2017/03/10 のログ
ご案内:「スラム」に黒龍さんが現れました。
黒龍 > 「……戦争っつぅのは結局何処の世界でも似たり寄ったりっつぅ事かねぇ」

胸を張って笑顔で言い切るファウラを眺め…いや、彼女を通してどこか遠くを見るように呟く。
彼女の”祖父”と違い、涙を流す事は無いが…ある種の無情さは男も感じていた。

「…少しずつ思い出していけばいいだろ。無理に思い出そうとしてもバグが出るぞ多分」

もしくは、何らかのロックが掛けられている可能性もゼロではないし。
場合によっては”思い出してはいけない記録/記憶”が混じっている事もある。

(むしろ、そっちの可能性は高いわな…プロトタイプなら実験的な機能も搭載されてる筈だ。
そうなると、確実に本人も把握してない”ブラックボックス”はまずあるかもしれねーし)

と、そこまで考えてから意識をファウラへと戻した。彼女の返答に微苦笑を浮かべ。

「あー俺の生体情報を元に復元は止めとけ。腕を欠損した敬意が特殊だから再生とか復元は無理なんだよコレ。
で、まぁそんな機能山盛りされてもアレだしな…ああ、でも近接武器が仕込まれてると助かるな。
オマエが俺との対決で使った光子ブレードみたいなヤツとか。
後は、まぁ頑丈だと助かる。出来るだけ長持ちさせたいからな」

武器山盛りよりも、隠し武器的な機能を最低限盛り込んだ義手で構わないのが男の見解だ。
と、いうよりまず義手が確保できるだけで有難い。ずっと隻腕は不便すぎるのだ矢張り。

「ちなみに、タダとはいわねーよ。そのボロボロのワンピースをちょいとアレンジして修復してやる」

ご案内:「スラム」に黒龍さんが現れました。
ファウラ > 「はぃー。指示がない限り該当の記憶をロールバックしないよう
 セットされてるですー。
 おじーさんもそれがいいって言ってたですよ」

うんうんとうなずく。
それが良い事か悪い事かの判断は彼女の判断の範疇になかった。
それ故に実にあっさりと素直にその言葉に従う。

「んー……となると規格品データからの復元になるので
 動作に多少タイムラグと使用感に違和感があるかもですー
 それでも良ければぁもう思いっきり頑丈なの作れますよぉ?
 あの程度の機能なら十分可能ですぅ」

小さく首を傾げる。
しかし続く言葉に嬉しそうにうなずいた。
ボロボロでも着続けているのは相応の理由があるのだから。
彼女にとってこれは布以上のもので……
いくら彼女でも、思い出の治し方まではわからなかったのだから。

「任せてほしいですぅ。ならちょっと動かないでくださいねぇ?」

そういうと改めて体組織や体の大きさの再確認に入る。
全身のスキャンが終われば……金属と単分子繊維を主体にした
義手のようなものが空中で作られ始めるだろう。
それは一見すると普通の手のように見えるものの……
よく見ると腕の表面に幾何学的な鱗のような模様が見えるかもしれない。

ご案内:「スラム」に黒龍さんが現れました。
黒龍 > 「……そうだな、そうしとけ」

彼女が成長し、人間的な情緒を育んでいけば、何時か自分が感じた無情さを理解する事があるだろうか?
それは、今後の彼女と回り次第だろう。今はまだ考える事ではない、と思考を切り替えて。

「構わねーよ。頑丈でそこそこ動けばそれで十分だからな、ぶっちゃけて言えば。
違和感とかは使ってりゃ慣れるし…タイムラグはこっちで”補正”してくから問題ねぇ。
そういう訳で、じゃあ光子ブレード仕込んだ頑丈な義手でよろしく頼むわ」

上位権限者として”命令”すれば、洒落にならない義手も彼女なら作れるだろう。
が、それはしない。あくまで頼みでありそこまでの機能はいらない。

(つか、扱い切れる保証がねーし、それじゃ宝の持ち腐れってヤツだからな)

そして、ボロボロのワンピースについては、既に頭の中で構成式を練っている。
出来るだけ元のデザインは残すが、多少のアレンジはまぁ大目に見て貰うとしよう。

「おぅよ、よろしく頼むぜ」

で、言われた通り動かずジッとしていよう。不自然なまでにスラムにしては静かな光景。
だが、こちらを遠巻きに伺う気配などは察知している。その程度なら眼中に無い。

(そもそも、仕掛けてきたとしてファウラが迎撃かましそうだしな)

と、思いつつ空中で形作られていく金属と単分子繊維構造の義手を眺めていく。
何か幾何学的な模様が見えるが、そういうデザインなのか機能的に必要なのか。
ともあれ、技手の完成を黙って見守ろう。

ファウラ > 「はーぃ。ごちゅーもんうけたまわりましたぁ」

いつか心と呼ばれるものがしっかりと芽生えればきっとそれは彼女にとっての弱点になる。
自らが積み重ねた屍の数を、産まれてきた理由を知ればきっと嗚咽し苛まれるだろう。
だからこそ、思い出せないように設定されているのかもしれない。
彼女のあずかり知らぬことではあるけれど。
そんな事は思い出しもせず、丁重に義肢を作り上げていく。

「ん、表面の模様は素材の関係上どうしても出てくるです……
 それは何というか、汎用の弊害だと思ってもらえるといいですよぉ。
 ただ、その代わり光子ブレードの直撃程度なら多分数回は耐えるです。
 流通している火器程度なら平気で弾けるですよ!
 AMR位なら余裕ですしぃ……徹甲弾でも直撃しなければ平気ですぅ
 こんな感じでぇ」

そのまま笑顔ですっと横に動かす。
それは物陰から飛んでくる弾丸を軽々と弾き……傷一つ見えない。
彼女を医療用アンドロイドか何かと思ったのだろうか。
確かに義手……しかも高性能と判るものは非常に高価なものになり
それを奪おうと欲目を出す者もいるのはおかしくないが、
まさか撃った瞬間に射線に障害物を置かれるとは思わなかっただろう。

「……迎撃しても良いですぅ?」

空中が揺らぎ大型ミサイルの先端が顔を見せているが彼女は笑顔のままだった。
恐らく目標ごと一帯が吹き飛ぶが彼女にとっては些細な問題。
とは言え今は独自判断する必要はないので一応指示を仰いでみる。

ご案内:「スラム」に黒龍さんが現れました。
黒龍 > (……兵器に心を教えるっつーのは俺のガラじゃねーんだけどなぁ)

が、関わった…最初にこちらで接触した者としての最低限の責任感。
そして、このままではいけないだろう、という確信がある。
それが、弱点になろうが何だろうが。高度な兵器だからこそ、敢えて不要とされかねない心を叩き込む。

(…こっち来てかららしくねー事ばかりだな…まぁ、郷に入らば何とやら、か)

丁寧に仕上げられていく義肢を眺め、ファウラの説明に相槌を打ちながら完成を待つ。
…思ったよりこちらの想定より強度が高いがまぁ高いに越した事は無い。むしろ…。

「……成る程、銃弾程度なら掠り傷一つ無し、と。確かに頑丈だな。
…あ~…あと、ファウラそれは止めとけ。ここは掃き溜めだが、大規模破壊は流石にマズい」

自由気儘な男とて、スラムとはいえ規模がデカい破壊はマズいだろうという思考はある。
別にスラムを気遣っている訳ではない。単に上の方に目を付けられてマークされるのが面倒なのだ。
特に、ファウラは性能的にも目立つと確実に狙う組織や個人も多いだろう。

「と、いう訳で弾丸が飛んできたら次はそのままあちらさんに返してやるだけでいい。
オマエならそのくらい朝飯前だろ」

むしろ寝ていても余裕で出来そうだが。今はそんな事より義手の完成と、こちらのお返しが優先である。

ご案内:「スラム」にイチゴウさんが現れました。
ファウラ > 「ふふー。もっと褒めても良いのですよぉ?
 この程度なら余裕余裕なのです!」

嬉しそうに微笑んで見せる。
まだプログラムされた疑似人格にすぎないかもしれないけれど
こうして笑っていたら誰かが嬉しそうだったような気もする。

「単純になれば頑丈になるですよ!
 それにふぁうらの時代音速を超えない弾丸なんて時代遅れだったですよぉ
 飛んでる相手に追いつけないですしぃ……
 そのあとまたそれが有効な時代に戻ったみたいですけどぉ」

ゆっくりと術式解除。ミサイルはやめておいた方が良いらしい。
確かに自警団に目をつけられると面倒そうでもあるし
それに何より

「さーぃぇっさー」

上位権限者がそういうなら必要ないのだろう。
とは言えそもそも超音速で飛行する彼女にとっては
個人携行可能な重火器の弾丸はあまりにも遅すぎる。
そのまま投げ返せというなら今度撃ってきたら掴んで投げ返そうと思う。
うん、そうしよう。

ご案内:「スラム」に黒龍さんが現れました。
イチゴウ > 1機の白い四足ロボットが輸送機から投下され
パラシュートを開いてゆっくりとスラム街に落下していく。というもの不良学生共から風紀に対して謎の通報があったらしくその対応として自分が出ているのだ。

「女の子の形をした化け物が出たって何だよ・・・」

イチゴウは通報内容に一人ツッコミを入れつつ
ゆっくりと落下していく。

黒龍 > 「…ったく、調子乗ってんじゃねぇっての」

と、軽く小突くようにしてファウラの頭をワシャワシャと一度撫でた。
上位権限者でもあるようだが、矢張り保護者ポジションというかそんな空気である。

「…音速超過の弾丸ねぇ。俺の世界でもあるにはあったが…。
まぁ、ともあれこっちから攻撃はしなくていい。跳ね返すだけで事足りるからな」

と、結論付けてから一息。…そしてフと上を向いた。

「……あーこりゃ面倒なことになりそうな気がする。ファウラ、義手出来たらそのままこっちくれ。装着とかはこっちで全部やる。」

そう、彼女に嘆息交じりに告げる。この感覚は覚えがある…話は通じる、とは思うがさてどうなるやら。

(……誰か通報しやがったな…まぁ、俺はとばっちりなんだろうが)

とはいえ、ファウラに任せて離脱する訳にもいかない。穏便に済む…かどうかはしらん。
あと、ワンピースの修復どうしようか。時間的猶予があるなら今のうちにしてしまうのもありだが。

ファウラ > 「ファウラは高性能機ですもん!
 特に、はっやいですよぉ?飛ぶのぉ」

わさわさと乱暴に撫でられてもじゃれるように足元にくっついていく
嫌がる様子は特にない所からそれなりに安心はしていて……

「高機動飛行物体に対しての弾丸は軌道が単調で
 しかも急速に失速するので相対速度の差が開くばっかりですしぃ。
 現代で言うなら音速飛行する戦闘機を拳銃で落とすみたいなものですよぉ」

当たれば有効ではあるものの当たればの話。
目視した頃には通り過ぎている相手に弾丸など豆鉄砲に近い。

「あや?落下傘付きの四足さんが投下されたです?」

空を見上げる。
此処から見上げる空は切り取られ非常に狭い範囲しか見えない為
視認範囲にはないものの、それぐらいの探知は非常に容易で……

「はーぃ、もう完成しているのでどーぞですよぉ」

弾丸をはじいたそれを事もなさげに差し出した。

イチゴウ > 重い音を立てて戦闘用には見えない変わった見た目の
戦闘ロボットが地面に降り立つ。
パラシュートを切り離し背中に背負われた
装甲貫通用の高速ミサイル発射器を
スタンバイする。

「確かこの辺だったはずだよな?」

イチゴウは周りを見ると見覚えのある人影が。
辺りの通報を知らない不良学生から銃撃を受けるが
全く気にもせずに2人の元へと歩いていく。

「おっ。黒龍とファウラじゃあないか。
この辺に化け物が出たって話なんだけど
何か知らんかね?」

割と気軽に2人に声をかける。
化け物の正体にまるで気づいていない様子だ。

黒龍 > 引っ付いてじゃれつかれながら、取りあえずこの後の行動を頭の中で整理していく。
ワシャワシャと頭を一頻り撫でてから手を引っ込めていき、代わりに義手を受け取る。

「そりゃ、ファウラが速いのは身に染みてるがよ…っと、こんなもんか」

受け取った義手のサイズはほぼ生身の右腕と同等。だからスーツの左袖口から義手を差し込んで肩口にくっつける。
義手に元からそういうアタッチメントが備わっていたのか、肩口と接触した瞬間ガッチリ固定。
擬似的な神経の接合が行われれば、最初は指先、次に手指全体、それから手首や肘の曲げ伸ばしを試していく。

「…成る程、こりゃ慣れるのには少し時間が掛かりそうだが。まぁ良い具合だし問題ねぇな、あんがとよファウラ」

と、礼を述べてから顔見知りが完全に落下したのを感じ取る。
程なくこちらに来るだろう…と、思っていたら銃撃をものともせずに彼が現れた。

「…おぅ、奇遇だなイチゴウ。つか化け物なんて異邦人も普通に居るこの島じゃ珍しくもねーと思うが」

と、堂々とすっ惚ける。むしろ、バトルが始まったらまずここら一帯がエラい事になりかねない。
そもそも、まだ義手の礼であるワンピースの修復をしていない。

ファウラ > 「ふふーん」

無い胸を張りながらコロコロと転がるようにじゃれるさまは
年相応に見えるかもしれない。
そんな中何やら楽しそうな歓迎を受けている四足ロボットに目を向けて…

「あ、イッチゴー君だ!
 イッチゴー君だー!
 うわぁすっごい撃たれてる!」

若干変なアクセントで改造し損ねた?顔見知り?の登場に笑顔で手を振る。
前回は重機関銃を積んでいたが今回はミサイル携帯のよう。
飛行物体でも狙いに行くのかしらと思いつつこの島では飛ぶ相手も珍しくない。

「一応同期プログラムは組んであるですよ?
 演算が終わったらちゃんと動くと思うです!
 ……ところで化け物って何ですか!」

……まずそこからだった。
人から見て化け物でも彼女から見れば化け物と呼べるかは別問題だったりもする。

ご案内:「スラム」に黒龍さんが現れました。
イチゴウ > 「いやー。化け物だらけだからこそどの化け物が
主犯かわからないもんで。」

黒龍の言葉に対してハハハと笑いを
見せながら答える。
実際目撃情報が無いとこういうスラム街だと
誰が犯人がわからない。

「ファウラはいつでも無邪気だなー。」

相変わらず飛んでくる銃弾を装甲で弾きながら
ファウラに話しかける。
不良学生のヘイトがこっちに溜まってきたせいか
より一層多くの銃弾が飛んできて
まるで何かの楽器のように音を立てている。

「ふむ・・・そうか知らないか・・・」

ファウラの言葉に対して首を少し傾ける。
どうやらファウラの事は自分と同じ兵器と区分
しているらしく化け物であるという判断には
至れない様子だ。誰かからの指摘があれば
気付くだろうが。

ご案内:「スラム」に黒龍さんが現れました。
黒龍 > 「そもそも、通報できたんだろうがよ?通報したの誰だよ?スラムとか落第街じゃこういう騒ぎは日常茶飯事だぜ?」

わざわざイチゴウが借り出される案件でもない気がするが、と男は語る。
まぁ、化け物=ファウラだとはこのメンツの中で男だけが多分察しているかもしれない。
無論、そこを素直に語ると下手したらメカバトルが展開されかねないのだが。

そして、ファウラの方も無邪気にじゃれついてきていたが、イチゴウの登場に嬉しそうである。

「ああ、プログラムはこっちでも把握した、まぁすぐ同期するだろうよ…って、そこからかよ」

ファウラの質問に溜息。面倒臭いので、ファウラに脳内で同期魔術で同調を頼んでから、脳内に化け物のあれこれをリアルタイムで伝えておこう。
まぁ、参考にしたのがいかにもファンタジーな怪物ぽい映像ばかりだが。

…ああ、あと忘れる所だった。イチゴウやファウラと会話しながら、パチンと親指を鳴らす。

―次の瞬間、ファウラの着ていたボロボロのワンピースが若干デザインを変えて修復されていく。
汚れが綺麗に落とされ、ほつれや破れが元通りに綺麗に整えられる。
更に、彼女は機械の翼を自在に出し入れするので、ワンピースは背中の部分が大きく開いた地味に露出度高いデザイン。

で、最後にアクセントに胸元辺りに黒いドラゴンと白い猛禽のデザインのプリントをしておく。

「…ほれ、簡潔だがこれが義手の礼だ。素材も魔術で補強したから頑丈になってるぞ」

ご案内:「スラム」に黒龍さんが現れました。
ファウラ > 「……同期開始、シールドアンロック……ん、把握しましたぁ
 というよりさっきからすごい撃たれてますけど、それの方が先に捕まえる案件?」

まさか自分が通報された張本人とは露知らず至極まっとうな事を言い出した後
ああ、と一つ小首をかしげ頬に片手を当て……

「あ、そういえばさっき、それらしい話を聞いたですよ?
 実は「私に良い考えがある……」が口癖の巨大冷蔵庫が世界征服を企んで
 変形する冷蔵庫をこの島にも輸出してるって友達の蓮司さんと一緒に
 電子練慈常世支部隊員の学生さんが言ってたですよ!
 多分きっとそれに違いないですぅ!」

見事なポンコツぶりを発揮した理論を力説し始める。
尚本人はいたって真面目なのがたちが悪いけれど……

「もしそれ見つけたら改造しても良いですか!」

とても良い笑顔で続けた。
いったいどのように改造するつもりなのかは
想像にお任せした方が良いかもしれない。
と、指鳴りと共に装いが整えられる。先ほど回路を開放していたことから
特に障壁もなく術式も作用し……ボロボロだった服が新しい装いになって……

「わぁ……綺麗になりましたぁ」

それをみてくるくると回りながら花のような笑顔を浮かべた。
とても大切な服だったのだろう。見るからに嬉しいという表情で……
普通の修復以上に嬉しそうな雰囲気が周りにも伝わるかもしれない。

イチゴウ > 「今回は化け物が出たって聞いたから
戦闘特化のボクが派遣されたって話だよ。
そういや通報してきた奴がえらい泣きじゃくってたねえ。
不良学生が風紀に連絡するのも珍しいが
あんなに泣いてたのははじめてだ。」

イチゴウはそう語る。自分は風紀の特別攻撃課所属の
中でも特殊な事情を持っているのでより
こういう任務につくはめになっている。

「そういや銃持ってる奴らの始末が先か。」

ファウラの言葉を受けて思い出したかのように
言葉を発する。
そして続けられたファウラの言葉を聞いて

「何?冷蔵庫?」

一瞬イチゴウは混乱するが
即座に思考を整え

「もしかすると冷蔵庫という名前でカバーされた
秘密兵器か何かか?今回の化け物と何か関連性が?
それともしこの冷蔵庫を回収しても証拠物品として
押収するからな。」

今回は間違った方向に推理力が働いているせいで
話をさらにややこしくしている。
こちらもポンコツと言われても仕方がないだろう

黒龍 > 「……そりゃご愁傷さまってヤツだな。まぁ、スラムで化け物?に遭遇して生き延びてるだけマシなんだろうがよ」

その化け物が、今まさにこの男にじゃれついている訳だが、化け物と少女を結び付けるのは難しいだろう。
話をザッと聞いた限り、イチゴウも上の方も化け物の詳細はいまいち把握出来ていない様子だ。

(…まぁ、ここは黙ってやり過ごすのがベストだろうな…)

と、思いつつ今まさにこちらに銃撃してきている対処にイチゴウが動き出し始めるのを眺めていたが。

「……あ?」

待てやファウラ、オマエ何で事態を変な方向性に持っていくんだ天然か!!と、思いつつ。
イチゴウもイチゴウで、変にまじめに検討解釈しているのか推理が飛躍していた。

(……お前ら、どっちも高性能AI持ちだろうに何で斜め上にぶっ飛んでんだ…)

ある意味でこの男が一番常識的?な状態になっていた。どうしてこうなった…話の方向性が逸れたのは結果的に良いのだが。

「……おぅ、まぁこれなら多少戦闘行為とかしてもボロボロになったりするこたぁねぇだろ」

かなり嬉しそうな様子に一息。一部アレンジしたが抵抗は無いようで何よりである。

ファウラ > 「そんな泣きつくほど怖かったってどんな凶悪な見た目なんでしょぅね……
 もしかして手の平に乱杭歯の並んだ口があるような頭の無い巨人とか
 そんな感じだったのかもですね?」

そんなSANc待ったなしの物が出てくれば間違いなく化け物ではある。
幸い重火器で対応はできるけれど……
それこそ特別攻撃課でも出てこない限り大惨事かもしれない。

「えぇー……!ちょっとだけですから改造分解させてくださいよぉ!
 もしくは代わりにイッチゴー君でも……!」

火力が跳ね上がる事は保証されるもどんな改造を施されるかは……
それこそ本人のみぞ知る羽目になる。

「ふふぅ……大事にしますねぇ」

ぎゅっと胸元で両手を握る。
そうして浮かべる笑顔は年相応の笑顔で
それこそ化け物には到底見えないような表情だろう。

ご案内:「スラム」に黒龍さんが現れました。
ご案内:「スラム」に黒龍さんが現れました。
イチゴウ > 「ダメなものはダメだ。
ボクを改造するのはもっとダメだ。」

ファウラの要求に対して
ダメという言葉を強調して答える。
そしてその後に見せたファウラの笑顔を見て

「・・・とても兵器には思えないよなあ。」

汚れた自分と照らし合わせて
何やら複雑な心境に至る。
そして今までこの娘が黒龍に懐いていた理由が
わからなかったがファウラの笑顔を見て
黒龍が懐かれている理由が少しわかった気がする。

「そういや銃を撃ってきてる奴らの処理だが
今日は単一目標の処理を想定してミサイルをしょってる
から面倒くさいなあ。しかも平時に殺傷は許可されてないから
まとめてぶっとばせないしね。一人ずつ殴っていかないとなあ・・・
パンチの手加減も楽じゃないんだよ全く。」

イチゴウは愚痴混じりに呟く。
そして未だに銃を撃ち止まない野郎共に向かって
歩いていく。やはり機械であり兵器であるからか
殺人に何の抵抗も見せない。もし殺傷が許可されていたならば地獄絵図になる所だっただろう。

黒龍 > 「と、いうかイチゴウにどんなトンデモ武装が追加されるか分かったモンじゃねぇな…現代と異世界の兵器の融合とか」

むしろ、破壊力が高すぎて風紀委員会でも扱いに困る事態にならないだろうか?
過剰火力的な意味で。ただ、イチゴウが断固として拒否してる様子にまぁ、これなら大丈夫だろうと思う事にする。

「……おぅ」

ファウラの笑顔と、イチゴウからの視線を感じて何とも微妙な居心地だ。
こういうのはホントにガラじゃあない。軽く咳払いをして誤魔化す様に。
基本チンピラと変わらない態度が多いが、何だかんだ情を介したり面倒見がいい男なのである。

同時に、イチゴウがなんとなく複雑そうにしているのを察する。
とはいえ、どう声をかけたらいいか分からないのが我ながら不器用だと思う。

「……まぁ、手加減つぅのは地味に技術が要るからな」

極論に近いが殺すほうが”楽”ではあるのだ。手加減…生かさず殺さずで無力化はやり方にもよるが地味に難しい。
加減の度合い、的確な兵装の選択、攻撃対象の指定、優先順位、地形情報など総合的に見て判断しなければならない。

「……まぁ、お仕事ご苦労さんってトコだな」

イチゴウの愚痴交じりの言葉に肩をすくめるしかない。

ご案内:「スラム」に黒龍さんが現れました。
ファウラ > 「えぇ…神は死んだぁ……」

ダメという強調に両手で顔を抑える。
なんだかんだ言って指示には従う辺り結構素直で……
とは言え妙に改造されては改造された方もたまったものではない。

「手加減…手加減…えっと……
 死なない程度で無力化させればいいんです?」

しかし、どう取り繕っても、この娘も兵器だった。
どれだけその見た目が小さな少女でも。

「……」

小さく息を吸い込む。見ようによってはただの深呼吸。
小さな少女の小さな吐息に見えないようなそんな一呼吸。

……風が吹く。

その一瞬後、音と表現するには余りにも強烈なものが
彼女を中心に吹き荒れた。時間にしてはほんの一瞬。
まるで龍の咆哮を彷彿とさせる、透明の衝撃。
その一瞬は周囲の壁を振動させ、一部を崩壊させるほどの物で……
それが過ぎ去った後は痛いほどの静寂に包まれる。
LRAD…音響兵器によって脳を揺らされて
しかもスラムのようなこまごまとした場所の中
音響手榴弾の直撃のような衝撃に襲われて立っていられるのは
対策可能な異能を持つものか、それこそ化け物のような耐久力を持つもの
そしてそもそも人でないもの位かもしれない。

「対策終了ですぅ」

その事態を引き起こした張本人は
まるでくしゃみをしたかのように気軽な様子で
褒めてと言わんばかりの笑顔だった。

ご案内:「スラム」に黒龍さんが現れました。
イチゴウ > イチゴウは一人の男に近づくと
飛び上がって顔面にパンチを叩きこむ。
骨が砕ける音と共に男は数十メートル吹っ飛んだ上に
顔面がひしゃげてしゃべれない。

「すまんね。これが一番の手加減なんだ。」

男の有様を見るに手加減と呼べるものではないが
イチゴウ的には生きているのでセーフなのだろう。

「畜生、数が多いな。」

イチゴウが周りを見渡して軽く呟いていると
ファウラが発動した音響兵器によって
辺りが静寂に包まれる。
その威力は彼女が兵器だと再認識させるには
十分なものだった。
無論自分たちにも影響はあるだろうが
イチゴウは戦闘用の機械であり無害だったし
黒龍は機械ではないが問題なく耐えられるだろう。

「すごいぞ、ファウラ。」

イチゴウは今まで無邪気なだけだと思っていた少女の
兵器としての完成度の高さにかなり関心していた。

黒龍 > 「……お前らの手加減って…」

アレ、もしかして俺がやった方が早いんじゃね?と、一瞬思うが面倒臭いので結局自分からは動かない。
そもそも――…

「……!」

音響兵器がいきなり傍に居た少女から放たれるが、元々ドラゴンなので頑強なのと、魔術で自身の周囲だけ真空の状態に変換して空気の振動を遮断する。
結果的に音波などが伝わることなく断絶されて受け流してしまう。
勿論、そんな小細工しなくとも素で普通に耐えられたりするのだが一応だ。
イチゴウの方は――まぁ、分かっていたが全然平気そうだ。もっとも、襲撃してきた連中は無力化されただろうが。

「…ったく、やるなら先に言えよなファウラ…ともあれ片付いたか。
丁度いいし俺はそろそろ引き上げるがお前らは?」

こいつら冷蔵庫探索でもするのかな、と思いつつ二人に一応尋ねておこうか。

ご案内:「スラム」に黒龍さんが現れました。
ファウラ > 「うんうん手加減手加減」

イチゴウに接近され成すすべなく吹き飛んでいく男を見て
余りわかっていないけれど、分かっているかのようにうなずく。
彼からすればこの辺りの蒙昧など蠅叩きに似た感覚だろうと思う。
実際問題殺す方が楽というのは彼女にもよくわかる理論で
今回音響兵器を選んだのは我ながら良い選択だったと思っている。
イチゴウは兵器なので効く筈もなし、黒龍に至っては至近で範囲指定でもしない限り
ただのそよ風のようなものだという確信もあった。
他は耳が聞こえなくなったり下手をすれば
まともに歩く平衡感覚すら戻ってこないだろうけれど生きているのだから無問題。

「えへへ」

称賛の声を上げる機械と称賛にはにかむ少女、それを見て呆れる痩身の人影……
大惨事を引き起こしつつも兵器二人の間では十分な手加減の範疇だったようだ。
ある意味喧嘩を売ってはいけない相手に銃を向けた不運を呪うしかないだろう。
というより真相を知れば生きていたことに感謝するべきかもしれない。
それ程の能力がこの場に立っているものにはあるのだから……

「んー……どしよぉ……
 ファウラはどっちにしてものんびり歩くのですよ?」

制圧してしまえばそれ以上は至極どうでもよくなり
もはや興味すら失っていた。
何方かというとすでに興味はまだ見ぬ怪物の方に移ってしまっていて…

イチゴウ > 「ボクの方は冷蔵庫の化け物について
調査を進めるつもりさ。
先にぶっ倒れてる野郎共の処理が先だけどな。」

イチゴウは黒龍の問いにそう答える。
というか常識人というのはやはり疲れるのだろうか
呆れた黒龍の姿が見て取れる。

ご案内:「スラム」に黒龍さんが現れました。
黒龍 > 「……そうか、んじゃ俺は――いや、ファウラに付いていくか」

帰る途中までは少女についていくのがいいだろう。別に襲われても全員返り討ちにする勢いだろうが。
まぁ、どうせ塒は落第街とかスラムだ。帰るも何もこの辺り全てが家みたいなノリ。
一度イチゴウのほうを振り返りつつ、

「改めてお仕事お疲れさん。化け物についてなんか分かったら今度話でも聞かせて貰うぜ」

と、軽く挨拶を交わしてから彼と別れるとしようか。そして…

「…んじゃ行くぞファウラ。どうせノンビリ行くんならもうちょい付き合ってやる」

と、そんな感じで上位権限者、ではなくやっぱり保護者に近いノリであった。
そんなこんなで今夜のこの場は解散となりそうである。

ご案内:「スラム」から黒龍さんが去りました。
ファウラ > 「ではでは、改めてしれーかんを探して一万里なのですー。
 良い考えは全部シュッシュしてやるですよぉ?
 ご飯は温かいのが一番です」

やー。と片手をあげて小走りで彼の元へと駆け寄り、服の裾をつかむ。
そもそも彼女をして生徒でない、登録もしてない、武器の携行と
アウト役満ではあるのだけれど、場の勢いに流してしまう辺り
ある意味そういう空気を持つ存在なのかもしれない。

「イッチゴー君、冷蔵庫しれーかん見つけたら、ちゃーんと捕まえておいてほしいですよ!
かいぞ…お話してみたいですから!」

そう告げると、二コリとほほ笑んで小さく手を振り、スラムの闇の中へと消えていく。
彼とはまた会う事もあるだろう。だからこそ、

「またねぇ」

そう言い残して。

イチゴウ > 「じゃあなファウラ。道には気をつけろよー。
まあ、気を付ける必要なんてないかも知れんけど。」

イチゴウは去っていく少女にそう言葉をかける。
そして二人が立ち去った後に

「さて、転がってるこいつ等をどうしたものか。
どう本部に説明すりゃいいんだよ。」

イチゴウは無力化された奴らの処理に
頭を抱えながらも作業を始める。
不意にイチゴウは思った

「そういえばファウラって一体何者なんだ?
生徒のデータベースには無いし、兵器にしても
所属が不明だ。それにあの戦闘力。
そもそも通報内容にあった化け物って・・・
ハハ、まさかな。」

イチゴウは作業に戻った。
さて作業が終わるのはいつになるのだろうか。

ご案内:「スラム」からファウラさんが去りました。
ご案内:「スラム」からイチゴウさんが去りました。