そう言おうと振り返ったら、その言葉が出なかった
その、泣きそうな表情が、目に入ってしまったから
視線を外して、俯く
「………座ろうか」
二人のちょうど間に、古びたベンチがあった
■伊都波 悠薇 >
「うん……」
応えてくれたから。少し、嬉しそうに笑った。
ダメとは、言われなかった。
言われたら――どうなっただろう。想像もしたくない。
古びたベンチに、そそくさと座る。
今日の服装はお気に入りの馬さんスウェット。それも今の気分を高揚させるのには不十分で。
「……家を、出たんですか?」
事実確認。うつむきながら――
■伊都波 凛霞 > 隣り合って座る、姉と妹 …だった二人
「……そうだよ。
理由は、父様から聞いた?」
こちらも俯きながら、言葉を返す
夕暮れ時、あたりは静かなもので……
■伊都波 悠薇 >
「……いいえ、凛霞、さんの口から、ききたくて」
ショックは、波の様にやってくる。
家を、でた。しかも、自分の意志で――ということは……?
いや、まだ、可能性だけの話だ。まだ……
「どうして、ですか?」
ぎゅっとこぶしを握る。
震える声。ほんとは気丈にならないといけないのに――
なれなかった。きっと、姉は――こんな状態でも……
”気丈”であるのだからと、言わんばかりに。
妹は、秤を、つり合いのとれるように――
■伊都波 凛霞 > 「……言いたく、ないなあ…」
小さく零れたのは、姉の弱音
言葉を、自身が今まで大切にしてきた存在へ向けることが素直に怖かった
「…それに、そうやって"呼んで"るってことは、
薄々と気づいてるんじゃないかな、悠薇…鋭いもんね?」
明確に、話から"逃げた"
■伊都波 悠薇 > 「……私、を――守るため、ですか?」
明確に言葉を口にする。
逃げたの、対を全うし――そして――……
「わたしの、”せい”……なんですか……?」
震えながら、泣きそうな声で。紡ぐ。
――握りこぶしの力が、強くなる
■伊都波 凛霞 > 「………」
違う、これは、二人を守るため
少なくとも…"これまで通りに"過ごしてはいけないのだと
心が警鐘を鳴らしたのだ
思い立ったら早いは姉の行動、即日父親を道場に呼び出し言葉を告げた
自分を破門するようにと
自分の受け継いだ技を封じるようにと
それは叶わなかった、だから、捨て去ったのだ
だから、それは違う
のだけれど───
「……そうだよ」
姉は、妹の言葉を肯定した
その心を引き裂くような嘘をついて
■伊都波 悠薇 >
「なんで!!?」
立ち上がった。どうしてと、叫んだ。
きっと――そう。きっと初めて魅せた感情。
でも、すぐに深呼吸して――
「なら、どうしてどうして貴女が――? なら、私が、いなくなればいいだけのことでしょう? 私が、家から出て、私が独りになればいいだけ。貴女がそんなことする必要はないでしょう?」
自分のせいは、いつものこと。
自業自得だ。それなら許せた。こうなっても仕方がない。
でも――
「……自分のせいだと、思ってますか? こうなったのは全部、自分のせいだと? 自分の――伊都波凛霞が、したことの責任を――果たすとでも? 全部、無かったことにすると?」
その嘘を、妹は”見破った”
――その嘘だけはしてほしくなかった
■伊都波 凛霞 > 妹の激情を、その一身に受ける
やがて妹の言葉が終わった時、穏やかに、ゆっくりと…
「…そんなことはないよ。
悠薇は、私には出来ない『毟り蕾』を習得した…あれは、古流武術伊都波の技の中でも秘伝に一番近いもの。
…悠薇が伊都波を継承するのが自然なこと。
父様は私から技を奪わなかった。
父様は、流派の掟と自分の娘を天秤にかけられるほど非情になれなかったから。
…私が家を出れば、伊都波の流儀も、父様も守ることができる」
すぅっとひとつ、おおきな深呼吸をして…
「こうなったこと自体の責はきっと誰にもないよ、悠薇。
でもね、気づかなきゃいけなかったんだよ。たくさんたくさん、おかしいことがあったんだから。
そしたら気づけば私が盲目的に信じていた悠薇の幸せと、悠薇の想う幸せは食い違ってた。
私がそれに気づかなかったのは、やっぱり私の責任ではあるんじゃないかな…?
だから贖罪だとかそういうつもりで悠薇から離れたわけじゃなくってね……」
立ち上がった、妹の顔を見上げる
「道が別れたんだよ」
■伊都波 悠薇 >
「なんで……?」
なんで、なんで――どうして……
言葉がうまく出てこない。
責任と、姉は言う。
責任を取ると――責任ってなんだ。
誰にもないのなら、姉がそんなことする必要ではないのでは――?
道が分かれたのなら、そこまで離れる必要はないのでは?
それなら――
「……私の、”お姉ちゃんをやめる”という行動で?」
泣いた。ぐしゃぐしゃだった。
顔はみっともなくて――
「――私のおかげと、してくれないで。せいとして。私はお姉ちゃんのおかげでこうしてこれたのに――その恩もかえさせてくれないで?
一緒に、一緒に歩きたいのに? ずっと一緒だったのに……?」
――なのに……
「私の、お姉ちゃんをやめるのに? そんなきれいごとを、いうの? みんなを守るためで、みんなを救うため。そのために自分を犠牲にするって、そういうの?」
――ねぇ……?
「もう、私は、”妹―わたし―”は、お姉ちゃんに、いらないの?」
■伊都波 凛霞 > 抉る
妹の言葉が、心を抉る
鋭利なナイフでなく、普通のスプーンで無理やりに力任せにするように
「(耐えられるのかな…私……)」
不安と、悲しさと、いろんな感情が渦巻いてゆく
でも、その先の言葉には…ぼろぼろの心が叫んだ
「…おかげって、なんなの。こうしてこれたったなに?
悠薇のそんな異能がなければもっと、もっと悠薇は───」
腕を磨いた分先へと進み
友人もそれなりに多く出きて
頑張った勉強や運動も、できすぎとはいえないまでも成果が出て…
「悠薇は───」
私の後ろじゃなくて、隣を一緒に歩けていたはずなのに
「───っ………」
顔を伏せ、咽び泣いた
どうしてこんな残酷な力を妹に与えたのだろう
神の気紛れと言うには余りにも、そうであれば…神すらも憎い
『もう、私は、”妹―わたし―”は、お姉ちゃんに、いらないの?』
そんな言葉、たとえ自分が命を犠牲にしてでも絶対に言わせてはいけない言葉だったのに
■伊都波 悠薇 >
「――っ……」
なんで……なんで……?
なんでなんでなんでなんで――
なんで――?
なんで、どうして、たかが――たかが――
「異能がわかった。それだけなのに……」
私は、何も変わってないのに……
「……お姉ちゃんの幸せには、私は、いらなくなっちゃったんだ」
力が抜ける。もう、もう――どうでもいい。
「そうだよ。おかげだよ。私の異能がなければ、もしかしたら、お姉ちゃんみたいになれたかもしれないね? でもね、お姉ちゃん」
――私は、自分が不幸なんて思ってないよ
もう、どうでもいいから。すべて、すべて――
「”お姉ちゃん”がいてくれたもの。守ってくれたもの。その結果がちゃんと出てくれたもの。お姉ちゃんの幸せになって、お姉ちゃんが私にその幸せを分けてくれて――そうやって、これからも――……」
でも、もう、だめだ。
姉は、もう、いない。いないのだ。
私を、妹を捨てて行ってしまう。どこかに――どこへでも――……
自分の知らない、誰かと一緒に。
でも――
「でも、いらなくなったなら。しょうが、ないよね。お姉ちゃんは幸せになるために、そうするんだもの。だったら、うん――お姉ちゃんが幸せになるなら――」
……受け入れよう。
耐えられる、自信は、ないけれど……
明確な孤独に、いれる自信なんて――
「――お話し、聞いてくれて。してくれて、ありがとう、ございました。”凛霞さん”……――」
――さよなら……
歩き出す。もう、これ以上は姉の迷惑で、幸せを邪魔してしまうから。
もう――私は、姉にとっての――
「――”不幸をもたらすもの―ばけもの―”でしか、ないんだ」
認識を言葉にして、駆け出した。逃げるように、逃げるように――
そしてかけながら――
「う、う……」
滴が、道に――落ちていく……
■伊都波 凛霞 > ───行ってしまう
これでいい?本当に?
どちらかが不幸になるという可能性から逃げても均衡は保てない
それどころか、妹の声は、顔は……もう不幸にしかみえないのに
この先に幸福がある?本当に?
今、自分自身は凄く傷ついている
妹も、どうみたって傷ついている
「…どうして…?」
小さく、呟く
「二人共が不幸なら、それはそれで…均衡が取れてるとでも…? …そんなの…」
そんなこと
ただただ孤独になってゆくだけだ
立ち上がった
考えるよりも早く、そしてその遠ざかる背中に手を伸ばした
"おいて行かないで" と
「はるか───!!」
振り絞るような泣き声を、その背に向けて叫んだ
■伊都波 悠薇 > 姉が、呼んだ。
なら、立ち止まる。もう、姉でないとしても――
それを無視するのは悠薇にはできない。
そんな泣きそうな声で呼ぶ。
どうして? 幸せになるための、選択なら笑ってほしいよ。
「……なん、ですか……? 凛、霞、さん」
止まるだけ。顔は魅せない。魅せたらダメな顔をしてる。
ぐしゃぐしゃだ。ぼろぼろだ。
だから、とまった、だけ
■伊都波 凛霞 > 背中が、止まる
全てを伝えなければいけない
最後にはしたくないけれど、最後になる可能性は0ではないのだから
だから、もう全部打ち明けよう
情けない
ここまで危機感を覚えないとそんなこともできないなんて
「…私はね、ずっとずっと、悠薇に私の隣を歩いて欲しかったんだよ…?
神童だとか…そんなのはいらないから、二人でずっと一緒な道を……」
少しずつ、少しずつその背に向けて歩み寄ってゆく
自分よりもほんのすこしだけ…一年とちょっとだけ、小さな背中へ
「ずっと報われない悠薇を見てきて…いずれ芽吹いたら、きっとそれは悠薇の幸せで…とびきりの笑顔を見せてくれると思って…。
悠薇が、そんな笑顔を見せてくれたら、私は幸せなんだってそう思ってきたんだよ…?
……そんな形で、何もかもを私の幸せに投げ込んで、それで悠薇が笑っても私は笑えないよ‥」
立ち止まり、消え入りそうなくらいに小さな、嗚咽交じる声で
「……私の、隣で…笑って欲しかったんだよ……」
ずっと、ずっと
そう願っていたのに
こんなことになってからでなければ、それが伝えられないなんて
■伊都波 悠薇 >
それなら、それならどうして――
「……どうして?」
なんで、今そんな言葉を、いうのか……
だったら、どうしてさっき道は分かれたっていうのか。
私はお姉ちゃんに必要なの? 違うの?
どっちなの――……?
「もう、もう……わかんないよ……おねえちゃん……」
わからない。姉がどうしたいのか、自分はどうすべきなのか。
自分がどうあるべきで、どうしたら姉は笑ってくれるのか。
「わかんないよ、そんなこと!! いまさら言われてもわっかんないよ!!!!」
首を振りながら、叫ぶ。
わからない、姉が、もう理解できない。
自分も、もう――
「じゃあ、どうしたらいいの!? 離れて言ったのはお姉ちゃんじゃない!! 私だって一緒にいたいよっ隣で頑張りたいよっ。でもそれを逃げたのはお姉ちゃんじゃないっ」
私はただ――ただ……
「はるかのおかげでありがとうって、でもこれからは分かち合っていこうって頭撫でてくれなかったのはお姉ちゃんじゃない!!!」
今までの悲しみが怒りへと変わっていく。
だんだんだんだん、頭がゆっくり、冷えていって――
その言葉が、自分の欲しかった言葉なのに気付けば――
変な、笑みがこぼれた。
「あは、そんな――そんな……」
振り返れば、光の消えた瞳で。
「そんなうそをつくひつよう、ないんですよ? りんかさん。きづかってくれて、ありがとうございます。でも、わたし、だいじょうぶですから」
求めたから――くれたんだ。
異能が天秤を、とったんだ。
あぁ本当に、なんて嫌な異能。
なんてなんて、自分は――卑しい。
鼻から血を流しながら――
「わたしはだいじょう、だいじょ――」
だらだらだらだら……
そして、はるかは――……
「あ、れ?」
意識が消えていく――
「…………――……」
意識が消えて――
あぁ、自分はなんて醜い
「 ば け も の だ」
■伊都波 凛霞 > わからなかった
さっきまでは自分は何があっても離れようと思っていたのに
今はこうやって焦燥して追いかけて、想いを叫んで
こんな、たったこれだけの時間で、普通ならありえないような───矛盾
逃げて、追いかけられて
逃げられて…追いかけて…?
ぞくりと寒気がした
「……釣り合いをとろうとしてるの…?」
喚き立てる妹の言葉すら、呆然として耳に入らない…
じゃあ、そんなの……一体、どうしたら……
頭を抱え、その場に崩折れるように蹲る
「…なんで…どうしてこんなのことになるの…?
私達が何かいけないことでもしたの?ねぇ───」
問いかける
誰にかはわからない
もしかしたら、天上の、何かに対してなのか
「……!」
妹の声が変わったことに気づいて顔をあげる
目に入った、妹の表情は……
違う、違うよ、嘘なんかじゃない
嘘だったのは、さっきまでの自分の言葉で、今はもう
なのに
「悠薇ぁっ!!」
悲痛な叫びと同時に、姉は走っていた
崩れ落ちる妹のその体を抱きとめるために
考えることも迷うこともなく、ただ真っ直ぐに…
■伊都波 悠薇 > もう、言葉は帰ってこない。
抱きとめてもゆすっても――
ただとめどなく、鼻から口から――
赤が、とめどなく――
地面にシミを作るだけ
ご案内:「商店街」から伊都波 悠薇さんが去りました。
■伊都波 凛霞 > 「はるかっ…やだ、うそ、はるかぁっ」
声をかけても目を開かない、
流れ出る血が止まらない妹を抱いて、ただただ狼狽する
「だ、誰か───」
誰か助けて、と、叫んだ
ご案内:「商店街」に癒斗さんが現れました。
ご案内:「商店街」に陽実 凛さんが現れました。
ご案内:「商店街」に高峰 司さんが現れました。
■高峰 司 > 『おい、どうした凛霞!助けてってどういうことだ!』
高峰司が現在いるのは寮の部屋。
だが、高峰司と伊都波凛霞には召喚契約のラインが繋がっており……そのラインから、強い思念が流れ込んで来たのだ。
なので、念話で即座に確認を取る。
『聞こえてるか!喚べ、さっさとアタシを喚べ!』
そして、逆召喚の要請。
助けを求めるのなら、召喚しろと。呼び出せと。
■癒斗 > 買い物へ行こうと、商店街をぷらぷら歩いていたはずなのだが。
何だか悲痛な声が聞こえて、ついそちらへ来てしまった。
見れば、何が起きたのか想像したくも無いような、赤い色彩が写る。
血をとめどなく溢れされる女の子は、これは、息をしているのだろうか。
「あ、あの、何がどうして、それ、ともかく血を喉に詰まらせないように――!!」
ポニーテールの少女の横に崩れるように膝をつき、あわててハンカチを取り出す。
■伊都波 凛霞 > 傍目に、凛霞は明らかに冷静さをなくしている
通りかかった癒斗の声にもおろおろとしてしまい、まともな言葉を返せないでいた
「あ、た、たすけて、妹が、妹が───」
きん、と頭のなかで、何かが響いた
泣き顔のままに、ハッとして一瞬まともな思考を取り戻す
聞こえてきたのは、よく知る声……
そうだ、自分と高峰司は繋がっていて───
『─…助けて、助けに来て、司ちゃん───!』
強く、強く、その心で念じた
■陽実 凛 > てくてくと商店街を歩いてウィンドウショっピング気味な冷やかしをしに行こうとしていた所、聞き覚えがあるような叫び声が聞こえて。
誰かが先に向かう様子も見えたけれど、そのまま駆け込んでいく。
「……状況、確認。救急車は呼んだ?
こうなった時の状況は?」
淡々とした口調で手当している人の邪魔をしない様に状況を確認して
■高峰 司 > 『了解だ!』
条件、成立。パス、接続OK。相互召喚システム、機能正常。
召喚、完了。
念話で返事を返すと同時、パスを通じて魔術的に司が『召喚』される。
相互召喚の契約による、逆召喚。こんな形で功を奏すとは思わなかったが。
「どうした凛霞、何があった!」
次の瞬間には、目の前に高峰司の姿がある。
普段通りの格好ではあるが、その瞳には幾ばくかの焦燥が混じっており……あまりの思念に、少なからず動揺しているのが伺えるだろう。
■伊都波 凛霞 > 凛の声かけに反応するも、狼狽した状態からは依然立ち直れていない
「え。あ、きゅ、救急車…っ…そ、そうだ、救急車、あれ、あれっ…携帯…っ」
慌てて自分の制服のポケットを探り回すも、
手から取り落として携帯が地面へと落ちる
急いでそれを拾うも、手が震えて満足に操作ができずにいる
「じょ、状況…何が、ええと、えっと……!!」
かたかたと、集った人達の言葉に応えることも満足にできず、青ざめた表情でただただ、妹の姿を見つめている
■癒斗 > 「妹さん、妹さんなんですね?」
気管に血が詰まらないよう割りこむようにして手を入れ、倒れている彼女の姿勢をずらす。
慌てているポニーテールの子、お姉さんにはこうやって支えててあげてと何度も言葉を繰り返した。
救急車はと声をかけてきたジーパンの子には、首を横に振る。
「まだなんです。今来たばかりで
―――救急車、私連絡とります!あと、それから、先生とか、わかるひとを呼んできます!からっ!」
■陽実 凛 > 大混乱、もしくは大パニックの予兆になりつつある。
紫っぽい人を見て、大体の行動を聞けば頷き。
「……了解。ちょっと失礼。」
色々問題発生している気がするし、ワープの予兆とかがあったけれど、
まず倒れてるはるかさんの様子をじっと確認。
それと、胸の上下を見て呼吸の確認。
異能の関係上、脈を直接取らないようにして。
■高峰 司 > 「ああクソ、そう言う事かよ!」
全部は分からないが、この妹が倒れている事に動揺しているのは伝わった。
全く、どこまでも姉に負担しかかけない妹だ。
「ちっ……治癒術なら、アイツか」
何があったかは分からないが、応急処置は必要だろう。
その場で即座にエオローのルーンを刻み、己が召喚獣(テゴマ)を召喚する。
「来い、アヤメ!」
『あら、司さん。いかがなさいましたか?』
現れたのは、巫女服姿の女性。
神薙菖蒲。且つて邪神召喚の贄にされかけていたところを司に救われ、契約した巫女である。
得意とするのは、イタコ式の口寄せと、治癒魔術だ。
「この倒れてるのの様子を見ろ、治せるなら治せ!」
『っ…これは、分かりました』
黒髪の巫女が悠薇の様子を見る傍ら、司は凛霞の方に回る。
「凛霞、アイツは治癒術の達人だ。他にも色々いるし、取り敢えずは任せろ。
……何が、あった?」
■伊都波 凛霞 > 癒斗の言われるがままに悠薇の気道確保をし、まだ落ち着きと取り戻すには至らないものの、なんとか少しずつ少しずつ混乱が収まってゆく
女史寮で出会った凛が妹の状態を診て、
親友である高峰司は即座にその治療が可能な召喚儀を行っていた
状況、状況は…おそらく
「……異能の負荷、だと想う……」
あの時も、その前も
もうそうだとしか考えられない
「でも、その中でも一番…はるかぁ…死んじゃやだぁ……」
ぽろぽろと涙を零し咽ぶ
ご案内:「商店街」にメグミさんが現れました。
■癒斗 > お姉さんが少女の姿勢を保ってくれるのを数秒眺め、
他にも人が来たなら自分が走っても何も問題は無いと、わたわた立ち上がる。
ハンカチはその場に、持っていたカバンから目薬などをボロボロ落しながら助けを呼びに駆けていった。
ご案内:「商店街」から癒斗さんが去りました。
■陽実 凛 > 状況を確認、多分直ぐに命にかかわらない、と判断。
耳で拾えた状況も考えているうちに巫女が召喚されていた。
「……異能の負荷?
幾通りもあるけど常時発動なのか任意発動なのかで大分違う。
常時だとしたら内容次第じゃ厳しいかも。
……話せる異能?」
冷静に淡々と、してられるかどうかが危うくなってきた。
意識すると拙いような感覚がする。
しんじゃやだ、と泣く姿に思い出しそうな記憶に蓋をする。
■高峰 司 > 『……ごめんなさい。これは少し、私では……。
単なる肉体の変調ではなく、猛烈な負荷がかかっているみたいで、対症療法的な治癒では恐らくは……』
「ち、分かった。それなら仕方ねぇ、オマエは帰ってろ」
『申し訳、ありません』
異能の負荷、というのなら恐らく専門外だ。それは仕方ない。
なので無駄に枠を食わず菖蒲を還しながら、凛霞の方に集中する。
「冷静になれ。何があった?状況を説明しろ。そうしねぇと、対策も考えられねぇ」
■メグミ >
――騒ぎを聞きつけ駆け付けた風紀委員が一人。
途中で通報を受けたであろう保険課(の救急車)と合流し状況を確認、現場へ駆けつける。
特に事故もなく駆け付ければ、救急車の屋根の上から飛び降りて着地。
「生活委員保険課および警邏中の風紀委員です。
幾つかの通報を頂きましたが、現場はこちらで宜しいでしょうか。
其れと、患者は。患者をお連れ致しますとのことです。」
錯綜する状況に声を響かせる。
張った声に赤い衣は良く目立つ。
■伊都波 凛霞 > 「……天秤が、均衡を保とうとした……んだと、思う…」
何度もしゃっくりあげながら、そう言葉にする
「臨むものから遠ざかってもだめ、その望みに応えてもうまくいかない…。
相手が、異能の体操が私だから…?
なんで、どうして妹ばっかりこんな……」
人が増えたことも幸いした、少し落ち着きを取り戻したのか、
「…妹の異能は、私との均衡を保つ…天秤の異能……。
何度も触れれば、支点にこうやって負荷がかかっていくのかもしれない……」
凛の言葉に、そう返事を返した
はたしてこの難解な異能に理解が及ぶだろうか……
■伊都波 凛霞 > 車両が止まる音と、保健委員、という言葉を聞いてバッと顔を上げた
「メグミさん!」
その見知った顔と救急車の到着に思わず目が潤む
■高峰 司 > 「……馬鹿が。だからあの時、棄てろっつったんだ」
ひとりごちる。
こう言う可能性が大雑把にでも見えていたからこそ、悠薇には『異能を棄てろ、抑え込む手段を探せ』と言っておいたのだ。
その時は、まるで通じなかったが。
「とにかく、異能のオーバーロードならこの学園の本領だ。抑え込む薬かなんかがあるかも知れねぇ。とにかく落ち着け、オマエが精神的に動揺し続けると、どんな反動があるかわからねぇ。
幸不幸に反応する異能なら、感情を出来るだけフラットにしろ。
……出来るか?」
■陽実 凛 > 保険課の人や風紀委員が駆けつけたらしい。
少し脇に移動。
話したい相手はいるけれど我慢しまして。
「…………天秤。
均衡の範囲と解釈次第だけど、応急処置……は保険課の人達に任せるならやらない方がいいかな。」
思いついた手段と周囲の人数を見て、
自分の手を上げて、見て下ろす。
■メグミ >
「伊都波さんでしたか……分かりました、先ずは患者を病院に。
その上で、何か起きたのかを聴取させてください。
幾つかの通報を受けています。悲鳴のような叫び声についても同様です。
伊都波さんの事は信頼しておりますが――騒動となっている以上、病気や不調でも一応の聴取が必要です。」
所属する課上、単独での行動は多く現場にも慣れている。
風紀委員と保険課が何を行うであろうかだけ告げつつ、状況を落ち着かせようと取り仕切るだろう。
■伊都波 凛霞 > 心をフラットに…
「…自信ないよ…だから、妹から逃げたんだもの、私……」
目を瞑ったまま眠るような妹の顔を、涙がいっぱいたまった目で見つめる
…結局、こういうことになるのなら……
「…同乗して、病院ででも構いませんよね…?」
聴取があると聞けばメグミにそう返して、ちらりと司のほうへ目をやる
……一緒にいてほしい、というアイコンタクト
付き添いとして、一人でいる勇気がなかった
■高峰 司 > 「……そう、か」
正面から向き合うのは、やはり無理だったか。
もう少し時間があれば可能だったかもしれないが……今回は、事が急に過ぎた。
「アタシも付いてってかまわねぇか?今アタシはコイツの同居人だ。それに、コイツは明らかに精神が不安定。付き添ってやりてぇ」
アイコンタクトを受け取り、メグミに確認を取る。
こう言うのはさっさと確認を取る方がいい。変にゴリ押すよりも、身近な人間であることを示して申し出た方が、話がスムーズに進む。
■陽実 凛 > 「……」
状況を見守る、と言うより意識があちらに向いている。
と言っても手持ち無沙汰と言うより状況の推移を見守る
程現状の状況が良いとは判断していない。
続いて言えば、できればこれを機にしたい所だけど同乗の話まで出ている。
頭を抱えたくなる状況が続く。
「……所で、聴取はここにいる全員が受ける物?」
■メグミ > 「妹、ですか。……失礼。その様に聞こえたもので。
ええ、家族でしたら構いません。」
断片的な情報も確かに集めつつ、詫びる様に告げる。
周囲の会話や独り言を聞いている事の意思表示。伊都波 凛霞 へ向けた律義さか。
こほん、と、咳を払って仕切り直し。
「ええ、保険課に聞いてみないと分かりませんが、家族でしたら構わないと思います、が。
……ふむ。流石に判断が付きかねますので……身分も兼ねて学生証の提示をお願いします。
その後は保険課に打診して、指示に従ってください。リスクのあることですから。」
自称だけでは軽率な返事は出来ない。
とはいえ凛霞とのやりとりからも信頼は置ける人物なのだろう。
騙している可能性もあるとは言え、疑り過ぎるのも宜しくはない。
そうしたら罪が重なるだけとも言える。故に最低限の提示を求め、保険課に判断を任せる。
変な事をしなければ恐らくは許諾されるだろうか。それとも何かあるか。
質問を受ければ――
「出来れば全員。
とは言え、残りの方は風紀委員棟の方で執り行わせて頂きます。
無関係の見物人などでしたら、無理になさらなくとも結構です。
……嘘や裏が露呈しましたら、相応の事にはなると思いますが。」
■高峰 司 > 「血縁、ってわけじゃあねぇが……分かった、従う。
アタシに話せる事はロクにねぇが、事情聴取も受けよう」
言いつつ、学生証を提示。
本来なら事情聴取など面倒臭いだけであるが……ここで規律に対して意地を張っても得られる利益が遠のくだけだ。
ここは妥協すべきポイントであり、そうすることによって凛霞に付き添うという結果を手繰り寄せる。