2015/06/07 のログ
■鈴成静佳 > むむぅ、なんか東のほうが騒がしいッスね。花火でもやってるんスかね(夕焼けに先立ち暗くなってきた東の空を見上げる……落第街のほうだ)
(気を取られていると、不意に高い波が襲いかかり、ショートパンツが半分ほど濡れてしまう)のわーっ!!
■鈴成静佳 > (その後、日が暮れるまでひとしきり早い海を堪能した後、静佳は寮へと帰っていった…)
ご案内:「浜辺」から鈴成静佳さんが去りました。
ご案内:「浜辺」に朝倉千蔭さんが現れました。
■朝倉千蔭 > 「……」
コンクリートの足場に腰を降ろして。
一人、打ち寄せては消える波を眺めていた。
そろそろ日も暮れる頃だろうか。
■朝倉千蔭 > 「昨日のことは、良い経験だった」
自分に言い聞かせるように、そう呟く。繰り返してかれこれ何回目だろうか。
確かに恐怖はあった――夜の神社とは違う、喉元に刃を突きつけるような。
しかしあの街は、落第街はああやって『生きて』いるのだ。
それを知ることができただけでも、これからの豊かな学生生活の足しになったというもの。
……潮風に冷えた紅茶のペットボトルに手を伸ばす。
僅かに身構えつつ、蓋をあけると、口をつけた。
■朝倉千蔭 > 冷え切った紅茶を飲み干すと、不思議と思考が進む。
……昨日出会ったのは、先生が一人と、生徒が二人。
彼ら彼女らは皆、自分の計画に引きこむには不足――いや、足りすぎている。
あの人たちはきっと、自分の言う事なんて信じてはくれないだろうから。
……誘う人は考えないといけない。
からん。
中身を失ったペットボトルを傍らに置くと、乾いた音がした。
■朝倉千蔭 > 「ん」
立ち上がり、小さく伸びをする。
……そろそろ良い時間だ、行動を始めるべきだろう。
ペットボトルを拾うと、海に背を向けた。
ご案内:「浜辺」から朝倉千蔭さんが去りました。
ご案内:「浜辺」にカエラムさんが現れました。
■カエラム > 「……。」
特に何かをするというわけでもなく、ぼうっと夕日を眺めている。
最近考えることが多過ぎたし、経験することはみんな新しいものばかり。
何にも考えずにまったりするのは、これが久しぶりなのだ。
■カエラム > 星は少なくなってしまったが、夕日はいつまでも変わらない。
変わらないものもあるということに安心感を覚える。
日差しが気持ちいい。
熱を通せぬこの体が温まることはないが、それでも日光の暖かさを感じることはできる。
橙色の光は死神を照らし、影を濃く作っている。
ご案内:「浜辺」にクラスカさんが現れました。
■クラスカ > (前回の遭遇情報から、この場所で張っていれば、そのうち現れるかと思っていた)
(憶測はドンピシャで、まさに砂浜へ腰を下ろして海を眺めるあの姿は、他ならぬ)
―カエラム。
(に違いなかった)
(浜辺の雑木林の中に隠れて、カエラムの様子を伺う)
■カエラム > 虫、鳥、菌、獣、人……
周囲にいる生物のことは大体把握していたが、そこにいる人がこちらに視線を送っていることには気がついていない。
「……gg.」
小さく唸りながら、夕日をただ堪能している。
不意に手の平を太陽にかざして、拳を握ったり開いたりしたりする。
それが終わると今度は砂浜に寝そべって、視界を燃えるような色の空でいっぱいにする。
今のところ、目立った動きは見せていない。
■クラスカ > (地球の人間ではまずありえない巨躯に被さったフードは、正体を隠すための偽装)
(誰かの入れ知恵か、また彼自身が常世島の生活に順応するために学習したのか)
(生きるためにどんな手段を取るべきか選択できる知能は持っているらしい)
(もし気配を察知されて先制攻撃を受ければ、すぐにでも姿を現す算段だった)
(生物は一人の時が最も自然体である)
(カエラムが生物かはさておいて、今の状態を記録することが、彼を知る手掛かりになる。そう思った)
……何をしているんだろう?
(遠巻きでよく分からないが、どこかカエラムが掌を掲げたり、砂の上に寝転ぶ姿は、非常に)
(人間に、近かった)
■カエラム > 砂浜に寝転んでいるカエラム。そんな彼もしくは彼女のもとに、一匹の亀が近付いてくる。
海から上がってきたビート板ほどの大きさの亀は、カエラムの隣でひなたぼっこを始めた。
「―――Ba, johan.」
『――――』
太古の言葉を用いて亀に話しかけるカエラムに、それに応えるような仕草をする亀、ヨハン。
彼らは異種族間でコミュニケーションを取っているのだ。
【ヨハン、ひなたぼっこか?】
【せやで】
その後も会話が続く。
もしも太古の語を解せたのなら、これらの意味合いに聞こえてくるだろう。
■クラスカ > (これまでいくらかの異邦人に触れ、理解できたのは)
(会話が成立すれば、相手を理解できるし、また自分の意思も伝達できるという、不変の真実だった)
(そんな幼稚園児でも知っている常識を再構築しないといけないほど、常世は超常に満ちており)
(長きに渡って形作られた地球の法則から程遠い空間だったのだ)
(結局、今のカエラムは、純粋に浜辺の自然を愉しんでいるだけか)
(数多の目撃情報でも目立って危険性を指摘する声は少なく、背中の大鎌の殺傷力がどうこうの、憶測からの指摘に留まっていた)
(問題行動も見られなかったが故、直接的な危険なしの結論を出し、今日は一旦立ち去ろうとしたところで)
(カエラムの発声に、亀が確かに答える姿を目にした)
(亀の鳴き声は稀なもので、カエラムの独り言に重ねて亀が喉を震わせた偶然の可能性が高い)
(もしカエラムが亀と意思の疎通をはかるを取る手段を取っているとしたら、彼の知識と知能は、どれほどのものか)
(仮に自分に更に学があったなら、あそこでどんな会話が交わされたのか、理解できたろうに)
(後悔の念は尽きない)
■クラスカ > (なおも亀とコミュニケーションを取るカエラムを眩しそうに眺め、雑木林の木の裏から、静かに立ち上がる)
(観察は終わりだ。生活委員会へ、カエラムに当面の危険はない、との報告書を上げなければならない)
そうそう、「もしカエラムが動物と会話をしている局面に遭遇したら、静かに見守ってあげること」って、忘れず書いておかないと。
(本当はもう少し観察を続けたかったが、次の仕事のスケジュールがある)
(後ろ髪を引かれながら、身をひそめた時にと同じに、静かにその場から立ち去った)
ご案内:「浜辺」からクラスカさんが去りました。
■カエラム > 人の気配が一つ減ったのを感じ取る。暗くなってきたからだろう、というのがカエラムの考え。
現に空の半分はもう、カエラムのコートと同じ群青色に染まっていた。
今去っていった人間がこちらを観察していたということには、ついに気付かないまま。
「……。」
会話を区切り、カエラムはゆっくりと立ち上がる。
そして、それを名残惜しそうに見やる亀のヨハン。
「―、―。」【そか、気ぃつけてな。】
「……YaYa, johan.」【バイバイ、ヨハン。】
最後に一度亀を言葉を交わすと、カエラムはその場から離れていく。
■カエラム > カエラムを見送ったヨハンもまた、海の中へ帰っていくのであった。
ご案内:「浜辺」からカエラムさんが去りました。
ご案内:「浜辺」に四十万 静歌さんが現れました。
■四十万 静歌 > ひゅっと海に向かって石を投げる。
なんとなく不安な気持ちになったので、
涼しい所で気分転換の予定だったのだが、
もやもやが止まらない。
「大丈夫かな。」
何が、とは分からないけど、
なんとなくそう呟いた。
■四十万 静歌 > 「大丈夫、だよね。」
もう一度呟く。
少しだけ気分が晴れたような気がした。
潮風が髪を撫でる。
少しばかり心地よい。
■四十万 静歌 > 答えるものはなにもない。
何が大丈夫なのか分からない自分に分かる事など何もない。
ただの、胸騒ぎ。
だから私に出来る事は――
「――」
ただ平穏無事を祈る事だけ。
夜空に浮かぶ月を見上げて。
■四十万 静歌 > ――きっと、その祈りはどこかに届く。
いや、なんとはなしに届いた気がした。
もちろん、気のせいでしかないだろう。
ただの私の願望だ。
■四十万 静歌 > 「よしっ。」
気合を入れて自分の頬を叩く。
不安になっていてもしょうがない。
とりあえず――浜辺で軽く運動のジョギングをしよう。
私程度がやきもきしたって何も変わりはしないのだから。
ご案内:「浜辺」に鈴柝カタルさんが現れました。
■鈴柝カタル > ぼんやりと空を見上げながら、浜辺を歩く。潮風に身をすくめ、どこか覚束ない足取りでいると、視線の先で黒い影が動いた。目を瞬いて、怪訝な顔のままそちらへと歩いていく。
■四十万 静歌 > ――歩いてくる人影には気づいていない。
「はしり……づらっ……!」
足元の砂に大苦戦中だ
■鈴柝カタル > ……黒い影は、何やら砂浜に足を取られながら、走り出しているようだ。
ざくざくと近寄って、目を凝らして相手の様子を眺める。
「おい」
低い声が、夜の砂浜に通る。
■四十万 静歌 > 「ふぁっ!?は、はいっ!?」
急に声をかけられてこけそうになりながらもぴーんと背筋を伸ばして硬直する。
「な、なんでしょうっ……!」
物凄く緊張している
■鈴柝カタル > セーラー服。小柄な体格。じろじろと無遠慮に目つきの悪い男があなたを見つめる。少し考えて、男は重々しく口を開いた。
「……一人でこんな人気のない場所にいるのは、危ないんじゃないか」
と、無愛想にあなたに問いかけてくる。
「この学園にいる以上、異能か魔術は使えるんだろうが、無用心だろう」
その目つきは厳しく、口調は無愛想である。
■四十万 静歌 > 「えーと、異能に魔術は、そのちょっと……
生憎手品くらいしか使えませんが……
い、一応護身用スプレーとかもってますし……」
しゅーんと小さくなって反省する。
「すみません、その通りなんですけど、
なんだか今夜は不安が一杯で……
気分転換がしたかったんですッ……」
そして何かいい訳のようなことを言い始めた。
びくびくおどおど小動物のようだ。
■鈴柝カタル > 「……む、すまん……身を守る用意があるのなら、いい…かも知れない」
急に自信を失ったようにぼそぼそと言い、腕を組む。
「不安か、不安なときに……海に出るか。そういうことも、あるか」
戸惑いが強くなり、そのまま押し黙ってしまう。表情には相手の事情に対する好奇心が覗いているが。問いかねている。
■四十万 静歌 > あわわわわと、何か黙られるとあわて始める。
「あ、いえ、その!
心配していってくれたのは分かってますから!
ええ!
でもこうして男の人と話すのになれてなくって!
そのっ!
不安に関しても漠然としたもので、
なんでなのか分からないから、説明のしようもないんですけどね!」
自分で何をぶっちゃけてるんだろうと思うが、
言葉が止まらなかった
■鈴柝カタル > 相手の早口に目を瞬かせて、組んでいた腕を解く。
「……そうか。確かに、そうだな。
こんな場所で、俺みたいなのと話していては、身構えも、するか」
納得したように頷き、相手の続く言葉にびくりと硬直したようになって。
「このところ、この学園はどうもざわついているようだからな。
不安に思うのも無理はないのだろう。
俺も、落ち着かずこんな場所まで出てきてしまった」
どこかぎこちなく、言葉をつむぐ。
■四十万 静歌 > 「俺みたいなのっていうか、
知らない人と話すのが、ええ苦手で。」
頷かれるとほっとしたように少し落ち着いたようだ。
「貴方も不安な気持ちになっていったなんて、
私も貴方も一緒、ですね。」
そして、穏やかに微笑む。
自然な笑顔から警戒はしてないようなのが分かるだろう
■鈴柝カタル > 「……ああ、そうだな。
知らない人間と話すのは、難しい……
どう話していいか、どのように自分を見せていいか、判断ができなくなる」
男の言葉は相手の意図とはおよそ違うものだったろうか。
視線を逸らし、嘆息するように言って、
「いや、今のは嘘だ。すまない。お前に話を合わせただけだ。
俺はただ、走りに来ただけだ。訓練が、日課で」
と、相手に視線を戻し。
相手の穏やかな笑みにただ罪悪感を紛らすように答えた。
■四十万 静歌 > 「嘘……だったなんて」
何か愕然とした表情になってから。
「でも、話をあわせてくれてありがとうございます。
日課だなんて、凄い努力家なんですね。
運動得意なんですか?」
ぱんっと手を叩いて気を取り直し、
言葉を続ける。
少しでも気が楽になってもらえたらなぁ、
という余計なおせっかいである。
■鈴柝カタル > 「……すまん」
恥じ入るように頭を下げ、ごそごそと着崩した制服の懐に手を入れる。
「ああ。学校でも多少動きはするが、鍛えていないとなまるからな……
それと、治安が悪い場所があると聞いて、見回りがてらに」
と、言いながら取り出したのは、鈴のついた一対の拍子木だ。
火の用心、と言わんばかりに打ち鳴らすと、浜辺にやや大仰な、澄んだ音が響き渡る。
■四十万 静歌 > 「綺麗な音――見回りもしてるなんて凄いですね。」
わぁっと、澄んだ音にはしゃぐ、
まさか実際に目の前で見るのは初めてなのだ。
――そこで、ふっと気づく。
まだ自分が自己紹介をしていない事に。
1つ礼をして、
「あ、すみません。自己紹介してませんでした……
2年の四十万 静歌(しじま しずか)と申します。」
■鈴柝カタル > 「この音が聞こえれば、悪いことをする気も起きなくなる…
とまでいけばいいんだがな」
ともごもご言って、今度は音の鳴らないように静かに拍子木を合わせた。
「1年の鈴柝(スズキ)カタル……そうか。先輩だな。
よろしく頼む」
深々と頭を下げる。見た目はどう見ても年上だが。
■四十万 静歌 > 「きっとこんなすみやかな音をきけば、
心が静かになってそんな気になってもらえますよ。
鈴柝、鈴柝さんですね。
先輩っていわれるほど立派な人間ではないですが……
いわれるとやっぱり照れますね。」
あ、頭はあげてくださいとあわてふためくようにジェスチャーしながら、
照れて赤くなった顔で
■鈴柝カタル > 言われて顔を上げ、相手の言葉に心なし顔を綻ばせる。
「四十万先輩は素直だし、人を褒める度量も持っている。
十分立派な人間だろう。……いや、いや……」
褒めたあとで懊悩するような顔になって、拍子木を軽く振った。リンと鈴が鳴る。
「すまん、今のは、ちょっと世辞が……
いや、本気でそう思っていないわけではないんだが、前の学校の悪い癖で」
と、今度はこちらが言い訳じみたような口調で言った。
■四十万 静歌 > ほめられると顔がぼんっと赤くなる。
「あわわわ、そんな、いえ、
そんな、悪い癖だなんて、
その!
あ、でも、鈴柝さんは精悍な顔つきですし、
そんな女の子喜ぶような事いうと、勘違いされちゃいますよね。
褒め言葉は好きな人の為にとっておくといいですよ!?」
何をいってるか自分でも理解してないくらいあわてている。
「それに、私なんかよりも美人さんは沢山いるんですから」
とりあえず深呼吸して落ち着いてそんな事を。
まぁ、自分の容姿に関してはどこにでもいる平凡な女の子。
マントとセーラー服という奇抜なセンスの服装だからこそ、
見分けがつくようなものだ。
――それは自分が一番知っている
■鈴柝カタル > 相手の素直な仕草に困ったように眉尻を下げて、重ねてすまん、と重ねて謝る。
「褒めるのに、相手を選ぶことはない。
だが、今のは確かに、お……四十万先輩のことをよく知りもしないのに、
無責任な言葉だったかもしれないと反省している」
唸るように言う。何か、努めて真摯に振舞おうとしてはいるようだが。
「容姿だけで女性を選ぶものもいない……
が、先輩は卑下するような見た目でもないだろう」
相手の容姿を褒めるにしてはあまりにもぶっきらぼうに男は言った。
■四十万 静歌 > 「はうう……ありがとうございます」
何かいわなくちゃと思ったけれど、
搾り出せたのはそれだけだった。
でも、本心からの気持ちなのは確かで、
真っ直ぐに目をみつめようとするだろう。
「鈴柝さんも自分らしく接してくださって構いませんよ。
自然の鈴柝さんの方がきっと素敵ですから。」
そして、真摯に勤めようとしなくても、
十分なのだと伝える。
ぎこちない彼よりも、自然な彼の方が私には好ましい。
■鈴柝カタル > 自然、という単語に、雷に打たれたように硬直する。
「……そうだな、そうか、そうだな……」
憑かれたように繰り返し、大きくため息をついた。
拍子木を片手で持ち、空いた他方の手で顔を覆う。相手の目を見返すことはなく。
「俺はそれができず仕舞いだった……
いまさら自然になろうと言うのも、失点を取り戻そうとするようでことさら無様で……
……すまん、何を話しているのだろうな」
首を振り、顔を上げてようよう相手の顔を見返す。
まっすぐな相手の視線に気圧されるように唇を引き結んだ。不意に、傷の残る顔が赤らむ。
■四十万 静歌 > ――少しだけ特徴のなかった彼女の顔が思ったより、
整っているように感じられたかもしれない。
「出来ず仕舞いで、
無様でもいいと思います。
自然になりたいって思った気持ちが、
自分にとっての願いなら――きっと。
願いは叶いますよ。」
顔が赤らんだのには気づかず、
真っ直ぐに伝えようとする。
自分にはもってないものをもっている。
だからきっと大丈夫なのだと、
確信をもって。
■鈴柝カタル > 気づかなかったのは、黒マントとセーラー服、と言う取り合わせに気をとられていたせいか。
いや、彼女の自信のなさそうな仕草にか……と自問しつつ、まっすぐな言葉に、己を見透かされるようで、
思わず目を逸らしてしまう。
「俺は……しかし、そんなに人は簡単には変われない。
頭では分かっていても……」
だから、待っていてほしいと言う言葉が一瞬口に上りかけたが、止める。
さっき会ったばかりの少女に、一体何を希おうと言うのか。
急に気まずくなってきて、目を伏せる。
「そろそろ、潮風も寒いだろう。早めに家に帰ったほうがいい。
俺も、帰らなければ」
■四十万 静歌 > 「そう、ですね。
見回りと鍛錬の邪魔をしちゃってごめんなさい……」
背を向けて、
頭をかく。
正面からみれば苦笑しているのが分かるが、
生憎と背を向けている為、見えないだろう。
「簡単に変われないならゆっくり変わればいいんですよ。
これから、ゆっくり。
まだまだ私達は時間がたっぷりあるんですし。
また、会いましょうね。鈴柝さん。
おやすみなさい。」
また会えたらいいなという願いと、
これからの彼が望んだ道を歩めるよう願って、
毅然とした歩みで去るだろうか
■四十万 静歌 > ――不思議と、その歩みは当たり前のように感じられた。
ご案内:「浜辺」から四十万 静歌さんが去りました。
■鈴柝カタル > 「む……」
諭されるように言葉をかけられ、どうにも引け目を感じる。
大柄な体をやや縮こまらせて、相手の背を見つめた。
「……変われる、という約束はできないが、
会ったばかりの俺に、そんな言葉をかけてくれるのは、ありがたい……と思う。
四十万先輩、こちらこそ、また会おう。互いに、この学園の生徒なのだから」
最後の言葉だけは真剣に、相手の背に投げかけて、相手を見送った。
送る、と言う言葉は、最後まで躊躇いの中、言えぬまま。
ご案内:「浜辺」から鈴柝カタルさんが去りました。