2015/07/28 のログ
■蓋盛 椎月 > 理解とは暴力で、理解とは愛だ。
愛すればそれは救いとなるし、愛して裏切れば、それは死を齎す。
朽木が手にしようとしているのは、救済の杖か、はたまた死神の鎌か。
「うーん、しくじるんじゃない?
だからあたし個人としてはやめてくれないかな~って思ってるんだけど」
気の抜けた口調で、あっさりと突き放した。
「割に合わない行為なんだよ。
誰かを救うことも、滅ぼすことも。
人一人の身にはとても余る。そうは思わないか」
「でもさあ、きみはそれをするんでしょ。何を言われても。
じゃああたしができることって言ったらさ、
きみがやろうとしていることはどういうことかっていうのを
懇切丁寧に噛んで含めて聞かせてやるぐらいだ。
そうすればきみが、自分が次に何をすればいいか……
見えてくるかもしれないし、見えてこないかもしれない」
身を横に向ける。
溶けた氷をストローでズズズと音を立てて啜る。行儀が悪い。
「あたしにとってはさ、朽木くん、きみも、
社会通念を守らない、強固な独自の世界観を持った《怪物》ってわけ」
椅子を引いて立ち上がる。
あまり人前で見せることのない、うんざりしたような表情。
「でも、あたしがこの学園の教師できみが生徒であるうちは。
応援してあげようって思っているよ。
そうして再び傷ついたら、あたしのところに来なさい。
そのときは、力となってやろう」
■朽木 次善 > 「ええ!?
あ、いや、まあ、そんな、気もしますけど……! 容赦ねえ……!!」
あっさりと突き放されてガクンと身体から力が抜ける。
自分でもなんとなくそんな自分の限界を感じていたので、指摘が入るとその現実味に
余りにも簡単に足を取られてすっ転んだ。
割にあわないといえばそうだし、身の丈に合わないといえばそうだ。
指摘されれば、どんどん問題が溢れる。
そもそもが風紀委員会、公安委員会という組織が取り扱うべきことを、
勝手に横取りして受動的に共謀しているに等しいのだから、指摘が順当なものなのが理解出来た。
肯定でも否定でもなく、ただ後ろから見守るその形は、
道筋が違うが自分という一点においてはヨキ教諭と交わるような物を感じた。
そのまま進んでいくと、どんどん道が分かれていくようにも感じたが。
「俺が……<<怪物>>、ですか」
それは、どうにも。二回目の指摘のように思えた。
ファミレスで遭遇した彼も、似たようなことを、直接ではないが自分に向かって言ってきた。
自分には力はない。だから、怪物とは一番程遠い生き物だと思っているのだが。
立ち上がる蓋盛に頭を下げる。
「ありがとう、ございます。
多分……そんな血なまぐさい事にはならないと思いますし……大丈夫だと思いますけど。
業務の中で怪我があれば、是非頼らせてもらいたいと思います」
どうにも。血なまぐさいことになれば、蓋盛を頼れる状態にあると思えないが。
「蓋盛先生。でも。
俺は<<怪物>>じゃないです。さっきの問いなんですけど。
本当に、俺が何でも出来る<<怪物>>で、何でもしていいというのであれば。
もう一つだけ、<<不死者>>を殺す方法、あると思うんです。
ああでも、意地悪問題だとするなら、ですよ……?
真面目な回答じゃないので、もしかしたら先生怒るかもしれないですけど……!」
じゃあ言うなよ、と自分で思いながらも。
どうにも自分が怪物と言われたことを飲み込みきれずに、言い訳のように既に席を立っている蓋盛に告げた。
■蓋盛 椎月 > 希望的観測でもって激励するぐらいのことは蓋盛にもできる。
しかしそれはしない。
妙に希望を持たせて、転んだ時の怪我を深くすることを望まないからだ。
「『力なき人間』が、怪物に立ち向かおうとする時。
手にできる武器はたった一つ――『魂』だ。
抜身のそれを振りかざして果敢に戦う姿は……
時にどんな怪物よりも恐ろしく見えることもあるのさ。
自分の内臓で作った武器を振り回す奴を想像してみろよ。
めちゃくちゃ怖いだろ」
朽木の内心の疑問に答えるように、補足した。
「……へえ? 興味深いな。
言ってみろよ」
立ち上がり、椅子の背もたれに手をついたまま、
挑戦的に、歯を剥いた笑みを浮かべる。
■朽木 次善 > その蓋盛の剣呑な表情に(言わなきゃ良かった)という微妙な汗まみれの表情で、
苦々しい笑いと、四角になった口で照れくさそうに言う。
「いや、本当に屁理屈ですよ?
状況として何でもしていいっていう仮定での、意地悪問題に対しての意地悪な回答っていうか……。
ほんと、なんか言われた瞬間パッと思いついたっていうか……」
はぁ、と嘆息する。
どうにも、真面目に考えろと、、蓋盛先生を怒らせるような気がしてならない。
「――<<不死者>>が。
<<不死者>>であるのは、<<死なない>>からですよね。
だったら、その不死が特別なものでなくなればいいんじゃないですか……?
死なないことに言及されなくなれば。
不死すらも差異として許容するような環境や、
不死という特別性がそのパーソナリティに深く影響をしないような状況を、
作り、創る事ができれば……<<不死者>>が、不死者と呼ばれることはなくなる。
そうすれば。
その不死者は、少なくとも不死者としては死を迎えるんじゃないかって、思うんですけど――……」
異能にしろ。差異にしろ。違いにしろ。
それを許容し、それすらも普通の中に取り込んでしまえば。
『生活』の一部に、組み込んでしまえば――それそのものが持つ逸脱部分まで、含みこんでしまえば。
この世に。その対象は――<<逸脱>>として存在できなくなり、命を持ったまま死を迎――。
思考の海に沈みかけている事に気づき、
相手の顔色を伺い、ハッとした顔で手を顔の前で振る。
「ああっ、いや、でも、これ、
絶対蓋盛先生の言った愛するって方法の方が簡単だし、
それに比べたら余りにも荒唐無稽で、テストだったら点貰えませんよねきっと!
いや、ほんと、俺怪物でもなんでもないんで!
本当の怪物ってそういうのを簡単にやってのけるような奴のことじゃないかなって!
……い、いや、なんか変な話でしたね、すいません」
どうにも、思考問題となると、考えすぎてしまう。
考えすぎて、変な回答に辿り着いてしまうのは自分の悪い癖だ。
首の後を掻きながら、青年はスコーンに口をつけた。
「まあ、だから。
一人の人間として、出来る範囲のことをやって……。
お、俺の魂なんて大したものじゃないですから、内蔵で作った武器もたかが知れてると思いますし……!
先生の言う通りしくじったら、まあ……しくじった形で、自分なりに、どうにかしてみようと、思います。
すいません……少し、楽になりました」
出来る限りのことを、やってみようと思います、と蓋盛教諭に告げた。
■蓋盛 椎月 > 「……」
最後まで沈黙して聴いて。
「ふ」
短く息を吐いて。
「……ふふ、く、くっくっくっくっ!」
身体を折り曲げて、けたけたと笑い始める。
目尻に涙が浮かび、歪んだ口元から、隙間風のような笑い声が漏れる。
テーブルをバンバンと叩く。
「くくく、くくっ――ひぃーひひひ!
…………っと、笑ってしまったな。
すまない、バカにしているわけではないよ。
でも二度目ともなると耐えられなかったよ。傑作すぎて」
いつも笑ってばかりの蓋盛ですら、これは狂態と言って差し支えない。
しかしそれは――そのビジョンの荒唐無稽さ、あり得なさを笑ったわけでは、けして、ない。
朽木の目にどう映ったかはわからない、が。
口元を三日月にする。悪魔めいた相貌。もはや取り繕うのも面倒になった。
「朽木さあ……やっぱ面白いわ。
オマエと話してると……ずっと忘れてたことを思い出す」
ぐるり、踵で床を削るようにして背を向ける。
「ワタシはオマエをとても高く評価しているよ。
――だから、傷ついて、血を流せ」
意味の図りかねることを最後に言い残し、養護教諭を名乗る女はカフェテラスを去る。
ご案内:「カフェテラス「橘」」から蓋盛 椎月さんが去りました。
■朽木 次善 > ええええ。と。
それこそ蓋盛に限らず全力で笑う相手を見る機会など滅多になく、
自分がそれほど滅茶苦茶に面白いことを言ったつもりもなかったので、
顔面に汗をダクダク流して異常事態に硬直した。世に言うドン引きである。
「あ、えと、どうも。
お、面白いなら、何より、ですけど……」
そんなに激烈に面白いことを口にしたか……!?と眉根が寄る。
だが、少なくとも自分の目には上機嫌に見えた。
だから、いつも通りそれは愛想笑いで返すしかなかった。
「そ、それは、どうも。
傷っ、あっ、はい……ですね……そ、それくらいはしないと、ですし。
血も、まあ……はい……」
冗談とも本気とも取れない、受け取り方が分からない言葉を受け取って呆然としながら、
どうにも褒められたのかどうなのか分からない感覚だけを残して、その女教諭は去っていった。
その後姿を呆然と見送ったまま、
能見や鈴成がある意味女性はそういう話が好きですよ(好意的解釈)と言っていたのを思い出す。
でも。
それを考慮したって。
「……女性って分からない……」
スコーンだけがわかりやすく甘かった。
ご案内:「カフェテラス「橘」」から朽木 次善さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」にレイチェルさんが現れました。
■レイチェル > じわりじわりと締め付けるような暑さの中、クロークを身に纏った金髪の少女が一人、
カフェテラスのドアを開けて店内へと足を踏み入れた。
「さて、寮の部屋の片付けも終わったことだし、次の授業まで適当にお茶でも飲んで
ゆっくり休憩するとするか……」
昨日の夜は久々に女子寮に帰って掃除をしていた彼女。
粗野な性格ではあるが、掃除をするのは大好きだ。
根っからの綺麗好きなのである。
店内に入ると、暑さから逃れるように、足早にカウンター席へと座り、
ふぅ、と一つ息をついてメニューを広げ始めた。
■レイチェル > (いつもと違うやつも、たまには頼んでみるとするか)
思い至ったレイチェルは、メニューの一覧にある様々なかき氷に目を落とす。
「マンゴーミルクかき氷……これだな!」
メニューに書いてある写真を見て、歳相応の少女のように目を
きらきらと輝かせるレイチェル。
荒事屋の彼女ではあるが、甘いものにはとても弱いのである。
店員を呼んでかき氷を頼むと、カウンターに置かれたコップを掴んで
口をつけた。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に正親町三条楓さんが現れました。
■正親町三条楓 > カフェテラスの2F。レイチェルから見えるその窓際の席。
何故かオペラグラスで外を見るひとりの女。
視線の先には常世公園。
(――私には分かりますよぉ、あの刀の一見女性に見えるのも少年。
そしてちはや君にその親友――全員、おいしそ……げふん)
傍から見ればかなり怪しい。
■レイチェル > 『ちょっと待ってくださいね、混んでるので少々お時間を頂きますよ』
店員は困ったような笑顔でレイチェルにそう告げた。
「ま、しょうがねぇよな~。分かった、待ってるからさ」
店内を見渡せば確かに多くの生徒達でごった返している。
皆が皆、冷たいデザートやコーヒー、ジュースといったものを頼んで
各々涼んでいる。のだが……
そこでふと、一人の女生徒に目が留まった。
その女生徒は、この多くの生徒が居るカフェテラスの中でただ一人、
オペラグラスなど持ちだして外の様子をじっくりと観察している。
(ふ、不審者……か?)
いやいや、と。首を振るレイチェル。
ただ外を見ているだけでそうと決めつけてはいけないだろう、と。
そう思った彼女はしかし、楓の方をそれとなく見やって様子を窺うこととした。
■正親町三条楓 > 観察継続。
特上級の少年が3人。
これを観察しない理由などあるか? いや、ない。
というか、そんな3人に囲まれてるあの侍っぽいようなそうでもないような奴は誰だ。
なんて羨ましい。処す? 処す?
そんな思考が駆け巡るカフェテラス。
一度視線を離すと、目の前のケーキを食べる。
「……っはぁ」
艶めかしい吐息を漏らしうっとり。
完全無欠の不審者です。
■レイチェル > 艶かしい吐息を漏らす彼女を見て、流石に眉をしかめるレイチェル。
店員曰く、かき氷が出来るのはまだまだ時間がかかるとのこと。
仕方ねぇな、と呟いてレイチェルはカウンター席を離れた。
怪しい行動をしている人間は、風紀委員としては放ってはおけまい。
「ちょっと、そこの。そう、あんた。あんただよ」
2Fにある、常世公園を見下ろすことのできる一席。
そこに居る黒髪姫カットの少女に対して、レイチェルは声を
かけた。
「何してんだ? めちゃくちゃ怪しいぞお前」
その質問は実に率直であった。
腰に手をやる彼女のその腕につけられたのは、風紀委員の腕章だ。
声をかけると同時に、常世公園を自らの機械化された『右目』で見下ろす。
そうすれば複数人が何やら話している様子が分かる。
その内一人は彼女も見知った顔、湖城惣一だ。
■正親町三条楓 > 「……あらぁ」
そこで見たのは見知った顔。
そう――彼女が英雄にしようとした人物。レイチェル・ラムレイ。
珍しい所で会うものだ。
「ふふ、こんにちは、風紀委員のレイチェルさん。
式典委員・正親町三条楓と申します」
いつの間にか営業スマイル。
先程までと同人物とも思えない。
が。
「あぁ、公園で素敵な光景が……」
■レイチェル > 「おっと、オレのことは知ってたか」
ふむ、と顎に手をやる金髪の少女。
「しかし、式典委員だったか。スイカ割り企画はご苦労様。楽しませて貰ったぜ」
意外そうな声をあげるレイチェル。
それは彼女が自分の名前を知っていることに対して、ではなく怪しい行動をしていた
彼女があの式典委員の一委員であったということに対してである。
怪しい挙動から一転、繰り出される営業スマイルに、声をかけたレイチェルも
少しばかり戸惑う。
が。
「いや、素敵な光景って……何がだよ?」
意識すれば、彼女の右目は離れた場所でもズームアップして見ることが出来る。
見下ろしてみれば、複数の生徒が何やら話しているだけのように見える、が。
■正親町三条楓 > 「知っていますよぉ、『炎の巨人事件』の英雄ですからぁ……
残念ながら、表彰は受けていただけませんでしたけどぉ」
くすくすと笑い、アイスティーを一口。
ケーキは季節の果物――桃のヨーグルトケーキ。おいしそうに食べる。
「スイカ割は楽しんでいただけましたかぁ。
何よりです」
今度は本当に嬉しそうな笑み。
イベントを楽しんで貰えるのは、いつだって式典委員にとって最高のご褒美だ。
「んふ、素敵な光景ですよぉ――
小動物系で、天使のようなちはや君。
小悪魔系で、ちょっと生意気なビアトリス君。
そして退廃的で危ない雰囲気のあの少年――あぁ、極上の少年が3人も――」
再び思わずうっとり
■レイチェル > 「あー、そういやあの時に式典委員からの表彰断ったもんな。
確かに知ってて当然か」
そういえば、と頷くレイチェル。
「すまねぇな、わざわざ表彰してくれるってことだったのに。でも、
表彰は過大評価だ。オレは西園寺偲を救ってやりたかったのに、
手が届かなかった。風紀としての仕事は、生徒を守ることだ。
そんな基礎的なとこすらもオレには出来なかった。悪ぃけど、表彰なんか
頂けるようなことは何もしてねーさ。英雄でもねぇ」
『炎の巨人事件』。あれからもうそれなりの時間が経ったというのに、
思い起こせば強烈な悔しさばかりが残る事件であった。
「ああ、やっぱりタイムアタックっていうのはよかったな。同じ風紀の
五代先輩もすげー楽しんでたぜ。やっぱり時間を競うとなると皆熱く
なるもんだな」
本当に嬉しそうな笑みを浮かべる楓を見て、レイチェルもまた微笑む。
スイカ割り企画は実によいものだった。出来れば毎年やって欲しいものだ。
「……えーと、何つーかその……ま、まぁ見てる分ならオレも何も
言えねーけど……事は起こすなよ?」
式典委員ともあろう彼女が何か事を起こすとは思えないのであるが。
それでも、目の前で並べ立てられる言葉と、異常なまでの態度を見ていると
レイチェルはそう口にして釘を刺さざるを得なかった。
■正親町三条楓 > 「――ふふ、謙遜しますねぇ。
ま、終わった事ですし、良いんですがぁ」
なかなかバランスを取るというのは、思い通りにいかないものだ。
人間が相手なのだから当然だが。
「あれ、事前の案だと『制限時間内に何個スイカを割れるか』だったんですよねぇ。
流石にそれは予算の関係でやめましたけどぉ」
常世島中のスイカをかき集めても難しそうだ。
「あは、大丈夫ですよぉ……
相手の嫌がる事はしませんからぁ♪」
■レイチェル > 「そうか、ま。こっちとしても表彰を断った件、謝れてよかったぜ」
謙遜、と言われて肩を竦めるレイチェルであったが、終わった事と言われれば
こくこくと頷いてそう口にした。
「いや流石にそれは……片付けも大変だろ? 砂浜が赤に染まっちまうぜ」
とはいえ。
制限時間内にスイカを割りまくる、というその企画もかなり楽しそうであるし、
もし開催されていたら喜んでやっていたのだろうな、と自らの内で思うレイチェルであった。
「そ、そうか……。まー、他への実害が無けりゃ他人の趣味にとやかく言う気はねーが
……すげー怪しく見えるから気をつけろよ?
他の風紀にしょっぴかれても知らねーからな」
風紀委員も様々である。本当に色々な人間が属している。
少しでも怪しい行動をすれば、しょっぴこうとする人間も居るだろう。
一応忠告、という形で伝えておくことに決めたレイチェルはそれだけ楓に告げた。
■正親町三条楓 > 「そもそもスイカの数が足りませんしぃ。
うちは面白そうだと何でも提案してくるんですよねぇ」
ふぅ、と一つため息。
彼らは常に面白い事を求めているし、楓は彼らも彼らの考える面白い事も好きだが、世の中できる事とできない事があるのだ。
「ふふ、ちょっと興奮しすぎましたねぇ。
でも――あぁ、やぱり素晴らしいですよぉ」
タイプの違う美少年3人の妖しげな絡み。
素晴らしい。出来る事なら今すぐ行ってあの侍蹴っぽって中心に入りたい。
けれども我慢だ。ちはやにはこんな姿見せられない。
「レイチェルさんも、好みの男性は居ないんですかぁ?」
桃のケーキを再び一口。
■レイチェル > 「出来る範囲で皆が面白いと思えるようなことをやるってのも、なかなか
大変そうだな。今後も期待してるぜ。夏が終わったら秋は秋でやれること
あるだろーしな」
溜息をつく楓に対し、そう口にして、にっと笑うレイチェル。
だったら直接行って話してくればいいじゃねぇか、と。
口にしかけたレイチェルであったが、
妖しげな笑みを浮かべる少女にの姿を見て、確かにこれは
見せられねーんだろうな、と。そう思案して思いとどまった。
「……は? えっ?」
唐突すぎる自分への質問に答えた声は、上ずったものだった。
「な、何だよいきなり……。こ、好みの男性、好みの男性か……」
この学園に来てから知り合った男性の顔を思い浮かべては消し、思い浮かべては
消し――。
「ま、まだわかんねぇな、ちょっと……こっち、来たばっかりだしな。
それに風紀の仕事もあるし、そういうのはちょっと、あんまり考える
ような時間もねーな……」
レイチェルは異邦人である。まだこの学園に来てそう日は経っていない。
故に、そう口にして誤魔化すのであった。
実際、好ましく思う男性は居るが、恋愛感情かと言われればそれは自分でも
分からない。
頬を少し赤らめながら、レイチェルは視線を楓から逸らすのであった。
■正親町三条楓 > 「あぁ、秋は文化祭がありますので、その――」
文化祭。
式典委員会の一部が命を懸ける文化祭。
というか文字通り命を張って文化祭の準備をする人間が式典委員の一部には居る。
既に単位を全て取り終わっているのに、文化祭の準備を一年中する為に留年するような連中だ。
文化祭が終わったら来年の文化祭の準備を始めている。いいのかそれで。
「あらぁ……」
ちょっと振ってみただけだが、意外な反応。
これは意外と――乙女のようだ。
「ふふ、風紀委員会になら、素敵な男性は多そうですよねぇ」
可愛い。
かなり可愛い。
ここはからかう一手だ。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に蘆 迅鯨さんが現れました。
■蘆 迅鯨 > 一方その頃。カフェテラスのレジには、緑がかった銀髪の少女が一人。
季節は真夏、しかも屋内であるというのに、黒いフードで顔を覆っている。
一通り注文を終え、先にドリンクだけを受け取ると。
「(うんうん。たまには公園を見下ろしながらカフェでメシ食うってーのも乙なもんだネ)」
などと漏らしつつ、席を探す。その心の声は周囲の客にも漏れ聞こえていることだろう。
しばらく歩きまわっていると、風紀委員の腕章を付けた少女と、何やら話し込んでいる女の姿が目に入り、
「(ゲーッ、また風紀かよ……マズったなー)」
露骨に心中で愚痴を零しつつ、彼女らの近くの空いている席に番号札とドリンクの入ったグラスを置いておき、立ったまま様子を窺う。
彼女らに精神系異能への耐性がなければ、今までの言葉はすべてテレパシーとして聞こえていることだろう。
ご案内:「カフェテラス「橘」」にアリスさんが現れました。
■アリス > 銀髪の少女の後ろで次の注文をしている金髪の少女一名。
幼女ではないと主張させていただこう。
「チョコドーナツ2つにチョコドリンク一つを…」
……ん?何か聞こえる…まいっかー。と余り気にした様子はない。精神の露出狂、…アリだ!と新たな同人誌のネタを思い浮かんで…
くっくっく、と悪戯を思いついた子供の顔で笑っている。
■レイチェル > 「そっか、文化祭ってのもあるんだなー。話に聞いたけど、学校の祭、みたいな
もんなんだろ? 楽しみにしてるぜ」
軽いノリで言うレイチェルであった。
式典委員会が文化祭に賭ける圧倒的な熱意を未だ知らないのだ。
「い、いや風紀委員の男とかそれはそーいうあれじゃなくて、そう!
仕事仲間ってやつだ、仕事仲間っ。別にオトコとして意識してねーって!」
人差し指をぴんと立てて口早にそう言ったものの、閉じた目の下は
やはりほんのり赤くなっている。
と。言っている所に、聞こえてくる声。
「っと、何だ? 幻聴……じゃねぇな? テレパシー……?
にしたって……変だな」
何処からか声が聞こえてくる。
何だか知らないが、この状況から抜け出す助け舟だ。
周囲を見渡して、やがてその視線は緑がかった銀髪の少女の所で
ぴたりと止まる。
■蘆 迅鯨 > 風紀委員の腕章をつけた少女に視線を向けられると、
こちらも少女の目をしっかりと見据え。
「……タハハー、バレちまったかァ」
開口一番、笑って誤魔化すと。
「さっきあんたの頭ン中になんか聞こえたろうけど、マー気にしないでもらえると有難いわな。そいや初対面だ。俺ちゃん蘆迅鯨<ルー・シュンジン>。今はちょっとメシ食いに来てンだよな、見りゃわかるけど。むしろメシ食わないんだったらなんでここに来ンのかって話だよな。タハハー」
早口で名乗りつつ、自身がここに来た目的も話した。
■正親町三条楓 > 「ええ、どうぞお楽しみに――」
まぁ、こちらはそうも言ってられないが。
風紀委員全体の文化祭に懸ける情熱は並のものではない。
下手すると体育館全てを改造しようとしたり、違法部活の手まで借りてでも出し物を完遂しようとする輩が居る。
いつぞやは『フェニーチェ特別公演』を企画しようとして公安委員会にすげー怒られたとか。
「あらぁ、ふふ、可愛い反応ですねぇ」
にこにこと微笑み。
――と、そこで携帯が鳴る。
呼び出しだ。海水浴場で何かあったらしい。
「では、これで失礼しますねぇ」
最後まで少年たちを見れないのが残念だが仕方がない。
嗚呼――できる事ならあの3人とも侍らせてあられもない姿で(以下検閲)
などと考えながら。
テレパシーが入ってくる直前、カフェテラスを後にする。
ご案内:「カフェテラス「橘」」から正親町三条楓さんが去りました。
■アリス > 会計を先にすませて…ドリンクお待たせしましたー、と店員さんの声。
わーいとはしゃいでドーナツを待って横に退いて。
「……ばらしていくスタイルとな。」
思わず口に出ました。
でも妄想じゃなくて現実だったならそれもありなのかーとのほほんスタイル。
そして自己紹介しているみたいだから、そっちに目を向けると…風紀、委員?
一瞬びくっとした。
「…………私にも聞こえましたけど…漏れパシーって奴ですかー?あ、私はアリスって言いますー」
とりあえず挙動不審をごまかして自己紹介と行こう。
■レイチェル > 「お、おう……って別に可愛くねーよ!」
すっかりからかわれているようで、そんな風に返してしまうレイチェルであった。
なんというか、すっかり呑まれてしまった形になったな、と。
彼女自身そう思いつつ、去っていく楓をじっとりとした目で見送った。
「バレたも何も、あんたが入ってきた途端に声が聞こえてきたもんだからな?」
そうなれば疑うのは当然であろう。
「風紀委員のレイチェル・ラムレイだ。あんたが何か事を起こしたりしなけりゃ、
特に何もしねーし、噛み付きもしねーから安心するこったな」
そう言って、肩を竦める。学園中、何処に行っても風紀委員の腕章を見るだけで
警戒する者は少なくない。一応それだけは伝えておこう、とそう口にするのであった。
視線を感じ、もう一人の少女の方を見やる。
「そっちも。別にそこまで警戒する必要はねーぜ」
挙動不審な様子を見て、そう声をかけるのであった。
■蘆 迅鯨 > 去ってゆく名も知らぬ女を見送ると。
「レイチェル……ね。へいへーい。肝に銘じとくよ」
彼女――レイチェルの名を記憶する。
迅鯨は出会いや享楽を求め、歓楽街や落第街にも頻繁に足を運ぶ。
死者や負傷者が出るような騒ぎを自ら起こしたりはしていないものの、
道行く男や女を引っ掛けては、とてもこのような場所で言えないような行為に及んだりして金銭を得ること――要するに『花売り』だ――は頻繁にある。
いくら安心しろと言われても、風紀委員に対してはある種本能的に警戒してしまうのだ。
その後、声をかけてきた橙色のワンピースを纏う少女のほうを向き。
「アリスか。そっちもよろしくな。……ま、そんなとこ。アレ俺ちゃんの異能でな。頭ン中で考えてることだいたい全部漏れちまうのよ。そのくせ人の頭ン中に送るだけでこっちが受け取るこたできねーの」
自身の異能が持つ特性について説明する。
■アリス > あ、ごまかせなかった。
普通に出歩いている分には大丈夫だと思うんですよ?
ただ、今KENZEN(少年誌ギリギリレベル)な同人誌を描き上げている最中でして、風紀に警戒してしまうのは仕方ないのです。
「そ、そーですか。改めて、アリスと言いますですよ。
ところでお仕事中でしたかー?」
それでもレイチェルさんに自己紹介をして…。に、にこっ。オフかオンかを聞いておこう。い、一応。
「よろしくですよー。…あー、なるほどー。漏れるですかー…。
…ひらめ…げふん。」
危うく口から漏れかけた妄想を喉の奥に止めて。
悪戯したいなー、と内心だけで妄想が膨らんでいく。
■レイチェル > 「成程、さっきのはお前の異能か。漏れる、ってことは意図的に制御が出来ないって
ことか。思考が駄々漏れになるってのはトラブルを招きかねないからな、
くれぐれも気をつけろよ」
人差し指をぴっと立てて、前かがみになって注意をする金髪の少女。
「別に仕事中って訳じゃねーさ。授業の合間にちょっと息抜きに来ただけだ。
まぁ、事が起きればすぐに仕事開始、って感じなんだけどな」
腕につけている腕章を指さす。
例え休憩中でも、風紀委員という役職は外れることなくついて回るのである。
『マンゴーかき氷をご注文のお客様~! マンゴーかき氷をご注文のお客様~?』
カウンターから聞こえてくる店員の声。
そういえば、注文してから随分時間が経ってしまっていた。
■蘆 迅鯨 > 「ヒラメがどうかしたか?」
顔を前方に戻そうとすると、アリスが何か言いかけて止める。
その言葉に対し、彼女の方へ視線のみを向けて古典的ともいえるボケを返した後。
「……わーってるよ、ンなこた。安心しなって」
注意を促すレイチェルの言葉には、両手を広げてやれやれ、といったポーズをとりつつ、やや気だるげに答える。
■アリス > 「お、おや。お仕事中でなくとも外さないのですかー」
なるほど、と頷く。
授業の合間…そーいえば。受ける授業がまだ決まってなかったんだった、と思い出して。何処かの授業の見学、行こうかなぁ。
「ヒラメが頭の上を3匹で泳いで…じゃなくって。閃きが漏れるって大変そうだなーと。」
ボケにちょっと乗って。でもこれヒトデじゃないと伝わらなさそうだーと直ぐに止め。
ふとした時に閃きが漏れると、その種類によっては…と妄想の一部だけ口にだして見て首傾げて。
■レイチェル > 「念のためだ、念のため。風紀委員として無視する訳にもいかないんでな」
学園で起きるトラブルは出来る限り減らしたいものだ。
彼女がどう考え、意識していようとも、思考が漏れてしまう以上はちょっとした
ことでトラブルが起きてしまう可能性がある。
彼女自身が自覚していようがいまいが、風紀として釘を刺しておく必要があった。
「まぁ学園に居る間は大体つけてるぜ」
風紀委員の腕章。
他者から見えればその場での犯罪の抑止にも繋がり、また彼女自身も
腕章をつけることで、風紀に属する自分を常に認識して、戒めること
ができる。それはレイチェル自身意識していることであった。
「さて、と。じゃあ悪ぃが、オレはこの辺りで。カウンターのとこで
マンゴーかき氷が待ってるんでな」
そう言って、軽く手をあげると、クロークを翻して二人に背を向け去っていく――。
■蘆 迅鯨 > 「ほんじゃーなー」
カウンターの方向へ去ってゆくレイチェルを見送ると。
「……あー、そういうこと」
アリスの説明で、迅鯨としてはだいたい納得がいく。
腕を組んで大きく頷くと、組まれた腕によって迅鯨の豊満なバストはさらに強調された。
「そーだな、俺ちゃんオトコ漁りとかよくするんだけどサ。それからシようと思った事とかバレて逃げられちゃったりっての、よくあンだよねー。怖がられてンだかなんだか知らねえけどさ。タハハー」
男漁りを嗜むこと自体は倫理的な問題こそあれ、法的にはグレーゾーン、あるいは白だ。
つまりその程度なら公言しても問題はないだろうと考え、笑いながら話してみる。迅鯨の倫理観はどこか壊れていた。
■アリス > 「…そーゆー物なのですかー。」
ふむふむ。そうすると、ふと話してる誰かがいきなり風紀委員でした、この妄想魔確保ー!とはならなさそうだろうか。ちょっと安心。
それだけで幾分動きやすく…
「あ、注文してた物が来ましたかーではではっ」
レイチェルさん見送って、うーん、と迅鯨さんをちらり。
…負けてるような、どことは言わない。
「そーゆーこー…うわぁ、それはちょっとアウトとゆーか、そこで踏み込める人って中々ー。そーゆーのは恥ずかしがるとか、そういうのがあっ……」
あ、これこのまま素で話したら普通に見た目と違いすぎでーって…まいっか。と話に乗っちゃったしと言葉止めて回りだけ見回して、無害っぷりするのは諦めた。
ご案内:「カフェテラス「橘」」からレイチェルさんが去りました。
■蘆 迅鯨 > 話に乗って来たアリスに対し、なおも続ける。
「ふんふん。恥じらいが大事と。俺ちゃんからすりゃなーにを恥ずかしがる必要があるんだかよくわからんがね。特に思春期の男どもなんてさ、普段からあんなに(ピー)したい(ピー)したいって欲求丸出しだっつーのに、いざこっちからガツガツ行ってみりゃオドオドしたり尻尾巻いて逃げたりすんだもんな。ワケわかんねーよ。……あ、もしかして俺ちゃんのハイパー兵器のせいかな?タハハー」
組んだ腕は既に解かれており、内容に合わせて時たま身ぶりが入る。
内容が内容なので、普段から大声の迅鯨でもさすがに声のトーンは若干抑えているものの、早口気味ではある。
■アリス > あ、続くのね。
よしもう赤裸々トークでいこーと続く。
「そーゆーことー。精神的な部分って大事ですよー?感覚的な物だけで充足できる人なんてそんなにいないでしょー。」
もしそれで充足できるなら、ぶっちゃけホールとかだけですむしオカズな妄想も要らないのである。
この辺、欲望という物は精神的な部分も抑えてこそ、と言うものだったりコスプレはイメプレと言った代物の存在の必要性も考えると…、この時間から考えてる内容と話してる内容が酷い。
一応声のトーンは抑えているけれど、…。うん、これ迅鯨さんの考えてる事漏れるですよね?周囲の反応をみてみやう
■蘆 迅鯨 > カフェの中も次第に人が増えてくる。注文したモノが来るまでにはまだまだ時間があるようだ。
ふんふん、とアリスの言葉を聞きつつ、ちらりと周囲を見渡してみると。
「(……あっちゃー。マ、いっか)」
あからさまに引かれている様子。無理もない。
ひっそりと口にした迅鯨のハイパー兵器に関して、アリスのほうからは言及されなかったので、そこについては黙っておくとして。
「そうかねー。確かに楽しいかどうかってのは考えるし、そこも精神的なトコには入るんだろーけど。俺ちゃんはどっちかっつーと感覚のほうが大事だからねー。相手の温度とか、つながってる感じとか。もちろん快感とか……」
にひひ、と歯を剥き出して笑う。
■アリス > 迅鯨さんより後の注文なので、まだ私も時間は掛かるらしい。
昼食時だし仕方ない。周囲が引いてるのは…仕方なさ過ぎる。
兵器はもう触れたらアウトな香りがして、流石に避けた。避けざるをえなかった。
「ぬくもりや感覚だけでも、精神的な部分だけでも、満足できないって人もいるですしー。
最初から堕ちてると見られるとあれですよー。満足感がないーって奴らしーです」
等と真顔で言ってみる。
その辺、ウ=ス異本でも心理描写とか堕ちて行く過程を描かれていたりする事が多いのは、そう言う最初から堕ちよりも精神的な充足が得られやすい、と言う話があったりするわけで。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に嶋野陽子さんが現れました。
■蘆 迅鯨 > 「ふんふん……」
アリスが真顔で語ったこととは、自分はまるで無縁であった。
「あー、そっか。俺ちゃん割とビッチつーか、お互い気持ちよけりゃ誰とでもいいみたいなとこあるしナー。清楚さとか貞操観念とかそういうのまるでねーから、俺ちゃん」
一寸の恥じらいもなく語った後、なおも笑う。
迅鯨は異能の暴走により心身に傷を負った生徒のため用意された『たちばな学級』に通い、個別に授業を受ける身。
それ故、学内で友人を作ることはほとんどなかった。
まだアリスにこの事実を伝える気はなく、あくまでも自分に貞操観念がないだけ、として説明する。
彼女がこれほどまでに享楽に走るのは、すべて寂しさを紛らわすためである。
■嶋野陽子 > ランニングの帰り道に、学生街の
車道を安定の時速30キロで走っていると、補水液を
切らした事に気付き、さらに昼食時となった事に気付
いた陽子は、大混雑のファミレスを避けて、何故か奥
に空席が見えるカフェテラス「橘」に入る。
空席の奥に見知った顔を見付けた陽子は、アリスさん
の方に近づくが、途中で脳内に『俺ちゃん貞操概観念
とかそういうのまるでねーから』という思いっきり
R18 な思考が入ってきて立ち尽くす。
アリス達のテーブルから2m手前で立ち止まった陽子
に、テーブルの二人は気付くだろうか?
■アリス > 「そーゆー思考身につけるのちょっと大事かもですねー」
漏れるのは仕方ないし、恥じらいとかそういう物を考える事が出来るようになればお互い楽しめるのではなかろうか、とー…考えて、妄想打ち込んで実際思考のイメージを…具体的に、ってやってみた方がいいのかなーとちょっぴり考える。
「そーゆー需要もあるですし、そうした人を見極めるのも大事ですがー、漏れるとまずいって考えもあるかと思うデスヨー?交友関係の問題もあるでしょー」
同類が居たとしても、おおっぴらに漏れると交友関係に悪影響でそうで困る場合もあるわけでー。
■蘆 迅鯨 > 「そうかねー」
などと、半ば適当に相槌を打っていると。
「んやっ」
アリスのほうに筋肉質な少女が近づいてくる。彼女のほうを見やり。
「……よぅ。初めて会うよな。なーに、もうちょっと近づいてきてもいいんだぜ?」
声をかける。二人と筋肉質な少女の間には、まだ若干距離が開いている。
会話をするなら近くのほうが便利であろうと、少女に促した。
「俺ちゃんは蘆迅鯨<ルー・シュンジン>。この子ともさっき会ったばっかでさ。せっかくだから話してたんだ。よろしくぅ」
早口で名乗り、アリスとの出会いの経緯についても話す。
■嶋野陽子 > アリスさんと話していた蘆さんが、
先に話しかけて来る。彼女の言葉が耳と脳内にステレオ
で響くため、先程漏れてきた思考は彼女のだと理解する
陽子。
事情を理解したのでアリスさん達のテーブルまで進み、
「アリスさん、蘆さん、こんにちは。私も同席して
よろしいですか?」と尋ねると、
「私は今月編入したばかりの一年生で、嶋野陽子と言
います。こんなガタイでも保健委員やってます。」と
蘆さんに自己紹介する。
改めて蘆さんを見ると・・・・でかい。
■アリス > ……ふと、 迅鯨さんの反応で見ると、インパクトさんで脳内ネームが固定された人が立ちすくんでいました。
…あぁ、そりゃそうですよねーとまったりと構える。
「…おひさしーですー。」
この状況で混じるのはとても勇気があると思う。隠しメニューに挑戦した時から思っていたけれど…。
「ほーい、と…まーそーゆー事ですよー。
お互い気持ちよくなりたいなら、その辺ちょっと大事です。」
そしてお話の続き。貞操観念がない系の子が気持ちよくなるために貞操観念を身につけて今までの事を恥ずかしがり出すのも素敵な気がしてきたのでそっち路線に誘導もアリだろうか…。
■蘆 迅鯨 > 「うん、陽子ね。保健課か。なんか世話になるようなことがあったらよろしく頼むわー」
筋肉質な彼女――嶋野陽子にそう告げると、彼女の視線が胸元に向いていることに気付き。
「……気になるゥ?」
その豊満かつ柔らかなバストを両手でわざとらしく持ち上げて強調、誘惑してみる。
つい先程アリスに恥じらいを持てと言われたそばからこの行動であった。
すると、やがて注文していたチョコレートケーキとイカスミスパゲティが運ばれてくる。
「おっ、来た来た。んじゃ、お先にいただきまーす」
と言ってフォークを取り出し、まずはスパゲティに口をつけ始める。
■嶋野陽子 > この体型と普段の物腰からは想像
しづらいが、実は陽子はこの手の話題は嫌いでは無い、
名にしろ自分の身体を恋人の妄想に合わせて改造した
程である。
「何やら面白そうな話題ですね。妄想なら私のこの身
体も恋人の妄想を叶える為に鍛えた物ですし」と言い
かけた所で爆乳を揺らす蘆さんが
『気になるぅ?』
と聞いてきたので、
「はい、とっても」と素直に返す陽子。
蘆さんに料理を運んできた人に、アイスカフェオレ
とカルボナーラを注文する陽子。ここからは電車か
バスで帰るつもりだ。
■アリス > 「…ま、すぐには無理ですわなー」
ちょっぴり諦めた。
だって流石にこの行動即は無理無理と思うわけでして。誘導やるにしても少しずつだなぁーと。
「お、そうするとそろそろ私のもですねー。
って妄想をかなえるためじゃなかったんじゃー」
あれ?前聞いた理由と違う。ってゆーかメインは救助とかって聞いたようなー…どうだったっけ。ってか気になるのか…とサイズをみて、むしろ興味方向逆じゃないかなともわもわ。
■嶋野陽子 > アリスさんの突っ込みに、
「実は、彼を治すだけだったら、ここまで大きくならず
に済む方法もあったのですけど、私自身サイボーグに
なるのは嫌だったのと、彼が大きくて筋肉モリモリの
女の子が趣味だったので、こっちに改造してもらいま
した。流石に初対面でそこまでディープな話は・・・」
と前の説明とのギャップを補足する。
一言で言えば、彼の趣味と実益を兼ねた選択だったの
だ。
■蘆 迅鯨 > 「ふふ。やっぱ気になるンだ♥」
と、素直に答えた陽子に対し、蠱惑的な視線を向けた後。
「ふーん。恋人の妄想のために体をねー。んで彼氏さんは筋肉モリモリの女の子が趣味と。そりゃスゲーや」
再びスパゲティを食べながら、陽子の鍛え方と恋人の嗜好の両方に、素直に感心する。
筋肉質な女性を好む男性も少なからずいることは想像に難くないが、これほど鍛えられた体を好む男とは。
「ちなみに俺ちゃんのコレは天然モノよ。ハイパー兵器もナ」
再びバストを両手でわざと揺らし、アピールしておく。
■嶋野陽子 > 蘆さんの『ハイパー兵器』という
言葉に、まさか、こんな立派な燃料タンクに加えて、
主砲まで装備しているのかと目を見開く陽子。
「ハイパー兵器と言う事は、30センチ砲くらいです
か?」と平然と尋ねる陽子。
■アリス > 「あーりゃー……あれそれって げふんげふん。」
うむ?なるほど繋がった、繋がったし初対面でっというのも解るけれど、最初に良く付き合えたなぁーと思ってしまう。…
彼氏も凄いけど、よく…男に走らなかったなぁ、彼氏。好みに合わせたって事はマッチョなだけではなくてというのも想像できるし…。
「…そっちはそっちで凄いけれど、その兵器の話はやめときましょう?」
食事処(酒抜き)ですよ?と突っ込みを流石に入れる。
そう考えても兵器の意味はやばそうだ。何で私が自制側に回るんだろう…
■蘆 迅鯨 > 迅鯨の体に備わったハイパー兵器。それについて陽子に尋ねられると、目を輝かせつつ。
「ウ~ン……流石にそこまではいかないだろーけど、そのへんの男のよりはよっぽど……」
と言いかけたところで、アリスに制止され。
「あー……そだな。うんうん。この話はまたの機会にってことで。なんなら実物もその時に……」
とりあえずこの場ではこれ以上の言及は避け、再びスパゲティを一口。
■嶋野陽子 > この手の話は、軍事用語に
偽装すると卑猥に聞こえないのだが、確かにアリス
さんのいう通り、まっ昼間のレストランでしていい
話ではないか。
「アリスさん、ありがとう。そしてごめんなさい」
と、制止してくれたお礼とお詫びをする陽子。
話題を戻そうとして、
「蘆さんは、さびしいんじゃないかな?自分の
内心をぶちまけられても側にいてくれる人を
求めている感じがするわ」と、第一印象を整理
して伝える陽子。
■アリス > 静止をかけたところで閃いてしまった。
二人が止まった所で、真面目な顔をして…。
「そうそう、またの機会にってゆーか、バナナを食べている人だって居るんですよ!」
あえて言った。わざとである。魔がさしました。被害どれくらいかな?
「いえいえ、どういたしまし…て?」
ふと、人の気配がしてふりむくと店員さんが注文してたドーナツもって立ちすくんでました。内心でごめんなさい。そっと受け取ろう。
■蘆 迅鯨 > 迅鯨の普段の態度や貞操観念の無さは、すべて彼女自身が感じ続けている途方もない寂しさと、一種の自己破滅願望に由来するものである。
陽子の言葉に、迅鯨は秘めていた本心を的確に突かれた気がして。
「……タハハー、鋭いねー陽子は」
左手を頭の後ろに当て、恥ずかしそうなポーズをとり。
「俺ちゃんこんな異能持ちだしサ、通ってるとこも通ってるトコだから……友達らしい友達もいねーんだわ」
それらしく伝えるものの、『たちばな学級』の名前そのものはまだ出さない。
「んだから……俺ちゃんこんな風に毎日うろついて探してんのよ。なんなら俺ちゃんの体だけが目当てでもいいから……少しだけでも、側にいてくれるヒトってやつをサ」
そう語る迅鯨の表情は、それまでよりやや暗かった。
■嶋野陽子 > (今はお昼時だから、バナナ
よりもソーセージの方が被害が大きかったかも)
という脱線思考の後に、
蘆さんの真面目な回答を聞き、蘆さんの名前をどこ
で見たか思い出す。「たちばな学級」の名簿だ。要保護
リストとして、保健委員には開示されているのだ。
少し考えた陽子は、
「確か、寝てるときに全く制御できなくて、夢の中身
を『放送』しちゃうって聞いてるわ。だから寮で寝る
事ができないって。 よし今夜はいい寝場所を用意
してあげよう。安心してぐっすり眠れる所を」と、
何か閃いた様子の陽子。
■蘆 迅鯨 > 腕を組んでバストを強調する動作は忘れずに、真剣な面持ちで深く頷きつつ。
「そーそー、そーなんだよね。よく知ってンじゃん……え?何だって?」
いい寝場所を用意する――聞き間違いでなければ、そう聞こえたか。
「陽子が?俺ちゃんに寝床を?そりゃまたどういう風の吹き回しで……」
素直な感謝の気持ちはあったが、それよりもまず驚きが先に出る。
他人が自分の異能のことを考慮し、何かしら明確に行動を起こしてくれた経験は、迅鯨にとってはまだ少ない。
■アリス > あんまり大きくなかった…ドーナツをはむついてちょっとお話を聞く感じ…。
通ってる所もってのはよく解らないけれど、何か特殊な所のようだ。
しかし、夢の中身を放送とは……。うん?これって私の異能で妄想を送れば全体的に放送されて……。
今はやめとこう。保護するつもりみたいだし…。
「ふむー…………意外と学園慣れしてる人ならだいじょーぶな気がするですけれどもねー」
ぽつり、と言ってみよう。届かなければそれはそれ。
■嶋野陽子 > 『それまあどういう風の吹き回しで?』
という蘆さんの疑問は当然の事。途中経過を30段階
くらいすっ飛ばして結論から入ってしまったから。
「えーと。まず二人でじっくりお話できる場所をと思
って、あ、アリスさんも本に書いたりしないのなら同
席OKよ、そうするとここみたいに会話の内容が駄々漏
れじゃあまずいから、そういう話をするのにいい場所
ならば、蘆さんが寝るのにもいいかな?って思った
の」と、途中経過を説明する陽子。
アリスさんの言う通り、学園慣れした人なら受け入れ
られるかも知れないけど、まずはそうでない人に思考
が漏れない安全地帯を確保するのが先決。
■蘆 迅鯨 > 「ふんふん、なるほどね。しっかし……そんな場所ってあんのかねー」
迅鯨の異能――『夢見るままに待ちいたり』<ウェイツ・ドリーミング>の効果によって送られるテレパシーは、壁や床などの遮蔽物を容易く通り抜けてしまう。
遮断するにはテレパシーを受け取る側が異能による精神干渉への耐性を持つしかないのが現状だ。そして、それを持っている者は限られる。
それをどうにかできる場所が、果たしてあるのだろうか?腕を組んだまま、迅鯨は訝しんだ。
■嶋野陽子 > 『しかし、そんな場所って
あんのかねー』もっともな疑問だ。それに答えるには
陽子からも質問する必要がある。
「寝てるときの思考って、どれくらい遠くまで届くの?」
この答に、私の解決策の正否がかかっている。
■アリス > まった、本を書いてるのはどこから漏れた。
あれ本当にどこから漏れました。画材買ったときは…居なかった筈だし…?
いや、そ知らぬ顔をしていましょう。そうしましょう。
「……いやーその。どこから突っ込みをーとゆーか。
思念波って物質的な何かで遮るのは無理な場合が多いのですよー?」
言わないけど妄想を壁越しに送る、なんてのも出来たりするわけでして。
生物で取り囲むとかだろうか…生きた部屋?んー?
■蘆 迅鯨 > 眠っている時の思考が他者に届く距離について問われると。
「そだなー……結構遠くまで届くとは思うけど、正確な距離までは測ったこたねーな。寮でいったら部屋4個分以上は余裕で通り抜けちまうみたいだけど」
何せ本人は眠っているので、自らの思考が届く正確な距離などわかるはずもなかった。
しかし、完全に制御不能になった際は非常に広範囲にわたって送信されることは確か。憶測も交え、だいたいの距離を答える。
■嶋野陽子 > 「本に書いたりしないと言うのは、
話を漏らす例えよ。それとも何か執筆中なのですか?」
と何故かあたふたしているアリスさんに言う陽子。
「常世島全域とか言われたら、私の奥の手を出すしか
無いけど、数キロ以内ならば、開拓村の離れた農家を
借りると言う手があるかな、と思ったの」
と答える陽子。
「今夜については、私と一緒に、秘密の場所でどうか
しら?」未開拓領域の秘密基地なら、周囲2キロに
人気は無い。最寄り駅から5キロあるが、駅に自転車
を繋いであるから二人乗りすれば行ける。
■蘆 迅鯨 > 「さすがに島全部まではいかねーさ。開拓村の農家?あー……そういう手もあったかー」
迅鯨としてもまったく考えが及んでいなかったわけではないが、
当面の選択肢にはなかった場所である。安全のためとはいえ都市部から離れてしまうのはどうか、と考えていたが。
「秘密の場所ねー……そう言われると俺ちゃんもソソられるわなー」
じゅるり、と舌舐めずり。あからさまによからぬ考えが浮かんでいる。
■アリス > 「…まずどこからどーしてとゆーかー。
何故に噂でもなく本とー。」
執筆はとりあえず伏せよう。でもってそ知らぬ顔で聞いておいて。
「農家ってそれは……」
大丈夫なのだろうか。開拓村って…人がいつ来るかわからないイメージがある。とゆーか数キロも他の農家がない場所ってあるのかどーか。まぁあると言えばあるのだろうけれどー…。あ、これ舌なめずりは…触れないで置こう。そっとしてドリンク啜っとこう。
■嶋野陽子 > ここで私のカルボナーラとアイス
カフェオレが到着する。シリアスな話題なので、ウェ
イトレスさんの表情も単に当惑しているだけだ。
「農家暮らしは、一人では無理です。本当は4、5人
の心を許せる仲間が欲しいですね」と、現時点では
難しい事は理解していると伝える陽子。
「居住区にも、周囲100mに人家の無い家ならあるかも。
その辺は、まず蘆さんの射程距離を測定してから決め
ましょう。これが判らないと、後の計画が立てられ
ませんから」と、具体的な話を始める陽子。
秘密の場所と聞いて、蘆さんの良からぬ妄想が聞こえ
て来るが、今は気にしない。食べる積もりが底無しに
呑み込まれる事があるのが常世島だ。
■蘆 迅鯨 > スパゲティに口を付け、そろそろ完食寸前のところまで持っていったところで、4、5人の心を許せる仲間、と聞き。
「仲間?わー無理無理ハードル高っ。俺ちゃんにはとうていできそうもねーわー」
と、前方に突き出した両手を激しく振って難しさをアピールしつつ。
「……マーいずれにせよ、どっかで俺ちゃんのテレパシーが届く正確な距離ってのは測る必要あるわけだわな。んでー……測るならどんな感じでやんの?やっぱ訓練施設とかで?」
測定の方法についても尋ねてみる。
■アリス > 「……農家って一家単位だから。……まず栽培方法を勉強しないと厳しいと思うよ?…1年掛かるんじゃないかなぁ」
育てる作物にもよりそうだけれど。
生活も考えると…現実的にハードルが…。
なんでだから私が自制側というか突っ込み側に回る事に…ドリンク啜ろう。あ、なくなりそう。
射程距離の話題にも耳を動かして…そういえば、射程距離の問題は…大きそうだし、精神状態で不安定かも知れないしで測定が難しそう。
■嶋野陽子 > 測定方法について聞かれて、
「訓練施設だと人目があるから無理ね。人気の無い場
所じゃないと大騒ぎになるわ」と言って、訓練施設の
使用を否定する陽子。
「アリスさんが信用できれば、我々二人がいろいろ
やってる間に、アリスさんにテレパシーを感じなく
なる距離を測ってもらうのが確実かなと思うけど、
蘆さんはどう思います?」ときく陽子。
「そもそもいつ最大射程になるかも判ってないんです
よね?ひょっとすると寝てるときよりも気持ちいい
時の方が遠くまで飛んだりするかも」と新たな指摘を
する陽子。
■蘆 迅鯨 > 陽子から提示された方法をどう思うか、聞かれると。
「んー……アリスがいいんなら俺ちゃんもそれでいいっちゃ……いいけど……」
若干表情が暗くなる。眠っている際のテレパシーは、迅鯨自身が見ている夢に加え、
迅鯨の過去のトラウマも包み隠さず送信してしまうことがあるためだ。
「……そこんとこ、どうなの?」
と、アリスに対して問うてみる。その後。
「あー……さすがの俺ちゃんもそこまでは考えてなかったわー。タハハー」
テレパシーは眠っている時に制御不能になるため、射程距離に関してもその際に最大になるとばかり考えていたが。
提示された新たな可能性に、迅鯨の胸が躍る。今回は物理的にではない。
■アリス > 「……まーそのー。見られたくない物もあるんじゃー…?」
覗きたい気持ちはあっても、暗くなる表情みたらちょっとまずい気がして気遣う姿勢。それに…
「それ、どれ位時間がかかる事になるのやらー?」
気持ちいいときの最大射程距離を測れといわれたら何回戦やって少しずつ移動していかなくてはならないのだろう、と思うと…何日かかるのだろう?というか人数が足りないのではなかろうか。
■嶋野陽子 > ここでステラが助け船を出す。
(宇宙船にある精神波センサーを並べて置けば、測定
だけなら出来るのでは?)
異星技術をどう誤魔化すか考えて、
「学園に精神波センサーがあったはずだから、それを借
りればいいかな?理由が理由だから、正当な目的での
使用に該当するでしょうし」と言う陽子。
「センサーを1mおきに100個並べて、どこまで届いた
かを測ればかなり正確に射程を計れるわ」と付け加える
陽子。
これで二人きりで試験できるし。
■蘆 迅鯨 > スパゲティを食べきると、ケーキに口をつける。
――精神波センサー。そういう物があったとは、迅鯨も知らなかった。
「そんな便利なモンが学園にあったとはねー。俺ちゃんがここに来る前はそんなモン使われてなかったからサー」
学園に来る前、母国で発現した迅鯨の異能を兵器として利用するための研究が行われたが、結果は失敗に終わっている。それ故、迅鯨はお払い箱のように扱われ、ここに来ているのだった。
陽子が異星由来の技術の持ち主であることは、初対面の迅鯨には知るよしもない。それ故、新鮮な驚きを示した。
「ふんふん。それならいい感じに試せそーだな」
数度、深く頷く。
■アリス > 「…ナンデスカそのセンサーって。」
初耳ですよ?初めて聞くと聞いて初耳ですよ?
なんですかそれ。なんですかっ。
カナリやばい代物ではなかろうか。…うーん?ドーナツ食べて落ち着こう。
■嶋野陽子 > 精神波センサーについては、
魔術の力で人間のテレパシーを検知する装置らしいと
いう事にしておいて説明する陽子。実際魔術研究室に
そんなものがあってもおかしくはない。
ステラには有るだけのセンサーを宇宙船から秘密基地
に転送しておくように指示した。
「食べ終わったら、すぐに向かいますか?それとも
日を改めますか?」と蘆さんに確認する陽子。
■蘆 迅鯨 > 陽子に問われ、しばし考えた後。
「そーだな。俺ちゃん今日はちょっくら用事とかあんだよね」
無い。色々と手間のかかりそうなことは後回しにして、とりあえず一人で遊び歩きたいがための口実である。
「んだからさ、また陽子の都合がいい日にソレやってくれよ」
といって、懐から電源の入っている端末を取り出し。
「陽子は端末持ってる?持ってるなら俺ちゃんのアドレス送るからさ。やるとなったら連絡してくれよな」
陽子に対し、連絡先の交換を申し出た。
■アリス > 「…う、うーん……そんな物がー…」
あるのですか。これはちょっと困った。…場合によっては…?
と、なると忙しくなるし…魔術に検知されなさそうな物を探す…?うーん。
ドーナツ食べ終えて。そろそろ出ようかな、と席を立つ。
「それじゃあ、そっちはお話が纏ったようですから、私はこれでー。」
それじゃあ、と手を振ってトレイを持って収集場所に戻しに向かい、そのまま外へ。
■嶋野陽子 > 陽子としても、準備に時間をかけられる
方が有り難いので、蘆先輩(データベースを見て気
付く)と連絡先を交換する。
「私は女子寮の19号室なので、寂しくなったら何時
でも来て下さい。」と蘆先輩に告げる陽子。
アリスさんには、「途中から話題をハイジャックして
ごめんなさいね」と謝る陽子。
■蘆 迅鯨 > 「おう、じゃーなー」
去ってゆくアリスに対し、手を振って見送る。
「そうだな。寂しくなったら……ムフフ♥」
またしてもよからぬ想像が浮かび、顔がにやつく。
そして気がつくと、いつの間にやらケーキも食べきっていた。
「んじゃぁ、俺ちゃんもそろそろ行くわー。今日は色々とあんがと。またよろしくぅ」
陽子に感謝を告げ、席を立つ。
ご案内:「カフェテラス「橘」」からアリスさんが去りました。
■嶋野陽子 > 陽子もカルボナーラとアイス
カフェオレを食べ終え、
「アリスさん、蘆先輩、またよろしく」と手を振って
見送る。
■蘆 迅鯨 > かすかに見えた、未来への希望を胸に抱きつつ。
やがて黒いフードの少女は、カフェテラスを後にした――
ご案内:「カフェテラス「橘」」から蘆 迅鯨さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」から嶋野陽子さんが去りました。