2015/07/26 のログ
ご案内:「落第街大通り」に夕霧さんが現れました。
夕霧 > 蒸し暑い夜。
流石にジャケットは置いてきた。
Yシャツの下はそこそこに汗をかき、やや気持ち悪い。

特にパトロールと言う訳でもない。
事実腕章はそのまま自室に置いてある。
コツ、コツと靴音を響かせて大通りをゆっくりと進む。

目的の場所は無い。
ただ、少しだけ。
懐かしい空気を感じる為だ。
本土に居た頃をつい先日、思い出せば、無性に懐かしくなり。
また此処に来た。

決していい空気では無い。
だが本土に居た頃は、よく感じた空気だ。
思わず笑いが張り付く。

ご案内:「落第街大通り」に東雲七生さんが現れました。
ご案内:「落第街大通り」に道鉄さんが現れました。
夕霧 > 少し筋がずれれば暴力だけの世界になる。

「―――」
実にいい。
結構だ。
その方がわかりやすい時もある。
【モノゴト】を押し通す時の最終手段だ。

暴力・力というのは。

彼女がツヴァイハンダーという、明らかに。
振り回すに不釣り合いなものを好むのもそこからだ。
【目に見えて圧倒した力がある】というのを喧伝する為だ。
わかりやすい、と言うのは重要だ。
暗器などは目に見えた危険性は分からない。
それこそ、何時飛んでくるかわからない殺意だ。
それは確かに【殺し合い】ならば非常に有効だ。
だが【殺し合い】では無く、抑止力と言うのならば、あの長大な剣ほどわかりやすいものはない。
見たままその鉄塊に潰される、イメージが湧く。
イメージが湧けばそれは恐怖に繋がる。
恐怖すればペースはこちらに来る。
実際に振るわれればその圧倒的な破壊力に怖気づくものも少なくない。
そもそも【殺す】という一点ならばもっと他の獲物がある。
故に彼女は振るう。
小回りが利かずとも。

コツ、コツと歩きは止まらない―――。

東雲七生 > (家に居ても蒸し暑くてやって来た落第街。
 また面白いヤツに会えるかな、等と淡い期待を持ちながら“普通に地面を”歩いてくる。
 街の住人にも、公安にも風紀にもバレないようにと深く被ったフードの下で、紅い瞳が忙しなく当たりの様子を窺っていた。

 横道から大通りへと出ようとした矢先に、
 ふと住人のものとは違う足音を聞き付ける。

 公安かな、風紀かな、それとも他の誰かかな。

 そっと壁に背を預けて通りを覗き込んでみた──)

道鉄 > そっと、すれ違う。
女の横を、通り過ぎる。
血のにおいをさせながら表情を髪に隠しながら
そっと、歩みを進めて――
香る。血のにおい。
口元に見えた赤――
そしてだれかが。望んだ? 望んでいない?

――暴力の気配に……

肩が擦れ合うぎりぎりのところで、女と拘束衣の女がすれ違う

夕霧 > 香る。
懐かしい匂い。

あかいいろのにおい。

ぞくりとする。

「―――はは」
笑いが漏れる。
そう、懐かしい。

元々彼女が棲んでいた匂い。

「―――ええ匂いさせはりますね」

すれ違い、少しだけ足を止めて。

道鉄 >  
声をかけられれば、ぴたりと足を止める。

――観客に、気付くことはない。
――気付く必要はない。まだ、自分の味方、敵、獲物。では決してない故に。

だから意識を目の前の女に集中させる。
バラけていた意識を――

「……何か面白かったか? それとも、匂いが好きか?
 でも、そんなに香らないな、アンタ。綺麗な人? いいや、違うな」

――最近ご無沙汰か?

げははっと、特徴的な笑いをこぼしながら
”後ろに投げかける”

東雲七生 > (紅い視線の先には二人の女生徒。
 
 どちらの顔も見覚えはない。
 見知らぬ顔、だ。

 そしてどちらもただならぬ気配を感じ取れる。
 場所の影響もあるだろうか。
 気が付けば自分の呼吸が浅くなっていることに気づき、
 それでもまだその場から通りを覗う事を続ける。)

夕霧 > 御無沙汰―――。

そうなのかもしれない。

コチラ
学園に来てから―――そういう事からは極力、身を離していた、つもりだ。

「ふふ、そうかも知れませんなぁ」
対照的に、鈴の音を転がしたような笑い声。
「時折、身体が熱るんですよ。別に、抑えられないものでもないんですけど」
特徴的なイントネーション。
こちらは逆に、様子を伺う気配には気づいている。
だからといって、今後ろに居る人物以外に、気を払っては居られなかった。
「ご無沙汰、と言われると御無沙汰ではないと否定しづらいものです」
口元に手を当てて、また笑う。

東雲七生 > (額を伝って鼻筋を通る汗を拭う。
 暑いわけじゃない。むしろ逆にある種の肌寒さすら感じている。
 少なくとも、普通に学園生活を謳歌していれば感じないであろう肌寒さ。

 二人ともこちらに意識は向けていない。だがきっと気付かれている。
 だったらどうする、短く自分に問いかける。
 
 気付かれてる事はほぼ違いなさそうだが、だからと言ってこちらに何かしてくる気配も無い。
 だったらこそこそしてる方が場違いじゃないか。

 大きく息を吐いて、手のひらの汗をズボンで拭う。

 そして極力自然に見える様に意識して、通りへと足を踏み出した。)

道鉄 >  
呼吸が耳に届く、いや届いているはずだが――

”知覚”しない。
まだ、その必要性はない。

「げはは、女のセリフじゃねぇなぁ。男に向かって言う話でもない
誘ってんのか? その辺のホテルに入るか? いや――そしたら
首を掻かれそうだ、発散しないと辛そうだなぁ」

それで――?

振り返る。髪がさらりと後ろに流れれば
頬に赤い斑点。口元に紅。身体もよく見れば、赤が灯っていた。

「どうする? 仕事帰りだが――40分なら”食事”に付き合ってやるよ」

そう告げれば、やってきた姿に。
”出てきた”

ならば意識を割くのが礼儀だ。

「……ほら、そんなそそるこというから――」

やってきたじゃんかなんて軽口を叩いて

夕霧 > そこで道鉄へ振り向く。

「あァ―――」
少しだけ息が荒くなっていくのがわかる。
高揚が収まらない。
そこで、東雲も初めて視界に入れる。
「そうですね―――」
東雲を見て少しだけ笑いかける。
「脅かしてしまいました?すいませんなぁ」
それだけ言い。
改めて道鉄に目を向ける。
「40分。ですか。【ご休憩】より短いですねぇ」
合わせる様に言うとくすくすと笑った。

東雲七生 > (ポケットに両手を突っ込み、フードの奥から視線を投げかける
 小さく鼻を鳴らして、軽く肩を竦めて
 落胆にも似た声音を作り、少しばかり大袈裟に

 なるべく自分を大きく見せようと“している様に見えるように”口を開いて)

「なァんだ、女が居るって聞いて来てみりゃあ、
 何だか剣呑な奴らじゃねえか。

 ちょっと声掛けて隙あらばと思ったけど、
 こいつぁおっかなくて手ェ出せやしねえな──」

(ケケケッ、と下弦を口元に描き。
 さっきまで曲がり角の向こう側で寄り掛っていた壁に背を預けた。)

「まァでも面白いもんくらいは見れそうだから、

 ──特等席で見させて貰おっかなあ。」

(そうしてそのまま地面へと座り込む。
 小さく震える膝に肘を置き、頬杖ついて二人を見つめる。)

道鉄 >  
「盛りすぎだろ――」

げははっと笑いながら、苦笑する。

「そう思わない? おにーさん」

まるで世間話を言うように、やってきた出てきた影に告げて。

「悪いね、一日一時間って決めててさ。さっき仕事で20分使っちまったんだ
 人数が多くてさ――いや、ホテルの休憩なら何時間でも大歓迎だぜ?」

くつくつと、喉を鳴らしながら。静かに発情? している女に
飛ばしてやる。きっと求めているであろう、ご馳走を
さらなる媚薬を――殺気、を――……

「マナーは大事だからな? あんまがっつきすぎないようにしねぇとな?」

そして、少年の声を聞けば――

「んだよ、別におにーさんに譲ってもいいよ? 40分が限界だからな」

なんて気付いているのかいないのかそんな言葉をさらに重ねた

夕霧 > 「あら、ええんです?」
道鉄がいうように、別にアナタでもええんですよ、そんなニュアンスを言葉に込めて。

そしてぶつかる。
これでもかという殺気。

ピリピリと全身に来る。
わざとだろう。
口元を隠す。
はしたない吐息と口元を隠す為に。

口元を抑えた手とは逆の手で無言で取り出すのは鏃状の石。
乱暴に指に傷を付ける。
ぽたぽたと落ちる雫。
自分のその匂いですら。
甘美で。
ピッ、と指で簡単な魔法陣を描く。

「Form-Zwiehander All default―――」
非常に簡略な魔法詠唱。
地面からせり出してくるのは。
2m近い鉄塊。

「じゃぁ。40分、踊ってもらえますか?」
にこりと。

それが宣戦布告。

東雲七生 > 「俺がァ? ケケッ、冗談言うなイ。
 まだまだ俺ァ長生きしてェんでね?危ない橋は渡んねえのさ。

 アンタらみたいに見るからにおっかねェオネーサン方に手ェ出すほど生き急いじゃァいねェのサ。」

(気を抜けば震えそうな声を、下卑た笑いで誤魔化しつつ
 あまり距離を置かず、しかし近すぎない距離で見物を決め込んだフリを貫く。

 余計な事をしなければこちらには何も無い。
 そう自分に言い聞かせながらも、その頬に汗が伝う。

 異様だ

 何が、とはっきり言葉にする事は難しい
 視線の先で二人の少女は一見して普通に会話しているように見える。

   ・・・・・・・・・
 ──そう見えること自体が、異様だ

 今、目蓋を閉じれば。
 暗闇の中に、二体の獣が向かい合う様が映るだろう。)

道鉄 > 「……んだよ、穴が小さいな……それにおねーさんじゃねぇし
 こっちに手を出されても、お前ホモかってぶんなぐるからな」

げはは――っと笑って。
はしたない、サメのような表情と一緒に
落す――食事の時間を……

「でっかいなぁ……それで善がれたら最高だろうが」

――そんな趣味はないんだよ

「さぁ、”殺戮の時間―ディナータイム―”だ」

はじく、拘束を解く。ランクアップ、重量を取り戻す。
拘束衣の女の地面が、ばごんっと陥没した。

「――あんま、気どんなよ。誰も見てないだろ?」

その宣戦布告を”受けた”

夕霧 > 「いやいや、少しは気取りたいものですよ?」
何せうら若き乙女ですから、と。
気取るなという言葉に、あくまで気取ると返す。

「それにすぐ横で、見てはりますし」
にこり、と再度東雲に視線を向けた。
それ以上は向ける余裕はない。

眼鏡を外し、髪も束ねる。
整った。
「ほな、行きます」
軽い口調と共に。
肩に鉄塊を担ぎ。
ダン、と踏み込む。
地面が音を鳴らす。
距離を縮め。
かっきり鉄塊の有効範囲、道鉄の射程外、だと思われる位置。

かくして鉄塊を道鉄に横薙ぎで振るおうとするだろう。

東雲七生 > 「ケッ、悪ィがゲテ入れる趣味ァ持ち合わせてねーの。
 何よりわが身が可愛いんでなァ? アンタだって趣味じゃねーよ」

(軽口を叩きながら
      空気に潰されないように
 笑みを浮かべ
      場に取り残されないように
 二人を見つめる。

 もしかしたらこれは絶好の好機かもしれない
 授業では見られない様な戦いの場に居合わせたのだ

 だったらする事は一つ

 今から起こる事を、刹那の見落としも無く全て見る
 少年は貪欲な視線を前へと向け続けた。)

道鉄 > 「だから、こっちじゃなくて向こうを見てろよ
 そそるだろーが……」

笑った。そして――跳んだ。
いや――刀身に平行に身を投げた。

ツヴァイヘンダー。巨大な両手剣。
西洋剣の種類は豊富だ。
突く、割る。さまざまなものに特化した形がある。
これは斬る、ことよりもその間合いと、打撃的なもの
に割かれて、その重量をもって押しつぶす傾向のほうが強い。

だが、この剣には当たるわけにはいかない。
これは、斬れるし、押しつぶす。
業物だからではない、目の前の女が使うから、だ。
だから”受けない”。受けたら終わりだ。
その代わり――側面から――

    ”弾く”

刀身を蹴った……
生身がぶつかった音ではない。
まるで鉄と鉄がかちあった音を鳴らしながら。
地面にその刃を落しこもうと、身を回しながら蹴って――
そして舞った紐が――服に散らばったフックのついた紐が
腕と首へと延びてくる――絡め取ろうとするように

これなら、届く……

夕霧 > 鈍い音。
鉄と鉄が思い切りぶつかり大音響を上げる。
こんな音が出ても、夜の落第街は人が来る気配はほとんど見られない。
当然だ。
関わっては行けない類なのだ。

衝撃は持つ腕にも伝わる。
気を抜けば取り落としてしまうほどの衝撃。
それを膂力で耐える。

「―――!」
舞うフック。
それは明確に首と腕を狙っている。
首に嵌れば―――。
ただでは済まない。
首を持っていかせるわけには行かない。
剣を持たない片腕をスーっと横切らせ、片腕を犠牲に首へフックが掛かる事を防いだ。
首だけは避ける緊急措置である。
余りおいしくはない。

東雲七生 > 「……──っ。」

(目の前で行われる攻防に言葉を失う

 刹那の瞬間も逃さないとほんの数秒前に決めた覚悟は早くも揺らぐ
 それほど戦いの衝撃は大きく、強かだ
 
 何が起きているのか

 視覚から得た情報を脳が整理する、
 若干のタイムラグが惜しい
 
 余計な事は考えない
 
 ただ今は目の前の光景を、戦闘を、
 網膜だけでは無く海馬に焼き付けるように見つめるのみ、だ。)

道鉄 >  
「っは、げはははっ……そうだな、そうじゃないと、”続けられない”っ」

腕にフックを錘にしてぐるぐると巻きつく紐。
そしてその紐を、回転しつつ思いっきり、空へと投げた。

「お外への遊覧飛行だ、楽しいなぁ!!」

紐が外れる、ツヴァイハンダーごと難なく、女を投げる。
そこから――

「散ッ――――」

近くに合ったドラム缶を蹴って、追撃とした

夕霧 > 理不尽なまでの力。
巻き付かれた腕を始点に、無理やり空を舞わされる。
その際に身体の中に響く嫌な音。
始点となった腕は、恐らく脱臼は免れていまい。
痛みを遮断する。

空中で軌道を変えれる程、彼女は器用ではない。
そもそも彼女の異能は発動する事が、この学園では稀であった。
魔術も武具召喚一点のみ。
だからこそ。

鍛錬をした。
限界まで改造した己を。
柔か剛かで言うのならば。
圧倒的に剛に偏ってしまったが。

片手で剣を握る。
その握った音が聞こえるか、という程に。
そして迫る来るドラム缶。
思わず笑う。
格別だ。
ドラム缶を蹴ってここまで飛ばせるこの膂力。
「―――あぁ」
久しぶりの愉しさ。
少しだけ、笑いを貼り付けて。
その不安定な体制のまま、ただ己の腕力のみで思い切りそのドラム缶を両断した。

道鉄 > ――ま、だよな……

これで火照りをとれるようなら、きっと遊んでとは言わない。
だが、これで証明できたはずだ。
”悪くない食事”だと

「加減するのはできないんだ。欠点でな」

きっと向こうも前座だろ。本気じゃない。
だから肩をすくめて、”腕のない袖”を揺らした。

「あと、38分。火照りのまま来いよ。発散、したいだろ?」

余計なことは考えず。
もっともっと研がれ、よがれと
目の前の”食事”は、嗤った

東雲七生 > 「──すげ……。」

(取り繕う事も忘れた呟きが零れる
 
 鉄塊を蹴りつけ、人間一人を宙へと投げ、さらにドラム缶を追撃に使うことも、

 鉄塊を往なされ、宙へと投げられたにも関わらず冷静に追撃を切り捨てることも、

 どちらも膂力に任せたもの
 自分には決して真似できないもの

 見落とすな、見逃すな、見過ごすな、見誤るな

 一挙手一投足のみならず
 彼女らの指の動きまでも
 全てを自分に焼き付けんと、東雲は戦闘に

 魅入っている。)

夕霧 > 他の追撃は無い。
べたりと地面を這う様に着地する。
「わざわざ、すいませんなぁ」
前戯のようなもの。
これぐらいは出来ますよ、と。
何から何まで懇切丁寧。
饒舌なまでに語ってくれている。
吐息が漏れる。
先に。
始点とされ、脱臼したであろう肩を無理やり押し込む。
痛みは既に切っている。
拳を握れる事だけを確認する。
これならまだ遣える。
だらんとさせたままでは勿体ない。
渾身。
渾身で味わわなければなるまい。
乾いた唇に舌を這わせる。

「―――っ」
無言。
先ほどより苛烈な速度で。
迫り、下から、上と思い切り振り上げる。
地面を抉り、土飛沫が舞い、それでも尚衰えぬ速度で。

道鉄 > 「……っはっ……」

謝られた。それを嗤って流す。
別に謝ってもらうよりも、態度で示してくれたほうが嬉しい。

肩を押し込んだのを見て、分析する。
痛みで表情は変わらなかった。
だったら痛みのギブアップはない。
つまり、武具の無力化。
もしくは意識の昏倒が正解になるが――

”どっちもうまくねぇな”

そうどうせなら――

「こっちの選択(ノリ)だろ!!」

満足するまで40使い切る。

――っはぇえ……

本気。ギアが何段も上がってる。
そして土埃を上げながらの下からの斬撃。
避けてもいい。だがよければ視界が持っていかれる。

「チぃっ――……」

だが、”避けるしか”選択肢がない。
だから、避けた。その拍子、目に砂が入って
視界が一時的に”無”とされる……

東雲七生 > 「……ぁぁ──」

(呼吸をする暇も惜しい
 
 無粋なほど荒々しくぶつかり合う暴力と暴力
 しかしそれが中々どうして美しく見える

 少年の目には衝突が、攻防が、両者の息遣いに至るまで
 全てが刺激に満ちて映っていた。)

夕霧 > ―――入った。
避けるしかない選択肢。
そういう武器だ。
受けると言う事は下策に繋がるこの武器。
懐に潜り込まれると弱い欠点があるが。
相手に回避以外を選ばせないその優位性。
その射程。

すぅと息を吸い。
その視界を奪った瞬間。

先ほど蹴られた時にした音は恐らく己を硬質化する異能だか魔術だと踏んでいる。
そういう輩に斬る、というのは余り好ましくない。
通るかもしれない。
その為に刃こぼれを起こす理由は無い。
故に彼女は。
純粋に鉄塊としてその大剣の腹で相手を殴りつけた。

道鉄 >  
「ヴァウ!!!!」

身体に力を込めた。
筋肉を全て、起こした……
だが、足りない。
ダンプカーに体当たり……? いやそれ以上の衝撃だ。
なぜならただの、殴りじゃない。
気剣体の一致。踏み込みから全てをかみ合わせた一撃だ
やってくれる。それではどんな防御も意味をなさない。

血反吐を吐きながら、ふっと……

「ばねーよ……っ」

身体の体重を重くする。より重く重く――
破壊とは重しである。
どんなものも”重りには勝てない”。
支えるものには限界がある。
それが、道鉄の異能だ。”刻まれた罪の烙印《暴食》”だ。
だから、より自分の身体を”重くする”。
与えられた衝撃を食うために。

「オラ!!!!」

そして見えなくてもいい。記憶している配置。
腹部の攻撃から、場所を推測――
今の痛みで少し視界も戻った。
そのまま――

   頭突きをふるった。

東雲七生 > 「──ッ」

(舞上がる粉塵、響く打撃音
 そして咆哮にも似た裂帛の声

 それらすべてが舞踏会の様に煌びやかに瞳に映る

 嫌悪感は無い 畏怖も無い
 ただ胸のうちにあるのは憧憬のみ
 
 人は自分の手が届かないものに憧れる

 だとすれば目の前の、膂力の限りを尽くされた戦闘は
 少年が憧れるのに不自然な事は何も無いだろう)

夕霧 > 浅くは無い手応え。
相手を吹っ飛ばすに十分だと思った加撃。

だが。
それでも足らない。

よく分からない程の重量の物を殴りつけた感覚。
ビィィンと剣から伝わるその衝撃は。
若干とは言え、動きを鈍らせるに十分な衝撃。

見誤る。
その見誤りは非常に迂闊であったと言わざるを得ない。
次の瞬間、その途方もない重量から放たれる頭突き。

―――思い切り、額へとブチ込まれるその質量。

その場に耐えるには。
流石にこの身体では貧弱すぎる。

嫌なほど鈍い音が響いて。

またも彼女は宙を舞う。
意識を繋ぎ止め、痛みをまた忘れる様に遮断して。
一回転、着地は流石に上手く行かない。
無様に地面を滑り、数m、下がった所で止まった。
ぼた、ぼた、と額から血が零れ落ちる。

しくじった。
目に血が入る―――。
瞬時に額から流れる血を眼に入らないように道筋を作って逃がす。
左目は残ったが、右目はしばらく見えそうもない。

道鉄 > 「あ゛ーーーーーー……」

呻く。腹を押さえる。
動けるかと言われれば、動けない。
だが、死ぬには至らないし、ギブアップもまた別な話だ。
だから、”動かない”ことを選択する。
サンドバック? いいじゃないか。
目の前の女の発散にはちょうどいい。
だが――もう一発もらったらは、保証しない。
そんなスリルが欲しいだろ?

――なぁ―……?

「あ゛ー、イテー、イテーイテーイテーイテー、げはははははは!!!!!」

嗤いながら、大爆笑しながら。
傷に響くのも厭わずに

「さぁ、来いよ。まだ、食べきれてねぇだろ!!!!
 これでサンドバックだ。どんどん来い。あと30分
 だが、もう一発は食らうなよ、食らったら――」

欠点を晒す。忠告する。
そしてなおも――

      遊ぼうと、誘う

東雲七生 > 「……ん、ぅ…。」

(自分の喉が鳴る音がいやに大きく響いた気がした
 
 圧倒的な暴力のぶつかりあい
 嵐にも似た衝撃から我に返ろうにも思考が働かない

 ただの一度も瞬きもせずに“この後”を目が、脳が、本能が求めるままに
 貪るように見続ける
 
 あたかもそれが自分で自分に課せた使命であるかのように
 高揚感と恍惚に包まれて、東雲は錯覚していく)

夕霧 > 痛みは遮断している。
単純に【気にしてない】だけだ。
ふら、と立ち上がる。
片目は見えない。
そして見えてる方も視界は余り定まっていない。
クラクラして気持ち悪い。

それでも止まらない。
止められない。
この相手は極上で。
まだ貪りたい。
そう、発散するにはまだ止まらない。

このまま離れれば。
恐らく熱ったまま、己でも何をしでかすかわかったものではない。
それは色々と望む所ではない。

「本当、何から何まで親切な方ですなあ」
ころころと、笑う。

定まらない足取り。
まどろっこしい。
【わざと痛みを戻す】
「……っ!」
ぎり、と歯を食いしばる。
痛みで思考をクリアにする。
ガ、ガッと地面を蹴る。
よし。
吐息は三者のモノ。
どれもこれも荒い。
時間間隔も狂っている。
「行きますよ」
向こうはどれほどか分からない。
フェイクかも知れないが。
だが、道鉄の言う通り、後一撃受ければ。
紛れもない。
夕霧の身体では致命傷だ。
ぞくりと全身が粟立つ。
それでも。
走る。
「アァ!」
裂帛。
鈍重な鉄塊を再度道鉄へ再度、同じ位置を狙って振るう。
やはり斬る、のではなく打撃である。

道鉄 >  
――来る……

そこから、考えるのを辞めた。
避けることも、対応することも辞めた。
ただただ、”重くするだけ”。

同じ攻撃が飛んでくる。打撃――なら受け止められる……
だが――速度が段違いだった。
引きの速度が――早い……
手を伸ばしても掴めない。
重い重量で、ジャブをされているような
いや――これは死神が振るう鎌だ。
一方的に、速度と重量を備わった旋風に巻き込まれていく――
でも、死なない。十、二重、三十、四重――
タフネス――
     --痛くないと思うだけ
ただ、突っ張るだけ。
それで受け止め続ける……
隙があれば、死の一撃をたたきこみ
かわされつづけながら

「げははは、親切か? 惚れてくれてもいいぜぇ?」

東雲七生 > 「……─は、ぁ  っ。」

(不規則に浅い呼気が口から漏れる

 とても今自分では真似できない様な重さ、速さ、強さ
 そしてそれを繰る二人の美しさ

 少年はすっかり魅入られている
 個々ではなく全ての要素が重なった戦闘に

 それはある種の芸術めいたものを感じさせた)

夕霧 > 一撃はもう受けれない。
ならば相手のレンジ外。
限りなく速度を重視した打撃。
無理をした動きをすれば即座に退く。

相手程のタフネスは無い。
痛みを切っても。
死ぬときは死ぬ。
幾度と打ちつけても。
幾度と避けても。
倒れない。
倒れない。

「そうですな、惚れますよ、ほんまに」
それでも会話は続いていて。

今取り合いをしていると言う事も忘れかける。


―――どれほど時間が経ったろう。
もうそれもわからなかったが。
ふと時計に目が入る。
ああ。

ふと、嵐が止む。
「―――」
無言で剣を地面に落とした。
がらん、と音も立てず、剣は地面に溶ける様に消えた。

―――時間切れだ。

道鉄 > 「――はぁ、いったぁ……」

静かに、お互いに終わりを感じる。
きっちり、40分。
そう、重しはなくなり、陥没はせず。
痛みに身体が軋むのを覚えながら

「はぁ、満足したか?」

ぺっと、黒くなった血液を吐きながら
自分の身体は、まだ動きそうだ。
骨はいくつか駄目だし、筋肉もいくつかだめだが――

でも、十分いける。

「げはは、きっちり40分だ。終わったぞ、色男」

夕霧 > 「……そうですなぁ」
息は定まらない。
痛みでも無く疲れでも無く。
全身ぐっしょりと濡れていて。
額を拭う。
べっとりと白いシャツに血が飛び散っていた。
「本当、満足しました」
食べきれなかったぐらい。
ゆっくりと道鉄へ近づく。
もう殺意は無い。
「手当は、しませんと」
自分でやっておいての言い草ではあるが。
道鉄へ手を伸ばす。

抵抗しないなら、抱き抱えられるだろう。

道鉄 > 「自分のほうを気にしたら、おねーさん」

くすっと笑う。手があれば、逆に抱くということもできるだろうが
残念ながら、その腕はない。
故にされるがままに――

「頑丈さはある。おねーさんよりは平気だよ」

言葉通り。
しかし、さっきまでの重量はどこかへ行き
華奢な女の身体だと触れて抱けば分かる。

東雲七生 > 「── ぁ?」

(はた、と我に返る
 
 終わった、 終わった
 その言葉の意味を反芻して考えること暫し)

「あ、ああ、おう。終わったかよ
 な、なかなか面白いモン見させて貰ったゼ!

 ケケケッ、思った通り相当剣呑だったなァ、アンタら。」

(怖い怖い、とおどけて肩を竦めて見せるも
 フードの奥で頬は上気し、呼吸は熱を帯びている

 すっかり魅せられて、中てられてしまったことに
 僅かばかりの恥ずかしさを覚えずには居られなかった)

夕霧 > 「アナタほどでは無いですけど、丈夫さは自信がありますよ」
ころころと笑う。
そう言って道鉄の頭を優しく撫でる。
「すいませんなぁ、抑えがうちも、余り利かないほうで」
さっきまでの重さはどこへいったのか、ただただ華奢な彼女を胸に抱き。
ひょい、と東雲の方を見た。
「見ての通り、うちらはもうこんな調子ですし」
見逃してくれます?と。
最初に出会った時と。
何一つ変わらない笑顔で彼へと問うた。

東雲七生 > 「見逃すも何も、元から何かしようってェ気は無ェよ。
 それもあんなドンパチ見せられて何しろってンだか!」

(むしろ願い下げだね──
 
 鼻で笑いながら腰を上げる。
 辛うじて抜けてなかった事に内心安堵しつつ、尻の埃を手で払い落す。)

「まァ、そりゃァあくまで“俺は”ってェ話だから?
 余計な運動とかしたくないなら、とっととこンな人目につく様な場所から動いちまった方が賢いと思うぜェ?」

(ケケケケ。

 奇声にも似た笑い声と共に踵を返し
 そのまま元来た路地へとややおぼつかない足取りで歩き出した。)

道鉄 > 「押さえる場所じゃねぇしな……気にしなさんな」

げははっと笑い、くったりして。

「よかった。見世物としちゃ、上等だろ
 なかなか見れないぜ? こんなのさあ。こんな美人が
 素であばれるなんて――これ以上ないだろ?」

嗤いつつ――

「だが、あんまり来るんじゃねぇぞ、踏み込んじゃえば――もどれねぇよ?」

青年に忠告を告げて。

「ところでおねーさん、ごほーびがほしいなぁ……」

夕霧 > 「―――おおきに」
離れて行く東雲にそう感謝の言葉を告げる。
少しばかりおぼつかない足取りを、わざわざ目くじらを立てて言う事もあるまい。
くすりと、心の中で少しだけ微笑する。
「お礼に何時でも、お相手しますよ」
少しだけ、意地悪をして。

「ごほうびですか?」
まだ汚れていないシャツの袖で彼女の血を拭いながら鸚鵡返し。
「ええですよ。何がええですか?」
拭った後は、また頭を撫でる。

東雲七生 > 「……。」

(──ほぅ

 体の内側から熱を逃がす様に溜息を一つ吐く
 やはり“住人”の側からすれば“余所者”なんて容易く見抜けるのだろうか

 そんな事を考えながら、何も言わずにひらりと手を振って
 路地の中へ入った後は、いつも通り、
 地と壁を蹴って屋根まで上がり、研究区へと去って行った)

ご案内:「落第街大通り」から東雲七生さんが去りました。
道鉄 > 「オレはとある理由から、食べ物を満足に食えなくてね
 女で解消してるわけだけど――」

……今度デートしてくんない?

こうして声をかけるのは、よくあることだ。
前もそうだった。
ちなみに、この前も相手にしてもらった。
仕方がないことなのだ。
三大欲求のどれかで賄わないと
つらいものがあるからだ――

「どうかな? 最悪、そういうことになるかもだけど」

なんて、嗤いながら告げる

夕霧 > くすりと笑う。
「ええですよ」
何でも無い事のように。
そう言いながら歩き始める。
向かう先は夕霧の自宅。
とりあえずそこで手当やらを行うつもりだ。
流石に目につきたくはないので、裏の道を迷うことなく進み、住宅街へと歩いている。
「そういえば、名前、聞いてませんでしたね」
すっかり忘れていた。
「何て呼べばええですか?」
それは本名でも偽名でも。
ただアナタをどう呼べばいいのか。
そんな単純な問い。

道鉄 > よっと、立ち上がり

「やったねっ。ナンパ成功」

げははっと笑って、なかなか良い女のようだ。
自分の目よりも、より――

「道鉄(タオイェン)。好きによんでくれていいよ」

――あんたは?

目線でそう尋ねつつ

夕霧 > 「道はんですね。うちは……」
少しだけ考えて。
今日の出来事は。
何時もとは関係ない。
故に。

「霧(キリ)でええですよ」
それは本名。
この学園に来て。
初めて名乗る本名。
誰にも一度も名乗ったことは無い。
知っているものは、居るだろうが。

道鉄 > 「……霧ね。覚えた。たまったらまた遊んであげるよ」

――いろんな意味での遊びに付き合ってあげるから

くすりと、微笑んで後ろを追いかける。

「……で、どこにいくの?」

袖をひらひらと揺らしながら

夕霧 > 「それは、嬉しい申し出ですなあ」
ころころと笑う。
熱りは今は過ぎ去っていて。
彼女には、本当に感謝せねばならない。

「うちの自宅ですよ」
時計をもう一度確認する。
見回り、その他諸々を避ける様に移動しながら。
「手当もその間の着替えも、流石に持ち合わせてませんし」
その服は仕事着なのだろうし。
「住宅街にありますから。ちょっとだけ、歩きますけど」
そう説明しながら。
「なんでええです?また抱き抱えても大丈夫ですけど」
などと言いつつ。

道鉄 > 「……おや、おうちにご招待?
 結構大胆。男を招いちゃ襲われても文句言えないぜ?」

げははっと笑いながら。拒否はしない。

「抱きかかえるほどじゃないよ。逆にって言ってあげたいが腕がねぇな!」

くつくつ笑って問題ないと。後を追って――

「さっさと行こうぜ。”見られたらまずいんだろ”?」

スピードを上げていいと、暗に示した

夕霧 > 「あら。殿方でした?」
抱いた時は女性だと思ったが、という感じではあったが。
「あぁ。まあ色々ありはるでしょうし」
と言い直してあっさり片付けた。
どちらでもよかった。
彼女だろうが彼だろうが。
道鉄であることに違いは一つも無い。

「ふふ、何時か腕が治ったら、お願いします」
ころころと笑う。
「えぇ。そうしましょう」
少しだけスピードを上げる。

道鉄 > 「――ま、詳しい話は後にしようか……」

まだ時間はありそうだし。
なにより……そうこうしているうちに足がついてはよくなさそうだ。
そっと落第街をあとにして――

ご案内:「落第街大通り」から道鉄さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」から夕霧さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」に佐伯貴子さんが現れました。
佐伯貴子 > (炎天下の真っ昼間、大通りの一角を占領し長机とテントが置かれている)
(何人かの風紀委員が列を整理している)

「正規学生への昇格手続きでーす
 1年間は学費免除、学生寮にも住めまーす
 学生へのサービスも受けられまーす」

(スピーカーから声が響く)
(訳ありの人間がこの島に来て落第街に訪れるようなこの時期、風紀が行っているイベントだ)
(定期的に行ってはいるが、この時期が人数が多い)
(周囲の目は厳しい半分、すがるようなもの半分といったところか)
(風紀を嫌う二級学生はそもそも近づかない)

ご案内:「落第街大通り」に園刃 華霧さんが現れました。
佐伯貴子 > (自分はといえば携帯デバイスで希望者を撮影)
(名前と犯罪歴を入力)
(学園に送信、という作業を繰り返している)
(犯罪歴と言っても自己申告であるし実際はザルだ)
はい、次の人。
(手続自体は簡単に終わる)
(希望するかしないかは二級学生次第だ)

園刃 華霧 > 「はーい、はいはイ。大人しく並べヨー。喧嘩すンなー?
 喧嘩したら、色々パーだぞオマエラー。」

微妙にやる気のない声を出しながら列整理をする女がいる。
一応、風紀の制服を着ているが、まことにぞんざいなことこの上ない。
とはいえ、彼女が持ちだしている言葉は相手の痛いところを突いているので、今のところ並んでいる者達は大人しく従っている。

佐伯貴子 > (こういった救済措置があるのに落第街という場所に変化がないのはなぜだろう)
(四ノ宮雪路の言うとおり、濁流に住みたがる魚もいるということなのだろうか)
(さすがに少し疲れた頃に休憩時間が回ってきた)
おーい園刃、君にしては真面目によくやった。
少し休もう。
(簡易テントの一角には飲み物やお菓子も置いてあった)
(風紀委員たちがせわしなく働いている)

園刃 華霧 > 「おっ、休みカ。やったネ。
 ほいほいほいっと……」

休憩と聞けば、近くにいた他の風紀委員にあっさり列整理を押し付けてテントに引っ込む。
全く躊躇はなかった。

「いヤー……手伝う、とは約束したけどサー。まさか、この仕事に出張るとはねェ……」

佐伯貴子 > (クーラーボックスから冷えたペットボトルを取り出し、紙コップ二つに注ぐ)
(ちなみにスポーツドリンクだ)
(一つを園刃に差し出す)
これも給料のうちだ、諦めろ。
それに、こういう面倒な仕事には手当がつくらしいぞ。
(紙コップからドリンクを一口のみ)
いつ荒事があってもおかしくないんだ。
戦力はあったほうが頼もしいのさ。
(園刃華霧を真面目にさせ、優秀な風紀委員に育てる)
(そんな密かな野望があったりなかったり)
(単に顔見知りがいたほうが疲れは軽減するのである)

ご案内:「落第街大通り」に蘆 迅鯨さんが現れました。
ご案内:「落第街大通り」に蒼穹さんが現れました。
蘆 迅鯨 > 季節外れの黒い上着を羽織った少女が一人、昼間の落第街を歩く。顔を覆うフードからは、緑がかった銀色の髪が覗いていた。
豊満なバストを露わにした服装は、この歳の少女が落第街という場所を一人で歩くにはあまりに似つかわしくない。
彼女は、ある事情からできるだけ人を避けて歩いていたのだが――
大通りに出ると、その一角に備え付けられた簡易テントと、その周辺でせわしなく働く風紀委員が、嫌でも目に入り。
「(……やべっ、風紀だ。今日コレだったっけ?俺ちゃんすっかり忘れてたわー)」
つい、考えてしまう。迅鯨は正規の学生ではあるものの、風紀委員に対しては若干の苦手意識があった。
そしてその声は、テントで休息をとっている二人の風紀委員にも聞こえるかもしれない。
無差別かつ一方的に、遮蔽物をも超えてテレパシーを送信してしまう彼女の異能――『夢見るままに待ちいたり<ウェイツ・ドリーミング>』によって。

蒼穹 > (初夏の炎天下。
こっそりとテントの下に忍び込む幽霊風紀委員がいるとか居ないとか。)

おつかれー。

(しれーっと休憩タイムに入ったのを見計らえばサボリに感ける。
テントの一角に用意された御菓子を貪りながら
忙しなく働く風紀委員に紛れて極力サボって不労所得に限りなく近い何かを得ようとする
不届き者の姿が、あったとかなかったとか。)

すずしー…。
(一応、働いたという名目も出来るし万々歳であった。テントの目立たないところで団扇を煽いでいる。
一人はクラスにいそうなヤツであった。)

園刃 華霧 > 「ドーモ。はは、手当カー。ソレを言われると弱いネ。
 それナラ、まあ……このイベントに顔出すノも……まあ、悪くはない、のかネ……」

此処に来るまでにやや乗り気ではなかった彼女は肩をすくめて、それから受け取ったドリンクを口にする。
まあ、それなりに美味しい。

「荒事、カー。まあ、こんな風紀のド真ん中に突っ込んでくるよーナ酔狂っていうカ、狂人がいたらそりゃ大変だわナ。
 そん時ハ、頑張って逃げる算段をしよウ。」

真顔で残念なことをいう。
しかし、そんな時は本気で逃げた方がいいのかもしれない。

佐伯貴子 > (何やら頭に声が響く)
(異能か魔術だろうか)
おい、今のテレパシー丸聞こえだぞ。
特に悪いようにはしないから出てきたらどうだ。
(こっちは手続きで忙しい)
(少々のことなら見逃さざるをえない)
>蘆

蒼穹…だったな。
働いてないのバレバレだからな。
咎める気はないけど働けよな。
(ため息をつきながら、破壊神という噂の同僚に声をかける)
>蒼穹

名目上風紀委員だけど働かない学生が多いのでそういう制度はあって当然だ。
逃げる算段なら、転移呪文に長けた先輩もいるし大丈夫だ。
テントと机ごと本部の倉庫に戻れる。
(ジュースをまた一口)
>園刃

蒼穹 > いえす、蒼穹です。…え。まじで。
(目をパチパチとすれば真面目と対するは噂の風紀員。)
…なんでばれたんだろう。
(美味しく頂いていた飲み物を飲み干してから悠長に答える。)
へいへい、何すればいいんですか…っと。
(強いて言うなら適当にこなして海行きたい。いや、泳げないけど。
そんな欲望を走らせながら立ち上がった。尚、現在の服装は風紀委員の服ですらない。)

園刃 華霧 > 「ぁン……? ふーン……?」

テレパシーが聞こえてくる。貴子チャンが対応しているからまあ、それでいいかな。
とはいえ……聞かせてもしょうがないような中身が聞こえてくるってことは、制御できてないとかそんな類なのかね。

「お、サボり発見。アタシでも働いてるンだからサー、報酬得る
ンだったらその分くらい働けヨー?」

蒼穹に突っ込む。
うん。仕事した。

蘆 迅鯨 > 「(あっちゃー、聞こえてたかー。タハハー)」
どうやら、先程漏れた思考は風紀委員に聞こえてしまっていたようだ。
仕方ないとばかりに、女の声が聞こえてきたテントに近づき。
「おいっすぅ。俺ちゃん蘆迅鯨<ルー・シュンジン>。一応正規の学生だからそこんとこヨロシクー」
入り口から顔を覗かせ、三人の風紀委員に大声で名乗り出る。

園刃 華霧 > 「マー、確か二……ちょーど今、ソコに働かない風紀がいるみたいだシ?
 素晴らしい制度だネ。」

自分のことはすごい勢いで棚に上げて貴子に答える。
いいのだ。今は仕事してるし。

「ホッ……そりゃまタ、用意周到なこと……」

テントごと移動できると聞いて変な感心の声をあげる。

「しかし……昇格、か……」

ぽつ、と呟く

蒼穹 > はいはい、働きます、働きますから。
(風紀委員って大体融通が利かない。
一回働けって言われたらこれがまぁ面倒。)
いや、働いてるよ蒼穹さん。
しっかり働いてますから。
(こういう仕事は適当にやり過ごしてお金だけ貰うのがセオリーである。ろくでもない。)

…。
(でけぇ。迅鯨への一先ずの感想はそれとしておく。何処がとは言わない。)
はーい、サボリで有名な蒼穹さんでーす、宜しく。
(片手に御菓子の袋を携えながら軽くご挨拶。)

佐伯貴子 > 手続きも列の整理もしないで休憩だけしてたらそりゃ目立つだろう…
そうだな、適当に列整理してくれてもいいし…
手続きをしてくれてもいいし…
休憩し続けてもいい。
最後の場合上に一応報告しておくからな。
(この手合には慣れているような対応である)
>蒼穹

蘆だな。
服装は自由だが、この場所に出歩くのは関心しないな。
あんまり危険なことはするなよ。
(こういう人物には注意が意味が無い気がしている)
(危険に合わないことを祈るばかりだ)
>蘆

佐伯貴子 > 準備を万全にするために裏で結構手を回したんだぞ。
私一人だとここは危なすぎる。
…昇格、だ。
(紙コップを握る手に力が入る)
その言葉は私も好きではないな。
しかし学生証がないとこの島では人権が認められないのも事実なのだ。
(複雑そうな表情)
>園刃

蒼穹 > …ちぇっ。
(わざとらしい舌打ちを見せながら飲み干したドリンクの紙パックをビニール袋にナイスシュート。)
ま、まぁ、報告してくれてもいいんだけどね?
(やれやれと立ち上がった足をテントの外に。
流石真面目系風紀委員。何か従わざるを得ない雰囲気。

因みにこの系統の仕事は嫌いである。何故ってずっと立ちっぱなしで楽しいことがないから。)

蘆 迅鯨 > 「ほい。そっちの名前も覚えとくな。よろしくゥ」
蒼穹と名乗った風紀委員に、返す。
その後、彼女がテントの外へ足を運ぶ妨げにならぬよう一旦体を退いた後。
「……やだなー姉ちゃんよぉ。俺ちゃんがそんな事するように見えるゥ?そりゃ確かに俺ちゃん貞操観念とか結構ユルいほうだケドさー、タハハー」
白い肌に黒い髪の風紀委員の女。その問いに対し、両手を広げる身ぶりを加えつつ、軽い口調で問うてみる。
その体の動きに合わせて、豊満なバストもまた揺れ動いた。
夏だというのに黒いフードで顔を覆い、ぱっと見ではわからないだろうがナイフも隠し持っている。怪しまれるのも無理はない。

園刃 華霧 > 「……」

でかい、説明不要。迅鯨を見ながら思う。
貴子チャンもそれなりだけど、これはソレ以上だな……
思わず恐怖につばを飲む……恐怖?

「おうおう、サボりは良くないぞ―。うん、よくなイ。
 ほどほどに働ケー」

自分も大概サボり魔であることは棚に上げて、蒼穹を煽る。
そのうち貴子チャンからツッコまれそうな気もするな。

「流石貴子チャン、用意周到ネ……
 ン。ああ、まあ……そりゃしょーガない。証明ってのハ、何処だって必要なもんサ。
 自分が何者か、証明出来なきゃそりゃ居ないも同然ってコトだヨ。
 ま、当然だネ。」

昇格、の言葉を拾われると、急に興味なさそうにそんなことをいう。

佐伯貴子 > そう面倒臭がるな。
落第街周りの仕事は手当もいいらしいからな。
荒事せずに稼げるなら少々面倒でも仕方ないだろう?
(蒼穹にはそんなことをいう)
>蒼穹

私は2年の佐伯貴子だ。
君がするのではない、されるのが心配なのだ。
ここに来るくらいだからどんなところか知っているだろう?
拉致監禁されても助けてやれないかもしれんぞ。
(これは重みのある言葉である)
(なにせ自分が拉致監禁された経験があるのだから)
>蘆

佐伯貴子 > (おや、正義感にでも目覚めたと思ったらそうでもないらしい)
(しかし園刃には彼女なりの行動理念があることは知っている)
その先輩が一撃でやられたら走るしかないけどな。
書類上は存在しなくても生命活動はしているのだ。
私はそんな生徒をひとりでも多く救ってやりたいと考えている。
傲慢だけどな。
(自嘲気味に苦笑して)
>園刃

蒼穹 > (道を譲ってくれた迅鯨には軽い調子でどうもどうもと会釈して外に踏み出す。)

(振り返って園刃を見遣って。)
はいはい、ほどほどにほどほどに。
ああ、面倒くさ。ってかキミも結構なサボり魔さんだった気がするんだよ
…カギリだったっけ。
(良くも悪くも幽霊風紀なので互い名を知っているかさえ微妙である。
だけど、何となくシンパシーしそうなので割と覚えている。サボり仲間が出来ると思ったら駄目だったと、
心中でしゅんとしたのは気のせいではない。)

そうらしいけどさー、面倒じゃん。
ってかさ、適当に犯罪者1人2人捕まえて四肢破壊してやった方がよっぽど早いしお金も稼げるんじゃない?
…ま、まぁ…キミは風紀委員の中ではあまり強くないらしいからそういう意見なんだろうけどさ。
(結構失礼かもしれないが、佐伯にそう返して。
なんというか気紛れで御迷惑も良い所な意見であった。)

佐伯貴子 > 頼もしいんだか信用していいんだかよくわからん意見だな。
私はたしかに弱いが、犯罪者…違反学生をむやみに傷つけるのもよくないと思っている。
その辺の考えの違いかな。
(いろいろな風紀委員がいるものだ)
(とりあえずこんな発言をする人物…いや破壊神が敵でなくてよかったとは思う)
>蒼穹

蘆 迅鯨 > 会釈する蒼穹に対し、へへっ、と笑顔を見せる。
自身に視線を向け唾を呑むラフな雰囲気の少女を軽く見やると。
「ヘー、佐伯の姉ちゃんも二年か。ちなみに俺ちゃんも二年」
にっ、と歯を見せて微笑み、両手でピースサイン。
その後、佐伯が続けた言葉を聞くと。
「あー、そっちね……」
明るかった表情が一転。声のトーンも若干下がる。
「だーよねー。俺ちゃん戦えねーし。特に銃はからっきしダメでさ。なんかあったら逃げるしかないんだよネ。いちお、護身魔術の類はあるっちゃあるんだけど……ソレも使いどころは限られてる」
迅鯨の身体能力は母国での実験によって強化されているが、過去の出来事がきっかけで戦えない身となっている。
特に銃を持つことは彼女のトラウマを呼び覚ましてしまう一因となるため、まったく不可能であった。

園刃 華霧 > 「そーそー迅鯨チャンよ。この辺は、頭おかしいツワモノがいるから気をつけナ。
 女を抱いてから斬り殺すのが趣味、とかいうご立派ナ狂人とかその他ナ。」

迅鯨の雰囲気からして、これくらい言っても別にいいだろう、と思って少し下品な話を振る。

「はいはい、華霧サンだヨー。
 ハッハッハッ、今日は仕事さs……してるカラ、してないヤツに容赦はしないのダ。
 どうして差がついタのか…慢心、環境の違い……なんてネ」

要するに、私が仕事させられてるんだからオマエも働け、である。
とんだ道連れ行為もあったものだ。
お互い不幸な出会いだったな……もし、違う形で出会っていれば親友に慣れたかもしれないのに……
いや、この後別のところで普通に会えば一緒にサボることは目に見えてるが。

佐伯貴子 > 同学年なら敬語を使わなくてもいいな。
(ちなみに胸の大きさ比べなどする性格ではない)
興味本位で来る気持ちもわかるが、彼女(園刃)の言うとおり
学生街では考えられないことが起きるのがこの街だ。
今は大丈夫だとは思うが、女性は狙われやすいから気をつけてくれよ。
(口うるさく聞こえるだろうが自分なりの心配から出た言葉だ)
>蘆

園刃 華霧 > 「マ、いーんじゃナイの?
 実際問題、此処に来てるのは少なくトモ救われてるワケだ。
 ソレ以外はー……ま、自分で救いの手を払ってるンだからナー。
 なんトモ言えないケドね。それぞれの思惑もあるだろーしナ。」

貴子の自嘲に気楽に答える。
別に悪くもないんじゃないのかね、と。

「此処が居心地がいいって思う連中もいるしネ。
 そりゃしょうがないサ。ウン。しょうがなイ」

蒼穹 > お。良いね、流石真面目系じゃん、「むやみに傷つけるのは良くない」なんて中々言えないと思うよ。
ま、そもそも根本から考えは違うんだろうさ。現に私はサボリ、キミは真面目だからねー。
でもさ、そういう考えしてるといずれ痛い目見るって私は思うよー。
悪い奴は悪い奴だからね、さっさと無力化した方が良いさ、今は治療技術もあるから四肢切断しても復活するさ。
(物騒である。
こういう事を言う己も悪い奴かもしれないが、既に開き直っている節がある。)


ほう…成程…。
分かったよ、カギリよ。私と御友達にならんかね。
(どうせ別の場所で親友になるならここで御友達になっても構わないよね。
どうせなら御友達になったノリで味方を一人増やそうという魂胆で右手を差し出した。)

あ、因みに私は一年だけど知ってる人…いなさそうかな。
(迅鯨たちが学年を告げあってるので他三人にそんな言葉を。
そもそも幽霊風紀委員だし知名度は低いのだ。悲しいかな。)

佐伯貴子 > 学生証があるからって救われるとも限らないしな。
犯罪の温床になっているというのだけは勘弁してほしいものだ。
(紙コップのジュースを飲み干す)
イタチごっことはいえやらなきゃ犠牲者が増えるだけだからな。
君ももうしばらくしたら仕事の続きだ。
(ちなみに列に並ぶ人数は減ってきている)
>園刃

佐伯貴子 > 痛い目なら既に見ているが…
そう簡単に善悪を判断できるほど私は優秀ではないのでな。
目の前で無差別殺人されるとかじゃなければ、無難に終わらせたいと思っているよ。
(持って生まれた能力と考え方の違い)
(それは如何ともしがたく平行線である)
>蒼穹

蘆 迅鯨 > 華霧と名乗った風紀委員の言葉を聞くと、フードと髪で隠された迅鯨の耳が、この場の誰からも見えないところでぴくりと動いた、気がした。
女を抱いてから斬り殺す嗜好を持った狂人。恐ろしい話ではあるが。
「ふぅん……ま、俺ちゃんに任せておけばそんな奴ぁ逆に搾りコロ……ナントカしてやるかもね。でも一応、気ィつけとくよ」
『殺す』――またはそれに相当する言葉を直接口にすることを、迅鯨は嫌っている。どうしてもそう言わねばならない時は、このようにぼかす。
迅鯨が唯一使用可能な護身魔術――エナジードレイン。それは粘膜を通じて相手の生気を吸収するものだ。
体目当てで近づいてきた男をこの護身魔術によって再起不能にしたことも少なくない。
だが、いずれにせよ注意しておくに越したことはないだろう。
「悪りィけど俺ちゃんは今知ったばっかだネー」
蒼穹の問いには、軽く返事をする。

園刃 華霧 > 「まあ貴子チャン。そんなこと言い出したラ、学生証持った犯罪者だっテ居るわけだしナー。
 その辺は、ま……考えたら疲れるだけサ。アタシらは、粛々と、やれるコトをやるしかナイのダ。」

できればやらないで済むと楽でいい、といい加減にしめる。

「……蒼穹、華霧、トモダチ」

何故か変な片言で手を差し出す。
別に喧嘩したいわけでもないし、仲魔は多い方がいい。
……別に誤字ではない。

佐伯貴子 > 下手に自信を持ってると痛い目にあう時は酷いことになるぞ。
(そう、アドバイスめいたことをいうに留める)
>蘆

そうだな、とりあえず今やれることは手続きだな。
(ちなみに手続きとは、二級学生の写真と名前を学園に送り)
(本人に入学手続きの窓口に行くよう促すだけの簡単なお仕事である)
(しかしこの炎天下となると厳しい仕事なのも事実だ)
そろそろ人数も減ってきたし、撤収の準備でもするか。
(紙コップを燃えるゴミ袋に投げる)
(転移できると言っても、予め片付けて置かなければ仕事の量は変わらない)
(転移も難しくなってしまう)
>園刃

蒼穹 > あっはは、
「一つのものが同時に善であったり、悪であったり、そのいずれでもなかったりすることがある。
例えば、音楽は憂鬱な人には善であるが、喪に服している人には悪であり、
聾者にとっては善でもなく悪でもない。」
…最終的に善か悪か判断するのは、結局自分自身なんじゃないかな?
痛い目、ああ、そうだった。お見舞いの一つでも行ったらよかったね、それはごめん。
(一つ揶揄でもするかのような笑みと共に得意気に誰かの言葉を持ち出す。
それから、佐伯が拉致されたことを暗にぼかしながらお悔やみを申し上げる。)

そう、御友達。
御友達になってさ、一緒にサボろう。
(まるで何処かの映画の宇宙人を見ているかのようなカタコトであった。
やったね園刃さん仲魔が増えるよ!
こうして、締結の握手を交わされたのだった。

―――何故か、 テ ン ト の "中" で 。)

あっはは、そういえばそうだった。
ん、シュンジンはこの辺よく来るの?
(そのままいつの間にか戻ったテントの中で迅鯨と世間話に洒落込もうという魂胆である。

一応五月蠅い二級学生を人睨みして並ばせたし、減ってきたし良いよね。)

園刃 華霧 > 「ハー……そーだナー……撤収撤収。オ仕事終了。
 イイ響だナー。」

貴子にそんなことを言いながら、同じくコップをゴミ袋に入れる。
お、頃合い列もなくなってきたね。

「ま、そー言いなさんナって。結局、悪だろうと善だろうと、なんでもなかろート、それも結果次第、なんだからサー。
 ナあ、トモダチ」

握手を交わしながら、笑って蒼穹にいう。
サボりコンビの誕生である。

佐伯貴子 > 残念ながら。
この島では生徒会がその役割だ。
ま、どうしようもない大事でなければ風紀委員の仕事だがな。
(揶揄にはそう返して)
別にどこにも傷はなかったからいいのさ。
逆に君のような人間にまで心配をかけて申し訳なかったと思っている。
(謝るのはこちらの方だ)
ところで君は仕事したのかね。
(ため息をつく)
(それらしきことはしたようなので特に報告など面倒なことはしないが)
>蒼穹

蘆 迅鯨 > 「俺ちゃんはどっちかっつーと歓楽街のほうによく行くかナー。こっちにも面白いモンは結構あるから、たまに来るケド。(それに……俺ちゃんこっちに来たのバレたら結構みっちり搾られンだよね、イヤそういう意味じゃなく)」
蒼穹に問われると、身ぶりをつけながら答える。さらに頭の中で付け加えた部分は、またテレパシーとして三人の脳内へ送信されてしまうだろう。
余計な心配をかけまいとまだこの場の誰にも明かしていないが、
迅鯨は『たちばな学級』――異能が暴走し心身に障害を負う生徒のため用意された、一種の特殊学級に通う身だ。
そんな彼女が一人で落第街へ出向き、何らかの問題に巻き込まれたとなれば、
いくら落第街が学園から認知されていない場所とはいえ、担当する教師の面子にも関わるのは明白であった。

園刃 華霧 > 「あっはっはっー、何にしても一般生徒がこんなトコ来たら、そりゃー怒られるサ。
 マ、実質あってないよーなトコだから来ただけじゃ注意程度だろーけどナ。
 問題起こしたラ、色々と大変だゾ―?」

けけけけけ、と笑って迅鯨に……脅しているのか、忠告しているのか。
よくわからない言い方だった。

「ちな、アタシも二年なワケで、蒼穹ちんだけ仲魔ハズレかネ。
 ああ、かわいそうに……」

かけらもかわいそうと思っていない口調だった。

佐伯貴子 > じゃあテントを畳み始めるか。
(言いながら、働いている風紀委員を集め、空いたテントを畳み始める)
(結構力仕事だが難なくこなす)
(鍛えてますから)
(ちなみに朝から準備していたのでこれでも疲れている方だ)
>園刃

歓楽街でも面白いものはたくさんあるだろうに。
まあこの機会だ、風紀委員にパイプを作っておくといい。
何かあった時に助けになるかもしれんぞ。
(自分は戦闘能力がないから無理だが)
(自分を人数に入れてないということはそういうことだ)
>蘆

蒼穹 > いえすいえす。
善だろうが悪だろうが楽しい奴を置いて楽しくない奴を焼けばいいのさ。
お、撤収?良いね良いね。
(握った手を上下にしながら空いた片手で無為にピースサイン。
なんだか同意しながら実に物騒であった。)

あっはは、オカタイねぇ、風紀委員の真面目さんは。
キミ、もうちょっと柔らかく行かないとダメじゃないかな。
まさか、こういう所で襲いかかられた時も「生徒会がその役割だ」なんて言えないでしょ?
(握手する傍ら横を向きながら答える。)
そう、だったらいいさ、もう元気そうだし、
お見舞いに行っても余計なお世話って言われちゃいそうだったかな。
(どういった経緯だったかhBBSで確認したが、何処にも傷はなかった、という事は、…色々考えられるが、まぁ置いておこう。)
…タカコさんや、キミは係長か何かかい?
(「仕事したのかね」という真面目な彼女の言葉にはどうしてか笑い転げそうであった。)

ああ、確かに歓楽街は面白いよねー。
ゲーセンだのナントカカフェだの、あそこは良いよ、うんうん。
この辺うろついてたら金を巻き上げられんのも分かるよ。なんせ不良と犯罪者のたまり場だからね。
(ナチュラルにテレパシーも迅鯨が放った言葉として言葉を返す。)

だが私は先輩を敬わない。
(キリッと返した。先輩どころか先生も敬いません。)

蘆 迅鯨 > 「ンー……そう言われてもなァ。ちょっと気が乗らないんだよネ」
風紀委員三人の顔と名前を覚えることになったとはいえ、
自分から風紀委員に頼ろうという気にはあまりならないのも事実であった。
「そそ、ゲーセン。いいよねあそこは。俺ちゃんよく行くよ。対戦ゲームとかは苦手なんだけどネ。ホラ、考えてる事ダダ漏れだからさ。タハハー」
蒼穹にゲームセンターに関する話を振られると、微笑んで話す。
「……そっか。畳むんなら俺ちゃんは出てったほうがいいかな」
やがてテントを畳み始める流れになってくると、そう言ってテントの外へ足を運ぶ。

園刃 華霧 > 「あいっかわらず体力あるナー……弱い弱い言ってるケド能力封印の殴り合いだったラ、
 かなりいいトコ行けるんじゃないノ……?」

テントを仕舞を手伝う貴子を見ながら呆れたような、感心したような声を上げる。
自分なら、もしそうなったら正面から行かないで裏を描くことを考えるだろう。
……いや、能力ありでもそうするけれど。

「ま、おカタイのが貴子チャンのいいトコさ。
 なにしろ、アタシらみたいなダメキャラばっかじゃ組織が崩壊するだロー?
 その辺はバランスってヤツだヨ。」

けけけ、と蒼穹に笑いかける。
実際、このバランスは悪くない、と思っている。
そして逆に、自分らのような過激派、適当派も居ることに意味があると思う。

「ま、困ったコトがあったら、程度の話だナ。
 始終警察に頼るのも変な話だし、そんな感じの感覚でいいだロ。
 それもヤなら、まあ、それはそれでいいンじゃなイ?」

テントから出る迅鯨にそう声をかける。
どうするかは本人が決めればいい。

佐伯貴子 > そこはそれ、伊達に1年半も風紀委員やってないさ。
戦うべき時逃げるべき時、その相手の判別の仕方も、自分なりには考えているよ。
(肩をすくめる)
余計なお世話ではないが、暇つぶしくらいにはなってくれたかもな。
…一応先輩だし今回のイベントの責任者の一人だからな。
ま、これで君にも今月特別手当がつくというわけだ、おめでとう。
(作業をしながら)
>蒼穹

最後まで付き合っていけば安全だろうが、どっちにしろそこから先は自己責任だ。
心配してくれる人がいるなら自分を大事にな。
(これは最近実感した教訓であった)
>蘆

佐伯貴子 > 古武術でもやればわかるが、実戦ってのは使えるものは何でも使う。
異能や魔術が使えない時点で私はずっと出遅れているのさ。
(もし能力封印の殴り合いになったら?)
(フェイントでも目潰しでも急所突きでも何でも使う)
(それが万が一の時に鍛えてある自分の力だ)
(そろそろ最後の二級学生が手続きを終えた)
(テントもひとつたたんだ)
撤収だな。
>園刃

このまま委員会本部に戻るから蘆は連れていけないが、園刃と蒼穹はついてくるか?
(転移するという意味だ)

蒼穹 > つーかテント畳むんかい。あ、もういい時間かな。
(続く様にテントから出て行く。)

ああ…やっぱりいいよね、ゲーセン。つっても…そうだね、ジャンケンが絡むゲーム何かとは特に愛想が悪そう。
(もう迅鯨がテレパスの能力が持っていることは当たり前の様に捌くのだった。
言われれば驚くかもしれないが。何となくそんな風に。)

ダメキャラ言うなし。
私結構マトモだからね。言っとくけど。
ただ、働いてお金貰うよりは休んでお金貰う方が良いだけだし。
…ま、実際私らみたいなのばっかりだと組織崩壊しそうだけど。
(ふんす、と反論を述べた後、同調する様な笑みを浮かべて頷く。
結局悪くないバランスであるとは己も思っているのだろう。)


そう…なら、前回の拉致された件は一年半の経験を誤ったの?
あんまり無茶して意地はっちゃダメだとは思うよ。…私が言っても仕方ないだろうけど。
(それこそ、余計なお世話だろうか。)
暇潰し、ね。ま…病院暮らしは退屈だろうからね。
つっても回復魔法とかで一発で療養できそうなもんだけどなぁ、人間って難しいね。
あ、係長否定はしないのね。…じゃ、今度からは佐伯係長と呼ばせてもらおうか。
(どうしてそうなったのだろうか。)

ん、じゃあついてこっかな。どうせ暇だし。
ああでも、これ以上の仕事はゴメンだよ。

園刃 華霧 > 「ま……実戦ってのは、まあ確かに、ネ。
 ただ、その辺は使いよう、戦い様ってなモンだとアタシは思うけどナ。まあいいヤ。
 へいへい、お供しますヨ。
 今日はお供獣ですカラしテ」

貴子の問いかけに、肩をすくめて返事をする。
約束は守るものだ。

「そーゆーのヲ、蒼穹ちん。世間じゃダメキャラっていうらしいゾ?
 お互い、クビにならンよーに気をつけないと怖いゾー」

けけけ、と笑う笑う。

佐伯貴子 > あの事件は何十年やってても防げなかっただろうさ。
精神操作に耐性を作らない限りはね。
意地を張っているのではない、自分の経験から忠告して回っているだけだ。
入院と言っても栄養補給と検査がメインだったからな。
いや、否定する。
私はヒラだ。
係長とか人前で呼ばれるとあらぬ誤解を招く。
(そこはきっぱりと断るのだった)
>蒼穹

蘆 迅鯨 > 「……そっかー、戻るのか。そんじゃ、俺ちゃんも帰るわ。またなー」
委員会本部へ向かわんとする三人に手を振って別れの挨拶をし、やや距離をおいた後。
「(心配してくれる人――か)」
両手を腰の後ろに回し、心中で呟く。そんなものは居ない。
両親はすでに亡くし、戦場でも多くの仲間を失った。
彼女が落第街へ足を運ぶのは、一種の破滅願望の現れであるかもしれない。
漏らした呟きは、彼女たちに聞こえていただろうか。それも定かではなかった。
黒衣を纏った少女の姿は、やがて真昼の空の下、いずこかへと消えてゆく――

ご案内:「落第街大通り」から蘆 迅鯨さんが去りました。
佐伯貴子 > 分の悪い賭けは嫌いなだけさ。
(肩をすくめて)
>園刃

気をつけろよー。
(そんな言葉を背中に投げかける)
(彼女は気づいているだろうか、少なくとも3人、いや最低でも一人は)
(彼女を心配する人間ができたということを)
>蘆

じゃあ転移するぞー。
お願いします先輩。
(風紀委員の一人にそんな言葉を投げかけると、彼は頷き、風紀委員たちの姿は落第街から消え去った――)

蒼穹 > カギリさんや、私は一応中堅戦力扱いだから中々クビにならないらしいよ。多分。
あと、世間の意見に流されるのは軟弱者さ。

(ふっと格好つけて髪を一薙ぎ。キメ顔だった。)


ああ…そういう系か。
何か買っといた方が良かったのかもね。精神操作系は適当な耐性でもまぁまぁいなせるだろうしさ。
それを意地って私は思うけどなぁ…真面目だね。
係長ダメでしたか…。なんて呼べばいいんだろう…。
(断られて沈み加減の気分であった。)


おつかれー。
(既に炎天下の下で、去って行く迅鯨に手を振って。)
…心配してくれる人、ねぇ。
(孤独めいた何かを感じた気がした。
なんとなく、昔の自分に似ている気がする。)

んじゃ、転移転移ー。
(こうして、委員会本部へと向かうのだが―――それはまた、別の話か。)

園刃 華霧 > 「そんじゃあナ。
 心配する人間……なんテ、案外色々いたりするモンだヨ。」

迅鯨にひらひら手を振って見送る。

「あー、そのうち実戦部隊にツッコまれて、嫌でも働かされるオチだな、ソレ。
 がーんばーれヨー」

蒼穹にはひどく適当かつ、酷いエールを贈る。
なお、そんなことになるなんていう必然性は全くない。

「ほいじゃ、ごー、だナ」

大人しく転移に向かう

ご案内:「落第街大通り」から佐伯貴子さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」から蒼穹さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」から園刃 華霧さんが去りました。