2016/09/04 のログ
ご案内:「路地裏」に寄月 秋輝さんが現れました。
寄月 秋輝 >  
周囲を探知しながら、路地裏を堂々と歩いていく。
帯刀している姿、ここ二年ほど路地裏を歩き回った実績、挑んだ者たちの末路。
多くの理由から、秋輝が狙われることはまず無い。

(……今日も見つからないか……)

『ヤツ』の探索は、頻度を大きく落としたものの継続はしている。
おそらくは居ない。
居ないだろうが、こちらの警邏のデータは収集しても損はない。
嘱託風紀委員をやめる前に、もう少し実績を上げておきたかった。

ご案内:「路地裏」に水月エニィさんが現れました。
水月エニィ >  
 後方から気配を隠さぬ平然とした足音が響く。
 振り向くにしろ振り向かぬにしろ、声を掛ける。

「あら……何か探しているの?」

 後ろめたい素振りもなく、寄月の前に姿を現す少女。
 ……左手には未だ発売していない筈の週刊漫画誌を携えている。

 

寄月 秋輝 >  
周囲への警戒が範囲に偏りすぎていた。
歩み寄ってくる者の存在には気付いていたが、それが誰かまではわからない。
声をかけられて、初めて相手がエニィとわかった。

「……少し人探しを。
 エニィさんは何故ここに?」

振り返りながら尋ねる。
健全な学生ならば、こんなところに来ることはまず無いはずだが。

水月エニィ >  
「雑誌の早売りを求めてよ。
 フードを深く被った中古売りに出会ったのが切欠だったかしら。」

 暢気に答えてみせる。
 嘘を言っていない様に思えるし、今の所は抑制が効いている気がする。
 
「こっちの水が合っていた、と言うのもあるけれど。」
 

寄月 秋輝 >  
「……雑誌の早売りのために……」

頭を抑える。
彼女の能力は知っているが、それでも危険な地域に足を踏み込む理由にはならないような。

「危ないですから、表に戻りましょう。
 僕が付き添いますから」

そう提案する。
強いのは理解しているが、心配なものは心配である。

水月エニィ >  
「ええ。後はついでよ。」
 
 さらりと流す。
 とは言え、言及しないだけで"思う所"はあると言えばある。
 早い話が意地と彼女なりの正義感が選択肢と危険区域に寄せている。
 早売りも水が合う事も嘘ではないが、方向性を固めたものはそれに尽きる。

「……否定する理由はないわね。頼みましょうか。」
 
 ……施される事と与えられる事は基本的に拒まない。
 反面、抑え付けられる事と奪われる事には噛み付くものの。
 

 

寄月 秋輝 >  
「……ではこちらへ」

このあたりは歩き慣れている。
そうでなくても光が通る場所は、大体が把握出来ているのだ。
先導する形で歩いていくだろう。

「……危険な場所であることは理解していると思いますが……
 なるべくここに立ち寄るのは避けてくださいね」

少しゆっくり、少女の歩幅につらくない速度で歩く。
その合間、ひとまずは注意をしておく。
何かあってからでは遅いというものだ。

水月エニィ >    
「前向きに考えておくけれど、期待しないで頂戴。」

 そのまま沿って歩き続けるものの、
 釘を刺す言葉はさらりと流す。
 
「所で、人探しの方はいいの?
 何を探しているかは知らないけれど――うしろめたい類なのかしら?」
 
 思う所もあり、そのような話題を振る。
 表情は普段と変わらない、当たり前のものだ。
  

寄月 秋輝 >  
「……前向きな検討をお願いします。
 来週からあなたを見かけなくなった、なんてことのないように」

頭が痛い。
見知った相手というのが本当に。

「ひと段落はつけましたからね。
 ちょっと面倒な宿題の類ですよ。
 居ないに越したことはないんですけれどね」

元の世界とのつながりの話だ。
細かく語っても仕方がないだろう。
ふい、と振り向いて表情を見てみる。
先日の激情はどこへやら。

水月エニィ >  
「また此処で会う事になりそうね。」

 繭を顰める。
 一度キレた事もあり、抑えの効く内は強めに効かせている……と言うのもなくはない。
 彼の根底が善性にある事だって分からないものではないから尚更だ。
 ……烏丸、柴木、影打、龍宮。
 三者に勝敗やその先について言及されている事も、僅かながらにある。

(……それでもどうにも、妬ましい話ね。)

 暫しの沈黙。
 はぐらかした話を聞けば――

「ふん。妙なものでなければ……
 ……ああ、もしかして変な炉とか立てていないでしょうね、そいつ。
 最悪な事に私じゃ手の出せない地獄みたいな炉をおっ立てた奴が居るのよ。
 誰が建てたか知らないけれど、ほんっと腹が立つわ。」

 思い出した事へはいらだちを隠さず声を荒げる。
 左腕を右手で掴み、血が滲むまでつねる。
 矛先が無い故に、自分に当たって散らしているのだろう。 
 

寄月 秋輝 >  
聞こえないように小さなため息。
後ろで眉をしかめて、少々機嫌悪くしている様子を感じる。というか見える。
まさか、こちらの言うことを素直に聞くことも『負け』なのではないだろうな、と考えて。

「多分違うと思いますよ。
 こちらに居るかどうかも定かではないような相手ですから。
 ……その炉の話も聞いてみたいですが、まずはここを出ないといけませんね。
 あと体に傷をつけてはいけませんよ」

胸ポケットをまさぐり、バンソーコーを取り出した。
それを後ろ手にエニィに渡す。

水月エニィ >  ……水月エニィが言うことをきく事そのものをどう見ているかは
一概に言えるものではない。
 認められる事なら素直に聞くし、求められる事なら大抵は聞く。与える事も多いだろう。
 但し、見下して抑えつける形で不本意に自由を狭められる事には機嫌を悪くする。
 ある意味では真っ当でもあり、幼稚でもあり、純粋でもあり。
  
「その為にこんな一人でうろつくなら、やっぱり私と逢うでしょうね。
 …………ふん。誰かに当たる事はマシよ。」

 ばんそうこうを受け取ってぺたりと張る。
 何気はなしにばんそうこうのデザインを改めてもおく。
 妙な絆創膏ではないとは認識している。悪意のある相手とは認識できる筈がない。
 
 

寄月 秋輝 >  
「誰かに当たるよりはマシですが、自傷は同じくらいの罪ですよ。
 エニィさんはもう少し、自分を好きになっていいと思います。
 ……大切にする、といった方が正しいかもしれませんが」

そう告げる。
自分には絶対に出来ない事だ。

ばんそうこうにはイチゴの柄がついていた。
ちょっとかわいい。

水月エニィ >  
「ふん、だからと言って八つ当たりなど出来るものですか。
 私にそんな事が出来ると思う?」

 キッ、と、睨み付ける少女。
 言葉の間には苛立たしげに唸る音が響く。

「それにそもそも、そんな事をしても願いなど叶いやしないわよ。」

 ……可愛いの使っているな、と思ったもののその言葉は一旦呑み込んでおく。
 

寄月 秋輝 >  
「八つ当たりをするなとは言ってませんよ。
 ただご自身を大切に、と」

だんだん機嫌が悪くなってきたようだ。
表通りに出るまでには時間がかかる。

「勝ちたい、でしたか。
 気持ちはよくわかりますが、焦ってはいけませんよ。
 平和に幸せに生き続けることが、『誰か』に対する勝利かもしれませんからね」

見えない角度で、同じように眉をしかめた。
それが出来れば苦労はしない。
自分でもそう言いたくなる。

それでも、エニィに対しては言ってしまいたい気持ちになる。

水月エニィ >  
「私が負け続けて幸福に暮らす。
 そんな勝利に意味などないわ。『誰か』はそれを負けたと認めないでしょうに。
 私一人が死んだように生きた所で、悪意と暴力の椅子が揺らぐ事はない。むしろ、」

 その様に生きる事は勝ち負け以前のものであるべきだ。
 苛立たし気に鼻を鳴らし、言い換える。

「平和に幸せに生き続ける事が勝利になる方がおかしいわ。
 それは勝ち負け関係なく与えられるべきよ。
 ……だから、そうやって抗う形で勝てたとしても。私はそれを勝ちと認めたくないわ。
 それを勝ちと認めたら、勝てるものしか平和は訪れないもの。」
 

寄月 秋輝 >  
「敗者が敗者たるには、自身の敗北の自覚が必要ですよ。
 あなたは最初から心が負けているから、勝っていても『負けた』と認識しているパターンが多いでしょうね」

足を止め、首だけ振り返りながら見つめる。
その目は明らかに軽蔑。侮蔑。

「勝者でありながら、平和に生きる道を閉ざされて死んだ人がいる。
 その点で、あなたは今生きていて、平和に過ごせる可能性があるのに、それすら捨てている。
 勝者敗者以前に、勝利する可能性……勝利する資格がそもそもない」

露骨に吐き捨てる。
無表情、声の抑揚も小さい。
けれど、わずかな怒りの感情。

こんな女に時間をかけていたのか、と苛立ちが募ってきた。
放っておくつもりで、足を再び前へ。
敗者を置き去りにすべく、早く。

水月エニィ >   
 
「鏡花ハルナ。」
 
 "平和に生きる道を閉ざされて死んだ人がいる。"
 それを"る"まで言い切らせる前に、とある名前を被せる。
 彼にとって意味のない言葉であるが、それも被せて置く必要がある。

「よく言われる。そして、そうして消えた私を知っている。
 ……ええ、分かっているわよ。そう言われるのも良く知っている。
 
 でも、それはそれで。そしてだからこそよ。
 だからこそ、そう言われようが勝たなきゃいけない。
 捨ててなどいない。」
 
 言及される事は分かり切った事だ。
 その後は割って入る事もなく最後まで聴いた上で、眼前を見据える。
 
「……分かったわ、皆。
 其処まで云うなら、観念します。勝つ気が無かったと認めましょう。
 最初っから勝つ気のない負け犬で居たと。」
 

水月エニィ >  
 厭な目だ。
 それは分かっているが、説教までされる云われはない。
 だけれどそれは別軸の話だし、何より捨てたつもりはどはない!
 

「……負け犬でも勝てると、この世界に認めさせたい!

                  "Any"
 鏡花ハルナを与えられたものでなく、いずれでもとしてそれを証明したい。
 勝者ありきのこの世界に、楔を打ちたい……それの、何が悪いのよ!」 
 
  

寄月 秋輝 >  
「勝てないから負け犬なんだろうが」

声の質が変わる。言葉の語気が変わる。
エニィの怒りを聞いて、背を向けたまま。
見向きすらしない。異能で姿を見ることもしない。

「オレはこの世界が勝者ありきだとは思わない。
 オレのような敗者も、平穏に暮らせる。
 オレのような敗者も、満足を得られる。
 それが『敗北』なわけがない。
 オレが決定的に敗者だとしても、この世界で敗北しているとは微塵も思わない」

腰に下げた刀、その鞘を左手で掴む。
魔力と闘気、何より『殺気』が吹き出す。

「かかってこいよ、負け犬。
 敗者でありながら『負けて』ないオレにも勝てないなら、お前は未来永劫敗者のままだ。
 敗者というのもおこがましい、ただ現状にゴネてるだけのクソガキだ」

水月エニィ >    
 
「自分がそうだからと、そう言ってなさい……!」

 あっさりと喧嘩に乗る。
 吠え立てれば会話を断ち切る。

「この怨み、晴らさぬべきか……!」

 その様に言い換える。
 恨み言を以って呪いを成し、無造作に霊を引き寄せる。
 其れらは寒気を呼び、世界を冷え込ませた。

 見てみぬ振りも出来ぬ、制御出来ないと言い逃れもしない。
 負け犬は勝てていない。故に導けるとも思ってはいないが、寄せる事は出来る。 
 

寄月 秋輝 >  
≪真宵、プログラム一部遮断≫

『了解、肉体損傷回復をオフにします』

言葉を発しない、思念での刀 ――システム―― との会話。
手加減はしないが、この刀を十全に使った上で、普通にやりあってはこちらが不死身に近くなってしまう。
その愛刀をずらりと引き抜き、振り返る。

表情はおそらくエニィが今まで見た中で最も恐ろしく。
同時に中性的なはずの顔立ちが、精悍な男のそれに変わったものだろう。

「オレが根っこからへし折ってやるよ。
 二度とそんな口が聞けないようにな」

魔力フィールドを身に纏い、霊の接近をシャットアウトする。
そのまま、左手で手招きしてみせた。

水月エニィ >  
 獰猛なものではある、あるものの。
 どうにも舐められたようなものは覚える。
 見下される事には苛立ちを覚える。

「ちッ……」

 手招きには乗り、長布を取り出して駆けるものの――

「……邪魔!!」

 ――私たちをシャットアウトするものがある。
 それを認めてなるものか。言の葉に怨嗟を乗せ、身体を激情で満たす。
 遠間から片手剣に見立てられた長布を薙ぎ、肉体ではなくフィールドの損害を仕掛けた。
 
 
 

ご案内:「路地裏」に柴木 香さんが現れました。
柴木 香 > 配送帰りにえちらおっちらはっちゃん引きつつ。
ふと感じた不穏な気配。路地と大通りを繋ぐ入り口――

ひょこりと顔だけ出して覗いてみた。

「……わふ?」

おー、喧嘩だ。
片方はよく見知った顔だけど。――まぁ、止めなくてもいいか。

「……止めに入ったら後が怖いし。」

路地裏の入り口を塞ぐようにはっちゃんを留めれば、その上に乗っかって見物の姿勢。
ジャーキーの袋を取り出して一枚ほおばる。――高みの見物。

寄月 秋輝 >  
邪魔、の言葉が防壁を軋ませる。
十分な破壊力がある、と感じた。
一瞬耐えたかに見えたが、魔力が風に乗ったかのように消えていく。

(……面倒だな)

能力の質はわからないが、こちらの体だけではなくフィールドだけが破壊される。
自分はどうあがいても身に付けられまい。

魔法陣を一瞬展開し、収束させる。

「シャインストリーク!」

光の射撃、まるで柱のような太さの光線がエニィに向けてまっすぐに走る。
弾速はかなり早い。しかしたとえ直撃しても、肉体にダメージは通らない。

秋輝の魔術研究の成果の一つ、物理ダメージを消失させた魔術。
当たれば、その威力に比例する焼けつくような痛みと精神・魔力に対するダメージのみを与えるもの。

水月エニィ >  
 能力の質を測ろうとするならば、
 幾つかの要素が絡み合っている類であることと目星は付けられるだろう。
 一番分かりやすい要素は霊。そして予言としての言霊か。

 攻撃の合間に光線が打ち込まれる。
 物理的な損害がないのなら――

「こんなものッ!」

 物理的なものがないのなら、精神や感覚的な責め具は歩みを止めるに至らない。
 それでも彼女以外はそうでもない。魔力により損害を受けた霊が散る。
 
 怯みすらせずに布を両手に持って構えを直す。

 魔槍に見立てられたそれはその様に作用する。
 間合いを保ちつつ鳩尾を狙い、布でありながら"刺さる"突きを放つ。
 

寄月 秋輝 >  
光の槍が突き抜け、一定の距離を行ったところで霧散する。
物理ダメージをオフにしたとはいえ、一切を無視して迫ってくるとは思わなかった。

「ふん!」

刀を右手で振るう。
払うような防御の動きではなく、布を切り落とすような、いわば攻撃だ。
槍が硬度を持つなら払えるのだが、巻き付いてくるならばその限りではないだろう。
そして左手の手のひらをエニィに向けて。

「スタン」

一瞬だけ、光が炸裂する。
ダメージも熱もないが、ただ目をくらませる強烈な光。

柴木 香 > もぐもぐ。
相対する相手は風紀委員だろうか。――一体何やったんだろう、エニィさん。
こういう処で戦うので当然といえば当然だが、殺気が酷い。
もう少し穏やかに生きられないのだろうか。

委員さんは刀、エニィさんは布。普通に考えれば相手になるはずもない得物だけど。

「ほら、あれが怖いのです。」

扱ってる意識はあるのか、偶にこっちにも向きそうになるアレ。
取り殺されはしないかと偶にひやひやしたりもする。
通行人も何事かと光る路地裏見てたりするし。

「――あ。」

遮光グラスちゃきっと。
眩しくない。直後の閃光。――ちょっと眩しい。

水月エニィ >  
 感覚などは捨て置ける程の執念があるのだろう。
 意地も極まれば此処まで至る。

「ラ、ッ!」

 刀と槍で剣戟が起こる。
 見立てられた"それ"には、その様に力が流れている。

 二撃目の薙ぎ、
 を放つ前に放たれる閃光。

 それは彼女の目を晦ませるには十分なものである。
 ……問題は、ほんの少し勢いを弱めただけで、
 先程までの情報を頼りに見えないままに振り抜いて来た事だ。

 尚、柴木 香の姿には気が付いていない。
 

寄月 秋輝 >  
目が見えないまま槍を振るってくる。
悪手、のようにも見えるが、何もしないよりはマシなのかもしれない。
その槍布を再び刀で払い飛ばし。

「スターコール・サザンクロス!」

次の魔術。
エニィの真上から、同じく物理的な衝撃だけは無い光の高速弾が五発、十字に揃って降り注ぐ。
さらに三手先までのシミュレーションをしながら、強く睨みつける。

水月エニィ >  
 払い飛ばされた事は彼女に情報を与えた。
 位置を予測し、見えぬままに整合する。

「Ar、Laaaaaaaaaaァッ!」

 真上からの光弾を意識する素振りはなく、
 そのまま返しの太刀を繰る。

 物理的な作用を伴わぬならば歩みを止めない。
 異様なまでの意志が礎に在るが故に止められない。

 光や十字で有る事も彼女への効き目を悪くしている様に思える。
 ――集った霊はそうも行かない。光弾を受ければ散り散りに離れた。