2015/08/08 のログ
■ヘルベチカ > 「そりゃどうも。嫌われるよりは有難い」
笑みのまま、缶を少し大きく傾けた。
もうそろそろ気もいい具合に抜けただろうという予想故だ。
結論は、頭の上で、ぴぃん、と立った猫耳が示している。
「……いや、種族が違って子供が出来ないカップルとかザラなんだから、男同士なくらい気にはされないと思うぞ、ほんと」
少年が視線を飛ばした方向、遥か遠く、異邦人街が在る。
そちらを見たまま、少年はゆるゆると頷いて。
あ。と口を丸く開けてから。
「男ならわかると思うけど、無理に掴んで擦ったら、勃って出たからラブ、とかないからな?生理現象だからな?
感情と性的快感は一致しないからな?気持ちを確認しろよ?」
ビアトリクスの作り上げた耽美な感じの雰囲気に、どどめ色のペンキをぶちまけてぶっ壊した。
■ビアトリクス > 「殴るぞ!!」
クワッ。
ビアトリクスの顔面が再び瞬間沸騰した。忙しい話である。
缶の中身を飲み干して、立ち上がる。
「……わかってるよそんなの。大して特別でもなんでもないよこんなの。
でもさあ男が恋愛感情抱くのって基本的に女だから不利なんだよ。
ああだこうだ言う連中だっていないわけじゃないし。
ちょっとぐらいアンニュイな気分に浸ることぐらい許してくれ……」
盛大に嘆息。
ぽい、と缶をくずかごに向けて放る。
何かが奇数なら見事にホールインするだろう。 [1d6→5=5]
■ビアトリクス > 小気味良い音。缶はくずかごの中に跳ね返りながら収まった。
■ヘルベチカ > 「顔はやめてボディにしたってくれんか……」
きぃん、と耳の奥、反響するような耳鳴りに、
少年は缶を隣に置けば頭の上、猫の耳を労るように手を当てた。
人間の耳は開いたままなので、そのままの体制で。
「叶わぬ恋に恋してるのが楽しいならいいけどさ。
男同士だと、男女間と違って、その間にくっつくことなんて、お前の言うとおり少ないだろな」
頭を抱えたような体制のまま肩を竦めれば、Mのポーズのようにも見える。
ゆっくりと、猫耳から手を離して。
「親に恋に、考える事多くて大変だろうけど、気を抜いたらすぐ、髭だらけのおっさんだぜ。命短しなんとやら、頑張ってな。
お。ナイスショット」
ぱちぱちと、緩い手つきで拍手した。
ご案内:「常世公園」に一樺 千夏さんが現れました。
■一樺 千夏 > 「あっつい……こうも暑いと、たまんないわぁ……
さすがに体を改造してエアコン搭載するわけにはいかないし」
先客にちらっと視線を向けたものの、暑さに参っている様子で水道に近づいて、蛇口をひねる。
水を勢いよく出した後で、その右手やら左手やら頭にぶっかけた。
■ビアトリクス > 大声を出され猫耳を触るその様子に、ああそっちの耳にも聴覚はちゃんとあるんだな、
と当たり前のようなことを確認する。
「叶わぬ恋……」
急所を押さえられたかのように、小さく呻く。別に、そんなつもりは毛頭ない。
しかし、叶わないならそれでもいいのではないか、と思いはじめていたのも確かだった。
それが想い人の幸せであるのなら。
「……いや」
かぶりを振る。
「でも、もう少しの間は、このままでいい」
そうして、短く、偽らぬ本心を切り取った。
ベンチの背もたれに手のひらをついてぐりぐりとこね回す。
視界の端に別の公園の利用者が映った。
いきり立って大声を出していたことを思い出して今更恥ずかしくなる。聴かれてなければいいが。
「……にしても、ずいぶんと悟った調子だよね、先輩は。
大人びてる、というか」
そろそろ去ろうか、とも思っていたが、自分の愚痴ばかりになっていたことを
思い出してとどまり、なんともなしに言葉を継ぐ。
視線はヘルベチカが向いていた、異邦人街のほうへ。
そういえば、先日会った時は、彼を異邦人か何かだと思っていたのだった。
■ヘルベチカ > ビアトリクスのリアクションを観察するような、
けれど茫洋と眺めているだけのような。
そんな視線で、相手を見ていた少年。
一瞬の逡巡の後、相手の口から吐出された言葉、結論に。
「そっか」
短く一言そう言って、楽しそうに笑った。
その結論を、良いとも、悪いとも、この不躾な少年は言わなかった。
ビアトリクスの飛ばした視線の先追って、利用者の姿を目に納めれば、
特に気にした様子もなく数度緩く頷いて。
「ま、最後には人を気にしなくなれればいいな……ん?」
くだされた評価に、言葉を止めた。
相手の評価、ふてぶてしい、に続いて悟ったやら大人びてるやらに、首を傾げてから。
「老けてると言いたい?失敬では?花も恥じらう17歳だが?見てこの肌ツヤ。女子力高くない?」
ベアトリクスから顔を背けて、顎に手を当て、髭の見当たらない頬を見せる。
見える人間の耳も、別に尖っているでもなく、嘘を付いている様子もない。
■一樺 千夏 > 水をかぶれば、右腕からじゅわあと熱が気化するいい音がする。
「どんだけ熱もってたのよ……やってらんないわー」
そのままついでとばかりに水も飲む。
そらもう、飲む。
わりかし温い水道水ではあるが、何せ無料だし。
そして、なんとはなく耳に入った会話についつい口を挟んでしまった。
「若さにかまけてる肌つやは、女子力って言わないんじゃないかなー?」
嫉妬ではない
嫉妬ではない。
■ビアトリクス > 「いえいえ。人生経験の豊かさが言動の端々ににじみ出ているというか……
そういう感じですよ先輩」
おどけた、慇懃で、おざなりな言葉。
今度はビアトリクスが肩をすくめる番だった。
気がつけば親と恋という自身に纏わる三大困難のうち二つについて喋ってしまった。
ヘルベチカの人徳のような何かが為せる業だろうか。
蒸気が奔るのを目にし、うわ、という表情に。体感気温が少し上がった。
「――だ、そうで。同意見かな。
そもそも、ぼくと女子力で勝負しようなんざ、十年早い……
いや十年経ったらもっとダメか」
不敵に笑う。同じように、気取った所作で顎に手を当て、首の角度を変えて。
疵一つ無い、透き通った白磁のような肌を見せつける。
別に勝負をしていたわけではないが、それはさておいて。
「……それじゃ、このへんで。コーヒーごちそうさまでした。
寮の周りで母がまだうろついてるかもしれないけど……
まあ、そのときは、そのときか」
入ってきたときよりは、いくばくか軽やかな足取りで、
公園のその外へと。
ご案内:「常世公園」からビアトリクスさんが去りました。
■ヘルベチカ > 「あっ こいつ人のことバカにしてやがる。畜生」
まったく心の篭っていないことこの上ない後輩の発言に、
少年はわざとらしくギリギリと歯ぎしりをする。
上がった蒸気の音、心持ち湿度が上昇したような気がして、
手元の缶の中身を飲み干した。
ちょっと噎せた。○炭酸:●猫乃神。
口元を拭いながら、2:1の状況に、へらりと笑って。
「いや、年取って努力してるのはいいんだけどさ……その場合女子力っておこがましいって絶対……
女らしさっていうならいいけどさ……人によってはババアじゃん……女子……?
ある年齢以上で女子とか恥ずかしくない……?よって若さあっての女子力」
爆雷であった。公園に女性がいなかったことに感謝したい。
少年の中で、公園で水浴びする人種は女性にカウントされていないようであった。
南無。
「十年経てば、俺が勝ってるかもな。おそまつさん」
目を閉じて、首をゆるゆると振って。去って行ったベアトリクスを、
ベンチの上から手を振って見送る。それから少年も立ち上がった。
どうやら、ビアトリクスを見かけて移動中に寄っただけだったらしい。
公園から出際、一樺に向かって。
「びしょびしょで街中歩いて風紀に捕まらんようにしろよ……」
女子の定義の対立はあっても、武士の情けは存在したようである。
ご案内:「常世公園」からヘルベチカさんが去りました。
■一樺 千夏 > 「どうせ、乾くまでここでダラダラしてるわよ。
スラムとかくっそ暑いし」
いいながら地面に蹴りを入れる。少し抉れた気がするけれど気にしない。
事故だろう、きっと。
「喧嘩売ってたなら、買い取るべきだったかしら。
暇つぶしにはなったでしょうしねー。
しかし、ミスったわ……絶対にくると思ったのに。
ケンタウロスホイミ」
■一樺 千夏 > 濡れたまま、近くのベンチに腰掛ける。
「ジャケット着てるのも暑い原因よねぇ……一応は防弾意識しちゃいるんだけれど」
何せ、平和なのだ。
銃弾なんて滅多に飛んでこないし(偶にある)
「鈍っちゃうかなぁ……」
■一樺 千夏 > タバコを取り出して吸おうと……
「げ、水被っちゃってる」
天を仰いだ。
■一樺 千夏 > 「……ツイてないわ、ほんと。
どこかで勝つまで勝負するしかないわねー」
苦笑しながら、ベンチを立つ。
まだ少し濡れているが、スラムの方に戻るまでには乾くだろう。
「どこかに、いい雇い主がいりゃいいんだけどねー」
ご案内:「常世公園」から一樺 千夏さんが去りました。
ご案内:「常世公園」にミザリーさんが現れました。
■ミザリー > 右手に持ったリンゴを口元へ、しゃり、っと音を立てて齧ればもぐもぐと口を動かして頬張る。
暑い夏の日差しの下、この公園のベンチに腰を下ろして足を組んでいる。
休暇?なのだろう。妙に目立つ三角帽子が若干日傘がわりになってちょっとだけ涼しかったりする
「あっついわねー・・・、日差しばかりはどうにもならないわぁ。」
自らの周囲だけ涼みが出るように空気を魔力で僅かに冷やしているのだが、陽の光だけは遮ることはできないらしい、
否、可能なのだが日陰をつくるだけの魔力を使い続けるのも疲れるのだろう。
ベンチにもたれて気だるい声、完全に暇してるといったところだろう。
大好きなリンゴをもうひと齧りして
「・・・あそこの店のリンゴ、60点ね。少しだけぱさついてる。」
自分の食しているリンゴでも少し評価してみた。
なにか面白い物でもころがってないかなーっと双眸をきょろきょろと三角帽子の陰から動かして
■ミザリー > リンゴを食べ続けると、いつの間にか芯だけが残った状態に
食べ終わり邪魔となったソレ、
捨てるところを探してみれば5m程先に見える公園に設置されたゴミ箱が視界に留まる。
ニヤリとちょっとだけ悪戯な笑みを見せて口元を吊り上げる
「んふふ・・・、私は魔女よ、ここからシュートするなんて造作ないわ?」
リンゴのへたを持ち軽くベンチから立ち上がる、
狙いをしっかり定めて下投げで芯だけになったリンゴをゴミ箱目掛けて放り投げる。
すると・・・、ゴミ箱に向かって一直線かと思いきや明らかに地面へと転がり落ちる軌道でリンゴは飛び向かう!
「あ!ちょ、ちょっと、だめよっ!」
ひゅんひゅん、と空を切る音を立てながらベンチの傍らに置いておいた長い杖を取り右手で起用にくるくると回す。
と、空中を舞うリンゴに狙いを定めてその杖の先端をピタっと向けると。
「大人しく入ってなさいっ!こーの用なしリンゴっ!」
リンゴに向けた魔力がぶつかり強引にその軌道をかえて
勢いよすぎるぐらいにゴミ箱一直線に、ガシャン!
っと大きな音を立てて無理やり入れた。
ギシギシときしむ音を立てて揺れるゴミ箱を見つめたまま、
「ふふふ、私に掛かればこんなもんよ。」
妙に勝ち誇って不適な笑みを見せる。
三角帽子の鍔を下に少し下げて陰を作り向けた杖もおろした。
そっと腰に杖を戻しては、如何した物かなと頬をかく
「・・・やっぱり暇ね、どうしようかしら?」
こういった休みを貰っても自分には特に目的は今ない、
どうしたものかなーと口元に手を添えた
ご案内:「常世公園」にリビドーさんが現れました。
■リビドー > (この本前に読んだな……)
ベンチに座り、退屈そうに本のページを捲る少年のような年若い男性。
内容に既視感を覚えながらも、次へ、また次へと読み進める。
暫く読み進めた所で本を閉じ、脇に置いた。
「退屈だ。」
■リビドー >
溜息を吐く。
色々と区切りが付いた故に教師へと復職したものの、言わば今は夏季休暇期間。
受け持った特別授業もそう多くはない。休暇明けの準備は済ませている。
やることもなく、外をぶらついてみたものの、特に用事がある訳でもない。
偶々鞄の中に入れっぱなしだった本も暇をつぶすには値せず、退屈を募らせなら空を仰いだ。
■リビドー > 「……」
頭の後ろで腕を組み、瞑目して思索を始める。
この世界の行く末でも考えてみるか。そう思えば思考を回す。
「……将来世界の国々が取るべきモデル都市、か。」
意識的には無意識的にか、思考の一端を言葉として漏らした。
■リビドー >
「……常世島は超人の住まう街だ。肉体的な意味でも、精神的な意味でも超人だ。
自らの確立した意思でもって行動する「超人」であるべきと説いたのは、誰だったかな。」
膝の上に黒にゃんこが乗る。
……思索に集中しているのだろう。彼が意に介す様子はない。あるいは、気付いていないのかもしれない。
「当然ながら、異能を持たない一般生徒も二級生徒も居る。
それでも、此の都市の主体は異能や魔術を持つ学生だろうな。」
ご案内:「常世公園」にシインさんが現れました。
■リビドー > 「……」
再び黙りこんで、思索を回す。
口には出さずに、まとまらない数々を考え込んで、組み立てる。
微塵にも動かない膝の上で黒いにゃんこがあくびのような仕草をし、眠り込んだ。
■シイン > 異様な雰囲気を纏いながら、彼は歩を進めている。
普段とは違う服装を身に纏いて、彼は歩を進めていく。
狙いを定める獣のごとく眼光を光らせながら、公園内を進む。
長い長髪が風ではらめば、踊る髪を抑えながら、進行方向に視線を走らせて。
ふと、視線に留まったのは昨日の彼だった。
黒猫を膝の上で寝かせながら、考え事か、黙っている。
そんな猫を起こさないように、静かに彼に近付いてみる。
ご案内:「常世公園」に四十万 静歌さんが現れました。
■四十万 静歌 > あれ、と、遠目にシイン先生の姿を見かけたので挨拶しようとすると、
誰かに近づく所だった。
何かタイミングをのがした感じがして、
そーっとそーっと2人に近づいていく。
■リビドー >
『にゃーん』
リビドーの膝の上の猫が鳴く。
一方、シインが近付いてもリビドーは微動だにしない。
死んでいる訳でもなく、造りものでもないのだろう。
だが、それらを彷彿とさせる程度には、動かない。
『にゃーん』
再び猫が、鳴いた。
■四十万 静歌 > わぁ、ネコさんかわいいなんて思っても、
まだ遠巻きにしている。
なんというかタイミングをはかりつつも、
ちょっともじもじと猫に気が行く。
■シイン > 猫が鳴き声を晒す。起こしてしまったか。
だがリビドーは反応を示さない、猫を膝の上に置いたままに。
考え事に没頭しているのか、集中しすぎて周囲の音を遮断してしまってるのか。
淡々と歩を進めて、彼の前まで立ってみる。
「リビドー先生、こんな所で会うなんて奇遇ですね。」
そんな風に声を掛けるのだ。
■リビドー >
「………。 ………ん。
………ああ、キミか。奇遇だな。」
ぼんやりと眼を開けて周囲を見渡す。
目の前には先日の彼――シインの姿をその場に確かめた。そして、
「所で――」
ぐるりと周囲を見渡す。
違和感なく風景や人々に紛れ込まない限り、四十万の姿を視認するだろう。
■四十万 静歌 > 「……」
思いっきり視認されて、視線があってしまったので、
リビドーに対して、
に、にこっとギコチナク微笑んでみる
■シイン > 「おや、寝てましたか?」
どうやら彼は考え事をしてた訳でなく、睡眠を取ってたようだ。
そして自分とは別方向へ視線が向かれたので、不思議と思い、彼の眼を追いつつ振り向いてみる。
そこには、ぎこちない笑みを見せてる静歌の姿が見えた。
なんとも奇遇な。
そして奇遇なことが連続して続くとは普通は思わない。
■四十万 静歌 > 「う、うう……」
気づかれてしまったので、出て行くしかない。
「こ、こんばんは。
すみません、出て行く機会うかがってました……!」
近づいてぺこりと挨拶するだろう。
そして正直に話す
■リビドー >
「さてな。で、あの子はキミの彼女か何かかな?
どうにも、キミの事を見ていた様だぜ。」
にやり、と笑って軽口を叩く。
膝の上の猫に気付けば、それを撫でた。
「で、こんばんわ。お嬢さん。
それなら仕方ないな。ボクは別段構いやしな……ん……」
四十万静歌へと、注視するような視線が
■シイン > 「彼女?それなら嬉しい話ですけど、残念ながら彼女は私のモノでないですよ。」
明らかに滑稽で面白い話、彼の言葉は軽く流す。
静歌との関係は共に会話して、共にお茶をする。
だが友達とは違う、それなりに仲が良い生徒と教師の関係だ。
遠いモノである。
「こんばんは、静歌。奇遇なものだね。」
本当に、奇遇である。
■四十万 静歌 > 「か、彼女!?
いえ、そ、そーですよ。
違いますよ。
私は生徒でシイン先生は先生ですから!」
あわわと、真っ赤になって首を振る。
まだ、そんな関係ではないというように。
「ええ、本当に奇遇ですね、いや、その、挨拶しようとしたら、
こちらの人にはなしかけようとしてたのでどうしたものかと。」
そういってリビドーさんをみると、こちらを注視している。
恥ずかしいとさらに顔をあからめるが、
――注視するのであれば、顔をはっきり見ることができるかもしれない。
「あ、あの、私の顔に何かついてますか?
あ、そ、そのー、二年の四十万静歌です……」
もじもじしながらかようにリビドーへと自己紹介をするだろうか。
■リビドー > 「ははっ、『モノ』と来たか。
キミは案外独占欲が高いタイプなのかな?」
愉快そうに笑い、目を細めながらそう言った事だろう。
四十万を暫く注視して、彼女の顔を確かに眺めた。
「っと、悪いね。どこかで見たような、懐かしい雰囲気がしたものでね。
四十万 静歌か。ふむ、確かに覚えた。良い名前じゃないか。
……ああ、ボクはリビドーと名乗っているよ。ま、宜しくな。」
■シイン > 「独占欲?えぇ、ご明察で。とても高いですよ。」
自分でもかなり独占欲は高い方だと認識している。
モノと呼ぶことに自分では間違ったことではないと考えている。
雄が雌を所有して、それをモノと呼んで何が可笑しいのか。
ただ、今はそんなことに議論を交わすつもりはないので、余計に言葉は足さずに笑顔を見せながら、頷くだけに。
「挨拶か。まぁ、僕はリビドー先生を見かけたので声を掛けた、それだけさ。」
笑顔を継続させながら、静歌に言葉を送る。
■四十万 静歌 > 「シイン先生独占欲高いんですね……」
などといいつつ、
「懐かしい雰囲気……というとどちらかでお会いした事が……って、
たいした名前ではないですよ、リビドーさん、ですね。
覚えました。それにしても、リビドーだなんて、
またかわったお名前なんですね。」
なんて、ちょっと小首を傾げて真っ直ぐとリビドーの目をみるだろう。
「って、リビドーさん先生だったんですか!?」
そして、シイン先生の先生呼びに驚く。
授業受けてない先生はさっぱりだーなんて、
少しがっくりして、
「す、すみません、リビドー先生」
と頭を下げるのである
■リビドー > 「ははっ、キミの嫁さんは大変そうだな。
同時に、幸せかもしれないな。」
おどけてた調子で声を紡ぐ。
笑みに紛れた底知れぬ瞳が、見透かす様に――あくまでも比喩であるが、そのように眺めた。
「いや、キミとは多分無い筈さ。
……ああ、構わないよ。最近復職したばかりでね、分からないのも無理がないさ。
どうだい、学校は楽しいかい?」
■シイン > 「私に嫁なんて、夢のまた夢で軌跡でも起こらない限り出来ないですよ。
ま、出来たなら出来たで絶対に幸せにはしますが。」
もし、万に一つ、出来たとすれば、果たして私はどうするのだろうか。
先が読めなかった。自分のことで自分が分からなかった。
「独占欲は確かに高いが、覚えておかなくていいよ。
そんな知ってても得しない情報。」
静歌に静かに伝えた。
実際なんの役にも立たない情報だ。
■四十万 静歌 > 「あ、はい、じゃあ、気にしない方向で。
でも、シイン先生にもお嫁さんできそうな気はするんですけど。」
いつの日かわからないですけど、
幸せになりたい人は一杯いますものと微笑む。
「学校は楽しいですよ、
毎日楽しく通ってます。
ここにきてよかったと思うことも色々ありますし。
――何もない私でも、何かもってる気分になれますよ。」
と、ほんの少し寂しい印象をやわらかな微笑みから感じ取れるかもしれない。
■リビドー > 「いやはや、奇跡でも起きない限り無理と来たか。
運命は何だかんだ分からぬないのさ。静歌だってああ言っているじゃないか。
……ま、キミの嫁と成る人物が居るとすれば、そいつが羨ましいのは確かだぜ。」
横目で四十万を見やりつつ、運命は分からないものだと断言する。
ともあれシインから真摯さを受け取れば、かんらかんらと笑ってみせた。
「何もない、なぁ。ボクはそうとも思えないが、
キミは自分の事を何も持たない存在だと思うのかい。
それとも、腹芸かな? なぁシイン、キミはどう思うかい。」
■シイン > 「私がやってることを知れば、誰であれ離れるとは思いますが。
いや、世の中にはソレすら気に入ってしまう変人もいますからわかりませんがね。」
羨ましい、その言葉になんとも言えない顔をするのだ。
こう、恋愛や男女間の関係に結婚と、考えることが苦手ではある。
なんせ経験がゼロに等しいのだから。経験がなければ考えられない。
「ん、私に振りますか?まぁ、知り合って少々の期間ですが、これだけは言える。
人の事を想い。前へ前へと歩み、そして進められる。
それだけでも君は素敵な存在だと私は思うがね。」
リビドーから振られた話題に即座に迷わず応えた。
■四十万 静歌 > 「何ももたずとも、前には歩けるものですよ。」
とにっこり微笑んで、
ああ、でも、と右手の人さし指を顎にあてて――
パチンと右手の指を鳴らす。
それと同時に2人に向かって缶コーヒーが手元目掛けて飛ぶだろう。
なんてことはない。
右手の動作に気を取られた隙をついて缶コーヒーを左手でなげただけだ。
「缶コーヒーくらいなら出せますよ、
なんて。」
えへへと笑って。
「まぁ、ささやかな手品であれば出来ますけどね。」
そして、ウィンク。
■リビドー >
「自覚がある程の事をしているのか。まあいい、それよりも彼女だ。
それが本当なら実に素晴らしい存在だ。それに――」
四十万の右手に視線を向けてミスディレクションに引っかかるものの、
飛来した缶コーヒーそのものは確かにキャッチする。
「ははっ、それで『何も持ってない』と云うのかい。
気に入ったぜ。キミは一体何を持てば『何も持っていない』から脱却出来るのか、気になって仕方ないよ。」
■シイン > 「…その話はまた何時の日か。」
そんな機会が来ることが訪れないように。
そして同時に来ることが訪れるように。
飛ばされた缶珈琲を見事にキャッチする。
珈琲好きなのは知ってるはずだ。それを考慮して選んだのか。
真実は何処だが、感謝をしつつ。
「静歌は『何も持ってない』と言うが、ははっ、悪い冗談で、相も変わらず頑固なことだ。」
■四十万 静歌 > 「まぁ、シイン先生のことですから、
その日は割りと近そうな気もしますけど。」
なんて、と笑いながら、
「ええ、それでも何ももってないと言い張りますよ。
私はまだ夢も特にないですし。
手品以外に誇れる事はないのに、
その手品もまだ、自分のものになったとはいえませんから」
と静かに微笑む
■リビドー > 「そうしよう。」
コーヒーを飲んで、瞑目。ほっと、一息付いてみせる。
……静かに微笑みながらもへりくだる四十万の顔を見て、意地悪な笑みを向けた。
「ならば、手品はキミに取って『取るに足らない』ものなのかい。
自分のものになっていなくても、誇れるんだろう? 意地悪な事を云うが、持ってあげない、かい。
それとも、物質的・技能的ではなく、精神的なものなのかな。キミに取っての持つ持たないは。」
■シイン > 「さっきからだが私に対して、謎の信頼感はなんだ…?
そんなに私に出来ると思うのか。」
昨日から不可思議なことが多い、多過ぎるとも言える。
僅かだが首を傾げてしまう。あまりに理解できずに。
当初の目的を忘れてしまうぐらいだ。
リビドーと同じ様に、珈琲に口を付け、流し目で彼の表情を見る。
昨日に私に見せてたのと同じだ。
なるほど、と。一人で言葉に出さず納得する。
もう彼の独壇場か、会話の流れを創るのが上手いと言うべきか。
余計に関与せず黙ったほうがいい、黙ったまま二人を観察することにした。
■四十万 静歌 > 「え、だってシイン先生は立派な先生じゃないですか?」
と、不思議そうにシインの目を見て首をかしげる。
なんか変でしたか?とでもいいたげだ。
「そうですね。
ちょっと違いますね。
誇れるものです。
ですが、それを私はもっていない。
精神的なもの、ですね。
私が手品をもっているというには……
あまりにも欠けているピースが大きすぎます。」
なんて、いって人さし指をたててクスリと笑い、
そのまま人さし指と口元へ。
「――その欠けたピースは内緒です。」
と口元に人さし指をあてたまま笑うだろう。
■リビドー >
「それはキミが"優れた人間"だからさ。シイン。
言っておくが、善と悪の話ではないぜ。」
小首を傾げた瞬間を見逃さず、言葉を差し込んだ。
くつくつ、と、抑えきれぬ様に嗤う。
「――そうかい。精神的なもので、ピースが足りないと来たか。
なるほど。欠けたピースが何かは知らないが、理想があるのだな。キミの持つ『手品』はピースが欠けていて理想には届かない。
通説的に"手品"と呼ばれる技能をキミは持つが、キミが理想とする『手品』の技能をキミは持っていない。
知らない・足りない事を自覚しているから、誇れない。……と、"ボク好み"に解釈・推測してみたが、どうだい?」
■シイン > やら立派など、やら優れた"人間"など。
あぁ、首を振って否定したい。私はそんな褒められた立場ではないのだ。
自分のペースが崩されているのがハッキリと分かるのだ。
良い気分ではないと同時に、悪くはない気分。
それもそうだ、褒められて嫌な気持ちを抱くモノなど存在しない。
「……幻想ですよ、そんなの。」
やっとのこと振り絞った言葉がソレだった。
否、ソレしか言葉として出せなかった。否定の言葉しか選択がなかった。
リビドーの推測に解釈が続く中で、次の言葉を待つしかなかった。
■四十万 静歌 > 「そうですね。まだまだ色々知らない所もあるでしょうし、
でも、少なくとも今のところは立派、
それでいいのではないでしょうか?」
なんて、シインを真っ直ぐ見て微笑んで小首を傾ける。
それで、と人さし指を顎にあて、リビドーを見て――
「ええ、大体その通りでいいと思いますよ。
知らない、足りないからどうしても完成しないパズル。
その知らない、足りないが満ちたなら、
胸をはっていいましょう。
私は――持っていると。」
どことなく芝居がかった口調で、そっと両手を広げ
まるでスカートの裾を掴むように、
マントの裾をもって一礼するだろう。