2015/10/26 のログ
浅田扁鵲 >  
「……うん、そうだな。
 これは『現実に起こった事象を説明する』ために考えられたんだと、私は理解している」

【上げられた手に、やはり投げられる質問が鋭いと感じさせられた】

「例えば古代大陸で農業は重要だったと以前話しただろう?
 農業における障害で、連作障害という物がある。
 土中の微生物のバランスが悪くなり、障害を起すというものだ。
 これはつまり、良質な土の生成『火生土』が間に合わず、過剰な農作物を育てようとして『木克土』が行きすぎた状態だ。
 こういった状況は五行が生まれた頃からあっただろうが、平衡を保っているはずの五行でこれは異常だといえる。
 そのため、その異常を説明するために『相乗』という関係を用意する必要があったんだろう。

 同様に、伐採などで木を切りすぎてしまえば、林はなくなり、新たな植物が生まれなくなる事すらある。
 これもまた異常な事態であり、相克ではなく『相乗』という関係が説明に必要だった。
 ……とはいえ、これもあくまで私の支持する説に過ぎないけどな。
 何度も話しているが、五行は東洋医学に主に運用される理論だ。
 体の病、変調は五行や陰陽の異常によって起こるとされている。
 五行説だけで病や変調の原因を探り、治療するには、相生、相克の関係だけではやはり不足なんだ。
 そういった、『万象の異常を説明するために必要だった』からと言うのが、相乗と、この後説明する『相侮』の生まれた理由なんだろう」

【そこまで説明すると、また様子を見守り、反応を伺う。
 視界に入った黒髪の少女が何か呟いていたが――質問ではなさそうか】

クローデット > 「陰陽や五行に基づく東洋医学の実践の場で、「異常」を説明するための定義が特に必要とされた、ということでしょうか。
…丁寧な説明、感謝致します」

そう言って、座席に座ったままだが、綺麗な姿勢で頭を下げた。
…それから、説明された内容を短くまとめてノートに記す。

光ヶ丘 睦美 > 起きている事態の説明、ということなら。
一番身近な学園の話でたとえても、そんなに間違いにはならないのかもしれない。
「例えば、常世学園の委員会を五行に当てはめたとして…
木が公安、火が風紀、土が生活と図書、金が鉄道、水が式典。
……確かに、土がしっかりしてないと成長できなさそうな感じかも」
自分で納得ができたようで、手を上げることは無さそうだ。

浅田扁鵲 >  
「ああ、その通りだ。
 現実に照らして考えると、こういった『異常』は頻繁に見られるものだからな。
 説明する理屈は必要だったわけだ。
 納得いただけて何よりだよ」

【まったく用意していなかった質問に酷く冷や汗を掻いたが、納得してもらえたらしい。
 まるまる恩師の受け売りだったが、聞いておいて良かったと心底感謝した】

「……さあ、次は今話しにでた『相侮』だ。
 字の通り、今度は相克に逆らっていこう。
 さっきの『相乗』が相克の進みすぎた関係だとしたら、こっちは相克が逆転した状態だ。
 図に書いてある通り、この関係を『五行相侮(そうぶ)』と言う」

【『五行相侮の関係1』と書かれた図を表示して、上部の説明をポインターで示した】

「相侮は図のように『一行』が強すぎたために『克我』されず、それどころか相手を侮る事だ。
 『反克』とも呼ばれる関係で、図に描いた状態を『木侮金』と言う」

【そしてまた『五行相侮の関係2』と描かれた図を出す】

「そして相乗と同じように、『虚』の関係も存在する。
 これは『一行』が弱まってしまったために、『我克』の相手を抑制できず、反対に侮られるという状態だ。
 こっちは図に書いたとおり、『金虚木侮』となる。

 相乗も異常だったが、『相侮』もまた異常な状態だ。
 しかし、相乗に比べれば、相侮は日常に見られる機会が多いと思う。
 例えば悪事に対して抑止力となるはずの警察が、取り締まる力を失ってしまえば、当然侮られるわけで、悪事も増えるだろう。
 火を消そうと水を掛けるが、掛けた水が少ないか、火の勢いが強すぎれば消火は出来ない。
 こういった身近な事象を説明するのにも、こういった五行の関係と言うのは用いられたわけだ。
 この異常を説明する相乗と相侮を合わせて、『五行の乗侮関係』と言う。
 ……さて、次が最後の関係性だが、その前に相乗相侮について質問があったら聞いてくれ」

【先ほどの質問に答えられたことで自信がでたか、どんな質問でも掛かってこい、というような気分だった】

クローデット > (相克が逆転、ですか…)

相克というのは現象として対立するからそのように作用するのであって、その力関係が異常になれば逆転もまた然り、なのだろう。
異常状態に名前をつける必要性の話は先ほど聞けたし、相侮については説明に頷きながらノートをとっていく。

質問は特になさそうだ。

ご案内:「教室棟/特別講義会場」から蒼穹さんが去りました。
ご案内:「教室棟/特別講義会場」から光ヶ丘 睦美さんが去りました。
浅田扁鵲 >  
「……さて、それじゃあ次に行こう。
 乗侮関係で異常についてを説明したが、今度はその異常を調整する働きについてだ。
 相克関係によって、ある一行が弱められたとき、相生の母子関係を用いて、『克我』を克制し平衡を保とうとする働き。
 この関係を『勝覆』と言う」

【『勝覆の関係』と書かれた図を出すと、ポインターで示しながら説明する】

「これはこのまま、図の通りに説明しよう。
 まず、金克木の関係から、金が木を弱めた。
 そして、弱められた木は自分を護らなくちゃいけない。
 だから母子関係の子である火に頼って、金を弱めてもらおうとするわけだ。
 すると今度は火克金の関係により、金が弱まり、同時に木を克制する力も減る。
 その間に木は、自信の母である水から力を貰い、金と拮抗できる力を得る、というわけだ。
 この関係はな、物語性があって面白いんだ。
 この図の結果、木は強くなったが今度は金が弱っただろう?
 そしてそれがまた子に助けを求め、母が補う。
 すると今度は水克火で火が弱まり、また助けを求める、とな。
 こうした継続的な微調整を繰り返すことで、五行は平衡を保っているんだ。

 乗侮の関係とは、この調整で補いきれないほどに悪化した結果ともいえる。
 だから外部から手を入れる必要があり、また人体に当てはめれば医療が生まれたわけだ。
 ……さて、これで五行の主な関係性は一通り説明させてもらった。
 質問がなければ、そろそろまとめに入るが、どうかな?」

【予定していた説明を終え、教室を眺めて訊ねた】

相楽 満 > (崩れてもどこかで直ってくる、と)

さらさらノートに書き込んでいく。
前回の講義なんかも含めて考えると、やはり世界のバランスというのはなかなか大きく崩れないものだ。

資料がわかりやすいからか、特に質問が無い。
難しいという割には、腑に落ちることが多くて楽だった。

クローデット > 異常な状態に、相生や相克の関係が作用することで修正がかかる働きと、それで足りない場合についての説明がなされる。

(「治療」に重きを置いた世界観のように感じられますが…
自然と人体を同じ理屈で説明しよう、というのは、生命魔術とは随分離れたあり方で興味深いですわね)

そんなことを考えながら、説明に真剣に耳を傾け、ノートをとっていた。

観堂 貴緒 > 「魔術的には、……そうだなこの中に魔術師はいるか?
五行が正しく運行している状態が正しい現実だ。
相乗は、この時、五行のうちの一つでも促すことで異常が引き出される、コレを魔術という。促すってのは触媒だな。
そしてその状態への防御が相梅。」

ぐしゃぐしゃと頭をかく

「魔術的に考えれば勝覆の関係ってのは時間かなぁ」
最後の締めにかなって着けちゃうてきとうさに
恥ずかしさで顔をそむける。

浅田扁鵲 >  
「その通り、五行の魔術は、『乗侮』の異常を意図的に生み出す事で始めて行使することが出来る。
 そして『勝履』を当てはめるのなら、やはりその異常が収まるまでの時間といえるだろう。
 ……分かりやすいまとめ、ありがとうございます、観堂先生」

【足りなかった魔術への関連付けをしてくれた事に頭をさげ。
 そこでようやく、以前話しているところを見かけた事とその名前を思い出した】

クローデット > 教室の最後部に陣取っていたのは教師で…どうも、東洋魔術の使い手であるらしい。
ちらりと、人形めいて大きな青い瞳を後方の男性に向け、彼と講師のやりとりに耳を傾け…それから、改めて向き直り、今の会話の内容をまとめたものをノートの端にメモした。

浅田扁鵲 >  
「よし、それじゃあ纏めに入ろう。
 五行は五つの物質をさすが、この物質は元素を指すわけでなく、その中で働く『気』が有形化したものである。
 その五行はそれぞれ、象徴される特性を持っていて、『類を以って推す』つまり似たもの同士が集まり、万象が分類される。
 そして五行には主に五つの関係性があり、一つが互いに助け合い補い合う『相生関係』。
 また、互いを抑制しあう『相克関係』と、この二つの関係を中心に、異常を表す『相乗関係』と『相侮関係』。
 そして平衡を保つための調整作用としての『勝覆関係』があった。
 五行の理論はこの関係性によって成り立ち、人と自然を含めた万象を説明することが出来たわけだ。

 ……さて、ここまでの講義で、私が何故最初に『気の思想』や『天地人三才思想』、『天人合一思想』を説明したか分かってくれたかと思う。
 五行は、木火土金水の気、それら個々の関係では終わらない。
 それらがそれぞれ、『統一』されて関係しあっているからこそ、調和が取れ平衡を保つことが出来るんだ。
 そして、『天人合一』で表した自然と人体の『大宇宙』と『小宇宙』。
 先ほど観堂先生が説明くださったように、魔術は五行の異常を意図的に用いるもの。
 しかし、『小宇宙』である人体が起した異常は、さらに大きな『大宇宙』の働きによって、時間により自ずと平衡が取られる。
 五行を学び、用いるには、こういった理論を知ってもらう必要があったんだ。

 ここまで長くなったが、よく受講し、話を聞いてくれた。
 三回と言う限られた中で、詰め込むような内容になってしまったが、本当にありがとう。
 ……最後に、この三回の講義を通して、質問や、また要望があれば答えさせてもらいたい」

【なにかあるか、と。
 纏め終えてもまだ気を抜かない表情で、教室をしっかりと眺める。
 こうして講義する機会は、もうそうないのだろうと思い、記憶に刻むように】

観堂 貴緒 > 「いやたびたび進行を邪魔したようですまない。浅田……?扁…鵲で良いのか?これ、へんな名前だな、ああ偽名か。」

上手くいった様でニヨニヨ顔歪ませて
講義要項に書かれている名前を頑張って読み上げる。
ふと大事なことに気がつく、アレ喋りすぎた?
手をうち注目を集める

「一応……脳波系催眠術を教える観堂 貴緒だ。この期に興味があれば授業に受講してね」

クローデット > (浅田先生、名前については気にしていらしたかと思いますが…
脳波系催眠術…帰ったらシラバスでも確認しておきましょう。

………東洋魔術を教えているわけではないようですわね、少々意外ですか。)

やや意地の悪い印象を受ける笑みを浮かべていた観堂の名前と顔を、一応記憶した。

五行と…そして、3回の特別講義のまとめ。
東洋思想が、「切り分けのために」分類する西洋の…近代の思想とは別の方法論で世界観を作り上げているためにこの順序である必要があったのだと、改めて理解出来た。
説明を聞きながら、今までとったノートをぱらぱらと見返してみたりする。

質問は、特にはなさそうだった。

相楽 満 > なるほど、と頷く。
最初は彼女との話を合わせるためにと思ったが、それにとどまらない知識が得られたというもの。
自分の体の成り立ちやバランス、それが世界にも通ずるものだと考え、なんだか随分賢くなった。気がする。

面白い授業だった。
受けてよかったと思いながら、ノートを閉じた。

浅田扁鵲 >  
「……扁鵲で合ってますよ、一応、本名です。
 いや、偽名じゃないんです、本当に……」

【観堂先生の言葉に、どこか落ち込むように肩を落として右手で顔を覆った。
 扁鵲にとっては自分の名前こそ『克我』である。
 まったく、心底だれかに相生関係を築いてもらいたい心境だ。
 しかし、気を取り直して顔を上げれば、いつもの少しけだるげだが人の好い顔を向ける】

「さあ、これで講義は終わるが、講義を希望し、これまで真剣に受講してくれた君達に感謝の気持ちを用意させてもらった。
 なんと、これまでの講義に関する小テストだ。
 ……いやいやそうざわめかないでくれ、なにも成績に関わる類のものじゃない。
 どれだけ理解して貰えたかの簡単な問題だしな。
 それはいずれ掲示板に掲示、配布する形で提示しようと思うから、興味があったら挑戦してみてくれ。

 ……それと、今回の講義でさらに調べてみたい、勉強してみたいと思ったら、今回のプリントにこれまでに用いた参考資料を記載しておいた。
 自分で調べる場合の参考にしてくれ。
 もちろん、私に個人的に質問してくれても構わない。
 今回の講義用に用意した連絡先は、今後も利用できるからな、上手く先生を使ってくれると嬉しいところだ。
 まあそれが、東洋医学についての内容だったりすると、もっと喜ぶんだが」

【しかしそうはいかないだろう、と自分で小さく苦笑しつつ、ゆっくりと頭を下げる】

「全三回の講義、つたない内容だったかもしれないが、受講してくれて本当にありがとう。
 願わくば、この講義が君達の今後に役立つことを祈っているよ。
 それじゃあ、『東洋思想概論』特別講義を終わりにする。
 ……お疲れ様でした」

【最後の講義は、ちょっとのサプライズと、感謝の挨拶を告げて、締めくくられた】

相楽 満 > 「東洋医学か……」

ぽつりと小さな声で呟いた。
さて、自分の医療研究のために、その知識が必要だろうか。
いや、あって損は無いのだろうが。

もしかしたら、あの病にも今回の知識や東洋医学の知識が役に立つのだろうか。

十年以上後になるかもしれないが、その知識が必要になったら頼る日が来るだろうか。
いや、必要になってから仕入れたのでは遅いかもしれない。

(……必要になってから聞くか)

楽観的である。
小テストはちゃんと受けておこう、と思った。
もしかしたら、今後の自分の生き方のすべてになるかもしれない。

クローデット > 名前を突っ込まれて肩を落とす講師を見て、(あ、やっぱり)と思ったとか思わないとか。

(小テストが義務でないというのは、随分優しい授業ですわね…
まあ、自分の理解のためにも、当然受けますけれど。

…参考資料も…魔法薬学あたりで何か役に立つかしら?
学園祭等が一段落したら、図書館で探してみましょう)

魔術に関わることを筆頭に、勉強には熱心なクローデットだった。

そして、講師の最後の挨拶に合わせて、綺麗なお辞儀を返す。

魔術の幅を広げる意味で非常に有意義な講義だったと、クローデットは感じていた。

観堂 貴緒 > 講義が終わって

「あー悪い、浅田教諭。ほらココって偽名つかって
防衛する奴ばっかだろ?
ほら、アレだ、この後暇なら、飲みにいこう。おごるよ。」

慌ててかけよって、気づかれるかもしれないが精神が上がる効果の接触魔術を使い背中を叩こうとする。
お疲れ様とお詫びもこめて

「風紀委員もしらん店だぜ?」

この人はものすごくチャランポランだ

浅田扁鵲 >  
「……はあ」

【これで終わりなのか、と少々名残惜しく感じながら、教卓に用意されていた椅子に腰掛ける。
 初めての事だったが、思った以上に熱心に聴いてもらえて、確かな達成感を感じていた】

「ああ、いいですね……でも俺はあまり強くないんですよね。
 まあでもたまには、思いっきりの見たい気分か――」

【そこに声を掛けられ背中を叩かれ、僅かに自身の気分が高揚するのには気付いたが、害があるモノじゃないと気にせず。
 しかし、その誘いに応じようとしたところで】

『――扁鵲ー!』

【と、飛び込んでくる小さな影が一つ。
 黒い髪に、日本のものとは少し趣きの異なる着物。
 そして、黒髪の隙間から見える水晶のような二本の小さな角。
 その幼い背格好の少女は、扉からまっすぐ扁鵲の下に駆け寄って、抱きつくのだった】

「う、ぉ……なんだシャオ、学園祭に行ってたんじゃなかったのか」

『んーん、やっぱり扁鵲と一緒じゃないとつまんない!』

【そんな少女を倒れないよう受け止めて、頭をなでてやれば嬉しそうに笑顔を見せた。
 ……一瞬、教室にいるある女性を一瞥したように見えたが、気のせいかもしれない】

「……講義は終わったが、後片付けしてからな。
 それまでもう少し大人しくしてろ」

『うんっ、じゃあ外で待ってるから早く来てね?』

【そう答えれば、少女は近くにいた観堂先生に少し頭を下げ、また教室を出て行く。
 その途中、やはり銀髪の女性を一瞥していたが、立ち止まらずに出て行った】

「……すみません、観堂先生。どうもアイツに付き合わないとダメみたいで」

【その小さな背中を見送ると、観堂先生に申し訳なさそうな顔を向けた】

クローデット > (…ここに、公安委員はおりますけれど)

講義が終わるや否や駆け寄っていき通俗的な誘いをかけている観堂教諭の様子に、
羽根扇子を広げて口元を隠して、その下で少し意地の悪い笑みを浮かべている。
…が、羽根扇子で隠れていない目元では、何でもない風を装った。
それから、荷物をまとめて立ち上がると、

「浅田先生、特別講義ありがとうございました。
魔術の幅を広げる上で、非常に興味深いお話でしたわ。
また、東洋思想などについて疑問が生じた際にはよろしくお願い致します」

と、優美な所作で、改めて講師に対して深くお辞儀をすると、教室を出て行った。

クローデット > …と、教室を出て行こうとしたところで、飛び込んでくる角付き少女。

(………ああ、やはりそうでしたか)

羽根扇子で口元を隠し…その下で、不敵な笑みを作るクローデット。

(彼の研究について…今やるべきことが落ち着いたら調べることに致しましょう。
…『あたくし達』と明確に敵対するのか否か、見極める必要があるでしょうから)

表に出さないようにしつつも、そんなことを考えながら…ゆったりとした足取りで教室を後にしたのだった。

ご案内:「教室棟/特別講義会場」からクローデットさんが去りました。
相楽 満 > (……芙蓉に言っといた方がいいかな……)

ちょっと思うところもあるが、まぁ彼女も休養中だ。やめておこう。
と、少女をちらっと見て。

(あ、あの時のトカゲの子だ)

『見て』理解した。
やっぱり可愛いなぁなどと思い、ほのぼのした目線を投げかける。
それも一瞬のこと、目を伏せたらいつものやる気のあるのかないのかわからない顔。

授業の道具を片付け、プリントをファイルにしまった。

「うっし。んじゃー先生、ありがとうございました。
 またよろしくお願いします」

『また』と言っておいた。
必要になる知識を持っている気がするから、いずれ頼るだろう。
その時のために。

席を立ち、ぺこりと礼をして退室していった。

ご案内:「教室棟/特別講義会場」から相楽 満さんが去りました。
観堂 貴緒 > 「おっと……鬼嫁さんにああいわれちゃーしょうがない。
火傷したくはないしな」

おーこわっとつぶやいてから、お店の名刺を握らせ

「機会があればな」

と陽気に去っていった。

ご案内:「教室棟/特別講義会場」から観堂 貴緒さんが去りました。
浅田扁鵲 >  
「こちらこそ君のおかげで、いい勉強をする事が出来たよ。
 質問なり興味なりあれば、いつでも声を掛けてくれ。
 ……お疲れ様」

【そしてクローデットの背中を見送れば、彼女と話す口実が減ったのは少しもったいないなと感じてしまう。
 やはり魅力的な女性と言うのは”ズルい”と思わされる。
 また、その後を追うように、いつも懸命に話を聞いてくれる少女が元気良く挨拶をして退室していく。
 途中からやって来た不真面目な少女も、それを追うようにふらっと帰って行った】>クローデット

「おう、こちらこそありがとう。
 ああ、またな」

【男女の違いか。そう砕けた調子で見送って、その”また”の機会をどこか楽しみにしている自分に笑みが浮かんだ】>相楽

「ええ、すみません。
 ……是非行きましょう」

【名刺を受け取ると、ニヤ、と笑い、その背中を見送りながら、ゆっくり腰を上げる】

「……あ、思ったよりも余ったな」

【余ったお土産の「林檎せんべい」を持って、いつの間にか誰もいなくなった教室を見て周り】

「……さて、これ以上待たせるのも、面倒か」

【そうして教室を後にして、自分を待ってるだろう少女の下へと向かっていく。
 こうして『東洋思想概論』の講義は終わりを向かえ、浅田扁鵲初の講師業は、無事締めくくられたのだった】

ご案内:「教室棟/特別講義会場」から浅田扁鵲さんが去りました。