2016/10/12 のログ
獅南蒼二 > 嘘を吐こうと,恐らくこの白衣の男は気にもしないだろう。その中から本心と思われる部分を拾い上げていくだけだ。
そして,貴方の考察は,この場に於いては全く正しかったと言えるだろう。

「なるほど…正直で良い。
 そして,欠点を欠点として認識できているのなら,その点も改善の余地はあるだろう。
 …一つ聞くが,お前はこの魔術に,戦闘用としてどのような利点を期待しているんだ?
 既に先ほどの実験で実証された,詠唱に要する時間の短縮,というのは大きな利点だろうが…。」

他に何か利点はあるのか?
この男の,疲れ果てた瞳はまっすぐ貴方に向けられる。

否定的でさえあるその瞳は,この男の意識が術式構成や触媒の選択といった表面だけの技術課題ではなく,
この魔術の運用そのものに関する本質的な問題へと向けられている証拠でもあった。

高峰 司 > 「時間の短縮もだが、ノーモーションで運用できるところもだ。後は撹乱だな……アタシの普段使いの魔術を知ってる奴を攪乱する」

そうする、と決めた以上一直線だ。
流石にルーンに関してまで自分から口にはしないが、とかく基本的な要件は口に出してしまう。
研究で、必要情報の出し惜しみは害でしかない。
必要であろう情報は、リスクを背負ってでも詳らかにしないと話が前に進まないのだ。

獅南蒼二 > 「普段使いの魔術を知ってる奴…ね。
 つまり,対する相手もその状況も,ある程度想定した上での運用というわけか。」

穏やかな話じゃないな,と,言葉とは裏腹に楽しげに笑う。
少しだけ,考えるように視線を巡らせて…

「……では,その魔術が有効なのは出会い頭の一撃のみだ。
 魔術に詳しい相手であれば,スクロールに類似したものだとすぐに勘付くだろうからな。
 ともすれば,その魔術を運用する状況にとって必要な要素はたった2つ。」

「“敵を1発で葬り去る,ないし大打撃を与える術式”を“即座に,かつ正確に”発動すること。」

真面目な…冷徹ですらある表情でそこまで言ってから,小さく肩をすくめて,

「私はそんな使い方よりもむしろ,その魔術を使って簡易的な魔道具を量産でもすれば儲かると思ったのだがね。」

楽しげに笑った。

高峰 司 > 「後は数だな。この魔術は『同質の魔術を高速で繰り返す』ことが出来る。つっても……一撃必殺クラスをやるのはまだきついがな」

やはり、ちまちまとした魔術を使わせるより、大規模魔術を使う方が効果は高いだろう。
初見殺し、奇襲程度にしかならないというのも頷ける話だ。
だが……

「いっそ数で補うのは無理か?質は多少上げるとしても、それを多重に重ねる事で初弾の威力を結果的に上げる」

大規模魔術一回を使う代わりに、中規模魔術を5回連続で使うような発想だ。
実際、機械魔術はそう言った運用の方が適している。

「あいにく、売る気はねーけどな。自分の研究成果を売る趣味はねぇ」

ルーンガンドに関しては、非常事態だったから仕方ないのだ。

獅南蒼二 > 「無理かどうかは私には分からん…私はお前が戦いたい相手を知らんからな。
 …尤も,数で補うというのは発想としては悪くない。
 単純に拳銃より機関銃の方が強いのと同じだ。」

だが,どこか腑に落ちない表情。
しばし自分の掌を見て,それから…

「…だが,それならば敢えてこの系統の魔術を利用する必要は無いだろう。
 中級魔術のスクロールを同時発動できるように改良すれば良いだけの話だ。」

…そう,それだけなら,既存の技術を応用すれば再現可能なのだ。
眼前の少女が発案したのだろうこの興味深い魔術系統を生かすには,どのような術式を構成するべきか……

「……違うな,むしろ,全てをプログラムするべきかもしれん。
 敵の足を止め,魔力障壁を破壊し,強大な一撃を叩き込み,そして中魔法の連続発動でとどめを刺す。」

「奇襲によって相手の出鼻をくじき,そこからお前の“普段使いの魔術”に繋げればいい。
 どのような結果になるにせよ,状況を作り出す側に回ることくらいはできるだろう。」

それは残念だ,などと,楽しげに笑う。
まさか自分がルギウスからもらったあの術式の出所が,眼前の少女だとは思いもよらず。

高峰 司 > 「そう、か。一つの術式をロードするんじゃなく、術式を複数組み合わせて、一連の流れをパッケージにしちまうのか」

成程、と頷く。
それならば、機械魔術の得手とするところだ。
いくつかパターンを用意しておけば、様々なシチュエーションで初動を掴むことが出来るだろう。
そう言った細かい設定が可能なのは機械魔術の利点の一つだ。

「そもそも、魔術師はテメェの研究成果なんて秘匿するのが基本だろ。今だって、例外的に話してんだ」

少なくとも、司の周囲では魔術師は己が成果を秘匿するものであった。
売りに出すなどと言うのは、恥知らずの振る舞いとまで言われていたのだ。

獅南蒼二 > 「それならば,既存のスクロールで構成するのは困難だ…
 …うまくやれば,面白い結果を生み出しそうじゃないか?」

楽しげに笑いながらも,自分のはめて居た指輪を外して,貴方に投げ渡した。
ほのかに光っているその指輪からは,膨大な量の魔力を感じることができる。

「…黒曜石をベースにして魔力を貯蔵する術式を組んだ即席の魔石だ。
 同様にして,解放された魔力を現象に変換するための触媒としても働く。
 私の研究成果の1つだ…効率を高めるための材料か,参考くらいにはなるだろう。」

貴方が困惑した顔を見せれば,面白い話を聞かせてもらった礼だよ。なんて,笑うだろう。
本心は,貴方がその指輪から何を生み出すのかを,見てみたかったのだが……

「…秘匿するのはお前の自由だが,こうやって話すことで得られる知識もあっただろう?
 それに,秘匿したままお前が死ねば,その系統は失われる…それは魔術学全体の損失だ。」

「……もし行き詰ったら,第三研究室の扉を叩け。」

獅南は名を名乗りもせず,貴方に背を向けて,歩き出した。
呼び止めなければ,そのまま演習場を出て行ってしまうだろう。

高峰 司 > 「…………」

困惑した顔をしつつ、即座に用法を考える。
やはりバッテリーに運用するのがいいか。術式をコピーする事でバッテリー自体の性能向上が出来るかもしれない。
そんなことを考えつつ、言葉を返す。

「学者と研究者の違いかもな、そこは。
……ま、なんかあったら聞きに行くさ」

一度話してしまった以上、ある程度ならばこの魔術の事限定で、話してもいいだろう。
限定的ではあるが、こっちの利益に関わるならば今後も関係を続けて損はない。
さて、まずはパッケージにする術式の組み合わせをどうするか……などと考えながら、自身も演習場を後にした。

ご案内:「演習施設」から高峰 司さんが去りました。
ご案内:「演習施設」から獅南蒼二さんが去りました。
ご案内:「演習施設」に伊都波 悠薇さんが現れました。
伊都波 悠薇 > さて、勉強だけが試験ではないのがこの島――学園である。
体力作りから、異能の測定――内容には戦闘まであったりする場所である。

「――ふぅ」

ぐっぐっと準備体操。それからはただのランニング。
特に早いわけでもない、体力があるわけでもない。
普通の――下手したら平均以下のそれで――……
努力を続ける。自分のものにはならない。
その事実を知りながらなお――

日常は、変化なく――……

ご案内:「演習施設」に谷蜂檻葉さんが現れました。
谷蜂檻葉 > 「……久しぶりね。 悩みはもう消えたのかしら。」

その横合いから、声がかかる。
呆れるような、安心したような気の抜けた声調で腰に手を当てて笑みを浮かべている檻葉。

ただ、その視線はどこか責めるような。

「そこそこには心配したんだからね、あたし。」

やはり、呆れるような色が混じっていた。

伊都波 悠薇 >  
「……声をかけてくるなんて思ってませんでした」

汗をぬぐいながら、その攻める視線を流し――

「心配したんですか。あんなこと言われて、えぐられたのに?」


一つ溜息。あきれるように――それこそ、こちらが付きたいというような溜息だった

谷蜂檻葉 > 「……何よ、再会ついでに追加で喧嘩売ってくれるっていうなら買うわよ。」

どこ吹く風、と言わんばかり。
あの頃のおどおどして小動物っぽい様子はどこにいったのやら、
不遜なほどの態度に檻葉の仏フェイスカウントが1増える。

「心配するのに何言われたとか、そういうの関係ないでしょうが。
 腹立ったし、結構、わりと傷ついたけどさ。

 ―――それと、悠薇があの後どうしたのか心配するのは別のことよ。」

フン、と鼻を鳴らして問を続ける。

「で、あんだけ大盤振る舞いに売りつけてどうなったのよ、悠薇は。」

伊都波 悠薇 >  
「喧嘩して、絶対勝てる相手を叩きのめす趣味があるならどうぞ」

静かに前髪を整えながら。後ろ髪を、ゴムで結ぶ。

「――泣いてましたもんね。失恋はやっぱ苦しいものですか?」

淡々と口にしながら―-


「殺してもらえませんでした、英雄には」

谷蜂檻葉 > 「……そ。」

軽く、脚を引く。

「そりゃもう、何でも良いからサンドバッグ代わりの物が欲しいぐらいには――――ねっ!!」

そこから悠薇が言い切る前ほどには腰の入った正拳突きが数メートル先から放たれる。

脅しや素振りではない。
『その距離で届く』から放たれる一撃。

感情に呼応してやってきた疾風の一打、拳そのものよりも疾く、空気塊の弾丸が撃ち出される。

(―――英雄?)

それが誰かはわからなかったが、やはり悠薇は死にたがって―――殺されたがっていたのだろうか。

伊都波 悠薇 > 当然、よけられるわけもなければ。
避けるつもりもない。

「だいぶイライラ、してるんですね。もしくは、してたんですね」

軽い。とても軽い体は吹き飛ぶ。鍛えているのにもかかわらず、だ。

「――前には、進めました?」

けほけほっと、咳をしながら。

「忘れて、逃げて。後ろに走って――そのかけた時間分。前に歩けました?」

前髪を整えながら

谷蜂檻葉 > 「勉強もっ、人付き合いもっ、それなりにっ、ストレスはあるわよっ!」

避けようとしない、本当に「ただ打たれる」悠薇に眉根を潜めながらも檻葉の拳は止まらない。

素早く拳を引き、脇を締めたコンパクトなニ連打、
伸ばした腕を戻す反動から撃ち込まれる左ストレート。

都合三発の弾丸が追加で撃ち出される。

「――――るっさいわね!!!」

更に、もう一打。
大きく引いた右ストレート。
踏み込むごとに近づく距離は、威力の減衰を失わせる。

空気の塊と言って、当たれば形無くほどけるような事などない。
仮にも魔法。それも相応の力を持った魔法の一撃。 飛ぶ弾丸の硬度は、野球ボール程にはある。


「……何が言いたいのよ、悠薇っ!!」

伊都波 悠薇 > ぼご、どごっと音が激しく。肉を打つ。
みしぃっと音が鳴る――あんなに鍛えていたのを檻葉も見ていた。
のに、その結果はどこにもない。
ただ何も鍛えていない、女性の体躯だ。

「けほ、おえ……っがっ……」

唾液が地面に落ちて――結局まだ、反撃はおろか。
一瞬連撃が止まれば、こほこほと息を整えて――よろよろと立ち上がりながら

「――わからないふりは、そろそろやめたらどうですか?」

谷蜂檻葉 > 「わっっからないわよっっっ!!」

もう一度、右。
躊躇容赦のない弾丸は頬を狙い定めて風を切り裂く勢いで放たれる。


「―――こっちはもう、前向いて進んでんのよ!!!」


その結果、”ゴールフラッグに足が生えて逃げ出す”なんて思っても見なかっただけで。
彼女の超えるべき壁は、追うべき背中はどうにも厳しい道のりである。

伊都波 悠薇 >  
「おえっ……」

けほっという音とともに赤が地面に飛び散る。
ほんと、容赦のない。

「――本当に?」

投げかけた疑問、まなざしは――気持ち悪いぐらいに澄んでいた

谷蜂檻葉 > 「―――勿論。」

対し、断言。
傲岸不遜、確信に満ちた『意志』に裏打ちされた自信のある一言。

その”紫紺の瞳”が悠薇を上から見下ろす。

「私が、もう一度しっかり考えて選んだ道よ。」

伊都波 悠薇 >  
「――なら」

よろよろと。体はボロボロだが立ち上がりつつ。

「おめでとうございます」

ぱんぱんっと服をきれいにして――
土ぼこりをぬぐう

谷蜂檻葉 > 「……釈然としないけど、ありがと。」

何だったのよ、と佇まいを戻す檻葉。
そう言いながらもどことなくスッキリしているのは暴力のチカラである。

そこそこ以上に根に持っていたらしい。

「それでっ。」

少し上がった息で、改めて。

「悠薇は、どうだったのって聞いてるのよ。私のことじゃなくって。
 簡潔にわかりやすく読書感想文でも書く草案諳んじるつもりで言いなさい。」

伊都波 悠薇 >  
「どういたしまして。結構、武闘派だったんですね」

ゆっくりと腰を下ろして。ぺっと、赤い唾液を地面に投げ捨てる
結構切れてるよう。痣が腹部についてないとよいけれど――

「もう言いましたよ――? そんなに気になることでもないでしょう。散々殴られたんですし、慰謝料には十分だと思いますよ?」

谷蜂檻葉 > 「あぁーーっ、もう!
 よく分かんないこと言って、喧嘩売って、それで終わり!?

 ほんっっっと、心配して損した!! 殴ったのは前に売られた喧嘩分のお釣りよ、お釣り!」

ガーッと捲し立てるように、語ろうとはしない悠薇に不満足げに吐き捨てる。


「アンタのこと……ほんと、よく解らないわ……何でそんなに飄々としてんのよ……。」

はぁ、と頭を抑えて事も無げに話し続ける悠薇に困惑したように呟いた。

伊都波 悠薇 >  
「――くすっ」

そんな檻葉を見ればおかしそうに笑った。
まるで掌で踊らされているかのような、そんな感覚。
ほんの少しの、違和感。

「――不思議ですか? どうして、分からないと、思いますか?」

谷蜂檻葉 > 「不思議も何も『言わなきゃわかんない』わよ本当に喧嘩売ってるの?」

2回戦かコノヤロウと言わんばかりに女の子のするべき表情ではない表情で睨みつける檻葉。
吹っ切れてから先、血の気が随分と増えた娘である。


「分からないことに疑問なんて覚えないわよ。

 『何で教えてくれないんだろう』、『何で言ってくれないんだろう』、
 『何を伝えてくれているんだろう』……そういう、お互いの理解がコミュニケーションよ。

 もうちょっと、ちゃんとしたモン《情報》出しなさい。
 問題にするならそれなりのモノが必要って国語の授業で習ったでしょう?」

大問の5ぐらいに潜んでいるアイツだ。

伊都波 悠薇 >  
「そうですね。言葉にしないと伝わらない。他の場所では確かにそう。シンメトリーでもなければ、この島でもそう」

なんていうか、暴力的になった気がする。
血気盛ん。男を尻に敷くタイプだったのかと今知った。

「英雄が殺してくれなかった。そう答えたのに、何がわからなかったのか、疑問をもっと具体的にお願いします」

問答を楽しそうに、微笑む――

谷蜂檻葉 > 「英雄って何? 誰? 何をどうした人間が英雄なの?殺してくれないって、そんなことを願って何をするのよ。何で死にたいの? 何で殺されたいの?何でそんなことを願ったのよ。そんなに、悠薇は殺されるほどのことをしたの?悠薇が殺されたがるのは何で?それを話そうとしたのは何で?それだけは言うのは何で?それ以上話そうとしないのは何で?何で今悠薇は笑ってんの?左右相称《シンメトリー》がどうしたってのよ。何処だって言葉にしないと伝わんないに決まってんでしょう?

……ふーっ……。

っていうかさっきからやたら挑発的なのは何なのよ?殴られたいのか意味があるのか言いなさいよ。取り敢えず英雄って何のことか言いなさいよ。悠薇が言ってたのってお姉さんの事だっけ?お姉さんに殺されたかったって言いたいの?ついでにお姉さんとの関係しっかり話しなさい。 ……後なんだ、ええと……取り敢えずその英雄が殺してくれなかったっていうのをしっかりカッチリ解説しなさい馬鹿悠薇!!」

伊都波 悠薇 >  
「英雄はお姉ちゃんで、私の中でそう定義しているものが英雄です。殺してほしかったのは、私の異能のせいで、お姉ちゃんが不幸になってしまっていたからで、なおかつ私がほしかった言葉を、行動をしてくれていたのは異能のせいだって知ったから。つまり私はお姉ちゃんの幸せには必要なくて、私には価値がないって思ったから。別に、こんなこと知る必要性もないし、結果だけがわかれば納得してもらえるものだと思ったからです」

律儀に一つ一つ答えながら――おなかをさする。
痛いものは痛いのだ。

「――嫌いでしょ、こういう子。イライラしません? 死にたかったのに、お姉ちゃんは殺さなかった。ついでに、私といる時が一番幸せとか言ったんですよ。あの人。これでかっちりと説明になりますか?」

息継ぎのタイミングもぴったりだ

谷蜂檻葉 > 「え…あ、……うん。説明ありがとう……。」

するのか。本当に何なんだこの子は。

「つまり、えっと……異能のことで悩んでた、って言いたい訳ね。
 言えるじゃない簡潔に。まだ大分解りづらいけど、『分かった』わ。

 それで、次。 さっきからその挑発的な物言いは何のつもり。 はい、説明。」

無駄に律儀に真似るように答える悠薇に、言葉の通り苛立ちを隠さず続きを促す。

伊都波 悠薇 >  
「どういたしまして」

なんか、面白い顔をしているのでまたつい、笑ってしまう。

「え、だから。イライラするでしょ。こういう子。嫌いじゃないです?」

もう一度同じこと。
繰り返し告げて。きょとんっとしたように

谷蜂檻葉 > 「……話すつもりが無いことだけは、良く解ったわ。」

三度目の問いにも、変わらない態度。
既に怒りの沸点を一度超えた檻葉はそれに対して諦めたような表情を見せた。

「なら、もう良い!
 貴方がそういうつもりなら、頭が冷えた頃に話を聞かせてもらうわ。」

『どちらの』とまでは言わず踵を返し、それ以上一言も聞くまいと踏み出す。

”本来の扱い方”である風の精霊の疾走に乗り、
背の翅を開いて飛ぶ檻葉は文字通り「あっという間」に演習場を後にした……。

ご案内:「演習施設」から谷蜂檻葉さんが去りました。
伊都波 悠薇 >  
「嫌いじゃなかったのかな」

嫌われるのは失敗した模様。
なにせ、また仲良くなんて都合のいい話――
ヒロインや、主人公でもあるまいし。

殴り合いの果ての友情とか、そういうのも縁はない。

「――なかなか、難しいね。人との交流って」

困ったように、空を見上げて――

「では、また。センパイ」

また会いに来る。そういった言い回しを受けて、一つ溜息を吐きながらひらひらと手を振った。

――違和感は広がる

ご案内:「演習施設」から伊都波 悠薇さんが去りました。