2016/07/09 のログ
ご案内:「訓練施設」に伊都波 悠薇さんが現れました。
ご案内:「訓練施設」から伊都波 悠薇さんが去りました。
ご案内:「訓練施設」に伊都波 悠薇さんが現れました。
ご案内:「訓練施設」に谷蜂 檻葉さんが現れました。
■伊都波 悠薇 > 独り、静かに足を踏み入れる。
訓練場、広いその空間で少女は”独り”だった。
退院して、数日。独りでいる時間が多くなった。
独。そう、入院していて、長期の休みが続けて、二回。
辺りの反応とは冷たいもので、当然ながら少し近しくなった人たちも
遠く遠く、離れていく。
(――やっぱり)
寂しくないといえばうそになる。が――
自業自得ゆえにどうしようもない。
少女は気付かない。
このテストの近い時期――この、時間帯。
だれも訓練場にいないのは、稀有であるということに。
ほとんど”独”であるゆえに……
■伊都波 悠薇 > ゆっくりと、息を吐く。
吸って、吐いて。
久々の稽古。準備運動をして体をほぐし。
「お願いします」
お辞儀。そして、基本の動きをしていく。
まだ”素人に毛が生えた程度”の動きを、繰り返して――
■谷蜂 檻葉 > その背後―――正確には背面、やや『上方』。
「……あれ、伊都波ちゃんだ。」
独りの少女を見つめる影が、また一人。
スポーツ飲料を片手に、もう片方には半分まで減ったバランス食を持ったジャージ姿のオンナノコ。
外食続きで体型の崩れを気にした、トレーニングガールが独り鍛錬を始める彼女を見つめていた。
■谷蜂 檻葉 > いわゆる「入場口」の上にある観客席から、真っ直ぐと前を見つめて気付かない伊都波をじっと見つめる。
あの奇妙な『素人さん』は、遊び半分の”修行”でどれだけ何かを掴めたのだろうか?
少し浮ついた心で、師匠気取りに腕と脚を組み、成り行きを見つめる。
準備運動、礼、基礎の基礎。
そして――――
■伊都波 悠薇 > 準備運動もほどほどに。
深呼吸。
目の前には、人型の模型。
ドール――
できることはただ一つ。
それしかできないのだから、仕方がない。
これが入院のせいでできなくなったら、どうしようもない。
本当に才能がなくて諦めるかもしれない。
それを確かめるために、姉には内緒でここに来た。
呼吸を整える。
目をつぶる。
そして――開けた瞬間。
周囲がぞっとするほどの、殺意が。辺りに充満する
■谷蜂 檻葉 > 「――――! ……?」
空気が、変わる。
檻葉は朧気ながらも戦いを知っている。
互いを傷つけ合う、剣呑で粗野で乱暴な雰囲気を知っている。
――――けれど『殺し合い』は知らない。
故に、その【殺気】と称すべき空気を表現する方法を知らなかった。しかして、知らず息を呑む。固唾を呑む。
あの機械的で『何も篭っていない』少女のソレとは確実に違うモノを感じて、組んだ腕を戻して視線を静かに集中させる。
■伊都波 悠薇 > 走った。
約20m。達人であれば、一瞬で詰められるそれも、少女には少しかかる。
これが実戦であれば、それこそ瞬く間に屠られて終わりだ。
それほどに武術をかじってるにしては、稚拙な詰め方。
素人丸出し、変わりはしない。
距離が詰まる。
腕を引く――掌。
掌打――。
打ちぬくのは、心の臓。
違和感。すごい、違和感を感じる。
脚運びは稚拙。上半身の使い方、力の流れ。
加速からの急停止。その反動の使い方。
どれをとっても”整合性”はなく。
どこからどう見ても、ただ走って。殴った。
それにしか見えない。
のに――
その、掌底がドールの胸に触れた瞬間。
――トンっ
変な、音。
まるで、まな板に包丁がおちたかのような音。
胸のあたりがごとんっと、”突き抜けた”
そう、何も籠ってないそれが一瞬で――
殺人の、拳。
凶器とかして――
「でき、った……」
ご案内:「訓練施設」にリビドーさんが現れました。
■谷蜂 檻葉 > 「……って、なんだ。期待しちゃった。」
走りだす伊都波。
その姿を見ると、どこかホッとしたように息を吐き出す。
まるで短距離を走るような『次の動作』に繋がりそうのない走り。
ぐっと、腕を引いて構えるもその姿はグラっと一瞬揺れ、まるで安定性がない。
言っては悪いが、『やはり成長していない』。
先ほどの奇妙なうす気味の悪い感覚は、何かの勘違いだろう。
パチンコのように引き戻された掌底が動き出すのと同時に、乗り出した身をゆっくりと戻して――――
「―――嘘。」
言葉通り、”嘘のように”人形の胸を抉りだした現実に、忘我の心地でポツリと呟く。
『小学生が素手で人を殺す』ような光景。 ありえない前提と結果。
ファンシーなスプラッタシーンのような気味の悪いギャップに、先ほどとは違う意味で息を呑んだ。
打ち抜き、やはり甘い残心を取る伊都波を、呆然と見つめる。
■伊都波 悠薇 >
「よかったぁ……できた……できた……」
心底、安堵したように”喜ぶ”。
その異常性は、誰が気づくか。
姉に、おいて行かれなくて済むと。
まだ、自分は追いかけられると。
自分は、まだまだ努力しないとと。思いに拍車をかける。
ぺたんっと、座り込み。
「ほんと――できてよかった」
もし人だったら”殺していた”という事実よりも。
――それができたことを、何よりも喜んだ
■リビドー >
広い訓練施設に誰かが居る痕跡を覚えれば覗き、足を踏み入れる。
中では一人の少女が訓練に勤しんでいた。入口付近で立ち止まり、その様を眺めた。
技巧があるようには思えない。ただ。
(うん――?)
一つ一つに全力を乗せて止める。全てにおいて力む。素人程度の動きに乗せられた純粋な殺意。
それらが『かの少女の必殺』と纏められ、ただそうあるように、息を吸うように心の臓を射貫いた。
少なくとも、リビドーにはそう見えた。
以前の彼女を知らぬ、という事もあるのだが。
「ふ、む。」
気に掛かる。
声を掛けるべきか、否か。
一旦周囲を見渡しつつ、思案した。
■谷蜂 檻葉 > 「……ぁ、……っと腰が抜けたのかな?
おーい!ハールっカちゃーーん!!」
喜び、安心で腰を下ろす伊都波に再び現実に引き戻されると、手から転げ落ちたバランス食を一瞥して飛び立つ。
「こんにちは、見てたよ。さっきの。 ……その、凄かったねアレ。どういう原理なの?」
大きな声で呼びかけ、そのまますぐ横に降り立つと困ったように感想を述べる。
―――何に困ったか、といえば『正直な感想を言うかどうか』だ。
アレは、あまりにも、”気味が悪い”。
■伊都波 悠薇 >
なによりも、達人者や観察眼が優れたものなら。
きっとわかる。あんな動きで”怪我をしないわけがない”
ほぼすべてを習熟したとされるものでさえ、気を抜けば怪我をする”業”
なのに、彼女は傷怪我一つさえ負ってない。
不自然が、滲むどころか染み出てるといっても差し支えない。
「――え、あ」
声をかけられれば、視線だけそちらに向けた。
知人。訓練を手伝ってくれた人。
だからどういう原理か、と問われたら――
「鎧徹に似たもの、なんですが。掌底の衝撃を、剣の様にとがらせて。体を、突き抜けさせるというものなんですよ? 人体だと、まるで”蕾―しんぞう―”を毟り取ったように見えるので、毟り蕾というそうです」
■リビドー >
少なくとも身体を壊す動きではあるし、
何もかもを投げ打っている分素人の動きにも十二分に殺意が乗るし意味を成す。
アレならば確かに殺せる。但し報いは戸口で待ち構えている……筈だが。
(それにしちゃ平然としているな……)
駆け寄った檻葉の姿を認め、さも自然な様子に会話を交わす二人を確かめる。
大人しそうな彼女が持つには、強い違和感を覚えた。
猫を被っているにしても不自然だ。
少しずつ、驚かせない程度にゆっくりと歩み寄る。
■谷蜂 檻葉 > 「毟り……そ、そう。 毟る……凄いね……。」
とてもシンプルな答えに、必死に慣らす眉根が潜まっていく。
違う、違うのだ。 今檻葉が聞きたかったのはそうではない。
『どんな”裏技”を使えばあんな”因果”を引き起こすのか』という”理不尽”を聞きたかったのだ。
断じてそんな『まっとうな技の説明』をして欲しかったのではない。
―――詰まる所、檻葉は伊都波のソレを心の底から『嘘』としか思えなかった。
「えー…と ……うん。アレから沢山練習したみたいだけど。どう?良ければまた付き合うよ。
大体の人は午後に来るのが大半だろうし大きく使って――― ……あ。」
だから、その気不味さもあって適当に話題を散らす。
そのまま口に出た言葉は自分でもピンと来るものがあった。
つまり、「改めて観察してみよう」ということである。 嘘か本当か、真偽を見極めるために。
そうしてふと周りを見回したところで、『達磨さんが転んだ』のようにピタリと視線が合う。
リビドーと。
■伊都波 悠薇 >
「……そんなにすごくないですよ? これしかできないですし」
でも、その言葉は少しだけうれしくて。はにかむ。
前髪で目が隠れていてもほほえんでいるのは分かった。
この困惑が充満する中で、悠薇だけは”微笑って”いた
なにも、疑問に思うこともなく。
「……え、いいんです――?」
いいんですかと、続けようとして。
声を上げた先輩の視線を追えば――人がいた。
■リビドー >
「おや」
「こんにちは。
二人とも訓練目的かな。好い事だ。」
視線が合う。
合ってしまえば観察を止めて快い声で応じて二人へと近寄る。
「そちらのキミも初めまして、かな。ボクはリビドーと名乗っている教師だよ。
遠巻きに少々拝見させて貰ったが――中々珍しい戦い方をするね。
好ければ、もう少し見学させてくれないかい。立ち会ってくれても構わないが。」
彼女の"業"を見た上で、その様に評する。
言葉こそ選んではいるのものの、戸惑いの類は見えない。
■谷蜂 檻葉 > 「……だそうだけど、どう?」
どうも、と。
此処で会うこともないだろうと思っていた顔に目を丸くすると、軽く会釈を返し伊都波の答を待つ。
■伊都波 悠薇 >
「た、立ち合いは、ちょっと……」
この前の苦い経験がある。未熟な自分では、変な事故を起こしかけないので
それはしないようにしようと決めていた。
教師であるならば、そんな心配は無用であるかもしれないが
100%と言えないから、事故なのだ。
「……み、見てる分にはかまいません。けど、つまらないかもしれませんよ?」
前髪を必死に整えて、視線を隠す。
初対面にはやはり、慣れない。
そして、入院していた時も思ったがやっぱり優しい先輩だなと思う。
こちらを尊重してくれてる。手伝ってくれてる。
入院してあえてなかったのにもかかわらず、だ。
安心が胸の中に広がって。じーっと先輩の顔を見つめていた
■リビドー >
「そうかい。残念だ。ふむ。それでも名前位はどうかな。
――やはり、自分の業に思う所はあるのかい。」
推察できるものはあるが、何が有ったかは知らない。
何気なく伺いつつも何時でも目の前の少女が動ける様、少し離れる。
「有難い。それでは見学させて貰おうか。
――一と言う訳で、隣、失礼するよ。谷蜂さん」
■谷蜂 檻葉 > 「え、えぇ。 それじゃ、また闇霊と……って言いたいところだけど此処は明るすぎるから―――」
隣にそっと立つリビドーに、なにか感じるものがあったのか少し口ごもりながらハルカと距離を取る。
『間』を取る。
「さぁ、『遊ぶわよ』!出ておいで!!」
懐から取り出したマッチを擦り、放る。
するとその小さな灯火が炸裂するように数倍に膨れ上がると幾本もの炎流となり天へ―――”スプリンクラー”へと殺到し、グルグルと渦巻く。 やがて、留まる炎を検知した散水機が室内の全ての散水機を連動させ、大量の水をばら撒く。
「ありがと、『次は貴方達の番よ』。」
手を振ると、そのまま炎は花火のように散り消えると降り注ぐシャワーがその炎を遡るように檻葉の元にまで降りてくる。 やがて、巨大な水飴のように大きな水球として纏まると、足元に広がり、次々と人型を生み出していく。
「――――というわけで、『水人形』ってことで。
色はないけど色々飛び散るから、見た目はちょっと派手になるかもね。
ええと、また同じようにサンドバッグ? それとも、簡単な組手にしましょうか?」
■伊都波 悠薇 >
「あ……申し遅れました。伊都波、悠薇と言います」
ゆっくりと立ち上がり、スカートについたほこりを払う。
「……いえ、自分のというよりも、その。未熟なので大けがしちゃうので」
少しぼやかしながら、頬をかき。
そして先輩の異能? 魔術? を見れば、その手が止まる。
すごい。感嘆と言えるくらいの、ものだ。
自分からしてみれば雲の上のような”でたらめ―マジック―”。
そう、確かこの先輩は、マジシャンだった。
会った時も、ほんの少し変わった挨拶をして演出をして、驚かせてくれたことを覚えていた。
「え、えっと……確認程度なので、さ、サンドバックでお願いします?」
■リビドー >
「伊都波、悠薇。好い名前だ。改めて宜しく頼むよ。
ボクの専攻や古代哲学に準ずるものが多いから、興味があればいずれ受講してくれると嬉しいが――
―――ふむ。確かに実戦に怪我はつきものだな。無傷で勝てる事など、そうあるまい。」
少々のぼやかし――あざむものは見て取れる。
頬を掻くのもバツの悪さだろうか。後ろめたいものがあることだけを認識する。
その辺りで、谷蜂が何らかの力を行使した。
一連のそれを眺めれば。
「……へぇ。」
谷蜂の魔術を見るのは始めた。異能かもしれないが、魔術と仮定する。
声を掛け、自然を動かしている。
人にするようにそうするものから、精霊術の類か見立てに由来するものかと推測を付けつつ――
「全部を術に頼らない所も含めて好い使い手じゃないか。
しかしそうだな。口ぶりから察するに、彼女の訓練には何度か付き合っているのかな。」
■谷蜂 檻葉 > 「ええ、以前にも少し。
……おっけー。サンドバッグね、了解。」
頷き水球に面すれば、凛と翅が逆立つ。
「それじゃ、『整列』!!」
声を張れば、人型が次々と水球が縮みながらズルリズルリと這い出てくる。
それはまるでホラー映画でゾンビが地面から現れるように――――
「……お巫山戯は良いから、『並んで』並んで。」
はぁ、と溢れるため息に、駆け足で水人形が伊都波の前へ整列していく。
サンドバッグ―――というより、多人数組手にも見えるような光景。
伊都波の見よう見まねで、水人形たちは簡単に構えて静かに静止している。
「はい、いつでも良いわよ。お好きなタイミングでどうぞ。」
■伊都波 悠薇 > 「はい、両親からもらった自慢の名前です」
こくりとうなずいて、ゾンビのような映像に。
「いつも思いますけど、先輩のそれってかわいいですよね……」
ぷっと吹き出しかけ、整列をして。
いつでもどうぞと言われれば――
「――いきますっ」
いつかとおなじ、心臓穿ち。毟り蕾だけをただただ繰り返す。
その映像はやはり、異常だった。
どれも、”同じ動きはない”。
あるのは、殺意があることと。掌打が心臓に打たれていることだけ。
あとはてんでばらばらの、素人以下のただのチャンバラにしか見えないのに。
極まる。それが、決められているように――
ただただ、決まる。心臓を”毟り取る”
■リビドー >
(一貫していない。全力ではあっても最適解ではないか。
兎に角心臓狙いの一点――いや、そうと決めるのは早計か。
とは言え、動かぬ相手ならば基本的に心臓、か。)
言葉には出さず、観察と思考を平行させる。
(しかしそれにしちゃ、逸脱してると言うべきか。
あれだけ無理を重ねても身体を痛めているようには見えん。
それが伊都波 悠薇の常識――そう言う属性の人間かもしれないが、まだ何とも言えんな。)
心臓狙いと殺意以外は一貫していない。
大して動かぬ相手だから心臓を狙っているのか。
それとも殺意の行きつく先がそこしかない故の心臓狙いか。
(もう少し、様子を見るか。)
■谷蜂 檻葉 > ばしゃん、ばしゃん。と、微妙にテンポの合わない同じ音が連続していく。
構え、踏み込み、貫く。
鬼気迫る雰囲気はあるにしても、しかし兎に角『お粗末』だ。
自分にも出来そう、というぐらいに。
「……うーん……。」
そう、疑念を抱く檻葉の意を汲んで――――
【―――!】
水人形の一体が、”動いた”。
構え、踏み込む伊都波に対して、同じ程度に―――中身は妖精、武術の心得など欠片もない―――
稚拙な踏み込みで、クロスカウンターのようにその胸に拳を向ける。
「っ! ちょっと、何を勝手な事を…っ」
■伊都波 悠薇 >
よけれない。
よけられるはずもない。殴られた。
心臓――でも、極まりはしない。ただ――
「あ゛う゛……」
走る、痛み。胸と、そして腹部。
先輩は知っている。
少女には傷があるということを――
そして、少女の拳とは言えば――
綺麗に極まり、水人形の心臓をえぐる。
でも――次はできそうになくて――……
「けほ、こほっ……」
■リビドー > (む。)
動いたものはアクシデントか。
注視しつつ様子を伺い。その一合を確かに視る。
(……硝子の魔剣とでも言うべきか。)
捨て身を通して心臓を極めた。
見事なまでに決まっている辺り、ある種の逸脱さを覚えた。
ともあれ。
疲弊しせき込む悠薇の素振りを受けて、谷蜂へと視線を移す。
どうするか、と。
■谷蜂 檻葉 > 「あぁもうこのお馬鹿!!」
タンッ、と踏み込んでオロオロとする水人形をドロップキックで蹴り飛ばす。
そのまま、翅で姿勢を整えてくるりと着地し、伊都波に駆け寄る。
「―――大丈夫!?ハルカちゃん!! ごめん、すぐに止められればよかったんだけど…!
横になってて、医務室まですぐ運ぶから。 痛むのは、胸?傷?」
水人形は既に全てが形を崩し、ウォーターベッドのようにして傍に待機している。
多少は湿るが、乗せて動くには問題ない。
■伊都波 悠薇 >
「お、なか……ちょっと、いたくて。えへへ、ごめんなさい、わたしの、せいで――」
こほこほっと、せき込みながらされるがまま。
そして先生には――
「こんな、かんじです……ね、この程度でもけがしちゃうんで……」
――組手なんてできそうにないでしょう?
その、持ってる殺しの業とは不釣り合いな。
演技でも何でもない、言葉を零して――
■リビドー >
手早く動く谷蜂を見れば、動かそうとした足を止める。
確かに手当に動けるのならば、急いで寄る必要はない。
とは言え、携帯電話取り出して、何かしらの連絡を入れる。
医務室へ話を通しておくつもりなのだろう。
"身体を変な風に痛めて打った" と、少しだけぼかして連絡を入れる。
詳しい話は後ですると付け加え、通話を切る。
「――彼女のことは頼むよ。
ボクは先に医務室に行って、改めて話を付けてくる。」
軽い話は通したが、それはそれだ。
少しだけ早い足取りて、先にその場を後にした。
ご案内:「訓練施設」からリビドーさんが去りました。
■谷蜂 檻葉 > 「有難うございます! ―――肩、貸すよ。……っと」
グッと押し上げるように水球に寄せれば、引張上がるように伊都波の身体が乗る。
「目、瞑ってて大丈夫だから。」
軽く、伊都波の手を握りながら檻葉もリビドーの後を追うように駆け出す。
ソレに並ぶようにして、水球も滑りだした。
ご案内:「訓練施設」から谷蜂 檻葉さんが去りました。
ご案内:「訓練施設」から伊都波 悠薇さんが去りました。