2015/07/04 のログ
■日乃杜 梢 > 既に終わってしまっているのだから、そういうものだと割り切るしかないのはわかっている。
しかしそう上手くできないのが彼女であり、また、ネットの拡散速度や範囲を甘く見過ぎていたこともあり。
「…誤算でした、本当に。あれがネットに広まって、あまつさえ…その、知り合いの目に触れるとか…」
人払いの術をかけるか、あの場にいた全員を気絶させてしまえばよかった、と憤りつつ、運ばれてきたみたらし団子をほおばる。やけ食いの勢いである。
穴場、とは言い得て妙だと感じた。
なるほど、確かに梢にとってのこの場は、そう呼ぶに相応しい。自分がこの落第街でしていることを省みて、小さく笑う。
「それは余裕がありますね…。試験の方は…やはり、実技で稼いでいます?」
と告げつつも、差し出された鍔に目を向けた。
「…いい細工ですね。鶴、でしょうか。
実家にあるものを思い出します…その鍔、お使いになるのですか?」
■鬼道椿 > 「顔は映っていないんだ…顔は…だから大丈夫だきっと…」
大丈夫なはずがない、モロじゃないか…もう!
「筆記もそこそこ、だな。初日は体調を崩してね最近ようやく実技で稼ぎ始めたところだよ」
「しかしまぁ学業を疎かにするなとは言われても私たちの場合本業がある訳で」
「どうも身が入らないとは思わないか?」
嬉しそうに鍔を眺める
「どうしようかと思ってね、使うには惜しい…だがこれをつけた短刀を腰に下げたいのだ…」
「最近は格上と戦うことが多くて壊してしまうんじゃないかと思うとどうもなぁ」
うむむ、と考え込み鍔を剣に当てて眺めてみる
■日乃杜 梢 > 怒りにまかせて食べていた団子を、今度はじっくり味わうことにする。
…あ、おいしい。みたらしがそこまでくどくなく…こんな美味しいところがこの通りにあったとは。
悔やむことしきりである。
「すみませんもう一皿お願いします。次は餡子で!!」
店員にひと声告げてから、気遣わしげに椿を見返す。
「体調を、ですか。…妖物との戦いの怪我ではなく?
この前『百鬼夜行』に報告に行ったときに、少し噂を耳にしたのですが…」
曰く、強敵と戦い負傷した、などと。
真偽のほどは定かではないが、こうして刀と鍔を並べて悩む、和やかな椿を見ていると、所詮噂は噂だったのかと思わなくもない。
■鬼道椿 > もう一皿注文をする日乃杜に目を丸くする
「意外と甘党なのだな、ふふっ」
「一部で噂になっているようだが…本当だよ」
「負傷、と言うほどまででもなかったのだが…引き分けだな、引き分け」
顔が熱くなるのを自覚しながら目を逸らす
「だが次は負けないよ、同じ相手にそう何度も負けてはいられないからな」
「さて、と。私はそろそろお邪魔するよ、実はまだ本調子じゃないんだ」
「最近『百鬼夜行』の方でも依頼を受けていなかったしなぁ…それで噂になるのも心外だ」
「ちょっと顔を出すついでにいくつか依頼を受けてくるよ」
「それでは、日乃杜殿・・・ああ、そうそう」
すっと耳元でささやく
「食べ過ぎるともっと大きくなるぞ?」
くっくっく、と悪戯っぽく笑いその場を後にしたのだった
ご案内:「落第街大通り」から鬼道椿さんが去りました。
■日乃杜 梢 > 「むぐっ…!」
去り際の囁きに、咽掛ける。顔を真っ赤にして抗議しようとするも、その相手は既に背を向けて遠ざかっていた。
涙目になりつつも、
「けほっ、けほ…き、気を付けて、椿様」
そう告げるのが精いっぱいである。
次に運ばれてきた餡子の団子と、気を利かせてくれたのだろう茶を前に、むう、と唸る巫女。
このところ菓子の類は禁欲していたし、これくらいは誤差、誤差ですと自分を誤魔化すのだった。
「…それにしても」
言葉多く、どことなく早口に思えた、先の椿の様子を思い返す。
引き分け、というにはあまり悔しそうにも見えなかった。
妖魔相手に苛烈な斬撃を見舞う、武闘派の彼女であれば、もう少し憤りそうなものなのだが。
「…考えてもわかりませんね」
同じ組織に属するというだけで、一度共闘しただけで、他人を理解はできまい。
はふ、と吐息を零して、お茶をすすった。
■日乃杜 梢 > 「……姉様だったら、どうでしょうか」
ゆっくりと餡団子を味わいながら、自問する。
あの、陰陽の才のみならず、快活で人好きのする性格の彼女なら、今の会話でも僅かな機微を察することができたりするのだろうか。
案外、そんなことは無視して、「よしその意気だ、次は勝ちなさい!」とか、そんな激励でもするかもしれない。
あり得る光景を脳裏に思い描いて、小さく笑う。
―その直後。
「――――」
串を持つ手が、ぴくりと止まる。
こめかみを、背筋を貫く気配を、確かに感じた故に。
■日乃杜 梢 > 迷うことはない、迷ってはならない。
立ち上がると、手つかずの団子を乗せた皿の脇に、代金を置く。
ごちそうさまでした、と一言を告げ、すぐさまその場を駆けだした。
目指す先は、剣士が去った方とは別方向。
そこに、彼女がこの落第街で求めているものがある。
――『ここは穴場だ』と、彼女は言った。
確かに、その言葉は的を得ている。
路地を何度か回り、人の気配が薄れた細道のその先に。
昏い、昏い“穴”がある―。
■日乃杜 梢 > 穴より吹き付ける瘴気にも怯むことなく、外套の下から札を取り出す。呪を紡げば、それは瞬く間に燃え上がり、すぐに巨大な人の形を取り結ぶ。
顕現した紅の鬼、その太い腕に足を乗せ、身を預ける。
その目はまっすぐに、目の前にある“穴”を見つめていた。
「今度こそ…!! 往きなさい、紅蓮童子!」
少女と鬼が、その穴に飛び込む。鬼の半分にも満たなかったはずのその穴は、しかしその巨体を容易く飲み込んだ。
その直後、穴が消える。
そこには何もいなかったとでもいうように、跡形もなく、気配もなく。
後に残ったのは僅か。炎の足が刻んだ、その焦げ跡と、空気の焼ける匂いだけだ。
ご案内:「落第街大通り」から日乃杜 梢さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」に洲崎さんが現れました。
■洲崎 > ふんふふ~ん♪
【上機嫌に袋を持って通りを歩く男が一人】
■洲崎 > いやー探せばあるもんだね♪
【袋をちらりと見て満足そうに呟く
黒を基調としたメイド服、安っぽい品ではなくきちんと衣服として長く使える
しっかりした作り…少し財布には痛かったが】
でもあの店員さん…きっと趣味が合うね!
【会計をする時に、若いのにいい趣味だな。
と言われたのも気分がいい。やっぱり僕はセンスあるね♪と人通りもまばらな通りを進む】
■洲崎 > ハハ、やっぱりこの時間だと少し静かだね。
さすがに悪い子でも睡眠は必要だし、仕方ないかな?
【ちらりと時計を見る、思えば長いことメイド服を探してそこらを走り回っていたものだ】
後は帰って…んー…やることないなぁ…
ご案内:「落第街大通り」に鬼庭場 二千花さんが現れました。
■洲崎 > まぁでも野宿よりはましだし…こういう時に積みゲーってやつがあれば助かるんだけどなぁ♪
【積みゲーを必死に崩しながら冷房の効いた部屋で過ごす…
そんな自堕落な生活を想像しニヤリと笑う】
夏の暑さから隔離された部屋で炬燵…これってかなり楽しいんじゃ…
【そんなことを呟きながらのんびりと通りを歩く】
■鬼庭場 二千花 > 「どっせーい!」
そんな掛け声とともに洲崎の近くに人一人が入れるぐらいの大穴が開きそこから未成熟な少女が現れる
それはスコップやヘルメットやタンクトップやらを身に着けている
「あれ、ここどこだろ…ちょっとおにいさんおにいさん。ここはどこ?」
穴から半身出てきてきょろきょろと周りを見渡している。
どうやら偶然ここに出くわしたらしく、どこか全く分かっていないようだ
こういう時は知らない人でも道を尋ねるべきだと近くにいる洲崎に声をかけている
■洲崎 > うっひゃぁ!?
【突如あいた大穴に驚きながらも少女を見るや否や】
ん…?
おや、迷子かな可愛いお嬢さん♪
ここは落第街の一番大きな通りだよ。
それと僕は洲崎、よろしくね♪
■鬼庭場 二千花 > 「迷子といえば迷子。
女子寮の地下から気の向くままに穴掘り回してたらこんなとこまできちゃってさー」
年上らしい雰囲気に特に怖じる様子もなくここまで辿り着いてしまったことに対して苦笑いを浮かべている
自己紹介をされると不思議そうな顔を浮かべて首を傾げている
「洲崎……洲崎?おお、洲崎!
日本人らしくない名前だなおまえ!」
スコップを掴んでいない方の手、左手で洲崎を指さしてがははと笑っている。
■洲崎 > 女子寮の…地下…?
【少女の言葉に一瞬思考が巡る
少女の言葉が真実ならこの穴をたどっていけば誰にも悟られず女子寮に…】
え…あーっと、そう?
まぁこれでも一応ジャパニーズだよ♪
それで君は…イギリスのお嬢さんとかかな?
【地面を掘っていたのあまり汚れのついていない金髪を見て尋ねる】
■鬼庭場 二千花 > 「イェス!女子寮の地下!」
目の前の邪な思考にも気付かず少女は特に意味もないサムズアップと無邪気な笑みを送る。
「オー、ジャパニーズ!アイム ジャパニーズ トゥー!
ソーリーソーリー」
イギリス人と言われたからか突然の英語口調である。
金髪だからといって外人とかではなくどうやら日本人のようだ
■洲崎 > へぇ~それは凄いねえ♪
【一先ずこの穴は全力で確保しよう。そう心に誓いながら】
ハハ、君も日本人か♪
きれいな金髪だから違うと思ったんだけどなぁ…
でも、女の子がこんな時間まで穴を掘ってるなんて何か理由でも?
■鬼庭場 二千花 > 「それほどでもない」
何か謙虚で堅い奴が言ってそうな格言を大っぴらに自分が作ったかのように自慢気に話す
別に無い胸を張った所で何も無い事には変わりはないが
「おー…お?そういえばあたしは金髪だったっけ?
そこに気付くとはお前天才だな!」
がはは、と笑い出しながらもその穴からは出るつもりはないようだ。
理由を聞かれると首を傾げてうーん、と唸っている
「理由、理由っていうか…掘りたくなったから掘ってるというか、このスコップを使いたいだけというか?」
自分も良く分かっていないような事を言いながら自分の使っているスコップを穴の中から表に出す
■洲崎 > でしょー?
僕って天才なんだ♪
【ハハ♪と笑いながら少女の答えを聞いてにこりと笑う】
へー♪
因みに、穴を掘ってたのは君の異能か何かなのかな?
■鬼庭場 二千花 > 「んー…異能って言われてもピンと来ないんだよね。
ただここ10年穴掘ってて落盤とかに巻き込まれたりり地盤沈下とか起きた事はないかな?」
こんなに穴を掘っていても特に土煙程度の汚れしかない少女の身体が証明しているのか、本当に事故に巻き込まれた事はないようだ
それを真実かと受け取るのは洲崎次第ではあるが
「そういうザキはどういう異能持ってるの?
常世島にいるということは何かしら異能持ってるんでしょー?」
無邪気な笑みと無邪気な問いを洲崎に投げかける。
…ザキというのは二千花が今思い浮かべた洲崎のあだ名のようだ
■洲崎 > へぇ、なるほど…
【予想する…おそらく彼女の異能はパッシブスキルの様な物だろう
見たところ計画を立てて掘り進めるタイプにも見えない彼女が
事故にあわなかった理由、それが異能の能力だろうと】
僕の異能?
それはねぇ…誰とでもお話しできて相手に理解してもらえる異能だよ♪
【あだ名を嫌う様子もなく笑顔で答える】
■鬼庭場 二千花 > 「…??
じゃあこうやってザキと話してるのは異能って事?
なんというか、変わった異能だね」
洲崎の説明をあまり理解出来ていないのか首を傾げている。
理解出来ていないからこそ無難な返答を洲崎に送る
「ザキは普段何してるひと?
あたしと同じ学生さん?」
穴から半身出ているからか、あまり体格差を理解出来ていないらしくそんな質問を投げかける。
■洲崎 > いいや、一応on/offを分けるぐらいはできるからね♪
もし君がどこかの言葉とかしか話せなくても僕の言葉は通じるって感じかな
【学生かと聞かれてクスリと笑みをこぼす】
ハハ、たまに間違われるけど僕はこれでも先生だよ♪
まぁ若いからちょくちょく生徒と思われちゃうんだけどね…
あぁ、若いって罪だね!
【笑顔で言い放った】
■鬼庭場 二千花 > 「おー!何か異能使ってるって感じがあってカッコイイ!」
On/Offの言葉で本当にそう思ったのか目を輝かせながら身を乗り出している
「言われてみれば先生っぽい?
なんというか、怪しい雰囲気?
落第街歩いているのも納得かも」
にしし、と笑みを浮かべている。
どうやら若い部分には興味を示していないようだ
■洲崎 > 異能を使う身としてはこれはちょっと自慢だよねぇ♪
【かっこいいと言われて上機嫌に答え】
僕そんなに怪しいかなぁ?
うーん…でも先生っぽいんだったらいいか♪
【自身の格好を眺める、コートの様な着方の白衣に名かは適当に選んだ服…確かに怪しい】
■鬼庭場 二千花 > 「でも何かに襲われた時とかよわそー。
貧弱、というか、優男というか?
頼りないッて感じだよねー」
思い浮かべた事をすぐに口から吐き出すが、本人にとっては悪気は全く無い。
これも二千花の癖といったら癖だろう
「ま、落第街に出たならそろそろ帰らないとかなー
あたしはこのまま帰るけど、ザキも気をつけて帰るんだよー?」
それだけ言うと自分が掘った穴から帰ろうとする。
そのまま何も無ければ二千花は穴を埋めて女子寮に戻るうようだ
■洲崎 > うわー…お嬢ちゃんってあげて思いっきり叩き落とすタイプだね…
【頼りないと言われて苦笑いを浮かべる。反論できないのが痛いところだ】
うんわか…っ!??
【穴が埋められるのを見て目を見開く】
ご案内:「落第街大通り」から鬼庭場 二千花さんが去りました。
■洲崎 > 穴が…天国への扉が……
【男はしばらく通りでうなだれた後、学園の方へ帰って行った】
ご案内:「落第街大通り」から洲崎さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」にエルピスさんが現れました。
■エルピス > 朝の落第街。
やや曇空だが刺し込む日差しが眩しく、空気も澄んでいる。
そんな落第街の大通りを飛ぶ鋼の少女。
見回り、と言うか最早朝の空中散歩コースである。
一応、危険そうな組織を空から把握出来る事もあり、決して利の無い行為ではないのだが。
賑やかな時間は飛ぶと目立つ。
■エルピス >
…途中、ガラクタか何かが落っこちている事に気付く。
なんだろう、と思い拾ってみる事にした。?ボックス<内容を追加しました 【剣・刀】
■エルピス >
……剣や刀だ。
帯刀・帯剣している人はそこそこに見かけるものの、それが落ちているとなると小首を傾げる。
「とりあえず、変哲もなさそうだけど……」
一応危険物なので、捨て置く訳にもいかない。
回収しておくだけしておこう。
ご案内:「落第街大通り」に各務 蒼さんが現れました。
■各務 蒼 > 「……」
(朝から見慣れない人が居る。そう思ってしばらく観察している少年がいた。
異能を使うのも忘れて、恐らく尾行にはバレバレだったが)
■エルピス > そのまま飛び去ろう――とはせずにくるりと振り向き、蒼へと近付く。
腕には公安の腕章。
「あっおはよう。……えっと、どうしたの?迷子?」
慣れた様子で声を掛ける。
腕章とその様子からして、この少女は迷子という訳ではなさそうだ。
■各務 蒼 > 「おはようござ……、げ…」
(その腕章を直視すると少しだけ、足を引く。
どうにも表の事は知らないがいい印象はない)
「ま、迷子じゃない。そっちこそ、危なっかしい場所には似つかわしくない子だと思うけど」
(つばを引き下ろし、顔を隠すように帽子を更に深く被る)
■エルピス > 「これでも公安委員会だからね。
やることはちゃんとやらないと。」
見回りがそれかと言うと怪しいものがあるが、出来る限り敵意を感じさせない、誤解させないように言葉を選ぶ。
「……迷子じゃないなら良いんだけど……
うぅん、そうだね。朝は比較的安全と言っても、場所は場所だから気をつけてね。」
■各務 蒼 > 「あぁ……やっぱり…」
(聞き取れるか分からないぐらいの声でぼそぼそとつぶやく)
「あいにく、多分キミより慣れ親しんでるから…。だって、そっちは学園の人だろう?」
(帽子の影から確認する。服装はともかく腕章を視るに総判断する)
■エルピス > 「エルピス。エルピスだよ。
……それとも学園の人なら、誰だって嫌い?」
学園の人、と指し示されれば名前を返す。
■各務 蒼 > 「エルピス…? あぁ、名前?
ボクはあんまり表に行かないから、よくわからないモノは怖いさ。
それに、キミたちはここだけで片付く問題も、治安維持だのなんだのとひっかき回して広げているイメージがある」
(その言葉に勢いはなく、どちらかというと戸惑っているように感じる。
恐らく本当に、学園の人とあんまり触れ合った事がないのだろう。
ふと、少し目を開いて向き合う用にして、自分の名前を告げた方が円滑に進みそうだと思い立つ)
「……蒼だ、各務 蒼」
■エルピス > 「…………」
否定も肯定も出来ない。
特に最近は、ソレ以前の段階で『公安委員が問題そのものを落第街を引き起こす』
――故に『普通の公安委員』の姿を見せる為、力を入れているのだが。
ひっかき回っすかどうかはまた別の問題だろうが、真っ先に浮かんだのはそれだ。
ここなら仕方ないと言え『悪いイメージ』を持たれるのは実際問題であり、杞憂すべき懸念すべき事項――と、エルピスは考える。
恐怖や畏怖、強さや印象の悪さを以って、統治する手もあるのかもしれないが、エルピスはなんとなく、違うと思った。
はっきりと論には、出来ないが。
■各務 蒼 > 「……?」
(詰まった言葉に少し不思議そうに顔を見つめる)
「この場所の事を考えれば、ボクよりもキミたちのがどうにかなってもおかしくないから、気をつけた方がいいよ。
そんなにキミは悪そうに見えないけど、ここの人たちが"どうして"ここにいるのかを考えれば、恨んでる人も多いんじゃないかな」
(少し距離を詰め、顔を覗きこもうとする。つばつき帽の影から覗く蒼の顔は、どことなくこの場所に似つかわしくなく整っていると感じるかもしれない)
■エルピス >
「……それはそれ、これはこれだよ。
"どうして"ここに居る理由はあっても、だからこそちゃんと手を入れるべくはしなきゃ行けないと思う。
此処にだって、秩序はあるよ。
理由があってもなくても、ちゃんと処理しなきゃいけないし、
無実なら一般生徒に引き上げる保証も用意されているからね。確か……」
手帳を取り出して、開く。
「不法滞在者、二級学生。『表だって存在していないとはされているものの、事態が発覚すれば風紀委員会によって救出されるケースもある。
その場合、殺人などに手を染めていなければ、一年の学費免除と共に正規学生へと昇格される。』」
「"どうして"の一部は、こう言う社会保証で救う事は出来るし、
"どうして"の一部は、与える影響が此処の中だけに留まらないから何とかしなきゃいけない。"例え恨まれてでも"。
"どうして"の一部は、ここの秩序で上手くやって、足を出さないから何も問題はない
――――とは言えないけど、"見ても見ないで済む"程度かもしれない。」
確かに、凛とした、ボーイッシュな声を響かせる。
表情も、先程とは違い確かな意志のあるものだ。
読み上げてから、蒼を見据える。
「……頑なにボクらに敵意を向けるキミは、"どうして"かな?
身なりは、良さそうだけど……もし救出すべきなら、知り合いの風紀委員に手を回すぐらいは出来るよ。」
■各務 蒼 > 「……まぁ、お仕事だから仕方ないよね。
キミたちが嫌いというよりも、住んでる場所を荒らされたら、いい気はしないでしょ?
何かあるのかもと勘ぐっちゃったのさ」
(そして読み上げる制度を聞いた時、少し驚きの顔を見せる)
「……ボクは、此処の生まれだ。そういう意味じゃ、不法滞在者の一部だろうね。
…住んでる場所が違うだけで、ボクは自分の街で平和に過ごしたいだけなんだ」
(伏し目がちに顎に手を当てて、悩みながら絞りだす。答えになっていないかもしれないが、思ったより悪いヤツではないのかもしれないと、考えながら)
■エルピス >
「良い気はしないけど、それでもその泥を引っ被るのが公安委員会なのかもしれないね。
こうは言いたくないんだけど、トラブルが絶えないおとなりさんで、こっちの人もそっちに行ったりこっちに来たりしているんだ。
それは止められる事でもないし、何かが起こる以上不干渉を貫く事はできない。
ほんとうは的確且つ事前にそれを摘めれば良いのかもしれないけど、『皆やり手』だから難しいんだ。」
伏し目がちに、そう言うだろう。
……今なら、あの公安委員会の"彼"が言った事が分かる気がする。
とは言え、"彼"ほど冷酷にはなれないだろう。そう思ったものの。
「その様子だと、知らなかったのかな。
……学生証を持っているからってここでの生まれじゃなくなる訳じゃない。生活もしやすくなるし、立場を得れる。
キミやボクが平和を、或いは不干渉を望んでも、色々な人が居るから、ここはそれを中々許さない。
……でも、頑張る事は悪くないって、思いたいな。」
■各務 蒼 > 「もちろん知らなかったさ、知る方法もなかったから。
……少しだけ考えてみるよ。
まぁ、ここに住んでる人が物騒な人ばっかりで、そっちに迷惑かけてるっていうのは全く否定できないし、本当のことだからね」
(お互いさまなんだ、とクスリと笑った)
■エルピス >
苦笑してみせてから、一つ頷き。
「……うん。それじゃあ、ボクはそろそろ行くよ。
またね、蒼君。」
踵を返し、全身の飛行ユニットを起動させ、空へと飛び去るだろう。
少女が空を舞えば、一陣の風が吹く。
ご案内:「落第街大通り」からエルピスさんが去りました。
■各務 蒼 > 「うわっ、と……」
(それほど強い風でもなかっただろうが、気を抜いたその時に、蒼の帽子が少し飛んでしまった。
空をとぶ風にあおられ、帽子に隠されていた蒼の長い髪が流れる。
髪を抑えながら、飛び立つのを眺め。少しだけ笑って蒼も家へ戻ろうとスラムに足を向けた)
ご案内:「落第街大通り」から各務 蒼さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」に薄野ツヅラさんが現れました。
■薄野ツヅラ > かつりかつりと杖を鳴らしながらいつもと何ら変わらぬ落第街の大通りを歩く。
落第街の夜は橙の光に満ちる。
娼館や違法な商店の立ち並ぶ落第街に白い電燈は少ない。
───クロノスが暴れていた頃によく上がっていた黒い煙は今は見る影もない。
落第街に平和と云う言葉が似合うとは思わないが、随分と平和になったものだ。
「ンッンー……いい夜ねェ───……」
皮肉でも何でもない、素敵な夜。
学生街や産業区では明るすぎて見られない星々が夜空に浮かぶ。
ふと夜空を見上げれば天には天の川に夏の大三角。
「………そう云えばもう七夕なのよねェ」
■薄野ツヅラ > どうもロストサイン関連は自分は手を出さなくてもいいらしい。
勿論戦闘は向かない自分にとって其れは其れは有難い話だ。
少しばかりの情報収集は命じられているが『室長補佐代理』に任せておけばいいだろう。
自分が出張る必要はないレベルだ。
たまの平穏は悪くない。
───寧ろ、本来はこの平穏を楽しむために『一般生徒』として色々と首を突っ込んでいた。
其れ以降の巻き込まれ方が特殊体質なのか、と云うレベルだったが。
「落第街にさえ手を出さないでくれたらねェ────
ロストサインでも風紀でもなにしてくれても構わないんだけどぉ」
結局戦場になるのは此処よねェ、と。
学園地区や其の他の場所で戦う訳がない。どうせ落第街だ。
ご案内:「落第街大通り」に四ノ宮 雪路さんが現れました。
■薄野ツヅラ > 「折角復興してきたのにまたダメになるのよねェ──……
そこんとこどう考えてるのかしらねェ、お偉いさんは」
困ったように笑いながら大通りに面した蕎麦屋の室外機に座る。
生暖かい風が足元を吹き抜ける。
厭そうに顔を顰めて、また笑う。
乱雑に包みを剥いてチュッパチャップスを口に頬張った。美味しい。
■四ノ宮 雪路 > 「はー、最近は思ったよりは平和かな、どうだろう。騒動自体は少なくなったと思っていいのかな。でもなあ。なんか怪しい話もあるし」
(白衣のポケットに両手を突っ込み、えっちらおっちらと身体を前後させる。まるで振り子のように歩く奇妙な青年は、独り言を繰り返しながら落第街の通りを歩いていた)
(虚空に手を突っ込むと、取り出したのは小さな紙の包み。鼻歌交じりにそれを剥くと中から焼きたてのせんべいが現れ、その香りを漂わせた)
■薄野ツヅラ > ぼんやりと大通りを眺めれば、煎餅を手に歩く青年が目に入る。
そう云えば落第街に煎餅屋がある、という話は何処かで聞いていた。
屹度其処を懇意にしている客なのだろう、と気にせず見送る。
(なんかゲマインシャフトの広告で見たけど何処でやってるのかしらぁ)
随分と落第街も歓楽街と変わらない位に栄えてきた───と思う。
ひょこひょことチュッパチャップスの棒を煙草のように揺らした。
■四ノ宮 雪路 > 「ん?」
(視界の端に少女の姿を捉えた。チュッパチャップスを咥える少女。それに見覚えがあるのかないのか。くるりと踵を回して長い身体を少し折り曲げた)
「やあやあ、お嬢さん。そんなところで何をしてるんだい」
(大仰な仕草。両手を大きく広げて口に煎餅を咥えながらも器用に喋る。四ノ宮雪路にとって、彼女に声をかけたのは特に意味があることではない。ただこうして、時折ふと目につき、気になった相手に話しかける。そんな趣味を日課にしている青年だった)
■薄野ツヅラ > 「やァ」
白衣の彼に話かけられれば楽しげに左手をひょいと上げた。
普段落第街を歩いていれば向けられるのは敵意ばかりだった彼女には久々の感覚。
軽い世間話でもできればいい、そのくらいの思惑で返事を返す。
「ボクは趣味の散歩よぉ、随分と平和になったから
アンタはこんなところに何用かしらぁ?」
■四ノ宮 雪路 > 「なるほど、趣味の散歩。奇遇なことに僕も散歩さ。趣味は誰かと話すこと、なんだけどね。有り体に言うとナンパという奴かな。あ、どこかに誘おうってわけじゃないよ」
(よく回る舌。風車のような、風通しのいい喋り方だ。まくしたてるようでいて、不快感は感じさせないような――そういった印象を懐くだろうか)
「強いて言えば、僕の店の常連になってくれると嬉しいけどね」
(パキリと煎餅を割ると、片手でその破片を掲げて見せた)
「僕は四ノ宮雪路。この近くにある手焼きせんべい屋の店主でね」
(人懐こいような笑みを浮かべながら姿勢を戻す)
■薄野ツヅラ > 「ナンパは間に合ってるわぁ」
くすりと笑みを溢しながら左手をひらひらと振る。
右手に抱えたままの杖を室外機に立て掛けながら室外機に座りなおす。
蛇口を捻ったかのように流れ出す言葉には好感が持てる。
彼女も本来似たような話し方をする。似た者同士というものだ。
「おや、店主はアンタか。
噂はかねがね、随分と評判なご様子で。
ボクは薄野────」
名乗ろうとしたところで暫し逡巡。
本来名乗るべきでないのも解っているし、名乗らない部署だ。
うーん、と考えた挙句再び口を開く。
「薄野ツヅラよぉ、この辺りで情報屋の真似事をしてるわぁ───…☆」
人当たりのいい笑みをにこり、返す。
■四ノ宮 雪路 > 「なに、ちょっと世間話に付き合ってもらえないかと思ってね」
(笑う青年はツヅラの近くに移動する。とはいっても、害意も敵意も示したいわけではない。風下の、3mほど離れた場所に立ち)
「僕は話をするのも聞くのも好きなタチでね。こうして誰かと話したい時があるんだ。寂しがりとでもいうのかな?」
(人差し指を立ててゆらゆら揺らすと、それに息を吹きかける)
(こうしてしゃべっている間にも、実は青年の異能の力は人知れず高まり続けている。喋り続けることによって力を高めていくその異能は、この落第街でそれなりに上手くやっていく世渡りの力の一つであって、害意ではない)
「せんべい屋は閑古鳥さ。味に自信はあるんだけれど、いまいちまだここのみんなは、せんべいを楽しむほどの心に余裕がないらしい」
(残念そうに肩を落としてため息をつく。まるで重りが乗ったような佇まいであるが、相手の名前を聞くと顔を上げて)
「薄野ツヅラくんか。なかなか雅な名前だね。かわいらしい」
(少し元気を取り戻したのか、背筋を伸ばしてせんべいを飲み込む)
「情報屋かあ。今度うちのせんべいはピカイチだって情報をどこかに流しておいてくれないかな!」
(冗談交じりにはにかんだ)
■薄野ツヅラ > 「世間話なら大歓迎よぉ、此の辺歩いてれば襲われるほうが多くて」
困ったように笑いながら構わないわぁ、と。
もしこの場で襲撃されたところで両手が空いている。問題はないだろう。
彼の異能は知る由もない。
公安のデータベースはおおよそ暗記しているが戦闘向きではないと判断した異能については其れの対象外だ。
且つ、其れなりに落第街では珍しい『イイヒト』だ。
警戒する理由が全く存在しない。
「まァそうでしょうねェ────、歓楽街の方にでも移転してみたらぁ?
店が突然燃やされてたらやってられないでしょう?」
ヘラヘラと笑いながら皮肉を溢す。
冗談交じりにそう問われれば、楽しげに笑った。
「あっは、其れはお仕事としてかしらぁ?
適当にニュースサイトに記事出しとくくらいなら1年間煎餅タダくらいでしとくけどぉ?」
冗談めかして、ひとつ。
■四ノ宮 雪路 > 「見ての通り、切った張ったは得意じゃなくてね」
(笑いながら自分の白衣を正すように引っ張って見せる。体格としても長身痩躯であり、魔術や異能の類でも使わない限りは殴り合いに向いていないことがよく分かるだろう)
「んー。落第街が一番せんべいを焼くのにいいんだ。歓楽街じゃあ匂いを楽しむ余裕もないし、落ち着いてせんべいを焼くって環境でもない」
(好き好んで落第街で店を出しているこの青年。実際のところ儲けは非常に薄い。道楽か、こだわりでもなければ店を開くまい)
(相手の気楽な態度にはこちらも饒舌に返す。異能が無くとも喋ることが好きなことには変わりない。だからこちらもへらへらと笑いながら喋るのだ)
「そんなこと言わずとも、来てくれれば毎日、来店ごと一枚無料だよ。それとも君の来た時は二枚がいいかな?」
(気さくに話しかけてくれる相手は青年も非常に快い。弾むように踵を鳴らして、歌うような声色で尋ねながら指で"2"を示す)
■薄野ツヅラ > 「同じくねェ、荒事は向いてないのよぉ」
楽しげにチュッパチャップスを揺らしながらゆったりと言葉を返す。
確かに随分と───彼女が見た目から警戒しない落第街の住人は珍しい。
落第街が一番煎餅を焼くのが一番いい、と聞けば。
「歓楽街は星も見えやしないものねェ───……
わかるわぁ、ボクらみたいなのにとっちゃ落第街は良い街よぉ」
のんびりと笑いながらそう返す。
静かで明るすぎないし何より慌ただしくない。
煎餅のような風流なものを焼くには歓楽街も学生街も。他の何処より一番いいだろう。
「そんなんで営業成り立つ訳ェ───……?
まァこんなトコでやってるくらいだから営利は求めてないンだろうけどぉ」
二枚を示す指を見遣れば、三本指を立てる。
言外に3枚よぉ、と。
■四ノ宮 雪路 > 「はっはっは、まあ今誰かに襲われたら逃げる手伝いぐらいはするよ」
(助けるとも守るとも言わない。そんな無責任なことを言える気もしない。ここでは何が起こるか分からないし、目の前の彼女を助けなければいけない理由もない。落第街らしいといえば落第街らしい、曖昧な約束)
「確かにね。うちの第八区画はいい風が吹くんだ」
(今度は指を回して。風の表現だろうか、肩の力を抜いた笑みを漏らしている)
「営業が成り立たないから、実は副業で居酒屋をやっててね。そっちの方が繁盛してる始末さ」
(改めて肩を竦める。せんべい屋が閑古鳥であることと同等ぐらいには真剣な悩みであるが。それでも店を移さないのはこだわりとしか言い様がない)
(指でオーケーを示す表情は、むしろいたずら好きの少年のようだ)
「まずは味を広めようと思ってね。せんべい目的の客を作るにはまずは知ってもらうところから始めないと。だから一枚無料なのさ」
■薄野ツヅラ > 「任せたわぁ、ボクもアンタが死なない程度にはなんとか」
やる気のない約束にはやる気のない約束。
この適当な空気感が好きで好きで堪らなかった。久々の感覚だ。
最近の落第街は落ち着いたとはいえ未だピリピリしている部分が多い。
故にこののんびりとした時間は大切にしたい、と思う。
「居酒屋ならかなり儲かりそうねェ、割と二級学生の飲み処には丁度いいかも
ボクも偶には呑みに行ってみようかしらねェ───……」
第八区画ね、覚えたわぁ──、と。
オーケーを返されれば小さくガッツポーズ。
「成程ねェ、其れなりにアタマのいいやり方だと思うわぁ」
嫌いじゃない、と悪戯気に笑った。
■四ノ宮 雪路 > 「頼もしい! いやあ、ははは。僕も逃げ足ばかり早くなってね」
(青年は落第街の穏やかな時の空気にも似ている印象があるだろう。それは第八区画での揉め事が少ないことの影響なのかもしれない)
(どのような状況であれ、人との関わりが青年は好きだ。だが、こうして落ち着いて話せる環境は特に好ましい)
「君なら歓迎さ。しょうゆせんべいが好きな相手に貴賎はない。食事もお酒も、万全を尽くそうじゃないか!」
(踵を弾ませ、くるりとターン。全身で喜びを示すように。客が増えることはいいことだ。相手が好ましい空気の相手であれば尚更だ。せんべい好きならもっといい)
「そうだろう? 店を始めてそこそこ経つけど、それなりに考えててね!」
■薄野ツヅラ > 「自衛に必要なモノは備えとくに限るわよぉ、武器屋もある訳だし」
ふふ、と小さく笑いながら遠くの古ぼけたビルを指差す。
『雑貨屋』と呼ばれる其処は一般の人にも武器を安く提供することに評判がある。
落第街らしい会話もスパイスにひとつ。
「醤油煎餅は好きよぉ、海苔があればなおよしねェ────
焼きたての煎餅の上手さは外で味わったし近いうちに食べに行きたいところ」
ひょこりとキャンディスティックを引き抜けば、既に飴は溶けきっている。
傍らに置きっぱなしの杖を手に取り、かつり杖をつく。
「飴も溶けたし今日はこの辺にしとこうかしら、なんて。
近いうちに煎餅屋には足を運ばせて貰うわァ」
にこり、とまた笑み。
「アタマのいい人は嫌いじゃないわぁ」
■四ノ宮 雪路 > 「武器か。いや、僕はね。武器を持つと迷ってしまいそうなんだ」
(悩ましげに腕を組んで足を止める)
「僕は強いのかもしれない。勝てるのかもしれない。なんてね」
(ある種の覚悟のようなものなのかもしれない。自分は弱いのだ、と。それを自覚していたいのかもしれない。武器を持ったら、言葉だけでこの場所に立つ自分が崩れてしまいそうだ)
「海苔か」
(そこで更に眉の皺を深めた。しょうゆせんべいを、しょうゆせんべいのままに出すことを良しとするのが熱焼の店主だった。悩む。悩む。上客、というより、それ以上に好感が持てる少女だ。その言葉に)
「か、かんがえて……かんがえておくよ」
(声を震わせながら言葉を返し、咳払い。相手が去ろうとしているのだから、こちらもそのような顔ではいけないのだ)
「こほん。ようし、分かった。道中気をつけて。店にくることがあれば大歓迎だ」
(満面の笑みで大仰に一礼。姿勢を戻すと、こちらも首を倒しながら)
「僕は君のような人が好きだね」
(他意はない。だから素直に告げる。"僕も"と言わないのは、単にうぬぼれていないからで。自分が頭がいいか悪いかを決めるわけではないからだ)
「それじゃあ薄野くん、また会おう!」
■薄野ツヅラ > 「またね」
ひょいと手を挙げてそう返す。
カツカツと杖を鳴らしてそのまま四ノ宮に背を向けた。
ご案内:「落第街大通り」から薄野ツヅラさんが去りました。
■四ノ宮 雪路 > 「今日はいい出会いがあった。散歩に出たかいがあったってものかな」
(戯曲を口ずさみつつ、上機嫌に足をおくる。スキップのような、大きな歩幅で弾むように、自分の店へと戻っていく。明日からせんべい屋の客が増えるかもしれないし、上客も増えそうだ。だから今日も落第街は平常運転。口ずさむ演目とは裏腹に、視界は明るく映っているようだった)
ご案内:「落第街大通り」から四ノ宮 雪路さんが去りました。