2015/07/21 のログ
ご案内:「常世神社」に模下 紫さんが現れました。
■模下 紫 > 中途半端に膨れた冴えない月が、薄い鼠色の雲に気持ち覆われ。名の知れない虫が聞き覚えのある鳴き声で控えめに騒ぐ。
日はとうの昔に水平線に呑み込まれたというのに、蒸し暑い。3年ほど前からお気に入りだった柄のシャツが肌にべたべた張り付いて少し不快だ。
と、本殿の縁側と、地面の隙間をペンライトで照らしながら。扇風機でも引き摺ってこればよかった。と女は思った。
「えぇ、と。これはミミズ。これは石、これも石、これは小さな石。こっちもいしいしストーンいしいしいしころ」
「反省文4枚支払ってやった牢屋脱出の真似事アトラクションより、よっぽど楽だけど。相変わらず変わったお願いだよねー」
彼女の付近にある光源は二つ。一つはペンライト。もう一つは右肩と側頭部で挟んだ、近未来かぶれた模様の携帯電話の画面から漏れる光。
どうやら電話先の相手と会話しているようだが、会話相手の声が毀れ出している様子は無い。
膝をついて這うようにし、木の枝で蜘蛛の巣を取り払ったその空間に頭を近づけて、環状に照らされた湿った土を眠気で靄のかかった視界で撫でていく。
「あった!」
ふと、女の眼が動きを止めた。
突然の大声に驚いて、足元の蟻が散らばる。目標地点に腕を突っ込むと、片手のひらに収まるほどの透き通った球体を引っ張り出す。
その内部では蒼がかった煙が淡い光を発しながら怪しげに渦巻いていた。煙は球体から外へと徐々に滑り出て、女へと纏わりついていく。
「ペンライトの光、吸い込んじゃったのかな」
「…うん、後は持って帰るだけだよね。それじゃ、はいはいまたねぇ」
いささか暗闇に映える。
大変不愉快な気温と湿度の中の捜索で溜まった疲労感も、幻想的と表現してもずれは無いであろうその物体にいささか晴れた気がした。抽象的なため確信なんてない。
とりあえず電話を切る。
縁側に腰をおとして、摩訶不思議な戦利品を眺めながら身体を休めてからでも、せっかちでない彼女の"友人"は別段縁を切ろうとはしないのだ。
■模下 紫 > おかしな球体の中に、携帯の光を入れて、また煙となって吐き出されて。今度はペンライトの光を。
足を交互にぶらつかせながら数回ほどそんな行為を繰り返して、欠伸を一つ。
さすがにここで眠ってしまうのは行儀にかける。先ほど見つけたミミズでもあるまいし。社会的判断に疎い彼女もそう判断したのか。
おもむろに立ち上がる。片手で眼をかきながら歩き出した。
「おやすみー」
彼女の住処はここからそれほど遠くない。
この時間に一人で彷徨くのは危険、なんて一度もそういった場面に遭遇したこともなく、
その上ちょっとした対策手段のある彼女には絵空事。
球体に物珍しげに集ってきた現金な羽のある虫も、空気の抜けた風船のような挨拶を聞き届けると。
そのまま各々新しい明りを探して解散していくのである。
ご案内:「常世神社」から模下 紫さんが去りました。
ご案内:「常世神社」に東雲七生さんが現れました。
■東雲七生 > (日も沈んですっかり暗くなってしまった常世神社。
その境内の裏で東雲七生は“目を覚ました”)
「んっ……ふわぁぁぁ。
あれ?……ここは、神社……か。」
(目をこすりながら辺りを見回して、まだはっきりとしない頭で考える。
──どうして自分は此処に居る、のか。
昨夜ファミレスで先輩と会食して、
その後半ば八つ当たり気味に島中を駆け回って、
空が白んできた頃に神社まで辿り着き──)
「……そのまま今まで寝てたってか。」
■東雲七生 > 「幾らなんでも寝過ぎだし……
というか、よく見つかんなかったよなあ。」
(見ればあちこち土埃で汚れたり木の枝がくっ付いたりしている。
自棄っ走りしていた時に獣道でも走ったか、と自己推測をしながらそれを払い落した。
足だけじゃなく全身が怠い。
だが、昨日ほどの気分の重さは無い。)
「……ちょっとは割り切れたって事か、な。」
(思い出すのも馬鹿馬鹿しい。
子供の我儘みたいな醜態を晒した昨夜の出来事はさっさと忘れてしまおう。
そう思いながら境内へと回る。)
■東雲七生 > 「──今、何時だろ。」
(夜の神社は相変わらず人が居ない。
祭の日であればまた違ったのだろうか。
しかし今の薄汚れた姿を人に見られないという点で好都合だ。
顔周りなんて、きっと特にひどい。)
「……そういや、祭ん時は来たこと無かったなー。」
ご案内:「常世神社」にトトさんが現れました。
■東雲七生 > (現在時刻の確認も兼ねて携帯端末を取り出す。
何度電源ボタンを押しても一向に画面が表示されない。)
「ははーん、さては寝る前にアプリ起動したままだったな?」
(所持品と言えば、端末と財布だけ。
現在時刻が分からない事には電車が動いてるかどうかも判断つきかねるが、
まあ日付が変わる間近とかではないだろう、と目処を立てた。
最悪終電を逃していても、いつも通り走るか、歩いて帰れば良いのだから。)
「……しっかし、体いってえ~……。
馬ぁ鹿俺、昨日どこ走ったんだよ……。」
■トト > 「いや、野外訓練でもしてたのか不思議なくらいの状態だったね?僕でも流石に【普通じゃない】
と思ったものさ、七生、訓練するにもオーバーワークはダメ、僕は知ってるよ、先生が言ってた。」
境内に座り込み、つまらなそうに携帯を弄っている知り合いがいた、七生の姿を見ると、嬉しそうに目を細める
「携帯にかけてもやっぱりでないしね、おかげでこんな所をしれたのだから、それは感謝するべきかな。」
何でもないようにそのまま七生に近づいてくる、携帯端末が見られれば、確かに何件かの不在着信が届いていたりしたのがわかっただろうが
■東雲七生 > 「トト?」
(声がしてそちらを見れば、もうずいぶんと馴染の深くなった中性的な姿を捉えた。
いつから、ていうか、どうやって。
そんな疑問が浮かんでは、消える。
考えても無駄だろう、このゴーレムを自称する相手はいつでも、どうやってでも現れそうな気がする。)
「あー、そっか。
電話くれてたんだな?悪い悪い、結構前に電池切れてたみたいで。」
(バツの悪そうに笑みを浮かべる。
眉がハの字になってる以外は、いつもの幼稚っぽい笑みだ。)
■トト > 「ふふ、何故僕が此処にいたのか気になるみたいだね… 偶偶さ!僕は最近外で秘密の練習をしててね
夜出歩いてたら、偶々何か爆走している人影が見えて、面白そうだからついていったら七生だったんだ。」
いやぁ、いい走りっぷりだったよ、とうんうんと頷く
「うん… まぁ、それで反応が無いから、七生だって確信したんだけどね、で、追いついたら君が此処で寝てたから
起きるまでまってたって寸法さ、うん、他人の寝顔を見るのは殆ど初めてみたいなものだけど、いいものだったよ。」
そういって此方も悪戯っぽく笑いながら七生に近づいて、ぱさぱさと彼の肩についた葉っぱやゴミなんかを落としたり
■東雲七生 > 「なるほどね、そういうこと……秘密の特訓?」
(首を傾げてから、しまった、と思う。
本人が秘密、と言ってるのだから気付かないふりをした方が良かっただろうか。
などと、取り留めもなく考えていたが、続く言葉に頬が赤くなる。)
「って、そんな長い間居たのかよ。
少なくとも俺が最後に覚えてんのは空が明るくなって来た頃だぞ?
丸々半日、俺が起きるの待ってたってのか?」
(汚れを落とすのを手伝って貰いながら、気恥ずかしそうに、そして呆れたように肩を竦める。
それならいっそ見なかった事にしてくれても良かったのに、と。)
■トト > 「うん、秘密の訓練だよ、こっそり泳ぎがもっと上手くなって、七生達におど、ろいて、もらおう、と………ぁ
言っちゃった!… むぅ、まぁいいか、どのみち今度見せるからね、成果はまだ秘密だもの。」
気づいたらしい、ちょっとだらーん、と腕を下げるが、気を取り直したかのようにそう言い返す
「うん 僕が来たときは七生、何だか心も体も疲れてるみたいだったから、起こしたくなかったし
それに、せっかく会えたのに、何も話さずに別れたくなんてなかったもの、だから、邪魔されないように見張ってたのさ
はい、ぬるくなっちゃってるけど、ずっと走って、ばたんだったもの、喉が乾いただろう、飲みなよ。」
ポシェットから水を取り出して差し出す、今日は珍しくジュース類らしきものが中には見当たらないようだ
代わりに様々なラベルが貼ってある、主に茶色や赤色混じりのペットボトルが詰まっている
■東雲七生 > 「ははーん、なるほどねえ。
わかった!それじゃあ今聞いた事は忘れといてやるよ。」
(だから頑張れよ、なんて笑いながら少し背伸びをしてトトの頭を撫でようとするだろう。)
「それでこんな時間まで寝てたのか、俺は……。
まあ、なんだ、気ぃ使ってくれてありがとな!
おっ、ただの水?……なんだ、今日はジュースの持ち合わせは無いのか?
ていうか、なん……何を持ち歩いてるんだ、それ?」
(差し出された水のキャップを外しながらポシェットを覗き込む。
見たところ市販品では無さそうだけど、と。)
■トト > 「本当?ありがとう七生 … ん………あ、いいよ、僕がしたかっただけだもの、僕がね。」
ぱぁ、と笑顔を浮かべて、大人しく撫でられる、髪の毛は細く、さらさらとしていて
ちょっと顔が赤くなりつつ、顎をくい、と少しあげて自分から手のひらに頭を押し付けたりしてみる
「あ、それは普通に買った水だから平気だよ?これはね…… 見るかい、結構色々集めたんだよ。」
取り出されたそれらのラベルを見ると【海】【転移荒野】【摸擬】等、主に様々な場所の名前が書いてある
中身をよく見ると、沈殿する土や石の姿が見える、どうやらラベルに書いた場所の水が入っているようだ
ご案内:「常世神社」にルフス・ドラコさんが現れました。
■東雲七生 > 「お、おお?
ははっ、何かトト犬みたいな反応するなぁ。」
(自ら頭を寄せてくるトトの様子に笑いながら、手触りの良い髪を梳く様になでる。)
「いろいろ集めた……?
海に、転移荒野……模擬?集めたって、それ、もしかして。」
(ラベルに書いてある場所の水か?と首を傾げながら、
最初に渡された普通の水を口に含む。)
■ルフス・ドラコ > と、と、とん。
と、と、とん。
と、と、と、と、と、と、とん。
スニーカーの底のグリップを利かしながら、リズムよく石段を登る、
ミントグリーンのカットソーにデニムのホットパンツ姿の少女。
登り終えれば手水鉢へ向かい、とくに作法を一切気にすること無く両手を一気に洗うと本殿に向かう。
「……ここの祭神は双子神か何かでしたでしょうか」
そして、何やら朝から和みきっている二人の、落ちきれてない葉っぱの辺りを多少見やりつつ、少女は疑念を口にした。
■トト > 「犬………? 七生は、犬は好きなのかい?」
目を細めて撫でられている、ちょっとふるふるとして
「うん、水だよ、土や石と混ざった水際の、ね、どれが僕に一番合うのか試そうと思ってね。」
……… 目がよければ、ポシェットの奥の方に、何やら明らかに毛色が違う、黄土色のペットボトルがあるのにも気づくだろう
「それでね、そういえばちょっと七生に頼みたいことがあるんだよ、ね、いいかい?」
と撫でられを継続させたまま、じぃっ、と真剣な瞳で見つめてくる
■トト > 「… 双子神?何処にいるんだい、それは、僕はこの世界の神には未だあったことがないんだけど。」
更に撫でられたまま、ドラコの声にきょときょとと周囲を見回して反応する
■東雲七生 > 「いや、好きか嫌いかで言えば……。
んまあ、好きだな。こないだ俺自身が子犬みたいだって言われたけど……。」
(中々撫で心地が良いのか止める気配は無い。
ちょっと傷心気味だった心がじわじわと癒されていく。)
「へえ、そうなんだ……ん? トトに、合う……?
なあ、トト。その黄色っぽいのは?」
(トトの言葉にふと疑問を覚えつつも、
それ以上に気になったポシェットの中のペットボトルを指さす。)
「双子神……って、あ、ルフス!
……ああ、お前、怪我治ったんだな? 良かったじゃねえか!」
(声に振り返り、その姿を確認すると。
にっ、と笑顔をルフスへと向けた。)
■ルフス・ドラコ > 言いつつ、片手で鈴を握ってグワングワンと鳴らし。
「学期中常に供え続ければテストの成績が凄まじいことになると噂で聞いているのですけれど、試す気にはなれないですね」
躊躇うこと無くバックポケットからマネークリップを取り出すと、半分くらいを適当に賽銭箱に投げ入れた。二拍。一礼。
「…てっきり朝早くから神社に来たので祭神に出会ってしまったかと思いましたけれど。違ったようですね。」
一連の礼拝を終えると、玉砂利を踏み鳴らしながら二人の方へ歩み寄った。
「御機嫌よう、七生さん。治るのもいいことばかりではないですけれどね。また七生さんに支えてもらえませんから」
「そちらのトトさんも、初めまして。このルフスも七生さんの知り合いですよ、よろしくどうぞ」
表情は変わらないが、一般的な初対面の挨拶程度には友好的な声音で自己紹介をした。
近づきすぎるわけでもなく。
先に用事のあるようだったトトを優先するように、手近な柱に触れて、体を預けた。
■トト > 「ふぅん……… 七生が好きなら、褒め言葉として受け取っておくよ、うん、いいな、こういうの、好きだよ。」
撫でなでされて嬉しそうに嬉しそうに笑顔を見せながら、すりすりと撫でられている
「ああ、これ?これは……… あ、別に僕は言ってもいいんだけど、之は結構七生的にはショックを受けるものかもしれないな
僕もね、何度か遭遇してそこら辺は習ったのさ、だからひと呼吸心の準備をさせてあげるよ、いいかな? よし、いいよね
之は【僕】だよ、簡単に言うとであって、厳密には違うけど。」
凄いアレな事を言い出した、ラベルには確かに【僕】と書かれている
「うん、はじめましてルフス、僕はトト、七生の友達だよ、よろしくね?元気になった、って事は、怪我とかしていたのかな。」
七生に撫でられながら、ルフスにも笑顔て手を振って答える、同時にじーっと彼女の格好を見てみたり
■トト > 「むむ、何だか前に迦具楽と会った時にちょっとだけ似ているような… いや、迦具楽ともいい出会いだったけど
七生に支えてもらったの?そっかぁ、ちょっと羨ましいかもね、それは、今度僕もお願いしようかな。」
ルフスに続けてそう呼びかける、ちょっと唇尖らせてから、それでもふふー、と楽しげに笑って
■東雲七生 > 「いやまあ、流石に勝手になでて犬呼ばわりして侮辱するとか、失礼極まりないからなそれ。
撫でられるの好きなのか? ……ふぅん。」
(そうなのか、と何度か頷くと、そっと手を離しみる。
いつまでも自分より背丈のある相手を撫でるのはそこそこ疲れるのだ。)
「え、ショック?……あ、ちょっと待っ……いや、いい。大丈夫。
準備出来た、おっけー……
え?トト?
そのペットボトルの中身が、トト?」
(どういう事だ、と首を傾げる。
トトの顔とペットボトルを見比べるが、とても似ても似つかない。)
「俺に支えて貰えない……って。
……それはお前にとって良い事じゃないのか……?
俺としちゃ知り合いが怪我してるってのはちょっと心配だから治ってくれて一安心、ってとこなんだけど。」
(相変わらず表情から考えが読めないやつだなあ、とルフスを見て苦笑する。)
■ルフス・ドラコ > (これはグルーミング行為ですね……)
トカゲにはあまり関わりのない行為である。だがそれだけに危険度は認識していた。病み付きになる、という危険性を。
口に出すことはないが、ああいけないことをしているなぁという目線になるのは彼女の習性である。
「ええ、ちょっと歩くのに不自由な類の怪我をしていましたから。
……ああ、そうだ。そこの石段を降りるときに手を貸してもらうといいと思いますよ。七生さんは階段に弱いです」
間違ったモンスター図鑑のように付け足しつつ、トトの表情を見るに、声音を少し柔らかくしてアドバイスをした。
(土龍か何かでしょうか、もぐらじゃない方の)
ペットボトルを横から見れば、恐らく分身とか一部とかそういうものではないかと思い、逆算してトトの正体を推測などしつつ。
「おや。これでも人の手を借りることに忌避感が有る訳でもないですよ。他人の好意を受ける機会が減るのは喜ばしいことではないでしょう」
「それにやはりあの体勢の方が攫いやすいですし」
■トト > 「……… あ ん、ありがとね七生。」
少し残念そうだが、十分撫でてもらったからか元気にお礼を言って
「まぁ、正確には僕の予備みたいなものだけどね、欠損した時のために用意しておこうと思って… そこから説明いる?」
そのペットボトルを開けて少し傾けると、粘度が高い液体なのが分かる、匂いは感じられないが、たまにぽこり、と沸き立つのが見える
「ほら、前にも言っただろう、僕の能力は、変換する水の中身で効果が変わるのさ、そのための採取だよ
軽く使ってみた感じ、転移荒野と海がこの中だと第一候補かな、あ、飲んだらダメだよ、あんまり身体に良くないだろうし。」
と、当たり前の注意を指を立てて真剣な顔で伝えてくる
「そうなのかい?七生は階段に弱い… と、よし、メモしたよ、ありがとうルフス。」
ぱぁ、と笑顔になって、携帯にカチカチと今の情報を書き込み、ぺこんと頭を下げてみる
■東雲七生 > 「おう、どういたしまして、か?」
(けらけら笑いながらトトに頷いてみせる。)
「トトの、予備……。あ、説明は大丈夫。
なるほど、な。ちょっと人間の俺には理解し難いけど、そういう事も出来るのか。」
(黄土色の液体を見つめて感心した様に頷いた。)
「さすがに生水を飲む気にはならねえや。
なるほどね、水によって能力に変化があるのか……。
それは面白いな、何て言うか、よく考えてみればそりゃそうなんだろうけどさ。」
(へえ、と感嘆しながらトトの説明を頷きながら聞いていたが、)
「って、おーい?
何その、『階段に弱い』って。何そのフィールド相性みたいな言い方。
……ちょっとお前の俺に対する認識とか聞きたくなるんだけど。」
(トトへと声を掛けるルフスへと冷たい視線を送りつつ。)
「だから普通に働けってのに……まだ攫う気なのかよ。
悪いけど、あれからいろいろ調べたんだこっちもな。」
■ルフス・ドラコ > 「あれ、撫でられたら撫で返すのが健全なグルーミングでは…いえ、」
うかつに口が滑ったが何もなかったかのように振る舞いつつ。
「――ところで、そのトトさんの予備を人が飲むとどうなるのでしょうか。
先ほどの説明の中では体にいいかどうか言っていませんでしたけれど」
人が、といった以上自分で飲むつもりは無い。
「東雲七生、
階段との相性が良くなく、すれ違う人などに手を貸そうとするため昇降に通常よりも時間がかかる、分布は常世島全域、おそらくですが草タイプ」
「ご要望に答えられていればいいのですけれど」
平坦な表情に、機械的な音声を組み合わせて読み上げつつ、
興味深い話題に少女は眉を上げた。
「関心を持っていただいたのはありがたいですけれど、本人に直接聞いてくれたらよかったのでは、と思いますね。
……七生さんの知りたそうなことでしたらお答えできそうですから、ね。」
ついでに口角を少し上げて、いかにも楽しそうに、からかうように言葉を述べる。
■トト > 「水分、って言った方が正しいかな、固体は動かせないから、液体を粘体の予備にして増やしているのさ、最近思い出したんだけどね
逆に言うと、普通の【人間の治療】は僕には出来ない… だろうね?此処には色々あるから出来るかもしれないけどさ、ゴーレム用土とか。」
くすくすと笑いながらペットボトルをしまう、その感心したり、驚いた顔に満足したようだ
「攫う?ルフスは人攫いなのかい?それだと僕は敵になってしまうかもしれないよ、そういうのは嫌だな。」
むむ、と困ったように七生とルフスを交互に見る
「飲むとどうなるか、かい?別にこれに意思があるわけじゃないから、超まずくて消化出来ないだけだと思うよ
まぁ、飲んだら死ぬようなものなら幾らでも作れるけど、だからどうした、って話じゃないか。」
うーん、と少し考え込むようにしてからそう答える、不思議そうに首をかしげて
「ふむふむ、草タイプなのか、僕はゴーレムだから… 岩タイプとか土タイプになるのかな?」
へー、と興味深げにルフスの七生話を聞いている
尚ペットボトルをしまったあと、手は自然と七生の頭に伸びている、どうやら今言われた撫で返しを七生に実践しようとしているようだ
■東雲七生 > 「最近思い出した、か……。だったら他にももっと、色々出来る事があるのかもしんねーな?
まあ誰しも出来る事、出来ない事ってのはあるもんだろ。トトはトトにしか出来ない事がある、それで充分じゃねえか。」
(ぐい、っと手に持っていた水を呷って、キャップをすると半分ほど残ってるペットボトルをトトへ差し出した。)
「………別に普通に昇り降り出来てる奴にまで手は貸さねえから!?
流石にそこまでお人好しじゃねえよ俺だって!?
つーか流石に島全域には居ません!!俺は一人だけなんで!
あとおそらく草タイプって何だよ!」
(読み上げられる説明に半ば白目になりながらも律儀にツッコミを入れる。
ほとんど性分みたいなものである。)
「自分を浚おうとした本人に事を問い質して、まともな答えが返ってくると思うか、普通。
まあでも、正直に答えてくれるっつーんなら、こっちもなるべく手荒な事はしたくないし、ありがてえんだけどな。」
(にっ、と珍しく好戦的さを感じさせるような、笑みを浮かべてルフスを見据えた。)
■ルフス・ドラコ > 「正しくは元人攫い、ですね」
「まあ、人を選ぶ冗談でした。すみません、トトさん」
あれも随分昔の話に感じますよね、七生さん、なんて。
それこそ人を選ぶ話題を……トトの知らない話題を振りながら、少女は謝罪した。
「ああなるほど、それ自体に意思があるわけではないんですね。
いえ、人を乗っ取るとかそう言った俗悪な発想に至ったものですから。
……むしろ最初からその目的なら作れてしまうんですか?」
前に分身体を貼り付けられたことからの想像である。
むしろ自分の分身を他人に飲ませること自体に意味を生じさせる手合いを、
知識として知らないわけではないが、理解も共感もできない。
「つまり七生さんはトトさんに相性抜群と」
撫で返しが正常に行われるようであれば良いことである。しかしいけないことだなぁという目線は外さず。
「あ、やっぱりおばあちゃんを助けたりして講義に遅れたりはするんですね。お人好しですものね。
島全域は……走り回っているみたいですし。今朝は神社に出没しておいて否定出来ないでしょう。」
(草は火に弱いところからの連想でしょうか)
最後の一言は抑えた。代わりに我慢できずに目をそらした。
「むしろ実行中も嘘は付いていなかったように思うのですけれどね。
クライアントが居て、運び先が有って、理由は私も知りません。…ね?」
一度話した通りですよね、と確認してみせた。
いや、確認というよりは、宥めようとしているというか。
「あまりお勧めできませんよ、そういうの。七生さんに似合いませんし。」