2015/09/13 のログ
蒼穹 > …え、ちょ。

(で、観戦始めようとゆったり屋上の縁に腰かければ呆気もない。
見下ろしていた景色から、大きく響いた声の方、また向かいの屋上の方へと目を向ける。
どっかの外野が余計な手出しでもしたか。脳天貫かれて今回の黒幕は撃沈した模様。
まぁ見事に倒れている。
それはそうと、事実確認もしないままに、これ殺した側も罪に問われるだろう。
まぁどうでもいいが。

で、問題は。)

…なんだあれ。

(暴徒は鎮静化していなかった。
とすると、強化魔術の他に、不可逆的な効果でもあったのだろうか。
それとも、あの胡散臭い奴とは別に普通に暴れているだけなのだろうか。
何にしても、根本的な騒ぎは収まっていない様子。

といっても、陣形をたった二人相手に崩されたようで。
あの十数人が敗北するのも時間の問題の様だ。
出る幕はなかったようだが、もう少し悠長に観戦して行こう。
荒事の野次馬は好きな物だし。

黒髪の人もそこそこに、あの赤髪の子も、強いな。
多数の武装集団相手に後退する様子はなさげ。

端末を手に取る。)

ああ、もしもし?
こちら風紀委員刑事課。事態は間もなく収束に向かう模様で―――。

(連絡しておこうか。一先ずはお騒がせしたと。
ついでに風紀委員の出る幕もなかったらしい。
本当警察組織って何の為にあるんだろう。暴徒を善良な市民が鎮圧してくれるなら、
民間人だけでいいんじゃないのかこれ。)

リビドー >  
 唐突に聞こえる叫び声。
 何が起こったのか。"それ"を認識する前に、五発の銃弾が飛来する。
 屈んで避ける事の出来る姿勢ではない。

 小さく舌を打てば銃弾へ向けて腕を奮って手を翳す。
 ――直後、リビドーを覆う様に土と石が混在して出来た壁が宙に広がり、銃弾を拒む。

(勿体ぶりたかったが、仕方あるまい。)

 改めて状況を確認する。
 目を凝らしてみれば、シスター服の少女の頭が吹き飛んでいる。
 ――が、群衆は止まらない。考えられるとすれば二つ。

 "術者が死んでいても効力を発揮する類"か、"死んでいないか。"

「……ま、良いか。
 魔術を使わせてくれるとは中々に手強い敵だぜ。全く――」

 地面に手を付け、魔術――《リゾーマタの始祖魔術》を行使する。

 リゾーマタと呼ばれる元素概念を基軸にした理論式。
 世界を構成する要素を<リゾーマタ>と呼び、その概念を火・水・土・風の4つに大別して扱う術式。
 この分解・結合することにより、現象を引き起こす魔術。あるいは奇跡。

 ――土に分類される大地、要するにこの舗装された地面を弄る。
 土の要素を分解しリゾーマタを生成。分解したリゾーマタを用いて水の要素を描き、"水と土を混ぜる。"

 水を混じった地はぬかるみ、擬似的な"沼"を展開した。
 アスファルトの沼かもしれないし、コンクリートの沼かもしれないし、普通の沼かもしれない。
 何れにせよ、生成された沼は集団の足を取り、その身体を沈ませる――深さとしては、80cm程度か。
 余程の大男なら、身動きは取れるだろう。

「此れで止まってくれれば良いんだけどな。
 ……ああ、ちゃんと後で直すつもりだよ。」

『プリースト』 > 屋上に倒れているは『プリースト』。
ぴくりとも動こうとはしない。
それもそのはずだ、既に死んでいるのだから。
だが英霊のはずなのに成仏しようともしない。

しばらくすると『プリースト』は何事もなく立ち上がり、そして不気味ともいえるニタァとした笑みを、殺した犯人であるメアに向ける。
同時に、蒼穹の姿も確認した。
「よくも、この七英霊『プリースト』を“一度”殺してくれましたねぇ。
 邪神様の御加護がなければ、あやうく真っ先に脱落しているところでしたよぉ
 私を殺した制裁は、きちんと受けてもらいますねぇ。
 もちろん、楽には殺しませんよぉ」
『プリースト』は、素早く詠唱を始める。

「(詠唱中)」

詠唱を終えると、メアの五メートル上部に魔法陣が展開された。
そこから、光の柱が降り注ぎ、メアを襲おうとしている。
その属性は『闇』と相反する『聖』。
効力は単なるダメージであるが、決して死ぬ事はなく、長い間痛みを味わう事になるというもの。


暴徒の斧攻撃と槍攻撃はどちらも、七生に華麗に回避されてしまう。
所詮は、素人に毛が生えた程度の集団。
『プリースト』の補助魔術で強化されているとは言っても、やはり荒さが目立っているのだ。
だがそれ以上に、東雲七生の動きも良かった。

七生は槍を持つ暴徒へと反撃に出る。
暴徒はただの雑魚……。
七生の動きに全くついてくる事はなかった。
槍を引いて、もう一度突こうとしていた時……。
暴徒の鼻に、七生の蹴りがクリーンヒット!
槍を持つ暴徒は声もなく、その場に倒れてしまう。

それを見た他の暴徒は本能的に、七生から距離をとろうとする。
少しずつ、後ずさっていく。
作戦を立てる脳がない暴徒だが、全員一斉にカウンターを狙っているようでもあった。


五発の銃弾がリビドーに迫ろうとしていたのだが、土や石の類で出来た壁に防がれてしまう。
魔術を使う……!?
あるいは、あれは異能か?
洗脳された暴徒も、リビドーの警戒を強めていく。
さっきまで武術で戦っていたのに、魔術か異能の類まで使える相手だったのだ。

リビドーが地面に手を置くと、暴徒達の地面に沼が出現する。
やはり、魔術の類なのか……?
七生から距離をとろうとしている暴徒達は一斉に、沼へとつかっていく。
身動きがとれなくなってしまった。
そして、そこに大きな隙が出来る。

『プリースト』は急いで暴徒の援護をしようとするが、残念ながらメアに唱えた魔術で手がふさがれていた。

メア > 「っ…!」

起き上がりこちらに不気味な笑みを向けるシスター
驚きのせいか魔法陣に気が付くのが遅れる
妙な光を感じ見上げれば何かの陣
即座に陣の外に逃れようとするが…

「っ…いた、い……」

右足が、膝から下が間に合わず柱に呑み込まれる
焼けつく様な痛み。ジワジワと靴に、ソックスに赤い血が滲み異様な痛みが続く

「んっ……」

だが痛がって動きも止めていられない
足を引き摺りプリーストから離れようと動く

東雲七生 > 「他に誰か近くに手が空いてんのが居るなら、避難誘導を!
 巻き込まれても全力自己責任だぜ!!」

男が地面を沼の様に変質させたのを一瞥し、辺りに警戒を促す。
見物されるのは勝手だが、その勝手で巻き込まれるのは非常に気に食わない。

              ・・・
槍を持った男への、手応え──脚応えに緩く口元を歪ませる。
そして今まさに倒れた男の得物を掴むと、距離を取ろうとする斧男の眉間へと手にした槍の石突を突き出した。
間違っても刃先などは使えない。殺して良い相手だという保証は無いのだから。
……ただ、目一杯気絶させるのは、アリだろう。

「──フゥッ!」

斧男への攻撃の成否を確認する間も無く、本能的に距離を取り始めた暴徒たちを追う。
手にはまだ奪ったままの槍。その穂先を自身へ向け、“棍”として扱う事に決める。

沼に足を取られた一瞬の隙を文字通りに“突く”。
狙いは暴徒たちの眉間、鳩尾、そして喉元。にわかに混乱を来し始めた者たちへ、鋭い突きが連続で見舞われる!

リビドー >  
 全員を巻き込めるかこそが懸念ではあったが、上手く彼――彼だろう。
 彼が圧倒してくれた事もあってか一網打尽に巻き込む事が出来た。

(にしても、見事な業前だな。彼は。)

 ――その上で集団が足を取られた隙を突き、猛攻を仕掛けている。
 見る限り彼が足を取られる事も無いだろう。
 
「此方は良し。と。――協力感謝するよ。お兄さん。」

 あちらは彼に任せるとしよう。
 戦況を把握し直してみれば先程のシスターは復活し、メアと交戦してる。
 いつの間に居たのかアイツ。多分殺ったのもアイツだな。

(全く、血の気の多い。)

 余裕を持って、プリーストへと歩みを進める事にした。
 屋上にいる様だが、勿論考えは有る。

「後は、こっちかな。」

蒼穹 > おー、生き返った。
…リザレク使えんのかアイツ。

(遠目で一部始終を見ていたが、あんまり驚きはしない。
不死人も珍しくないが…しかし、死なない相手を手に取るのは面倒だ。)

ってか七英霊って言ってたかな…アレ。
霊だけあって殺しても死なないなら相当厄介だなぁ…。

まぁ、兎も角…一応事実確認しとこっかな、乗り掛かった舟だし。

―――せいっ。

(電気屋さんの頂上から軽々一っ跳び。歪な半弧を描く軌道。
数十はあろうかと言う距離を跳躍して向かい側の蘇ったばっかりの
『プリースト』とやらが立つ屋上へと向かっていく。
何かの詠唱に手がふさがっている内に届けば僥倖。
仮に何かしらの方法で撃ち落とされたら…その時はその時だ。

大した力を足に込めたわけでもなく、無意識に初等の重力操作の魔術を使っただけ。

下の方での戦いは…まぁ、多分放っておいて大丈夫だろう。
見た感じ上手いこと足止めしたりして、追い縋ったり。本当に時間の問題の様だし。)

やっほー。呼んだ?
邪神様降臨ー。

(こっちを認識しているようだし、多分気付いてくれようか。
赤髪の神官っぽい、不気味な格好の少女の方へと跳び向かいながら、手でも振ってみる。
取り敢えず話すだけ話してみようと言う悠長な思考加減。)

『プリースト』 > 光の柱がメアを痛みつける。
大抵の奴は、その痛みで動く事すら叶わない。
死ぬ事もないので、下手をすれば限界以上の痛みを味わう事すらありえる。
傷ついていくメアを見て、『プリースト』はニタリと笑った。
「どうですかぁ?
 苦しいですかぁ? 痛いですよねぇ!
 もっと痛い目を見て、もっと悲痛の叫びを私に聞かせてくださいねぇ。
 キーシッシッシ。
 最後は、体をバラバラにして殺しましょうかぁ」
メアの足を引き摺る姿に、『プリースト』はさらなる快感を覚える。
なんとも素晴らしい光景だ!
もっと苦しめてやりたい!

『プリースト』は、聖属性の魔法を再び発動する。
今回の詠唱は短め。
シスターの横に出現したのは、光の矛である。
聖属性を持ったその矛は、離れようとしていくメアの右足に迫っていた。
「どこにいくんですかぁ?
 苦しむ表情をもっと見せてくださいよぉ」


向こうの電気屋の屋上にいた蒼穹がひとっ跳び。
『プリースト』のいる建物の屋上に着地する。
メアに気を取られている『プリースト』は、蒼穹を撃墜する事ができなかった。
「呼んだ覚えはありませんねぇ。
 邪神様降臨?
 あなたがあの、私が信じる邪神様だというのですかぁ?
 お待ちしておりましたよぉ、邪神様ぁ。
 ならさっそく、この町の人々を……。
 邪神様の導き通りに、惨たらしく、残虐に……。
 殺してくださいよぉ
 キーシッシッシッシ」
それは、蒼穹を試すような言い方だった。


東雲七生が洗脳された二級学生から槍を奪う事に成功。
そのまま、退いていく斧を持つ不良に槍の石を突き出していく。
それは死に至らしめるまでの攻撃ではない。
斧男の眉間に命中し、そのままその暴徒は気絶する。

沼に浸水する暴徒に、七生が扱う槍に抗う術などなかった。
槍を棍のように使ってみせる七生は次々と暴徒を無力化していく。
眉間、鳩尾、喉元などを狙われれば、暴徒達は痛みで気絶する他ない。

メア > 「っ…叫んだり、しない……」

激痛により転移は使えない、適当に飛んで生き埋めになる
聖属性を帯びたその鉾は異能と相性が悪い、だが逸らすぐらいはできる
足を狙ったのも幸いし飛来する途中で影が矛を弾き地面へと向かわせる
追尾性能がなければそのまま地面に突き刺さるだろう

東雲七生 > 「足止めサンキューっと。」

──暴徒たちをあらかた鎮圧したのを確認して。

連続突きの手を止め、ここで漸く魔術師らしき男──リビドーへと向ける。
しかしそれも一瞬で、すぐさま他に向かってくる敵が居ないかを注意深く確認する。

……ついでにやり過ぎて暴徒の中に息の根を止めてしまった者が居ないか、も確認。
不慣れな“棍術”で加減もイマイチ分からなかったのだ。
もっとも、腕力の乏しさから“勢い余って”ということは万一にも無さそうではあったが。

「……で、こいつらは何。
 最近よくあるテロ紛いの集団蜂起? ったく、百姓じゃねーんだからさあ。」

腰溜めに槍を構えたまま、手近なリビドーへと訊ねる。
この男が恨みでも買ったのか、と言いたげな視線だ。

リビドー >  
「此方こそ。
 お兄さんのお陰で助かったとも。
 熱狂した兵士でもゾンビでも農民でも無ければ、洗脳された集団じゃないかい。多分。
 
 ……屋上から飛び降りたと思えば、無差別に暴れようとしていてね。
 ほら、彼らが飛び降りて来た屋上。如何にもな格好のシスターが居る。恐らくだが、彼女じゃないかい。」

 視線を受け、大げさに肩を竦めてみせた。
 恨みを(コイツらから)買った覚えはないと言わんばかりだ。

「コイツらから恨みを買った覚えはないが、
 喧嘩は売ったよ。……面倒だ。ショートカットを作ってしまおう。」

 建物付近で地と風を描いて弄くり宙に浮く土の足場を階段状に生成して屋上へ登る。
 悠々と登り終えれば姿を見せる。足場は残っている為、誰でも使えそうだ。

「取り敢えず一つ尋ねたいんだけど、いいかい。
 何でこんな事したのかな。キミは。」

 後ろからか、前からか。
 シスターの風貌を持つ彼女に声を掛けた。

蒼穹 > (軽々、着地。迎撃される事もなく五体満足無事に到着した。)

呼んでないなら残念だね。
邪神様の中でもとびっきりの破壊神様だよ、破壊神様。
惨たらしく残虐に…。
…んー。どうしようかな。

(くるん、と向きを変える。また、屋上の縁の方へと歩いていく。
もう一歩踏み出せば、墜落しそうな所まで。彼女が示した街の人々とやらを見下ろせば、
未だに戦っている様子が伺える。)

…どうしようかな。最近私も休業気味でね…お話しようよ。
蹂躙も殺戮も好きだけど、今は怠惰と休息も好きなんだ。
惨たらしく残虐にってのも悪くないんだけどさ、今日は買い物に来ててね。
で、キミは何者?信者様の願いを叶えんのも仕事だけど、素性を教えたまえよ。
死んで生き返るくらい強いなら邪神様の御加護なんか要らないと思うけどなぁ。
…さておき、面白い話の一つでも聞かせてくれたらやらないでもないよー。

(彼女の言う"邪神様"を演じているのか、それとも素でそんな事を言っているのか。
試されれば、調子に乗って饒舌に喋り出す。
屋上の縁で振り返れば飄々とした半笑いで世知辛い邪神の都合を語りながら。
素性を教えろと言ったところで振り向いて彼女の方へ手のひらを向けた。

聞き違いでなければ何か七英霊とか聞こえたし、新しい情報が洩れるやもしれない。)

東雲七生 > 「洗脳された集団……。

 なるほどね、気絶までで止めといてよかった。」

ふん、と鼻を鳴らしながら、僅かにうめき声を上げて意識を取り戻しかけた暴徒の頭に槍の柄を振り下ろす。
思いっ切り体を動かした事で多少苛立ちは納まったものの、根本的には不機嫌だった。

リビドーに促されるまま見上げた屋上には、なるほど修道服の人影と、

「……蒼穹?」

屋上へと向かうリビドーを横目に、怪訝そうな顔をしてその場に留まる。
……取り敢えず、この暴徒たちを縛っておこうかとか考えて。

『プリースト』 > その聖属性の槍にホーミング機能はなかった。
それがもし、同じく七英霊の一人『ハンター』が放ったものだったらメアを追尾していただろう。
つまり、影により弾かれた矛はそのまま地面へと突き刺さる。
「影を操る能力というのも厄介なものですねぇ。
 この七英霊『プリースト』を殺した報いで、あなたには特に苦しんでもらいたいんですけどねぇ」
しかしそうは言っても、下の雑魚共がやられてしまった。
これ以上の長居はあまりに危険すぎる。
いやむしろ、退き時が遅いとまで言える状況だ。


暴徒達は、リビドーと七生の活躍で見事鎮圧した。
残るは屋上の『プリースト』のみとなった。
援軍か来る、なんて事もなさそうだ。
十数名の暴徒は全員ダウンしているものの、息の根まで止められた者はいない。
全員、気絶しているだけのようだ。
だが洗脳を解くには、『プリースト』を成仏させる必要がある。
気絶しているとは言っても、洗脳はまだ解かれていない。

魔術で土の足場をつくり、リビドーが屋上に上がってくる。
質問されれば、怪しくケラケラと笑った。
「相手は誰でもいいのですよぉ。
 惨たらしく、残酷に、生き物を殺したかったのです。
 私は、邪神様が導くままに行動したまでですねぇ。
 これはもしかして、私はピンチというやつですかぁ?
 キーシッシッシッシ!」

「破壊神様でおられましたかぁ。
 ん……?
 そういえば、『ハンター』の傷を癒している時、彼は『破壊神怖い破壊神怖い破壊神怖い』とか呟いていましたねぇ。
 もしかして、その破壊神様ですかぁ?
 邪神様ぁ、ヘタレな『ハンター』にさらなる恐怖心を受け付けては可哀想ではありませんかぁ」

その邪神様から、お話しようと提案される。
「ええぇー。
 邪神様、今日は殺してくださらないんですかぁ?
 休みは重要ですからねぇ。
 ではいつ、虐殺してくれるんですかぁ?
 明日ですかぁ? 明後日ですかぁ?
 そもそも、死んで生き返る事が邪神様の加護なんですよねぇ。
 素性ですかぁ?
 あまり『ウィザード』から、素性はばらさないように言われているんですよねぇ。
 本物の邪神様なら、私の素性は知っていると思いますけどねぇ」
『ウィザード』は怖いですからねぇ。
相手が邪神様を名乗っている。
かなり怪しい人物である。
『プリースト』が信じる邪神様っぽくない言動が目立つ。
殺戮と破壊に快感を覚える邪神様に、休みなどあろう事か。

メア > 「っ……」

知らない者も併せて3人、謎のシスターを挟む様に屋上に立っている
後は彼らに任せれば大丈夫か…

「ん…いける……」

痛みはまだあるが傷は塞がった
我慢さえすれば走れる。
メアは傷む足を動かしそのまま通りを駆け、逃げていった

ご案内:「異邦人街大通り/商店街」からメアさんが去りました。
リビドー > (ふむ。後処理は彼がやってくれているのかな。)

 彼は付いて来ない辺り、集団の捕縛や監視に当っているのだろうか。
 そう言えば名前を聞き忘れていたな、とも思い返したりしつつ。

「そうかい。」

 無軌道な目的を聞けば短く言葉を切る。
 ただの無法者ならまぁ、遠慮も要らない。

「取り敢えず。其処の邪神様とシスターさんは大人しくして貰って良いかな。
 ……風紀委員が来るまで大人しくして貰いたくてね。教師として生徒の非行は見過ごせないよ。
 しかし、自分から破壊神と名乗るとは随分とまぁ……良いか。」

 蒼穹を軽く睨んでから、視線をプリーストに戻した。
 ゆっくりと。プリーストへ向かって歩く。メアに対しては、気を払うだけに留めた。
 と言うか、去った。

 ……少しずつ、プリーストに近づいている。

蒼穹 > あれ…東雲君。キミだったんだ…やっぱりっていうか、意外って言うか…。
ちょっとビックリ、かな。…この数相手によく五体満足で生きてたね。

(聞き覚えのある声に、後ろ目のみの視線を。
それから、またシスターっぽい服の少女へと向き直って。)

いやま。多分それだ。
大体そうだと思ってたけどビンゴかな。じゃあキミは、ハンターってやつの同僚だろうね。
…おかしいな、私は彼の武器しか斬ってないんだけど。
ヘタレを直す魔法とかないのかな。

(ふぅ、と息を吐いて腕組み。大体繋がって行った。
嘘を言うでもなく、それは自分だと言っておく。)

殺せと言われれば殺すけどさ。1秒後かもしれないし、明日かもしれない。
来週かもしれないし、来月かも、来年かも、若しくは来世紀かもしれない。
私は気紛れなんで―――なぁんだ、じゃあ私を御呼びじゃなかったのか。

(そもそも、と言われたところでもう己が彼女の崇拝する邪神様でないことがばれたことに気付いた。
いや、最初からバレバレだったと言われればその通りだろうか。)

…ウィザード?

(またそいつの名前か。それの指示に従っているなら連中のトップなのだろう。)

んまぁ、バレバレみたいだね。
じゃあそれを知った上で素性を教えたまえ。でなきゃまずキミを残虐にぬっ殺す。
四肢をゆっくり引き斬り裂いて体を穿ち尽くしてそれでも死なない程度にとどめるくらいがちょうどいいかい?

(び、と人差し指を指す。
つくづく外道であり慢心的である。)

やーだね。破壊神様は大人しくしませんよーと。
そんな小規模の暴動に風紀委員は不要だから来ないって。役に立たない組織だね。

(それから後ろの階段?を登ってきた人物に振り返らずして言葉を返す。
何か邪神と見紛われそうな言葉だが。暗に己が風紀委員であることを仄めかしつつ。)

東雲七生 > 「ふーむ。」

気を失った暴徒たちを眺め、さてどう捕縛したものかと悩む。
生憎手ぶらで通り掛かったので、都合よく縛り上げる縄なんて持ち合わせていないが。

「……試してみるかぁ。」

──ふと暇な時に読んだ漫画を思い出す。
縄などが無くとも、人間の身体は簡単に緊縛出来るらしい。
何せ割かし丈夫な繊維の集合体を、ほぼ常に身に纏っているのだから。

七生はおもむろに近くに居た男の上着を脱がし、その服で両腕を縛り上げはじめた。


「……ああ、うん。よっす。」

声を掛けてきた蒼穹には、素っ気無く返事を返し。
一人縛り終えれば二人、三人と同様に服で拘束していく。

『プリースト』 > 『プリースト』を“一回”殺したメアには逃げられてしまう。
いやむしろ、ピンチなのは『プリースト』の方だ。
追撃する余裕など、あるはずもない。

大人しくしているようにとリビドーに言われると、再び蒼穹を試すようにして助けを求める。
邪神様なら、『プリースト』を見捨てるはずがない……。
が、どう考えても、目の前のこいつは『プリースト』が信仰する邪神様というより、怪しい奴。
「邪神様ぁ、出番ですよぉ。
 休んでいる暇なんてありませんねぇ。
 今こそ、全てを苦しめながら殺戮する時ですよぉ」
そしてリビドーは、『プリースト』に接近していく。
「なんですかぁ?
 それ以上近づいたら殺してやりましょうかぁ?
 私もそれなりには戦えるんですよぉ?」
まだ強気な態度は崩さずにいる。


「『ハンター』は無駄に武器を持ち合わせていますからねぇ。
 つまり、『ハンター』を追い込んだのは邪神様とそのお仲間というわけですねぇ。
 彼のヘタレは治らないと思いますよぉ」
七英霊一、どうしようもなくヘタレな『ハンター』だ。
破壊神なるものを眼前にして怯えるのは仕方がない。

「気紛れですかぁ。
 困った邪神様ですねぇ。
 信徒はこうやって、邪神様の導き通りに動いているというのにですねぇ」
どちらにしても『ハンター』があそこまで怯えている破壊神であるとするならば、様子を見るのがいいだろうか……。

そう思ったところで、蒼穹は態度を変える。
あろう事か、『プリースト』を殺すというのだ。
あと命のストックは二つ……。
さて、どうするか。
とりあえず言われた通り、少しずつ素性を明かしていこう。
「私は『プリースト』というものですねぇ。
 所持している宝具はこの聖書『デス・アポカリプス』というものですよぉ。
 英霊が一人一つずつ宝具を所持しているのは知っていますよねぇ?
 『デス・アポカリプス』は、洗脳を施す効果があるんですよねぇ。
 あの雑魚共は、それにより洗脳させていただきましたぁ」
ゆっくりとした口調で、明かしていく。
ちなみに聖書は右手にある。


東雲七生によって既に気絶している男の上着は脱がされる。
そして、男は両腕を縛りあげられるのだった。

リビドー >  
(破壊神がそれを言うかよ。……何というか、まぁ。少々気に食わないが、良いか。
 加勢してくれた彼の知り合いでもあるなら尚更だ。彼には救けられたしな。)

 とは言え思う程苛立っている訳ではない。
 思う所があるが――思惑は察した。ひと先ずは彼女に任せる事にした。

「ち……怪しい奴らめ。」

 言葉を受けて――もとい、蒼穹の思惑に乗る形で立ち止まる。
 何か頭に引っかかるものはある、が、直ぐに出てくるものでもなく。
 どちらかと言えば、興味や意識は"破壊神"に向いている。ので、ウィザードの単語は頭の隅に追いやる。

(何だかんだで強かで、素直な奴か。
 ……排除すべき奴ではなく、手間の掛かる後輩かな。アレは。)

 破壊神である事は嘘ではないのだろう。
 時折東雲と捕縛された集団の様子を伺いつつも、プリーストに警戒を見せる。
 男の子の彼が不埒者の集団の服を脱がせ、捕縛している状況は確かに把握した。

蒼穹 > ん、こんばんは。
…冷たいね、割と。無事なようで何よりだけど。

(そっけなさにしゅーんとした。彼は彼で忙しいのだろうか。
暴徒鎮圧に集中しているようだし、程々で留めよう。)

…ふむ。
キミは一体邪神様とどういう関係なんだろう。

(信仰していると言うより、庇護の元にある様な言いっぷり。
過保護な邪神様なのか、余程彼女の信仰が篤く、寵愛されているのか。)

ふむふむ。
…私はそいつに直接暴力は振るってないからね。
確かに御仲間、ってトコロかな。…筋金入りのヘタレなんだね?

(どうやっても直らないとでも言うような諦念が感じられた。)

ごめんごめん。
残念ながら邪神様違いだったみたいだからさ。
それにちょっとお友達もいるしー…何さ、そんなにキミは殺戮したいのかい?
そんなら落第街にでも行けばいいでしょ?

(カマをかけるついで。シーフがどうのこうのとか向こうが言ってくれたら、
これで七英霊が組織的で、こいつもその一員だとより確証も持てるだろうし。)

うん…プリースト。
ああうん、報告で読んだ。
…ふーん。ありがと。言っていることに嘘はなさそうだね。
あの暴徒は洗脳して作った。キミが一時的に気絶しても洗脳効果は継続する、と。

(ゆっくりしている。だが気にしない。時間稼ぎされているのかもしれないけれど、
今は情報が先だ。死んでも生き返るなら、倒したって意味がないのだから。)

じゃあ次は『ウィザード』ってやつについて教えてもらおうかな?
聞いた感じ、そいつがリーダーみたいだけど。

(それでは、と貪欲にも大きな足掛かりとなりそうな情報へと手を駆ける。
もっとも、本人を見たこともないので嘘を吐かれても分からないが、あたかも知っている風を見せかけつつ聞いてみる。)


…ごめんね。
お話終わったら私は帰るからさ。

(多分リビドーからすれば同列扱いなのだろうか。信じてもらえるかは分からないけれど、
一応そう宣言しておく。)

東雲七生 > 「ん。
 悪い、ちょっと機嫌が良くない。」

むすーっとしたしかめっ面に戻って、蒼穹へとひらりと手を振れば。
暴徒たちを全て一人の抜け無く縛り上げたのを確認すると、ふらりと通りを歩き出し始めた。

集団洗脳なんて出来る相手は物理攻撃一辺倒の七生じゃ相性が悪いだろうと判断し。
         リビドー
そのうえで蒼穹や魔術師も居るのであれば、と自分は戦線を離脱する心積もりである。

まあ、二級学生から奪い取った槍は、何かの護身用にと持って帰ろうとしたのだが。

「……重い。」

忌々しげに吐き棄てると、元の持ち主の側に転がした。
じゃ、後宜しくー、とだけ言い残して。静寂を取り戻した異邦人街の通りから、ぶらぶら立ち去っていく。

ご案内:「異邦人街大通り/商店街」から東雲七生さんが去りました。
『プリースト』 > 立ち止まるリビドーを一目見て、再び蒼穹に視線を戻す。
まず目の前の破壊神をどうするか考えねばなるまい。
「どういう関係でもありませんねぇ。
 しいて言うなら、信者と神の関係ですよぉ。
 とっても簡単でしょお?
 邪神様の教えは素晴らしいものなんですよぉ。
 私に、虐殺の快感を教えてくださったのですからねぇ」
ケラケラと楽しそうに語る『プリースト』。
その笑みには、不気味さすらあった。

「そのあなたのお仲間に、『ハンター』が無様に斬られたんですよねぇ。
 おかげで私は『ハンター』に貸し一つつくれましたぁ。
 私は『プリースト』、回復魔術の使い手ですからねぇ。
 そうですねぇ、筋金入りのヘタレですねぇ」
『ハンター』の悪口を言う『プリースト』はキーシッシッシと笑う。

「邪神様違いで残念です。
 元から、邪神様に会えるだなんて思ってはいませんけどねぇ。
 邪神様が殺戮を求めているんですよぉ。
 だから私は、邪神様の導きのままに殺し続けなければなりませんねぇ。
 それが私の生きる道でもあるんですよぉ。
 私は、落第街には生き辛い立場にあるんですよぉ。
 落第街は七英霊『シーフ』が縄張りとしていますからねぇ」
別に、七英霊の情報を与えても、時間が稼いで、少しでも生き延びる道があるならそれでいい。
どうせ七英霊なんて、一枚岩じゃない。
みんな、好き勝手やっているだけだ。

もうすぐだ……。
もうすぐ、霊化のクールタイムが終わる。
その時、この場を逃げる事ができる。

破壊神とやらは裏がとれているのだろう。
『プリースト』の話を信じた。
これで分かった事だが、嘘は通用し辛いようだ。

「『ウィザード』がリーダーですかぁ。
 そうですねぇ、七英霊は基本的に同格だと私は認識していますけどねぇ。
 どれ程厄介かは、もちろん個人差がありますけどねぇ。
 ただ『ウィザード』はとてつもなく危険な奴ではありますよぉ。
 詳しい事は、さすがに教え辛いんですけどねぇ」
教えてしまえば、後々『ウィザード』の逆鱗がとんでくる。
それはさすがに避けたい。

暴徒達は、七生によって全員捕えられてしまった。
槍を捨て去る七生の姿を、『プリースト』は今の状態では確認する事ができない。

リビドー >  
「……む。いや待て。風紀委員だろうキミは。
 最後まで居て貰わないと困るし、ボクも少しキツく言い過ぎたよ。」

 素直に謝られると弱い。凄く弱い。実に弱い。
 排除すべき奴でなければ手間の掛かるかもしれない後輩なのだ。故に弱い。
 それに教師としても落ち込ませたままにするのも宜しくない。

 故に、態度を大きく変えた。仄めかされていた言葉も、表に出すだろう。
 リビドー自身は慌ててはいないと思っているのだろうが、大分慌てている。
 但し、シスター服の少女『プリースト』へは――

 ・・・・・・・・
(時間を稼いでるな。コイツ。気に食わない。
 アイツも承知の上なんだろうか。……まぁ良い。)

 一発殴りたくもある、が。
 どうにも蒼穹の態度<ごめんね>を見てしまってから自己嫌悪で気分が参っている。
 故に結局動く気にはならず、その場で様子を伺うに留まるか。

(ん、あの彼は去ったか。
 次に会ったら改めて礼を言って、名前を聞かないとな。 
 それに、地面も直しておかないといけないか。)

蒼穹 > …そっか。お疲れ。

(機嫌が良くないと言ったお友達をそっけなく見送った。
こういう時はあんまり喋らない方が良いだろうし。)

ふーん。一体そいつは何者なんだろうね。
いや、…確かに、言う事は分かる。邪神ってのはそういうやつだよ。
悪い事して楽しむし、私もそれはよく分かる。
っていっても、神は神でもその定義はそれぞれまちまちみたいなんだけど。
宗教上の、信仰の上での神様で、しかも信者がいるんだ。他にも信者は居るの?

…快楽殺人者。

(残虐性を秘めた笑み。自分もこんな風な時があった様な気がする。
虐殺の快楽は、分からないでもないし、味合わなかったわけでもなかった。)

そうみたいだね。
じゃあ私からも情報をあげよう。斬った人はユキヱさんって言うんだ。
私と同じ治安組織で正義感の強い女の子。覇気が凄いよ。近寄らん方が良いと忠告しておくっ。
…ヘタレさんから貸し作っても何になるか分からないけどね。
(肩を竦めて茶化すように笑い返した。)

いや、邪神様に会えたんだからもっと嬉しがれよ。
成程、確かにそれは一理ある。信仰はそれぞれだからね、仕方ないね。
うん、いいと思う。でも、それを許してくれる社会じゃないんだ。辛いね。
邪神様の教えよりも、常世の社会の方が強いからこうなる。
…ふうん。やっぱり。

(名前が出てきた。つまりこいつも七英霊で間違いない。シーフと言う奴が落第街を占拠していることも間違いないか。
やけにあっさり情報を吐くのは、無意識か、それともシーフと言う奴なんてどうでも良いのか。)

うん。途轍もなく危険な奴。近づかない方が良い。そんな話は知っているんだ。
それと、情報役でブレインみたいな役割をになってるって事もね。
ほら、もっと教えたまえ。そいつは一体何処で何をしているの?そいつの能力は?
洗いざらい今すぐぶちまけなよ。

(だが、ウィザードの事を聞くと一転、とてつもなく危険な奴としか言わない。
リーダーであろうことに益々疑いが強くなる。この洗脳しまくった奴も認める程の危険さ。
彼女の胸倉をつかもうと大きく踏み込んだ。
まだ霊化とやらの情報は知らない。)


…ああそう。分かった分かった。じゃあ暫く居座ってるね。
こいつ逮捕とか出来んのかな。

(聞いても分からないだろうが聞いてみる。
あまり落ち込んだ風はない。自分が何者か分かってくれたなら、それ以上は言わなかった。

それにしても、一度目の前で消えられて逃げられている為、何らかの力はあるのだろうと憶測はしているが。)

『プリースト』 > このオッドアイの男も、『プリースト』が時間稼ぎをしていると気付いているのだろうか。
そこは実際、どうかわからない。
問題なのは、時間稼ぎしている事を気付かれる事ではなく、時間稼ぎさせてくれない事にある。
要するに、こちらの意図がバレバレであっても、うまく霊化できる時間まで生き延びればいい。
幸い、魂のストックは後二つあるので、一度は死んでも蘇る。
さすがにそのまま死んだと思わせる作戦は、さっき蘇る姿を見せているので通用しなさそうだ。
ヘタレな『ハンター』より先に脱落するなどというまぬけな真似だけはさすがにしたくない。

「そうですよぉ、邪神様が何者かなんて全く分からないものですねぇ。
 さすがは同じ邪神様ですねぇ。
 殺戮はいいものですよねぇ。
 他宗教に様々な神がいるのは分かりますけどねぇ。
 私の信じる神は、邪神様だけですよぉ。
 この世界では、信者があまりいないように見えますねぇ。
 だから邪神様を信仰して、人々に殺戮の快楽を教えていくのもいいかもしれませんねぇ。
 キーシッシッシッシ!」
破壊神、邪神様を名乗るこの女ならば『プリースト』の言葉も理解したりするのだろうか。
虐殺の快楽は、とてもいいものだ。

「つまり、『ハンター』が一番恐れている女というのもユキヱという奴ですかぁ。
 キーシッシッシッシ!
 正義感などというしょうもないもののために動く馬鹿げた女だという事は分かりましたぁ。
 確かに、か弱いこの『プリースト』は近づかない方が良さそうですねぇ。
 『ナイト』や『モンク』あたりに押しつけた方が良さそうな女ですねぇ。
 むしろ、強き者を求める『ナイト』にとっては朗報になりそうですねぇ」
ヘタレとは言え、英霊の『ハンター』を追い詰めた程の奴だ。
かなり強い女なのは間違いない。
「それは言えてますねぇ。
 ヘタレの『ハンター』が私の役に立つ日がくるんでしょうかねぇ」
同じく肩を竦めて、怪しげに笑い返した。

「これでも、内心嬉しがっているんですよぉ?
 まことに素晴らしい事かぁ!
 私の信じる邪神様本人なら、もっとよかったです!」
嬉しそうにしているかは微妙だが、不気味な感じで歯を見せて笑っている。
「社会が許さなくても、邪神様は殺戮を認めてくれるんですよぉ。
 邪神様の教えの方が社会よりも弱い?
 常世の社会が、邪神様の凄さを分かっていない愚かな者達で構成されているなんて、可哀想ですねぇ」

『シーフ』なんてどうでもいい。
まさに『プリースト』はそう思っていた。
どうせ、『シーフ』は表立って動こうとしない奴だ。
奴の殺戮は、闇から闇へと消えていくに違いない。

「今は何処にいるんでしょうねぇ。
 それは本当に知らない事ですよぉ。
 能力ですかぁ?
 そうですねぇ……それは教えたくないですねぇ。
 あまり『ウィザード』の質問はしないでもらえるとありがたいですねぇ
 キーシッシッシ」
最も、『ウィザード』の能力など、その名称から想像できるものだ。
四属性の魔術を使う魔術師。
そのまんま『ウィザード』。

いや、実際はもっと危険なところがある奴なのだが……。

後少し時間を稼げればいい……。
それでやっと霊化ができる。
さすがに、情報を与え過ぎるのもよくないし。
特に『ウィザード』の情報を与えると、後々怖い。

リビドー >  
(七英霊、か。それは良いが、しかし……)

 ……二人の、『神の教え』に纏わるやりとりは、顔をしかめて聞いている。
 彼女らのやり取りから情報を推測し、彼なりに整合するだろう。
  
 顔を見れば苦い表情だ。そのまま訊ねてきた蒼穹へ答える。

「証言も証拠もある。逮捕は出来るだろうが、それはキミの仕事だよ。
 後は現場の処理だな。幸い一般市民への被害は出なかった。
 ……ボクが歪めた所<じめん>は直しておくから、後で他の処理を頼んでも良いかい。」

 軽く蒼穹へと苦笑に近い笑みを作ってみせて、創り上げた階段を伝って降りる。

(……どことなく、後輩を思い出すんだよな。
 いや、彼女よりは素直かな……)

 大きく溜息を一つ付けば、捕縛されている集団――暴徒達をどかす。
 恐らく、彼らは精神に異常をきたしている。そして風紀委員もその手の症例に無策で居る筈ではないだろう。
 何処まで出来るかは別としてもだ。精神系異能者による事件などはいくらでもあり、その加害者や被害者だっていくらでも居ただろう。
 一大ジャンルとも言える『精神干渉』に対するノウハウはあるだろう。手が付けられなかった場合の対処療法も含めて何かしらだ。

 故に、風紀委員会を評価しているし、一教師としても信頼を置いてる。
 蒼穹個人も分別のある存在と評した。だからこそ、処遇も含め任せる事にする。
 押し付ける形になってしまうが、無理に押し入る事もない。

「事が済むまで暴徒の見張りをしているよ。
 終わったら、顛末を教えておくれ。」

蒼穹 > 邪神様ね。じゃあ偶像崇拝でも何でもない。
そのわけのわからない聖書に書かれた何者かを拝んでるって感じかな。
はぁ…殺戮も好きなんだけどさ。最近今一気が乗らないんだ。何でだろうね。
…ふーん、じゃあ他世界の神様ってことか。
でもキミの目的ってそうじゃなさそうだよね。
信仰を集めることじゃなくて、殺す事。そっちが目的な気がするけど、どうかな?

(邪神の中では比較的大人しい方として扱われている様な気がするし。
どういうわけか、この頃殺戮に興が乗らないことが多かった。
そういえば、こっちに落ちてきてから、ロクに殺しをしたこともなかった気がする。
己も、殺戮に悦する時は、こんな奇怪な笑い方をするのだろうか。)

そういう事じゃないかな?
おー、酷い言いぐさ。確かに正義や道徳も私は嫌いだし、馬鹿げてるって思うけど、
お友達なんだよね。理由なんてないけど今のはちょっと気分悪くなった。

だから死ね。

―――って言いたいけどやめとくよ。フェアじゃないだろうしね。
(睨みながら胸倉をつかむふりをして、やめた。)

…ふーん、また色々な奴が。ナイト…。

(七英霊の名前が次々と。ハンター、シーフ、ウィザード、プリースト、ナイト、モンク。
今のところこの六名。あと1人いるのだろうとは憶測がつくが。)
それじゃあ永遠に貸したままだね。残念!
(不気味な笑顔を悪戯に茶化しておいた。)

おやおや。本当の邪神様が降臨したんだぞー。図が高ーい。
そうだね、多分御神体が降臨したらキミ動転しちゃいそう。
…見え透いた嘘はやめようね。
(どうみても嬉しがっている笑い方ではなかった。独特の、不気味な殺戮者の笑みは、
誰が見たとて、本当に嬉しがっているとしても受け入れがたい。)

殺戮が認められてるのは落第街だけなんだ。
さてどうかな…どれ程偉大な邪神様かは知らないけれど、身を以って社会ってものの恐ろしさを知ると良いよ。

…さて。ウィザードとやらの事を喋る気はないんだね?
じゃあもういいよ。お縄につきな。そっちでゆっくり聞かせてもらうから。
破壊魔法・第六十一術式「距離歪壊―ワームホール―」
(ひょいと手を上げて振り下ろす仕草。時空を薙ぎ去る魔術。
時間を歪め、空間を捩り。距離と言う概念、通過と言う概念をぶち壊して、風紀委員の分署の牢屋へと通じる、転移の穴を作りだした。
人三人ほど通れるくらいの大穴。手錠もかけず、ダイレクトに逮捕する所存。不安定な時空と魔力が漂う。)

じゃあ検挙。しっかり頭冷やしておきな。
(それから、ウィザードを真正面から蹴飛ばして大穴に蹴り入れようとする。
もしシュート出来ればすぐさま穴を閉じる。その先では異能も魔術も使えない。
だが、霊化出来る彼女にはそれらの効力も何ら意味を持たないことだろう。)


そういう事じゃないって。
そもそもコイツ大人しく捕まってくれるかって話。
…ん、まぁ…それなりには。

(あまり仕事に乗り気ではないのだが。まぁ任されておこうか。
それなり。あくまでそれなりの対処だけをしておく。
暴徒の見張りも任せておけばより安心と言ったところか。

もし、プリーストを無事牢屋へと蹴りこめれば屋上から階段を下りて行った彼を追いかけて飛び降りよう。)

『プリースト』 > 「その通りですよぉ。
 この聖書に書かれている事こそ、全てです。
 殺戮が気に乗らないとは、不思議ですねぇ。
 こんなにも胸がときめく行為は他にありませんよぉ?
 その通りですよぉ。
 信仰よりも、邪神様の教え通り、惨たらしく、残虐に生き物を殺す。
 それが私に課せられた、邪神様からの使命なんですよねぇ」
自分の目的は、喋ってしまっても問題ないだろうか。
そろそろ、情報を与える必要性もなくなってきた。
なぜなら、もう一人の男は下に降りたので目の前にはいない。
今いるのは、目の前の破壊神のみ。
物凄い力を隠しもっているのが想像できるが、こちらも邪神様の加護がある。

その時、『プリースト』の失言により、蒼穹に睨まれて胸倉を掴まれそうになった。
「破壊神もお友達ごっことかするんですねぇ。
 腐りきりましたねぇ。あまいですねぇ。
 平和ぼけしてますねぇ。
 最凶最悪の邪神様は、もっと非道ですよぉ?」
ケラケラと破壊神を煽る。
友達? なんだそのばかばかしい言葉。
これが邪神か。

「貸しは、返してもらわない方が都合がよかったりするんですよぉ?
 ご存知ですかぁ?」
返してもらわない方が、常に『ハンター』の上に立てるというものだ。

「図が高いですかぁ。
 信仰している以外の神に頭を下げるなど、それこそ邪神様に失礼ですねぇ。
 動転するどころじゃないですねぇ。
 邪神様による虐殺パーティを見れば、笑いが止まらなくなりそうですよぉ。
 嘘ですかぁ?
 これでも結構本気なんですよぉ?」
ケラケラと笑う『プリースト』からは、本気かどうかわからない。

「そうですかぁ。『シーフ』は良い所を陣取ったものですねぇ。
 それでは、社会の恐ろしさを教えてもらいましょうかぁ?」
ニタァと笑った。

「ないですねぇ。
 おや? 破壊神はあまいですねぇ。
 いや、風紀委員会やこの島の制度があまあまと言った方がいいでしょうかねぇ。
 分かりましたぁ、お縄につく事にしますねぇ
 今はもう、洗脳した手下があの状態ですからねぇ」
どうやらこの場では殺されない……つまり、成仏されないようだ。
なら、素直に捕まっておいた方が良い。
なぜなら、こちらには霊化があり、逮捕という行為など怖くないからだ。
恐れるべきは、成仏されるだけの攻撃をもらう事。
下手な抵抗をしなくて、やはり正解だった。

蒼穹に蹴られた『プリースト』は、そのままワームホールに消えて行く。
「もっと優しく扱ってくださいよぉ」
最後に、そんな言葉を残した。


もちろんその先で、『プリースト』は霊化する事で脱獄する。
キーシッシッシッシとあざ笑いながら、亡霊のように消えていくのだった。

ご案内:「異邦人街大通り/商店街」から『プリースト』さんが去りました。
リビドー >  
(いや、落第街でも公言出来る程認められている訳じゃないからな。
 実際の所は黙認みたいなものだが、公言出来る程ではあるまい。……やっぱりと言うか、少々危なかっしい。
 とは言え……)

 とは言え社会が恐ろしいと言える程度には分別はあり、ごめんねと言えるような彼女だ。
 上正義や道徳を嫌う所が有ると言っている所は怖いものがあるが、経験に因って今は問題はないと認識。
 ……何かを重ねて見ている節もあるが、故に今のところは口を挟む事もない
 見張りながらも、耳を立てて会話を聞き続けていた。

「……事は済んだかい。
 そう言えば、キミの名前を聞いていなかったな。」

 蒼穹が屋上から飛び降りてリビドーに駆け寄るのならば振り向いて、彼女の顔を見る。

蒼穹 > (腐りきった、甘い、平和ボケ。
実に持ってその通りだった。最強最悪を自称していたけれど。
もうそんなの名乗れそうもあるまい。
邪神を名乗っておきながら、そんな甘っちょろい事を言っていたら、
本当の邪神様を知る彼女には滑稽にしか映らなかったろう。

ああ、甘い甘い。甘くて腐って平和ボケしてお人好しな自分が嫌になる。
嫌になるが、その気持ちを何処へやることも出来ない。

何処へやることも出来ないと思って、八つ当たりさえしなくなったのだから本当に甘ちゃんだ。)

"次"は引き千切れるを通り越して蹴った部分が霧散するくらいに強く蹴ってあげる。

(その言葉は、果たして届いたかどうか。
だが、この捨て台詞。最後の最後まで余裕綽々な態度に逮捕への無抵抗。
これらから、最早捕縛は不可能と憶測が着いた。
きっとまた、逃げられたのだろう。…今度こそ、ちゃんと調べはしておこう。)

(屋上からぴょん、と飛び降りる。
自由落下、というか鉛直投げ上げだが、着地点前で重力を押し殺してふわっと着地。)

うん。逃げられたみたいだけどね。
どうにかして捕縛…出来ないなら殺すしかないみたいだけど、蘇るし。
次は禁術でも使って魂ごとふっ飛ばすか、因果律分解するかしかなさそうかも。
あー…私?…蒼穹《ソラ》だよ。幽霊風紀委員で週休9日希望なのにこの頃毎日休みなく働かされてる憐れな馬車馬。社畜とも言うね。
副業で破壊神やってるよ。

(事が済んだのでとりあえず報告。教師とか言ってたような、そうでもなかったような。
一通り自己紹介するが、どうにも気分が落ちている。
煽られたことを気にしている。胡散臭い奴だったが、あれは邪神がどういう物か知っているが故だろう。
奴のあおりは的確だった。それに、タイムリーに気にしている事だったからまぁ気分が悪い悪い。)

リビドー > 「物騒なことを言うものだ。
 ま、その話は今度にしようか。キミも気分が悪そうだ。――ああ、ボクはリビドーと名乗っているよ。
 哲学が専攻だが、周辺分野として魔術なども扱っている。職員室を訊ねてくれれば大体会えるぜ。」

 聞き耳は立てたのである程度話は聞いているものの、
 今は下手に口を出す事はしない。この後に遣ることが控えている事でもあるし、
 "甘くなった"事に関しては、此処で自身が何かを言ってどうにかなるものでもない。

「ともあれソラ、だな。覚えたとも。ま、宜しくな。
 ……ボクは地面を直してから帰る事にするよ。参考人や証言が必要なら直した後で何時でも呼び出してくれ。」

蒼穹 > 流石に堪えたかな。あまり良い気分じゃないのは確かだよ。
…先生なんだね。ん、じゃ、覚えとくよ。
さー、魔術の先生だったらあったかもしれないね。サボり気味なんだけど…りょーかい。

(気怠そうに一息。楽しく観戦と言ったところが、丸つぶれだった。下手に手出ししない方が良かったのか。
下手に手加減する癖ばかり付けたのも悪かった。嫌な気分は重なり続ける。)

こちらこそ。
ん?…ああ、そういえば、何か色々作ってたっけ。
そっちもりょーかい。じゃあ、報告書類に証人として名前はあげさせといてもらうね。

(そもそも何で真っ当に働いているんだか。)

リビドー > 「堪えるか。そうだろう、な。
 ……ああ。それで構わないとも。私書箱を使ってくれても構わない。
 それじゃあボクは作業を始めるから、話しかけるとしたらその後でな。」

 瞑目し、意識と感覚を研ぎ澄ます。
 ――程なくすれば、地面の修繕作業に入るだろう。

ご案内:「異邦人街大通り/商店街」からリビドーさんが去りました。
蒼穹 > 折角のところ悪いけど、私はもう帰るよ。
…気分悪いから。
連絡するとしたらまた今度。それじゃ。

(修繕作業を始めた彼より一足先に、帰路についた。
帰る場所の宛なんてないし、あったとして何をするでもないけれど。
なんというか、偶には一人、物思いに耽ってみたかった。)

ご案内:「異邦人街大通り/商店街」から蒼穹さんが去りました。