2015/07/07 のログ
■形容動詞タルト > 「ならんならん。神のみ業を便利扱いすっと危険な目に遭うんぜ――」
そういうものの、崇められれば悪い気はしないようだ。
あらぶる神とは単純で直線的な生き物なのである。
「じゃ。こっちに行くと木の間を通って表に抜けるがよ」
てくてくと、レア死体モドキを蹴り込んだ方向に歩いていく。
……落第街は島の果て。乱雑な建物の間には、意外と林が残っていたりする。抜け道を示しているらしい。
振り返り。こそこそと。
「――嘘をつけ。最近の人間は、神々を乞うまでない力を使えるがやろ。
お前、名は?」
■スラッシュ > 「チィ、なんニャ、神様も案外ケチだニャ。つまらんのニャ。」
と明らかにイヤそうな顔をする。
信仰心とはなんだったのか。
トランクを取ってから、ちいさな神様の後をついて林へと進むだろう。
「そんなそんな、ボクにはそんな大それた能力はねーのニャ。
それに名前は無いから好きに呼ぶといいのニャ。」
もっぱらスラッシュと呼ばれてるけど、などと付けたしつつ。
最後にチラリとライガさんの方を見て、姿を確認するだろう。
■ライガ > 視線を感じて、初めて顔を上げる。
黄金色の眼が、トランクをもったジャージの少女を捉える。
が、興味がなさそうに視線を外すと、その先を行く狐っぽい姿を眺め。
再びスマホに目を落とした。
「……あーっ。さっき見たいい感じの魔道具、落札されてやんの」
頭を抱える。
■形容動詞タルト > 「スラッシュか。んー、」
一度立ち止まると、――くん、とにおいを嗅いで。
「覚えとくがよ」
さっきの青年は――、においまではわからないが、目立つ外見だから、いいだろう。
こいつはなんとなく、においで覚えるほうが良いような気がした。なにか不穏な、薬くささがある。
「我(おら)が名はタルト。
今生じゃあ、形容動詞タルト、と呼ばれとる。
意味は知らん」
意味は知らなかった。
林の地帯を抜けて、尻尾をひとつ振る。「それじゃあ」とでもいうように。
「また」があるかは、わからないが。
■スラッシュ > 「変な名前だニャ。」
と鼻で笑う。
相変わらず失礼なヤツだ。
それじゃあ、と揺れる尻尾に、見えるだろうか、小さく手を振って見送った。
ご案内:「路地裏」から形容動詞タルトさんが去りました。
■スラッシュ > …しばらくすれば、踵を返し、先ほどの路地に戻ってくる。
先程の男はまだいるだろうか、と路地を見渡すだろう。
■ライガ > 2人の姿が見えなくなると、よっこいしょ、と立ち上がる。
何気ないしぐさで空を見上げ、……屋上の灯りが林へ向かって動いていくのを確認すると、顔を戻し、首を鳴らす。
「……なんか警戒されてるみたいだけどさ。
君には何もする気はないよ」
路地に戻ってきた人影に対し、目線を合わせず、言葉を投げかける。
■スラッシュ > 「一般生徒はこの辺ブラついてちゃいけないんじゃ無かったっけ。ちがったかニャ?」
とニヤニヤ笑いながら近づく。
特に何か警戒等されなければお隣まで近づいてから、傍に座るかも。
■ライガ > (さっきの奴、獣っぽかったが……
電子の精霊なら痕跡も何もあったもんじゃないだろ。尾行、頼んだぜ)
既に姿が見えなくなっている虎猫の電霊に祈る。スマホはアンテナがくるりくるりと回る待機画面のままだ。
隣に座る気配を確認するが、とくに触れようとする仕草は見せない。
それどころか、目線はぼんやりと通りの方を眺めている。
「ああ、そんなお触れがあったような気はするな。
でも、風紀委員が注意書きを掲示するくらいには結構いると思うな。さっきもそれっぽいの見かけたし」
■スラッシュ > トランクを横に置いて、どっこいしょと地面に座る。
「あーあー、こりゃシバラクは大通りの方にも近づけないかニャー」
やれやれ、とわざとらしい大きなため息をつく。
「で、アンタはこんなところでケータイなんか眺めて何してんのかニャ?
サボり?」
■ライガ > 「うん。サボり」
とは冗談だけど、と笑う。
スマホをポケットに突っ込んで、目線は相変わらず通りを眺めて。
「探し物をしててね。露店もさっき行ってみたけどピンとくるものがなかったから、アプリで闇オク眺めてたんだ。
でも、あんまり珍しいものなくてさ」
どっか地下取引に詳しい連中と懇意になればいいけど。と冗談交じりに言う。
■スラッシュ > 「なんニャ、悪いヤツだニャ。」
冗談にはキキキと小さく笑って。
「…って冗談じゃなく悪いヤツだニャ。
いいのかニャ、そんなサイト見てて。
しょっ引かれても知らねーのニャ~」
と冗談交じりに。
地下取引に詳しい連中の1人の訳だが、相手が相手だ。
今は当たり障りのない腹を探る。
■ライガ > 「だーいじょうぶだいじょうぶ、危ないって思う一歩手前で引いてるから。
それに、品物を探すだけ、見るだけならタダだし?」
悪戯っぽく笑う。
何がタダなのか誰にもわからないだろうが。
「ま、この辺歩いてればどっかで末端と会えるかなあとか考えてるわけさ。
もし何か知ってたら教えてよ、情報料はちゃんと出すからさ」
少女の方はちらりとも見ない。そのままくるりと背中を向けた。
■スラッシュ > 「リスクしょってこんな所で売ってんだから、
この街ではタダで商品が見られるなんて思わない方がいいと思うニャ~お兄さん。」
くわぁ~っと大きく欠伸。
「ま、気にせずともいつか会えるんじゃないかニャ。
末端の1人や2人。金掴ませればそれこそだニャ。」
コチラをチラリとも見ない相手に、釣れないなぁと思いつつ。
■ライガ > 「そうかな?
そう言われる割には堂々と売ってる気がするけど」
店や業者が見つけにくい所にあるだけで。
「ご忠告ありがとう、気を付けることにするよ。
いつか、ね。せめて、くたばる前には会いたいもんだねえ」
知ってるような物言いに、小さく笑った。
■スラッシュ > 「そんだけのモンしか売ってないってコトじゃないのかニャ~。
ま、余計なことはこれ以上言わないで置くのニャ。」
くぁ、と再び大きく欠伸。
立ち上がって、ぐっぐっと腕を伸ばすと
「お互い職務怠慢は程々にするかニャ。」
■ライガ > 「わ、これは手厳しい。
じゃ、僕は行くよ。じゃあ、また
……そうそう出くわすものでもないけど」
両手を広げて肩をすくめ、やがて歩き出す。
さーて、どこへ行こう。
自然と向かう先は煙突が見える銭湯へ。
■スラッシュ > 「違う形での出会いが無いコトが祈ってるニャ。」
ふあーっとまたまた欠伸をしながら、トランクを引いて林の方へと歩いて行った。
ご案内:「路地裏」からスラッシュさんが去りました。
■ライガ > 「ああ、まったくだよ。
……さ、いつもの情報集めの続きと行こうか」
銭湯に向かう足取りは軽く。
ご案内:「路地裏」からライガさんが去りました。
ご案内:「路地裏」に霜月 芙蓉さんが現れました。
■霜月 芙蓉 > 「すぅ……はぁ……」
深呼吸をし、路地裏に入って行く。
右腕には風紀の腕章、左手には弓。
風紀委員霜月芙蓉としての出で立ちである。
そして、中に入って……
「そこのお店!売ってるものちょっと確認するよ!」
風紀としての仕事をこなしていく。
■霜月 芙蓉 > 「はい、御免だけど手帳見せてねー!」
努めて明るく。別に威圧的である必要はないのだ。
寧ろ親しみやすいくらいの雰囲気で、基本的な仕事をこなしていく。
実際の所、風紀の活動の本質はこう言ったところにあるのだろう。地味でつまらない、だけど大事な仕事。
……だが、彼女にとってこの仕事は、別の意味も持っていた。
■霜月 芙蓉 > 「(うん、大丈夫。怖くない。大丈夫)」
リハビリ、である。
かつて霜月芙蓉はここで虞淵と言う男に敗北し、連れ去られて陵辱された。
それ以来路地裏に顔を出した事はなかった……怖かったのである。
克服したはずのトラウマが、この場所に来ることでもう一度呼び起こされやしないか。それが怖かった。
が、現状は順調である。
「はいおっけー。そこの人も、手帳確認するから用意しといてねー。
持ってくるの忘れた?じゃあ名前教えて、メモって後で照会するから……って逃げるなー!」
……職務内容まで順調かと言えば、必ずしもそうではないのだが。
ご案内:「路地裏」に園刃 華霧さんが現れました。
■霜月 芙蓉 > 「こらそこ、暴行はやめなさい!」
時には弓を構えて威圧することもある。こういう時、明確に構えを見せれる武器と言うのはちょっとお得だ。
特性上若干カラフルに矢が光る五行弓術はなおの事、パッと見でちょっと強そうに見える。便利である。
「止めないと撃つよ! ……って逃げちゃった。
そこの人、大丈夫?」
殴られていた男子生徒を助け起こすも、ぷいっと顔を背けて走り去ってしまう。
「あ、事情聴取ー!」
事情聴取失敗。何というか、お礼を言われないのも理由はわかるけど、ちょっと寂しいものだ。
■園刃 華霧 > 明日は約束通りに歓楽街の見回りをしなければいけない。
と、なれば今日はちょこっと落第街辺りを流しておこうかなー、などと真面目なのか不真面目なのかわからない目的でやってきた。
まあ、片手に石の塊をもってバクバクやってるような奴に近づきたがるやつもそうはいないだろうし、多分平和。
「……うン?」
なんだか騒がしい上に……おいおい、なんか誰か走ってきたんだけど、どうしろってのこれ。
■霜月 芙蓉 > 「こら、待ちなさーい!」
きゃーきゃー叫びながら追いかける風紀委員。と、視界の先にちょうど知っている顔がいた。
「園刃先輩、その人確保してー!」
即座に救援要請。
■園刃 華霧 > 「……アー……後輩チャンね。へーへー、わかりやしたよット」
やれやれ、と肩をすくめると園刃の近くまで走り寄ってきた学生が突然なにかに足を引っ掛けたかのように転ぶ。
特に、なにかした気配は感じられないが……
「へい、確保っと。ニーサン、すまんネ。取り調べは大人しく受けよーカ?」
転んだ学生の上に、よいしょっと座って芙蓉を待った。
■霜月 芙蓉 > 「先輩、乗っからないでください!その人一応被害者なんですから!」
先程まで暴行されていたところを、逃げたのが悪いとはいえ上に座られてしまっては踏んだり蹴ったりだろう。
流石にちょっと可哀想である。
■園刃 華霧 > 「あれ、そーなノ?まあまあ、男子じゃなくテ、女子の尻の下だかラご褒美かもしれんヨ」
けたけた笑いながら、まあしょうがないか、と一応立ち上がる。
……一瞬だけ生徒の方を見たが、ホントに喜んでたりしないよな……
「っていうカ、芙蓉ちん。何してんのサ。」
■霜月 芙蓉 > 男子生徒は、なんか怖い顔で華霧をにらんでいる。まあ当然だろう。
「いや、ありがとうございましたー……って、見ての通り警邏ですよ?」
ぽかん、と首を傾げて。別にやってること自体は普通の風紀のお仕事のはずだ。
■園刃 華霧 > 「まー、そう睨むなッテ。逃げた方が悪いンだヨ。ま、探られたくない腹のうちがアるってンならご愁傷サマ?」
睨む男子生徒の視線を受け流して言葉を掛ける。
まあ、こんなところにいれば叩けば埃の二つや三つくらいは余裕で出ることだろうが。
「いヤ、だってサ。一応このへんでお仕事するのハ、できれば一人じゃないようにしろってお達しだったでショ?
ただでさエ物騒な上に、今みたいに逃げられるコトもあるんだしサ」
意図を理解してないらしいので、とりあえず真面目に解説してあげることにする。
なんだろう、やはりこの娘、天然だな。
■霜月 芙蓉 > 「あ、あー……。そっちですかぁー……」
あはは、と頭を掻く。実際この場は複数名で来ることが推奨されているし、そもそも自分も「最低でもスリーマンセル」と言う提案をした一人だ。
が、それでもここに「一人で」来たのには意味がある。
「ほら、私って前、ここで負けちゃったじゃないですか……だから、リハビリです」
誰かに守られながらではなく。自分ひとりで一定の仕事をこの場所でこなしきれるか。それに自分の心が耐えられるか。
それを試したかったのだ。
■園刃 華霧 > 「は、ン……なるほド。」
そういえば、なにか報告書で読んだ覚えが……覚えが、あ……ある。あるな、うん。
ああ、そうか。例のあの事件の人物はこの後輩ちゃんだったのか。
名前まで一々覚えていなかったが、ようやく繋がった。
「ま、頑張るノを悪い、とは言わんがネ。誰かに言ってあるのかイ?
言ってないナラ、バレたら大目玉だヨこれ」
貴子チャン辺りとか、真面目に説教しそうだよなー、などと思いながら。
■霜月 芙蓉 > めそらし。言ったら止められるに決まってるので、当然独断である。
「あ、あはは……ほ、ほら簡易聴取しないと!」
露骨に話題を逸らしていく。ああ、なんだか一気に3名ほど、バレた時にお説教してくれそうな人が脳裏に現れた。あ、違うもっとだ。5~6人いる。
■園刃 華霧 > 「ン、そだネー。なんだカ、彼も逃げたそう二してるシ?
さっさと解放してあげようカ」
この会話の間に逃げれば良さそうなものを、学生は逃げ出していなかった。
否、どうも逃げられなかったようである。
「ま、どーせ黙ってきたんだロ? 困ったらアタシの監督下にいたことにしなヨ。アタシは怒られるの慣れてるしネ。
たダ、今後は黙って、はやめときナ。」
しゃーないな、という顔。こういう時こそ、不良って立場は輝くわけだ。
■霜月 芙蓉 > 「はい、ちゃちゃっと済ませちゃいましょう……ありがとうございます、先輩」
頭を下げる。騙すようで気まずいが、それ以上に大目玉はやっぱり避けたい。
そこを誤魔化してくれるという申し出は、素直にありがたかった。
「で、はい。なんで殴られてたんですか?」
と、簡易聴取を行う。それによると……
「えーっと纏めると、魔導具を売ってたけど手持ちが足りなくて万引きしたのがばれて逃げてた……?」
嫌そうに頷く男子生徒。いや、これは……
「先輩、どう処理しましょ、これ」
こうなってしまうと、彼も純粋な被害者とは言えない。寧ろ加害者である。
■園刃 華霧 > 「そりゃ逃げたくもなるわナ。いや、残念賞って話だネ。
てート、アタシらの取れる手は……
1:万引きした店に突っ返してやる。
2:逮捕して引っ立てる。」
指を一本ずつ立てて、提案を出していく。
至極もっともらしい顔をしている。
「ちなみに、
3:見なかったことにする。
ってのモ、一応あるにはあるゾ?
個人的にはオススメだが、あまり褒められた話じゃないかもナ。」
非常に不真面目なことを言い出した。
■霜月 芙蓉 > 「うーん……」
少し考える。1も割とありっぽく見えるが……落第街での万引き犯を店に突っ返すと、この生徒が殺されかねない。割と本気で殺されかねない。
3は論外。あまりどころじゃなく褒められた話じゃない。
となると……
「2、ですかね……」
逮捕して引っ立てる。これがこの生徒の安全のためでもある。
逮捕する事で、一応保護も出来るのだから。
■園刃 華霧 > 「ま、妥当なトコじゃないかネ?
風紀としちゃそんなモンだろーサ」
うん。これが真面目な解答だろうな、と思う。
自分なら躊躇なく3を……まあ、選ぶときは選ぶ。相手次第かな。
「で、どーだイ? リハビリとやらは上手くいってるかネ」
■霜月 芙蓉 > 「まあ、そうなりますよね……はい、これは半分保護なんだから抵抗しないでね」
男子生徒の手首に、支給されている手錠をガチャン。流石にこの状況から逃げてもいい事がない、と分かっているのか素直にゴヨウされてくれた。
「リハビリは、結構いい感じですね。思ったより怖くないし普通にお仕事出来てます!」
びしっとブイサイン。別にトラウマが想起される様子もない。
いつも通りの霜月芙蓉、で事に当たれている。
■園刃 華霧 > 「けひひ……ま、逃げてもいーんだヨ? 囲んでボーで叩かれるよーナ目に会いたければ、だけどサ。」
男子学生に向かって楽しそうに釘を刺す性悪が一人。
まあ、これで逃げる気は完全に失せるだろう。
「そッカ。ま、それならいーんじゃないかネ。
だけド……」
何を考えたのか芙蓉の顔に手を近づけた
■霜月 芙蓉 > 男子生徒は完全におとなしくなってしまった。まあ、この場ではそれが妥当であろうが。
そして、顔に手を近づけられた芙蓉は、きょとんとしている。
「え、えっと、先輩?」
なんですか?と首を傾げて問い掛ける。
■園刃 華霧 > 「えイ」
もし、無警戒ならペシッとデコピンが当たるかもしれない。
溜めがあったわけでもないが、当たるとちょっと痛い。
■霜月 芙蓉 > 「あだっ!」
ぺちこーん。見事にデコピンを喰らってしまう。
「せ、先輩、何するんですかぁ!」
そう痛いわけじゃないが驚いてしまう、そのまま抗議する。
■園刃 華霧 > 「ひひひ。何するんですかって?わからないかナー。」
けけけけけ、とセンパイは笑い出す。
実に愉快そうな笑いであった。
「これハ、他の連中のお説教分サ。
この後、バレてアタシのせいにして逃げるにしても、バレないまま終わるにしても……一回はお説教されておかないとネ?
ついでだから、テンプレ説教文も聞かせたほうがいいかイ?」
■霜月 芙蓉 > 「ううー……」
項垂れる。確かに、自分の中では必要な事だったとはいえ、軽率な行為だったかもしれません。
「いえ、大丈夫です……反省しました」
素直に頭を下げる。ここで変な意地を張る意味なんてありはしないのだから。
■園刃 華霧 > 「そっかそっカ。ならいいかナー……」
言いながら、ちょっと考える。
ストレスとかトラウマとかとは無縁な自分では有るが、まあたまにはまじめに。
「にしても、なんだネ。なにをそんな慌ててるノ、芙蓉ちんはサ」
■霜月 芙蓉 > 「ふぇ……?」
思わず間の抜けた声が出る。慌ててる……?
「私、慌ててるように見えます……?」
首を傾げながら問い掛ける。
■園刃 華霧 > 「だってサー。みんなに黙って来たんだロ?
それってつまり、反対されるコトが目に見えてたッテことでショ。
それでモ話し合って納得いく形を作るッテのが普通じゃないかネ。
なの二、芙蓉ちんはソレをせずに一人で此処に来る道を選んだワケだ。
これって焦ってるンじゃなきゃなんだろネ?」
まー、アタシもよくわからん?と、最後は適当な言い分を付け加えた。
■霜月 芙蓉 > 「……」
少し考え込む。
問。自分に焦るべき理由はあったか。
応。あった。入院による遅れと、実質的に掛けてしまった迷惑だ。
問。それらを早くに処理しようという気持ちはあったか。
応。あった。出来るなら、心理的にも「もう大丈夫」と安心したかった。
「……です、ね。焦りはあったと思います。
安心したくて、早く遅れを取り戻したくて……駄目ですね、私」
あはは、と頭を掻く。どうにもまだまだ、じっくり腰を据えて物事を見ることが出来ていないようだ。
■園刃 華霧 > 「ン。別にアタシは責めヨーとか思ってないヨ。
面倒くさいシ。柄でもナイし。」
ダメとか駄目じゃない、とかそんなコト聞きたかったンじゃないない、と手を振る。
本当にどうでも良さげだったりする辺り、割とどうかとも思われる。
「だカラ、ただ疑問に思っただけサ。
いちおー、それなりに真面目サンな芙蓉ちんが無茶なコトしたワケを、サ。
まあ、大体分かったケド。いかにもっちゃー、いかにも、なのかネ。」
■霜月 芙蓉 > 「うー、ズバリ切り込んできたのに軽いです」
ぷくー。だからどうして欲しい、と言うのもないのだが。
「ともあれ、そこら辺は気を付けます。で……この人、連れていきましょうか」
思えば、男子生徒をほったらかしてしまっていた。
■園刃 華霧 > 「あはははハ。んジャ、センパイさんから後輩チャンにアドバイスだけするかネ?」
軽い、と不満顔の芙蓉に笑いながら問いかける。
「ン。ああ……そだネ。いい加減、放置するなよって顔してるナ。
んじゃ、とりあえず連れて行くかネ」
■霜月 芙蓉 > 「取り敢えず、連れてっちゃいましょう」
これ以上待たせるのも流石に悪い。いやまあ、オールオブゼム自業自得なのだが。
「先輩、用事無かったら同行して貰えますか?」
折角だし、この場はツーマンセルで行動したい。一人で行くというのもこの流れだと……と思い確認してみる。
■園刃 華霧 > 「ン。用事なんて基本的にないヨ、アタシは。
じゃあ、かわいそーナ後輩ちゃんのためにお付き合いしまショ」
けけけ、と笑いながら承諾する。
■霜月 芙蓉 > 「はい、それじゃあお願いします!」
にこっと笑ってぺこっと頭を下げる。
そのまま、二人して哀れな万引き犯を連行していった……
ご案内:「路地裏」から霜月 芙蓉さんが去りました。
ご案内:「路地裏」から園刃 華霧さんが去りました。
ご案内:「路地裏」に鬼道椿さんが現れました。
■鬼道椿 > 路地裏を駆る。
壁を蹴り剥き出しの配管を足掛かりに跳躍し雑居ビルの屋上へと躍り出た
足を止めることはない、ビルの屋上を走り抜けていく
頭上には赤い月が笑っている
「―見つけた」
大通りを挟んで向かいのビルの隙間から妖魔の影がちらついた
3m~4m、大物だ
このサイズまで成長している個体は珍しい
退魔士が多いこの島では特にここまで育つことはまずないのだ
魔力が強いものを求めて本土から渡ってきたか…
『門』をくぐってきたかのどちらかだ
向こうもこちらに気付いたのか動き始める
どうやら潜むつもりはこれっぽっちもないようだ
大型の妖魔がゴミや廃材を蹴散らしながら走り出した
「逃がすか!」
ビルの上から飛び立ち大通りを走るトレーラーのコンテナの上に着地し
トマホークを5本コンテナの上に突き立てた
■鬼道椿 > 息を大きく吸い込み、トマホークを投擲した
風を引き裂き妖魔の頭に吸い込まれるように弧を描いて飛んでいく
金属音と共にビルの陰から火花が散った
「チッ、固いな…」
二投目の狙いを定める
数本の筋線維の断裂と共に先ほどよりも重く速度の出た投擲
今度の狙いは大型の妖魔の先に合った鉄塔だった
トラスをトマホークが引き裂き鉄塔が唸り声を上げながら倒壊した
『ガァアオァアアアアア!!!』
大型の妖魔が咆哮を上げて方向転換し路地裏から車道へと飛び出した
スクラップを取り込んだ異形の巨人
鉄板や装甲車の残骸を全身纏っていたのだ
「なるほど…通りで固いわけだ」
中々いい脚をしている。
このトレーラーは100kmは出ているのにじりじりと距離を詰めて来ているのだ
能見の言葉を思い返す。
攻撃の一手一手を繋げ相手の行動を制限する…
トマホークは残り3本、さてさて妖刀を使わずにこの大物をどうしとめようか
■鬼道椿 > 道路に突然現れた怪物にトレーラーの運転手が悲鳴を上げてアクセルを踏み込んだ
それに合わせて大型の妖魔もスピードを上げるあれだけ重いものを背負っているのにこの期に及んでまだ速くなるか
ドライバーがパニックを起こしているのか運転が荒くなる
「っと、この足場もそろそろ限界か」
トマホークを両手に持ち狙いを定める
3本目4本目を続けて投擲した、狙いは目、そして足元へ
そして5本目の本命を時間差で投げつけた
目を狙って投げたトマホークが弾かれる。どうやら頭どころか目玉まで鉄で覆われているようだ
だが3本目の狙いは目暗まし目にあたった瞬間火花が散り妖魔の視界を奪う
そして4本目は妖魔の足の親指に刺さり深く親指をえぐり取った
5本目はさらに追い打ちを掛けるように関節と装甲の隙間に突き刺さり妖魔が大きく姿勢を崩した
舗装されたアスファルトの上を火花を散らしながらその巨体を転倒させ空中に無防備な姿を晒す
椿はコンテナから身を翻し標識を足場に妖魔目掛けて跳躍した