2016/06/05 のログ
■寄月 秋輝 >
あ、まずい。
そう感じた。
高速で思考を回す。
回避は容易だが、おそらくこのままどくと彼女はあの速度で地面に激突するだろう。
冷静でない状態で、さっきのように綺麗に着地出来るとは思えない。
仕方がない、と。あえて少女の方へ飛び。
わずか真剣な顔をして、少女を抱きとめる。
(……すみません……)
心の中で謝りながら、その速度を全力で落とさせる。
音速を容易に超える加速を可能とする魔力飛行術。
それで地面へのベクトルを殺しながら、少し上へむけて。
速度が落ちるころには、空中で静止出来るように。
■八雲咲雪 > どけ、と言ったはずだ。
それなのに男性は避ける事もせず、咲雪を抱きとめた。
(まずいまずいまずい!)
このままでは男性と一緒に地面にぶつかる。
しかも、男性をクッションにして自分は大怪我を回避するだろう。
慌てた思考のなか、必死に脚部の魔道具に魔力を回し、逆噴射させようとして――。
「……あれ……」
いつのまにか、スピードは落ちており、地面へ激突することはなくなっていた。
ポカン、とした顔で地面を見ている。
ご案内:「常世公園」にリビドーさんが現れました。
■リビドー > 「……ん。」
強風が風を切る感覚を覚えれば、
一連のハプニングに視線を向ける。
片方は見覚えのある顔だ。
彼が難なく受け止めたことを確認すれば、ゆっくりと彼らに向かって歩き出す。
■寄月 秋輝 >
「……大丈夫ですね」
抱きとめたまま、小さく息を吐いた。
なんとか事故は避けた。
ゆっくり地面に降りて、少女を下ろす。
「……ちょっとまだ未熟ですね。
単独飛行は許可されていますか?」
リビドー先生には気付かず、疲れた様子で尋ねた。
■八雲咲雪 > 「あ……ありがとう、ございます……」
助けてもらった、ことになるのだろうか。
すとん、と地面に降ろされる咲雪。
いまだにポカンとした顔で答えるが、男性の質問にはコクリとうなづく。
「一応、認可されてます。
【エアースイム】っていう競技者なので。
証明カードはバッグの中にありま……あ」
近づいてくる人影に視線をやり、気付く。
たしか、教師の一人だったよな、と思いながら。
■リビドー > 「いや、いいものを見れた。
決して茶化している訳ではないが……と、こんにちは。
聞くまでもないが、教師として聞いておこうか。
大丈夫かい、キミたち。」
小さく拍手しつつ声を掛けて近寄る。
口元は軽く上げて笑みを浮かべれば、二人の目と確かな視線を向けた。
「寄月君の実戦的な立ち回りは中々見れないからな。僥倖だよ。
……と、そちらの女の子のそれは……ええと、何だったか。
最近話に聞いたような気がするが……」
■寄月 秋輝 >
リビドー先生の声を聞いて、目の前が真っ暗になる感覚がした。
頭を抱えてダウンしたくなった秋輝君である。
何故よりによってこの人に見つかってしまうのか。
思わずふらつきそうになるのをぐっとこらえた。
「はぁ……一応ですが、空中に居る間は危険なことを起こさせない自信があります」
一応褒められたことには素直に感謝……感謝?しつつ答えて。
改めて少女の方に振り向く。
「それなら公園ではなく、演習場で相応の設定をしてやりましょう。
地面に足を取られたら骨折じゃ済みませんからね。
もしくは、僕のように飛行術に長けた誰かを監督につけましょう。
とはいえ、急に目の前に降りたのは僕の失策です。申し訳ありません」
叱咤するような語調は全く無く、諭すようにアドバイスを与える。
最後にちゃんと自分のミスも謝罪しつつ。
■八雲咲雪 > 「は、はい。大丈夫です」
ぺこり、と頭を下げる。
まさかこの時間に――午前四時をこえ五時に近いが――人に会うとは思っていなかった。
「八雲です。八雲咲雪、二年。
話に聞いたことがあるなら、たぶん【エアースイム】に関連する事で聞いたんではないか、と」
咲雪は学校生活でそれほどウワサになるようなことはしてない、はずだ。
聞いた事があるとすれば、それなりに実力のある、競技のほうでだろう。>リビドーさん
「……すみません。
まだ時間が時間ですし、外の空気のなか飛ぶのが好きだったので……」
演習場でやったほうが危険はないだろう。
だけれど、外の空気の中。
澄んだ空気の中を飛ぶのは何事にも変え難い、心地よさがあって。
「心配してくださって、ありがとうございます。
次は、もうちょっと技術を高めてから地面でやることにします」
ボタンを押せばカシャ、とサイバーグラスが折りたたまれる。
青い目を、男性に向ける>寄月さん
■リビドー > 「そんな顔をしないでおくれ。
これでもボクはキミの事を大分評価しているんだよ。」
分かりやすい面倒そうな表情は逃さない。
わざとらしく困ってみせてから、口をとがらせてそう告げる。
そうしてから、八雲に視線を移す。
「ああ、それだそれだ。
最近何かと話題になっている【エアースイム】の新鋭だったかな。
今のはちょっと危なっかしかったが、まぁ、不意に関してはしょうがないかもしれないよ。
競技ってのはサプライズ色は薄いものだからな……」
■寄月 秋輝 >
「……それはありがたいのですが……
何せ弄られたら勝てる気がしませんので……」
正直である。
口で、というか余裕の面で勝てないと思ってるらしい。
「……………………」
少女が名乗った名に、一瞬だけぽかんと口を開けた。
一瞬だ。
おそらくリビドーにしか見えないような一瞬。
その一瞬だけですぐに口を閉じた。
「あぁ、いえ、外で飛んでも構いませんよ。僕も上空を飛んでいることがありますからね。
せめて誰かの監督下でないと、怪我をしたときに危ないですよ、というだけで。
墜落して両足を骨折した上で半日発見されなかったことあるので、本当に気を付けてください」
ついでに体験談も交えての忠告。
■八雲咲雪 > 「新鋭……は、いいすぎですけど……。
ちょっとさっきのは、自分でも危なかったと思います」
一般人が巻き込まれることなど普通想定していない。
いや、こんな公園で練習をしている以上それは想定しておかなければいけないのかもしれないが。
ちょっと申し訳なさそうに、先生に怒られているようにしょげる。>リビドーさん
「うっ、それは……」
嫌そうな顔をして寄月をみる。
両足骨折で半日発見されなかったら、多分咲雪は泣き出すかもしれない。
というか、絶対に。
「……発見、されなかったんですか?」
と、寄月にきく。>寄月さん
■リビドー >
「キミの場合は"勝てない"じゃなくて"勝たない"だろ。
弄り遊びとなれば尚更だ。あんまり謙虚にしているとしまいにはエルピスみたいに弄るが。」
そう言いきった後、二人のやり取りを見る。
一瞬寄月の口が大きく開いた。僅かな動揺と即座のリカバリは見過ごさず、視線を注いで観察する。
(ふむ。あっちの少女は知らない顔をしているが――ふむ?)
「……ま、それは競技とは別に必要なものだな。
今後から意識すれば構わないだろう。それを鍛錬の邪魔だと投げ捨てるような狂人ではあるまい。
で、キミの出る試合は何時どうやったら見れるかな。」
■寄月 秋輝 >
「素直に先生には勝てませんよ。
……それは性別的な意味ですか……だとしたら死んでも勘弁願います……」
本気の言葉が漏れた。二つとも。
このままいくとまた負けそうだ、と感じた。
「はい、ありましたね。
移動したら発見が遅れる可能性があったので、動かずにいたら結局半日……
そんなことがあるので、ね?
僕も飛行術には自信がありますから、外で飛ぶ場合は呼んでくれて構いませんから」
こういう痛い体験談さえ交えれば大人しく聞いてくれるだろう、みたいな打算も一応はあった。
■八雲咲雪 > ん、と内心で首を傾げる。
なんだか、教師が変なものを見たかのような目をしたきがするが、良く分からなかった。
「あ、今度の試合は夏なので、もう数ヶ月後です。
【エアースイム】の専門チャンネルがあるので、そこで見るか、実際に見に来てもらうかしかないですけど……」
話題とはいえ、まだまだマイナーだ。
全国的なニュースでも番組でも、中継は行なわれず、ネット配信が精々だろう。>リビドーさん
「……」
わりとドン引きだった。
今まで大きな怪我をしたことがなかっただけに、ちょっとショックだったのだろう。
「そう、ですね。
慣れているからといって慢心すれば怪我につながりますし。
その際は、お願いします」
ぺこ、と頭を下げる。
まんまとひっかかる咲雪だった。>寄月さん。
■リビドー >
「特別に男の証は残してやろう。
今はあそこまでしなくとも安定するからな……と、この話は置いておくか。」
凄くげんなりしている寄月の姿を把握すれば、
そう言って話を打ち切る。
「む、それは残念だな。
ネットでも軽く見ておくとして……そうだな。都合が付けられれば観に行くとしよう。
……キミのものじゃなくてもかまわないから、これは見ておく名試合みたいなものはあるかな。
有るのならばそれから見よう。」
思案の後、おススメの名試合を聞くことにする。
折角過去の試合を見るのならば、一番良いものを観たいものだ。そう考える。
■寄月 秋輝 >
「死んでも逃げ切ってみせます」
断言。力がある言葉だった。
多分捕まってもなんとか逃げおおせるだろう。
「はい、用があればいつでもどうぞ。
連絡先も教えておきますから」
と、ぱたぱた端末を弄って自分のアドレスを用意しておく。
「……ところで、そのエアースイム、というのは……
競技、なんですよね?
今みたいに空を飛ぶものですか?」
実に流行に疎い男であった。
だが空を飛ぶと聞いては少し興味が出たか、二人に尋ねてみる。
■八雲咲雪 > 「名勝負、ですか」
ぴこん、とうさ耳でもあれば立っていただろうぐらいに反応する。
「それでしたら、当代最高と呼ばれるスカイスイマー同士の動画があるので、そちらを見ていただければ。
ネットで【エアースイム 決勝戦】で調べればヒットするはずですので」
青い目がらんらんと輝きながら答える。
それほど凄い動画なのだろう。>リビドーさん
「はい、競技です。
種目がいくつかあるので出場するのにもよりますが、基本的には先ほどみたいに空を飛ぶものですね。
魔道具の【S-Wing(スウィング)】というのをつけて飛ぶんです」
背中のロボットがつけてそうな羽を見せながら答える。
咲雪が魔力を送り込めば、スウィングは反応し、魔力を吐き出しはじめる。>寄月さん
■リビドー >
「その意気だぜ。
普段から勝てないと言っているキミには丁度良い発破だっかな?」
くくっと笑ってみせる。
「ああ、とは言えボクもニュース程度でしか知らなくね。
……当代最高と呼ばれるスカイスイマー同士の戦い。ふむ、それは実に見ごたえがありそうだ。
後で検索させて貰うとしよう。キミの瞳があれはすごいと物語っているからな。」
■寄月 秋輝 >
「……もともと、負けるつもりで負けてるわけじゃありませんから……」
頭痛を抑えるように頭を抱える。
悩みの種でもあるのだから。
「……なるほど……
こんな面白そうな競技があったとは……」
少女の翼を見つめ、同時にリビドーの顔を見て呟く。
とはいえ自分の参加出来ない競技であるわけで。
■八雲咲雪 > 「ええ、それはもう。
速度、技、タイミング。
どれをとっても最高としかいえない戦いなんです。
あの二人が打撃を打ち合う際なんか、会場すべてが震えるほどでした……」
おそらく、実際に見たのだろう。
具体的に、どこがすごかった、なにが凄かったと、声は興奮しつつ教える。
「まだ新興の競技ですから、知らなくて当然だとは思います。
魔道具も決して安くはないですから、参加は大変ですし……」
もし参加しても、慣れるまでに何ヶ月、遅ければ年単位かもしれない。
そんな競技、なかなか知名度は上がらないだろう。
「あなたみたいに自力で飛べる人であれば、もっと興味はでないでしょうし……」>寄月さん
■リビドー >
「さもありなん。
それに勝てないとは普段から言っているが、過去を引……
いや、可愛い女の子で言う話でもないな。すまなかった。」
首を振ってから頭を下げた。
気を取り直し、八雲を見る。
「ああ、実に面白そうだ。
まずは見てみるつもりだが、聞いていると勇み足で体験してみたいものだよ。」
会話中、寄月の視線に気づく。
そう言えば、彼は機械があまり得意でなかったような。
そんな事はなかったかもしれないが、記憶を手繰ればその様に至った。
■寄月 秋輝 >
「助かります……」
はぁ、とため息。
なんとか解放されたか。
「……そうですね、資金はもちろんネックですが……
そういう魔道具や機械の扱いにはとことん弱いので……
多分数年かけても、それを扱っては飛べないでしょうね。
とはいえ」
空を軽く見上げる。
高い青空、登り始めた太陽、その果てに見える星々。
それは何よりも、この心を安らげる。
「……そうして、競技で空を知る人が居るのは、素晴らしいことだと思います。
一度見てみたいですね」
■八雲咲雪 > 「え、と……」
二人が何の話をしているか、良く分からず首を傾げてしまうが。
「体験するなら、スウィングが売ってるお店にいけば出来るとは思います。
靴がないと飛べないので、自分の靴のサイズを探してもらわないとできなくて……。
私の靴は既に専用にチューニングしてるので、危険ですし……」
スカイスイマーに必要なものは、とりあえず靴だ。
靴があれば飛べるが、逆を言えば、靴以外の装備をつけても飛ぶことは出来ない。
靴があって初めて飛ぶ動作が出来るのだ>リビドーさん
咲雪も、飛ぶまでは空に対し、憧れだけを抱いていた。
しかし今は
「エアースイムをやってる人は、多分みんな空が好きだと思います。
空って、凄く気持ちよいですよね」
ちょっとだけ笑顔を見せる>寄月さん
■リビドー >
「成程、まずはそこで見繕うだけ見繕ってみるとしよう。
技術だけでも気になるものだし、今は独身だからな。
お金の使いどころも持て余し気味だ……と。」
そこまで言い切れば、止めていた足を改めて動かす。
この場を立ち去るつもりなのだろう。
「さて、ボクはそろそろ行くよ。
講義の準備をしないといけないからな。と言う訳で二人とも、また会おう。」
ご案内:「常世公園」からリビドーさんが去りました。
■寄月 秋輝 >
「お疲れさまです、先生」
手を振り、リビドーを見送った。
なんだかんだで頼れる相手であるとは思っているのだ。
主に勝てないという面で。
「……えぇ、僕も空が好きです。
雲を見下ろして、何もない青空を見ていると……本当に、心まで真っ青になるようで」
ふ、と小さく笑みを浮かべた。
空の話をするのは、どれくらいぶりだろうか。
「……と、失礼しました。
僕も一度帰って支度をしてから講義に出るので、これにて。
ではまた……えぇと、咲雪さん」
微笑みながら別れを告げ、そこを立ち去る。
その笑顔が珍しいものであったとは少女は知るすべもないだろう。
■八雲咲雪 > あ、大人はいいなぁ、なんて目をしながら
「はい、いろんな企業さんが出しているので、店員さんに聞きながら買ってみてください」
去る教師にぺこりと頭を下げる。
「あ、はい。
今日はありがとうございました。
また、そのうちにお願いします」
もし、頼めたら監督を頼もう。
一応そうおもいつつ、去る男性に頭を下げる。
ご案内:「常世公園」から寄月 秋輝さんが去りました。
■八雲咲雪 > 「……そういえば」
あの二人の名前が分からない。
一報は教師で、一報は生徒。
それはわかるものの。
何の教師か。何年生か。
「……いっか」
きっと、縁があればまた会うだろう。
その時に聞くしかない。
現在の時間、午前五時過ぎ。
そろそろシャワーを浴びて汗を流し、学校へ行く準備をしないといけない。
「……でも、あとちょっとだけ」
危険な技はしないようにしつつ、初歩、中級の技を中心にやっていくことにした。
ふわ、と咲雪が再び空を舞い始めた。
ご案内:「常世公園」から八雲咲雪さんが去りました。
ご案内:「常世公園」に高峰 司さんが現れました。
■高峰 司 > 「あ”ー……」
公園のベンチに腰掛け、ぐでーっとして報告を待つ。
ともすれば寝そうになるが、一応自分が使いに出したのだから、自分が起きてないと締まらない。と言うことで待っていると……
『カァ、カァ』
「やーっと来たか……」
空中から降りてくる二羽のワタリガラス。
北欧の主神、オーディンの遣い。思考と記憶を司るフギンとムニンである。
何かしら、使えそうな召喚獣候補がいないか、探しに出していたのだ。
ご案内:「常世公園」に蕎麦屋さんが現れました。
■蕎麦屋 > 暫くして――
えっちらおっちら屋台を肩に担いだ女がやってくる。
大柄な異国風の風貌に、時代錯誤の担ぎ屋台、蕎麦屋風の着物――といやでも目立つ。
「こっちに来たと思ったんですけどね。――はて。」
飛ぶ物を地上から追いかけるのは中々難儀で、見失うこと数度。
でもあれは間違いなく――
「うちの主神のペットですよねぇ、アレ。」
そんなものが何で居るのか。気にならないわけがない。
ぐるり、と公園に入れば周囲を見回し、目当てを探し始める。