2016/12/13 のログ
ご案内:「路地裏」に雪城氷架さんが現れました。
■雪城氷架 > ぱたぱたと駆けてくる、どこかこんな場所にはそぐわない見た目の少女
「あれー?こっちに来たと思ったんだけどな……」
歓楽街で買い物の帰り、
丸くて紫色でもふもふの、なんだか見たことのない動物を見かけて
ちょっと夢中になって追い回していたら案の定、こんなところまで来てしまった
……とはまだ気づいていない
「おかしいなぁ…。
あんな丸っこいの、めちゃくちゃ目立つのに…」
まだ日も高く、そこまで雰囲気も暗くなかった所為もあるだろうか
ご案内:「路地裏」に歪な人影さんが現れました。
■歪な人影 > 退路を塞ぐかのようにギギギギと音がしそうな動きで人影らしきものが路地裏に現れた。
キリキリキリキリと音がして首を巡らし、新しい犠牲者を見つける。
それは、気配も薄く一体、また一体と少しずつ増えていくのだ。
今のところは全部で3体。
ガクガクと震えながら氷架に向かって歩を進めていく。
■雪城氷架 >
「えっ…」
耳に入ってくる異質な音に足を止める
普段耳慣れないその音にが、周囲の様子を確認させる
まだ日が高いとはいえ薄暗い
打ちっぱなしの外壁が目立つ建物
一度だけ来たことがある、此処は…
「(あ───やばい)」
歓楽街から気づかずにその境目を超えてしまっていたのだ
妙な気配を感じて思わず後ずさる
……妙な人影、全身に怖気が走った
未体験の、異形を見た時のような……‥
■歪な人影 > 人間であれば頭であり、おそらくは顔であろうそれが口を開いた。
歪で醜悪な笑み。
瞳はあるものの、焦点はあっておらず在らぬ方を見つめているような……。
人影達はヨロヨロと氷架に向かって歩いてくる。
先頭が転んでも次が歪な動作で乗り越える。
踏まれている先頭はバタバタと手足を動かし這うように近づいてきた。
笑みを浮かべて開いた口からニチャリと液体のような肉のような何かが零れ落ちていく。
■雪城氷架 >
「ひ──」
それは人間であれば生理的に恐怖を感じるような
そんな得も知れぬ感覚を与えられ、まるで腰がが抜けるようにその場に尻もちをついてしまう
「(ど、どうしよう、何あれ、なに、これっ)」
ぐるぐると一気に頭の中が回転しはじめる
とりとめもない考えが浮かんでは消え浮かんでは消えて
心臓が自分のものではないかのように高速で脈打っていることがわかる
魔物?怪異?
そんなのが、この島にいるのは聞いていたけれど……
■歪な人影 > 「見
つ
け
た」
それらは肺から空気を搾り出したかのよな声を発した。
尻餅をついたのなら、さらに彼我の距離は縮む。
もう手を延ばせば届きかねない距離だ。
歪な人影達は、ギギギギと錆付いた機械のような動きで手を延ばす。
それはどす黒い固まった何かがこびり付いていたり。
指そのものが欠けていたり。
手首から先がなく、骨や肉が見えていたりする。
6本の腕が氷架に向かう。
■雪城氷架 >
「───やぁっ! く、来るなっ」
座り込んだ姿勢のまま必死に後ろへと下がりながら、
その手を翳す
もう迷ってる暇はない
感じたのは明らかな身の危険
咄嗟に、制御が効かないことも忘れ、自身の異能を解き放った
瞬間、爆音と共に異形との間に煌々と灼ける炎の壁が出現する
───が、それは薄い
ここのところの不調のせいなのか、否───
"お前の力が暴走しないようリミッターをかけた"
獅南先生の言葉を思い出す
"お前の意思で外せる程度のものだ、必要な時は───"
「(必要!?今、いま使わないと、今使わないと…!!)」
混乱した頭の中で、願わくばこの火壁で逃げ去ってくれればと願う
■歪な人影 > 薄い火壁でも、効果は十分だ。
相手がまともな判断力や痛覚があれば、だが。
確かに熱はあった。
それらは物質的なものであるらしく火が燃え移ったからだ。
ただし、意に介した様子も無く燃えたままに近づいてくる。
火の壁と言う光源を得た事で彼らの姿がはっきりと目視できるようになった。
獣に食われたように腸をむき出して歩いているもの。
高所から落ちたかのように四肢が全てありえない方向を向いているもの。
もはや死因らしいものがわからないくらいに腐敗しているもの。
共通しているのは、全員が見覚えのある制服を着ていることだろうか。
見るも無残な制服だったもの かもしれないが。
そろそろ、後ろに下がってじゃいるが氷架の足首を腕の一本が掴むかもしれない。
■雪城氷架 >
「ひ、あ───!!」
炎に照らされ見えたもの
それはなによりもリアルな、恐怖
炎の中を這いずったそれが自分の足首を掴んだ
そこでもう、何かを気にかける余裕なんてものは消し飛んでしまった
「来るなあああああああああああああああッッ!!!」
化物が着ている見覚えのある制服も、意に介する余裕がなかった
両手を翳し、ただただ"消えろ"と強く願って、その力を行使する
───直後、その一帯を直下型の地震が襲う
震源地は、文字通り火を見るより明らか
裏路地の建物を融解させ、黒煙を上げながらそこに出現したもの
白炎を巻き上げる炎の巨人が、裏路地の一角を黒炭へと変えていた
■歪な人影 > 炎の巨人が現れれば熱気に当てられ溶けていく。
建物が融解する温度に、ソレらが耐えられる理由などないのだから。
「こ
ろ
さ
な い
で」
最後にその言葉だけを残して、ソレ……彼らは燃え尽きた。
ご案内:「路地裏」から歪な人影さんが去りました。
■雪城氷架 >
「あ……ぅ……」
腰が抜けて動けない
煌々と燃える白炎の熱が周囲の物を燃やしてゆく
ばくんばくんと高速で鼓動を打つ胸をぎゅっと抑えて、呼吸を整える
───整わない
整うわけがない
足元にある、見覚えのある制服の切れ端
耳の奥に残った"ころさないで"という声
自分が今、咄嗟に焼き"殺した"のは、一体何だったのか
周囲に逆巻く熱とは裏腹に、高速で自分の中の熱が冷めていくのを感じる──
■雪城氷架 >
「──焼き、ころし…」
轟々と音を立て、周囲を燃やし続ける炎の巨人
──あの時、研究区で出現したそれよりも遥かに巨大なそれの足元で
自分が今やったことが、冷えていく頭のなかでようやく───
「……え…、わた、し…何してんだ…?」
殺したのは、化物のはず
じゃあ、ここにある焼け焦げた、制服の切れ端は?
今もなお巻き上がる焔の巨人が、周囲を燃やし壊している
───はっ、と気づく
「き、きえろ!はやく!!」
慌てて、自分が創り出したそれを収めようとする
……収める、どうやって?
どうやって出現させたかも、覚えてないのに?
■雪城氷架 >
「なんで消えないんだよ!消えろ、消えろってば!」
必死に叫ぶも、炎の巨人は勢いを止めずに周囲を焼き、壊し、溶かしてゆく
手を翳して、炎の勢いを弱めようとしても思うようにいかない
───夕涼みのあの日から、異能が制御できなくなって
まぁ、そのうち元に戻るだろうなんて甘く考えていた
その結果が、今の目の前の光景だとしたら………
どうして、こんなことに?
「───げほっ」
どくんっと心臓が跳ね、咳き込む
異能の使用限界、久しぶりに感じるその負荷に、華奢な身体は持たずに…
ぺたんとその場に座り込んで、頭を垂れるしか出来なかった
ご案内:「路地裏」にザフィールさんが現れました。
ご案内:「路地裏」に羽月 柊さんが現れました。
■ザフィール > ヨル・トール!
(豪炎よ。を意味する精霊語が路地裏に響き、物理力を持った炎が巨人と少女の間を駆け抜けて行く)
大丈夫か、何があった…?
このジンは…荒ぶっているように見える
(ゆったりとした外套をゆらし、少年が少女と巨人の間に降り立つ
燃えるような赤の髪に赤銅色の肌、そしてシャムシールを構え
まるで舞いでも舞わんとする片足を軽くあげた、独特な構えを)
声と、熱を感じて駆けつけた
大丈夫、俺は敵じゃない、俺はどうすれば良い
(翻訳魔法の手を借りてもどこか拙い言葉をもどかしげに口にしつつ
どうすれば助けになるのか、と視線をやって)
■雪城氷架 > 「あ……」
目の前を遮った影に、思わず声を漏らす
それぐらい、今の自分にとっては"誰か"の存在が有難かった
自分では、もうどうにもならなかったから
苦しげに胸を抑えながら、必死に声を出す
「力が、言うこと効かなくてっ……このままじゃ、全部燃えちゃう───」
炎の巨人は繰り糸など気にする様子もなく荒れ狂い、炎を広げてゆ
白熱するその全身は強く発光し、日の落ちかけた辺りを煌々と照らしてゆく
■羽月 柊 > 燃える路地裏。火は止まらない。
そんな中、小さな青い閃光が見えた。
「……穏やかじゃないな。全くこの島は落ち着かない。」
炎の中を突っ切るように走っていったザフィールを追いかけるように、
しかしゆったりと歩きながら、別の男が姿を表した。
「……セイル、どれぐらい持ちそうだ? フェリア、あの火はどうなってる。」
男は深い紫色をした少し長めの髪を一つにまとめ、くたびれた白衣を着ている。
年齢としては二人よりも随分と年上だ、現時点では教師なのかそうなのか分からない。
男は傍らに居る小さな2体の龍に話しかけている。
片方は紅い角の白い翼竜。もう一方は蒼い角の白い翼竜。
「……大丈夫か?」
ご案内:「路地裏」にメグミさんが現れました。
■雪城氷架 >
「私は、だいじょ、ぶ…っ」
脂汗を額に浮かべながら青ざめた表情で言うそれはあまり大丈夫には見えないが
それでも今なんとかすべきは全く勢いを衰えさせない、炎の巨人であることがわかる
───かつての事件を知っているものなら戦慄するであろうその姿を
逆巻く炎の中で踊らせながら辺りに火を巻き放ってゆく───
「お願い、あれ、なんとかして───」
周りに頼る、それしかできない自分が、どこまでも情けない…
■メグミ > 「風紀委員です――っぅ、これはッ!?」
警邏中に異常な火災を目の当たりにし、また別の方角から路地へと入り込む少女。
外套や内の制服からは、風紀委員らしき意匠の制服が見えるだろう。
魔導書らしき分厚い本を構えつつ、火災に対峙する。)
「(……気を取り直しましょう。)」
異様な熱気。
肌で熱を覚えれば、一歩退く。
へたりこむ少女と、男性二人。
彼らが襲っている様には見えない。
駆けつけてきたものだろうか。
■ザフィール > ……了解した。
つまりあれは荒ぶる君の力と、そういう事で相違ないな?
(苦しそうな様子に声音、そう長くは持つまいと判断する
手の中の曲刀をくるくるとバトンのように回すとすっと一息)
力が荒ぶり抑え切れないのなら、まずは言う事を聞くまで弱らせる
拙い事をしそうなら言え、俺は君のスーム…力がどういうものか判っていない
炎に身を捧げよ、以外の事ならば聞いてやれる
(ふっと、冗談でも口にするように唇の端を吊り上げると
トン、と地面を軽く蹴り、躍り出す)
ウェイ・ジン・ハール!
(精霊よ、との呼び声と共に、クルクルと舞うように体を回し
その度に曲刀を振るう。
振るわれた刀身からは炎熱の波が刃のように大地を切りつけ
そこで荒れ狂う炎の波を寸断し、周辺への被害をそこで「切り落として」行く
現れた二人の人かげには視線を向け、頷き、こちらは任せろと)
■羽月 柊 > 「…そうか、これぐらいなら護りも持つか。
大丈夫そうにはみえんのだが…フェリア、そいつを護りに入ってくれ」
キュイ、キューとしか言わない小さな翼竜達の言葉を理解しているかのように
2体の翼竜と会話してみせる白衣の男。
ザフィールが火を切り落とし、被害の拡散を防ぐようにしていけば
フェリア、と呼ばれた紅い角の白い翼竜が氷架の傍へと行くことだろう。
キューイと鳴きながら、氷架に擦り寄る。
「セイル、どこまでいけるかわからんが…俺たちはあれを叩いてみよう。」
そして残った蒼い角の白い翼竜と男は、炎の巨人に向き直る。
■雪城氷架 > 風紀委員です───
その言葉は、一般生徒である自分にとって何よりも頼りになる言葉だった
そうだ、消防車も呼ばなきゃいけないんじゃ…とその時になって気づく
──ザフィールの剣戟によって周囲への延焼がある程度抑えられたように見える
が、炎の巨人そもののはまだその炎の勢いを止めず
煌々と輝く白炎がその熱量の高さを如実に現している
破裂しそうな心臓を抑えるように蹲っていると、小さな竜が自分の側に寄ってくる
…それが自分の身を案じるために近づいてきてくれたことはなぜかすぐにわかった
「……ありがとう」
擦り寄ってきた小さな竜を、軽く抱くようにして、顔をあげる───
■メグミ >
褐色の彼の目配せにはやや苦い表情を返し、携帯端末による現場の撮影。
写真・テンプレート通りの自動文章・位置情報を添付したメールを風紀委員会へ送る。
(状況は概ね把握しました、が)
男性二人へと向き直る。
会話から察するに、二人は既知の間柄か。違うかもしれない。
「二人は駆け付けてきた、と見ても宜しいでしょうか?
風紀委員としては一般生徒……いえ、そうも言ってられませんね。」
状況は悪い。通報はしたが手も足りない。
彼らを止められるだけの理由はない。故に。
「……周囲への保全を含めたバックアップは私が行います。
貴方達が怪我をする責任は私が持ちます。……だから、頼みました。」
そこまで言い切った後、へたりこむ少女――氷架へと視線の先を切り替え、改めて口を開く。
「意識はありますね?
――今は下手に動かず、落ち着いてください。我々にお任せを。」
■ザフィール > (トン、トン、トンと次々と路地裏の狭い空間を利用し壁やパイプを蹴りつけ立体的に飛び回る
その度にクルクルと左右の足を組み代え舞うように宙を翔けて行く
精霊に舞いを奉納し、自らの戦いその物を供物とし力を借りる砂漠の民の戦闘技法
炎を断ち切り、荒れ狂う巨人が撒き散らす炎の災禍を次々と切り伏せ周囲を飛び回る)
む、風紀と言えば…治安を守る氏族か。
俺はヴォルトの剣舞士、ザフィール・メフルザードだ。
戦士の責任は自らが負う、俺の分はその娘に回してやれ
(承った。と頷いて精霊銀の曲刀を振り上げ
まずは一太刀様子身、と巨人に対し体の捻りを加えた勢いの乗った一撃を見舞いにかかる)
■羽月 柊 > 「…風紀委員、か。これで収まるなら訳ないんだが…。
俺はただの研究区の人間だ。通りすがりのな。
ただの人間にどこまで出来るかわからんが…やってみよう。」
白衣の男はメグミの方を見やりながら、この燃え盛る熱量の中でも涼しげにしている。
セイルと彼に近づくのであれば、
その周囲は熱とは裏腹にひんやりとしているだろう。
氷架に抱かれた龍はほんのりとあたたかい。
触れた途端に、周囲の熱はほんの少しだけ穏やかになるだろう。
少しばかり熱いことは熱いが、夏の日差し程度。
ザフィールがまず一太刀をあびせるために曲刀をふるい襲いかかれば、
それに続くようにして白衣の男が手を前に突き出した。
呼応するようにセイルは鳴き、
炎の赤の中、蒼い光を身にまとい、口を開いた。
そしてその口から、小さな龍の体躯には似合わない、
強い魔力を持った氷のブレスが巨人の足元を狙って放たれる!
■雪城氷架 >
そう、意識はある
異能の行使の影響で心臓が破裂しそうなぐらい跳ねているが、これもいずれ落ち着く
傍らのちび竜も、なんだか心強い
「ごめんなさい…私の、せいなのに……」
頭を垂れる
もどかしい、悔しさすら感じる
こんな大火事を起こすくらいの力あってどうして、それを収めることができないのか
歯痒さが、身に染みる───
見上げれば褐色の剣士が果敢にも焔の巨人に切りかかっていた
見舞われた一撃、焔が抉られるように吹き飛ぶ──が無形物のように再び焔が逆巻いて元の形へと戻ってゆく
───そこで氷のブレスが巨人の足元へと辿り着く
急激な蒸発現象は水蒸気爆発を起こし、焔の巨人の下半身が大きく吹き飛んだ
再び元の形に戻ってゆくも、明らかにその焔の勢いは弱まっているように見えるだろうか
■メグミ > 「そうは委員が卸しませんっ、異邦の人!
いくら落第街が管轄外と言っても、歓楽区は存在します。
だから貴方がそう言っても、私は勝手に貴方の責任を取らなくては……
……ああもうっ、細かい事は後です!今はそっちを!」
文化や矜持の違いをすり合わせる事は"難しい"。
召喚師として人外の存在と接し、風紀委員として多くの人間と問題に接している故に嫌と言う程分かっている。
だからひとまず置いておくことにして、話を切りあげる。
「増援は呼びました。
ええ、場所が場所ですから時間はかかるでしょうから収まりません。
竜を従えている以上、ただ者ではないと思っていますが――
――無理は強いません。出来ないと思ったら逃げてください。」
竜を従えるものが一般人であるかと言えば疑問が尽きない。
そもそもこのような場所にいる時点で本来は一般生徒(教師かもしれないが)と呼び難い。
「さて、私もすべきことをしましょう。
来なさい――シルフ、ノームッ!」
音声により元素に携わる土色と緑色の精霊を呼び起こす。
そうされた精霊は動く。炎の巨人には向かわない。
炎の周囲へと飛び立ち、各々の権能を以って土壁を作り・空気を弄り、延焼そのものを防ぐように立ち回っている。
選択した手段は延焼の防止。
水や冷気で止めるには勢いが強すぎる……!
そう思いながらも手は動いている。
音声と同時に指先で魔法陣を描き、別種の召喚を行う。
(ビッグスライム……!)
ぶよん、と、何かが魔法陣より零れ落ちる。
……直径6m程の、多くの水と魔力を含んだスライムを呼び出したか。
■ザフィール > ふむ……やはりジンに近いか……
(渦巻く炎を剣で絡めとり、こちらからも炎を吹き出し、その反動で飛びすさる
くるりとしなやかに身を回すと壁に着地し、重力に絡め取られる前にそこを蹴って、一度少女のすぐ前に降り立つ)
そこの娘、気を強く持て、悪い言葉は自身を容易く飲み込む
なす術がなくとも、せめて視線だけはそらすな
意思だけは最後まで折れるな。
任せろ、それ以外はこちらで受け持つ
(感情に乏しく、聞きようによっては冷たい言葉を言い放つ
単に自己表現が下手で気遣いが苦手なだけ、と伝わるかどうか)
えい、面倒な……判った!君に迷惑をかけるという責務を受け持つ。
俺の勝手な真似が君の禍となった時は俺に言え、改めて償いはする
(まったく、価値観の違う世界で我を通すのは難しい
彼女の教示が責任を取る事にあるのならば、それを邪魔せず、その上でこちらが負うべきだろうと妥協点を探り)
切り込むぞ
ウルド……ナー・ケスト!
(白衣の竜使いに短く告げると炎を後背に纏い、放出する勢いで跳躍
くるくると横回転から腕を伸ばし縦回転に切り替え
そうして炎を纏った曲刀を巨人に思い切り叩き付ける。
ぶつけるのは炎ではなく炎の支配権。
炎をつかさどる精霊「陽炎の舞い手」の権能に置いて、炎の相殺を狙う)
■羽月 柊 > 水蒸気爆発の余波を男が受けることはなかった。
セイルが男の周囲に居る限り、彼は火からの影響を受けずにすみそうだ。
龍が倒れなければ、だが。
「どうやら火としては普通の火らしいな。
セイル、今ので俺の増幅はどれぐらいだ。……そうか。」
「生憎とね、遭遇してしまった以上は子供を放って逃げられないな…大人なんでな。」
セイルと会話しながらスライムを出してきたメグミにそう返し、
突き出していた片手にもう片方の手を、更に突き出す。
その両手には腕輪や装飾がいくつか見えるだろう。
そしてそれに応え、蒼い角の龍の光は強くなる。
「どこまで行けるかわからんが、凍らせることは無理でも、
最大限弱らせる努力はしよう。」
セイルが口を開き、先程よりも強い氷の魔力を蓄える。
これによる水蒸気爆発の影響は、シルフや精霊が押さえてくれることだろう。
出来なければ、氷架の抱くフェリアが、相殺する。
■雪城氷架 > 心を強く持て、目を逸らすな
───そんなこと、言われても……
誘拐し、焼け落ちていく建物
さっきまで此処に広がっていた光景を完全に破壊したのは、自分だ
直視…できなかった
「(そんなに…強くいられないよ)」
ちび竜をぎゅっと抱きかかえて、小さく震える
少しずつだけど、身体の状態も収まっていた
延焼を的確に防止する動き、そして白衣の男と異邦人の剣士の活躍目覚ましく、
少しずつではあるが炎の勢いは衰えてゆく
炎の巨人と戦う姿は、まるで神話の世界のようで───
炎の巨人は、雪城氷架の異能の力が生み出したもの
そして既にその制御を離れている、力の供給が途切れている巨人はやがて崩れるように、
その姿を保てなくなってその場に大きな残り火となって消えていった
炎の巨人が観測されていた時間はおよそ22分
以前研究区で出現した時に比べれば実に短いものであった
■メグミ > 「分かりました――」
"書類の勝負に負けたらそうしましょう。"と付け加えつつ軽く流し、現場に専念する。
勢いの弱まった場所へ、外周をぐるりと回るように大きなスライムを這わせる。
残り火を"喰らって"、根本から抑え込んで行く。
……動きこそ早くはないが、延焼や残り火要所要所を確実に消し込む。
「――頼りにさせて貰います。
この後の事情聴取にも逃げないでくださいね?」
紳士的な大人は敬うべきだと思ったのだろう。軽くではあるが頭を下げる。
身に着けていた腕輪や装飾は魔術的なものだろうか。
自身もそのようなものを身に着けている故に察することはできる。
もっとも、いまはその点へと気を配る時間はない。
……メグミの装いを気に掛けるならば、同様に外套の内や身体の所々に魔術的な装飾を認める事が出来る。
どれもこれも召喚の補助や簡略化を行うものだ。丁度、その内の一つ落とし。
「――スパルトイ。要救助者の捜索を。」
何かの骨から骸骨の兵を数体呼ぶ。
それは周囲へと散って行く。使い魔のような扱いなのだろう。
■ザフィール > む……終わったか
(自分が炎の勢いを削ぎ、白衣の竜使いが冷気をぶつける
そのやり方が正解だったのか、巨人が消え去ればくるりとトンボを切り、曲刀を炎へと分解して収めると後ろに下がる)
白衣の、助かった
(戦士の交わす言葉は短く、という信条
ではなく感謝の気持ちを上手く伝えるのが苦手なだけで
それはそれとして自分ひとりでは危なかったという意識はあり感謝の念は本物で)
む……悪かった
君の事情も知らず勝手を言ったかも知れん
(自分なりに叱咤したつもりだったが、その結果銀髪の少女が辛そうな態度をするのを見てしまえば
また自分の無配慮がやってしまっただろうか、とバツが悪そうにじっと、見下ろし)
怪我はないか?
(と、ようやく案じる言葉を発していない事に気付いて、慌てて付け足して)
■羽月 柊 > 戦いが終わればセイルはキューイ、と鳴き、男の肩に留まる。
それの頭を撫でやった。
「…こちらこそ助かった。あんなのが暴れられたらまた外に出せなくなる。
あぁ、名乗ってなかったな。
俺はシュウ、羽月 柊(はづき しゅう)だ。」
ザフィールが身軽に己の近くへと寄ってくれば、笑みを浮かべた。
白衣はくたびれているが、今回の戦闘で汚れているようなこともなく。
「さて、終わって事情聴取はいいが、俺の龍の一匹を一旦家に返してくれるとありがたいんだがな。
なんせ"息子"が飯を一緒に食べようと帰りを待ってたら、困る。」
メグミが魔力感知が出来るなら、男自体に一切魔力は感じられないが、
手の部分…装飾や腕輪からは強い魔力を感じるだろう。――それは小龍達と同種のものだ。
ちなみにフェリアはまだ氷架の腕の中。
きゅーきゅー言いながら、大丈夫?というようにすりすりしている。約得かもしれない。
■メグミ > 「構いません。ですがおかしなことはしないように。
――色々と気になりますが、今はこの事件を優先して不問とします。」
無理に連行するには場所と状況が悪い。
仕方なくではあるが、それを認める事にする。
いくら歓楽区と言い張っても落第街。"黙殺"される可能性は高い。
しかしそうは言っても立場上、三者へ事情聴取を願わなければならない。
……が、それはそれとして会話中の当人ともう一人に話し掛けるのは間を置こう。
時間の有効活用も兼ね、周囲の調査に乗り出す。
……焦げ跡から異様な消し炭――殆ど灰となった"それ"を発見する。
完膚なきまで焦げているのにも関わらず、異様な念の跡を覚える。
火葬如きではどうにもならないような、殺しても死なぬような――。
「……」
"それ"をつまんだまま、"それ"を険しい顔で見つめている。
「(……"これ"を含めて、事情聴取をする必要がありますか。ですが……。)」
■雪城氷架 >
「あ……消えた……」
小さな竜、フェリアを抱えながら、消え行く炎を見て
緊張の糸が切れたのか、少しふらりとしてしまったが…
事情聴取、という言葉を聞いてハッとする
それは自分に直接向けられたものはなかったが……
明らかに、今回の事件の主犯格にいるのは、自分である
不安げに顔を伏せてしまった
「…わ、私は、大丈夫……。
………ありがとう、その…みんなのおかげで……」
俯いたまま、申し訳なさそうに小さく言葉を紡いだ
心拍数も、今はすっかり平常値に戻っていた
腕の中では心配そうにフェリアが鳴いている
■ザフィール > 了解した。先ほど名乗ったが俺はヴォルトのザフィール・メフルザードだ
(シュウと名乗った男に例を
竜という存在はこちらで始めて見たが、自分が知るそれより遥かに小さく
思わずマジマジと見てしまって)
それで、俺はどうすればいい?
ここの秩序を乱したのなら償いが必要だろう
(ここが彼女の縄張りならば、そこに横槍を見舞ったのは自分だ
そこで勝手をした以上は何事もないとは思わない
抵抗する意思もなく黒髪の少女をみやり、この場に留まる意思を見せる)
礼はありがたく受け取る
君こそ無事で何よりだ
(うん、と銀髪の少女に頷いてみせ
詮索をするつもりはないが、気遣わしげな視線を送ったままで)
■羽月 柊 > 龍達は小さいながらに体はしっかりとしており、
戦いの中でも怖気づくことなく巨人に相対していた。
そう考えるとこの龍達は幼生体ではなく、成体なのだ。
「ザフィール…龍が珍しいか?」
ザフィールの視線が龍をじーっと見つめているのに、セイルはキュ? と首を傾げた。
そう話している傍らですでに調査は開始されている。
やれやれこれは帰れるのはいつになるだろうか、という考えを抱きながら。
「……過ぎてしまったことは変わらんが、
まぁ、被害が少なくてよかったな。」
俯いた氷架に呟くように言った。
■メグミ > (全員、大きな外傷はなし。
被害は甚大ですが……どうにか、状況は落ち着きましたか。)
使い魔として扱ったスパルトイが戻ってきた。他の呼び出したものも戻しておく。
……複数の何かに出会ったらしいが要救助者ではない。
手を出していない辺り見物人の類だろうか。
もしかすれば"それ"に関わるものかもしれないが――。
(……リソースをケチったのが仇になりましたね。)
もやもやしたものは覚えるものの手の打ちようがない。
こっちが優先だ、繰り返すように脳内で復唱する。
「いいえ異邦の御方、ちょっとした事情聴取で十分です。怪我もありませんから。ですが」
「皆さん、御無事で何よりです。ですが……可能でしたら委員会棟までご同行か出頭を。
此処にいる事にも口を尖らせたいですが、それも後で軽く聞きましょう。
どうにも当人の心身不安定だけで終わる話でもなさそうなので、そこも聞かないといけません。
身分についてもその時で伺います。……ええ、コーヒーぐらいならギリギリ出せますから。」
事情聴取のための同行か出頭を要求する。
それらに応じて風紀委員まで出頭するのならば、今回の件について一通りの事情聴取が行われる。
……言葉通り、目撃者との扱いにした上でコーヒーぐらいは出してくれるかもしれない。
■雪城氷架 > 「ありがとうございました」
改めて3人にぺこりと頭を下げて、
おずおずと抱えていた竜、フェリアを柊へおずおずと手渡すように掲げる
この子のおかげで随分と落ち着けた気がする
「あ…私は氷架、雪城氷架。
───ご、お迷惑おかけしましたっ」
申し訳なさそうにもう一度、深々と頭を下げる
……事情聴取については…当然だと思った
といっても駆けつけてくれた二人は、あの炎の巨人を見て来ただけ以上のことは聞けないだろう
本題は、結局自分への尋問ということになるだろうことは理解できていた
炎の巨人は副次的に発生したもの、その大元は………
「……わかりました」
同行への要求には、小さな声でそう答えた
■ザフィール > いや、龍自体は珍しくない
俺も故郷の旅路の中で相対した事がある。
が、そんなに小さなのは初めて見た…人に気を許してるところもな
(故郷で見た龍は敬うべき巨大な存在であり
時に勇者の腕を試し見返りを寄越す事はあっても人に寄り添うという事は聞いた事もなかった
ぶしつけな視線を送っていたことに気付けば、龍自身に謝罪の目礼を送って)
判った、その辺りの謝罪と事情説明にはしっかりと応じさせていただく
面倒をかけるな
(黒髪の少女の通達には大人しく首を縦に振る
なにせここらは立ち入らないほうがいい、という話は聞いていた
そのくせ自分の戒律である見聞を広めるという事情を優先したのだから釈明は最低限必要だろうと…
コーヒーと聞けばぴくり、と表情が動く
そうかあの薫り高く甘いアレが振舞われるのか…と緩みそうな表情を努力して固定する)
氷架か…迷惑と思えば避けて通る
横槍を入れたのは俺の意思だ
(だから気にするな、と頷いて
不安そうにする表情は気になるものの、自分に何が出来るか、と思えば口は開けず
気遣わしげな視線を送るのみで)