2016/07/03 のログ
ご案内:「スラム」にエアルイさんが現れました。
エアルイ > 「……んあ?」

ズルズルと長い尾を引き摺りながら、その小柄な影は路地裏をひょこっと覗きこむと……
そこに並べられた『不思議なもの』に視線を合わせ、その黄色い瞳を爛々と輝かせた。

「ほへー……なな!! これって何だ? どういうものだ?」

どうやら、遠慮やおしとやかさとは無縁の性格をしているらしい。

小走りに路地裏へと入り込むと、マネキンの前に置かれた商品達を覗きこみ、
耳に響く大きな声でぎゃいぎゃいと問いかけてくる。
声が反響することもあって中々喧しいが、本人に気にした様子はない。

”マネキン” > 【物陰から現れた小柄な影に、頭部を斜めに伏せたまま視線を向ける。】

(…知っている、ものではないか。厄介者の気配がする。)
…がらくただ。
こんなものでもこの場所の連中には十分な商品なんだが。

部品の類はそれだけじゃ大抵役には立たない。
…どういったものに興味ある?飾りとかは好きか?

そして、生徒なのか?

【商品を順番にざっと指し示し、説明する。
がらくた部品は適当に、次に安っぽいアクセサリーの類に手を向けた。】

エアルイ > 「がらくた? そうなのか?
不思議なものばかりだな!! 見たこと無いぞ?」

にかーっと満面の笑みを浮かべながら、指し示された商品の説明に目を爛々と光らせつつ、
大きくうなずいたり驚いたりしながら聞き入っている。

アクセサリーの類いを見る目は不思議そうな光を宿しており……
あるいは、こういった品物に馴染みがないのかもしれない。
学生通りや落第街を【探検】してはいるが、
一部の例外を除けばあまり商店には立ち入っていないからであろう。

竜は、身を飾るということに馴染みがない。

「……んあ? おう、学生だぞ! 学園にも時々行ってるぞ!」

説明を聞いてはいたが、そのせいか問い掛けには曖昧になっていたらしい。
大きく頷きながら、がくせいしょーもらった!! と声をあげる

”マネキン” > (生徒なら本業のほうの客ではないか。どこかで見覚えのある気もするが…。
しかしなんて剣幕だ。この調子でよくこの場所に無事でいられるものだ。見た目どおりではないのだろう。)

【フードの前を指で押さえた。
アクセサリーの次は食料の類に手が向く。】

そうか。あんまりこういう場所に立ち入らないようには言われていないのか?

身を飾る、とか道具を使うといったことはない…なさそうだな。服もずいぶんと適当のようだ。
…それじゃ、まあこいつはサービスだ。

【木箱の中から瓶入りのコーラを取り出す。それはよく冷えていた。
栓を抜いて渡す。】

エアルイ > 「んあ。言われたけど、ここに来たらじこせきにんって聞いたぞ。
ここは、やったらやり返すんだな!」

視線を上向かせて、なにかを思い出すかのように笑う。
そもそもが好奇心旺盛なのが災いし、落第街をうろうろして問題を起こすことも少なくなく、
その度に気を付けるように言われてはいるのだが。
本人にとっては、それも自己責任なのだろう。

「くっつけても見えないから分からないしなー。
んあ、いいのか? ありがとな!!」

大きく笑みを浮かべて瓶を受けとると、そのまま飲み口に食らいつくようにして中身を煽り始める。

ビキリ、と瓶から嫌な音が響いたのが聞こえたかもしれない。

”マネキン” > 【ため息をつく。】

力だけで解決する物事ばかりとは限らない。
そう言う意味での自己責任ということだ。むやみやたらに殺害などしていなければいいんだが。

(…この外見では死の意味の理解や人間を同族としてみているかどうか。)
【わずかに身じろぎして、顔が少しだけ上がる。視線が相手の顔に向く。】

鏡を見たことはないのか?飾りをつけることは見た目を綺麗に保つ、ということだ。
(飾りを理解しないのは外見についての自己認識が甘いためか。ますます獣染みてきた。
入浴の習慣もないかもしれない。)

ああ。
もう一本ほしかったり他の品については代価をもらっている。

【瓶の音を聞いて眉根を寄せた。】

エアルイ > 「力だけじゃない……考えることか! 考えるのが上手いヤツは凄いな! かっこいいな!
要らないことはしないぞ? 要ることはする!」

にかーと笑みを浮かべて言うが……
前半はともかく、後半の言葉は……ある種の純粋さと、
その危険性を示しているだろう。

あるいは……もしも、先だって魔王バラルが落第街に現れたことを知っていたならば。
この少女が、魔王に殺され、そして戯れに生き返らせた
人間の首を、躊躇なく引きちぎった事実が分かるかもしれない。

生きるものは、生きることを望み望まれる限りは生きる。
だが、死んだものは死んだものである。
ならば、死ぬのがかくあるべきことだと。


「んあー……体を綺麗にはするぞ。角や体が汚れたらダメだからな。
汚ないと元気が無くなるし、体が見てられなくなる!
でも、それはつけても体は綺麗にならない。綺麗なのがついても、
綺麗なのはついてる物だ」

首を傾げつつ、中身を飲み干した瓶に牙を立て続ける。
ミシミシと音をたてて……ガラスの瓶に亀裂が走り、
圧壊しはじめているのが見てとれるだろう。

本人は気にした風もなく、対価? と首を傾げている

ご案内:「スラム」にバラルさんが現れました。
バラル >  
「……あら」

 備えがてら玩具を探しにスラムに足を運んでみれば、
 見覚えのある少女と見覚えのない人物の組み合わせ。
 とは言え、その落ち着いた所作からは慣れている類の何かとだけは推察する。

「こんな所に御店があったのねぇ。」
  
 少し離れた位置からブルーシートを眺めれば、そんな感想を零すか。
 

”マネキン” > 要ることも人間には手段と目的と言うものがある。
やりかたは選ぶことだ。例えば、面倒ごとから逃げることだってできるだろう?

(なんでこんな諭すような真似を。
面倒な戦乙女を筆頭にどうにも非常識な連中が増えたせいか。)

【目元を押さえる。頭を深く下げた。
深いため息を付くとすぐに手を離し、顔を上げる。】

そうだ、対価だ。
金銭が一般的だが、これで取引が成り立つのはこれは当人が労働をしたという証だからだ。
差し出せるものがあれば、別のものでもいい。

貨幣経済については習っていないか?

【硬貨を取り出し、手の届かない距離で見せた。】

エアルイ > 「しゅだんに、もくてき……やりたいこと、だな?
でも、やりかたも、大事なのか? 逃げるのは、分かる……ぞ」

応じてはいるが、理解と納得はあやしいようだ。

必要であれば逃げることはある。
だが、面倒なことから逃げる、のは分からない。
終わらせなければ、面倒はなくならない、はず。

「……んあ。それは知ってるぞ! よく覚えるように言われた!」

悩みに沈んでいた頭を、がくがくと頷かせる。
理屈の違う世界から来た存在であるがゆえに、
特に貨幣等の扱いについては念入りに教え込まれたようだ。

「これを上げないと、物を貰ったら駄目なんだな! ルールだ!」

……使うことと重要性は知っているが、しかし理解のしかたは
やや不安があるようだ。
そして。

「…………る、あ?」

不意に聞こえた声に。
黄色い瞳がぐりんと向けられた

バラル >  
 エアルイの瞳が向けば、軽く手を挙げる。
 友人に応じるように接する仕草だ。
 
「はぁい。今日はお店の勉強?
 人の良さそうなお兄さんに教わっているわねぇ。」

 くく、と、笑うように尋ねた後に数歩近付く。
 そのままフードの人物へ目線で挨拶めいた仕草をしてから商品へと視線を落とし、物色し始めた。
 

”マネキン” > 【がらくたのアクセサリーが並んでいる場所からひとつ手にとる。
紐の先にシルバーの鳥の飾りが付いているものを手に持ち、前に突き出した。】

要ることをするのではなく。
要る目的のために、手段を選べ。まずは2つのことを考えてみろ。

じゃあその割れそうな瓶をよこせ。
交換でこいつをくれてやる。これなら時折視界に入るはずだ。

【本来首にかけるアクセサリーを掲げ、エアルイが手を差し出すのを待っている。】

一人来るとこうだ。
そっちも生徒か?知り合いか?

(まさに、といういでたちだな。噂をすれば、でなければいいが。)

【フードの前を再び抑え、深く被る。】

エアルイ > 「勉強はにがてだー……
不思議なものがあったから、見てた!
物知りだ! 難しいこと知ってるぞ!」

にかっと笑いながら尾を左右に揺らす。
邪魔をする気はないようで、少し体をずらして場所をあけるだろう

バラル > 「物知りねぇ。
 確かに、色々知ってそうな感じかしら。」

 改めてフードの彼を見つめるように視線を向け、
 艶やかに微笑みを向けてからしゃがみ込む。

「お友達よ。……ああ、学生の籍もある筈ねぇ。」

 怪しげな缶詰を幾つか手に取って、フードの人物へと向ける。
 装飾品には飽いている分、興味を引いたものがそれだったのだろう。

「折角だから一番怪しいものを買ってみましょうね。
 ――と言う訳でこれ、これ、頂ける?」

エアルイ > 「すること、のために、やりかたを、かんがえる……?
る、ぐる……?」

首を捻り、喉を鳴らすように唸りながら考えている。
成すべきことを成す。
成せなければ死ぬか、逃げるか。
二つの理以外の領域、考えようとしてしかし理解が及ばなかった場所に、思考があちらこちらにめぐる。

「るあ。交換か。これが。対価なのか?」

割れ欠けた……文字通り、如何なる力が掛かったのか。
牙の痕が瓶をくり貫く形で残っている……
を差し出し、代わりという様に差し出されたアクセサリーをつまむ。

”マネキン” > …二千円だ。
あと味は保証しないからな。

【缶詰を手に取ることも代金を求めて手を差し出すことも無い。】

ああ、待て。
それでは付け方もうまくいかないだろう。

付けてやる。

【エアルイのアクセサリーをつまむ手を、手がわずかに後ろに下がりかわす。
宣言どおりに何周か手首に革紐を結びつける動作を行った。】

異なる手段で同じ結果を得られることもあるだろう。
まずはその手段を覚えておくことだ。

バラル >  
「はいはい。」

 素っ気なくはあるがそんなものだろう。
 ナチュラルに2千円札を取り出し、売買を交わす。
 缶詰を何処かへしまい込んだ。ポケットに入れた様に見えるが……。

 ――この缶詰は誰かに食べさせよう。
 食べさせる相手がいなければ自分で食べて試すつもりだが、会話や誘惑のフックに使えるならそのようにしよう。

「あら。」

 あのフードの彼は世話を焼くのが好きなのか。
 それとも世話を焼いておく事を大きいものとして認識しているのか。
 自身への対応の差異を読み取りながら、ほほえましい光景としてそれを眺めている。
 

エアルイ > 首を捻ったまま、鮮やかな手並みでつけられたアクセサリーに、
瞳の中で黄の色彩が爛と輝く。

「! お前凄いな! これ、綺麗なものだ!
るあー……覚える、ぞ!」

まだ、言葉の全てを理解するには至らない。
だが、手に結ばれた物を見るたびに、思い返すだろう。
その度に考えたなら、あるいはー……

”マネキン” > 【腕を横に振り、バラルから弐千円札を素早く受け取る。
缶詰の中身は食べられないことは無い。味は分からない。】

…その服装は趣味か?
着飾ることが好きなら、友人の服も見繕ってやったらどうだ。


そうか。
首元でなく手元ならいつでも見ることもできるだろう。

それを見るたび思い出して、がんばってくれ。

【罅の入った瓶はビニール袋に入れて木箱にしまう。】

バラル >  

 提案には小さく首を横に振り、軽い拒否を見せる。 

「私にそれをするとガワごと変わるわねぇ。
 って言うのは一割冗談だけど……好みだけど、普通にやっても面白くないから気が乗らない。
 それに男目線の方が男受けはするんじゃないかしらね?」

 くすくす笑いながら応え、二人のやり取りを見る。
 今の所、そこまで面倒を看るつもりはないらしい。
 

エアルイ > おう! と元気よく応えて笑みを浮かべながら、
腕に結ばれたアクセサリーをしげしげと眺める。

……川や大きなお湯に入る時は、脱がないといけないと言われた。
これは違うか、おなじか。……形が違うし、多分違う。

一人納得したように頷いていると、バラルの言葉にぴくんと反応した。

「バラルは魔王だからな! 男を女に変えたり、大きくしたり小さくしたり出来るぞ!」

見てたからな! と大きな声で笑いながら言う。
嘘を吐くような性格にはみえないだろうが……そうであっても、信じがたいだろうか

”マネキン” > 【わずかに顔を上げる。バラルにフードの陰から視線を向ける。】
気分屋か。
面白いかどうかが行動原理と言うわけだな。

男受けさせて何の意味がある?

(おそらく、推定魔王かそれに類する厄介者のようだが、操るのは難しいか。)

【バラルから無造作に視線を逸らした。】

…そうか、魔王か。
(堂々とばらしたな。隠すこともないだろうが。)

信じよう。そうでなくとも最近非常識な真似をする連中が多いからな。
ビルを投げたり重機関砲を片手でぶっ放したり…。

【”マネキン”はエアルイの言葉に首肯する。】

バラル >  
「ええ。気分。
 理屈で語れるけれど、語る必要のない原理よ。絵本を小難しく解釈するようなもの。

 ……男受けする方が"常識的"じゃないかしら。どう?」
 
 意地悪そうに微笑みを見せる最中、エアルイからの言葉が入る。
 意識をエアルイに向けてから、甘い顔で微笑んだ。その後、二人を見て。

「あらあらまぁまぁ。褒めても何でないわよ?
 ……最近の人間は大変なことをするものねぇ。分かり易く非常識で、征服がいのある話。
 で、貴方もそれに負けを取らないことをするのかしら?」

 知らぬ誰かの動きに興味を寄せて、置く。
 軽い思案の後、それを知っている彼はどうなのか、と、意地悪そうな口ぶりで問うただろう。
 

エアルイ > 男受け? という言葉に首を傾げる。
……どうやら、まだその部分については未発達のようだ。
知ってはいるが、その形式が違うために認識できない……と言うべきかもしれないが。

「魔王だぞ! 他にも凄いヤツがたくさんいるんだな!
人間も凄いな、投げたりできるのかー……」

傍らにある建物をじぃ……と見つめつつ、出きるだろうかと考える。
魔王がマネキンへと問い掛けた言葉に、興味をひかれたように尾が揺れた。

”マネキン” > 【顎に手をやる。】

子竜に男受けのする服を着せるのが魔王の常識なのか。覚えておこう。

人間のあいだで育てれば犬も己を人間だと思うようになるらしいが、
その二方に劣情が生まれるかどうかというと、かなり珍しい話のはずだ。

【エアルイの外見に視線を向けた。】

賞賛なのか?いや、行動原理はともかくできるということは賞賛に値するか。

それを聞いて二人とも人間の仕業だと思うか。
いや…学園ならありえなくはないかもな。だが残念、外れだ。

【木箱にじっと座って動くことは無い。】

バラル >  
「あら、学園に生きるヒトの女の子に異性の評判の好い服を着せる事は非常識だったかしら。
 それとも、同性を誘惑する方がお好み?

 ……竜であることを第一にしたらむしろ脱がさなきゃいけないけれど、それは気が乗らないわねぇ。」

 ――魔王としては竜人も人間もおしなべて人間。
 あくまで征服すべき"人"として評価を下し、楽しげに皮肉めいたものを返す。
 とは言え悪意はあまりなく、純粋にシニカルな会話を楽しんでいる風にも思えるだ。

「あら、人外の方だったの。まぁいいわ。
 そしてだんまりなのも残念ねぇ。この子もそれ位出来そうだけど、どうなのかしら? エアルイ。」
 

エアルイ > 「服は着ないといけないぞ? そう言われた!」

首を横に振ると、釣られて角が左右に振られて中々に危ないかもしれない。硬度のある角は凶器にもなりうる。

劣情や婚姻についてだけを考えるなら、実はかなり多様性があるのが
竜族でもあるのだが……二人の間の静かながらも
何処か相手を窺うような空気に、様子を見るのが良いか?
とエアルイは首を傾げていた。勝負の横入りは認められないならすべきではない。

「分からないぞ! やったことないからなー
でも、要らないのに壊したらダメだ、な?」

必要なく何かを壊したなら、それは必要ない何かで返るだろう。
やったら、やり返される。なら、必要ないなら、しない

ご案内:「スラム」に蕎麦屋さんが現れました。
”マネキン” > 【バラルの服を指差した。】
よくわからないな。
論点がずれているようだ。評判の好い服とは…そのゴスロリ服のことか?

それに本人がこう言っている。
竜だからといって脱がすものでもないだろう。

【エアルイのほうを向く。】

ああ。
目的も手段もない。だから壊すのはよしておけ。

これ以上弁舌を垂れて欲しければ、こちらも商売だ。
せめて何か買っておくんだな。

【シートの上で手を広げた。】

蕎麦屋 > 「――おや。」

夏休みの帰り道、片手には魚籠など提げつつ。普段なら人などまずいない路地裏に人だかり。
なんじゃろな、と思えば自然と足も向くだろう。

いやまぁ、見ただけで近寄るの躊躇う面子の気がするけど、気にしない。
とりあえず様子でも見ておこう。

バラル >  
「ずれているわねぇ。……あら、それだったら私が選ぶわ。
 てっきり、まともな服をきせてやれって意味でこっちに振ったのだと思ったのよ。
 だからそれならあなたの方がマシでしょう。こういうのは目立つ奴が着る服よ。
 ――読み違えちゃったかしら?」

 何処からともなく扇子を取り出し、口元を隠す様に仰ぎながら。
 口元は見えないが愉快そうだ。

「服は着ないといけない。確かに人間の常識でもあるのよね。
 貴方はどんな産まれをしたのかしら――ん。」

 強い霊性を感じ取る。
 警戒故か、蕎麦屋の方角を向くだろう。
 

エアルイ > バラルの問い掛けに、首を傾げて応える。
「学園に来たら、ダメだって言われたぞ?」
逆に言えば、それだけが服を着ている理由とも言えるだろうか。

そして、マネキンの言葉に大きく頷き、
そうなのかーと腕のアクセサリーに視線を向ける……と。
近づいてくる何かの気配に気がつき、黄色い瞳をじっとそちらに向けた。

不思議な気配。
知っているものか、知らないものか。

蕎麦屋 > 魚籠の紐は腕に通し、両手をポケットに突っ込んだまま。
視線に気づけば会釈でも返そうか。

気付かれているなら見ている必要もなし、寄っていけばひょいと露店を覗いてみる。

「や、こんなところに露店とか珍しいですねぇ――
 ああ、お気になさらず。ただの通りすがりですし。」

何やら視線が集中しているが。ひらひらと手を振って。

”マネキン” > 何を持ってまともな服と言うか、が問題か。
いや、あながち間違ってはいない。友人だがそこまで親しくないのか?

…。

【顔を斜め上に向け、そしてフードを目深に被りなおす。
シートの上の商品を静かにゆっくりと片付けた。】

バラル > 「そんなとこ。後は単純に気が乗らないわ。
 嫌いじゃないけれど、エアルイを相手するにしてももっと楽しい事がありそうだもの。」

 腰に手を当てて、息を吐く。
 最終的には気が向かない、だから振り返す に帰結するらしい。

「ええ。確かに裸で学園に来たらダメねぇ。
 皆困るし、捕まえに来る。だからダメ。」

蕎麦屋 > 「――あらら。」

目の前で店じまいとか余程嫌われましたかねぇ。
それはともかく。さて、手持無沙汰になってしまった。

面白いモノでも売ってれば買おうかと思ったのに。

エアルイ > 「ダメなんだなー」
バラルの言葉にこくこくと頷く。
破る理由もないならば、捕まることをする必要はない。

商品を片付け始めたマネキンに不思議そうな視線を向けーー
その目が、近くに立つ女性に向けられる。

顎を上げて見上げるように。
それをゆっくりと下に下げて。

「……大きいなー!」

色々と、見えるすべてがでっかかった

”マネキン” > スラムで盗まれでもしたら困るからな。
シートに並べた商品に対したものは無い。無くしても困りはしないが、それでも商品は商品だ。
それにそろそろ店じまいしてもいい頃合だったしな。

それで。何が欲しくて来たんだ?
先ほどの話題に出た超人さん。

【蕎麦屋のほうを見る。バラルとエアルイにも聞こえるように呼びかけた。】

蕎麦屋 > 「はい、でっかいですよー?」

素直な感想には、胸を張ってでっかいぞー、などと。
実際この丈の人間は中々珍しかろうと思う。

「何しに来たって、帰り道に露店があったら覗くでしょう?
 超人という意味なら、ほら。頭カチ割って灰になってもまだ生きてる方がよほど超人グランプリ上位入賞できそうなんですけど。
 その辺りはどう思います?」

首など傾げてみせる。
どういう話題をしていたのかは気になるところではあるけれど。

バラル > 「ダメなのよ。」

 子供を諭すように、それでいて大した本気ではないように軽く応える。
 大きな北欧系の女性――多分あのあたりの神性
 ――にしては大雑把――自分もあるような妙なものを覚えながら会話を伺う

「……あら、そんな人が居たら超人と言うか、化け物ねぇ。
 カチ割るのは超人で、カチ割られるのが化け物よ。」

 店じまいの素振りにも気づく。
 そう言えば大分良い時間だ。眠らなくても余力はあるが、店が畳まれれば気分は帰る方向に向くものだ。
 

エアルイ > 「でっかいなー! 不思議なのがあるな? これも大きいな!」

黄色い目を爛々と輝かせながら、吊られた魚籠や見上げるような背丈の女性を不思議そうに眺める。

「んあ? 建物を割ったりするのか? 人間……じゃないぞ?」

自分とも。バラルとも。マネキンとも違う。
何だろうなー? と首を傾げて

”マネキン” > 吸血鬼か何かかな?
私だったらそんなことをされたら死んでしまう。怖い話だ。君たちの世界はそんなのばっかりか。

(頭をカチ割れればだが。手品には種があるものだ。)

【片付ける手を止めて、肩をすくめた。】

服は着た方がいい。

気になるか?気になったら挑んで見るのもいいかもしれないな。
それも手段だ。もちろん、別の手段もある。

頭をカチ割ったりするのにちょうどいい道具をあげよう。
エニィ式超電磁警棒と名付けたんだが。使い方は力強く殴るだけだ。簡単だろう?

【エアルイにそう話しかける。
そして彼女にむけてそっと黒く頑丈な警棒の取っ手を差し出した。】

蕎麦屋 > 「この島、そういう殺しても生きてる面白い人が何人か居ますからねぇ。
 死んでしまうとかご謙遜を、ピンピンしてらっしゃるのに。

 ――あ、これですか。これは魚籠ですよ。見てみます?」

別段意味もない意趣返しなど。
提げていた魚籠の蓋を開けて見せれば、見たこともない川魚が何尾か入っている。

「まぁ、何処にでも居る蕎麦屋ですよ?
 そんななんだろなー、みたいな顔で見られても困るのですけど。」

バラル >  
 
「吸血鬼ほど種が割れて、死に易い化け物もいないわねぇ」

 フードの男が鈍器めいた電磁棒をエアルイに受け渡し、
 横で蕎麦屋(自称)と因縁めいた会話のやりとりを交わす。
 その様子ぼんやり見つめつつ、他人事のように暢気な調子で吸血鬼の不死に言及する。

 それらを見届けてから、踵を返す。
 帰るつもりなのだろう。
 
「――さて、私はそろそろ行こうかしらね。
 引っ掛けて遊べる子はいなかったけれど、それ以上に楽しかったから花丸ねぇ。
 今度は誰かと遊んでもらおうかしら?」

 軽く誘う/驚かすような事を言った後、反応を待たずに歩き去った。
  

ご案内:「スラム」からバラルさんが去りました。
エアルイ > 「分かったぞ! 着る方がいいんだな!」
二人に言われて大きく頷く。
少なくとも、必要がなければ着た方が良いということだ。

「ほあー……魚が多いな! 食べたら柔らかそうだな!」

そばや? という言葉に、首を傾げる。
不思議な相手は、蕎麦屋というどこにでもいるもの……らしい。
そういうものなら、そうなのだろう。

蕎麦屋に向けていた視線を、マネキンの言葉に改めて戻す。

「気になるな! 凄いのは見てみたいな!
……? 棒は、別の方法、なのか?」

首を傾げ、腕のアクセサリーに視線をむけつつ……
差し出された棒を、そのまま手に取るだろう。

棒で叩くなら、簡単に色々なものが割れるらしい。
必要がないからしないが、必要になるなら、
爪や牙だけではなく、棒も手段、になるのか?

エアルイ > 「んあ。また、なー! バラル!」

去っていく背中に、うるさい位の声音で別れを告げるだろうか

蕎麦屋 > 「おや、お気をつけて?
 この辺りは物騒ですからね――」

住んでる人間が、言った所で説得力もありはしないが。
そもそも、心配も無用だろうか。

「ん?――きちんと食べるのでしたら、良ければ何尾か譲りましょうか?」

未開拓地区の魚でとりあえず食べられそうなものを何種か見繕ってきたのだが。
少し量が多いかもしれないし、少々分けたところで困りはしない。

「で、子供になんてもの渡してるんですか、まったく。」

電磁警棒とはまた物騒な。
受け取ってしまったのなら止めはしないけれど。

”マネキン” > あとは彼女とやりあっていてくれ。
そろそろ私もかえらねばならないからな。

【シートを丸めて木箱に片付けた。座っていたその箱を持ち上げる。】

そうだ。手でも足でも、棒でも手段と言うのは多い。
殴らないというのも手段の一つだ。

個人的には、そこの彼女に殴りかかってくれるのを期待しているが。
ああ、でもむやみやたらと殺害するのはやっぱり、やめてくれ。

さあ、手段を選ぶのは君だ。
目的を選ぶのも君だけどね。

【エアルイにむけてそうささやきかける。
その後、背筋を伸ばして蕎麦屋のほうに顔を向けた。】

すまないな。あとを任せるような形になる。
無邪気すぎて扱いづらい少女のようだ。あとは頼んだよ。

蕎麦屋 > 「任されても困るんですけれどね――えー……」

とはいえ、無邪気な子供おいて帰れる程非常識でもない。

「まぁ、任されました、と。
 あ。――今度改めてお伺いしますので。――海の底か、山の方か、この辺りか。どの辺にいらっしゃいます?」

ひらひらと手を振って見送った。
さて、中々タイミングは合わないものだ。聞きに来るとか言ってこないし、追い掛け回すほうの身にもなって欲しい。

”マネキン” > 【踵を返す。足を止める。
その姿勢で木箱を探り、冷えた瓶入りのコーラを二本地面に置いた。栓は抜いていない。】

ああ、これはサービスだ。二人で飲んでもいいし、持ち帰ってもいい。
栓ぐらいは何とかなるだろう?

ちょうど先日この辺りに帰ってきたところだ。たまに店を出しているが、数日中にはまた用事もある。
毎日いるとは期待しないで欲しい。

以前の話しと答え、聞けるのを楽しみにしていよう。

【背を向けたまま背中越しに視線を向ける。
フードの陰で口元が笑みの形を描いていた。そして”マネキン”は瓶を残し、その場を立ち去る。】

ご案内:「スラム」から”マネキン”さんが去りました。
エアルイ > 「方法はちがう。やり方がちがう、のか?」

握った電磁警棒をじっと見ながら、ゆっくりと考える。

やったら、やり返される。

受け取った対価は何か?
望まれた物は何か?

何がしたいか? 何を求めるか?
それをするにはどうするか?

そして……誰に何をするのか?
する相手はどういう相手なのか?

悪いことは悪いことに。良いことは、良いことに。
だがーー与えられた対価は、如何なるか?

「魚は食べたい。 その前に」

握った電磁警棒を、不恰好に蕎麦屋に向ける。

「一回叩いて良いか!?」

そして、きっぱりと告げたのであった

蕎麦屋 > 「気紛れですねぇ――いや、人の事言えませんか。
 ――ってうわぁ。」

地べたに置かなくてもいいのに、と2本のコーラを拾い上げ、見送った直後に、眼下から聞こえた爆弾発言。
いや、ちょっと待て。

「そーですねー……そこで殴られるとちょっとどころじゃなく凹んじゃうので。
 殴らないでくれるなら、代わりに魚籠の魚をあげましょう、それでどうですか。」

推測する要素は少ないが、大よその見当をつけたうえでの交渉。
とりあえず、善悪の判断、価値観、そういうものが随分あやふやなようだ、この子は。

エアルイ > 「駄目かー」

構えていた電磁警棒をゆっくりと上下に振る。

やったらやり返す。だから、やられたらやりかえさなければならない。
先に与えられたものがあるならば、それは果たすべき対価である。

恩も恨みもない相手であるならば、そのまま牙を立てていただろう。

だが、相手は善意をこちらに向けた相手。

善意をこちらに向けた相手に牙を立てるのは……
それは、目的を果たすための手段として正しいのか?

『目的と手段を考える』

手首で揺れるアクセサリーが、言葉を思い返させていた。

「叩いて欲しいみたいだった、ぞ」

蕎麦屋 > 「駄目です。」

きっぱり。
中々危うい感じである――見た目以上に。
この子、放置してるとそのうちとんでもない事しでかすのではなかろうか。

「まぁ、叩かれて喜ぶ人は、叩かれてうれしいです、って言うと思いますので。
 そういう人と、叩いてくる人以外は叩いちゃいけません。あとあと面倒くさくなりますから、本当に。」

まぁ――叩かないというならとりあえず魚籠ごと渡してしまおう。
魚に関しては明日にでもまた釣糸垂らせば済む話です。

「で、どちらまでお帰りです?
 頼まれた手前、送りますけれど。」

エアルイ > 「駄目なんだな」
電磁警棒を持ったまま、こくんと頷いた。

これが目的に向けての手段を考えるなのか、こういうことなのかは分からない。
だけど、今の此処では、手段が、目的を果たせなかったのだ。

「叩かれたら嬉しいのがいるのか? 不思議なんだな!
やられたらやりかえすのはしてるぞ! 払わないと終わらないからなー」
実際に、落第街で小さな騒ぎを起こしたこともあるが……

そんな事実は語ることもなく。
受け取った魚籠から魚を口にくわえると、くわえた箇所からそのままバリボリとかじりとっていく。
牙か顎か、あるいは両方か。
丸で刃物で切り取ったかのように、魚の身が抵抗もなく抉られ、口のなかに消えていく。

「んぐ、あっじ!!」

手が塞がっているからか……代わりという様に、その尾が学生街の方向を指し示した

蕎麦屋 > 「ええ、駄目です。」

もう一度頷く。
駄目だときちんと言っておかないと気紛れに殴りそうだ。

「ん、まぁ居るらしいですよ。会ったことないですけど。
 とりあえずはそういう場合除いて、先に手を出すのはあまり感心しませんね。」

ああ、やっぱり生で食べるんですねー、と。
食べっぷりに対して、魚籠の中の魚だと量的には物足りないかもしれない。
食べ終えれば、コーラの瓶を片方――栓は指で弾けばとれる。開けたうえで渡し

「おや、彼方ですか。じゃあ、行きましょうか?
 ――その瓶は食べ物じゃないですよ。」

なんとなく、釘をさしながら。
指――じゃなくて尾が指した方へと、向き直る。
見送らないと、この子よりも周囲の被害の方が問題になりそうだった。

エアルイ > 「わかった」
こくこくと頷きながら、尾を引きずりつつゆっくりと歩き始める。

魚をかじった後に、受け取った瓶については……
やはりというか、飲む間に大きな噛み跡を残すことになるのだが、
それはまた別の話だろう

蕎麦屋 > 「はい、よろしい――。
 ああ、私は蕎麦屋ですが。貴方のお名前は?」

ずるずると引きずる尾の横について歩きつつ。
名前だけは聞いておこうか。――瓶はまぁ、必要な犠牲だったと思おう。

エアルイ > 「ん? 名前はエアルイ! エアルイだな!」

にかっと笑いながら、問いに応える。

「お前は……蕎麦屋、だな?」

僅かに疑問があるのか、首を傾げて問い掛けつつ……
そのまま、落第街を後にするだろう

ご案内:「スラム」からエアルイさんが去りました。
蕎麦屋 > 「ええ、蕎麦屋ですよ?」

頷きつつ――まぁ、家とは逆方向だが。送った後に帰ればよろしい。
ふらりと、続いて落第街を後にする――

ご案内:「スラム」から蕎麦屋さんが去りました。