2015/06/04 のログ
ご案内:「蒼穹の祭壇」に東雲七生さんが現れました。
■東雲七生 > (関係ない所に連続出現してしまい、ご迷惑をお掛けしました。何事……)
蒼穹、聞こえてるかな。
今居るのかどうかは分からないけど、約束の大剣持って来たぜっ!
(廃墟の前で声を張る。
そういえば“持って来い”とは言われたものの、具体的にどうしろとは言われなかった事を思い出す。)
………どうしよ、これ。
■東雲七生 > (身の丈ほどもある大剣を手に途方に暮れている。その腕に巻かれた包帯は、じわり、と血がにじんでいた)
それにしても、ちょっと気合い入れ過ぎたかもな。
……ぶっちゃけ、ここまでデカいのは初めてだったからなー。
骨が折れたぜ、しょーじき。
■東雲七生 > (立っていても仕方が無い、と溜息ひとつついて“祭壇”へと近付いていく)
……これは、とりあえず置いとけば良いのかな?
もっとちゃんと聞いときゃ良かった。今更だけど……。
■東雲七生 > えっと、何処か大剣おいても大丈夫そうなところ……と。
(廃墟の中に入り、辺りを見回す。そもそも七生は宗教に疎い。
疎いと言うか、殆ど知らないに等しい。なので祭壇の勝手も、いまいち分かりかねていた。)
■東雲七生 > ああもう!この辺でいいか!
(持って来た大剣を雑に壁に立てかける。
もしもここが拙かったのであれば次に顔を合わせた時に何か言われるだろう。
そうしたら次に置く時に気を付ければ良い、そう考えていた。)
■東雲七生 > 次………、次か。
(この祭殿に住まうらしい破壊神は言っていた。「出来るだけ多くの」と。
無意識のうちに包帯を巻いた腕を軽く押さえ、顔をしかめる。)
……もっと必要なんだよな、きっと。
具体的に何本、なんて言われなかったし、俺も聞かなかったけど。
■東雲七生 > ───だったら。
(小さく喉を鳴らして唾を飲み込むと、腕に巻いていた包帯を解く。
汗で湿った包帯は静かに七生の片手に集まり、巻かれていた腕には大きな切り傷が1つ、真っ赤な血を滲ませていた)
■東雲七生 > (その傷口に、指を添え、覚悟を1つ決めて指先を潜り込ませる。)
………ぐっ、あっ……がぁっ……!
(少年のくぐもった呻き声と、微かな水音、そして鉄臭さが辺りに漂う。
無理やりに拡げられた傷口からは、夥しい、とまではいかずともかなりの量の血が溢れた)
ご案内:「蒼穹の祭壇」に士尺 流雲齋さんが現れました。
■東雲七生 > はぁ……はぁ……。
(脂汗の滲んだ額を拭いもせず、新たな血に汚れた腕を前へと掲げる。
やや力なく床へと向けられている掌から血が滴り、地面へと落ちる前に渦を巻く。
そうして数秒後には空中に血の渦が出来上がると、無傷な方の腕をその中へと差し入れた)
───次、“二振り目”
■士尺 流雲齋 > 【からん、ころんと下駄の音がする。音のする方を見れば、老人が杖をついて歩いているのが見えるだろう。ただ、いつもと様子が違う。片手には徳利をぶら下げ、さらに花束すら抱えている。】
(そろそろ時期じゃろうかのう…ん?)
【祭壇を通り過ぎようとしているが、気配を感じ、振り向く】
■東雲七生 > (渦の中に差し入れた手で何かを握り、引き出す動きをすると、
その手の中には剣の柄が握られ、次第に大剣が引き出されていく。
大剣がその全貌を表す頃には、その場に血液の痕跡は七生の腕以外に無く、七生の腕から流れる血も、いつの間にか消えていた)
……よっし、こんな……もんか……。
(荒くなった息を整えつつ、若干血の気の引いた顔で剣を見つめる。
士沢の存在には気づいていないようだ)
■士尺 流雲齋 > 【そこで起こっている光景に、目を見張る。あれは、いつぞやの、異能を使いたがらない学生ではないか。】
(おお……よもや、自らの血液から何かを創るとはの……そりゃあ、危険には違いないわい。血が足りなくなったり、その辺は大丈夫なんじゃろか)
【物陰から、心配そうに見守る。】
ご案内:「蒼穹の祭壇」から士尺 流雲齋さんが去りました。
ご案内:「蒼穹の祭壇」に士尺 流雲齋さんが現れました。
■東雲七生 > ……これで二本。
流石に、帰りの体力考えたらこれ以上大剣は無理そうだな……。
(先の剣と同様に出来たての剣も壁に立てかける。)
……っとと。
(そのまま足元がよろめき、七生自身も壁に寄り掛かった。
怪我を負っている腕は痛むし、血液の減った体は重い。
その場で1つ、大きく深呼吸をする。)
■士尺 流雲齋 > (あっ、やはり貧血になっておる。なんでまた、こんなところであんなことやっとるんじゃ…?)
【出てゆくタイミングをつかめずに、まだ物陰にいる。】
■東雲七生 > よし………帰ろ。
(呼吸を整え、腕に包帯を巻き直すと祭壇から離れ始める)
……ん、れ?人の気配……?
■士尺 流雲齋 > 【しかし、いつまでもそうしているわけにもいかないだろう。だが、此処一帯は宗教施設群だ、何かの儀式だった場合、声をかけるのが果たして正しいのかどうか。】
(……とりあえず、こちらの用事を終わらせてからじゃな。)
【そうっと離れ、遠ざかり始め……下駄に石ころが当たって音を立ててしまう。】
■東雲七生 > ──誰だっ!?
(僅かな気配の疑惑は小石の音で確信に変わる。一足飛びで祭壇から飛び出して───)
……って、別に後ろめたい事じゃ無いし、過敏だろ俺。
(足を止めた。)
■士尺 流雲齋 > すまんの、儂じゃよ。
【東雲が飛び出してくれば、反射的に手をあげて敵意がないことを示すが、大して意味はなかったことに気付く。】
…まあ、その、友の墓参りでの。通り過ぎるつもりじゃったが……
■東雲七生 > げっ、士沢先生………。
(予想外の顔にあからさまに嫌そうな表情をした。)
もしかして、今の見てたんすか……?
その、俺が異能使ってんの……。
(だとしても別にどうするつもりもないし、どうにかできるとも思わない。
ただ、確認しない事には気がすまなかったから、訊いた。)
■士尺 流雲齋 > う、む…本当にすまんの、今のはボケて忘れることにするから、許してくれるかのう。
【露骨に嫌そうな顔をされれば、小柄な老人がますます小さくなった。】
というか、体のほうは大丈夫なのかの?かなり俊敏な動きじゃったが。正直、そういう類じゃとは思わんかったもんで、『肉を食え』くらいしか助言できぬのが口惜しいところじゃがの…
■東雲七生 > そんな都合よくボケられると思えねーんすけど……。
(自分が表情に出してた事に気付くと、慌てて表情を変えようとして……帰る先が思いつかなかったので口を尖らせそっぽを向いた)
まあ、いいんすよそれは。どうせ生徒資料見れば書いてあるんすから。
助言、ありがたく聞いときます。幸い、センパイのバイトする焼肉店教えて貰ったんで。
(正直なところ急に動いて立ちくらみはしていたが、
“温存”していたので無理はしていなかった。)
ええい、だったらついでに士沢先生の墓参りとやらに付き合わせてください。
ついでに電車賃、それでチャラにするんで。
(多少足を引きずりながらもそちらへと歩み寄っていく)
■士尺 流雲齋 > いやいや、儂、これでも物忘れの天才じゃよ。
【冗談で場を和ませようと試みたが、半ばヤケになったと思われる対応に、ちょっと苦笑した。】
ほっほ、抜け目ないの。構わぬよ、覗いてたのはこちらなのじゃし。
電車賃か…いっそ、学生定期も一緒にとるかの。儂が一緒であれば大丈夫じゃろ。
さて、そうと決まればすぐに終わらせるぞい。
■東雲七生 > 物忘れがひどくて講義なんか持てるわけないでしょーが。
(ジト目で反論しつつ、そのうち、ぷっ、と吹き出した)
そうっすね、定期も取ってみます。遠くまで走っちゃったときとか割と電車使うんで。
で、ご友人のお墓って何処なんすか?
(話しているうちにマシになって来たのか、次第に顔色も良くなってくる)
■士尺 流雲齋 > おお、そういえばそうじゃったな。儂としたことが失念してしもうたわい、次からは気をつけることにしようかの。
【冷静なツッコミを受ければ、納得したようにうなずく。このお爺ちゃんの日ごろのボケに、どうやら持ちネタ疑惑が浮上してきたようだ。】
うむ、あやつは異邦人での、良いやつじゃったが、数年前に哀れにもスラムで強盗に襲われての。それで、この近くに墓があるわけじゃよ。
【東雲を気遣いながら、ゆっくり歩きだす。】
■東雲七生 > まったく、食えない爺ちゃん先生っすねえ……。
(肩を竦めるも、その顔は普段通り快活そうな少年のものだ)
異邦人……スラムで。数年前じゃ、俺にゃ分かんねえっすけど……。
(そうなんすか、と神妙な面持ちで相槌を打つ)
■士尺 流雲齋 > ほっほっほ、よう言われるわい。
まあ、些細なことじゃ。無防備だったのが悪い。
【見えてきたのは十字の棒が刺さった半球状のオブジェ】
■東雲七生 > 些細って……全然、些細じゃないっすよ。
(腑に落ちない様子で反論したが、オブジェが見えてくるとそのまま共に墓参りをして帰っただろう)
ご案内:「蒼穹の祭壇」から士尺 流雲齋さんが去りました。
ご案内:「蒼穹の祭壇」から東雲七生さんが去りました。
ご案内:「破壊神の祭壇」に蒼穹さんが現れました。
■蒼穹 > (とん、と姿を現した。己を祀る祭壇へと歩み出した。)
…へえ、気前が良いね…彼は。
これは、やってくれる。東雲君…いいねぇ、実に、良い。
(壁に立てかけられて、供えられている、2振りの真っ赤な剣。大柄。よもや、邪神たるこの己が、供え物を貰う日が来るなんて。一体、彼はこんなものどこから持ってきたのだろうか。けれど…良い。)
あはは、これは、…良いね。本当に。
(ひょい、とその大柄の剣を一つ、持ち上げてみようか。真っ赤な、剣。良い色。己の髪色とは丁度対をなす色。)
…素晴らしいなぁ。これは…。
(うっとり、目に染みる、鮮血の様な色合いの剣。それは、己が邪神であっても…否、邪神であるからこそ、目が奪われる。)
有効活用…させてもらうよ。
(だが、いかなる美しさとて、これはまだ、ただの剣だ。もっと、数が必要。そう…。)
あと…五本。それだけあったら…完全に作れる。
(にんまりと、笑った。彼が、どんな風に武器を作っているのかも知らずに。もし、その方法を知ったなら、肝を冷やす思いにもなっただろうが。)
■蒼穹 > …けれど、もう、作り始めようか。
時間も、魔力も、勿体ないしね。
さぁ、この世の最強の一角となる魔剣―――破滅の枝《レーヴァテイン》。今こそ、ここで復活の時だね。
名付けるならレーヴァテイン二世かな?
それとも、レーヴァテイン・ネクス…の方が良いか。
いや、でも、ここは剣を持って来てくれた彼の名前を入れてシノノメ・レーヴァテインが良いかな…?
いや、何かそれは違うね。
…そういや、東雲君の下の名前、聞いてなかったな。今度聞こうかな。
さってと…やりますか。
(レーヴァ…惨禍、破滅、裏切り、害。過去、世界を滅ぼす者が振るった強大な魔剣。それが、今、破滅の術式と共に蘇る。能天気に、その名前を考えながら、2つの鮮血の色をした巨大な剣は、やがて破壊の魔力を接合体として、より強大になり、その身は2つから、1つへと変わり、やがて、悍ましいほどの魔力を帯びながら、身を落ち着ける。それは、或いは炎の剣。枝、という言葉で締めくくられていたが、本来はそんな可愛いものではなく、もっと恐ろしいもので。そして、炎を意図する剣を作り上げるのに、この鮮血の色合いは、素晴らしいほどにマッチングしていた。)
…出来たーっ!
未完成レーヴァテイン・2/7(仮)…あれ、仮の名前付けたらすんごい変なことになっちゃった。
(ひとまず接着完了…だが、まだ、足りない。「素晴らしい剣、ありがと!あと五本だよ!byそら」と、祭壇のどっか…さっき剣が立てかけてあったところにでも書き起こして。それから、この剣は…一応、持っていこうか。…良い気分だ。)
ご案内:「破壊神の祭壇」から蒼穹さんが去りました。
ご案内:「みかんの祠」にみかんさんが現れました。
■みかん > ぶえーっくし。
【大きなくしゃみをして袖口で顔を拭う。】
どこぞで噂でもされておるのかの。人気者は辛いわ、ほほほ。
ご案内:「みかんの祠」からみかんさんが去りました。
ご案内:「異邦人街の宗教地区にある小汚い祠」にレセナさんが現れました。
■レセナ > たぶん此処でしょう。(端末に写した地図を見ながら祠を覗く)
――異邦人街の宗教地区に、小汚い祠があるのだけれど。其処の掃除を、時折で良いから頼まれてはくれないか。――
志葉さんの依頼、確かに承りました。(中空から掃除用具を取り出しながら構える)
■レセナ > とはいうものの、この手の宗教施設の手入れってどの程度が宜しいのでしょうね。
生してるコケとか全部取ったらそれはそれで神格が下がるとか起こられそうですわね...
(とりあえず周りの落ち葉やらゴミらを掃いて)
■レセナ > あぁ、蕺草に犯され……。
(裏手にびっしり生えた薬草を無心で引き抜く)
■レセナ > 悟りが開けそうな気がございます。
(むしむしむしむし...)
■レセナ > そうでございますか
宗教とは―――
信仰とは―――――!!
■レセナ > (悟りの境地から戻ってきた)
はぁはぁ、恐ろしい祠の引力...
(汗を拭きつつ、掃除を完了させる)
まぁ今日はこんなものでございますね。祠の主とやらも不在のようでございますし。
また汚れた頃に参ります。
■レセナ > (では、と恭しく一礼すると掃除道具を仕舞い帰った)
ご案内:「異邦人街の宗教地区にある小汚い祠」からレセナさんが去りました。
ご案内:「異邦人街の宗教地区にある小汚なくない祠」にみかんさんが現れました。
■みかん > ふわあ、よく寝たわ。
【寝ぼけ眼をこすりながら、小さな祠に小さな神が顕現する。寝た、と言ってはいるが、その表現はどこまで正確なのか。】
さて今日も日課をーーおりょ。
【癖っ毛を撫で付けながら周囲を見渡せば、すっかり小綺麗に片付けられた空き地が目に入る。】
■みかん > ……なんか掃除されとる!?
【正確には何回かメガネの探偵少年が掃除をしていたのだが、あくまで片手間のもの。今回のそれは掃除のための掃除とでも言うか、本格的な処置であった。】
ご案内:「異邦人街の宗教地区にある小汚なくない祠」にみかんさんが現れました。
ご案内:「異邦人街の宗教地区にある小汚なくない祠」にみかんさんが現れました。
ご案内:「異邦人街の宗教地区にある小汚なくない祠」にみかんさんが現れました。
ご案内:「異邦人街の宗教地区にある小汚なくない祠」に志葉恭介さんが現れました。
ご案内:「異邦人街の宗教地区にある小汚なくない祠」にみかんさんが現れました。
■みかん > そうか、こんな色じゃったんか、これ。
【なんということでしょう、苔に覆われていた石肌は磨き抜かれて青磁を思わせる、飽きのこない気品のある石目に。】
■志葉恭介 > やぁ。……おや。
【小奇麗になった祠を見渡し、吐息を一つ】
面倒だと思ったなら別にいい、って言ったんだけどな。律儀なことだ、ロディア同級生……
■みかん > なるほど、おぬしの差し金か。礼を言おう、これでまた一つ妾の霊格が上がろうというもの。
【物珍しそうに自身の神殿を撫で回しながら。】
■みかん > 【なお、石塔のそばにはアイスティーのペットボトルがお供えされている。
ディテールが鮮明になった祠とあいまって、控え目に表現しても、……無縁塚か何かに見える。】
■志葉恭介 > 【劇的ビフォーアフターを果たした祠を同じく物珍しげに眺めつつ】
……いや君が物珍しそうにしてるのはなんか違うだろう。
で、お供え物はどうだった。駄目か。さっぱり使い方が分からないか。矢張り。
■みかん > うむ、まあ、使いこなせているとは言い難いのう。
ようやっと「いんたーねっと」っちゅうものが使えるようになってきたところじゃ。
【ブラウザを呼び出して学園内BBSのスレッドを見せる。】
■志葉恭介 > えっ。
……えっ?
【愕然とした表情。眼鏡は光った】
インターネット、と言うと、あの……魑魅魍魎渦巻く電子的呪圏であり現代のレイラインとも呼ばれる、あの……?
【なんだか間違った知識をのたまいながら、スマホの画面を覗き込み】
君が神か。
■みかん > 神じゃ。
【ほのかに後光が差しているようにも見える。】
■志葉恭介 > ……。
【これは屈辱なのだろうか。いや、きっとそうではない。異界存在が現代文明に容易く適応する例など今やごくありふれているではないか】
【だから志葉恭介がスマホの一つも満足に扱えないのを尻目に記憶も権能も失った神がネットの海を不格好ながらもビート板もなしで泳いで掲示板に書き込みをするなど――】
……くっ、なんという無様……!!
矢張り時代は電子機器なのか? 使いこなせねば明日をも知れぬというか……!
【やっぱり受け入れがたい事実だったらしい】
■みかん > まあまあ、そう気を落とすでない。
近年の召喚師には電子機器を用いて霊的存在との交渉や使役を行うものもおるようじゃが、まだまだ少数派じゃ。
【そんなことまで電子の海で調べていたらしい。】
■志葉恭介 > ……別に気を落としてはいない。
いないったらいない。実践的退魔術の観点から見てもそんなものは――
【今の話でつと、気づく。ではその少数派の力を用いれば】
いや、権能が減じたとは言え神は神だ。
電子媒体を依代とするなんて、出来るもの、か……?
【少しばかり、考えこむ】
■みかん > さらにじゃなー、この文明の利器と供物、そして妾とおぬしが集めた信仰によってーー。
どうかしたか恭の字?
【急に黙り込んだ探偵の顔を下から覗き込む。】
■志葉恭介 > 【どの道、電子媒体に疎いどころではない自分がその手の術式を一朝一夕に組み上げられるとも思えない】
【故に、掛けられた声に沈思から引き戻され】
いや、なんでもない。
で、何だよ。権能の一部でも取り戻したのか。
■みかん > うむ。おぬしも持っとるじゃろ。
少々貸してみせよ。
【と、手招きして恭介のケータイを無心(?)する。】
■志葉恭介 > 【気乗りしなさそうに、骨董品の二つ折りモノクロ携帯を手渡し】
壊すなよ。
これ以外のは使い方、俺はわからないんだから。
■みかん > ……。
【ちょっと視線を逸らしてから。】
大丈夫じゃろ……たぶん……。
【不穏な発言を口にしながら、恭介の携帯電話を握る。と、みかんの髪飾り、紙垂が淡い燐光を放った。】
■志葉恭介 > おい。
……おい。
【思い切り不安が高まるが、そこはそれ。淡く輝くその様を大人しく見守る。眼鏡は光りっぱなしだ】
■みかん > ーーさて、うん、どうじゃろ。
妾の「すまほ」では上手く行ったがの。
【骨董品めいたそれを返却。恭介が状態を改めると、なんら動作に問題はない。
ただ一つみかんに渡す前から変わっていることは、充電が完了している点である。】
■志葉恭介 > ……?
何だよ、別に何も――
【電池の形で表された充電インジケーターが、手渡した時には今にも底を尽きそうだったものが――】
充電できてる。
【心なしか明るく輝くバックライトとみかんの顔を見比べて】
君は、本当に何の神なんだ……?
■みかん > 【自分の髪飾りを指差しながら、続ける。】
「これ」じゃがの、こちらの世界ーーというか国では「紙垂」と呼ぶらしいな。神域の境界と、稲妻の象徴。
稲妻はつまり稲の妻、豊穣を呼ぶものであり、農耕の信仰対象でもある、と。
■みかん > おぬしがいい加減に取り付けた妾の名、さほど的外れでもないのかも知れんな。……ほほほ。
【近頃度々見られたような空々しい笑い声ではなく、穏やかな笑顔だった。】
■志葉恭介 > ……。
【魔術・呪術において意味付けというのは重要な意味を持つ。彼女が柑橘をどこからともなく生成出来るのも、己がみかんという名を付けたからであろう】
【稲妻。神域の境界。異界の存在。今回得た『電気を富ませる』という権能】
益々、分かんないことだらけだけど。
少しでも己ってものが分かる手掛かりになったんなら、良かったんじゃないか。
……あ、というか充電どうしてるのかと思ったら。
■みかん > いや実はな、おぬしがおらん間に充電器を寄進されたのじゃが。
……これがまあ、頼りにならん代物でな!
【当然である。乾電池式の携帯充電器はあくまで緊急用のものだ。常用するものではない。】
■志葉恭介 > しかし何というか、都合の良い権能の発現というか。
【祠の傍らに転がった乾電池式充電器を見やり、あぁー。と納得顔】
非常用のものらしいからね、これは。
この辺りにはコンセントも無いし。
君は――
【少しばかり、考えていたこと】
……まぁ、今のところは此処にしか居られない訳だけれど。
外を見たいと、思うか?
■みかん > 外、か。
……確かに興味はあるのう。
【それもまた、当然の感想ではある。少なくとも現状の彼女はこの祠から離れることも出来ない。
もし、実はこの空き地以外の世界などとうに滅んでいる、などと言われても、彼女には確認するすべもないのだ。】
■志葉恭介 > そう、だよな。
【ともあれ、それを叶えるには彼女の霊格は減じ過ぎているのかも知れない。そして、誰からも省みられる事無く此処に佇むままでは、信仰は集まるとは考えられない】
【先日の創造神の言葉ではないが、悪循環ではある】
……依頼だからな。手伝いをするって。
俺が、外へ――この騒がしくも理不尽で、馬鹿騒ぎばかりの学園を見せてやる。
すぐにって訳には、いかないけれど。