2015/07/02 のログ
狛江 蒼狗 > 「………………いかん」
寝不足が頭脳の大切な部分の駆動を妨げている。
ストローを外して、溶けかかった角氷ごと珈琲を飲み干す。延髄に響くつんとした痛みが目を醒ましてくれた。
(大丈夫だ……。後半は得意の文系科目や実技が集中しているし、最大の苦境も今日越えた……)
冷静な思考能力を取り戻してみれば、そこまで悲観する必要などないことに気がつく。
「…………何だ」
蒼狗の顔に血色が戻ってきた。喉が狭まったような細い呼吸も落ち着いてくる。

狛江 蒼狗 > 蒼狗は電子ペーパーを指で辿る。
タイピングでもするように、とん、とんと叩く。
「………………」
瞳は冷徹に一つ一つの単元を辿っている。
息を呑み、呟いた。
「テスト期間中、何時間眠れる……?」

狛江 蒼狗 > 窮地に追い込まれた狛江蒼狗にとって、睡眠はどこまで必要最低限まで切り詰められるかという時間的リソースであった。
当初は、常世学園電氣軌道に乗車している15分間で用足りるという見立てすらしていた程である。
しかし、若干余裕があるとみて蒼狗に欲が出た。
即ち要素は逆転して。
(どれだけ勉強を必要最低限まで切り詰めて睡眠時間を捻出するか……?)
と、このような計算を始めたのである。

狛江 蒼狗 > 追加注文のホットケーキ(シロップなし、バターつき)とアイスコーヒーを前にしながら、電子メモパッドへタブペンを走らせる。
(睡眠を十分にとっておいたほうが、試験に臨むコンディションも良くなるだろう)
そんな打算を元に弾き出される睡眠時間。
一日三時間と、合間に仮眠三十分を二回。
「………………」
無表情で無感動な様子だがかなりご満悦である。
ホットケーキをナイフで90度の大振りに切り分けて一口で食し、アイスコーヒーで流し込む。
予定の1.5倍程眠れる公算であり、それは蒼狗の精神に更なる余裕を産んだ。

ご案内:「カフェテラス「橘」」に夕霧さんが現れました。
狛江 蒼狗 > 蒼狗はホットケーキに舌鼓を打ち、他にもぜんざいだの、脳に不足した糖分を文化的な形で補っていく。
テスト期間は未だ始まったばかりだというのに、余裕の態度で午後を楽しんでいる。
だが、蒼狗には誤算が二つある。
この昼休憩は二十分の予定で進められていること。
そして、既に一時間四十分経過しているということ。
以上である。

夕霧 > 余り来ないカフェへ足を運ぶ。
と、言うのも気が向いたのでたまには甘いものでも、と思ったからだ。
試験真っ最中であり、何処も人が多いがそういう気分である。
片手にギプスなどしているので微妙に人の目がつくがまあそこは気にしていない。
問題は席が無い事で―――。
そこでふとテラス席に一人知り合いを見つける。
片手でトレイを持ち、ゆっくりと近づいていき。
「相席よろしいです?」
と狗江に声をかけた。

狛江 蒼狗 > 「………………」
右腕につけた腕時計型端末を見て、首を傾げる。アナログ型表示のそれは予想よりも時針を大きく進ませていて。
スマートフォンのほうの時計で確認してみたり、タブレットのほうで確認してみたり、それでも間違いはなく。
一瞬、思考が膠着した。
「! ……どうぞ」
上の空の状態で話し掛けられ、咄嗟に誰かも確認せずそう返す。
相手がトレイを置いて腰掛けてから、それが誰だか気がついた。
その艶やかな黒髪を昼の屋外で見るのは初めてだ。
「夕霧か。……こんなところで会うのは、珍しい」
ふと、目を遣るとギプスが目に入る。
事故でも起こしたか、鍛錬のやり過ぎか、それとも模擬戦でヘタをやったか。

夕霧 > 「うちは余り来ませんから」
小さめのパフェが乗ったトレイを置いた後、スプーンを右手に持つ。
が、食べずにさくさくと下の方にあるフレークを砕く。
何となく昔からフレークは砕いて食べる方が好きなのであった。
ギプスに目がいってるので。
「模擬戦で少しヤンチャしましてなぁ」
お恥ずかしい話です―――、と苦笑する。
「幸い利き手は右でしたので、試験にそれほど影響は無くてよかったわぁ」
そうつづけた後、そこそこフレークを砕ききったので、そこで初めてパフェを一口頬張った。

狛江 蒼狗 > 「俺はよく来る」
例えば、“特雑”として事務部からステーショナリーの買い出しを申し付けられた時などに、珈琲を一杯引っ掛けに来たり。
尤も蒼狗はそれを口には出さないが。相手は仮にも公安事務部へよく顔を出している人間であるからして。
ぜんざいを匙で掬い飲み。追って珈琲を一口含む。ミスマッチに見えて、案外、いけそうでいけない。
「……血の気の多い事だ」
呆れたような声色で、笑いながら。
テスト期間も目前に迫った状態で模擬戦に興じたのか、と。
「実技には響かないか」
幾ら、片手で大剣を振り回せる豪傑とて、もう片手が塞がっていて都合が良い訳もなく。
少々心配になる。
実際のところ、蒼狗は自分の心配を再優先すべき状況なのだが。
無意識の現実逃避からか、そのことは考えない。

夕霧 > 「実技……?」
はた、と少しだけ、本当に少しだけ顔がひくついた。

これは【考えて無かった】という顔である。
こほん、と咳払いを一つ。
「まあ、なるようになりはります」
意外と出たところ勝負であった。

クリームを一口。
甘い味が口いっぱいに広がる。
普段食べないだけにたまに食べるこういうものは非常に美味しく感じる。
筆記試験と言う非常に頭を使っている分、糖分の補給は欠かせない。
流石にこの時ばかりは夕霧もそういった甘味の摂取を怠らない。

ふと、そこで。
「うちはまあそんなんですけど」
尚、彼女もランクとしては所謂優等生であり、筆記に関しては全く問題としていない。
「狗江はんの方はどないです?」
恐らく禁句であろうかと思われる話題であるが。
今この時期となっては当然の話題であった。
しかも振られたのだから振りかえすという世の常である。

狛江 蒼狗 > 「実技だ」
疑問符のついた返答には、すぐ様肯定を添える。
蒼狗の印象では夕霧は強かな女性である。
従って、アクシデントに対応する手だては幾らか用立てているのだろうと。
然し、そんなふうにざっくりしたのが返ってきたので、無表情に眉根を寄せた。
「…………どこかで治癒系の【異能】を持つ者でも見つけてくるといい」
気休め程度のアドバイスしか、蒼狗には返せなかった。

……さて。
夕霧の、所謂ところのキャッチボールの返球が飛んできて。
「」
寡黙な気質の狛江蒼狗は、絶句した。
沈黙すらも存在しないまことの絶句である。
もちろん外面上はただ単に押し黙っているようにしか見えない。
「」
蒼狗は沈黙を有耶無耶にするためグラスを傾ける。
既にグラスに珈琲は残っておらず、穴あき角氷がからから音を立てるのみ。
そして無表情で、抑揚のない声で。
「いけてる」
言葉の意味もよくわからないし、発した意図もよくわからない、なんだか空っぽなポジティブさを持つ台詞が飛び出してきた。
今日のテスト自体は安全圏に片脚を無理やり踏み込ませた粘り勝ちと言った調子であるが。
ここから先は……。

夕霧 > 「まあ、事情を説明して実技だけ待ってもらえればそれでええんですけど」
ダメだと言われれば、片手で何とかするか、と言わんばかりのニュアンスであった。
「そういう手もありましたね」
なるほど、と相槌を打つ。
治療系の異能を持つもの、という結論に至らなかったのはまず夕霧自体がそれほど異能に関して重きを置いていなかった事と、知り合いにそう言った治療系異能を持つものがいなかったのだった。

押し黙った狗江を覗き込む。
知り合ってそれほどではないが、パッと見では寡黙である、と夕霧は判断していた。
ので何か少し考えているのだろう、そう結論付け、パフェをまた一つと口へ運ぶ。
そして。
「……いけてはりますか」
その返答を聞くが早いか、軽く目をパフェへと落としながら相槌を打つ。
突然の押し黙り。
妙に長く感じる沈黙時間。
そしてこの返答。
大よそは察するが、言わぬが華、というヤツだ。

狛江 蒼狗 > 「いけてはる」
その発音のアクセントは『タージマハル』を言う際と同様であった。無意味に復唱したので滑稽な事になっている。
覗きこまれても鉄面皮で、グラスを傾けて氷を一粒口に含み噛み砕いている。
こんな見栄張りは無意味だと自分でも感づいているし、そもそも虚栄は簡単に見抜かれる事もわかっている。
けれどもやらずにはいられない。

「……まぁ、そう」
寡黙な彼も沈黙に耐えかねた。
気遣いから生じる無言の時間が蒼狗の良心を蝕んだのだ。
無意味にぜんざいの小豆の粒を一粒ずつ食べながら、真面目ったらしく表情を作る。
「まだ始まったばかりだし、結果云々よりまずは頑張っていかねばなと」
言葉を続けるたびに視線が伏し目がちになり、蒼白の瞳は細められる。
「そんなふうに意気込んでいるような、状態だ」
まぁ、要するに。
頑張って足掻くと。
そういう意味だ。

夕霧 > 「なるほど」
少しの後、そう、返答する。
パフェを突きつつ、一つ彼女は失敗を犯す。
飲み物を何も買ってきていない。
甘味は嫌いではないがずっと食べていると口の中が甘ったるくなる。
それは苦手であった。
半分近く食べ終わったパフェを前にしてコトリ、とスプーンを置いた。
「ちなみに……過程が大事だと思うのは如何ほど?」
つまるところ。
結果と過程があり。
結果が出せそうにないものはどれだ、と非常に遠い言い回しで聞いているのであった。
直球で、ダメな教科は幾つあるの、と聞かないだけマシなのかもしれない。

狛江 蒼狗 > 夕霧は深底グラスの要塞にしばし休戦といったところ。
女子ともなると甘味を貯蔵する別腹にパフェの一つや二つ余裕で収まるものかと思ったが、夕霧はそうではないらしい。
ぜんざいを黙々と完食しつつ、色気も素っ気もない類のお話へ思考をシフトする。
「数学」
二文字で答えられたそれは、よりにもよって過程が幾ら正しかろうが結果で全てが否定される類の科目であった。
それ以外は今日の午前と午後に打ち砕いたので問題はなし。
数学は苦手科目という程でもなかったのだが、一年の休学でブランクができたものを未だ取り戻せずにいるのだ。
「………………やれるだけはやる」
そう言う蒼狗が握りしめるアナログな鉛筆の尻には、六角柱の一面一面に1~6の数字が書かれていた。

夕霧 > 正に出たとこ勝負。
手に持たれる伝説の神器を見て彼の言う【やれるだけはやる】の全てを理解する。

というかそれを見せられて理解できない学生は―――よっぽどのエリートだけだろう。
しかしそこでふと、一つだけ疑問が浮かび上がる。
その神器が使えるのは。
一応、問題は無いと思う。
あそこまでの決意を示しているのだ。
事前チェックはしているだろう。
故にそれでもだがしかし、なればこそ。
こう問うた。
          ・・・・・・
「狗江はん。その試験マークシート方式なんです?」

数学の、狗江が取っている教科に関しては夕霧は取っていない。
だが教師によって試験内容は大幅に変わるはず。
試験はマークシート方式がベターだ。
ベターなのだが。
その不安と疑問は拭えない。

狛江 蒼狗 > 何も、全てを偶然の神に頼る訳ではない。
理解できない試験問題を即座に打ち切り、適当な答えを出し、それで空いた時間を他の問題に使う。
そういう戦略がある。イメージトレーニングは完璧であった。

狛江蒼狗は夕霧の顔をじっと見ている、不思議そうに。
質問の意図を読み取れない、無表情だが蒼狗の顔面はそう語っていた。
しかしやがて、面白いように青褪める。
「抜かった……!!」
記述式だ。
そういえば、計算過程も得点の範疇内と授業のどこぞでぽつりと語っていたような。
流石に、1から6の範囲で記述式の問題を解く事はよほどの偶然か恣意的なものが加わらなければ不可能である。
戦略の一つの道は、戦う前から断たれていた。
「い、否。……やることは変わらん」
蒼狗は新品の鉛筆を数本取り出し、ボンナイフで刻み込んでいく。
xy,+-,∫√。
恐らく、無謀である。
確率計算の基礎知識があれば作っている最中に累乗で加速度的に組み合わせの数が増加していることに気づいて絶望するだろう。
だが蒼狗は絶望しない。
そこに一筋の光明があると見ている。

夕霧 > そして始まる余りの無謀さに止めるべきだと言う判断と。
そのひたむきともいえる行動。
それは漢気というモノに近いとすら感じ。
それを感じてしまえば、夕霧は止めるのすら躊躇われた。
幾つかの教科ならフォローも出来たが、彼の受ける教科は彼女もカバーしていない。
流石に習ってもいないものをフォローできるほど彼女も万能では無かった。
「……」
何かを勝手に悟り。
戦友を見守る顔でスプーンを再度手に持つ。
すっかり溶けかかりドロドロになったパフェを一口。

天文学的確率になるだろう。
だが確率となるならば人事は入り込まない。
天命に尽くすこととなろう。
    ・・
――だがゼロではない―――。

「―――見守らせて貰います」
慈愛に満ちた瞳で、そう告げた。

止めてやるべきである。

狛江 蒼狗 > 狛江蒼狗は小さく頷いた。
教科書類、ノートの持ち込みは不可能。頭の中にも一部の問題の解法しか存在していないとなれば。
他に持ち込める武器が必要だ。それも、カンニングに属さないような……。
これで、良いのだ。
外付けの乱数発生器。
細い細い藁のように頼りない確率が、正答への道を開いてくれる。
「……願わくば、出番のないことを祈る」
頼らずとも解ければ良いのだ。
だが、最初から全部解けるのならばこんな阿呆垂れな手段をとる必要もまるでなく。
遅からず、試験会場へ乾いた木片の転がる音が聞こえることになるのだろうが。

それはまた、明日の話。

ご案内:「カフェテラス「橘」」から夕霧さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」から狛江 蒼狗さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に四十万 静歌さんが現れました。
四十万 静歌 > 「よかった……午前中だけで本当によかった……」

真昼間からぐったりと椅子に座って、
テーブルに突っ伏している。
テーブルの上にはコーヒーと苺サンド。

思わず寝過ごして遅刻しそうになったりしたけど、
無事テストを終わって一息いれた所で、
こうして力つきた。というわけである。

四十万 静歌 > 「あう……」

暫くしてのそのそと起き上がり、
数学の参考書を開きながら、
公式の再確認。
ゆだった脳には、
甘いコーヒーと苺サンドで糖分補給である。

「最後の復習きちっとしとかないと。」

ため息とともに呟いた

四十万 静歌 > ――数分後、
おもいっきり頭を抱えた。

「ぐ、ぬっ……!」

問題が、解けない

四十万 静歌 > 「あ、あれ!?
 なんで……!?
 こ、ここはこうして
 こうして……あれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

焦れば焦るほど解けなくなっていく。
なお、落ち着けばわかる。
単純なケアレスミスであるのだが、
全く気づかない

四十万 静歌 > ダメだ……と眉間を抑えて天井を見上げる。
四十万 静歌 > 「あー、もう……!」

首をふって気を紛らわせたところで……

「あっ。
 ……」

ミスに気づいて真っ赤になってうつむいた

四十万 静歌 > ――そうして時間がすぎてゆくのである
ご案内:「カフェテラス「橘」」から四十万 静歌さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に綾瀬音音さんが現れました。
綾瀬音音 > あー……疲れたー……(本日のテスト終了後、訪れたカフェテラスでテーブルに突っ伏した。周りも似たような状況である。中には勉強をしている人もいるが、大体は自分と同じく本日分の戦いが終ったことに安堵を示している人間の方が多い)あ、すいませんベリータルトと紅茶……(と、お冷とおしぼりを持ってきた店員に声を掛けて、身体を起こした)
綾瀬音音 > (明日もテストはあるし、今日の自己採点も必要だが、今は兎に角息抜きしたい。
テスト二日目にして割りと疲労困憊、この先も戦いを続けられるのか、もうここで力尽きてしまいたい……そんな気分)

もうちょっと分けてテストしてくれればいいのに……
(こう教科毎にテスト時期がずれていればここまで一生懸命勉強しなくても済むし、心にも余裕が持てる。
そんな事を考えて頬杖をついて唇を尖らせた。
そうなった場合いつもテスト勉強に追われる可能性もあるのだが、現在は気づいていない)

(そんなことを呟く内に、ベリータルトと紅茶が運ばれてくる。
疲労には甘いモノと相場が決まっているのだ、早速フォークを持ってタルトを口にする。
甘酸っぱいベリー類と甘いカスタード、それにさっくりとしたタルト地が口福を運んでくれる)

綾瀬音音 > あ――テスト放り出して遠くに行きたい。
もーヤダー
(と、モグモグとベリータルトを食べつつ現実逃避。
本当に遠くに行くつもりは毛頭ないし、ヤダと言いつつもこの後はちゃんと勉強もする予定である。
なので特に悲壮感はない。
今日のテストの出来が悪くないのなら尚更だ。

これを乗り越えることができれば、後は取り敢えず安泰なのは解っているので、真面目に勉強はしたのである。
夏は遊びたい。遊ぶために夏はあるのだ。

なんとしても勝利を掴んで補習は回避しなくてはなるまい)

ご案内:「カフェテラス「橘」」に楓森焔さんが現れました。
楓森焔 > 「あー、つかれたー。腹減ったー。飯作る気おきねー」
 裸足をぺたぺたと言わせながら、入店してくる少女が一人。
赤い鉢巻を巻いた、白い道着に"俺"の一字を刻んだ格闘家。一年、楓森焔。
 ひとまず今日の戦いを終えたことによる安堵は強いが、それよりなにより、それほど頭のよろしくない彼女は、頭の使いすぎでお腹が減ったのであった。
 ウェイトレスに案内されて、音音の隣のテーブルにでも案内されるだろう。

綾瀬音音 > (夕飯の材料を買って、家に帰ったらまた勉強しないとなー……等と思いつつ、ベリータルトを突っつきつつ。
ふと隣に案内された少女に首を傾げた。

ぺたぺたという足音……あれ? 裸足?
確認すれば格闘家のような姿、なるほど、だから裸足か――いや、どうなのだろう。
兎に角疑問符を大量に浮かべながら、不躾に隣の席の彼女を見るのである)

楓森焔 > 「えーっと、何食おう……」
 メニューを眺める真剣な瞳。
まるで獲物を品定めするかのような、
あるいは赤点危機に陥りそうなテストに挑む際の学生のような眼差し。
 ひとしきり悩んでいると、ふと視線に気づいて。
「んお?」
 隣の席の少女と目があった。
「お、なんだ? どうかしたか?」
 と首を傾げて目に入ったのはベリータルトであった。
「おっ、それうまそう! すんませーん! えーっと……これ! これひとつー! あとミルク!」
 隣のテーブルの少女の食べかけベリータルトを指さしながら注文する。

綾瀬音音 > (ああ、あの瞳はアレだ、きょうちらっと横の机の男子を見た時に見たあの目だ。
赤点は免れないだろうが、決して諦めようとしない真剣な眼差し――。
お腹空いてるのかな、と思い至るにはそれ程時間はかからなかった)

あ、ええと。
その……裸足で痛くない? 怪我とかしない??
(と、どうかしたのか、と訊かれたので素直に正直に思ったことを首を傾げたままに口にする。年齢は自分と同じくらいだろうか、学年は違うのか見たことのない顔だ)

あ、うん、これかなり美味しいよ。
結構ボリュームあるし
(タルトは少女の手のひらより一回り大きい。
食べごたえ十分な品である)

楓森焔 > 「あー、最初は皮とかめくれて大変だったけど、今じゃこっちのほうが楽なぐらいだぜ」
 言いながら、ひょいと足を上げてみた。
上半身に比べて、下半身は引き締まったような印象を受けるだろう。
見えるかどうかは分からないが、足の裏の皮は厚くなっているはずだ。
 器用に足の指を、グーチョキパーと滑らかに動かして見せて、
「俺の流派は裸足が基本だからさ。
鍛えるときはいつも鉄下駄だけど、そうでないときはいつも裸足なんだ」
 なんて笑いながら相手の疑問に答えてみた。
「おー、いいねいいね。早くこねーかなー。頭使ったら腹減っちまってさあ」
 と歯を見せるような笑顔のまま腹をさすった。

綾瀬音音 > そうなの? 
ガラスの破片とか踏んだら大分痛そうだけど……
(言いかけたが、見えた足になるほど、と頷いた。
確かに足の皮は厚くなっていて、簡単にはもう皮が向けたり大きな怪我には繋がらなそうだ。
道着の隙間から見えた鍛えたような綺麗な脚を見ていいなぁ、と呟いた)

流派……って言うと格闘技か何かやってるのかな?
鉄下駄って凄いね、私だったらきっと歩けないよ
(まるで格闘漫画のような話に目をパチクリさせて。
一口紅茶を飲んだ)

あはははは、テストは結構頭も気力も使うよね。
甘いもので補給しないと
(ベリー類もカスタードもたっぷりと使われたタルトは、この時間に食べたなら夕飯に差し支えそうなほどだ。
屈託ない様子に笑みを浮かべて)

楓森焔 > 「応。流派・俺流! 開祖にして師範! 一年、楓森焔たぁ俺のこと、ってな!」
 ばっと体を動かそうとして、さすがに自重。
こんな場所で身体を動かしたら明らかに迷惑である。
 照れくさそうに頭を掻いて。
「異能者やら魔術師やら異邦人やら。
そういう相手と渡り合うには生半可なトレーニングじゃあなかなかおっつけないからな」
 全方位型必殺格闘術を謳う彼女にとって、そこは大問題だ。
ひとまず足をおろして足を揺らしながらタルトを待つ。
「あんま俺頭よくねえからさ。できることはやったけど、それでも一杯一杯だぜ」
 そういって体の力をゆるめて楽になる。あー、とかおー、とか気ままに声を出してベリータルトを待っていると、ようやく運ばれてきたようで。
「よっし! 待ってましたー!」
 元気になった。

綾瀬音音 > お、おおぅ……!!
(気合の入った名乗りに、思わず感動。
思わず拍手もしてしまう。
こう、少年漫画の主人公にいそうだなぁ、と思いつつ)

あ、私は二年の綾瀬音音だよ、よろしく
(と、拍手を止めて自己紹介を返し)

本当に色々いるよね。
強い人も沢山いるし、凄い人も沢山いるし。
(危険に立ち向かう、というよりは高みを目指す、と言うような雰囲気の彼女に感心したような表情を向けて。
なるほど、そう言う強さもあるのか)

まあ、出来る事やったんなら結果は自ずと出てくるよ。
基本的には授業でやったことしか出てこないんだし。
にしても本当にテスト早く終わらないかな-……
(授業を真面目に受けて、復習をしっかりとやれば、それなりの点数は取れる、と言うように。
然しながら明日以降のテストを考えれば少しうんざりとした。タルトを口に運び)

ん、召し上がれー
(と自分が作ったわけでも奢るわけでもないのに言うのである。
美味しいよ、と付け足して)

楓森焔 > 「へへ。音音だな、よろしく!」
 先輩であっても特に物怖じしないというか、気を使わない様子で。
あまり歳の差がどうだとか細かい所も気にしない主義だった。
 拍手には照れくさそうにもう一度頭を掻いて、それが終われば握手を求めてみた。
「あ、別に俺、あれだからな。進んで喧嘩ふっかけたりはしねえから」
 昨日、そんな勘違いを受けたんだよな。なんて今度は頬を掻く。
「そうだよなー。やっちまったー! って落ち込むことはあるけど、やるこたやったんだから、石の上にも三年……違う、まな板の上の……違う。えーっと……と、とにかくでーんと構えてりゃあいいわけだ!」
 咳払いしてベリータルトに向き合った。
「いよし、いただきます!」
 うまそー! と目を輝かせて食べ始めた。
およそ女子には見えないようながっつきぶりだが、実に楽しげに食事をとっている。
「ほうひや……んぐっ。そっちもおつかれムードって感じか」
 口の端にクリームをつけながら、首を傾げる。

綾瀬音音 > (うん、と頷いて。
此方からの場合は気にすることもあるが、相手からは別にそこまで拘る方ではない。
照れくさそうな様子に小さく笑うと、此方も手を差し出して握手。
軽く握ってから手を離して)

あ、うん、大丈夫。
無駄な暴力は嫌いそうだもんね
(と、ばさばさとした彼女に抱いたイメージを言いつつ、頷いた)

そうそう、テスト受ける前には戻れないしねー……。
ええと、なんだろう。果報は寝て待て?
(多分違う)

(確かに上品とは言いがたいが、美味しそうに食べる様子を見れば思わず笑みが浮かぶ。
食事は楽しく美味しく取るのが一番だ)
まあねー。テストはやっぱり疲れるよ。
点数自体はそこそこ行けそうだけど。
これがもうちょっと続くんだよね……
(口の端を指しつつついてるよ、と教えがながらうんざりと告げる。
テストも二日目、まだ折り返し地点にもなっていない)

楓森焔 > 「こー、なんかやばいことがあったらさ。
大事なもんがあったら守りたいじゃん?
そのための俺流だからさ」
 頭の悪い感じの説明だが、実際のところその瞳は真面目そのものであった。
笑顔を浮かべつつも、真剣にそれに取り組んでいる事がわかるだろう。
 目の前の彼女もまた、焔にとっては好ましいイメージなのか。
軽やかに話を続けていく。
「果報は寝て待て! じゃあ、それで」
 いいのか、という突っ込みをするものはどうやらこの場にはいないようである。
その格言になっとくして、
「俺はもう全然でさ。鍛錬の時間差っ引いて勉強に回してんだけど、ギリギリでさあ」
 授業態度自体は真面目なのだが。そこそこいけそう、という彼女に対して、今度はこちらが感心したような目つきだった。
「お? へへ、失敗失敗」
 指ですくってクリームを舐めると、改めてタルトを食べ始める。

綾瀬音音 > あぁ……それは解るなぁ。
大事なものは離したくないしね。
――守る、かぁ。
(彼女の言葉は単純かつ明快。
真面目に語る彼女に頷く。
きっと日々そのために頑張ってるんだろうな、と思わせるには十分すぎる眼差しだった。
守りたい、と己も思うものは確かにあるので、少し眩しそうに彼女を見つめ)

うん、じゃあこれで行こう
(取り敢えず、果報は寝て待て、で決定した)

あははは……。まあそういうこともあるよ。
解らないところは授業終った後にでも先生捕まえて聞いたりとかするといいよ、結構教えてくれるから。
後成績いい人のノートは参考になるかなぁ、やっぱりノートの取り方からして違うんだよね……
(と、アドバイスのような違うようなことを言いながら。
感心の目に、照れ隠しにタルトを食べ終わらせて、紅茶を一口飲んだ)

もー、女の子なんだから気をつけないとダメだよー?
(と笑いながら)

楓森焔 > 「なんだったらお前もやってみるか? 俺流」
 意味ありげな視線で見つめられると、周囲に迷惑に鳴らない程度に拳をびっと突き出す。
「強くなれるぜ。異能とか魔術とかと組み合わせればすげーことになるかも」
 俺はどっちも駄目なんだけど、とか笑いながら、
「それに学校に遅刻しそうになったときにも役に立つぜ」
 なんてオチをつけた。
「そうだなー、うん。できることはいくらでもあるはずだもんなあ」
 相手のアドバイスは真摯に受け止めて、うんうんと頷いた。
先生に、ノート。よーく覚えておこうと胸を叩いてから。
「あんま気にしたことねえんだよなあ」
 ちょうど拭きとった辺りをぽりぽりと掻いて、笑う。
 確かに化粧っ気もないし髪の手入れをしている様子もない。
その口調・服装に違わぬ雑さであった。

綾瀬音音 > ぅ、凄く凄く気になるけど格闘技教えて貰う約束はしてるんだ。
ううん……。
(うぐぐぐぐ、と悩みつつ。突き出された拳を見つめて。
流石に両方、というのは虫がよすぎるし失礼だ)
ああ、魔拳? とか言うんだっけ。
そうなんだ……
(最近聞きかじった知識を言いつつ。
然しながら異能や魔術を使えない、と聞けば少し眉を下げてから、それでもそれらに引けを取るまいとしている様子を先ほど感じたので、すぐに頭を振った)
――ぶっ、いや、それは確かにありがたいかもしれない……ッ!
(落ちには思わず吹き出して。遅刻はしたくない、誰だって)

そうだよ、勉強は結構慣れと繰り返しだからね
(質問すること、しっかりと予習復習すること、ノートは丁寧に書く。
自分の心がけてることはこのくらいだ)

うーん、お化粧とか洋服に気を使ったら可愛いと思うんだけどなぁ……
(と、彼女をじーっと見つめてから心底勿体なさそうに言った。
それから伝票を持って立ち上がり)
じゃあ、私はそろそろ行くよ。そろそろタイムセールも始まるし

楓森焔 > 「おや、先約。へえ、んじゃあそっちの師範と他流試合をすることもあるかもしんねえな」
 と、やはり喧嘩はせずとも血は騒ぐ。ばしりと拳と手のひらを打ち合わせて、今度は楽しげな、挑戦的とも言える笑み。
「だろ? へへ、まあなんでも生きやすいにこしたことはねえからな。
これも一つの実戦的ってやつさ」
 なんて冗談めかして鼻をこすった。
 可愛い、と言われれば面を喰らって。
「まいったな。最近せくしーだとかかわいいだとか。明日は槍でも振るんじゃねえか?」
 ここのところその手の言葉をよく言われるようだ。
困ったように、照れくさそうに顔を振って
「おう、またな。へへ、次会ったら遊ぼうぜ」
 勢い良く手を振って見送った
「あ、タイムセールのときのおばちゃんを押しのける技もあるぞ!」
 追い打ち勧誘だった。

綾瀬音音 > あははは、可愛い女の子が交流試合したいって言ってたっって言っておくよ
(テスト終わったら声掛けよう、と同級生の顔を思い浮かべつつ。自分も彼女と手合わせできるくらいになれば面白いのかも、とちょっとだけ彼女の笑みを見れば思った)

まあ、生きにくいのはちょっとキツイよね。
でも、本当に即座に反映できるから気になるんだよね、遅刻対策
(学校から居住場所が遠いので、割りと洒落にならない問題である。
ううん、と悩みつつ)

いや、だって可愛いと思うよ? 焔ちゃん。
勿体無いなー勿体無いなー
(とうとう口に出していう始末である。
もっとお洒落すればいいのにーとか何とか、余計なお世話かもしれない)
ん、そだね。夏だしね・
………………ううううう!! そんなの言われたら気になること事上ないよ!?
(おばちゃん押しのけられると聞けば気になる、凄く気になる。
盛大にうなり声を残しつつも笑顔で手を振って、会計を済ますとカフェテラスを後にした)

ご案内:「カフェテラス「橘」」から綾瀬音音さんが去りました。
楓森焔 >  去っていく背を見つめながら楽しげに身体を揺らす。
「そうかそうか、やっぱ居るんだなあ、ここにも。
そういうことやってる奴が」
 是非やりたい。ここで磨かれた技となれば生半なものじゃないだろう。
勉強になること間違いなし、だ。
 どんな技だろうな、と想像しながら早くもタルトの最後の一口をぺろりと平らげた。
「でも」
 それにしても。
「テスト期間。悪くないじゃん?」
 出会いに祝して、乾杯。なんて牛乳のグラスを揺らしてかっこつけた。

楓森焔 > 「あー、しかし。駄目だな。これだけじゃ食い足りねえや」
 腹がまだ鳴っている。健康優良児たる焔はとにかく腹が減っていた。
晩飯を作るのも面倒だし、ここでがっつり食べてしまうか。
 再びメニューを眺め始める。
 パンケーキ……サンドイッチ……どちらかといえば腹に溜まるものが食べたい。
真剣な眼差しでメニューを吟味している。
「はっ……」
 オムライス。これか……?

楓森焔 > 「すいませーん! オムライスひとつー! あとミルクおかわりでー!」
 ウェイトレスに大きな声で声をかけつつ、残った牛乳でちびちび時間を潰す。
お腹が減っているときは兎にも角にも口の中に何かを入れていないと落ち着かない。
両手でグラスを保持し残った量を地道にペースを守って飲み込んでいく。

楓森焔 >  運ばれてきたオムライスに再び目を輝かせる。
なかなかボリューミー。とろけるような卵の加減が実に食欲を誘う。
「おお……おおおー……」
 目にしているだけでよだれが出そうだ。
急いでミルクを飲み干して、おかわりと交換してもらう。
「いいねいいね」
 ちょっと割高だけど、それに見合う味が見込めそうだ。
テンションあげつつスプーンを手にとった。

楓森焔 >  ひとさじ掬って、食べてみる。
「お、おおお……!」
 ふんわり卵の甘みとデミグラスソースの甘み……?
とこう、チキンライスのしょっぱみがこう……?
「とにかく美味い!」
 とにかく美味い。
ベリータルトといい、なかなかの"アタリ"だと快哉を上げる。
上機嫌にオムライスをパクつきながら、ミルクを飲む。
 至高のひとときである。

楓森焔 >  調子よくオムライスを平らげて、ぐいっとミルクを飲み干した。
「よっし、元気満タン! すいませーん、お勘定おねがいしまーっす!」
 完全に大衆食堂のノリで元気よく立ち上がって会計を済ませていく。
がま口財布から金を取り出して、ニコニコ現金払い。
「へへ、ごちそうさまでした!」
 裸足をぺたぺた鳴らしながら、カフェテラスをあとにした。

ご案内:「カフェテラス「橘」」から楓森焔さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」にレオンさんが現れました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」にエルピスさんが現れました。
エルピス > 「わっ」

 ぼうっとして歩いていたのだろう。
 カフェに入りそうになる途中、店へ入るタイミングが微妙に被り、レオンへとぶつかりそうになるだろうか。

レオン > 「ん…? あ、悪いな」(エルピスに気づいて振り向き、扉を開け先にどうぞといった感じで促す)
エルピス > 「あ、う、うん……ありがとう、お兄さん。」

 促されると、そのまま"二名様でよろしいでしょうか?"と尋ねられる。
 カフェの中は混雑気味。どうしたものかと、

「え、えっと……」

 どうしよう、と、困ってしまった子犬のような瞳で、レオンを見た。

レオン > 「あ、うん それでお願いするよ、マスター」(慣れた様子でマスターに言い、そしてエルピスを見る)
エルピス > 「ぁ、ありがとうございます……」

 安堵した様子でレオンを見上げ、頷く。
 一息付けば、ケーキと紅茶のセットを頼んだ。
 視線を下に下ろすだけで、大きなお団子を作って尚腰まで届く髪が揺れるだろうか。

「……ぁ、あの、ボク、エルピスって言います。
 何かえっと、色々迷惑掛けちゃってごめんなさい……」

レオン > 「いいさ、気にするな」(コーヒーを頼んでその様子を見る)

「俺はレオンだ。よろしくな、エルピス 迷惑だって思ってないから大丈夫だかんな」

エルピス > 「う、うん。レオンお兄ちゃんだね。宜しくっ。
 そ、それならいいんだけど……慣れた様子だったけど、此処にはよく来るの?」

 ぐっと軽くはしゃぐような仕草を見せる。にぱ、っと微笑んで見せるだろう。
 そうしてから、ふと思い出した風に尋ねるだろう。

レオン > 「あぁ。 ここは、くることも多いな」(ふっと頬を緩ませて笑みを浮かべ答える)
エルピス >  足をはたつかせて、くす、と、子犬のように笑ってみせた。

「そっか、やっぱり慣れてたもんね。えへへ……
 ……あ、いちごのショートケーキだけど、ちょっと食べてみる?
 ボクだけ食べてるのも悪いし……」

 そう言って、フォークで上手に分けながら尋ねるだろうか。

レオン > 「まぁな。 そうだな… それじゃ少し、貰おうかな」(少し考えてから、言葉を続ける)
エルピス > 「うんっ。はいっ」

 特に他意も無く、楽しそうに、子犬のように、
 取り分けて刺したケーキを、レオンの口元まで持っていく。

「あーんっ」

 尚、特に何か意識している様子はない。天然だろう。

レオン > 「おっと… まぁいいか」(何かを意識してるわけでもなさそうなのを感じて、苦笑する)

「あーん」(そして、差し出されたケーキを食べる)

エルピス > 「んっ♪」

 楽しげに食べさせ終えれば満足そうに伸ばした身体を戻した。
 そのままフォークを使って、食べる事を再開するだろう。

「ここのケーキ、美味しいよね。」

レオン > (この子、気づいてないのか…;)
「そうだな、美味しいな」
(ここで、言うのも悪いと思ったのか何も言わないことにした)

エルピス > 「……? どうかしたの?」

 美味しそうにケーキを頬張っているが、気にする様子もない模様。
 精神が男故に、意識しなければレオンを同性として見てしまう故に無防備さか。

 ともあれ、ケーキを食べ終えた。

「はふぅ、ごちそーさま。」

レオン > 「いや、何でもない」(コーヒーを口に運びつつ)

「お粗末様だな」

エルピス >  
「うんっ。相席してくれてありがとう。レオンお兄ちゃん。
 中々断りづらかったし……」

 うん、と一つ頷いて席を立つ。そのままペコリ、とお辞儀をする。
 公安委員会の腕章が、揺れたかもしれない。

「ボクはそろそろ行くね、また会えたら嬉しいな。レオンお兄ちゃん。」

レオン > 「いいさ そろそろ行くのか んじゃあ、送って行くよ」(こちらも立ち上がる)
エルピス > 「あっ、ありがとう。えっと、今日は見回りも終わったから、とりあえず"男子寮"の方に連れて行ってくれれば――」

 やや嬉しそうに表情を明るくし、小さく頷いた。
 さっくりと会計も済ませつつ。

レオン > 「はぁっ!? 男子寮…!?」(自分も会計しつつ、話を聞く 男子寮と聞いて、流石にこれにはレオンも驚いた )
エルピス > 「あっ、う、うん。元々は男の子なんだけど、
 サイボーグになった時、女の子の身体になったから……今の所は精神の関係で、男子寮に入っているんだ。
 見た目はこうでも、心が男の子だから、嫌がる女の人も多いと思うし……」

 ……自分の性を意識してしまえば、恥ずかしそうに顔を赤らめた。
 ちょっとだけ顔を伏せた拍子に、長い髪がゆさりと揺れる。

レオン > 「あぁ… そういうことか…」(自分の頭に手を当て)
「…まぁ、その格好だと間違われたり何されるかわかんないしな… 元は男子といえどもな…」(ぽんぽんと軽くエルピスの頭を撫でる)
「まぁ、何だし 向かうか」

エルピス > 「も、もうっ……」

 恥じらいながら頭を撫でられる。
 心地よいのか、一度目を細め。

「う、うんっ。そろそろ行こっか。
 ……あっ、ボクは392号だから、いつでも遊びに来てね。レオンお兄ちゃんならいつでも歓迎だよ。」

ご案内:「カフェテラス「橘」」からエルピスさんが去りました。
レオン > 「あぁ、わかった」(そう言ってカフェをあとにする
ご案内:「カフェテラス「橘」」からレオンさんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に空閑 栞さんが現れました。
空閑 栞 > 「お、終わった……死ぬ……」

そう言って突然テーブルに突っ伏した。
テーブルには大量の紙束、つまり課題が山のように積まれている。
同居人であるツヅラに手伝うと言ったら全て押し付けられ、先日から徹夜で取り組んでいたのだった。
半分くらい返せばいいものを、全てやってしまうった少女はどこか抜けているのかもしれない。

「魔術の練習もテスト勉強もできてない……何か報酬もらわなきゃ……」

テーブルに突っ伏したままそんなことを呟いた。
普段ならこんなことはしないのだが、あまりの疲労に周囲を気にする余裕がなくなっていた。

ご案内:「カフェテラス「橘」」にヒカサ=カノさんが現れました。
ヒカサ=カノ > 緋色の髪の制服少女、手のビニ傘はいつものこと。
試験勉強、そして対策。家に引きこもっていた少女。

久々のカフェはいつも通り。いつもの空間といつものマスター。
いつものコーヒーかな。とマスターの声。
アイスでよろしく、あと2コね。緋色の少女はそう返し。

気づいていたのかその少女。よく見た少女の元に行く。
「お疲れ、栞。進捗はどう?」
コトリと栞の目の前に、アイスコーヒーを置く音は2つ。

空閑 栞 > 「進捗ダメです……テスト勉強が全然できなかった……」

声の主の方を見ずにそう応える。
この声には聞き覚えがある。間違いなく傘の少女ことヒカサだ。
こんな状態を見られたなら普段なら取り繕うとするだろうが、そんな気力も湧かない。
ゆっくりと顔をあげ、目の下にクマを浮かべた眠そうな目を擦る。
そして声の主を見た。うん、やっぱりヒカサだ。

「簡単に課題を手伝うなんて言っちゃダメだね。地獄を見たよ。」

目の前のアイスコーヒーを呷ると、幾分かは意識がはっきりしてきた。