2016/09/24 のログ
ご案内:「地下図書館?」にリビドーさんが現れました。
■リビドー > 荒れた図書館。
本棚は倒れに倒れ道を塞ぎ、飛び出た書物は足の踏み場を潰している。
要するに、子供の癇癪の結果である。
ご案内:「地下図書館?」に蕎麦屋さんが現れました。
■蕎麦屋 > 「……わぉ。」
脚を踏み入れたのは二度目の場所だが。
豪く荒れていた。
足の踏み場もない場所を、適当に踏み場をこさえつつ、奥へ。
それにしてもここまで荒れますか、普通。
■リビドー > ……恐らく、もう来るなの意味合いもあるのでしょう。
"当たり散らすことは認められない事だが、そうしておけばしないよりも早く発散できる。"
積み重なった鬱憤の呪い先や、振り下ろし先が無い故の暴走でもあるのかもしれませんが――。
ともあれ、当人の姿は見える所にはありません。
明瞭なまでの隔意と拒絶が、北欧の乙女を出迎えています。
■蕎麦屋 > 「――片づけてたらキリが無いですね、これ。」
途中の書籍類は『適当に』本棚に詰め込んだが。
諦めた。
踏まぬようには気を付けつつ――居るとすれば前回のあの場所だろうと見当は付けている。
■リビドー >
道中、極小規模の物語型異変になぞらえる様な多少の障害はあったかもしれません。
ですが、それは乗り切れる程度の障害でしょう。
いずれにせよ。肘掛のある椅子に座ったまま北欧の乙女をにらみます。
「……何の用だ。
此処に来ても神話の英雄に報いる報酬は無い。速やかに戻るが良い。
ああ、北欧神話は神話伝承であると同時に、英雄譚でもあったよな。
そうお前を見直せば、お前の行動もある程度納得が行く。ま、もう関係ない話だな。」
乱雑に積み上げられた書物とコピー用紙の束、隅に片付けられた鎖や螺子、楔。
そして普段通りの装いのリビドーそのもの見えるでしょう。
■蕎麦屋 > 「――癇癪にしても酷くありませんこと?」
道中を振り返り、ひとりごちる。
何をやってるのか、あの子は。
それはともかく、見当通りの場所にはいた。
そこだけは逆に片付いている部屋をぐるりと見回して。
「あ、セルフ監獄プレイは止めましたか。良き哉良き哉。
暇つぶしに来るには少々面倒臭すぎる道程でしたけれど。そもそも、財宝にも名誉にも興味がありませんし。
――で、またぞろ引き籠って何やってるんですかお前。」
いい、笑顔である。
■リビドー > 「誰かに当たる訳にも行かんだろ。秩序と道徳が赦さん。
……ああ、天丼を頼む気は無いから片付けたとも。
とは言え、蕎麦を頼んだ覚えも無いが。」
足元に転がっていた片付け損ねの鎖を蹴る。
軽く当たった後、息を吐き。
「ああ、そうだろうな。お前は報酬に頓着しない。
言い換えればボクにだって頓着しない。
……何しているかと言えば、八つ当たりしそうになっているから引き籠っているだけだ。
講義にしたって代理は頼んでいるからな。分かったら伯爵めいた神父との子でも育てておきな。
全く……まあ、お前は悪くないよ。だから安心して戻ると良い。」
■蕎麦屋 > 「あ、本当にヤったと思ってます?
というかそう簡単にデキるもんでもないでしょうに――」
首をひねる。
純粋なのは良い事だが――
「とりあえず――執着はしますよ、私も。
何をもって頓着しないなどという見立てに至ったのか不可思議ですけど。でなければ当の昔に終わっている話ですし。
まぁ、そういうなら帰りましょうか。
好きなだけ引き籠るがよろしいでしょう。自己完結して頓着していないのはどちらなのやら――。」
会話の余地もなさそうである。
くるり、と踵を返して。
■リビドー >
「お前とアイツでその辺を操作できない訳がないだろうし、
アイツはそこで嘘は付かん。やってないとしたら、こちらに貸しでも作ったのだろうな。」
聞き違えられたのか、読み替えられたのか。
小さく首を振る。
「……執着じゃなくて頓着だよ。
釣った魚のことを忘れられるのは、とても悲しいんだ。」
背を向けかける北欧の乙女には、落した声でそう告げた。
■蕎麦屋 > 「いや、私そういうの全くの門外漢ですし?
それに、あの後それはもう弄りがいのある玩具見つけた顔でリビドー逆レしてこいと言われましたよ。お断りしましたけど。
お陰様で予想の倍以上高いシロモノ持っていかれましたけど、それはそれ。」
ここまで言えば、どういう心変りがあの黒眼鏡に起きたかは大体わかるだろう。
「――はぁ。
忘れているならわざわざこんな穴倉の底まで潜りませんけれど。
それとも何です?私は痴呆症の老人か何かですか。――確かに歳を食ってるのは否定しませんけどね」
これ見よがしなため息とともに、向き直る。
そもそもあの七面倒くさい異変群抜けてくる労力がどれだけのモノと思っているのか。
■リビドー >
「婿に行けなくなるな、それは。」
肩を竦めて冗句を飛ばす。
概ねの事情と、黒眼鏡の心境の変化および動機も概ね把握した。
「ああ。だからまだ欲しいものでもあるのかと思ってたよ。
――そこまで言うならそうではないと信じたいが、やはり分からん。」
どうしたって楽観と諦観に引き摺られる。故に理解できない。
そう測りかねると言わんばかり首を横に振る。
「だから、それ以外では。
……キミがボクに何を望んでいるのかが分からないんだよ。
こればかりは自分で考えろと言われても、困るものだからな。」
■蕎麦屋 > 「――そういうわけで。」
理解した様子に、肩を竦めてみせる。
まぁ胸を揉まれるくらいのセクハラはあったがそれは黙っておこう。
「私が欲しい物、なんてのはそれほど存在しませんし。」
ないわけではない。
在り方の問題として、人の三大欲求のようなものは欲しいといえば欲しい。
が、それは求めるものではなく。
「――まぁ、何を望んでいるか、と聞かれましても。
求めてくれればそれでいいと思うのですけど。うーん?
そんな、何を、と聞かれたところで形容しがたいでしょうか?」
腕を組み、指を頬に当て、考え込んだ。
■リビドー >
「だから、欲しくなければ無くしたって気付かないだろう。」
想像の範疇内だったのだろう。
特に意外そうに思う事もなく、言いたい事を言う様に言葉を吐き出す。
「求めれば十分。ああ、それはそうだろう。だけどそれはキミだけじゃない。
求め続けた所で、求められなければ虚しい話だ。
軽いやり取りに縋ったボクが悪くもあるが――なんと、言うべきか。
先にボクをここから出そうとした理由にしろ、再びボクを取り戻しに来てくれた理由にしろ、
教えてくれねばどうも出来ん。ボクのようなものは、己を弄ばれる事は嫌うよ。」
■蕎麦屋 > 「気に掛かるから、では不服です?
そもそもそれ程付き合いが長い訳でもないですし。
何を求めていいのかもよくわかりませんし――お金とかそういう即物的なもの求められても困るでしょう?」
指をあてたまま、視線はさまよう。
そもそもなんでこうも気にして言うのかは自分でも不思議なもので。
「うん、わかりませんね。
本当に気に掛かるから、くらいしか出てきません。困ったことに。」
■リビドー >
「即物的なものなら渡して終わらせる。
……困った奴だよ。本当。」
道徳や論理で動く手合いではないのだろう。
四の子音を源としない旧き神々の様に、英雄の様に、ただただ意志の赴く侭に。
強き意志の侭に動く者であるのだろうか。
「……こんな時にどんな顔をすれば良いのやら。
付き合いも短く、良く知らない。それでも理由などなければ面倒くさいガキのお守にしかならんだろうに。
まして弱きものでも懸命なものでもない。此処に向かわなければもっと多くの道楽に興じられただろうに。
……今なら出ても良いと思えるが、きっと三度目は無いぞ。キミがそういうものであると理解しても、厳しいだろうな。」
頭を抑えながらゆらりと立ち上がり、溜息を吐く。
意地を張る理由が薄れた故に、根負けしたのだろう。
「ま、その頃には引き籠る理由も消えているかもな。」
■蕎麦屋 > 「自慢じゃないですが非常に困った奴だとは思いますけどね。
今更治るような類のものではありませんけど。」
――三つ子の魂百まで。
「ガキのお守りというならそれこそ理由なんていらないのではありません?
三度目、といわず何度でもこういう事はありそうですけど――それが嫌なら鎖でもなんでも。…あ、簡単にかけられるつもりはないですけどね」
指を話せば、冗談か本気か、そんなことを言いつつ――
言葉尻に首をかしげて。
「ん?
癇癪以外で引き籠る理由でもありましたか。」
漠然とした予測はないこともないが。
そういえば、そのあたりは聞いたことがなかったな、と。
■リビドー >
「鎖なら既に付いているだろう、お前。
付いているのに暴れている。そうでなければこうはなっとらん。」
口を尖らせる。
矜持に意地に引っ込みが付かなくなったような結果でもある。
尖らせた口とは裏腹に自嘲めいたものを覚えた。
「何、今は語る程のものでもない。
……しかし、そうか。鎖の先にも話を付けないとダメか。
経緯が経緯だけに、話せば呆れられるな……。」
頭を抱えました。
■蕎麦屋 > 「……ああ、そういえばそんなのもありました。
あれは鎖ともまた違うと思いますけれど……感覚の違いでしょうか。」
ぽむ、と手を打った。忘れていたわけではなく。
契約ではあるが、行動の束縛が入る類のモノでもない。
「どういう話つけるかにもよるでしょうが。
面白いことになりそうなのだけは間違いなさそうですねぇ――
ただ、その辺は向こうのごたごたが終わってからでしょう。」
抱える頭にくすくすと。
「――とりあえず、気が変わらないうちに出ません?
片付けのほうも大概骨が折れそうですし、気長にやりましょうか。」
■リビドー > 「咎めるつもりが、どうしたこうなった――いや。」
理由は分かっている。羨ましかったし、そう張り続ける在り様に人を見た。
そう言うものでもあるのかもしれないが、それならそれで羨望する。
ぬか喜びを覚えれば自棄にもなる。
いずれにしてもああ言わずには言われない。溜息と共に独白めいたものを零す。
「……分かった。が、ボクは欲は強いし嫉妬深いからな。
キミやボクを軽んずれは多分見放すぞ。」
■蕎麦屋 > 「――まぁ、あの黒眼鏡ほどではないですけど。
別に誰かに恥じるようなことは今のところしてませんから、たぶん。」
えっへん、胸を張った。
その結果が色々と大惨事なのは目を瞑ろう。
「ん、見放しますか。
まぁ、今までもこれからも軽んじるつもりはないですし、大丈夫だと思いますけど。」
■リビドー > 「どうだかな……。」
張り出る胸を横目に、再び図書館を後にする。
片付けるのは――色々落ち着いたらで良いだろう。
三度訪れる事そのものに抵抗がある。
いずれにせよ、再びこの場を立ち去った。
ご案内:「地下図書館?」からリビドーさんが去りました。
■蕎麦屋 > 「どうでもないですよ、と。」
去る気配を見せればその後ろについて。
――それにしても盛大に散らかった地下空間を、後にする。
三度目引き戻すのも面倒くさいなぁ、などと思いながら。
ご案内:「地下図書館?」から蕎麦屋さんが去りました。
ご案内:「学生街・広場【オクトーバーフェスト】」に阿曇留以さんが現れました。
ご案内:「学生街・広場【オクトーバーフェスト】」に寄月 秋輝さんが現れました。
■阿曇留以 > 本日もディアンドル姿でオクトーバーフェストにやってきている類。
が、今日は一人ではなく、友人を誘ってきている。
「このお祭りのビール、とても美味しいのよ~。
甘いビールとかあって、面白いの。
ビールって甘いのもあるのねぇ」
にこにこ笑いながら寄月の手を引いて会場にやってきた。
■寄月 秋輝 >
「ビールに甘いものがある、というのは聞いたことがないですね……
よその国の酒はすごいな」
手を引かれながら、草履でざりざりついていく。
場にまったくそぐわない着物姿だが、ここに合う衣装も持ち合わせていないので仕方がない。
「……というか、留以さん飲むんですね」
ちょっと意外だな、みたいな顔をして言葉を漏らす。
■阿曇留以 > 「んーと、普段は飲まないのよ?
でもお祭りとかの日は飲むのが礼儀だと思うの~。
楽しく飲んで、皆で楽しく酔う。
せっかくのハレの日だもの」
飲兵衛というわけではない。
が、多少なりとも飲むし、それが大事だとも思ってる。
まぁ甘い酒に限ってしまうのだが。
「寄月くんはあんまり飲めないかしら?」
■寄月 秋輝 >
「それは確かに……
祭りの場ではちゃんとその場で楽しむのが礼儀、ですかね」
普段祭りには参加しない秋輝だ。
そうして飲んで楽しく酔うべきだという言葉がもらえれば、これからどうすればいいかも大体予想がつく。
ハメだけは外さないように。
「いえ、全くの逆です。
魔力と霊力の補充にアルコールが非常に優秀なので、基本的にいくら飲んでもほとんど酔いません。
普段も時々飲んでますよ」
これはこれで不便な体なのだ。
酔って記憶を飛ばして騒ぐ、ということも出来ない。
■阿曇留以 > 「そうそう。
だから楽しく飲んで、たくさん食べてお祭りを楽しみましょ~」
ということで、つれてきたわけらしい。
遊ぼう、という約束をしていたのでそれもかねてだろう。
「あら、そうなの?
酔えないっていうのはちょっと不便ね……。
周りが酔ってるのに自分だけ酔えないっていうのは……大変ねぇ」
よーするに後始末とかをやらされるのかもしれないのだから。
■寄月 秋輝 >
「わかりました、ではとことん楽しみましょう」
ふ、と笑った。
傷は完治させたし、酒が体に悪いということもないだろう。
それ以上に、久々に心を休める時間が訪れたのなら、今だけでも休みたいものだ。
「いえ、大変ということはないですよ。
誰かと酒を飲むのも、今日が初めてです」
今年20になったばかりだし、誰かとゆったり過ごすことも多くない。
学生の身分の知り合いは未成年も多く、飲み友達も居ない。
そういう意味で、留以はいい相手ともいえた。
■阿曇留以 > そういえば、と思い出す。
彼もそういうタイプだったな、と。
「じゃあ、早速ビールを頼みに行きましょうか~。
その後、食べ物も頼んで、一緒に乾杯しましょ。
寄月くんはビール飲める方?
甘いビールもあるし、普通のビールもあるからきっと大丈夫だとおもうわ~」
初めて、というならとことん楽しませよう。
そのまま彼の手を引いてまずはお酒を頼むテントのほうへ連れて行こうとする。
■寄月 秋輝 >
「ええ、行きましょう。
……実はビールはほとんど飲んだことが無いんです。
日本酒ばかり飲んでいたので。
なのでとりあえず全部試してみようかと」
手を引かれながら答える。
アルコールは好きだから、どれでも飲めるだろうと考えて。
同時に、初めての友人との飲酒に少しだけ心躍った。
■阿曇留以 > 「あら、私と一緒ね~。
じゃあ何にしてみる?
私は甘いビールにするけど~」
この間も飲んだ甘いビール。
割と気に入ったらしい。
というか、それ以外が飲めないわけだが。
■寄月 秋輝 >
「それなら同じものを飲んでみましょう。
せっかくの留以さんのオススメですから」
くすっと笑って答えた。
そこまで気に入ったものなら、まずは甘いビールから入ろう。
「……オクトーバーフェス、でしたか?
下調べをしてないんですが、どういう祭りなんでしょう」
呼び出されて引っ張り出されたので、まだ情報が追いついていなかった。
頼んだ物が届くまでは雑談だ。
■阿曇留以 > 「ええ、そうしましょう~!
ビールが苦手な人もこれなら飲みやすいから、寄月くんも気に入ると思うわ~」
そういって、店員の前まで来ると二人分を注文する。
お酒代とグラス代を払いつつ、ビールを受け取り。
「んーと、基本的には収穫祭と思っていいんじゃないかしら?
私もあまり詳しくは知らないけれど、どこかの国の王族が結婚するときに開かれた祝いの席が起源、って書かれてたけれど。
でも収穫祭って記述もあったから……多分収穫祭でいいと思うわ~」
もっと詳しく調べればはっきりするだろうが、それはまたそのうちでいいだろう。
はい、とビールを寄月に渡して、今度は食べ物のテントへ移動しようとする。
■寄月 秋輝 >
「……祭りの起源なんて曖昧なものですね……
こうして騒いで楽しむのがメインになって、起源なんてどうでもいい人も多いでしょうし。
収穫祭の系列の祭りは多いですしね」
別にそれを嘆いているわけではなく、そうして楽しめる祭りがあるということが喜ばしいと思うのだ。
沈んだ空気よりは、こうして騒がしいくらいの方が気分もいい。
ありがとうございます、とビールを受け取って、次の食べ物のテントへついていく。
こちらでは自分が支払うつもりか、既に袖の中から紙幣を取り出してある。
「何を食べましょうかね……
留以さんのオススメは?」
ここでも留以頼りだ。
■阿曇留以 > 「ふふっ、普通の人は昔のことより、今が楽しいほうが大事だから仕方ないわ~。
私も自分の神社の祭り以外で起源なんてなかなか探らないもの~」
今が大事で、今が楽しければよいと思う。
もちろん、未来が楽しければもっと良いが。
未来が楽しくするために、今を楽しむのだ。
「お勧め~……。
そうねぇ、ソーセージの盛り合わせとか、お芋の揚げたのとか……。
チーズを揚げたものも美味しかったわ~」
とてもにこにこ顔で。
これでも割と食べる人なんです。
その分、いろんな箇所にお肉がつくが。
■寄月 秋輝 >
「やはりそうなりますよね。
僕も今からこの祭りについて調べようとは、あまり思えないです」
正直なものだ。
何にせよ、今だけは留以と同じ気持ちなのだ。
過去にとらわれるより、今を楽しんで進む方がよほどいい。
「……とりあえず全部行ってみますか。
残ることはおそらく無いでしょう。
すみません留以さん、支払いまで皿を持ってもらってもいいですか?」
うん、と頷き、とりあえず全部。
小柄な秋輝だが、服の下は筋肉の塊だ。
いくら食べても、運動でとにかく消費してしまう。
■阿曇留以 > 「は~い、持ってるわ~」
お皿、ビールと寄月から受け取り、持っておく。
この程度なら二人で食えばすぐだろう。
「あ、レシートだけ受け取っておいてもらえるかしら。
後で私も払うから~」
と、寄月にいっておく。
■寄月 秋輝 >
会計を終えて、空いた手で皿を受け取り直す。
「留以さん、ビール代を僕の分までしれっと支払ったでしょう?
いいですよ、僕は現状で収入があるんですから。
気にしないで祭りだけ楽しみましょう?」
くすっと笑い、言い切る。
資金的に余裕があるのはこちらの方なのだから。
「……しかしまぁ、食欲をそそるものばかりで」
皿の上を見て呟く。
今日はここで満腹になって帰ろうかなとか思ってる。
■阿曇留以 > 「あら、年上が祓うのは当然じゃない~。
別に気にしなくてもいいのよ?」
ばれちゃったか、とは思いつつも、そんな風に切り返し。
とはいえ、実ははらってくれるのならとてもありがたくはある。
この服装だけでも、じつは手痛い出費だったりするので。
「ほんとそうよねぇ。
ソーセージなんてちゃんと外国から取り寄せてる本場のものらしいわ~。
とってもおいしいのよ」
ちょっと食べ過ぎちゃうけれど~、と付け加え。
■寄月 秋輝 >
「そんなおしゃれな服を着てるんですから、以前のお酒も含めて結構財布が軽くなってるでしょう?
いいからここからは僕に任せておいてください」
以前ならもう少し節制していたが、思った以上に資金に余裕が出来たことに気付いてしまったのだ。
飲みにきた相手に奢るくらいは大したものでもない。
「本場の……期待できそうですね。
早速いただきましょう」
近くの席を見つけ、滑り込むように場所を取る。
皿を置き、ビールのグラスを持ち、留以の方に向けた。
「留以さん」
乾杯を。
■阿曇留以 > ん~、とちょっと困った顔をして。
しかし、ここは言葉に甘えるとしよう。
「じゃあ、悪いけれどご馳走になるわ~。
ありがとう、寄月くん」
ちゃんとお礼を言っておく。
そのあと、寄月が確保した席に座りグラスを持ち。
「はい、それじゃあ……。
かんぱ~い!」
かちん、と寄月のグラス優しく当てて、ビールを飲んでいく。
■寄月 秋輝 >
「ええ、どういたしまして」
くすっと笑う。
こういう時、聞き分けがいいのはとてもありがたいものだ。
「乾杯」
グラスのぶつかる高い音を聞き、自分もまた口にする。
一口目の甘い味わいを楽しみ、一気にぐいっと飲み干していく。
「……これは確かにイケますね」
ぺろりと口の周りを舐めながら呟く。
彼も飲んだことの無い味わいだ。
■阿曇留以 > 「ねっ、でしょ~?
すごく美味しいの。
苦いビールは飲めないけれど、こういうビールなら私も平気だわぁ~」
こく、こく、とビールをゆっくりのみつつ楽しそうに言う。
とはいえ、すきっ腹にお酒は厳しいのでフォークを片手に。
「それじゃ、ソーセージもいただきます」
ぽむ、と一回手を合わせてからぷすりと大きなソーセージに突き立てる。
かぷり、とかじれば肉汁が溢れ出て、留以も笑顔になる。
■寄月 秋輝 >
「普通のビールは苦いんでしたか。
後で飲んでみないと」
席さえ確保してもらえれば、自分は自由に動けるものだ。
留以が飲み終えたら、彼女の分も取りに行こうと決めておく。
留以が手を伸ばしたソーセージ、もう一本を自分もフォークを刺していただいてみる。
ぱりっとした皮の食感がたまらない。
「これは……美味しいですね。
止まらなくなるのも頷けます」
熱いのも我慢しながら口を動かす。
普段あまり食べる機会のないものだけに、手が止まらない。
別の揚げたポテトやチーズ等も食べていく。
自然と笑みが浮かぶほどに美味い。
■阿曇留以 > 「そうなのよね~、あの苦さはちょっと私苦手で……。
私はつぎ、別の甘いのにしてみようかしら」
なんでも果汁とかで甘くしたのもあるらしい。
そういうのも飲んでみようと思いつつ。
「ねっ、美味しいでしょ?
お酒が進んで、食べるのが止まらなくて。
お腹にお肉がついちゃうからまた運動しないと……っておもうのだけれど、美味しいから止まらないのよね~」
ぱくぱく、がじがじ。
お肉に、お芋に、チーズ。
きっと、後日に演習場あたりで体を動かす留以がいるだろう。
■寄月 秋輝 >
「留以さんが飲み終えたら取りに行きますよ。
好きなのを選んでおいてください」
一気に飲み干したのは間違いだったなーと思う。
彼女の飲むペースに合わせたほうがよかった。
「……女性は大変そうですね。
僕はむしろ、体を動かしすぎているのに食べる量が少ないので……」
食事量が増えないのは悩みでもある。
思い切り魔力と体力を使えば食べる量も増えるが、それはまた別の話だ。
結局体を作るのに必要なのは食事だというのに。
■阿曇留以 > 「大変なのよ~?
太ると健康面は勿論だけれど、服とかのサイズも変わっちゃうから買い換える必要が出てくるし……。
だから頑張って今の体型を維持しないといけないのよ~」
いろいろと大変らしい。
そういう意味では、妖怪退治はよい運動にもなる。
命の危機はあるものの。
「あら、ごめんなさいね。
今のんじゃうから~」
こっきゅ、こっきゅ、とちょっとがんばって飲み干し。
ぷはっ、と息をつけばグラスをそっと差し出す。
「それじゃあ、悪いけれどあの甘いやつおねがいできるかしら~」
そういって、テントのところに描かれているビールを指差す。
■寄月 秋輝 >
「服のサイズですか……
でもそんなに大きく変わるものでしょうか、体型って」
太らない人間にはその苦悩がまったくわからないものだ。
命がけの訓練と戦闘をしている人間にとっては特に。
「わかりました、では次のを」
席を立ち、次のビールを買いに行く。
留以の言ったものと、自分用にスタンダードなものを。
それを持ち、二人の席へ。
「すみません、急かしてしまって。
ゆっくり楽しんでいいですからね」
微笑みながらそう告げ、留以のビールを置く。
自分の分も一度置き、もう一つチーズを口に入れた。