2016/07/25 のログ
蕎麦屋 > 「はい、出前でございますよ。
 さっきの注文といい、もう少し場所を選んで欲しいのですけれど。
 届けるのはよいのですが、場所指定が分り辛い事、この上ない。」

おかもちから蕎麦を取り出す。
普段はまずつかない具材――天麩羅は別皿だ。

「誰ぞ彼、と問うた方がよろしいでしょうか。あまり好きではありませんけれどね。
 いえいえ、平和なものですよ。」

肩を竦める。
じゃれ合う程度の難儀はあったが、それだけだ。
出る幕もなく、それほど必要でもない。平和そのものの日々である。

リビドー >  
「嘘は好くないぞ。
 躍り出るにも機と場が悪かったから、呼んで場所を移しただけだ。」

 肩を竦め、ため息。
 咎めるように蕎麦屋を見据える。

「……取り敢えず食べるか。」

 受け取ったものを隣や膝の上に置く。
 ずずーずずーと食べ始めた。
 

蕎麦屋 > 「気のせいでしょう。
 絡まれるくらいの面倒ごとは、あの場所だと日常の内ですし。」

どうぞ、と勧める。
出前の割に蕎麦はしっかりと暖かい。
届けてさくりと帰るつもりだったが――エンジンを切る。まだ何やら話もあるか。

リビドー >    
「……。」
 
 黙ったまま ずず、と食べておく。
 暫くの間は無言が続くだろうか。
  

蕎麦屋 > 「んー……」

カブの座席に腰を下ろす。
食っている相手に喋らせるような愚は、しない。

何より、飯は旨く食われてこそ、である。

リビドー >  一通り平らげて概ね満足。
 手を抜いたものもなく、むしろ天の分手が込んでいる。
 それを認めながら大きく息を吐いた。

「……ふぅ。まぁ、弁を立てるならば認めるさ。
 嘘でないことを祈るし、嘘や方便ならば少しだけ根に持つからな。
 とは言え、キミからしちゃ大抵は日常なのかもしれないか。」
 
 

蕎麦屋 > 「嘘はついてはいないつもりですけれど、はて。」

食べ終えた器は引き取っておかもちへ放り込む。
さて、これで本来の用は済んだわけだが。

「まぁ、根に持たれても怖いですから。
 ――それで、何か御用です?」

リビドー >  
「定期的に釘の糠漬けは作っておくつもりでいたんだが、
 何もないならばこれ以上に言及することはあまりないよ。
 変な事をせずに元気にしているならそれでいい。」

 宙を見て、息を吐く。
 ぼんやりと夕焼けを眺めた。

「この場所を選んだのも万一に備えてでもある。
 まだ身分はとっていないのだろう?」
 

蕎麦屋 > 「釘は漬けても食えたものじゃないと思いますけれど。
 ――変な事、と言われてもするほどの事もないでしょう。」

何もするほどの事もない。
つられるように、視線を空へと。

「ああ、おかげさまでまだですね。
 いっそこのままでもよいかと思ってますけれど。あの主人は自分とお友達の事しか頭にないですし。」

リビドー >  
「喰えたものではないだろうな、との自覚はある。
 それでも、手ごたえがなくとも、言っておかねばなるまいからな。
 それだけキミもキミの道楽を認めているし、同時に危険視もしている。」

 夕焼け――黄昏以外の何かがある訳でもない。
 ただただ夕陽が映えている。
 
「……そうかい、そうでない人間は中々いないから仕方ない。
 とは言えそれではボクとして、この学園の住人としては困るんだよな。
 故に長く続くなら早めに落とし込んでおきたくもあるが……
 ……少しばかり仕事漬けあがりからの病み上がりでね。」
 
 

蕎麦屋 > 「人の生き死にを道楽にしないでいただけると。
 それはともかく――」

一応、順守はしているのですけれど。
などとため息。

「放っておかれる方としてはたまったものじゃないですが。――いい加減煩わしいとあちこちから言われてますしね。
 落とし込めるならよし、そうでないならまた外に、などとは考えておりますよ。

 ――おや、お大事に?」

リビドー >  
「そっちじゃない。蕎麦屋の方だ。
 そこを突っつかれると話しが巡り巡るのも有るが、ま、置いておこう。」

 行き違いを認めて流す。
 喉の渇きを覚えれば、軽く周囲を見渡す。
 携行している飲物は尽きている。

「とは言え、大したものでもないがね。
 ……しかし、ふむ。」

 思案を巡らせているのだろう。
 再び悩み始めた。 
 

蕎麦屋 > 「蕎麦屋の方も、なんですけど。――ああ、どうぞ」

取り出したのは緑茶の缶。
冷えていて、時期的には嬉しい一本だろう。
ひょい、と差し出し。

「大事ないなら宜しいですけどね。
 まぁ、身体は資本ですから、気を付けた方がよろしいでしょう。」

再び悩み始めた様子に。
帰ってもいいのだが――帰った所で差し迫った用事もない。
ならば、思索に突き合うのもよいか、と。

リビドー >  
「……。」

 彼女を愉悦や道楽の対象にしたかと言えば、否定しきれないが否定したくもある。
 少なくとも大真面目に取り組んでいるし、そうでなければ橋渡しもしないし携帯端末の提供もしない。
 分かりあえる合えない・思想や信条の差異とはまた別の話として、その様に立ち回っているつもりではある。
 故に釘も刺せば手を回し、不倶戴天となるまでは認めている。でなければこんな回りくどい事はしない。

 それが純粋な蕎麦屋の為ではないと糾弾されては認めざるもを得ないが、
 一定の信念としてそのように今の所の蕎麦屋を認めているつもりでもある。
 
 とは言え話を切った以上ぶり返す訳にも行くまいし、
 彼女からすればそう思えぬ程度でもあるのだろう。ざわつく所もあるが精進すべきと考えれば話題を切る。

「キミに言われるとはな。
 ……まぁいい。悩んでいることにしたってキミやキミの様なものを含む。絡む話であるし、
 今話しても踏み込めぬものであるだろう。
 特に事態に進展もなく、その他にしたって何も問題なく過ごしているとならば問題はないよ。」

 ゆっくりと腰をあげ、身体をほぐす。
 
 

蕎麦屋 > 「――ああ。難しく考えなくても宜しいかと思いますよ。」

何やら考え込んでいるが。
まぁ、なんとなく、である。そんな言葉を投げた。

「で。ええ、平和なものでしょう。
 あまり居付く意味もなくなってきている以外は。――ああ、そうそう。
 暇だったので青垣山の食用魚のリストとかありますけど、要ります?」

取り出したリストは、手書きだった。
生態系はともかく、どれが食用に耐えるか、耐えないか。
或いは食ったら死ぬのか。そういう事項を羅列したもの。

さて、身体をほぐし始めたのを見れば、首でも傾げて見せるが。

リビドー >  
「……ボクにだって矜持はあるからな。
 中々、そう言う訳にも行かないんだ。」

 何気なさそうな言葉にはそのように応えつつ取り出されたメモを受け取る。
 手書きだ。しかも細かい。もしかして暇だったのか。

「随分と手が込んでいるな。……このお礼は水着辺りで返すとしよう。
 気分転換にでも使うと良い。あるいは海も制覇してみるかい。」

 そうとだけ言って、ビルの一つへと足を向ける。
 何事もなければその中へと進むだろう。

「と言う訳で、ボクは行くよ。――また会おうか。蕎麦のお姉さん。
 蕎麦屋の業務とは言え、こんな所まで呼び付けて悪かったね。」
 

蕎麦屋 > 「矜持は人の生き様ですからね――。
 まぁ、あまりこだわりすぎても足元掬われますので。ほどほどが良いですよ。
 
 リストに載ってる分に関しては信用していいですよ。試しましたし。
 網羅してるかは怪しいですけれど。」

なんか釣る場所でまったく種類が変わるので、どこまで信用したものやらという類のモノではある。

「あー。海ですか。一度潜りましたけど――
 水着?それを女性に贈るってなかなか大胆ですねぇ……」

礼として、というのなら遠慮なく受け取りはするけれど。
いやぁ、まさか水着とは、という気持ちはあった。

「はいはい、ではお気をつけて。
 もう少しわかりやすい場所だとありがたい、でしょうかしらね。時間喰うと蕎麦が伸びますし。」

ビルに何があるのか、は気になるところだが。ビルの一つへ向かう背を引き止めはしない。
見送りながら、カブのエンジンを掛けるだろう。

ご案内:「遺跡群」からリビドーさんが去りました。
蕎麦屋 > 「まぁ――」

さっさとはまった方が方々楽でよいのでしょうねぇ。
そういうのは理解はしているが。

「帰りますか。」

ぼへぼへとカブを走らせる――。

ご案内:「遺跡群」から蕎麦屋さんが去りました。
ご案内:「転移荒野」に士尺 流雲齋さんが現れました。
士尺 流雲齋 > ざり、ざりと砂を踏み歩く。
いつもなら軽快な音を立てる下駄も、この地ばかりは
実習に使うための、魔法剣の選定、及びそのならし。

「今年の魔術学もなかなかの粒ぞろい。
しかして、それだけに教える事柄に迷うのう」

とはいえこれから行うことは、実習区でやるには狭すぎるし、浜辺でやるには人気が多すぎる。
ならばと、しばらくぶりに転移荒野へ足を運んでみようということになった。

「どっこいしょ。やはりこの暑さは堪えるわい。
さて。この辺りでよいかの」

言葉の割には汗一つかくことなく、涼しい顔の老人は、岩の二つ、三つ固まる場所へ、腰を下ろした。
杖を手に持ち眺め、空へと掲げながら、何やらぶつぶつと呟く。
視線の先には、夏の空。
わた雲がひとつ、ゆっくりと流れてゆくのを視認すると、うむ、とひとつ頷いた。

士尺 流雲齋 > 杖を左手に掲げながら、ゆっくりと立ち上がる。
浮かぶ雲を視界にとらえながら、短く、呪を唱えた。

「《わが手に参ぜよ 通力抜刀》」

杖を投げあげると、それは忽然と消え。
その代わりに、中空から8mもの巨剣が姿を現す。
その柄を右手でしっかりと握れば、とてつもない衝撃と重量で地面が大きくへこみ。

「さあて、届くかの」

小柄な身の丈に合わぬそれをぐるりぐるりと振り回すと、巨大な剣を担ぐように構え、老人の目が鋭くなった。

士尺 流雲齋 > 準備は整った。
では、手順を確認してゆこう。

1.大気から魔力をもらい、風を剣に纏わせます。【魔術・風属性付加】
2.維持の要となる剣に、さらに魔力を集め、風の刃を形成します。【魔法剣・ウィンドブレイド】
3.すぐに振らず片手で維持し、空いた手で無属性魔法【射出・シュート】の発動準備を行います。
4.両手の魔法を合わせます。ウィンドブレイドを発動し、直後に射出します。
5.風の刃が打ち上がります。

「うむ、簡単じゃな。
さて、飛距離の伸びは熟練次第じゃが、上手くやれば……」

手順通りに魔法を発動させる。

「曇天一閃 雲切り──っっ!!」

むん、と気合いを入れて巨剣を振り上げ、“真上に”風の刃を飛ばした。
老人が眩しそうに手をかざし、空をうかがっていると、数十秒後に雲が左右に分かれ、散っていく。
それを確認すれば、満足そうに微笑んだ。

士尺 流雲齋 > 「まあ、流石に在学中に雲を切る猛者はおらぬじゃろうが。
地上2000mじゃったかの、下層のわた雲相手でも」

剣はおろか、人間がもちえる武器にそこまでの射程は必要なかろうが、
魔力の維持、それとマジックミサイルの訓練にはなる。

「さて、次に進むかの。
これを教える前に、無属性魔法をいくつかやっておかねば」

巨剣を勢いよく投げあげると、出てきたときと同じように何処かへと消え、代わりに先ほど投げた杖が降ってきた。
懐から教本を取り出して、指を舐め、ぱらぱらとめくる。

士尺 流雲齋 > 「まずは。別の何かを撃ちだす術【射出】、これは必要じゃな。
訓練すれば実体、霊体、色んなものに応用が利く。
それと対象の耐久度を上げる【硬質化】、
対象の姿を模写する【分身化】、
対象に光学迷彩をかける【透明化】くらいは出すべきかの。
……対象を大きくする【巨大化】、逆に小さくする【微小化】、これらは今時期必要かのう……?」

うむむと、右手で教本を開き、考え込む。
その間にも空いた手で持った杖が、具体的な術を上げるたびに変貌し、
材質がメタリックになったり、
3本4本に増えて見えたり、
透き通って向こう側が見えたり、していた。

士尺 流雲齋 > 「うーむ、講義の時間に限りもあるし、3つくらいに絞ればよいかの。
あとは生徒の成長次第じゃな」

教本をぱたんと閉じると懐にしまい込む。
老人はくるりと空に背を向けると、ざり、ざりと元来た道を戻ってゆく。

ご案内:「転移荒野」から士尺 流雲齋さんが去りました。