2015/07/02 のログ
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」に焔誼玖杜さんが現れました。
■焔誼玖杜 > 【放課後のファミレス。
定期試験後のここは、希望と絶望が入り混じったような、ある種惨状といえる空間になっている】
「…………」
【そしてここにも、顔色を青ざめさせているのが一人】
『……そうあまり根を詰めるな』
【そんな心の内から聞こえる声にも反応を示さない。
ノートと参考書を広げたまま、呆然と固まったままだ。
今日の結果は、上出来と言っていい結果だろう。
魔術系科目の筆記は、取りこぼさずに済みそうだ。
実技には難があるけれど、ともかくこの調子でいけばこの学園での進学は問題ないだろう。
……そう、この学園でなら】
■焔誼玖杜 > 「ぜんぜん、頭に入らない」
【焔誼玖杜は、異邦人であり、留学生である。
いずれ、元の世界に戻り、本来の学業に戻るのだ。
年齢的には中学生であり、義務教育のために留年は基本的にない、が。
その後の進学には色々と関わってきてしまう。
というのに、魔術や異能は、まったく関係がない】
■焔誼玖杜 > 「……どうしよう」
【必要なのは、一般的な中等教育の成績である。
それに気づいたのは、初日の試験を終えて余裕の出来た今になってからだった。
魔術や異能を学ぶには、様々な分野の複合的なものが必要である。
しかし、それらはどれも応用知識。
一足飛びに応用知識ばかり『そういうもの』として暗記しただけの玖杜は、基礎がガタガタだった】
■焔誼玖杜 > 「国語、数学、理科、社会……あとはそうだ、英語も……」
【実はそのどれもが苦手である。
いや、とりあえず国語はなんとかなるだろう。
しかし数・理・社・英……ここに関しては、非常に厳しい。
なにせ、玖杜はただ真面目なだけで、それほど成績はよくないのだ。
その上要領も、とても良いとはいえない。
去年、元の世界で中学生をしていたときも、ただ真面目に毎日の予習と復習を繰り返していただけなのだ。
当然一夜漬けや、直前の危機的追い込みなども経験がない。
この試験期間中に、中等教育科目でまともな成績が取れるかと言えば……暗い未来しか思い浮かばなかった】
■焔誼玖杜 > 「なんで、気づかなかったの……」
【ノートの上に突っ伏し、いよいよダウン。
なぜかと言えば、この学園の空気にすっかり毒されていたからだろう。
元々玖杜にとって非日常だったはずのものが日常になり、その中で本来の日常を忘れていた。
そのために起きた悲劇である。
とはいえ、今回で何かが決定的に決まると言うこともない。
成績表が少し、悲しいことになるだけである。
次回以降で挽回できないわけじゃない。
……しかし、そう割り切れない程度に、真面目なのがこの焔誼玖杜という少女である】
■焔誼玖杜 > 「だめ、できる限りのことはしないと……」
【最低限、悪あがきはしなければ。
そう思ってもう一度起き上がる……が。
手付かずの参考書に白いノートを見て、くらっとめまいを起こした】
「……何か頼もう」
【そうだ、きっと糖分が足りてない。
だから頭が働かないんだと、冷や汗をかきながらの現実逃避。
いつの間にか、マフラーの内側は冷や汗で湿っている。
メニューを広げて、デザート類のページを真剣に眺め始めた】
■焔誼玖杜 > 「特製クリームパフェと、ホットココアをお願いします」
【注文を聞きに来た店員に、この店の売りであるデザート類の一つを頼む。
注文を記して店員が戻っていくと、休憩とばかりにぐったりと背もたれに寄りかかった】
「……はぁ」
【気の抜けた……それこそ口から魂か抜け出ていきそうなため息。
あまりの気の重たさに、そのまま椅子に沈み込んでしまいそうだ。
実際、脱力しすぎて徐々にずり落ちていっているが】
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」にアリエンティアさんが現れました。
■焔誼玖杜 > 【しばらくそうして、ぐったりとしていると。
頼んだパフェとココアがやってくる。
見るからに胸焼けしそうな量のクリームが乗ったパフェに、甘ったるい匂いのココア。
ソレを見て、玖杜の瞳はようやく活力を取り戻したように光を得る】
「……いただきます」
【僅かの迷いもなくスプーンをパフェに突き込み、クリームを掬う。
口に含めば、柑橘系の香りと甘ったるいクリームが味覚を溶かして行く】
「ああ……」
【思わず声が漏れた。
薄れていたはずの感情が容赦なくゆすぶられる。
この瞬間、この甘味に身をゆだねている瞬間。
間違いなく玖杜は幸福だった】
■アリエンティア > 「えっと……」
背中に背負う革のリュック。
それに、古典と理科の教科書を入れて、ルーズリーフを詰め込んで。
学校が終わってから飛び出したのだが……思いのほか、混雑していて
ちょっとたじろいだ。
テスト期間。誰かと勉強。もしくは家だと勉強ができない。
そんな人は山ほどいる。気分転換をする人もいるだろう。
つまるところ、出遅れた。
席が空いてない……
白と黒の特徴的な髪を揺らしながら、席を探すが……
空いてない……
「……どうしよう」
最近はここで勉強するのが癖になっていたため、そわそわ。
「あの、店員のおねーさん……席、ないですか?」
そう訪ねてみても、今は満席としか帰ってこなかった。
帰るしかないのかな、なんて
ちょっとしゅんとして……
■焔誼玖杜 > 「…………?」
【一口目を堪能し終え、糖分を補給したからか視界が開けた。
文字通り、必死になりすぎてテーブルの上しか見えていなかったのだろう。
その開けた視界で店の入り口を見てみれば、自分よりも小さな子が一人、困ったように肩を落としている。
店内を眺めれば……席は埋まっている。
少し考えて、店員を呼び出し一言伝えた】
『……相席でよろしければ、と、あちらのお客様が』
【その店員がすぐに少女に声を掛けるだろう。
店員が示した先には、夏の装いにはとても見えない黒髪の少女がいる】
■アリエンティア > 「ぁ、ぇ!?」
嬉しそうに今にも飛び跳ねそうなほどの声を上げて。
はっと口を抑えて、しゅんとする。
さっきのは落胆だが、今のははずかしさで、だ。
「その、お願いします……」
そう告げると、店員さんは微笑みながら席に案内して。
相席を許可してくれた黒髪の少女に御礼をつげて下がっていく。
残された、アリエンティアはというと……
「……あ、相席ありがとうございます」
ぺこりと頭を下げて。
その服装を見たら
(……冷え性、なのかな?)
そんなに冷房が強いとは思わないが。
そういうのが苦手な人は女性に多い。
だから、ほんの少し。不思議そうにしつつも
そのまま見つめて。
そっと、座ってもいいですか? と尋ねた
■焔誼玖杜 > 「どういたしまして」
【やや表情に乏しい顔で、起伏の少ない語調で答えると、どうぞ、と席を勧める。
なるべく微笑んでみようとしたが、少々ぎこちなかったかもしれない】
「…………」
【少女に着席を促せば、自身はパフェの二口目に挑む。
やはり口内を柑橘系特有のさわやかさと共に甘さが満たし、自然と笑みが浮かんだ】
■アリエンティア > (なにかまずいこと、しちゃったのかな……)
ぎこちないそれを見れば、ぐるぐる頭を巡った思考。
それを振り払うようにぺちぺちと頬を叩いた。
「あの!」
せっかくのチャンスだ。だから今日は先手必勝。
こういうのは怖気づいちゃいけない。
「……アリエンティア・ルン・エーデルハルト、です
よ、よろしくお願いします」
自己紹介。まずはそこからだ。
「12歳、ですけど高校一年に所属、です
ドイツ出身です、好きなものは、甘いものと
あったかいものです。嫌いなものはまだよくわかりません
日本語不自由ですっ」
ちょっと相手のことを考えなさすぎだろうか?
でも、自己紹介は知ってもらうのと同時識るのに
大切だと、そう思った。
だから矢継ぎ早にそういって
「……お名前を伺ってもいいでしょうか?」
おそるおそる……
■焔誼玖杜 > 「…………」
【突然の自己紹介に、面食らったように数度瞬きを繰り返す。
とりあえずスプーンをおいて、一呼吸置き、もう一度。
今度はうっすらとだったが、自然な笑みだったろう】
「私は焔誼玖杜。ほむらぎ、くと。
十四歳で、中高で言えば、中学二年。
好きなものは……えっと、私も甘いものとあったかい物かな?
嫌いなもの……寒いのは嫌いかな。
今は感情表現がちょっと不自由なの。ごめんね」
【そんな風に、少女の自己紹介をなぞるようにきっちりと答える。
繰り返すが、この娘は真面目なのだ】
「すごいね、私より二つも年下なのに、高校生なんだ?」
【心ではすごいと感心しているが、やはり表情にはあまり出ない。
口元が僅かに動いたり、眉や目じりが動くがその程度だ】
■アリエンティア > 「あ……」
笑った。すごく綺麗だと思った。
黒髪は艶やかで。あんまり見っることはないであろう
その笑顔はなんか、こう心にくるものがあって。
マフラーはすごく、季節とは合ってないけれど
この人にはいつでも似合うような気がするななんて……
日本人はみんな。なんでこう魅力がわーってしてるんだろ。
お冷を飲みながら、ちょっと落ち着いて。
店員さんにいつものアイスコーヒーを頼んだ。
「フラウ・ホムラギ……
おねーさんなんですね! いや、あたしからしたら
ほとんどおねーさんおにーさんなんですけど
不自由、なんですか?」
きょとんとしながら、自己紹介を返してくれたことに
ほっと一息。安堵して
「あ、うん。その、ちょっと追いかけてる人がいて
がんばって高校生レベルで編入しました……」
えへへなんて、褒められ慣れてないからか
頬を赤く染めて、髪をくるくる。
ほんとだ、ちょっとしか表情にでないんだ
なんて思いながら
■焔誼玖杜 > 【ああ、可愛い子だなあ、と感想を抱いた。
表情が素直で、黒白の髪も赤い瞳もどこか幻想的な、それでいて地に足の着いた可愛らしさを感じられる。
とくに赤い瞳には……少しばかり親近感が湧く。
この学園に着てから、赤い目の人には縁があるのかもしれない】
「おねーさん、って言うほどじゃないよ。
二つしか違わないし……ありえんてぃあ、ちゃんの方が……勉強も出来るみたいだし」
【わきに除けたノートと参考書を一瞥し、僅かに眉がしかめられる。
いや、見なかったことにしよう。今は目の前の甘味と少女に集中すべき。現実逃避ちゅうなのだから】
「うん、少し魔術を使いすぎちゃって。疲れちゃったの」
【魔術の代償による、心の消耗。
それが感情表現がうまくいかない、その理由であったが……聞かれなければそこまで話す必要もないだろう。
話すのも聞くのも、楽しい話ではないのだから】
「そうなんだ、追いかけてる人……。
誰かあこがれてる人でもいるのかな。
それで頑張れるんだから、やっぱりすごいね」
【照れる少女の愛らしさに、僅か微笑む。
そういえば自分も、ほめられたりするとすぐ赤くなっていたなと、他人事のように思い出しながら】
■アリエンティア > 「えへへ、そんなことないですよ。二年も違います
365かける2で、えっと……730日ですよ、24ヶ月ですよ
そうやって考えるとすごい差です。勉強は……
その、ギリギリなので、あはは……」
なんとか高校生レベルでがんばれてるくらいだ。
正直わからないところはたくさん。
だからうまく凌ぐ、くらいしか出来てない。
「魔術使いすぎ……代償に、なにか持って行かれちゃったみたいなやつですか?
……なにか、そこまでしないといけなかったことがあるんですね……」
それを口にするのは、良くないことだ。
なにせ、それだけの覚悟があっての行為で
推測で口にすることはそれを汚すことになる。
だから口を閉ざす。
「ん、そーなんです。すごい人なんですよ?
だからちょっとでも追いつきたくて、はるばる来ちゃいました。頑張れるっていうより、それくらいしかなくてですね?」
えへへっと笑ってから恥ずかしさをごまかすようにあわてて付け足して。
「……もしかして勉強中でした?」
脇のノートを見て、ぽつりと
■焔誼玖杜 > 「……そう数えると確かにすごい差かも。
ううん、ぎりぎりだってやれてるならすごいよ」
【逸れに引き換え、と我が身を省み……れない。
現実はクリームみたいに甘くはなってくれなかった。
代償の話には、ちょっとね、とだけ言って頷く。
怖い人に襲われたなんて、進んで話すようなものじゃないだろう】
「……ちょっと、羨ましいな」
【少女の笑顔がまぶしくなって、少しだけ目を伏せる。
玖杜にもあこがれる人はいた。しかし、その人たちに追いつくのは……きっと、今の自分には無理だろう。
彼、彼女たちとは、道が違ってしまったのだ】
「…………」
【一息ついてココアを飲もうとした時に、少女が零した疑問に硬直した。
表情こそ変わらなかったが、凍ったかの用に微動だにしない。
いや、仕方ない。出しっぱなしだったのだ。現実を見せられても仕方ない】
「……う、うん。
ちょっと、厳しい科目があって……」
【ぎこちなく、再び冷や汗をかきながら答える。
視線は……逃げるように逸らされていた】
■アリエンティア > 「羨ましいですか? あたしが?」
きょとんっと、した顔で。
地面につかない足をプラプラ。
なんでだろうか、その仕草が
乏しいと言った彼女の”表情”が
なんとなく、気になった。
だから--
「あたしは、フラウ・ホムラギの方が羨ましいです
魔術使えて。あたしはガラクタだそうですので」
ちょっと踏み込んだ
店員さんが持ってきてくれたコーヒーに
ミルクと、シロップをたくさん入れて
ストローですすりながら。
「……厳しい科目、ですか」
ふむっと考えて。
「英語なら、教えられるですよ? 一応、ドイツですから」
なんの理論だと思うかもしれないが
少女にはそれが全てらしく……
「国語はその、苦手ですけど。数学もちょっとなら?
あ、でも英語だけにしましょ、英語
あたしそこだけしか自信ないです」
あははっと乾いた笑い声で
■焔誼玖杜 > 「ガラクタ……?」
【目の前の少女が?
だとしたら、自分はなんなのだろう。
ただの、燃えカス……いや、それ以下だ。
焼死体が生者の皮をかぶって動いてる……アンデッドと変わらない】
「私の魔術なんて、大したものじゃないよ」
【そして、碌なものじゃない。
目を伏せたまま、少女を見れずに零す。
そう、碌なもんじゃない。だというのに誰でも使える、酷い物だ】
「……そっか」
【彼女は一応、自分より学習が進んでいるはずだ。
それも高等学習に進んでいるのだ。
それなら、未だ中等教科で悩んでいる自分に教えるくらい、難しくはないのかもしれない。
……まあ、勉強が出来るのと教える技術は別物ではあるが】
「国語は、大丈夫。
だけどほかは……英語も理科も社会も数学も……全部危ない、かも」
【そう逸らした目をノートに向けなおし手元に寄せる、話しながらも食べていたパフェを除けて】
「……よかったら、出来る範囲で教えてほしい、な。
私要領が悪くて、一人でやったらとても、終わらないから」
【大したお礼は出来ないけど……。
そう付け加えながら、恐る恐る参考書……詰まれた四冊とノートを差し出してみた】
■アリエンティア > 「はい、ガラクタです。なにせ、魔術、使えませんからね
ひとつ使えるといえば使えますけど……なんにも応用できない
ただの召喚術ですし
うちでは、ずっとそう呼ばれてました」
特に気にした様子もなく、くすりと笑う。
「そうですか? あたしには、すごく大事なものに見えますけど
フラウ・ホムラギがホムラギ クトとして大切な要因の一つですよ、間違いなく」
うんっと頷いて。
代償を踏まえたうえで使っていることが
その、”つよさ”が逃げていないことが
自分にはどうしようもなく”暖かく見えた”
「……よーっし。頑張りますよ。英語と社会、なら」
理科と数学は……うん。教えられなかったらごめんなさいとか言いつつ
ノートを出した。自分がここに編入するため
作ったノート。中学の勉強はここに書いてある。
持ってきて良かった、自分の復習になるっていう程度で
持ってきただけだったのだけど
「まぁ詰めすぎても良くないですから、適度にお話しつつ
適度に集中しつつ、ですね!」
赤い目を細めながら。
試験範囲どこでしょうと、小さい体を乗り出して覗き込もうとしてる
■焔誼玖杜 > 「そう、なんだ」
【気にした様子もなさそうに言う少女に少し驚いた。
いや、そういう子なのだろう。
それをただの事実として受け入れて、その上で目指すもののために頑張れる。
自分がただ、そんな風に受け取っているだけかもしれない。
……けれどそれでも、やっぱり羨ましかった】
「そうかな……だと、いいんだけど」
【本当に、そうだったらいいなと思う。
魔術も、この体も能力も……自分が自分であるために必要なものであるなら。
望んだものではなかったけど、それでも受け入れた力だったから。
……と、そこで。
ようやく自分が励まされていることに気づいて薄く苦笑が浮かんだ。
やっぱり、自信のなさはいろんな所に出てしまうのかもしれない、と少し自省して】
「……うん、お願いします、先生」
【そう言って、身を乗り出してくれる少女に、試験範囲を伝える。
範囲は中等教育で二年前期までの範囲。
高等学習まで進んでいれば、そう難しい範囲ではないだろう】
「……ここまでなんだけど、どこから手をつけていいかわからなくて」
【多少手をつけた参考書には、びっしりと赤線や注釈がつけられている。
ソレを見れば、玖杜が生真面目に範囲全部を覚えようとしていたことがわかるだろう。
非常に、テスト勉強としては要領が悪いやり方である】
■アリエンティア > 「はい、そうなんです。そしてそうですよ」
微笑む。別に同情とかそういうものなんじゃなくて。
そうなんだって、信じている
そんな表情だった。
「でも、難しいですよね。そういうのって
自分ってなんだろうって考えちゃうから。
だからあたし、ホムラギさんに魔法かけてあげますね?」
--よく、考えるといいですよ?
魔法の言葉だ。よく考える。
そう考えるという行為は最終的に思考停止という行為に帰結する。
だから、魔法の言葉だ。
「それがきっと、ホムラギさんには必要なのかも、しれないですから」
考えて考えて、思考を、やめる。
なんとなく、それはいいと思った。
「せ、先生とかそんな、あはは、恥ずかしいですからね?
それ、年上の方に言われちゃうと」
頬をかきながら覗き込む。
そして、そのやり方を見てふむっと笑った。
やっぱすごい人だと思う。
しっかりやっている。しかも律儀にきっちり。
要領はたしかに良くない。が、それがいけないことではないのだ。
「それじゃ、ちょっときゅっと絞りましょう
自分の国の言葉じゃないですし、全部は全部、100点は無理ですから。70~80点位のつもりで……」
そして自分がかつて勉強したノートと照らし合わせながら
文法の説明をして、気晴らしにリスニングを兼ねて
英語の発音練習とかもしてみたりする。
アリエンティアのノートは、テストで点数を取ることに重点をおいて
まとめたノートだったが、わかりやすく書いてあった。
ちなみに日本語なのは、日本語の勉強もしていたためだ。
■焔誼玖杜 > 「よく……考える……」
【時々、考えすぎているとは言われたことがある。
けど、考えるといい、そう言われたことはなかった。
考えすぎないように意識してきたけれど……もっと考えすぎるくらいに考えてもいいのだろうか。
何も考えられなくなるくらいに、考え続けても。
――なるほど確かに魔法。ささやかだけど暖かい、新しい視点の言葉だった】
「……ううん、教えてくれるんだから先生だよ。
年上でも年下でも、関係ないと思うな」
【絞ろうという言葉に頷いて、少女のノートと見比べながら要点をまとめていく。
英語の発音に聞き惚れたりしながら、こういう勉強の仕方もあるんだと、内容だけでなく勉強方法そのものも学ぶように】
「……あ、そうだ」
【ふと、思い出したように呟いて少女の赤い瞳を見る】
「名前……クト、でいいよ。
ちょっと呼びにくいかも知れないけど」
【それはなんとなくだったけど、そう呼んでほしかったから。
もう少しだけ、目の前の少女と距離を縮めたい、そう思っての言葉。
叶うなら、友達になりたいな、と。そう思っての】
■アリエンティア > 「はい……よく、考えてください。後悔、しないように」
頷いて、教えることに集中する。
最近やった勉強とは言え、付け焼刃だ。
だから教えるのはどうしても拙くなる。
しかし、これは復習でもあるのだから
きっちりやって物にしようという
そんな考えで……
「……はい! よろしくお願いしますね、クト」
発音はちょっと変。だけど、嬉しかったから気にならなかった。
「えっとですね……ここは--」
だからちょっと舞い上がっちゃって。
教え方に気合が入ったのは目に見えてわかった。
そんな調子で、きっと遅くまで熱心に教えたことだろう
時間を忘れてしまうほどに
■焔誼玖杜 > 「……うん」
【後悔しないように。
その言葉をしっかりと頭に刻んで】
「こちらこそよろしくね、アリエンティアちゃん」
【発音なんて気にならない。
玖杜もまた、それくらい嬉しかった。
……表情はちょっと笑っただけだったが】
「うん……そっか、じゃあここは……」
【少女に熱が入ったのが伝わる。
なら、教えられる自分もしっかりしないと。
そう心中で気合を入れなおし、一生懸命に着いていく。
わからなかった事を解決するのは楽しいし、誰かと勉強するのもまた……教わるだけだとしても楽しい。
いつの間にか夢中になっていて、すっかり生暖かくなったパフェに気づくのはもう少しあと。
きっとお礼に甘いものと夕食をご馳走して。
寮住まいと知れば一緒に帰っただろう。
一晩かけて教わった成果は……きっとメールか電話で真っ先に知らせるに違いなかった】
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」からアリエンティアさんが去りました。
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」から焔誼玖杜さんが去りました。
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」に枢木 柩さんが現れました。
■枢木 柩 > 適当な席に腰掛け、カバンを置く。
適当な飲み物を注文し、翌日の科目の教材を机に広げる。
「ふー……何と言うか、学問って直接は役に立たんよな…余興って感じがする…。」
楽しいんだけど。と続けて。出来はそれなりのはずで、解ける問題を落とさず、難問を避けて、差がつく問題である程度回収する。堅実に解いていけたはずだ。
■枢木 柩 > 数学の参考書を開き、試験範囲の問題を解き進める。
すらすらと解けるところもあれば、解らずにシャーペンを止めるところもある。ちなみに彼女は筆のようにシャーペンをもって字を書くため、字が若干古風に崩れている。
「うーむ…発想がわからん…思いついた奴すごいな…」
耳が揺れる。
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」に枢木 柩さんが現れました。
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」に枢木 柩さんが現れました。
■枢木 柩 > 「ふう。」
出題範囲をざっと解き直し、開放を確認して、参考書を閉じた。
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」から枢木 柩さんが去りました。
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」に満島明月さんが現れました。
■満島明月 > ぼさぼさとした髪以外に特徴の無い、制服の男子学生。
この世にモブ、という人種が存在するならきっと彼がソレだろう。
壁際の2人席に座り、ノートパソコンを開いて作業をしている。
机の上にはたくさんの資料と、結露の零れ落ちるグラスが一つ。
資料を読んではぼさぼさの頭を書いて、再びパソコンに向かう。